以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る後処理装置が接続された画像形成装置の構成を示す断面図である。
画像形成装置10は、後処理装置としてのフィニッシャ500と接続され、原稿画像を読み取るイメージリーダ200及びプリンタ300を備えている。なお、画像形成装置10とフィニッシャ500により後処理システムを構成する。さらに、画像形成装置10は画像形成に関する各種機能を設定する複数のキーや設定状態を示す情報を表示するための表示部などを含む操作表示装置400を備えている。
イメージリーダ200には、原稿給送装置100が搭載されている。原稿給送装置100は、原稿面を上向きにして原稿トレイ上にセットされた原稿を先頭頁から順に1枚づつ給紙し、湾曲したパスを介してプラテンガラス102上の流し読取り位置を通過させる。更に原稿給送装置100は、当該流し読取り位置を通過した原稿を外部の排紙トレイ112に向けて排出する。
この原稿がプラテンガラス102上の流し読取り位置を通過するときに、この原稿画像は流し読取り位置に対応する位置に保持されたスキャナユニット104により読み取られる。この読取り方法は、一般的に、原稿流し読みと呼ばれる方法である。具体的には、原稿が流し読取り位置を通過する際に、原稿がスキャナユニット104のランプ103の光で照射され、その原稿からの反射光がミラー105、106、107を介してレンズ108に導かれる。このレンズ108を通過した光は、イメージセンサ109の撮像面に結像する。
このように流し読取り位置を通過するように原稿を搬送することによって、原稿の搬送方向に対して直交する方向を主走査方向とし、搬送方向を副走査方向とする原稿読取り走査が行われる。即ち、原稿が流し読取り位置を通過する際に、原稿画像を主走査方向に且つ1ライン毎にイメージセンサ109で読み取りながら、原稿を副走査方向に搬送することによって、原稿画像全体の読取りが行われる。光学的に読み取られた画像はイメージセンサ109によって画像データに変換されて出力される。イメージセンサ109から出力された画像データは、後述する画像信号制御部202において所定の処理が施された後にプリンタ300の露光制御部110にビデオ信号として入力される。
なお、原稿給送装置100により原稿をプラテンガラス102上に搬送して所定位置に停止させ、この状態でスキャナユニット104を左から右へ走査させることにより原稿を読み取ることも可能である。この読取り方法は、いわゆる原稿固定読みと呼ばれる方法である。
原稿給送装置100を使用しないで原稿を読み取るときには、まず、ユーザにより原稿給送装置100を持ち上げてプラテンガラス102上に原稿を載置し、そして、スキャナユニット104を左から右へ走査させることにより原稿の読取りを行う。即ち、原稿給送装置100を使用しないで原稿を読み取るときには、原稿固定読みが行われる。
プリンタ300の露光制御部110は、入力されたビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力し、該レーザ光はポリゴンミラー110aにより走査されながら感光ドラム111上に照射される。感光ドラム111には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。ここで、露光制御部110は、後述するように、原稿固定読み時には、正しい画像(鏡像でない画像)が形成されるようにレーザ光を出力する。
この感光ドラム111上の静電潜像は、現像器113から供給される現像剤によって現像剤像として可視像化される。また、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット114,115、手差給紙部125及び両面搬送パス124のいずれかからシートが給紙され、このシートは感光ドラム111と転写部116との間に搬送される。感光ドラム111に形成された現像剤像は転写部116により給紙されたシート上に転写される。現像剤像が転写されたシートは定着部117に搬送され、定着部117はシートを熱圧することによって現像剤像をシート上に定着させる。定着部117を通過したシートはフラッパ121及び排出ローラ118を経てプリンタ300から外部(フィニッシャ500)に向けて排出される。
