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JP4830648B2 - 電子写真用トナー及び画像形成装置 - Google Patents

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JP4830648B2 JP2006161427A JP2006161427A JP4830648B2 JP 4830648 B2 JP4830648 B2 JP 4830648B2 JP 2006161427 A JP2006161427 A JP 2006161427A JP 2006161427 A JP2006161427 A JP 2006161427A JP 4830648 B2 JP4830648 B2 JP 4830648B2
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Description

本発明は、電子写真法、静電印刷法などにおいて、画像を形成するために用いられる電子写真用トナー、及び該電子写真用トナーを用いる画像形成装置に関する。
電子写真法に用いられるトナーには、帯電や定着を安定させるため、種々の化合物が添加される。例えば、二成分系の電子写真用トナーの基本構成は、80〜90質量%の結着樹脂、3〜15質量%程度の顔料、1〜5質量%程度の帯電制御剤、1〜5質量%程度の離型剤であり、さらに必要により流動性向上などの目的により外添剤が添加される。これらを適宜変えることで、目的の性能の電子写真用トナーが得られる。
また、電子写真法による画像形成装置において、超高速のプリンターなどは、長寿命と電荷移動適正の関係から、α−Si感光体を使用する場合が多い。しかしながら、α−Si感光体は、その電荷移動速度の速さにより、潜像が不安定であり、表面電位保持が悪いため、高解像のドット再現性、背景部かぶりおよび面画均一性を同時に成り立たせる条件を確立することが難しく、かぶり、高精細のドット再現性、長期の現像剤の耐久性マージンが大きな問題となる。
一方、目標とする帯電量が容易に得られることを目的として、配合される帯電制御剤として、正帯電制御剤と負帯電制御剤の帯電系列の異なる少なくとも2種類を目標とする帯電量に対応する比率で配合してなる電子写真用トナーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし特許文献1に記載の電子写真用トナーは、高精細のドット再現性、長期の現像剤の耐久性マージンを向上させるという課題を満足させるものではなかった。
特開平06−161155号公報
本発明は、上記の如き問題点を解決することを目的とする。即ち、本発明は、細線及び小ドット再現性が良好で、背景部かぶりが少ない画像が得られ、経時での画質劣化が少ない、電子写真用トナー及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下の本発明が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
<1> 下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び赤外線吸収剤を含有し、前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の合計含有量が、トナー全量に対し0.2〜8質量%であり、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との質量比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物)が、99:1〜50:50であることを特徴とする電子写真用トナーである。
(一般式(1)中、R、R、R及びR、アルキル基を表し、Xは、モリブデン酸アニオンを表す。一般式(2)中、R 及びR は、それぞれ独立に水素イオン、又はアンモニウムイオンを表し、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14、水素原子を表す。)
<2> 前記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計含有量が、トナー全量に対し0.3〜5質量%であり、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との質量比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物)が、99:1〜60:40であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用トナーである。
> 少なくともシアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーの3色のカラートナーを含むトナーを用い、フルカラーのトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像を光定着により記録媒体に定着させる定着手段とを有するフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記トナーとして、少なくとも結着樹脂、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び赤外線吸収剤を含有し、前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の合計含有量が、トナー全量に対し0.2〜8質量%であり、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との質量比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物)が、99:1〜50:50であるトナーを用い、プロセス速度が1000mm/s以上であることを特徴とする画像形成装置である。


(一般式(1)中、R、R、R及びR、アルキル基を表し、Xは、モリブデン酸アニオンを表す。一般式(2)中、R 及びR は、それぞれ独立に水素イオン、又はアンモニウムイオンを表し、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14、水素原子を表す。)
