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JP4961259B2 - パッドホルダー - Google Patents

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JP4961259B2 JP2007129792A JP2007129792A JP4961259B2 JP 4961259 B2 JP4961259 B2 JP 4961259B2 JP 2007129792 A JP2007129792 A JP 2007129792A JP 2007129792 A JP2007129792 A JP 2007129792A JP 4961259 B2 JP4961259 B2 JP 4961259B2
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Description

本発明は、尿や経血等の体液を吸収する吸収パッドと併用されるパッドホルダーに関し、詳しくは、吸収パッドの股間部へのフィット性を高め、防漏性を向上させ得るパッドホルダーに関する。
従来、病院や老人ホーム、在宅介護の現場等においては、パッドホルダーの股下部の肌対向面上に吸収パッドを取り付けた状態で該パッドホルダーを着用し、吸収パッドが液を吸収し難くなった場合は、吸収パッドのみを新品と交換し、パッドホルダーは、必要に応じ洗濯をした上で、再利用することが行われている。これにより、使い捨ておむつ等を使用する場合に比して、ゴミの量やコストの削減を図ることができる。
パッドホルダーとしては、前身頃、後身頃及びこれら両者間に位置する股下部を有し、該前身頃及び該後身頃がそれぞれ伸縮性シートから形成されており、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、該股下部に吸収パッドが取り付けられて着用されるものが知られている。斯かる構成のパッドホルダーの中でも、特に、トランクス型(ボクサーパンツ型)のパッドホルダー、即ち、着用時においてレッグ開口部の開口周縁部が股下部より下方に位置するタイプのパッドホルダーは、レッグ開口部の開口周縁部がウエスト開口部に接近したいわゆるハイレッグ型(ブリーフパンツ型)のパッドホルダーに比して、吸収パッドの位置ずれを起こし難く、パッドの保持性が高いため、広く普及している。このようなトランクス型のパッドホルダーにおいては、該パッドホルダーの股下部に取り付けられた吸収パッドの外部へのはみ出しを防止する目的で、一対のレッグ開口部それぞれの開口周縁部にレッグ部弾性部材が配されて太腿ギャザーが形成されており、該太腿ギャザーが着用者の太腿部を締め付けるようになされている(例えば特許文献1参照)。
しかし、上述した従来のトランクス型のパッドホルダーは、吸収パッドの身体の股間部へのフィット性が充分ではなく、防漏性に問題があった。即ち、従来のトランクス型のパッドホルダーは、これを着用する際に、常法通り一対のレッグ開口部それぞれに足を通した状態で該パッドホルダーのウエスト部を摘んで全体を引き上げると、太腿ギャザー(レッグ部弾性部材)が身体の太腿部における本来位置すべき箇所より下方で引っかかってしまう。そして、この状態で更に引き上げられると、パッドホルダーを構成する伸縮性シートの作用によって、太腿ギャザーが途中で引っかかったままパッドホルダー全体が縦方向に引き伸ばされ、この結果、ウエスト部は所望の位置まで引き上げられているものの、股下部は充分に引き上げられず、該股下部に取り付けられた吸収パッドが身体の股間部に密着していない状態で使用されるため、液漏れが生じるという問題があった。
特開2002−660号公報
従って本発明の目的は、併用される吸収パッドの身体の股間部へのフィット性に優れ、液漏れを起こし難いパッドホルダーを提供することにある。
本発明は、前身頃、後身頃及びこれら両者間に位置する股下部を有し、該前身頃、該後身頃及び該股下部がそれぞれ伸縮性シートから形成されており、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、該股下部に吸収パッドが取り付けられて着用されるパッドホルダーであって、前記レッグ開口部の開口周縁部にレッグ部弾性部材が配されて太腿ギャザーが形成されており、該太腿ギャザーは、前記パッドホルダーの着用時において、前記股下部と同じ高さか、又は該股下部より下方に位置しており、前記伸縮性シートの前記パッドホルダーの縦方向における1.0N/50mm荷重時の伸度が30〜120%であり、該伸縮性シートの該パッドホルダーの横方向における1.0N/50mm荷重時の伸度が25〜90%であり、前記前身頃に、着用者のそけい部に沿ってそけい部弾性部材が配されてそけいギャザーが形成されているパッドホルダーを提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明のパッドホルダーは、併用される吸収パッドの身体の股間部へのフィット性に優れ、液漏れを起こし難い。
