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JP4963863B2 - 新規化合物及び該化合物を含有してなる液晶組成物 - Google Patents

新規化合物及び該化合物を含有してなる液晶組成物 Download PDF

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Description

本願発明は、液晶表示素子に利用されるものとして有用な新規化合物、及び該化合物を含有してなる液晶組成物に関するものである。
液晶は、種々の電気光学素子として応用され、時計や電卓あるいは自動車のパネル等の表示に実用化されてきている。現在最も実用化されている液晶表示素子は、ねじれネマチック液晶の誘電的配列効果を利用したものが大部分である。しかし、最近になり他の方式の表示方法の開発が盛んに行われ、コレステリック・ネマチック相転移型表示方式や高分子分散型表示方式等による液晶表示素子も用いられている。
液晶表示素子は、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、高コンストラスト比、広視角、化学的安定性等の種々の性能が要求されているが、単一の化合物でこれらの性能を満たすものはなく、一又はニ以上の特性に優れた液晶材料及び非液晶材料を複数混合して液晶組成物とし、各材料が互いに性能を補うことで種々の要求性能を満たしている。従って、各材料はお互いによく混和することが好ましい。
そして、液晶表示素子は低温で使用されることもあるので、低温においても液晶相を維持する液晶組成物を用いることが好ましい。液晶相を示す下限温度が低い化合物は、該化合物を配合する組成物において、ネマチック相の温度範囲の広域化に寄与することができる。
特許文献1〜3にて、液晶表示素子において、低粘度で末端に分岐を有すアルコキシ基を有す化合物が開示されているが、満足できるものではなかった。
特開2004−115414号公報 特許第2554122号公報 特公平6−10170号公報
すなわち、本発明の目的は、相溶性が良くかつ低温でも液晶相を維持する化合物及び該化合物を含有してなる液晶組成物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で表される新規な化合物が、上記目的を達成する上で極めて好適な化合物であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
Figure 0004963863
{式中、Xは、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、又は分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、該アルキル基又は該アルコキシ基は不飽和結合を有していてもよく、一部あるいは全部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。Yは、一部の炭素原子が酸素原子で置換されてもよい炭素原子数1〜5のアルキレン基、又は酸素原子を表し、Zは、−CH2−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2COO−、−OCO−CH2CH2−、−CF2CF2−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し、環Aは置換基を有してもよい炭素原子数4〜20の環状基を表し、nは1〜3の整数を表し、nが2以上の整数のときは、環A及びZは、それぞれ異なるものであってもよく、R1は、水素原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基(該アルキル基は、不飽和結合を有してもよく一部あるいは全部の水素原子がハロゲン原子で置換されてもよい)、又は、下記一般式(2)で表される置換基を表す。}
Figure 0004963863
(式中、R2、R3及びR4は、各々独立して水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、又は分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、該アルキル基又は該アルコキシ基は、不飽和結合を有していてもよく、一部あるいは全部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。)
また、本発明は、下記一般式(3)で表される化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
Figure 0004963863
(式中、X、Y、R1、環A及びnは上記一般式(1)と同じものを表す。)
また、本発明は、下記一般式(4)で表される化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
Figure 0004963863
(式中、X及びR1は上記一般式(1)と同じものを表し、R5は水素原子又はメチル基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