本発明は、細線及び小ドット再現性が良好で、背景部かぶりが少ない画像が得られ、経時での画質劣化が少ない、電子写真用トナー及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の電子写真用トナー(以下、単に「本発明のトナー」という場合がある。)は、二成分系正帯電用トナーとして用いられ、α−Si感光体を使用する場合においても潜像の不安定さや表面電位保持の悪さを解決し、高解像のドット再現性、背景部かぶりおよび面画均一性を同時に成り立つ条件を確立することができるものであり、少なくとも結着樹脂を有し、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする。

一般式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又は芳香族基を表し、Xは、モリブデン酸アニオン、タングステン酸アニオンを表す。一般式(2)中、R 及びR は、それぞれ独立に水素イオン、アンモニウムイオン、イモニウムイオン又はホスホニウムイオンを表し、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
本発明のトナーは、前記(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含有することにより、細線及び小ドット再現性が良好で、背景部かぶりが少ない画像が得られ、経時での画質劣化が少ないトナーとなる。本発明者らは、なぜこれらの効果が得られるか検討した結果、前記(1)で表される化合物を含有することにより、細線や小ドット再現性が良好となることが判明した。これは、構造的に、一般的に用いられる帯電制御剤などの構造と類似しているため、高い正帯電性を発生し、前記(1)で表される化合物を前記一般式(2)で表される化合物と共に含有させることにより、(1)で表される化合物で発生した電荷を一般式(2)で表される化合物が長期に渡り維持、さらにはトナー間の帯電量差を抑制することにより、背景部かぶり及び経時での画質安定性が良好となると考えられる。これは前記一般式(2)で表される化合物自体の電荷保持性が高い為、トナーの逆極性や低帯電によるかぶりなどになりにくく、また、経時での画質劣化への効果も高いためと考えられる。
また、本発明のトナーは、前記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計含有量は、現像剤中のトナー量の変動に対する帯電量変化の抑制の点で、0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましく、0.7〜1質量%であることが更に好ましい。
更に、本発明のトナーは、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物、質量比)は、より好ましい帯電量の維持の点で、99:1〜60:40であることが好ましく、90:10〜75:25であることがより好ましい。
先ず、前記一般式(1)で表される化合物の説明をする。一般式(1)において、R、R、R及びRで表されるアルキル基としては、炭素数が8〜22のアルキル基、及び炭素数が1〜4個のアルキル基が好ましく挙げられる。具体的には、前記炭素数が8〜22のアルキル基としては、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましく挙げられ、テトラデシル基、ヘキサデシル基がより好ましい。一方、前記炭素数が数1〜4個のアルキル基としては、メチル基、ブチル基が好ましく挙げられ、メチル基がより好ましい。
また、一般式(1)において、R、R、R及びRで表される芳香族基としては、特に限定されず、5〜7員環のもの、更には6員環のものが好ましく、窒素、酸素、イオウ等のヘテロ原子を含んでいてもよく、複数の芳香環が縮環した構造を有していてもよい。
前記一般式(1)で表される化合物は、R、R、R及びRの全てがアルキル基又は芳香環であることが好ましく、R、R、R及びRの内の2つが炭素数が8〜22のアルキル基であり、残り2つが炭素数が1〜4個のアルキル基であることがより好ましい。
前記一般式(1)におけるXは、モリブデン酸アニオン、タングステン酸アニオンを表し、モリブデン酸アニオンであることが好ましい。
次に、前記一般式(2)で表される化合物の説明をする。一般式(2)において、R 及びR は、それぞれ独立に水素イオン、アンモニウムイオン、イモニウムイオン又はホスホニウムイオンを表し、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
前記R 及びR で表されるアンモニウムイオンとしては、下記一般式(3)で表されるイオンが好ましい。また、前記R 及びR で表されるイモニウムイオンとしては、下記一般式(4)で表されるイオンが好ましい。前記R 及びR で表されるホスホニウムイオンとしては、下記一般式(5)で表されるイオンが好ましい。
前記一般式(3)〜(5)中、R15、R16、R17、R18は、それぞれ独立に水素原子、またはヘテロ原子で中断されていてもよい炭化水素を基礎とする残基を表す。該ヘテロ原子で中断されていてもよい炭化水素を基礎とする残基としては、例えば炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜22の直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基、一般式−(CH−CH−O)−R(但し、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、アシル基、例えばアセチル基、ベンゾイル基またはナフトイル基を表し、nは、1〜10を表す(好ましくは1〜4)。)で表されるオキシエチル基、単核−または多核シクロペンチル基、単核または多核芳香族残基(例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、トリルまたはビスフェニル残基)、または芳香脂肪族残基(例えばベンジル残基)があげられ、その際、脂肪族基、芳香脂肪族基および芳香族残基は、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、第一または第二アミノ基(例えばN−モノ(炭素数1〜4の)アルキル−アミノ基またはN−ジ(炭素数1〜4の)アルキル−アミノ基、更には酸アミド基、特にフタイルイミド−またはナフタルイミド基によって並びにフッ素原子、塩素原子または臭素原子で、特に脂肪族残基が1〜33個のフッ素原子で置換されていてもよい。