以下、本発明のパッドホルダーを、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明のパッドホルダーの一実施形態を前身頃と後身頃とが合わさる2つ折り状態で示した正面(前身頃側)図、図2は、図1に示す2つ折り状態のパッドホルダーの背面(後身頃側)図、図3は、図1に示すパッドホルダーを立体形状の状態(着用時の状態)で示した斜視図である。図3に示すパッドホルダーの立体形状は、着用時の形状に略等しい。
本実施形態のパッドホルダー1は、前身頃2、後身頃3、及び該前身頃2と該後見頃3との間に位置する股下部4を有しており、該前身頃2、該後身頃3及び該股下部4がそれぞれ伸縮性シート10から形成されている。前身頃2は、パッドホルダー1の着用時に身体の腹側に配され、下腹部を覆う部分であり、後身頃3は、背側に配され、臀部を覆う部分である。股下部4は、パッドホルダー1の着用時に身体の股間部に配され、その肌対向面(パッドホルダー着用時に着用者の肌側に向けられる面)上に吸収パッド(図示せず)が取り付けられる部分である。
本実施形態のパッドホルダー1においては、パッドホルダーを構成する前身頃2、後身頃3及び股下部4が、連続する1枚の伸縮性シート10から形成されている。即ち、これら前身頃2、後身頃3及び股下部4は、接合部分がないように丸編みにて接合されて構成されている。
パッドホルダー1の上側には、着用者のウエスト部分が挿通されて密着されるウエスト開口部5が開口されている。また、このパッドホルダー1の下側には、着用者の各太腿付近が挿通されて密着される一対のレッグ開口部6,6が開口されている。即ち、これら一対のレッグ開口部6,6それぞれは、パッドホルダー1の着用時における上下方向としての縦方向Lに沿って所定の長さ(身丈)を有する円筒状の脚部の先端部に形成されている。
ウエスト開口部5の開口周縁部には、ウエスト部弾性部材51が伸張状態で環状に配されており、これによりウエストギャザーが形成されている。ウエスト部弾性部材51は、縫い付け、あるいは接着剤等を用いた貼り付け等により、前身頃2及び後身頃3(伸縮性シート10)に固定されている。ウエスト部弾性部材51としては、例えば、ポリウレタン繊維で形成された伸縮性織布、合成ゴムシート、天然ゴムシート等が用いられる。
レッグ開口部6の開口周縁部には、レッグ部弾性部材61が伸張状態で環状に配されており、これにより太腿ギャザーが形成されている。レッグ部弾性部材61は、縫い付け、あるいは接着剤等を用いた貼り付け等により、前身頃2及び後身頃3(伸縮性シート10)に固定されている。レッグ部弾性部材61としては、上述したウエスト部弾性部材51と同様のものを用いることができ、レッグ部弾性部材61とウエスト部弾性部材51とで弾性部材が同じでも良く、また、異なっていても良い。
本発明においては、前記太腿ギャザー(レッグ部弾性部材)は、パッドホルダーの着用時において、股下部と同じ高さか、又は股下部より下方に位置している。斯かる構成により、股下部に取り付けられた吸収パッドの外部へのはみ出しを効果的に防止し、防漏効果を向上することができる。特に、本実施形態のように、太腿ギャザーが股下部より下方に位置していることが、吸収パッドのはみ出し防止効果の点で好ましい。本実施形態のパッドホルダー1は、いわゆるトランクス型(ボクサーパンツ型)のパッドホルダーであり、図1及び図2に示すようにパッドホルダー1を前身頃2と後身頃3とが合わさるように着用者のウエスト側部に沿った折曲線1a,1aで2つ折り状態にした場合において、太腿ギャザー(レッグ部弾性部材61)は、股下部4より下方に位置している。股下部4の最下部4aと太腿ギャザー(レッグ部弾性部材61)の最下部との間の最短距離Hは、好ましくは0〜70mm、更に好ましくは10〜50mmである。最下部とは、当該部位(太腿ギャザー、股下部など)においてパッドホルダー着用時に最も下方に位置する部分を意味する。また、最短距離Hは、パッドホルダー1が未伸張(非着用)の自然状態にあるときに測定する。
