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JP4834277B2 - 垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法 Download PDF

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JP4834277B2
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哲也 六本木
憲和 太田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも記録用の誘導型磁気変換素子を備えた垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばハードディスクなどの磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という)の面記録密度の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドに適用される磁気記録方式としては、例えば、信号磁界の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)にする長手記録方式と、記録媒体の面に対して直交する方向にする垂直記録方式とが知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後は長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
【0003】
垂直記録方式を利用した記録態様としては、例えば、(1)一端側においてギャップを挟んで互いに対向し、かつ他端側において互いに磁気的に連結されたヘッド(リング型ヘッド)と、主要部が単層膜構成の記録媒体とを用いる態様や、(2)記録媒体に対して垂直に配置されたヘッド(単磁極型ヘッド)と、主要部が2層膜構成の記録媒体とを用いる態様が提案されている。これらの態様のうち、単磁極型ヘッドと2層膜構成の記録媒体との組み合わせを用いる態様は、熱揺らぎに対する耐性が顕著に優れている点に基づき、薄膜磁気ヘッドの性能向上を実現し得るものとして注目されている。
【0004】
垂直記録方式を利用した単磁極型の薄膜磁気ヘッドとしては、例えば、薄膜コイルを覆うように配設されたヨーク層上に、このヨーク層と接続されるように磁極層が配設された構成を有するものが知られている。薄膜コイルは、記録用の磁束を発生させるためのものであり、ヨーク層のうちのエアベアリング面から遠い側の一端部(バックギャップ)を中心として巻回する巻線構造を有している。この薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイルにおいて磁束が発生すると、その磁束がヨーク層を経由して磁極層に流入したのち、その磁極層の先端から外部に放出される。この放出磁束に基づいて記録用の磁界(垂直磁界)が発生し、この垂直磁界により記録媒体の表面が選択的に磁化されるため、記録媒体に情報が磁気的に記録される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドに関して安定かつ高性能な記録動作を確保するためには、例えば、磁極層の先端に過剰な磁束が供給されないように、ヨーク層から磁極層に至る磁束の流れを適正に制御する必要がある。なぜなら、磁極層の先端に過剰な磁束が供給され、その磁極層の先端以外の部分、すなわち本来磁束を放出すべきでない先端周辺部分から外部に不要な磁束が放出されると、その不要な磁束に基づいて発生した磁界(漏洩磁界)に起因して、記録媒体に記録されていた情報が記録時に意図せずに上書きされるおそれがあるからである。
【0006】
しかしながら、従来の垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク層から磁極層に至る磁束の流れが適正に制御されていないと、例えば薄膜コイルにおいて発生する磁束の発生量などの条件によっては、漏洩磁界に起因して記録時に意図しない情報の上書きが生じ得るという問題があった。この問題は薄膜磁気ヘッドの信頼性に大きな影響を及ぼすため、早急な対応策が必要とされる。
【0007】
なお、本発明と同様に、安定かつ高性能な記録動作を確保することを目的とした薄膜磁気ヘッドとしては、既にいくつかの構成のものが知られている。
【0008】
具体的には、例えば、高周波記録動作を確保し得る薄膜磁気ヘッドとしては、記録ギャップ層に近い側の層が高飽和磁束密度材により構成された積層構造を有する第一の磁性部材と、記録ギャップ層に近い側の層が高飽和磁束密度材により構成された積層構造を有する第二の磁性部材と、これらの第一および第二の磁性部材と磁気回路を構成すると共に、外側磁性膜が高透磁率材により構成され、かつ内側磁性膜が高比抵抗材により構成された積層構造を有する第三の磁性部材とを含む構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、高周波特性を確保し得る薄膜磁気ヘッドとしては、下部コア層と、記録ギャップ層と、上部第一の磁性層および上部第二の磁性層よりなる上部コア層とを含み、トラック幅寸法の高精細加工を可能とし、かつ、上部第一および第二の磁性層の接続領域の形状に基づいて渦電流の発生を軽減し得る構成のものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの薄膜磁気ヘッドは長手記録方式を利用したものであり、しかも、これらの薄膜磁気ヘッドでは、意図しない情報の上書きが生じないように上部コア層内の磁束の流れを制御し得るかが定かでない。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−297409号公報
【特許文献2】
特開2002−8209号公報
【0010】
また、例えば、ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上し得る垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドとしては、ヨーク層の傾斜または湾曲した前端面上に主磁極層が配設された構成のものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。この薄膜磁気ヘッドによれば、主磁極層を所定形状で適切にメッキ形成できると共に、ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上させることが可能になる。しかしながら、この薄膜磁気ヘッドは、ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上させることにより、ヨーク層から外部への磁束の漏れを抑制するために磁束の流れを制御するものであり、主磁極層の先端周辺から外部への磁束漏れを抑制するために磁束の流れを制御するものではない。
【0011】
【特許文献3】
特開2002−197611号公報
【0012】
また、例えば、再生波形の信号品質を向上し得る垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドとしては、主磁極と、励磁用のコイルと、主磁極対向部分が切欠かれたリターンヨークとを備えた構成のものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この薄膜磁気ヘッドでは、意図しない情報の上書きが生じないように主磁極内の磁束の流れを制御し得るかが定かでない。
【0013】
【特許文献4】
特開平6−180810号公報
【0014】