19及びR20は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、特に塩素原子、または、ヘテロ原子で中断されていてもよい炭化水素を基礎とする残基(例えば(炭素数1〜6の)アルキル基または(炭素数1〜6の)アルコキシ基または一般式−NR2122のアミノ基(但し、R21およびR22は、それぞれ独立に水素原子または炭化水素を基礎とする残基、特に(C〜C)アルキル基を意味する。)であり、その際R15とR17あるいはR15とR19は結合して、ヘテロ原子(特に窒素原子および/または酸素原子および/または硫黄原子)を含有していてもよい飽和または不飽和の置換されたまたは非置換の炭素原子数5〜7の環系を形成してもよい。かかる環系の例としてはフェニレン、ナフチレン、ピリジン、ピペリジンおよびそれらの誘導体が挙げられ、カルボキシル基あるいはカルボキシレート基、つまり−COO および−COO の両方はそれぞれの芳香族環の任意の位置にあるが、特に互いに2,2′あるいは3,3′または4,4′−位に位置するのが好ましい。
前記R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素原子、炭素原子数1〜30の直鎖状のまたは枝分かれした飽和または不飽和のアルキル基が好ましい。
本発明のトナーにおける結着樹脂の主成分としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等が挙げられ、これらを単独または併用することができる。また、前記結着樹脂は、耐久性や透光性等の点から、ポリエステル樹脂またはノルボルネンポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。なお、これらの結着樹脂のTg(ガラス転移点)は、好ましくは50〜70℃の範囲である。また、上記「主成分」とは、全結着樹脂における含有量が80質量%以上であることを意味する。
上述のように、結着樹脂はポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましく、該ポリエステル樹脂は、その原料として、ソフトセグメントを用いない方が好ましい。ソフトセグメントを添加すると、ポリエステル合成時の反応速度が遅いため、未反応、または低分子のオリゴマーができやすく、フラッシュ定着時の臭気の原因となる場合がある。前記ソフトセグメントの全モノマー中で含有量は2モル%以下が好ましく、さらに好ましくは、添加しないことである。
前記ソフトセグメントとしては、炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基が挙げられ、例えば、ソフトセグメントで置換された脂肪族ジカルボン酸類としては、n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸或いはn−オクチルコハク酸が挙げられる。
また、ソフトセグメントで置換された脂肪族ジオール類としては、例えばn―ドデセニルエチレングリコールやn−ドデセニルトリエチレングリコールを挙げることができる。
本発明におけるポリエステル樹脂に用いる酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、又はこれらの無水物等を挙げることができ、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸である。また、ポリエステルに架橋を施すために、三価以上のカルボン酸成分も同様に他の酸成分として混合使用可能である。該三価以上のカルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5ーベンゼントリカルボン酸、その他のポリカルボン酸、及びこれらの無水物を挙げることができる。
本発明におけるポリエステル樹脂は、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物からなるものが好ましく、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の比率は、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%である。ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の量が80モル%未満であると相対的に臭いの発生原因となるモノマー使用量が多くなる場合がある。
ここで、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、下記一般式(6)で表される化合物が好ましく挙げられる。
一般式(6)中、Rはエチレン基又はプロピレン基を表し、x、yはそれぞれ独立に1以上の整数(好ましくは1〜10の整数)を表す。前記一般式(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等である。これらを単独または2種以上を混合して用いる。
また、後述するフラッシュ定着で定着する場合には、前記一般式(6)で表される化合物の中で、xおよびyが1で、Rがエチレン基である化合物が、ポリエステルのアルコール成分の60モル%以上であることが好ましく、さらに好ましくは80モル%以上である。これは、xおよびyが1で、Rがエチレン基である化合物が、例に挙げた化合物の中で最も反応性が高く、ポリエステル中の残モノマ、2量体、3量体を低減できるためである。
更に、三価以上のアルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、その他の三価以上のアルコールを挙げることがでる。
反応の際には反応を促進せしめる為、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等を使用することができる。
また、ポリエステル中の残モノマー、2量体、3量体を低減する方法としては、(1)これらの反応促進剤増量、(2)作製したポリエステルのアルコール洗浄が挙げられる。エタノール、メタノール、イソルロピルアルコール等のアルコールは、高分子量のポリエステルは溶かさないが、モノマーや2量体を溶解するため、アルコール洗浄により大幅に2量体を低減できる。
更に、ポリエステルに追加してスチレンとアクリルまたはメタクリル共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを併用することができる。
本発明のトナーは、シアントナーの場合においては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などを用いることができる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