ここで、シートをその画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)で排出するときには、定着部117を通過したシートをフラッパ121の切換動作により一旦反転パス122内に導く。更に、そのシートの後端がフラッパ121を通過した後に、シートをスイッチバックさせて排出ローラ118によりプリンタ300から排出する。以下、この排紙形態を反転排紙と呼ぶ。この反転排紙は、原稿給送装置100を使用して読み取った画像を形成するときまたはコンピュータから出力された画像を形成するときなどのように先頭頁から順に画像形成するときに行われ、その排紙後のシート順序は正しい頁順になる。
また、手差給紙部125からOHPシートなどの硬いシートが給紙され、このシートに画像を形成するときには、シートは反転パス122に導かれることなく、画像形成面を上向きにした状態(フェイスアップ)で排出ローラ118により排出される。更に、シートの両面に画像形成を行う両面記録モードが設定されている場合には、フラッパ121の切換動作によりシートを反転パス122に導いた後に両面搬送パス124へ搬送する。そして、両面搬送パス124へ導かれたシートを上述したタイミングで感光ドラム111と転写部116との間に再度給紙する制御が行われる。
プリンタ300から排出されたシートはフィニッシャ500に送られる。フィニッシャ500では、綴じ処理などの各処理が実行される。
図2は、図1の画像形成装置の制御を司るコントローラの構成を示すブロック図である。
コントローラ1000は、図2に示すように、CPU回路部150を有する。CPU回路部150は、CPU153、ROM151及びRAM152を内蔵し、ROM151に格納されている制御プログラムにより各ブロック101,201,202,209,301,401,701を総括的に制御する。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
原稿給送装置制御部101は、原稿給送装置100をCPU回路部150からの指示に基づき駆動制御する。イメージリーダ制御部201は、上述のスキャナユニット104やイメージセンサ109などに対する駆動制御を行い、イメージセンサ109から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部202に転送する。
画像信号制御部202は、イメージセンサ109からのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各種処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力する。また、コンピュータ210から外部I/F209を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、このデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力する。この画像信号制御部202による処理動作は、CPU回路部150により制御される。プリンタ制御部301は、入力されたビデオ信号に基づき上述の露光制御部110を駆動する。
操作表示装置制御部401は、操作表示装置400とCPU回路部150との間で情報のやり取りを行う。操作表示装置400は、複数のキーや表示部などを有し、各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部150に出力するとともに、CPU回路部150からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
フィニッシャ制御部501はフィニッシャ500に搭載され、CPU回路部150と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ全体の駆動制御を行う。この制御内容については後述する。
図3は、図1のフィニッシャの構成図である。
フィニッシャ500は、画像形成装置10から排出されたシートを順に取り込み(順次シートを受け取り)、以下のシート後処理を行う。即ち、取り込んだ複数のシートを整合して1つに束に束ねる処理、束ねたシート束の後端をステイプルで綴じるステイプル処理、取り込んだ複数のシートの後端付近に穴あけをするパンチ処理、ソート処理、ノンソート処理又は製本処理などを行う。
フィニッシャ500は、図3に示すように、画像形成装置10から排出されたシートを入口ローラ対502により内部に取り込む。入口ローラ対502により内部に取り込まれたシートは、搬送ローラ対503(第1搬送手段)を介してバッファローラ505(シート重合手段)に向けて送られる。入口ローラ対502と搬送ローラ対503との間の搬送経路途中には、入口センサ531が設けられ、搬送ローラ対503とバッファローラ505との間の搬送経路途中には、パンチユニット545が設けられている。パンチユニット545は必要に応じて動作し、搬送されてきたシートの後端付近に穴あけをする。