また、例えば、コイル層から誘導された磁束を主磁極層の端面に適切に導き得る垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドとしては、補助磁極層と、平坦な絶縁層上に配設された主磁極層と、この主磁極層上に配設されたヨーク層とを備え、主磁極層の前端面の幅寸法が、補助磁極層から離れるにしたがってトラック幅方向へ拡がる構成のものが知られている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この薄膜磁気ヘッドでは、意図しない情報の上書きが生じないように主磁極層内の磁束の流れを制御し得るかが定かでない。
【0015】
【特許文献5】
特開2002−197615号公報
【0016】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、ヨーク層から磁極層に至る磁束の流れを適正に制御し、記録時における意図しない情報の上書きを防止することが可能な垂直磁気記録ヘッドを提供することにある。
【0017】
また、本発明の第2の目的は、本発明の垂直磁気記録ヘッドを容易に製造することが可能な垂直磁気記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の垂直磁気記録ヘッドは、所定の媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後退するように配設されたヨーク層と、このヨーク層の媒体進行方向における媒体流出側に、記録媒体対向面に露出するように配設された磁極層と、この磁極層の媒体流出側に、記録媒体対向面から後退するように配設された補助磁極層と、磁極層と補助磁極層とが互いに対向し合う領域に、これらの2つの層により挟まれ、2つの層を分離するように配設された非磁性層とを備え、磁極層の一部が、ヨーク層の一部と接続されているものである
【0019】
本発明の垂直磁気記録ヘッドの製造方法は、所定の媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後退するようにヨーク層を形成する工程と、このヨーク層の媒体進行方向における媒体流出側に、記録媒体対向面に露出するように磁極層を形成する工程と、この磁極層の媒体流出側に、記録媒体対向面から後退するように補助磁極層を形成する工程と、磁極層と補助磁極層とが互いに対向し合う領域に、これらの2つの層により挟まれるように非磁性層を形成する工程とを含み、磁極層の一部を、ヨーク層の一部と接続させると共に、補助磁極層を、非磁性層を介して磁極層から分離させるようにしたものである
【0020】
本発明の垂直磁気記録ヘッドまたはその製造方法では、磁極層の一部がヨーク層の一部と接続されているため、ヨーク層に収容された大量の磁束が磁極層に流入する際、その大量の磁束が絞り込まれる。
【0021】
本発明の垂直磁気記録ヘッドでは、ヨーク層が、記録媒体対向面よりも後退した第1の位置から後方の第2の位置まで延在し、磁極層が、記録媒体対向面から第2の位置まで延在すると共にヨーク層の幅よりも小さな幅を有しているようにしてもよい。
【0022】
また、本発明の垂直磁気記録ヘッドでは、ヨーク層が、記録媒体対向面よりも後退した第1の位置から後方の第2の位置まで延在し、磁極層が、記録媒体対向面から第1の位置と第2の位置との間の第3の位置まで延在しているようにしてもよい。この場合には、ヨーク層が、記録媒体対向面に近い側から順に、磁極層に接続された部分を有する接続部分と、この接続部分の幅よりも大きな幅を有するヨーク拡幅部分とを有するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明の垂直磁気記録ヘッドでは、ヨーク層のうちの磁極層と接続された部分以外の部分の少なくとも一部に窪みが設けられているのが好ましい。
【0024】
また、本発明の垂直磁気記録ヘッドでは、磁極層が、記録媒体対向面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅を有する磁極一定幅部分と、この磁極一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する磁極拡幅部分とを有するようにしてもよい。この場合には、補助磁極層が、磁極一定幅部分と磁極拡幅部分との連結位置から後方に向かって順に、一定幅を有する補助磁極一定幅部分と、この補助磁極一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する補助磁極拡幅部分とを有するようにしてもよい。
【0027】
本発明の垂直磁気記録ヘッドの製造方法では、ヨーク層を形成する工程が、前駆ヨーク層パターンを形成する工程と、この前駆ヨーク層パターンを覆うように前駆磁極層を形成する工程と、この前駆磁極層をエッチングしてパターニングすることにより磁極層を形成すると共に、引き続き、前駆ヨーク層パターンのうちの磁極層と接続されることとなる部分以外の部分の少なくとも一部を連続的にエッチングして窪ませることによりヨーク層を形成する工程とを含むようにしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図1は薄膜磁気ヘッドの断面構成を表しており、(A)はエアベアリング面に平行な断面を示し、(B)はエアベアリング面に垂直な断面を示している。なお、図1に示した上向きの矢印Bは、薄膜磁気ヘッドに対して記録媒体(図示せず)が相対的に進行する方向、すなわち記録媒体の進行方向(媒体進行方向)を表している。
【0030】
以下の説明では、図1中におけるX軸方向の寸法を「幅」、Y軸方向の寸法を「長さ」、Z軸方向の寸法を「厚さ」とそれぞれ表記する。また、Y軸方向のうちのエアベアリング面に近い側を「前方」、その反対側を「後方」とそれぞれ表記する。これらの表記内容は、後述する図2以降においても同様とする。
【0031】
この薄膜磁気ヘッドは、例えば、記録・再生の双方の機能を実行可能な複合型ヘッドであり、ハードディスクドライブなどの磁気記録再生装置に搭載されるものである。この薄膜磁気ヘッドは、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)よりなる基板1上に、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という。)よりなる絶縁層2と、磁気抵抗効果(MR;Magneto-resistive )を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部100Aと、例えばアルミナよりなる非磁性層7と、垂直記録方式を利用して記録処理を実行する単磁極型の記録ヘッド部100Bと、例えばアルミナよりなるオーバーコート層13とがこの順に積層された構成をなしている。
【0032】
再生ヘッド部100Aは、例えば、下部シールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部シールド層5とがこの順に積層された構成をなしている。シールドギャップ膜4には、例えばハードディスクなどの記録媒体に対向する記録媒体対向面(エアベアリング面)20に一端面が露出するように、再生素子としてのMR素子6が埋設されている。
【0033】
下部シールド層3および上部シールド層5は、例えば、いずれもニッケル鉄合金(NiFe(例えばNi:80重量%,Fe:20重量%);以下、単に「パーマロイ(商品名)」という。)により構成されており、シールドギャップ膜4は、例えば、アルミナにより構成されている。MR素子6は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magneto-resistance)やトンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunneling Magneto-resistance)などを利用して再生処理を実行するものである。
【0034】