また、本発明は、上記一般式(4)において、Xがメチル基、R1が3−フルオロ−4−シアノフェニル基、R5がメチル基及びmが2である化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記一般式(4)において、Xがメチル基、R1が3,4−ジフルオロフェニル基、R5がメチル基、及びmが2である化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記一般式(4)において、X、R1及びR5が、メチル基、並びにmが2である化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記化合物を含有してなる液晶組成物を提供することで、上記目的を達成したものである。
本発明の化合物によれば、溶解性が優れ、他の化合物と良く混和することができ、液晶相発現温度範囲の広域化といった効果が得られる。
以下、本発明の化合物及び該化合物を含有してなる液晶組成物の好適な実施の形態について詳細に説明する。
前記一般式(1)において、X、R1、R2、R3又はR4で表される分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基は、不飽和結合を有してもよく、全部又は一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、ペンチル、3−メチルブチル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、ノニル、デシル、ビニル、アリル、プロパ−2−エン−1−イル、ヘキサ−2−エン−1−イル、4−メチル−ヘキサ−2−エン−1−イル、ヘプタ−5−エン−4−イル、オクテニル等の基が挙げられるが、特にメチル、プロピル、2−メチルプロピル、ペンチル、2−メチルペンチルが好ましい。
前記一般式(1)において、X、R2、R3又はR4で表される炭素原子数1〜10の分岐を有してもよいアルコキシ基は、不飽和結合を有していてもよく、全部又は一部の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等が挙げられるが、特に、メトキシ、プロポキシ、ペントキシが好ましい。
前記一般式(1)において、Yで表される炭素原子数1〜5のアルキレン基とは、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンが挙げられ、該アルキレン基は炭素鎖中の一部の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい。
前記一般式(1)において、環Aで表される炭素原子数4〜20の環状基とは、芳香族基からなる、単環、多環、縮合環又は集合環でもよく、飽和脂肪族基からなる単環、多環、縮合環縮合環であってもよく、又は芳香族基と飽和脂肪族基の環状基の組み合わせからなる縮合環であってもよい。炭素原子数4〜20の環状基としては、例えば、1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、2,6−ナフチレン、4−シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、2,7−アントラセン又は2,7−フェナントレン等が挙げられ、環Aの任意の水素原子は、弗素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はアルコキシ基で置換されてもよい。該アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル等の炭素原子数1〜3のものが好ましく挙げられ、該アルコキシ基としては例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等の炭素原子数1〜3のものが好ましく挙げられる。
環Aの具体例としては、下記に例示する如き環状基が挙げられるが、本発明はこれらの環状基に限定されるものではない。
Figure 0004963863
前記一般式(1)のR1として、上記一般式(2)で表される置換基としては、例えば、4−シアノフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−フルオロ−4−プロポキシフェニル、3−フルオロ−4−シアノフェニル等が好適に使用することができる。
これら上記一般式(1)で表される化合物の中でも、上記一般式(3)で表される化合物及び上記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
さらに上記一般式(4)で表される化合物において、Xがメチル基、R1が3−フルオロ−4−シアノフェニル基、R5がメチル基、及びmが2である化合物、Xがメチル基、R1が3,4−ジフルオロフェニル基、R5がメチル基、及びmが2である化合物、並びにX、R1及びR5がメチル基、並びにmが2である化合物が特に好ましい。
上記一般式(1)で表される本発明の化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜No.15が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
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Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
本発明の化合物は、具体的には後述の合成例のようにして得ることができるが、一般的には〔化21〕に示す反応式のようにして得ることができる。
即ち、分岐のアルコキシ基を有するカルボン酸化合物(4)と、特定の置換基を有するフェノールとを、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下、必要に応じてジクロロメタン等の溶媒中で反応させることによって容易に製造することができる。この反応は発熱反応のため、室温下又は水冷下で行われる。