バッファローラ505は、その外周に搬送ローラ対503を介して送られてきたシートを所定枚数積層して巻き付け可能(積載可能)なローラであって、該ローラの外周にはその回転中にシートが各押下コロ512,513,514により巻き付けられる。巻き付けられたシートはバッファローラ505の回転方向に搬送される。押下コロ513と押下コロ514との間には、切換フラッパ511が配置され、押下コロ514の下流側には、切換フラッパ510が配置されている。
切換フラッパ511は、バッファローラ505に巻き付けられたシートをバッファローラ505から剥離してノンソートパス521又はソートパス522に導くためのフラッパである。切換フラッパ510はバッファローラ505に巻き付けられたシートをバッファローラ505から剥離してソートパス522に、又はバッファローラ505に巻き付けられたシートを巻き付けられた状態でバッファパス523に導くためのフラッパである。
バッファローラ505に巻き付けられたシートをノンソートパス521に導くときには、切換フラッパ511が動作してバッファローラ505から巻き付けられたシートが剥離され、ノンソートパス521に導かれる。ノンソートパス521に導かれたシートは、排出ローラ対509を介してサンプルトレイ701上に排紙される。ノンソートパス521の途中には、排紙センサ533が設けられている。
バッファローラ505に巻き付けられたシートをバッファパス523に導くときには、切換フラッパ510及び切換フラップ511はともに動作せず、シートはバッファローラ505に巻き付けられた状態でバッファパス523に送られる。バッファパス523には、バッファパス523上のシートを検出するためのバッファパスセンサ532が設けられている。
バッファローラ505に巻き付けられたシートをソートパス522に導くときには、切換フラッパ511は動作せずに切換フラッパ510が動作してバッファローラ505から巻き付けられたシートが剥離され、このシートはソートパス522に導かれる。
ソートパス522の下流には切換フラッパ512が配置されており、ソート排出パス524または製本パス525に導くためのフラッパである。ソート排出パス524に導かれたシートは、搬送ローラ対507(第2搬送手段)を介して中間トレイ(以下、処理トレイという)630上に積載される。処理トレイ630上に束状に積載されたシートは、必要に応じて整合処理、ステイプル処理などが施された後に、排出ローラ680a,680bによりスタックトレイ700上に排出される。排出ローラ680bは揺動ガイド650に支持され、揺動ガイド650は揺動モータ(図示せず)により排出ローラ680bを処理トレイ630上の最上部のシートに当接させるように揺動する。排出ローラ680bが処理トレイ630上の最上部のシートに当接された状態にあるときには、排出ローラ680bは排出ローラ680aと協働して処理トレイ630上のシート束をスタックトレイ700に向けて排出する。
上述のステイプル処理は、ステイプラ601により行われる。ステイプラ601は、処理トレイ630の外周に沿って移動可能に構成され、処理トレイ630に積載されたシート束を、シート搬送方向(図2中の左方向)に対してシートの最後尾位置(後端)で綴じる。
また、製本パス525に導かれたシートは、搬送ローラ対802(第2搬送手段)を介して製本中間トレイ(以下、製本処理トレイという)830に搬送される。製本パス525の途中には製本入口センサ831が設けられている。製本処理トレイ830(第1の積載手段)には、中間ローラ803と可動式のシート位置決め部材816(第1の当接部材)が設けられている。また、2対のステイプラ810と対向する位置にはアンビル811が設けられており、ステイプラ810とアンビル811が協働して、製本処理トレイ830の収納されたシート束に対してステイプル処理を行う構成となっている。
ステイプラ810の下流側には、折りローラ対804と折りローラ対804の対向位置に突き出し部材815が設けられている。突き出し部材815を製本処理トレイ830に収納されたシート束に向けて突出することにより、製本処理トレイ830で束状に収納されたシート束を折りローラ対804間に押し出す。折りローラ対804は、シート束を折ると共に下流へとシート束を搬送する。折り込まれたシート束は、搬送ローラ対805を介して排紙トレイ850に排出される。搬送ローラ対804の下流には排紙センサ832が設けられている。
図4は、図2のフィニッシャ制御部の構成を示すブロック図である。