記録ヘッド部100Bは、例えば、リターンヨーク層8と、開口9Kを有するギャップ層9により埋設された磁束発生用の薄膜コイル10と、開口9Kにおいてリターンヨーク層8に接続されたヨーク層11と、このヨーク層11に接続された磁極層12とがこの順に積層された構成をなしている。上記した「接続」とは、物理的に接触し、かつ磁気的に連結していることを意味している。ギャップ層9は、リターンヨーク層8上に配設され、開口9Kが設けられたギャップ層部分9Aと、このギャップ層部分9A上に、薄膜コイル10の各巻線間よびその周辺領域を覆うように配設されたギャップ層部分9Bと、ギャップ層部分9A,9Bと共に薄膜コイル10を覆うように配設されたギャップ層部分9Cとを含んで構成されている。磁極層12は、ギャップ層部分9Cとヨーク層11とにより構成された平坦面F上に配設されている。
【0035】
リターンヨーク層8、ヨーク層11および磁極層12は、例えば、いずれもパーマロイにより構成されている。ギャップ層9のうち、例えば、ギャップ層部分9Aはアルミナにより構成され、ギャップ層部分9Bはフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG)により構成され、ギャップ層部分9Cはアルミナやシリコン酸化物(SiO2 )により構成されている。
【0036】
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッドの要部の詳細な構成について説明する。図2は図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部(ヨーク層11および磁極層12)の平面構成を拡大して表しており、図3は図2に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表している。
【0037】
ヨーク層11は、主に、薄膜コイル10において発生した磁束を収容し、その磁束を磁極層12に供給するためのものであり、薄膜コイル10を覆うと共にエアベアリング面20から後退するように配設されている。具体的には、ヨーク層11は、図2に示したように、エアベアリング面20よりも後退した位置P1(第1の位置)から、この位置P1よりも後方の位置P2(第2の位置)まで延在しており、一定幅W2を有している。すなわち、ヨーク層11の平面形状は、例えば、矩形状をなしている。なお、上記したように、ヨーク層11のうちのエアベアリング面20から遠い側の一端部分(バックギャップ)11Eはリターンヨーク層8と磁気的に連結されており、薄膜コイル10は、そのヨーク層11の一端部分11Eを中心として巻回された巻線構造を有している。
【0038】
磁極層12は、主に、ヨーク層11に収容された磁束を記録媒体に向けて放出し、記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるためのものであり、エアベアリング面20に露出するように配設されている。具体的には、磁極層12は、エアベアリング面20の位置P0から、位置P1と位置P2との間の位置P3(第3の位置)まで延在している。この磁極層12は、例えば、位置P0から位置P3に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅W3を有する先端部12Aと、この先端部12Aの幅W3よりも大きな幅W4(W4>W3)を有する後端部12Bとを含んで構成されている。この後端部12Bは、例えば、後方においてヨーク層11の幅W2よりも大きな幅W4(W4>W2)を有し、かつ、前方において先端部12Aに近づくにしたがって次第に幅が狭まるように構成されている。先端部12Aと後端部12Bとの連結位置は、磁極層12の幅がW4からW3に狭まる位置、すなわちフレアポイントFPである
【0039】
上記したように、磁極層12は、ヨーク層11上、すなわち、ヨーク層11の、記録媒体の進行方向Bにおける媒体流出側に配設されており、その磁極層12のうちの後端部12Bの一部が、ヨーク層11の一部とオーバーラップして接続されている。すなわち、図2に示したように、ヨーク層11と磁極層12とを接続する接続面AMの面積SAは、ヨーク層11の平面形状の面積よりも小さくなっている。上記した「媒体流出側(またはトレーリング側ともいう。)」とは、記録媒体の進行方向Bに向かう記録媒体の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流出する側をいい、具体的には、ここでは厚さ方向(Z軸方向)における上側を指す。なお、「媒体流出側」に対して、流れの流入する側、すなわち厚さ方向における下側は、「媒体流入側(またはリーディング側ともいう。)」と呼ばれる。図3に示したように、ヨーク層11のうちの一端部分11Eの端面(リターンヨーク層8と磁気的に連結されている端面)EMの面積をSEとし、磁極層12のうちの先端部12Aの断面(エアベアリング面20に平行な断面)TMの面積をSTとすると、面積STは面積SEよりも小さくなっている(ST<SE)。なお、図3では、接続面AM、端面EMおよび断面TMを見やすくするために、これらの面に網掛けを施している。
【0040】
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
【0041】
この薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時において、図示しない外部回路から記録ヘッド部100Bの薄膜コイル10に電流が流れると、この薄膜コイル10のうち、主に、ヨーク層11のうちの一端部分11E近傍において集中的に磁束が発生する。この磁束は、ヨーク層11に収容されたのち、そのヨーク層11から接続面AMを通じて磁極層12に流入する。この磁極層12に流入した磁束は、後端部12Bから先端部12Aに流れる際にフレアポイントFPにおいて幅方向に絞り込まれたのち、その先端部12Aの先端から外部に放出される。この放出磁束に基づいて記録用の信号磁界(垂直磁界)が発生し、この垂直磁界により記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるため、記録媒体に情報が磁気的に記録される。
【0042】
一方、再生時においては、再生ヘッド部100AのMR素子6にセンス電流が流れると、そのMR素子6の抵抗値が、記録媒体からの再生用の信号磁界に応じて変化する。この抵抗変化がセンス電流の変化として検出されることにより、記録媒体に記録されている情報が磁気的に読み出される。
【0043】
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。なお、薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する際には、各構成要素の形成材料、形成位置および構造的特徴等については既に詳述したので、その説明を随時省略するものとする。
【0044】
この薄膜磁気ヘッドは、主に、めっき処理やスパッタリングなどの成膜技術、フォトリソグラフィ処理などのパターニング技術、ならびにドライエッチングなどのエッチング技術等を含む薄膜プロセスを利用して、各構成要素を順次形成して積層させることにより製造される。すなわち、まず、基板1上に絶縁層2を形成したのち、この絶縁層2上に、下部シールド層3と、MR素子6を埋設したシールドギャップ膜4と、上部シールド層5とをこの順に積層させることにより、再生ヘッド100Aを形成する。
【0045】
続いて、再生ヘッド100A上に非磁性層7を形成したのち、この非磁性層7上に、リターンヨーク層8と、薄膜コイル10を埋設したギャップ層9(9A,9B,9C)と、ギャップ層部分9Aに設けられた開口9Kにおいてリターンヨーク層8と接続されたヨーク層11と、このヨーク層11に接続された磁極層12とをこの順に積層させることにより、記録ヘッド100Bを形成する。磁極層12の形成手法としては、例えば、めっき膜をパターン成長させるようにしてもよいし、あるいは磁極層12を形成するための磁性層(前駆磁極層)を形成したのち、この前駆磁極層をエッチングしてパターニングするようにしてもよい。
【0046】