また、図1及び図2に示すようにパッドホルダー1を前身頃2と後身頃3とが合わさるように着用者のウエスト側部に沿った折曲線1a,1aで2つ折り状態にした場合において、ウエスト開口部5の開口周縁部(ウエスト開口部5の最上部)とレッグ開口部6の開口周縁部(レッグ開口部6の最下部)との間の最短距離L1(身丈)は、好ましくは160〜360mm、更に好ましくは190〜330mmであり、また、ウエスト開口部5の開口周縁部と股下部4の最下部4aとの間の最短距離L2(股上丈)は、好ましくは160〜320mm、更に好ましくは180〜300mmである。
また、L1とL2との比は、L1/L2=1.00〜1.45の範囲であることが好ましく、L1/L2=1.05〜1.30の範囲であることが更に好ましい。
最短距離L1(身丈)、最短距離L2(股上丈)は、何れもパッドホルダー1が未伸張(非着用)の自然状態にあるときに測定する。
前身頃2、後身頃3及び股下部4それぞれは、上述したように伸縮性シート10から形成されており、これにより、パッドホルダー1は、着用時における上下方向としての縦方向L、及び該縦方向Lと直交する横方向Sそれぞれに沿って伸縮可能に構成されている。伸縮性シート10のパッドホルダー1の縦方向Lにおける1.0N/50mm荷重時の伸度は30〜120%、好ましくは35〜90%であり、伸縮性シート10のパッドホルダー1の横方向Sにおける1.0N/50mm荷重時の伸度は25〜90%、好ましくは35〜80%である。パッドホルダー1の主たる形成材料である、伸縮性シート10の製品縦方向L及び製品横方向Sの上記伸度が、それぞれ上記範囲内にあることにより、着脱時におけるパッドホルダーの上げ下げが容易になり、取り扱い性が向上する。
伸縮性シート10の上記伸度は、次のように測定される。
<伸縮性シートの伸度の測定方法>
測定対象のパッドホルダーから、縦方向Lに150mm、該縦方向Lと直行する横方向Sに50mmの寸法の長方形形状を切り出し、この切り出された長方形形状を測定サンプルとする。測定サンプルは、ウエスト部弾性部材51及びレッグ部弾性部材61を含まないように切り出す。また、パッドホルダーが該パッドホルダーを構成する各々のパーツを縫合してなる場合は、その縫合部を含まないように測定サンプルを切り出す〔縫合部を含まざるを得ない場合は、縫合部をできるだけ少なく含むように切り出すか、又は縫合部がチャック部(測定サンプルの前後25mmの部分)に位置するように測定サンプルを切り出す〕。測定対象のパッドホルダーから充分な寸法の測定サンプルを切り出せない場合は、チャック部(測定サンプルの前後25mmの部分)の寸法を小さくしても良い。
この測定サンプルを、その縦方向Lが引っ張り方向となるように、引張試験機のチャックに取り付ける。チャック間距離は100mmとする。測定サンプルを300mm/分で引っ張り、荷重値が1.0Nの時における該測定サンプルの伸張時の長さ(伸張時にチャック間に位置する測定サンプルの長さ)を用い、下記式から縦方向Lの1.0N/50mm荷重時の伸度を求める。
伸度(%)=[(伸張時の長さ(mm)−100(mm))/100(mm)]×100
また、上記パッドホルダーから、縦方向Lに50mm、横方向Sに150mmの寸法の長方形形状を切り出してこれを測定サンプルとし、この測定サンプルを、その横方向Sが引っ張り方向となるように、引張試験機のチャックに取り付け、上記と同様の手順により、横方向Sの1.0N/50mm荷重時の伸度を求める。
伸縮性シート10としては、例えば、合成繊維又は天然繊維により編織成されたネット状生地等を用いることができる。
パッドホルダー1の前身頃2には、着用者のそけい部に沿ってそけい部弾性部材71,71が伸張状態で配されて、そけいギャザーが形成されている。そけい部は、人間の胴と下肢のつなぎ目である足の付け根の部分、つまり、腹部と足との境目であり、股間部を挟んで左右対称位置に存在する。よって、そけい部弾性部材71,71も、左足、右足それぞれのそけい部に沿うように、非着用時において前身頃2を横方向Sに二分する仮想線P1を挟んで左右対称位置に配されている。右側のそけい部弾性部材71と左側のそけい部弾性部材71とは互いに独立していて、連接していない。そけいギャザーがあることにより、そけいギャザーが優先的にそけい部にフィットするので、従来のこの種のパッドホルダーで問題視された、パッドホルダーの股下部と身体の股間部との間の密着性の悪さが解消され、股下部に取り付けられた吸収パッドの股間部へのフィット性が向上し、優れた液漏れ防止効果が得られるようになる。