フィニッシャ制御部501は、フィニッシャ500を駆動制御し、CPU550、ROM551、RAM552及び通信IC553を備えている。フィニッシャ制御部501は、通信IC553を介して画像形成装置10に設けられたCPU回路部150と通信してデータ交換を行う。そして、CPU回路部150からの指示に基づきROM551に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ500の駆動制御を行う。
CPU550は、ROM551、RAM552及び通信IC553と接続されている。また、CPU550は、入口ローラ対502を駆動する入口モータM1、バッファローラ505を駆動するバッファモータM2、排出ローラ対509,排出ローラ680a,680bを駆動する排紙モータM3と接続されている。また、CPU550は、搬送ローラ対503を駆動する搬送モータM4、揺動ガイド650を揺動させる揺動ガイドモータM150、パドル660を駆動するパドルモータM160、搬送ローラ対805を駆動する束排紙モータM180と接続されている。また、CPU550は、折りローラ対804を駆動する折りモータM190、突き出し部材815を突き出し駆動する突きモータM195、入口センサ531、及びパスセンサ532,533と接続されている。
図5〜図7は、図3のフィニッシャの処理トレイ上における整合処理を説明するための図である。
画像形成装置10から最初のシートが処理トレイ630に排出される際には、図5に示すように、次のように手前整合部材641及び奥整合部材642が移動される。即ち、ホームポジション(2点鎖線)で待機していた手前整合部材641及び奥整合部材642が、事前に、排出されるシートのシート幅に対し若干遊びを持つ位置PS11、PS21へそれぞれ移動される。処理トレイ630に排出されたシートは、図6に示すように、その後端をストッパ631により支持されながら手前整合部材641及び奥整合部材642との間に落下する。そして、排出されたシートの下面が支持面に当接したタイミングで、手前整合部材641は位置PS12へ移動される。この整合部材641の移動によりシートは、第1整合位置690へ移動されて整合される。
1枚目のシート整合後、図6の破線で示すように、手前整合部材641はPS11へ移動され、処理トレイ630に次のシートが排出されるまで待機する。処理トレイ630に次のシートの排出が完了すると、手前整合部材641は再びPS12へ移動され、2枚のシートは第1整合位置690で整合される。このとき、奥整合部材642はPS22で停止した状態に保持され、整合基準の役割を果たす。
以上の動作が1つのシート束の最終シートが排出されるまで続けられ、1部のシート束の排出及び整合が完了すると、後述の1部のシート束の束排出がなされ、スタックトレイ700へ移送される。
1部目のシート束のスタックトレイ700への排出が終了した後、図6及び図7に示すように、手前整合部材641はPS12からPS13の位置へ、奥整合部材642はPS22からPS23の位置にそれぞれ移動する。続いて処理トレイ630に2部目の1枚目(先頭)のシートが排出される場合、1部目と同様に、シートの後端をストッパ631により支持されながら手前整合部材641と奥整合部材642との間に落下する。そして、排出されたシートの下面が支持面に当節したタイミングで、奥整合部材642はPS23からPS24の位置に移動する。この整合部材642の移動によりシートは、第2整合位置691へ移動されて整合される。1枚目のシート整合後、奥整合部材642はPS23に移動され、処理トレイ630に次のシートが排出されるまで待機する。
次のシートの処理トレイ630への排出が完了すると、整合部材642は再びPS24へ移動され、2枚のシートは第2整合位置691で整合される。このとき、手前整合部材641はPS13で停止した状態に保持され、整合基準の役割を果たす。以上の動作が1つのシート束の最終シートが排出されるまで続けられ、2部目のシート束の排出及び整合が完了すると、後述の束排出がなされ、スタックトレイ700へ移送される。この第1整合位置690は、図7に示すように、第2整合位置691に対して所定量(距離L)奥に位置する。
以降、各シート束毎に交互に整合位置を変えながら整合が行われ、図8に示すように、交互に整合位置を変えた各シート束がスタックトレイ700上に積載される。このように、各シート束毎に交互に整合位置を変えることによって、各シート束に対してオフセット距離Lの仕分けが行われることになる。
次に、束排出処理について説明する。