最後に、記録ヘッド100Bを覆うようにオーバーコート層13を形成したのち、機械加工や研磨加工を利用してエアベアリング面20を形成することにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0047】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク層11の一部と磁極層12の一部とを接続させるようにしたので、以下の理由により、ヨーク層11から磁極層12に至る磁束の流れを適正に制御し、記録時における意図しない情報の上書きを防止することができる。
【0048】
図4〜図6は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの構成を表しており、それぞれ図1〜図3に対応している。この比較例の薄膜磁気ヘッドは、本実施の形態におけるヨーク層11および磁極層12(先端部12A,後端部12B)にそれぞれ対応するヨーク層111および磁極層112(先端部112A,後端部112B)を含んだ上、磁極層112が位置P0から位置P2まで延在している点を除き、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の構成を有している。なお、図6では、接続面AMに網掛けを施している。
【0049】
比較例では、磁極層112のうちの後端部112Bの一部がヨーク層111全体に接続されているため、ヨーク層111と磁極層112とを接続する接続面AMの面積SAがヨーク層111の平面形状の面積に等しくなり、すなわち面積SAが最大になる。この場合には、ヨーク層111から磁極層112へ磁束が流入する際に流入口として機能する接続面AMが大きすぎるため、ヨーク層111に収容された大量の磁束が接続面AMを通じて磁極層112に流入し、その磁極層112の先端部112Aに過剰な磁束が供給される可能性がある。磁極層112の先端部112Aに過剰な磁束が供給されると、上記「発明が解決しようとする課題」の項において説明したように、漏洩磁界が発生し、この漏洩磁界に起因して記録時に意図しない情報の上書きが生じるおそれがある。
【0050】
これに対して、本実施の形態では、磁極層12の一部がヨーク層11の一部と接続されており、ヨーク層11と磁極層12とを接続する接続面AMの面積SAがヨーク層11の平面形状の面積よりも小さくなっているため、磁極層112の一部がヨーク層111全体に接続している比較例の場合と比較して、接続面AMの面積が小さくなる。この場合には、ヨーク層11に収容された大量の磁束が接続面AMを通じて磁極層12に流入する際、その大量の磁束が接続面AMにおいて絞り込まれるため、磁極層12の先端部12Aに過剰な磁束が供給されずに、適正な量の磁束が供給される。したがって、本実施の形態では、接続面AMにおける磁束の絞り込み作用を利用して、ヨーク層11から磁極層12に至る磁束の流れが適正に制御されるため、記録時における意図しない情報の上書きが防止されるのである。
【0051】
なお、本実施の形態では、ヨーク層11の一部と磁極層12の一部とを接続させ、接続面AMの面積SAをヨーク層11の平面形状の面積よりも小さくすることにより、ヨーク層11から磁極層12に至る磁束の流れを適正に制御し、記録時における意図しない情報の上書きを防止することが可能な限り、薄膜磁気ヘッドの構成を自由に変形可能である。
【0052】
具体的には、本実施の形態では、図2に示したように、磁極層12のうちの後端部12Bの幅W4が、ヨーク層11の幅W2よりも大きくなるようにしたが(W4>W2)、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図7に示したように、後端部12Bの幅W4が、ヨーク層11の幅W2以下であってもよい(W4≦W2)。図7では、例えば、幅W4が幅W2よりも小さい場合(W4<W2)を示している。なお、図7に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図2に示した場合と同様である。
【0053】
また、図7に示した場合には、ヨーク層11が矩形状の平面形状を有するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図2および図3にそれぞれ対応する図8および図9に示したように、ヨーク層11が略T字型の平面形状を有するようにしてもよい。このヨーク層11は、位置P1から位置P2に向かって順に、磁極層12のうちの先端部12Aの幅W3よりも大きな一定幅W1を有する先端部11Aと、この先端部11Aの幅W1よりも大きな幅W2(W2>W1)を有する後端部11Bとを含んで構成されている。この後端部11Bは、例えば、後方において一定幅W2を有し、かつ、前方において先端部11Aに近づくにしたがって次第に幅が狭まるように構成されている。ヨーク層11のうちの先端部11Aの断面(エアベアリング面20に平行な断面)DMの面積をSDとすると、面積SE、面積SDおよび面積STはこの順に小さくなっており(SE>SD>ST)、特に、面積比SD/SEは0.008≦SD/SE≦0.3の範囲内、より好ましくは0.009≦SD/SE≦0.2の範囲内になっている。なお、図9では、端面EM、断面TMおよび断面DMに網掛けを施している。
【0054】
図8および図9に示した構成の薄膜磁気ヘッドでは、略T字型の平面形状を有するヨーク層11の特徴的な構造に基づき、ヨーク層11から磁極層12に至る磁束の流れをより効果的に制御することができる。その理由は、以下の通りである。すなわち、このヨーク層11内を流れる磁束は、接続面AMを通じて磁極層12に流入する前に、後端部11Bから先端部11Aに流れる際にヨーク層11の幅の減少に応じて幅方向に絞り込まれる。このとき絞り込まれた磁束は、一定幅W1を有する先端部11A内を流れたのち、その絞り込み状態を維持したまま磁極層12に流入する。これにより、ヨーク層11内において一旦絞られ、磁束量の適正に制御された磁束が接続面AMを通じて磁極層12に流入することとなるため、接続面AMを通過する際に初めて磁束が絞り込まれる本実施の形態の場合と比較して、接続面AMを通過する際の磁束の流れが安定化する。したがって、ヨーク層11から磁極層12に至る磁束の流れがより効果的に制御されるのである。この場合には、特に、0.008≦SD/SE≦0.3の範囲内となるように面積比SD/SEを適正化することにより、垂直磁界強度を確保しつつ、漏洩磁界強度を低減させることもできる
【0055】
また、例えば、図10に示したように、図8に示したヨーク層11の構成に関する変形例を図2に示したヨーク層11に適用し、すなわち図2に示した場合において、矩形状の平面形状を有するヨーク層11を、略T字型の平面形状を有するヨーク層11に置きかえるようにしてもよい。
【0056】
また、図8に示した場合には、磁極層12のうちの後端部12Bの一部が、ヨーク層11のうちの先端部11Aの一部と接続されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、ヨーク層11の一部と磁極層12の一部との連結状態を確保可能な限り、磁極層12に対する先端部11Aの接続範囲は自由に変更可能である。具体的には、例えば、図11に示したように、磁極層のうちの後端部12Bの一部が、ヨーク層11のうちの先端部11A全体に接続されるようにしてもよい。
【0057】
また、図7に示した場合には、磁極層12が位置P0から位置P1と位置P2との間の位置P3まで延在するようしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図12に示したように、磁極層12のうちの後端部12Bの幅W4がヨーク層11の幅W2よりも小さければ(W4<W2)、その磁極層12が位置P0から位置P2まで延在するようにしてもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、例えば、図1〜図3にそれぞれ対応する図13〜図15に示したように、磁極層12の媒体流出側(図中の上側)に、エアベアリング面20から後退し、フレアポイントFPから後方に向かって延在するように補助磁極層41を配設させてもよい。この補助磁極層41は、例えば、非磁性層42を挟んで磁極層12と積層されており、その非磁性層42により磁極層11から磁気的に分離されていると共に、フレアポイントFPから後方に向かって順に、磁極層12のうちの先端部12Aと同一の一定幅を有する先端部41Aと、この先端部41Aの幅よりも大きな幅を有する後端部41Bとを含んで構成されている。非磁性層42は、例えば、アルミナなどの非磁性材料により構成されており、磁極層12と同一の平面形状を有している。なお、先端部41Aは必ずしも先端部12Aの幅と同一の幅を有している必要はなく、先端部12Aの幅と異なる幅を有していてもよい。この薄膜磁気ヘッドでは、特に、補助磁極層41が磁極層12と磁気的に分離されているにもかかわらず、その補助磁極層41が、磁極層12の先端部12Aに磁束を供給するための補助的な磁束の流路として機能するため、先端部12Aに供給される磁束の供給量を増加させることができる。図13〜図15に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図1〜図3に示した場合と同様である。