また、本発明のトナーは、マゼンタトナーの場合においては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどを用いることができる。
更に、本発明のトナーは、イエロートナーの場合においては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などを用いることができる。
また、本発明のトナーは、ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などを用いることができる。さらに、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合した顔料ブラックトナーでもよい。
本発明トナーに含有させる離型剤としては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。この中でもエステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が特に好ましい。
本発明のトナーに含有させる離型剤としては、50〜90℃にDSC測定(示差走査型熱量測定)による吸熱ピークを示すワックス材料が好ましい。吸熱ピークが50℃より低いとトナーがブロッキングする場合があり、90℃より高いと定着に寄与しない場合がある。尚、前記DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。
本発明のトナーは、赤外線吸収剤を含有することが好ましい。赤外線吸収剤を含有することにより、記録媒体に形成したトナー画像を光定着により定着する場合、高い光定着性を得ることができる。また、本発明のトナーが不可視トナーである場合は赤外線検知能力を得ることができる。一般的に赤外線吸収剤を含有することにより、帯電特性が劣る場合があるが、本発明のトナーは、前記一般式(1)及び(2)で表される化合物を含有することにより、帯電特性が良好なまま、本発明の効果が得られる。
本発明に用いられる赤外線吸収剤としては、公知の赤外線吸収剤を用いることができ、例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等を用いることができる。
具体的な赤外線吸収剤としては、ニッケル金属錯体系赤外線吸収剤(三井化学社製:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学社製:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学社製:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化社製:BBDT−NI)、シアニン系赤外線吸収剤(富士写真フィルム社製:IRF−106、IRF−107)、シアニン系赤外線吸収剤(山本化成社製、YKR2900)、アミニウム、ジイモニウム系赤外線吸収剤(長瀬ケムテック社製:NIR−AM1、IM1)、イモニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−1080、CIR−1081)、アミニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−960、CIR−961)、アントラキノン系化合物(日本化薬社製:IR−750)、アミニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−002、IRG−003、IRG−003K)、ポリメチン系化合物(日本化薬社製:IR−820B)、ジイモニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−022、IRG−023)、ジアニン化合物(日本化薬社製:CY−2、CY−4、CY−9)、可溶性フタロシアニン(日本触媒社製:TX−305A)、ナフタロシアニン(山本化成社製:YKR5010、山陽色素社製:サンプル1)、無機材料系(信越化学社製:イッテルビウムUU−HP、住友金属社製:インジュームチンオキサイド)等が挙げられる。これらの中で、フラッシュ定着を行う場合には、ジイモニウム、アミニウム、ナフタロシアニン、シアニンが結着樹脂への分散性を考慮し良好であるが、この中で、シアニンは前記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物と反応し、赤外線吸収剤としての能力が低下する場合がある。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用できる。
また、本発明のトナーには、鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合し磁性トナーでも使用できる。特に、カラートナーの場合には白色の磁性粉を用いることができる。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーは、粉砕法や重合法等の公知のトナー製造方法と同様の方法で作製することが可能である。
粉砕法を利用する場合には、例えば以下のように本発明のトナーを作製することができる。まず、上述の着色剤および結着樹脂に、必要に応じて離型剤組成物、帯電制御剤、赤外線吸収剤などの成分を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練する。この後、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る。さらに、必要に応じてこのトナー粒子にシリカ等の外添剤を添加して、本発明のトナーを得ることができる。
また、重合法を利用する場合には、主に懸濁重合法あるいは乳化重合凝集法が利用できる。
懸濁重合法を利用して本発明のトナーを作製する場合には、例えば以下のように本発明のトナーを作製することができる。まず、上述の着色剤、(必要に応じて赤外線吸収剤)に、スチレン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのモノマー、ジビニルベンゼンなどの架橋剤、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動剤、重合開始剤に加えて、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤組成物などをさらに混合してモノマー組成物を作製する。
その後、リン酸三カルシウム、ポリビニルアルコール等の懸濁安定剤、界面活性剤が入った水相中に、前記モノマ組成物を投入し、ローターステータ式乳化機、高圧式乳化機、超音波式乳化機などを用いてエマルションを作製した後、加熱によりモノマーの重合を行い、粒子を得る。重合終了後、得られた粒子の洗浄、乾燥を行い、必要に応じて外添剤を添加して本発明のトナーを得ることができる。