前述の整合処理、または整合処理の後のステイプル処理が終了すると、揺動ガイド650が降下する。排紙ローラ680bがシート束に着地してから、排紙ローラ680bのバウンドが収まるまでの所定時間を経過させた後に、排紙ローラ680a,680bによりシート束はスタックトレイ700に排出される。シート束の排出では排出速度制御が行われる。CPU550は、この排出速度制御において、束搬送開始直後はシート束を高速で搬送するように排出速度を高速にするが、シート束の後端が排紙ローラ680a,680bの後端を抜ける前には排出速度を減速する。そして、スタックトレイ700上にシート束を排出する際にスタックトレイ700上への積載に適した速度になるように排紙ローラ680a,680bの回転速度を制御する。
図9は、ノンソートモード時のフィニッシャ500内のシートの流れを示す図である。
ユーザが画像形成装置10において排紙モードの設定をノンソートモードに指定したときには、図9に示すように、入口ローラ対502、搬送ローラ対503、バッファローラ505が回転駆動される。そして、画像形成装置10から排出されたシートPはフィニッシャ500内に取り込まれて搬送される。切換フラッパ511は、図示の位置にソレノイド(図示せず)により回転駆動され、シートPはノンソートパス521に導かれる。排紙センサ533でシートPの後端が検知されると、排出ローラ対509は、サンプルトレイ701への積載に適した速度で回転し、サンプルトレイ701にシートPを排出する。上記各種ローラ対やフラッパの動作は、CPU550により制御される。
図10は、ソートモード時のフィニッシャ500内のシートの流れを示す図であり、図8は、フィニッシャ500のスタックトレイ700上の複数シート束の積載状態を示す図である。
ユーザによりソートモードが指定されると(モード選択手段)、図10に示すように、入口ローラ対502、搬送ローラ対503、バッファローラ505が回転駆動される。画像形成装置10から排出されたシートPはフィニッシャ500内に取り込まれて、処理トレイ630に搬送される。
各切換フラッパ510,511は図示の位置に停止している。シートPはソートパス522に導かれる。ソートパス522に導かれたシートPは、切換フラッパ512により、ソート排紙パス524へ導かれ、搬送ローラ対507により処理トレイ630に排出される。
シートPの排出時、排紙ローラ680aの回転により上方に突出する出没部材670により、搬送ローラ対507で排出されたシートPの垂れ下がり、戻り不良などが防止されるとともに、処理トレイ630上のシートの整列性が向上される。
処理トレイ630上に排出されたシートPは、自重で処理トレイ630上をストッパ631へ向けて移動し始める。このシートPの移動はパドル660や戻しベルト661などの助勢部材で助勢されるように構成されている。シートPの後端がストッパ631に当接してシートPが停止すると、上述したように、各整合部材641,642により排出されたシートの整合が行われる。上記各種ローラ対やフラッパの動作は、CPU550により制御される。
その後、前述した束排出処理を行い、図11のようにシート束Qはスタックトレイ700に排出され、図8に示すように、各シート束が交互にオフセットされた状態で積載される。各シート束は、画像形成面を下向きにし、先頭ページが最も下に配置され、ページ順に上方に積まれた束である。
以下、ソートモードにおけるシート束の排出処理を説明する。
画像形成装置10から排出された2部目における最初のページのシートP1は、図12に示すように、切換フラッパ510の動作によりバッファローラ505に巻き付けられる。バッファローラ505はシートP1をバッファパスセンサ532から所定距離分搬送した位置で停止される。次ページのシートP2の先端(前端)が入口センサ531から所定距離進むと、図13に示すように、バッファローラ505は回転を開始し、次のシートP2はシートP1よりもシート搬送方向に所定距離だけ先行するようにシートP1に重ね合わされる。ここでは、シートP2は、図14及び図16に示すように、シートP1に対してシート搬送方向に所定距離L4だけ先行するように、ずらして重ね合わされて、再度、バッファパス532へ搬送される。そして、後続するシートP3はシートP2に対してシート搬送方向に所定距離L4’だけ先行するように、ずらして重ね合わされる。
CPU550が、バッファローラ505を駆動するバッファモータM2の回転速度に基づいて搬送ローラ対503を駆動する搬送モータM4を回転させるタイミングを調整することで、このような重ねあわせが実行される。シートP1とシートP2とのずれ量L4、シートP2とシートP3とのずれ量L4’は、各々独立に調整することが可能になっている。