【0059】
なお、薄膜磁気ヘッドの構成に関して図1〜図3ならびに図7〜図15に示したいくつかの特徴は、その薄膜磁気ヘッドの構成に関して、上記したようにそれぞれ単独で適用されるようにしてもよいし、あるいは2つ以上組み合わされて適用されるようにしてもよい。
【0060】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0061】
図16〜図18は、薄膜磁気ヘッドの構成を表している。このうち、図16は薄膜磁気ヘッドの断面構成を表し、図17は図16に示した薄膜磁気ヘッドの要部(ヨーク層51および磁極層12)の平面構成を拡大して表し、図18は図17に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表している。
【0062】
この薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク層51のうち、磁極層12と接続された接続面AM以外の部分、例えば、磁極層12の終端位置(位置P3)よりも後方の領域に、窪みVが設けられている。すなわち、ヨーク層51は、接続面AMにおいて磁極層12に接続されると共に厚さT1を有する先端部51Aと、リターンヨーク層8に接続されると共に厚さT3を有し、上記第1の実施の形態における一端部分11Eに対応する後端部51Cと、これらの先端部51Aと後端部51Cとの間に位置し、先端部51Aおよび後端部51Cよりも小さな厚さT2(T2<T1,T3)を有する中間部51Bとを含んで構成されている。ヨーク層51と磁極層12とを接続する接続面AMの面積SAは、ヨーク層51の平面形状の面積よりも小さくなっている。また、ヨーク層51のうちの後端部51Cの端面EM(リターンヨーク層8と接続されている端面)の面積SEと、ヨーク層51のうちの中間部51Bの断面DMの面積SDと、磁極層12のうちの先端部12Aの断面TMの面積ST(断面DM,TMはエアベアリング面20に平行な断面)との間には、ST<SD<SEの関係が成立している。なお、図18では、接続面AM、端面EM、断面TMおよび断面DMに網掛けを施している。
【0063】
次に、図16〜図20を参照して、本発明の「薄膜磁気ヘッドの製造方法」が適用される、図16〜図18に示した薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。図19および図20は、薄膜磁気ヘッドの要部(ヨーク層51および磁極層12)の形成工程を説明するためのものである。なお、薄膜磁気ヘッド全体の製造方法については上記第1の実施の形態において既に説明したので、以下では、主に、薄膜磁気ヘッドの要部の形成方法について言及する。
【0064】
薄膜磁気ヘッドの要部を形成する際には、まず、図19に示したように、ヨーク層51を形成するための前駆ヨーク層パターン51Zを平坦に形成し、この前駆ヨーク層パターン51Zとギャップ層部分9Cとにより平坦面Fを構成する。
【0065】
続いて、図19に示したように、例えばスパッタリングを利用して、前駆ヨーク層パターン51Zを覆うように、磁極層12を形成するための前駆磁極層12Zを平坦面F上に形成する。
【0066】
最後に、前駆磁極層12Z上に、磁極層12の平面形状に対応したパターン形状を有するマスク(図示せず)を形成したのち、図20に示したように、例えばイオンミリングを利用し、前駆磁極層12Zをマスク越しにエッチングしてパターニングすることにより、先端部12Aおよび後端部12Bを含むように磁極層12を形成する。この磁極層12を形成する際には、前駆磁極層12Zをパターニングしたのち、引き続き全体にエッチング処理を施し、前駆ヨーク層パターン51Zのうち、最終的に磁極層12と接続されることとなる部分(接続面AM)以外の部分、例えば磁極層12の終端位置(位置P3)よりも後方の領域を連続的にエッチングして窪ませることにより、前駆ヨーク層パターン51Zに窪みVを形成する。このエッチング処理により、接続面AMにおいて磁極層12に接続された先端部51Aと、リターンヨーク層8に接続された後端部51Cと、これらの先端部51Aおよび後端部51Cのそれぞれの厚さよりも小さな厚さを有する中間部51Bとを含むように、ヨーク層51が形成される。
【0067】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク層51の一部と磁極層12の一部とを接続させるようにしたので、上記第1の実施の形態と同様の作用により、ヨーク層51から磁極層12に至る磁束の流れを適正に制御し、記録時における意図しない情報の上書きを防止することができる。
【0068】
特に、本実施の形態では、厚さT3を有する後端部51Cと、この後端部51Cの厚さT3よりも小さな厚さT2を有する中間部51Bとを含むようにヨーク層51を構成したので、ヨーク層51内を流れる磁束は、後端部51Cから中間部51Bに流れる際に、ヨーク層51の厚さの減少に応じて厚さ方向に絞り込まれる。したがって、ヨーク層11の幅の減少に応じて磁束が幅方向に絞り込まれた上記第1の実施の形態の場合(図8および図9参照)と同様の作用により、ヨーク層51から磁極層12に至る磁束の流れをより効果的に制御することができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、磁極層12を形成する際のエッチング処理を利用して前駆ヨーク層パターン51Zを連続的にエッチングして窪ませ、その前駆ヨーク層パターン51Zに窪みVを形成することにより、互いに異なる厚さを有する中間部51Bおよび後端部51Cを含むヨーク層51を形成するようにしたので、磁極層12を形成するためのエッチング処理と窪みVを形成するためのエッチング処理とを別個に行う場合と比較して、エッチング処理を行うために要する準備などの手間が省ける。したがって、ヨーク層51の形成が容易化するため、薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、ヨーク層51の一部と磁極層12の一部とを接続させると共に、特に、ヨーク層51のうち、磁極層12と接続された接続面AM以外の部分の少なくとも一部を窪ませることにより、ヨーク層51から磁極層12に至る磁束の流れを適正に制御し、記録時における意図しない情報の上書きを防止することが可能な限り、薄膜磁気ヘッドの構成を自由に変形可能である。
【0071】
具体的には、本実施の形態では、図16に示したように、平坦面F上に磁極層12全体が配設されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図21に示したように、ギャップ層部分9Cに、丸みを帯びた斜面を有する突起9CRをエアベアリング面20に露出するように設け、この突起9CRに、磁極層12のうちの先端部12Aが乗り上げるようにしてもよい。この構成の磁極層12を備えた薄膜磁気ヘッドでは、後端部12Bから先端部12Aに至る磁束の流路が媒体流出側(図中の上側)にクランク状に折れ曲がっているため、磁極層12内を流れる磁束が、記録時において主要な記録箇所となる先端部12Aの媒体流出側部分に集中する。したがって、垂直磁界強度をより増加させることができる。図21に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図16に示した場合と同様である。