また、乳化重合凝集法で作製する場合には、例えば以下のように本発明のトナーを作製することができる。まず、過硫酸カリウムなどの水溶性重合開始剤を溶解させた水中に、スチレン、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレートなどのモノマーを加え、さらに必要に応じてドレシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加し、攪拌を行いながら加熱することにより重合を行い、樹脂粒子を得る。
その後、上述の色剤および(必要に応じて赤外線吸収剤)に加えて、さらに必要に応じて、帯電制御剤、離型剤組成物などの粉末を樹脂粒子が分散したサスペンション中に添加し、サスペンションのpH、攪拌強度、温度などを調整することにより樹脂粒子と、着色剤粉末および赤外線吸収剤粉末などをヘテロ凝集させてヘテロ凝集体を得る。さらに、反応系を樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱して、ヘテロ凝集体を融着させトナー粒子を得る。その後、このトナー粒子の洗浄、乾燥を行い、必要に応じて外添剤を添加して本発明のトナーを得ることができる。
一方、本発明のトナーを乳化凝集法で作製してもよい。結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合の本発明のトナーの乳化凝集法での作製について説明する。
前記ポリエステル樹脂を用いる乳化凝集法によるトナーの作製は、ポリエステル樹脂を乳化し乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程と、該乳化粒子(液滴)の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を該ポリエステル樹脂の融点以上の温度で融合させ熱合一させる合一工程とを有する。または、前記凝集工程と合一工程の替わりに、該ポリエステル樹脂の融点以上の温度で凝集させることにより凝集と合一とを同時に行う、いわゆる会合工程としても構わない。
前記乳化工程において、前記ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、ポリエステル樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、結晶性ポリエステル樹脂の融点以上の温度に加熱することで、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。
また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
前記凝集工程においては、得られた乳化粒子を、前記ポリエステル樹脂の融点付近の温度でかつ融点以下の温度にて加熱して凝集し凝集体を形成する。乳化粒子の凝集体の形成は、攪拌下、乳化液のpHを酸性にすることによってなされる。前記pHとしては、2〜5が好ましく、2.5〜4がより好ましい。
前記凝集工程において凝集体を形成させるために、凝集剤を用いることが好ましい。用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤や、一般の無機金属化合物又はその重合体を樹脂粒子分散液中に溶解して得られるが、無機金属塩を構成する金属元素は周期律表(長周期律表)における2A、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B、3B族に属する2価以上の電荷を有するものであり、樹脂粒子の凝集系においてイオンの形で溶解するものであればよい。
好ましい無機金属塩を具体的に挙げると、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などである。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。
前記合一工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを5〜10の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、前記ポリエステル樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集体を融合させ合一させる。加熱温度としては、前記ポリエステル樹脂の融点以上であれば問題は無い。また加熱の時間としては、合一が十分に為される程度行えばよく、0.2〜10時間程度行えばよい。
また、凝集工程と合一工程とを同時に行う前記会合工程では、前記ポリエステル樹脂の融点以上の温度で加熱しながら凝集工程と同様にpHや凝集剤の添加により粒子を成長させ、所望の粒径になったところで合一工程の場合と同様に、少なくとも1℃/分の速度で前記ポリエステル樹脂の結晶化温度以下まで降温して、結晶化と同時に粒子成長を停止させる。また降温の前後でpH調整を行ってもよい。
本発明のトナーは、流動性向上のために、更に白色の無機微粒子等の外添剤を外添させてもよい。外添前のトナー粒子に外添される外添剤の割合は、トナー粒子100部に対し0.01〜5部の範囲が好ましく、0.01〜2.0部の範囲がより好ましい。このような外添剤としては、例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ微粉末が特に好ましい。また、シリカ、チタン、樹脂微粉、アルミナ等の公知の材料を併用できる。さらにクリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の微粒子粉末を添加してもよい。
上記外添剤は、さらに必要に応じ所望の添加剤とともに、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、外添させることができる。
本発明のトナーを含む電子写真用現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)について説明する。前記現像剤は、本発明のトナーからなる一成分現像剤、あるいは、キャリアと本発明のトナーとからなる二成分現像剤のいずれであってもよい。以下、前記現像剤が二成分現像剤である場合について詳細に説明する。
上記二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
本発明に用いられるキャリアについて説明する。