バッファローラ505に巻き付けられた各シートP1,P2,P3は、図15に示すように、切換フラッパ510により3枚のシート束Q1としてソートパス522に搬送される。この時点では、処理トレイ630上に積載されたシート束Qの束排出処理は終了している。
次に、図18に示すように、揺動ガイド650は降りた状態に保持され、各排出ローラ680a,680b間にはシート束Q1が引き込まれる。
次いで、図19に示すように、シート束Q1の後端が搬送ローラ対507を抜けて処理トレイ630上に着地したところで、各排出ローラ680a,680bは逆回転し、シート束Q1はストッパ631に向けて移動される。シート束Q1の後端がストッパ631に当接する前に、図20に示すように、揺動ガイド650は上昇し排出ローラ680bはシートP3から離れる。この複数枚シートのシート束Q1の搬送に際しては、図21に示すように、各シートは搬送方向にオフセットされている。即ち、各シートは互いにずれ量を有する。シートP3はシートP2に対して、また、シートP2はシートP1に対してストッパ631側と逆側にオフセットされている(ずれ量を有する)。これにより、自重によりシートP1,P2,P3の順にストッパ631に当接し、3枚のシートがストッパ631を基準に搬送方向に揃えられる。
シート束Q1の次に排出されるシート束Q2を構成するシートP4,P5,P6も、シート束Q1と同様ソートパス522を通り処理トレイ630上に排出される。次のシート束Q3に対しては、このシート束Q2がスタックトレイ700に排出された後に、同様の処理が繰り返し行われる。これにより、所定の設定部数のシート束がスタックトレイ700に積載される。
本実施の形態では、3枚のシートを重ね合わせたが、2枚または4枚以上でも良いことはいうまでもない。
次に、製本モードの1部目のシート束の排出処理について図22乃至図25を参照しながら説明する。
製本モードが指定されると、入口ローラ対502、搬送ローラ対503、バッファローラ505が回転駆動され、画像形成装置10から排出されたシートPはフィニッシャ500内に取り込まれる。
各切換フラッパ510,511,512は図22の位置に停止しており、シートPはソートパス522から製本パス525に導かれ、搬送ローラ対802により製本処理トレイ830に収納される。
CPU550が中間ローラ803を回転駆動することにより、製本処理トレイ830に収納されたシートの先端はシート位置決め部材816に接するまで搬送される。このとき、シート位置決め部材816は、ステイプラ810により収納されたシート束の中央にステイプル処理が行われる位置にある。
シート先端がシート位置決め部材816に達し搬送が停止すると、図示しない整合部材がシート搬送方向と垂直方向に動作し、シートの整合が行われる。所定枚数のシートが整合されて収納されると、ステイプラ810により、上述したようにシート束の中央にステイプル処理が行われる。
そして、図23及び図24に示すように、ステイプル位置(シートの中央)が折りローラ対804の中央位置になる位置までシート位置決め部材816を下降させる。そして、折りローラ対804、搬送ローラ対805を回転駆動させると同時に、突き出し部材815を突出させてシート束を折りローラ対804間に押し出す。シート束は図25に示すように、折りローラ対804に折り込まれつつ搬送され、搬送ローラ対805により排紙トレイ850へ排出され、積載される。
以下、製本モードにおける2部目のシート束の排出処理を説明する。
画像形成装置10から排出された2部目の最初のページのシートP1は、ソートモードの2部目の場合と同様に、切換フラッパ510の動作によりバッファローラ505に巻き付けられる。バッファローラ505はシートP1をバッファパスセンサ532から所定距離分搬送した位置で停止される。次ページのシートP2の先端が入口センサ531から所定距離進むと、バッファローラ505は回転を開始し、次のシートP2がシートP1よりもシート搬送方向に所定距離だけ後行するようにシートP2をシートP1に重ね合わせる。ここでは、図26及び図17に示すように、シートP2がシートP1よりもシート搬送方向に所定距離L5だけ後行するようにシートP2がシートP1に対してずらして重ね合わされる。更に、シートP3がシートP2よりもシート搬送方向に所定距離L5’だけ後行するようにシートP3がシートP2に対してずらして重ね合わされる。各シート間のオフセット量(ずれ量)は上述したソートモードの場合と逆になる。
CPU550が、バッファローラ505を駆動するバッファモータM2の回転速度に基づいて搬送ローラ対503を駆動する搬送モータM4を回転させるタイミングを調整することで、このような重ねあわせが実行される。シートP1とシートP2とのずれ量L5、シートP2とシートP3とのずれ量L5’は、各々独立に調整することが可能になっている。