そけい部弾性部材71(そけいギャザー)について更に説明すると、そけい部弾性部材71は、パッドホルダー1を前身頃2と後身頃3とが合わさるように着用者のウエスト側部に沿った折曲線1a,1aで2つ折りした状態(図1及び図2に示す状態)において、着用者のそけい部に沿うように股下部4の最下部4aの近傍から折曲線1aまでに亘って連続的に配されている。より具体的には、そけい部弾性部材71は、その最下部71aが、股下部4の最下部4aの近傍に位置し、その最上部71bが、該最下部71aよりも上方で且つ前身頃2を縦方向Lに二分する仮想線P2よりも下方に位置するように配されている。そけい部弾性部材71の最下部71aと股下部4の最下部4aとの間の最短距離L3は、好ましくは0〜50mm、更に好ましくは20〜50mmである。そけい部弾性部材71の最上部71bと仮想線P2との間の最短距離L4は、好ましくは0〜100mm、更に好ましくは30〜80mmである。また、そけい部弾性部材71の最下部71aと仮想線P1との間の最短距離S1は、好ましくは0〜70mm、更に好ましくは20〜50mmである。そけい部弾性部材71の最上部71bと該そけい部弾性部材71に最も近い折曲線1aとの間の最短距離S2は、好ましくは0〜30mm、更に好ましくは0〜10mmである(本実施形態では、最短距離S2は0mmであり、図1には、S2を図示していない)。最短距離L3、L4、S1、S2は、何れもパッドホルダー1が未伸張(非着用)の自然状態にあるときに測定する。
そけい部弾性部材71は、前身頃2(伸縮性シート10)に縫い付けられ、あるいは接着剤等の接着手段により貼り付けられる等して、固定されている。そけい部弾性部材71としては、上述したウエスト部弾性部材51と同様のものを用いることができる。
そけい部弾性部材71の長さは、好ましくは100〜200mm、更に好ましくは120〜180mmであり、幅は、好ましくは1〜30mm、更に好ましくは3〜15mmである。
そけい部弾性部材71の1.5倍伸張時の収縮応力(A)は、そけいギャザーによる上述した効果(股下部のフィット性の向上、防漏効果)をより確実なものとする観点から、レッグ部弾性部材61の1.5倍伸張時の収縮応力(B)よりも大きいことが好ましい。好ましくはA/B=1.2〜4.0であり、更に好ましくはA/B=1.5〜3.0である。
そけい部弾性部材71の1.5倍伸張時の収縮応力は、好ましくは100〜300cN、更に好ましくは150〜250cNである。
レッグ部弾性部材61の1.5倍伸張時の収縮応力は、好ましくは30〜200cN、更に好ましくは80〜150cNである。
上記収縮応力は、次のように測定される。
<弾性部材の1.5倍伸張時の収縮応力の測定方法>
前身頃2と後身頃3との境界部分(折曲線1a)を切断し、パッドホルダー1を展開状態にした後、測定対象の弾性部材を切り出して測定サンプルとする。測定サンプルに測定対象の弾性部材以外の弾性部材が含まれる場合は、測定対象以外の弾性部材を取り除くか又は切断して、測定対象以外の弾性部材の収縮応力が発現しないように処理する。
この測定サンプルを、水平な面上に該測定サンプルの肌当接面側の外面が該水平な面に当接するように載置し、該測定サンプルが自然に収縮した状態において、その幅方向(=パッドホルダーの幅方向)の両側縁部における上縁部と下縁部の長手方向中点を結んだ線の長さを測定し、この測定値から20mmを引いた値を自然長とする。
そして、この測定サンプルを、テンシロン引張試験機〔(株)オリエンテック社製、RTC−1150〕のチャック間に固定し(測定サンプルの幅方向両端部から10mm幅方向内側に入る領域をチャックで留める)、その時の荷重をゼロとする。その後、測定サンプルを、引張速度300mm/分で、パッドホルダーの幅方向と同じ方向に前記自然長の1.5倍になるまで伸張させ、このときの応力を1.5倍伸張時の収縮応力とする。
本実施形態においては、そけい部弾性部材71は、ウエスト開口部5側に向けて凸状に湾曲した円弧状を形成するように前身頃2に配されており、従って、そけいギャザーも該円弧状を形成している。そけいギャザーがこのような円弧状を有していることにより、そけいギャザーをそけい部に沿って直線状に形成した場合に比して、パッドホルダー1のそけい部へのフィット性、更には股下部4の身体の股間部へのフィット性が高まり、液漏れ防止効果の更なる向上が図られる。
また、本実施形態においては、図2に示すように、後身頃3に、着用者の臀部に沿って、より具体的には臀部の下側に沿って臀部弾性部材81,81が伸張状態で配されて、臀部ギャザーが形成されている。臀部弾性部材81,81は、非着用時において後身頃3を横方向Sに二分する仮想線P1を挟んで左右対称位置に配されている。右側の臀部弾性部材81と左側の臀部弾性部材81とは互いに独立していて、連接していない。そけいギャザーに加えて臀部ギャザーが形成されていることにより、そけいギャザーのみが形成されている場合に比して、そけい部を含む足の付け根周りに対するパッドホルダーのフィット性が更に向上し、これにより、股下部4の股間部へのフィット性の一層の向上、及びこれによる防漏効果の一層の向上が図られる。