【0072】
また、図21に示した場合には、ギャップ層部分9Cの突起9CRに先端部12Aが乗り上げたことにより、その先端部12Aが後端部12Bよりも持ち上がるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図22に示したように、先端部12Aがギャップ層部分9Cの突起9CRに乗り上げた上、その磁極層12が平坦になるようにしてもよい。この構成の磁極層12を備えた薄膜磁気ヘッドにおいても、磁極層12内を後端部12Bから先端部12Aに磁束が流れる際、その磁束の流路が媒体流出側に狭まるため、先端部12Aの媒体流出側に磁束が集中することにより、垂直磁界強度をより増加させることができる。図22に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図21に示した場合と同様である。
【0073】
さらに、図22に示した場合には、単層構成の磁極層12において、その先端部12Aの媒体流出側部分に磁束を集中させるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図23に示したように、積層構成の磁極層60において、同様に磁束を集中させるようにしてもよい。この磁極層60は、ギャップ層部分9Cの平坦面Fならびに平坦な斜面を有する突起9CRの双方に隣接し、エアベアリング面20から後退するように配設された1段目の下部磁極層61と、この下部磁極層61の媒体流出側に、エアベアリング面20に露出するように配設された2段目の上部磁極層62とが積層された構成をなしている。上部磁極層62は、本実施の形態における磁極層12とほぼ同様の構成を有しており、エアベアリング面20に近い側から順に先端部62Aと後端部62Bとを含んで構成されている。下部磁極層61の前端の位置は、例えば、上部磁極層62のうちの先端部62Aと後端部62Bとの連結位置、すなわちフレアポイントFPに一致している。この積層型の磁極層60を備えた薄膜磁気ヘッドにおいても、磁極層60内を下部磁極層61から上部磁極層62に磁束が流れる際、その磁束の流路が媒体流出側に狭まるため、上部磁極層62のうちの先端部62Aの媒体流出側部分に磁束が集中する。したがって、垂直磁界強度をより増加させることができるのである。
【0074】
また、図23に示した場合には、下部磁極層61および上部磁極層62の双方が平坦になるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図24に示したように、下部磁極層61の先端近傍部分がほぼ垂直に突起状に持ち上がり、この下部磁極層61の構造的特徴を反映して上部磁極層62の対応箇所が同様に突起状に持ち上がるようにしてもよい。この場合には、特に、下部磁極層61の先端位置を高精度に制御することができる。なぜなら、例えば、図23に示したように、下部磁極層61がギャップ層部分9Cの突起9CRと共に平坦面を構成するようにする場合には、研磨処理により下部磁極層61を研磨して平坦化する際、研磨量に依存して下部磁極層61の先端位置が大きく変化してしまうが、図24に示したように、下部磁極層61の先端近傍部分がほぼ垂直に突起状に持ち上がるようにした場合には、その突起部の厚さの範囲内において研磨処理が行われる限り、下部磁極層61の先端位置が大きく変化しないからである。なお、図23および図24に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図22に示した場合と同様である。
【0075】
また、図21〜図24に示した場合には、先端部12A,62Aの媒体流出側部分に磁束を集中させるために、磁束の流が媒体流出側に狭まるように構成された磁極層12,60を備えるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図25に示したように、エアベアリング面20に近い側から順に、先端部70Aと、この先端部70Aの厚さよりも大きな厚さを有する後端部70Bとを含み、磁束の流路が媒体流入側(図中の下側)に狭まるように構成された磁極層70を備えるようにしてもよい。この磁極層70を備えた薄膜磁気ヘッドでは、後端部70Bのうちの媒体流出側部分を流れていた磁束が、媒体流入側に絞り込まれて先端部70Aに流入した結果、その先端部70Aのうちの媒体流出側部分に磁束が集中し得るため、磁束の流路を媒体流出側に狭めた図21〜図24に示した場合と同様に、垂直磁界強度をより増加し得るのである。なお、図25に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図21〜図24に示した場合と同様である。
【0076】
また、本実施の形態では、前駆ヨーク層パターン51Zをエッチングして窪ませることによりヨーク層51を形成する際、前駆ヨーク層パターン51Zのうち、磁極層12の終端位置(位置P3)よりも後方の領域を窪ませるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、後端部51Cおよびこの後端部51Cよりも厚さが薄い中間部51Bを含むようにヨーク層51を形成可能な限り、前駆ヨーク層51パターンZに対する掘り下げ範囲は自由に変更可能である。具体的には、例えば、前駆ヨーク層51パターンZのうち、磁極層12との接続面AM以外の部分を全て掘り下げるようにしてもよい。この場合に形成されるヨーク層51および磁極層21の斜視構成は、例えば、図26に示したようになる。
【0077】
なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関する上記以外の構成、動作、作用、効果ならびに変形は上記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0078】
もちろん、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関して図16〜図18ならびに図21〜図26に示したいくつかの特徴は、その薄膜磁気ヘッドの構成に関して、上記したようにそれぞれ単独で適用されるようにしてもよいし、あるいは2つ以上組み合わされて適用されるようにしてもよい。さらに、薄膜磁気ヘッドの構成に関して上記第1の実施の形態において説明したいくつかの特徴と、本実施の形態において説明したいくつかの特徴とが、その薄膜磁気ヘッドの構成に関して2つ以上組み合わされて適用されるようにしてもよい。上記第1の実施の形態において説明した特徴と本実施の形態において説明した特徴とを組み合わせた例としては、例えば、図27に示したように、図18に示した薄膜磁気ヘッドにおいて、ヨーク層51が略T字型の平面を有するようにしてもよい。この場合には、ヨーク層51のうち、先端部51Aが上記第1の実施の形態(図3参照)におけるヨーク層11のうちの先端部11Aに対応し、中間部51Bおよび後端部51Cの集合体が後端部11Bに対応することとなる。なお、図27に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記特徴以外の構成は、図18に示した場合と同様である。
【0079】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記した一連の実施の形態では、本発明を、再生ヘッド部100Aおよび記録ヘッド部100Bの双方を備えた複合型薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、記録ヘッド部100Bのみを備えた記録専用の薄膜磁気ヘッドや、再生処理および記録処理の双方を実行可能な再生・記録兼用ヘッドを備えた薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。また、本発明を、再生ヘッド部100Aと記録ヘッド部100Bとの積層順序を反転させた構造の薄膜磁気ヘッドについて適用することも可能である。