バッファローラ505に巻き付けられた各シートP1,P2,P3は、図27に示すように、切換フラッパ510により3枚のシート束Q1としてソートパス522に搬送される。この時点では、製本処理トレイ830上に収納されたシート束Qの折り動作は終了している。また、シート位置決め部材816は、前のシート束Qに対する折り処理の位置から次のシート束Q1に対するステイプル処理の位置へと移動している。これにより、搬送ローラ対802及び中間ローラ803によりシート束Q1が製本処理トレイ830に収納可能な状態になっている。
次いで、図28に示すように、中間ローラ803はCPU550の制御の下、次の位置に切り替えて配置される。即ち、図示しないソレノイドに電流を流すことにより、中間ローラ803を製本処理トレイ830のシートに接してシートを搬送する位置803(b)とシートと接しない位置803(a)とに切り替えて配置することができる。
シート束Pの後端が搬送ローラ対802を通過すると、中間ローラ803は803(a)の位置からシートを搬送するために803(b)の位置に移動され、シート束Q1を下流へと搬送する。そして、シート束Q1の先端が位置決め部材816に当接する前に、中間ローラ803は803(a)の位置に移動する。
このとき、シートP3はシートP2に対して、また、シートP2はシートP1に対してシート位置決め部材816側と逆側にオフセットされている(ずれ量を有する)。
これにより、自重によりシートP1,P2,P3の順にシート位置決め部材816に当接し、3枚のシートがシート位置決め部材816を基準に搬送方向に揃えられる。
シート束Q1の次に排出されるシート束Q2を構成するシートP4,P5,P6も、シート束Q1と同様ソートパス522を通り製本処理トレイ830上に排出される。次のシート束Q3に対しては、このシート束Q2が排紙トレイ850に排出された後に、同様の処理が繰り返し行われる。これにより、所定の設定部数のシート束が排紙トレイ850に積載される。
本実施の形態では、3枚のシートを重ね合わせたが、2枚または4枚以上でも良いことはいうまでもない。
図29は、シート束を処理トレイ630や製本処理トレイ830に出力するときにCPU550により実行される処理を示すフローチャートである。
まず、ソートモードが設定されているか否かを判別する(ステップS100)。操作表示装置400の表示部には、図30に示す操作画面が表示される。ここで、図30のソータのボタン305が押下されると、表示部には図31に示すソートの種類を選択する選択画面が表示される。そして、1部毎のソートを指定するボタン311又はページ毎のソートを指定するボタン312のいずれかが押下され、更にOKボタン310が押下されると、表示部に図32に示すオフセット量(ずれ量)の設定画面が表示される。オフセット量の設定画面には、オフセット量(ずれ量)を設定する用紙間を指定するためのプルダウン部321、オフセット量(ずれ量)を入力する入力欄322(ずれ量設定手段)が表示されている。更に、オフセット量(ずれ量)を増減するための−+ボタン323,324、OKボタン325、及び取消ボタン326が表示されている。オフセット量(ずれ量)の初期値は10mmであり、−+ボタン323,324を押下することで0〜50mmの間でその値を変更することができる。また、図32のプルダウン部321では1枚目と2枚目のシートの間のオフセット量を指定しているが、例えばすべての用紙間のオフセット量を一律に10mmと設定することもできる。
ここで、図32に示すOKボタン325が押下されると、画像形成装置10のCPU回路部150がフィニッシャ500のCPU550にソートモードが設定された旨の信号及びオフセット量を示す信号を出力(送信)する。CPU550はこれらの信号を受信し、ソートモードが設定された旨の信号に基づいて複数の中間トレイ(即ち、処理トレイ630及び製本処理トレイ830)から処理トレイ630を選択する(ステップS101:選択モジュール)。
次に、CPU550は、処理トレイ630(第2の積載手段)がシート搬送方向におけるシートの後端を当接するストッパ631(第2の当接部材)を備えるので、次の搬送タイミング調整を行う。即ち、シートP2(シートP3)をシートP1(シートP2)に対してシート搬送方向に所定距離L4(L4’)だけ先行して重ね合わせるようにシートP2(シートP3)の搬送タイミングを調整する(ステップS102)。具体的には、CPU550は、受信したオフセット量を示す信号及びバッファローラ505を駆動するバッファモータM2の回転速度に基づいてタイミング調整信号を搬送モータM4に出力し、搬送モータM4を回転させる。これにより、上述したようにシートP1とシートP2とのずれ量がL4となり、シートP2とシートP3とのずれ量がL4’となる。