臀部弾性部材81(臀部ギャザー)について更に説明すると、臀部弾性部材81は、パッドホルダー1を前身頃2と後身頃3とが合わさるように着用者のウエスト側部に沿った折曲線1a,1aで2つ折りした状態(図1及び図2に示す状態)において、着用者の臀部の下側に沿うように股下部4の最下部4aの近傍から折曲線1aまでに亘って連続的に配されている。より具体的には、臀部弾性部材81は、その最下部81aが、股下部4の最下部4aの近傍に位置し、その最上部81bが、該最下部81aよりも上方で且つ後身頃3を縦方向Lに二分する仮想線P2よりも下方に位置するように配されている。臀部弾性部材81の最下部81aと股下部4の最下部4aとの間の最短距離L5は、好ましくは0〜50mm、更に好ましくは0〜30mmである。臀部弾性部材81の最上部81bと仮想線P2との間の最短距離L6は、好ましくは0〜100mm、更に好ましくは30〜80mmである。また、臀部弾性部材81の最下部81aと仮想線P1との間の最短距離S3は、好ましくは0〜70mm、更に好ましくは20〜50mmである。臀部弾性部材81の最上部81bと該臀部弾性部材81に最も近い折曲線1aとの間の最短距離S4は、好ましくは0〜30mm、更に好ましくは0〜10mmである(本実施形態では、最短距離S4は0mmであり、図2には、S4を図示していない)。最短距離L5、L6、S3、S4は、何れもパッドホルダー1が未伸張(非着用)の自然状態にあるときに測定する。
臀部弾性部材81は、後身頃3(伸縮性シート10)に縫い付けられ、あるいは接着剤等の接着手段により貼り付けられる等して、固定されている。臀部弾性部材81としては、そけい部弾性部材71と同様のものを用いることができる。臀部弾性部材81の長さ及び幅、並びに1.5倍伸張時の収縮応力は、そけい部弾性部材71と同様に設計しても良く、そけい部弾性部材71と異なるように設計しても良い。
また、上述したそけい部弾性部材71あるいは臀部弾性部材81の1.5倍伸張時の収縮応力をA、レッグ部弾性部材61の1.5倍伸張時の収縮応力をB、ウエスト部弾性部材51の1.5倍伸張時の収縮応力をCとした場合、C>A>Bとなるように調整されることが、パッドホルダー及び該パッドホルダーに取り付けられる吸収パッドの身体に対するフィット性が更に向上し、優れた液漏れ防止効果が得られる点で好ましい。
ウエスト部弾性部材51の1.5倍伸張時の収縮応力(C)は、好ましくは180〜500cN、更に好ましくは230〜400cNである。この収縮応力(C)は、上記の収縮応力の測定方法により測定される。
本実施形態においては、そけい部弾性部材71と臀部弾性部材81とがウエスト側部(折曲線1a)で連接されて、一体となっている。即ち、本実施形態のパッドホルダー1においては、前身頃2における股下部4の最下部4aの近傍からウエスト側部(折曲線1a)を通って後身頃3における股下部4の最下部4aの近傍に亘って、弾性部材(そけい部弾性部材71、臀部弾性部材81)が途切れることなく連続的に配されている。
また、本実施形態においては、臀部弾性部材81は、レッグ開口部6側に向けて凸状に湾曲した円弧状を形成するように後身頃3に配されており、従って、臀部ギャザーも該円弧状を形成している。即ち、本実施形態においては、そけいギャザーが、ウエスト開口部5側に向けて凸状に湾曲した円弧状に形成されており、臀部ギャザーが、レッグ開口部6側に向けて凸状に湾曲した円弧状に形成されている。そけいギャザーと臀部ギャザーとは、略等しい曲率で円弧状に湾曲している。そけいギャザーと臀部ギャザーとがこのように形成されていることにより、そけい部を含む足の付け根周りに対するパッドホルダーのフィット性、及び股下部4の股間部へのフィット性の点で、一層の向上が図られる。
本実施形態においては、股下部4の肌対向面上に、伸縮性シート10よりも伸縮性に劣り且つ防水性を有する股布11が配されており、前記そけいギャザー(そけい部弾性部材71)及び前記臀部ギャザー(臀部弾性部材81)それぞれの一部が股布11で被覆され、且つ該一部と該一部を被覆している該股布11との間がそれぞれ接合されている。即ち、股布11を介してそけいギャザーと臀部ギャザーとが連接されており、連接されたこれらが、着用者のそけい部を含む足の付け根周りに配されている。