Figure 0004963863
本発明の化合物は、液晶化合物として有用であり、従来既知の液晶化合物若しくは液晶類似化合物、またはそれらの混合物(母液晶)を配合させることによって本発明の液晶組成物を構成する。
また、本発明の液晶組成物は、本発明の化合物を好ましくは1〜50質量%含有し、特に好ましくは、1〜10質量%含有する。
上記母液晶としては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物またはこれらの混合物が挙げられる。
Figure 0004963863
(式中、R6は、水素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルキニル基、アルキニルオキシ基、アルコキシアルキル基、アルカノイルオキシ基若しくはアルコキシカルボニル基を示し、これらはハロゲン原子、シアノ基等で置換されていてもよい。W2は、シアノ基若しくはハロゲン原子、又はR6で表される基と同様の基を示す。W1、W3及びW4は、水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基を示す。Z1及びZ2は、各々独立に、直接結合手、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CHCH2O−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2CH2−、−CH=CH−、又は−C≡C−を示す。pは、0、1又は2を示す。環B、環C及び環Dは、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ピリミジン環又はジオキサン環を示す。)
上記一般式(5)で表される化合物の具体例としては、下記〔化23〕に示す化合物が挙げられる。尚、下記の各化合物におけるR6、W1、W2、W3及びW4は、上記一般式(5)におけるものと同じ意味である。
Figure 0004963863
また、本発明の液晶組成物には、公知のカイラル剤を併用することができる。カイラル剤としては、例えば、〔化24〕及び〔化25〕に示す化合物等が挙げられる。
Figure 0004963863
(式中、R7及びR8は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアルコキシ基又はアルコキシカルボニル基を表し、これらはエーテル基によって中断されていてもよく、ハロゲン原子及び/又はシアノ基により置換されていても良く、あるいは不飽和結合を有していても良い。環E、環F及び環Gは、それぞれ独立して、1,4−フェニレン、trans−1,4−シクロヘキシレン、又は2−若しくは3−フルオロ−1,4−フェニレン若しくは1,4−シクロヘキセニレンを表し、これらはハロゲン原子及び/又はシアノ基により置換されていても良い。Z3及びZ4は、それぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−(CH24−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH23O−、−O(CH23−、CH=CHCH2O−、−OCH2CH=CH−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−CFHCFH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−CF2−CF2−又は単結合を表す。qは、0、1又は2を表す。ただし、式中には少なくとも1個以上の不斉炭素原子を有する。)
Figure 0004963863
(式中、R9は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有することのできるアリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニルオキシ基又はアリールオキシカルボニル基等を表し、これらの基中の水素原子はハロゲン原子に置き換えられていても良く、エチレン基はエテニレン基又はエチニレン基により置き換えられても良い。R10は、アルキル基又はアルケニル基を表す。環Hは、唯一つの二重結合を他の環とは共有することなく有する縮合環を表し、アルキル基及び/又はアルコキシ基で置換されていても良い。)
カイラル剤の具体例としては、〔化26〕に示す化合物が挙げられる。
Figure 0004963863
また、例えば、特開昭63−175095号公報、特開平1−242542号公報、特開平1−258635号公報、特開平6−200251号公報、特開2002−308833号公報等に提案されているカイラル剤も使用できる。
これらのカイラル剤は、単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。その場合には、らせんのねじれ方向が異なるものの組み合わせでも、ねじれ方向が同じものの組み合わせでも良い。また、例えば、特開平7−258641号公報に提案されているように、コレステリック相の旋回能の温度依存性を正とするものとコレステリック相の旋回能の温度依存性を負とするものとを組みあわせることもできる。
使用するカイラル剤の種類及び濃度を変えることにより、液晶組成物のピッチを調整することができる。好ましくはピッチが0.2μ〜300μmの範囲となるように調整する。