その後、バッファローラ505に巻き付けられたシート束を処理トレイ630に出力し(ステップS103)、本処理を終了する。
一方、ステップS100において、ソートモードが設定されていない場合、製本モードが設定されているか否かを判別する(ステップS104)。
図30に示す操作画面で応用モードのボタン306が押下されると、表示部には図33に示す応用モードの種類を選択する選択画面が表示される。ここで、製本ボタン331が押下され、更にOKボタン332が押下されると、表示部に図32に示すオフセット量(ずれ量)の設定画面が表示される。この設定画面は上述したとおりなので、説明を省略する。
ここで、図32に示すOKボタン325が押下されると、画像形成装置10のCPU回路部150がフィニッシャ500のCPU550に製本モードが設定された旨の信号及びオフセット量を示す信号を出力する。CPU550はこれらの信号を受信し、製本モードが設定された旨の信号に基づいて複数の中間トレイから製本処理トレイ830を選択する(ステップS105)。
次に、CPU550は、製本処理トレイ830がシート搬送方向におけるシートの先端(前端)を当接する位置決め部材816(シート当接手段)を備えるので、次の搬送タイミング調整を行う。即ち、シートP2(シートP3)をシートP1(シートP2)に対してシート搬送方向に所定距離L5(L4’)だけ後行して重ね合わせるようにシートP2(シートP3)の搬送タイミングを調整する(ステップS106)。具体的には、CPU550は、受信したオフセット量を示す信号及びバッファローラ505を駆動するバッファモータM2の回転速度に基づいてタイミング調整信号を搬送モータM4に出力し、搬送モータM4を回転させる。これにより、上述したようにシートP1とシートP2とのずれ量がL5となり、シートP2とシートP3とのずれ量がL5’となる。
その後、バッファローラ505に巻き付けられたシート束を処理トレイ630に出力し(ステップS107)、本処理を終了する。
ステップS104において、製本モードが設定されていない場合には、中間トレイを使用しないので、本処理を終了する。
上記ステップS102,106では、CPU550は、受信したオフセット量を示す信号及びバッファローラ505を駆動するバッファモータM2の回転速度に基づいて搬送モータM4の回転タイミング、即ち、シートの搬送タイミングを調整した。これに代えて、受信したオフセット量を示す信号及び搬送モータM4の回転速度に基づいてタイミング調整信号をバッファモータM2に出力し、搬送モータM4を回転させるようにしてもよい。これにより、バッファローラ505にシートを重ね合わせるタイミングを調整(制御モジュール)することができ、上述したような、シートのオフセット量(ずれ量)を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の中間トレイ(処理トレイ630及び製本処理トレイ830)から1つの中間トレイが選択され、当該選択された中間トレイに応じて、次の制御が行われる。即ち、バッファローラ505に滞留している少なくとも1枚のシートに対してシート搬送方向に所定のずれ量だけずらして新たに搬送されてくるシートを重ね合わせるように、シートの搬送タイミング又はシートを重ね合わせるタイミングが制御される。これにより、シート搬送方向のシート揃えを高精度で実行することができる。また、1つのバッファローラ505を複数の中間トレイで共用しているので、フィニッシャ500の大型化と製造コストの増加を防止できる。
また、選択された中間トレイが備えるストッパや位置決め部材に応じて、シートの搬送タイミング又はシートを重ね合わせるタイミングが制御される。即ち、シートのずれ方向(オフセット方向)が決定される。これにより、シート搬送方向のシート揃えを高精度で実行することができる。
なお、本実施の形態では、ソートモードや製本モードの選択や設定を画像形成装置10の操作表示装置400で行ったが、フィニッシャ500に操作表示装置を設けて、ソートモードや製本モードの選択や設定を実行するようにしてもよい。この場合、CPU550は、フィニッシャ500の操作表示装置からソートモードが設定された旨の信号、製本モードが設定された旨の信号又はオフセット量を示す信号を入力する。
〔他の実施の形態〕
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。