キャリアの本体(芯材)となる磁性粒子の材質としては、フェライト、マグネタイト、鉄粉等を用いることができるが、特にマンガンフェライトは磁力が高く、ほぼ真球形であるため長寿命化の観点から有利である。さらに好ましくは、下記式(I)で示されるマンガンフェライトであるこが好ましい。
(MnO)x(Fe)y ……(I)
式中のx,yはmol比を示しかつ条件x+y=100、x=10〜45を満足する。
MnOのmol比xが10(mol%)未満であると、フェライト化反応後の安定性が悪くなる場合があり、ストレス等により抵抗が変化して、現像性が劣る場合がある。また。xが45mol%を越えると、形状が悪くなり、現像器内でのストレス等によりトナーがキャリア表面に付着して、フィルミングによる抵抗変化を招き易くなる場合がある。
上記マンガンフェライトの製造方法としては、例えばMnO換算で20mol%、Fe換算で80mol%になるよう、各原材料の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物を適量配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後、950℃で4時間保持する。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し5μm以下の粒径とする。このスラリーを造粒乾燥し、窒素雰囲気中、1300℃で6時間保持した後、解砕しさらに所望の粒度分布に分級して得ることができる。
本発明で使用するのに好ましいキャリアは、例えば平均粒径が30〜90μmが好ましく、50〜80μmがより好ましい。前記平均粒径が30μm未満であると、キャリア付着が発生し易くなり、また90μmを越えると画像品質が劣化する場合がある。キャリアはこのコア材に、公知の方法、例えば流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により、樹脂をコーティングすることにより得ることができる。キャリア表面の被覆率をアップさせるためには、流動床による方法が推奨される。
また、本発明に用いられるキャリアにおいて、芯材表面を被覆するために用いられる樹脂としては、各種の樹脂を用いることは可能である。例えばフッ素系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル・スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂・アルキッド樹脂・ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂および架橋型のフッ素変性シリコーン樹脂等が挙げられる。好ましくはシリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂が良く、さらに好ましくはフッ素変性シリコーン樹脂が良い。また必要に応じて荷電制御剤、抵抗制御剤等を添加しても良い。シリコーン樹脂の例としては、例えば下記(II)または(III)で示される繰り返し単位を有するものなどが挙げられる。これらのトナーの基本構成は前期の通りで、結着樹脂には一般的にポリエステル、ポリスチレン、スチレン・アクリル共重合体、エポキシ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレートなどが使用されている。中でも、ポリエステル、スチレン・アクリル共重合体などが代表的である。
上記一般式(II)、一般式(III)において、R1、R2、及びR3は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、炭素数が1〜4のアルキル基、フェニル基等の有機基を表す。
以上の二成分系の現像剤は、以上説明したトナーとキャリアとを混合することで製造される。当該現像剤における前記トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:99〜20:80の範囲であることが好ましく、3:97〜12:88の範囲であることがより好ましい。
既述の本発明のトナーを含む現像剤を用いる画像形成装置は、本発明のトナーを含む現像剤を用いて、記録媒体にトナー像を形成するものであれば特に限定されないが、以下の本発明の画像形成装置が好ましい。
本発明の画像形成装置は、少なくともシアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーの3色のカラートナーを含むトナーを用い、フルカラーのトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像を光定着により前記記録媒体に定着させる定着手段とを有するフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記トナーとして、少なくとも結着樹脂、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及び赤外線吸収剤を含有するトナーを用い、プロセス速度が1000mm/s以上であることを特徴とする。ここで、プロセス速度とは、用紙等の記録媒体が画像を形成する時の記録媒体の移動速度を意味する。より具体的には例えば長さが20mmの用紙を連続して出力する場合、1秒間に50枚以上出力することを意味する。
本発明における光定着に用いられる光源(定着手段)としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等があるが、フラッシュランプによって瞬時に定着させることがエネルギーを節約することができるため最適である。フラッシュランプの発光エネルギーは1.0〜7.0J/cmの範囲であることが好ましく、2〜5J/cmの範囲がより好ましい。
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積あたりの受光エネルギーは以下の式(7)で表される。
式(7):S=((1/2)×C×V2)/(u×L)×(n×f)
一度に発光するランプ本数:n(本)
点灯周波数:f(Hz)
入力電圧:V(V)
コンデンサ容量:C(F)
プロセス搬送速度:u(cm/s)
フラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm):L(cm)
エネルギ密度:S(J/cm2