また、本発明の液晶組成物には、長期に渡って光や熱に対して優れた安定性を付与する目的で、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾエート系、オキザニリド系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤;フェノール系、リン系、硫黄系等の酸化防止剤等を添加することもできる。
また、本発明の液晶組成物には、帯電防止効果を得るため界面活性剤等の化合物を添加することもできる。該化合物としては、例えば、特開昭59−4676号公報、特開平4−36384号公報、特開平4−180993号公報、特開平11−212070号公報、特開平8−337779号公報、特開平9−67577号公報、特開2003−342580号公報等に提案された化合物等が挙げられる。
次に本発明の液晶組成物の好ましい配合例を〔表1〕〜〔表6〕に示すが、本発明の液晶組成物はこれらの配合例に限定されるものではない。
<配合例>
Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
Figure 0004963863
以下、合成例及び実施例をもって本発明を更に説明する。しかしながら、本発明は以下の合成例及び実施例によって制限を受けるものではない。
尚、下記合成例1は、本発明の化合物の実施例を示し、下記合成例2及び3並びに下記実施例1は、参考例を示す
〔合成例1〕(化合物No.1の製造)
化合物No.1を〔化27〕に示す反応式に従い、以下のステップの手順で合成した。
Figure 0004963863
<ステップ1>中間体1の合成(メチル化)
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸(1)92.5g(0.43mol)、メタノール(MeOH)1500mlを仕込み、室温で硫酸18.5mlを滴下した。滴下終了後 65度まで昇温し、撹拌しながら反応させた。反応終了後、氷水冷による冷却で得られた析出物を濾別し、該析出物をメタノールで洗浄、乾燥して白色結晶を得た(収量89.0g、収率90.3%)。
得られた白色結晶は赤外吸収スペクトル(IR)及び1H−NMRによる分析の結果4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸メチル(2)であることを確認した。
<ステップ2>化合物No.1の合成
ステップ1で得た4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸メチル(2)10.0g(0.044mol)、4−メチル−2−ペンタノール4.9g(0.048mol)、トリフェニルホスファイン12.9g(0.049mol)、酢酸エチル30gを仕込み、撹拌後、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIPAD)9.7g(0.048mol)を水冷しながら滴下した。滴下終了後、2時間撹拌した。濾別して脱溶媒後、シリカゲルカラム精製(展開液:トルエン)を行った。さらに該精製液について再結晶(溶媒:エタノール)を行い、白色結晶8.4g(収率61.4%)を得た。
得られた白色結晶は、赤外吸収スペクトル(IR)及び1H−NMRによる分析の結果、目的物である化合物No.1の化合物と同定した。それらの分析結果、相転移温度及び光学(屈折率)異方性の測定結果を以下に示す。
(分析結果)
(1)IR(cm-1
2955、2870、1717、1605、1562、1528、1497、1439、1389、1288、1254、1200、1111、1049、964、941、833、772、721、698、629、486
(2)1H−NMR(ppm)
0.9−1.0(m;6H)、1.3(d;3H)、1.5−1.9(m;3H)、3.9(s;3H)、4.3−4.6(m;1H)、6.9−7.0(d;2H)、7.5−7.6(m;4H)、8.0−8.1(d;2H)
(3)相転移温度
この化合物を二枚のガラス板間にはさみ、偏光顕微鏡観察による相形態観察を行った結果、下記の相転移を確認した。尚、等方性液体相から結晶相への転移温度は特定することができなかった。
Figure 0004963863
(4)光学(屈折率)異方性
得られた化合物No.1について、光学(屈折率)異方性(Δn)が0.0979であるエステル系ネマチック液晶に対して10質量%添加した組成物の物性から外挿して、光学(屈折率)異方性(Δn)を算出したところ、Δn=0.152の値が得られた。
尚、上記エステル系ネマチック液晶は、下記〔化29〕に示す組成を有する4−n−アルキルシクロヘキサンカルボン酸アルコキシフェニルエステル系の組成物を用いた。
Figure 0004963863
〔合成例2〕(化合物No.2の製造)
化合物No.2を〔化30〕に示す反応式に従い、以下のステップの手順で合成した。
Figure 0004963863
<ステップ1>(加水分解)
4−(2,4−ジメチルブトキシ)−4’−ビフェニルカルボン酸メチル(3)7.0g(0.022mol)、エタノール(EtOH)21gを仕込み、更に、水酸化カリウム(KOH)2.0g(0.034mol)と水10.5gの水溶液を加え、80度まで加熱して3時間撹拌した。反応終了後室温まで冷却し、35%濃度塩酸3.9gと水100gの混合水を加え、析出物を得た。得られた析出物を濾別し、該析出物を水で洗浄、乾燥して白色結晶(4)を得た(収量6.6g、収率98.5%)。
白色結晶(4)は分析の結果、4−(2,4−ジメチルブトキシ)−4’−ビフェニルカルボン酸であることを確認した。
<ステップ2>化合物No.2の合成