斯かる構成について更に説明すると、股布11は、縦長の矩形形状を有しており、その長手方向一端側が前身頃2に位置し、長手方向他端側が後身頃3に位置し、該一端側と該他端側とに挟まれた長手方向中央部が股下部4に位置するように、前身頃2から股下部4を通って後身頃3に亘って連続的に配されている。股布11の長手方向一端縁(前縁)11a及び長手方向他端縁(後縁)11bは、それぞれ、パッドホルダー1を縦方向Lに二分する仮想線P2と略同位置にある。股布11は、前身頃2、後身頃3及び股下部4(伸縮性シート10)に縫い付けられ、あるいは接着剤等の接着手段により貼り付けられる等して、固定されている。そして、そけい部弾性部材71,71それぞれの最下部71a、及び臀部弾性部材81,81それぞれの最下部81aが股布11で被覆され、これら弾性部材71,81の一部と該一部を被覆している股布11との間が、縫い付け、あるいは接着剤等の接合手段により接合されている。
パッドホルダー1を前身頃2と後身頃3とが合わさるように着用者のウエスト側部に沿った折曲線1a,1aで2つ折りした状態(図1及び図2に示す状態)において、股布11の前縁11aと股下部4の最下部4aとの間の最短距離L7は、好ましくは50〜250mm、更に好ましくは100〜200mmであり、また、股布11の後縁11bと股下部4の最下部4aとの間の最短距離L8は、好ましくは50〜250mm、更に好ましくは100〜200mmである。本実施形態においては、L7とL8は同一に設計されている。最短距離L7、L8は、何れもパッドホルダー1が未伸張(非着用)の自然状態にあるときに測定する。
上記のように、股布11を介してそけいギャザーと臀部ギャザーとが連接されていることにより、パッドホルダー1の着用時において、そけい部を含む足の付け根周りが、前記そけいギャザー(そけい部弾性部材71)、前記臀部ギャザー(臀部弾性部材81)及び股布11によって充分に締め付けられるため、股下部4の身体の股間部へのフィット性が格段に向上し、この結果、吸収パッドを股間部に密着させて、液漏れを効果的に防止することが可能となる。
股布11としては、伸縮性シート10よりも伸縮性に劣り且つ防水性を有するものが用いられる。具体的には、1.0N/50mm荷重時の伸度が好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下で且つ防水性を有するものが用いられる。本発明で好ましく用いられる股布11としては、例えば、使い捨ておむつ等の裏面シート等として従来用いられている各種公知の透湿性シートを用いることができる。該透湿性シートとしては、例えば、微多孔性フィルム、あるいはポリウレタンやポリエステルフィルムのような拡散性を利用した無孔性透湿フィルム等が挙げられる。これらの中でも、特に、微多孔性フィルムが好ましい。微多孔性フィルムは、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は該疎水性の熱可塑性樹脂と相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる。
尚、股布11の透湿度は、JIS Z 0208に従い測定された透湿度の値は1.0g/(100cm2・hr)以上であることが好ましい。
股布11の長手方向の長さは、好ましくは100〜500mm、更に好ましくは150〜350mmであり、幅(最大幅)は、好ましくは50〜200mm、更に好ましくは100〜150mmであり、厚みは、好ましくは0.01〜0.1mm、更に好ましくは0.02〜0.07mmである。
また、本実施形態においては、前身頃2における前記そけいギャザー(そけい部弾性部材71)とウエスト開口部5の開口周縁部との間、及び後身頃3における前記臀部ギャザー(臀部弾性部材81)とウエスト開口部5の開口周縁部との間それぞれに、パッドホルダー1の横方向Sに沿って弾性部材91が伸張状態で配されて、パッドフィットギャザーが形成されている。斯かる構成により、特に、そけい部を含む足の付け根周りよりも上方に位置する身体部分に対するフィット性が向上し、これにより、パッドホルダー全体として身体へのフィット性が一層向上する。
弾性部材91(パッドフィットギャザー)について更に説明すると、弾性部材91は、そけいギャザー(そけい部弾性部材71)の最上部71bよりも上方、及び臀部ギャザー(臀部弾性部材81)の最上部81bよりも上方それぞれにおいて、パッドホルダー1の横方向Sの中央部に該横方向Sに沿って直線状に配されている。前身頃2に配されている弾性部材91と後身頃3に配されている弾性部材91とは互いに独立しており、連接していない。また、パッドホルダー1を前身頃2と後身頃3とが合わさるように着用者のウエスト側部に沿った折曲線1a,1aで2つ折りした状態(図1及び図2に示す状態)において、前身頃2に配されている弾性部材91とそけい部弾性部材71の最上部71bとの間の最短距離L9は、好ましくは0〜70mm、更に好ましくは20〜50mmであり、また、後身頃3に配されている弾性部材91と臀部弾性部材81の最上部81bとの間の最短距離L10は、好ましくは0〜70mm、更に好ましくは20〜50mmである。L9とL10とは、同じでも良く、異なっていても良い。最短距離L9、L10は、何れもパッドホルダー1が未伸張(非着用)の自然状態にあるときに測定する。