本発明における光定着の方式は、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式が好ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01〜100ms程度ずつ遅らせて発光を行い、同じ箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給できるため、定着条件をマイルドにすることができ耐ボイド性と定着性とを両立することができるものである。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本発明においては、フラッシュランプの本数は1〜20本の範囲であることが好ましく、2〜10本の範囲であることがより好ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1〜20msecの範囲であることが好ましく、1〜3msecの範囲であることがより好ましい。
さらに、フラッシュランプの1本の1回の発光による発光エネルギーは0.1〜2.5J/cm2の範囲であることが好ましく、0.4〜2J/cm2の範囲であることより好ましい。
また、不可視トナーを使用する場合、定着手段は光定着手段に限定されず、オーブン定着手段、熱ロール定着手段などでもよい。
以下、本発明の画像形成装置の一例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置10は、ロール状に巻かれた記録媒体Pを紙送りローラ28によって送るようにし、このように送られる記録媒体Pの片面側上に、この記録媒体1の送り方向上流側から下流側に向けて、並列して4つの画像形成ユニット12(ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))が設けられ、さらに、当該画像形成ユニット12の下流側に定着器26が設けられている。
ブラック用画像形成ユニット12Kは、公知の電子写真方式の画像形成ユニットである。具体的には、感光体14Kの周辺に、帯電器16K、露光手段18K、現像器20K、クリーナ22Kが設けられ、記録媒体Pを介して転写器24Kが設けられている。他のイエロー用、マゼンタ用、シアン用画像形成ユニット12Y、M、Cについても同様である。
ここで、感光体14(K、Y,M、C)としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなど有機感光体を用いることができるが、特に、長寿命からアモルファスシリコン感光体が好ましい。
定着器26としては、キセノンランプ、ネオンランプ、アルゴンランプ、クリプトンランプ等のフラッシュランプを用いることができる。また、その光定着エネルギーとしては、上述のように1.0〜7.0J/cm2の範囲にすることが好ましい
図1に示す画像形成装置10では、ロール状態から引き出された記録媒体P上に、各画像形成ユニット12K、Y、M、Cにより公知の電子写真方式でトナー画像が順次転写され、そして、当該トナー画像に定着器26により光定着が施されて、画像が形成される。
なお、光定着手段としての光源や、赤外線吸収パターンのような不可視画像の読み取りに用いられるセンサーは、その種類によって、最も強い発光ピークや、最も感度の高いレンジがそれぞれ異なるため、これに対応して要求される近赤外線領域の最適な光吸収特性も異なる。しかしながら、このような近赤外線領域の光吸収特性の調整は、分子構造を制御することにより容易に行なうことができる。
また、本発明の画像形成装置は、光定着により定着を行うため高速プロセスに対応できるものである。本発明に適用されるプロセス速度は、1000mm/sec以上であり、1050mm/sec以上であることが好ましい。本発明の画像形成装置は、既述の本発明のトナーを含む現像剤を用いることにより、プロセス速度が1000mm/sec以上であっても、細線及び小ドット再現性が良好で、背景部かぶりが少ない画像が得られ、経時での画質劣化が少ない、という効果が充分に発揮される。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
(粒度測定方法)
本発明における粒径(「粒度」ともいう。)について述べる。
本発明において測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を2mg加える。これを前記電解液100ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒度範囲の粒子を50000個測定した。
また本発明におけるトナーの粒径は、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積50%となる累積体積粒径をD50vと定義し、これを体積平均粒径とした。
(化合物A−1の作製)
N,N−ジメチル−N,N−ジテトラデシルアンモニウムクロライド9.5部をメタノール95部に溶解・攪拌させ、この中にモリブデン酸アンモニウム四水塩9.2部と水60部からなる水溶液を滴下し、50℃2時間攪拌した。析出した白色沈殿を濾過し、得られた白色物を十分水洗したのち乾燥させ、白色結晶である下記構造の化合物A−1を10部得た。
(化合物A−2の作製)
N,N−ジメチル−N,N−ジヘキサデシルアンモニウムクロライド10.6部をメタノール100部に溶解・攪拌させ、この中にモリブデン酸アンモニウム四水塩9.2部と水60部からなる水溶液を滴下し、50℃2時間攪拌した。析出した白色沈殿を濾過し、得られた白色物を十分水洗したのち乾燥させ、白色結晶である下記構造の化合物A−2を10部得た。
(化合物B−1の作製)
2,2'−ジチオ安息香酸30.6部を600部のエタノール中に入れ攪拌し、これに25%濃度テトラメチルアンモニウム−ヒドロキシド水溶液36.5部を70〜75℃で滴下した。析出した白色沈殿を濾過し、120℃の雰囲気化で乾燥・粉砕し、白色粉末の化合物B−1(2,2'−ジチオジ安息香酸−モノテトラメチルアンモニウム塩)を37.8部得た。
(化合物B−2の作製)
2,2'−ジチオ安息香酸30.6部を600部のエタノール中に入れ攪拌し、これに25%濃度テトラメチルアンモニウム−ヒドロキシド水溶液72.9部を70〜75℃で滴下した。析出した白色沈殿を濾過し、120℃の雰囲気化で乾燥・粉砕し、白色粉末の化合物B−2(2,2'−ジチオジ安息香酸−ジテトラメチルアンモニウム塩)を45.2部得た。
(化合物B−3の作製)
2,2'−ジチオ安息香酸30.6部を600部のエタノール中に入れ攪拌し、これに40%濃度テトラエチルアンモニウム−ヒドロキシド水溶液36.8部を70〜75℃で滴下した。析出した白色沈殿を濾過し、120℃の雰囲気化で乾燥・粉砕し、白色粉末の化合物B−3(2,2'−ジチオジ安息香酸−モノテトラエチルアンモニウム塩)を43.3部得た。
(化合物B−4の作製)