【0080】
【実施例】
次に、本発明に関する実施例について説明する。上記第1の実施の形態において図8および図9に示した薄膜磁気ヘッド(以下、単に「本発明の薄膜磁気ヘッド」ともいう。)の諸特性を調べたところ、以下のことが確認された。
【0081】
まず、垂直磁界強度の記録位置依存性を調べたところ、図28および図29に示した結果が得られた。図28中の「横軸」は記録媒体に設けられた複数のトラックの配列方向(記録媒体の半径方向)における記録位置を示し、「縦軸」は垂直磁界強度(103 /(4π)A/m(=Oe))を示していると共に、曲線28Aは比較例としての薄膜磁気ヘッド(図4〜図6参照)について表し、曲線28Bは本発明の薄膜磁気ヘッドについて表している。また、図29中の「横軸」は記録媒体に設けられた同一トラック上における記録位置を示し、「縦軸」は垂直磁界強度(103 /(4π)A/m)を示していると共に、曲線29Aは比較例としての薄膜磁気ヘッドについて表し、曲線29Bは本発明の薄膜磁気ヘッドについて表している。なお、図28および図29の横軸中に示した位置Jは、記録対象トラック位置を表している。
【0082】
図28に示した結果から判るように、垂直磁界強度は、記録媒体に設けられた複数のトラックの配列方向において、記録対象トラック位置(位置J)から離れるにしたがって次第に減少した。特に、記録対象トラック位置から離れた位置における垂直磁界強度は、比較例(曲線28A)よりも本発明(曲線28B)において小さくなった。また、図29に示した結果から判るように、垂直磁界強度は、記録媒体に設けられた同一トラック上において、記録対象トラック位置から離れるにしたがって次第に減少した。特に、記録対象トラック位置から離れた位置における垂直磁界強度は、比較例(曲線29A)よりも本発明(曲線29B)において小さくなった。これらのことから、本発明の薄膜磁気ヘッドを利用して記録処理を行う場合には、比較例の薄膜磁気ヘッドを利用して記録処理を行う場合と比較して、記録対象トラック周辺における不要な垂直磁界強度、すなわち漏洩磁界として悪影響を及ぼし得る磁界強度が小さくなるため、その記録対象トラック周辺において、記録時に意図しない情報の上書きを生じる可能性が低くなることが確認された。
【0083】
次に、垂直磁界強度の面積比SD/SE依存性を調べたところ、図30に示した結果が得られた。図30中の「横軸」は面積比SD/SE(対数表示)を示し、「縦軸(右)」は垂直磁界強度(103 ×103 /(4π)A/m(=kOe))を示し、「縦軸(左)」は記録対象トラックにおける垂直磁界強度とこの記録対象トラックに隣接した隣接トラックにおける垂直磁界強度との強度比を示していると共に、記号「○」は垂直磁界強度を表し、記号「□」は垂直磁界強度比を表している。
【0084】
図30に示した結果から判るように、垂直磁界強度(記号「○」参照)は、面積比SD/SEが大きくなるにしたがい、すなわちヨーク層11の端面EMの面積SEに対して先端部11Aの断面DMの面積SDが大きくなるにしたがって次第に増加した。また、垂直磁界強度比(記号「□」参照)も同様に、面積比SD/SEが大きくなるにしたがって次第に増加した。このことは、記録対象トラックにおける垂直磁界強度に対して隣接トラックにおける垂直磁界強度が小さくなるため、結果として、記録対象トラックにおける垂直磁界強度と隣接トラックにおける垂直磁界強度との差異が大きくなったことを示している。このことから、面積比SD/SEが0.008≦SD/SE≦0.3の範囲内になると、記録対象トラックにおいて、安定した記録動作を確保し得る程度に垂直磁界強度が確保されると共に、隣接トラックにおいて、意図しない情報の上書きを防止し得る程度に漏洩磁界強度が小さくなることが確認された。
【0085】
なお、面積比SD/SEが上記範囲外になると、不具合を生じるおそれがある。すなわち、面積比SD/SEが0.008よりも小さくなると(SD/SE<0.008)、垂直磁界強度が小さくなりすぎるため、記録動作を安定に実行し得ないおそれがある。一方、面積比SD/SEが0.3よりも大きくなると(SD/SE>0.3)、ヨーク層11の端面EMの面積SEに対して先端部11Aの断面DMの面積SDが小さくなりすぎるため、ヨーク層11内を後端部11Bから先端部11Aに磁束が流れる際に磁束飽和を生じるおそれがある。したがって、これらの不具合の発生を防止する観点から、面積比SD/SEが0.008≦SD/SE≦0.3の範囲内であることが好ましく、さらに、ヨーク層11を形成する際の形成精度を加味すれば、例えば、0.009≦SD/SE≦0.2の範囲内であることがより好ましい。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド、あるいは請求項8または請求項に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法によれば、磁極層の一部がヨーク層の一部と接続されるようにしたので、磁極層の一部がヨーク層全体と接続されている場合とは異なり、ヨーク層に収容された大量の磁束が磁極層に流入する際、その大量の磁束が絞り込まれる。したがって、磁極層に過剰な磁束が供給されずに、適正な量の磁束が供給されるため、ヨーク層から磁極層に至る磁束の流れを適正に制御し、記録時における意図しない情報の上書きを防止することができる。
【0087】
また、上記の他、請求項4に記載の垂直磁気記録ヘッドによれば、磁極層に接続された部分を有する接続部分と、この接続部分の幅よりも大きな幅を有するヨーク拡幅部分とを含むようにヨーク層を構成したので、ヨーク層内を流れる磁束は、磁極層に流入する前に、ヨーク拡幅部分から接続部分に流れる際にヨーク層の幅の減少に応じて幅方向に絞り込まれたのち、その絞り込み状態を維持したまま磁極層に流入する。したがって、ヨーク層から磁極層に流入する磁束の流れが安定化するため、ヨーク層から磁極層に至る磁束の流れをより効果的に制御することができる。
【0089】
また、請求項に記載の垂直磁気記録ヘッドによれば、ヨーク層のうちの磁極層と接続された部分以外の部分の少なくとも一部に窪みを設けるようにしたので、ヨーク層内を流れる磁束は、磁極層に流入する前に、窪みに対応する部分においてヨーク層の厚さの減少に応じて厚さ方向に絞り込まれる。したがって、ヨーク層の幅の減少に応じて磁束が幅方向に絞り込まれた場合と同様の作用により、ヨーク層から磁極層に至る磁束の流れをより効果的に制御することができる。
【0090】
また、請求項に記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法によれば、前駆磁極層をエッチングしてパターニングすることにより磁極層を形成するようにし、この磁極層を形成する際のエッチング処理を利用して、前駆ヨーク層パターンのうちの磁極層と接続されることとなる部分以外の部分の少なくとも一部を連続的にエッチングして窪ませることによりヨーク層を形成するようにしたので、磁極層を形成するためのエッチング処理と前駆ヨーク層パターンを窪ませてヨーク層を形成するためのエッチング処理とを別個に行う場合と比較して、エッチング処理を行うために要する準備などの手間が省ける。したがって、ヨーク層の形成が容易化するため、薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部の平面構成を拡大して表す平面図である。
【図3】図2に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。
【図5】図4に示した薄膜磁気ヘッドの要部の平面構成を拡大して表す平面図である。
【図6】図5に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第1の変形例の平面構成を表す平面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第2の変形例の平面構成を表す平面図である。