弾性部材91は、前身頃2及び後身頃3それぞれにおいて、その一部、具体的には長手方向中央部が、股布11で被覆されている。即ち、弾性部材91は、縦長の股布11の非肌対向面側を、該股布11の長手方向と直交する幅方向に沿って横断するように配されている。弾性部材91における股布11によって被覆されている部分と該股布11との間は、接合されていても良く、接合されていなくても良い。これらの間を接合する場合、接合手段としては、縫い付けや接着剤等を用いることができる。弾性部材91における股布11によって被覆されている部分と該股布11との間は、パッドホルダー1に取り付けられる吸収パッドの身体に対する密着性を向上させることから、接合されていることが好ましい。
弾性部材91は、前身頃2及び後身頃3それぞれを形成する伸縮性シート10に縫い付けられ、あるいは接着剤等の接着手段により貼り付けられる等して、固定されている。弾性部材91としては、上述したウエスト部弾性部材51と同様のものを用いることができる。
弾性部材91の長さは、好ましくは100〜350mm、更に好ましくは150〜250mmであり、幅は、好ましくは1〜30mm、更に好ましくは3〜15mmである。
弾性部材91の1.5倍伸張時の収縮応力(D)は、好ましくは15〜150cN、更に好ましくは20〜100cNである。この収縮応力(D)は、上記の収縮応力の測定方法により測定される。
また、上記収縮応力(D)は、上述したそけい部弾性部材71の1.5倍伸張時の収縮応力あるいは臀部弾性部材81の1.5倍伸張時の収縮応力(A)、及びレッグ部弾性部材61の1.5倍伸張時の収縮応力(B)との関係において、A>B>Dとなるように調整されることが、パッドホルダー1に取り付けられる吸収パッドの身体の股間部へのフィット性、及びパッドホルダー1の引き上げ容易性の点で好ましい。
上述の如き構成のパッドホルダー1は、従来のこの種のパッドホルダーと同様に着用され、使用される。先ず、股下部4の肌対向面(股布11の肌対向面)上に吸収パッドを取り付け、次いで、一対のレッグ開口部6,6に足を挿通させる。吸収パッドとしては、この種のパッドホルダーに適用可能なものを特に制限無く用いることができ、例えば生理用ナプキン、尿取りパッド、軽失禁者用パッド等を用いることができる。そして、この状態からパッドホルダー1を上方に引き上げて、ウエスト開口部5の開口周縁部を着用者のウエスト部分に密着させる。
このとき、伸縮性シート10の作用によって、パッドホルダー1の引き上げがスムーズに行われると共に、前記そけいギャザー(そけい部弾性部材71)が着用者のそけい部にフィットし、これにより、股下部4に取り付けられた吸収パッドが股間部に密着され、この密着状態が維持される。この結果、吸収パッドの本来の性能が充分に活かされ、吸収パッドの位置ズレなどに起因する液漏れが効果的に防止される。
特に、本実施形態のように、そけいギャザーに加えて臀部ギャザー(臀部弾性部材81)が配されていると共に、股下部4の肌対向面側に、伸縮性シート10よりも伸縮性に劣り且つ防水性を有する股布11が配され、該そけいギャザー及び該臀部ギャザーそれぞれの一部が該股布11で被覆され、且つ該一部と該一部を被覆している該股布との間がそれぞれ接合されている場合には、そけい部を含む足の付け根周りに対するパッドホルダー1のフィット性が格段に向上しているため、股下部4の股間部へのフィット性が特に優れたものとなり、より優れた液の防漏効果が奏される。
更に、パッドフィットギャザー(弾性部材91)が形成されていることにより、特に、そけい部を含む足の付け根周りよりも上方に位置する身体部分に対するパッドホルダー1のフィット性が向上し、パッドホルダー1全体として身体へのフィット性が一層向上する。
本実施形態のパッドホルダー1に取り付けられた吸収パッドが使用により液を吸収し難くなったときは、吸収パッドのみを新しいものと交換すればよく、該パッドホルダー1は、必要に応じ洗濯した後、再利用することができる。従って、本実施形態のパッドホルダー1を使用することによって、ゴミの量を最小限に抑えることができ、コストの削減を図ることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、そけいギャザー(そけい部弾性部材71)は、そけい部に沿って形成されていればよく、前記実施形態のような円弧状に制限されず、直線状であっても良い。また、臀部ギャザー(臀部弾性部材81)は、臀部(臀部の下側)に沿って形成されていればよく、前記実施形態のような円弧状に制限されず、直線状であっても良い。