ステップ1で得た4−(2,4−ジメチルブトキシ)−4’−ビフェニルカルボン酸(4)3.0g(0.010mol)、3,4−ジフルオロフェノール1.4g(0.011mol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.06g(0.0005mol)、ジクロロメタン30gを仕込み、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.2g(0.011mol)とジクロロメタン2.5gの混合溶液を水冷しながら滴下した。1時間撹拌後、析出物を濾別し脱溶媒を行った。得られた析出物についてシリカゲルカラム精製(展開液:トルエン)を行い得られた該精製液について再結晶(溶媒エタノール/トルエン)を行い、乾燥後白色結晶(5)(収量3.4g、収率83%)を得た。
得られた白色結晶(5)は、赤外吸収スペクトル(IR)及び1H−NMRによる分析の結果、目的物である化合物No.2の化合物と同定した。これらの分析結果、相転移温度及び光学(屈折率)異方性の測定結果を以下に示す。
(分析結果)
(1)IR(cm-1
2955、2932、2870、1732、1605、1516、1497、1439、1400、1277、1250、1184、1146、1107、1065、1030、1015、953、930、887、810、764、721、694、640、605、579、513
(2)1H−NMR(ppm)
0.9−1.0(m;6H)、1.3(d;3H)、1.5−1.9(m;3H)、4.3−4.6(m;1H)、6.9−7.4(m;5H)、7.5−7.7(m;4H)、8.1−8.2(d;2H)
(3)相転移温度
この化合物を二枚のガラス板間にはさみ、偏光顕微鏡観察による相形態観察を行った結果、下記の相転移を確認した。
Figure 0004963863
(4)光学(屈折率)異方性
得られた化合物No.2について、光学(屈折率)異方性(Δn)が0.0979であるエステル系ネマチック液晶に対して10質量%添加した組成物の物性から外挿して、光学(屈折率)異方性(Δn)を算出したところ、Δn=0.196の値が得られた。
〔合成例3〕(化合物No.3の製造)
化合物No.3を以下の〔化31〕に示す反応式にしたがい、合成した。
Figure 0004963863
<化合物No.3の製造>
上記合成例2のステップ1で得た4−(2,4−ジメチルブトキシ)−4’−ビフェニルカルボン酸(4)3.0g(0.01mol)、4−シアノ−3−フルオロフェノール1.4g(0.011mol)、ジメチルアミノピリジン0.06g(0.0005mol)、ジクロロメタン30gを仕込み、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.2g(0.011mol)とジクロロメタン2.5gの混合溶液を水冷しながら滴下した。1時間撹拌後、析出物を濾別し脱溶媒を行った。得られた該析出物についてシリカゲルカラム精製(展開液:トルエン)を行い、該精製液について再結晶(溶媒:エタノール/トルエン)を行い、乾燥後白色結晶(6)(収量2.8g、収率66.7%)を得た。
得られた白色結晶(6)は、赤外吸収スペクトル(IR)及び1H−NMRによる分析の結果、目的物である化合物No.3の化合物と同定した。これらの分析結果、相転移温度及び光学(屈折率)異方性の測定結果を以下に示す。
(分析結果)
(1)IR(cm-1
2936、2870、2237、1740、1601、1497、1431、1381、1254、1192、1150、1107、1057、1015、961、930、887、829、764、694、621、505
(2)1H−NMR(ppm)
0.9−1.0(m;6H)、1.3(d;3H)、1.5−1.9(m;3H)、4.3−4.6(m;1H)、6.9−7.4(m;5H)、7.5−7.7(m;4H)、8.1−8.2(d;2H)
(3)相転移温度
この化合物を二枚のガラス板間にはさみ、偏光顕微鏡観察による相形態観察を行った結果、下記の相転移を確認した。尚、スメクティック相から結晶相への転移温度は特定できなかった。
Figure 0004963863
(4)光学(屈折率)異方性
得られた化合物No.3について、光学(屈折率)異方性(Δn)が0.0979であるエステル系ネマチック液晶に対して10質量%添加した組成物の物性から外挿して、光学(屈折率)異方性(Δn)を算出したところ、Δn=0.238の値が得られた。
〔実施例1〕(溶解性)
表7に記載の化合物について、光学(屈折率)異方性(Δn)が0.0979であるネマチック液晶に対して10質量%添加した液晶組成物において、0℃、室温(25℃)のそれぞれの温度で一昼夜置いたときに、液晶組成物が固結した場合は×、液状状態である場合は○として評価した。この結果を表7に示す。
Figure 0004963863
表7より、本発明の化合物は、低温での溶解性が優れており、他の化合物と良く混和することができ、液晶相発現温度範囲の広域化の要望に応えることができる。また、該化合物は光学(屈折率)異方性Δnの値が高いので、該化合物を用いた液晶組成物は液晶表示素子を薄膜化することが可能であり、液晶の選択波長範囲が広くなると行った効果も奏することができる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(4)で表される化合物。
    Figure 0004963863
    (式中、X1 及び5、メチル基を表し、mは2を表す。)
  2. 請求項1に記載の化合物を含有してなる液晶組成物。
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