【図9】図8に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第3の変形例の平面構成を表す平面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第4の変形例の平面構成を表す平面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第5の変形例の平面構成を表す平面図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第6の変形例の断面構成を表す断面図である。
【図14】図13に示した薄膜磁気ヘッドの要部の平面構成を拡大して表す平面図である。
【図15】図14に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表す斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。
【図17】図16に示した薄膜磁気ヘッドの要部の平面構成を拡大して表す平面図である。
【図18】図17に示した薄膜磁気ヘッドの要部の斜視構成を表す斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図20】図19に続く工程を説明するための断面図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第1の変形例の断面構成を表す断面図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第2の変形例の断面構成を表す断面図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第3の変形例の断面構成を表す断面図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第4の変形例の断面構成を表す断面図である。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第5の変形例の断面構成を表す断面図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第6の変形例の斜視構成を表す斜視図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部の構成に関する第7の変形例の斜視構成を表す斜視図である。
【図28】複数のトラックの配列方向における垂直磁界強度の記録位置依存性を表す図である。
【図29】同一トラック上における垂直磁界強度の記録位置依存性を表す図である。
【図30】垂直磁界強度の面積比依存性を表す図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…シールドギャップ膜、5…上部シールド層、6…MR素子、7,42…非磁性層、8…リターンヨーク層、9(9A,9B,9C)…ギャップ層、9CR…突起、10…薄膜コイル、11,51…ヨーク層、11A,12A,41A,51A,62A,70A…先端部、11B,12B,41B,51C,62B,70B…後端部、11E…一端部分、12,60,70…磁極層、12Z…前駆磁極層、13…オーバーコート層、20…エアベアリング面、41…補助磁極層、51B…中間部、51Z…前駆ヨーク層パターン、61…下部磁極層、62…上部磁極層、100A…再生ヘッド部、100B…記録ヘッド部、AM…接続面、B…記録媒体の進行方向、DM,TM…断面、EM…端面、F…平坦面、FP…フレアポイント、V…窪み。

Claims (9)

  1. 所定の媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後退するように配設されたヨーク層と、
    このヨーク層の前記媒体進行方向における媒体流出側に、前記記録媒体対向面に露出するように配設された磁極層と、
    この磁極層の前記媒体流出側に、前記記録媒体対向面から後退するように配設された補助磁極層と、
    前記磁極層と前記補助磁極層とが互いに対向し合う領域に、これらの2つの層により挟まれ、2つの層を分離するように配設された非磁性層と
    を備え、
    前記磁極層の一部が、前記ヨーク層の一部と接続されている
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  2. 前記ヨーク層が、前記記録媒体対向面よりも後退した第1の位置から後方の第2の位置まで延在し、
    前記磁極層が、前記記録媒体対向面から前記第2の位置まで延在すると共に前記ヨーク層の幅よりも小さな幅を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
  3. 前記ヨーク層が、前記記録媒体対向面よりも後退した第1の位置から後方の第2の位置まで延在し、
    前記磁極層が、前記記録媒体対向面から前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置まで延在している
    ことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記ヨーク層が、前記記録媒体対向面に近い側から後方に向かって順に、
    前記磁極層に接続された部分を有する接続部分と、
    この接続部分の幅よりも大きな幅を有するヨーク拡幅部分と
    を有することを特徴とする請求項3記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. 前記磁極層が、前記記録媒体対向面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅を有する磁極一定幅部分と、
    この磁極一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する磁極拡幅部分と
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  6. 前記補助磁極層が、前記磁極一定幅部分と前記磁極拡幅部分との連結位置から後方に向かって順に、
    一定幅を有する補助磁極一定幅部分と、
    この補助磁極一定幅部分の幅よりも大きな幅を有する補助磁極拡幅部分と
    を有することを特徴とする請求項5記載の垂直磁気記録ヘッド。
  7. 前記ヨーク層のうちの前記磁極層と接続された部分以外の部分の少なくとも一部に窪みが設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  8. 所定の媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後退するようにヨーク層を形成する工程と、
    このヨーク層の前記媒体進行方向における媒体流出側に、前記記録媒体対向面に露出するように磁極層を形成する工程と、
    この磁極層の前記媒体流出側に、前記記録媒体対向面から後退するように補助磁極層を形成する工程と、
    前記磁極層と前記補助磁極層とが互いに対向し合う領域に、これらの2つの層により挟まれるように非磁性層を形成する工程と
    を含み、
    前記磁極層の一部を、前記ヨーク層の一部と接続させると共に、前記補助磁極層を、前記非磁性層を介して前記磁極層から分離させるようにする
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記ヨーク層を形成する工程が、
    前駆ヨーク層パターンを形成する工程と、
    この前駆ヨーク層パターンを覆うように前駆磁極層を形成する工程と、
    この前駆磁極層をエッチングしてパターニングすることにより前記磁極層を形成すると共に、引き続き、前記前駆ヨーク層パターンのうちの前記磁極層と接続されることとなる部分以外の部分の少なくとも一部を連続的にエッチングして窪ませることにより前記ヨーク層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
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