また、前記実施形態においては、そけいギャザーと臀部ギャザーとがウエスト側部(折曲線1a)で連接されて一体となっていたが、両者は連接されていなくても良い。
また、前記実施形態においては、前身頃2、後身頃3及び股下部4は、接合部分がないように丸編みにて接合されて構成され、パッドホルダー1が、連続する1枚の伸縮性シート10から実質的に形成されていたが、このような構成に換えて、前身頃2、後身頃3及び股下部4の各々のパーツを縫合してパッドホルダー1を構成し、各々のパーツの両端周縁部が縫合してあっても良い。
本発明のパッドホルダーの一実施形態を前身頃と後身頃とが合わさる2つ折り状態で示した正面(前身頃側)図である。 図1に示す2つ折り状態のパッドホルダーの背面(後身頃側)図である。 図1に示すパッドホルダーを立体形状の状態で示した斜視図である。
符号の説明
1 パッドホルダー
2 前身頃
3 後身頃
4 股下部
4a 股下部の最下部
5 ウエスト開口部
51 ウエスト部弾性部材
6 レッグ開口部
61 レッグ部弾性部材
71 そけい部弾性部材
71a そけい部弾性部材の最下部
71b そけい部弾性部材の最上部
81 臀部弾性部材
81a 臀部弾性部材の最下部
81b 臀部弾性部材の最上部
91 パッドフィットギャザー形成用弾性部材
10 伸縮性シート
11 股布
1a パッドホルダーを前身頃と後身頃とが合わさるように2つ折りしたときに形成される折曲線

Claims (6)

  1. 前身頃、後身頃及びこれら両者間に位置する股下部を有し、該前身頃、該後身頃及び該股下部がそれぞれ伸縮性シートから形成されており、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、該股下部に吸収パッドが取り付けられて着用されるパッドホルダーであって、
    前記ウエスト開口部の開口周縁部にウエスト部弾性部材が配されてウエストギャザーが形成されており、また、前記レッグ開口部の開口周縁部にレッグ部弾性部材が配されて太腿ギャザーが形成されており、該太腿ギャザーは、前記パッドホルダーの着用時において、前記股下部と同じ高さか、又は該股下部より下方に位置しており、
    前記伸縮性シートの前記パッドホルダーの縦方向における1.0N/50mm荷重時の伸度が30〜120%であり、該伸縮性シートの該パッドホルダーの横方向における1.0N/50mm荷重時の伸度が25〜90%であり、
    前記前身頃に、着用者の左足、右足それぞれのそけい部に沿ってそけい部弾性部材が配されてそけいギャザーが形成されており、右側の該そけい部弾性部材と左側の該そけい部弾性部材とは互いに独立していて連接しておらず、
    1.5倍伸張時の収縮応力が、前記ウエスト部弾性部材>前記そけい部弾性部材>前記レッグ部弾性部材となっているパッドホルダー。
  2. 前記後身頃に、着用者の臀部に沿って左右一対の臀部弾性部材が配されて臀部ギャザーが形成されており、右側の該臀部弾性部材と左側の該臀部弾性部材とは互いに独立していて、前記パッドホルダーの横方向中央部で連接していない請求項1記載のパッドホルダー。
  3. 前記そけいギャザーが、前記ウエスト開口部側に向けて凸状に湾曲した円弧状に形成されており、前記臀部ギャザーが、前記レッグ開口部側に向けて凸状に湾曲した円弧状に形成されている請求項記載のパッドホルダー。
  4. 前記そけい部弾性部材と前記臀部弾性部材とが、着用者のウエスト側部に沿った部分で連接されて一体となっている請求項2又は3記載のパッドホルダー。
  5. 前記股下部の肌対向面上に、前記伸縮性シートよりも伸縮性に劣り且つ防水性を有する股布が配されており、
    前記そけいギャザー及び前記臀部ギャザーそれぞれの一部が前記股布で被覆され、且つ該一部と該一部を被覆している該股布との間がそれぞれ接合されている請求項2〜4の何れか一項に記載のパッドホルダー。
  6. 前記前身頃における前記そけいギャザーと前記ウエスト開口部の開口周縁部との間、及び前記後身頃における前記臀部ギャザーと前記ウエスト開口部の開口周縁部との間それぞれに、前記パッドホルダーの横方向に沿って弾性部材が配されてパッドフィットギャザーが形成されている請求項〜5の何れか一項に記載のパッドホルダー。
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