2,2'−ジチオ安息香酸30.6部を600部のエタノール中に入れ攪拌し、これに40%濃度テトラエチルアンモニウム−ヒドロキシド水溶液73.6部を70〜75℃で滴下した。析出した白色沈殿を濾過し、120℃の雰囲気化で乾燥・粉砕し、白色粉末の化合物B−4(2,2‘−ジチオジ安息香酸−ジテトラエチルアンモニウム塩)を56.3部得た。
(化合物B−5の作製)
2,2'−ジチオ安息香酸30.6部を600部のエタノール中に入れ攪拌し、これに20%濃度テトラプロピルアンモニウム−ヒドロキシド水溶液101.7部を70〜75℃で滴下した。析出した白色沈殿を濾過し、120℃の雰囲気化で乾燥・粉砕し、白色粉末の化合物B−5(2,2'−ジチオジ安息香酸−モノテトラプロピルアンモニウム塩)を56.3部得た。
(化合物B−6の作製)
2,2'−ジチオ安息香酸30.6部を600部のエタノール中に入れ攪拌し、これに40%濃度テトラブチルアンモニウム−ヒドロキシド水溶液65部を70〜75℃で滴下した。析出した白色沈殿を濾過し、120℃の雰囲気化で乾燥・粉砕し、白色粉末の化合物B−6(2,2'−ジチオジ安息香酸−ジテトラブチルアンモニウム塩)を54.3部得た。
(実施例1)
化合物A−1及び化合物B−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が1部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で99:1となるように用い、トナーを作製した。
詳しくは、クロロホルム不溶分を5質量%含有したポリエステル樹脂84部(花王 FN119 )、マゼンタ顔料(商品名ECR186Y 大日精化)8部、ポリプロピレン(NP105 三井化学)5部、(化合物A−1+化合物B−1) 1部、赤外線吸収剤としてジイモニウム(商品名IRG023、日本化薬)2部からなるトナー組成物をヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダーにより混練し、ついでハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕して気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が5.5μmのマゼンタの着色微粒子を得た。次いで疎水性シリカ微粒子(H2000/4 クラリアントジャパン)を1部添加し、ヘンシェルミキサーで外添処理を行い、マゼンタトナーを得た。
一方、フェライト芯材の表面にジメチルシリコーン樹脂(東レダウコーニング社製、SR2411)をコーティングした体積平均粒径が30μmのキャリアを作製し、得られたキャリア94質量部に対し、前記マゼンタトナーを6質量部加え、10Lのボールミルにて2時間混合し、実施例1の2成分現像剤700部を作製した。
(実施例2)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が1部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で75:25となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例2の2成分現像剤を作製した。
(実施例3)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が1部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で60:40となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例3の2成分現像剤を作製した。
(実施例4)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が1部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で50:50となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例4の2成分現像剤を作製した。
(実施例5)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が0.4部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で75:25となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例5の2成分現像剤を作製した。
(実施例6)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が4部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で75:25となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例6の2成分現像剤を作製した。
(実施例7)
実施例1において、化合物A−1を同量の化合物A−2に、化合物B−1を同量の化合物B−2に変更したこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例7の2成分現像剤を作製した。
(実施例8)
実施例7において、化合物B−2を同量の化合物B−3に変更したこと以外実施例7と同様にして、トナーを作製し、実施例8の2成分現像剤を作製した。
(実施例9)
実施例7において、化合物B−2を同量の化合物B−4に変更したこと以外実施例7と同様にして、トナーを作製し、実施例9の2成分現像剤を作製した。
(実施例10)
実施例7において、化合物B−2を同量の化合物B−5に変更したこと以外実施例7と同様にして、トナーを作製し、実施例10の2成分現像剤を作製した。
(実施例11)
実施例7において、化合物B−2を同量の化合物B−6に変更したこと以外実施例7と同様にして、トナーを作製し、実施例11の2成分現像剤を作製した。
(実施例12)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が0.2部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で75:25となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例12の2成分現像剤を作製した。
(実施例13)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、トナー全体を100部としたとき、化合物A−1と化合物B−1の合計量が8部で、(化合物A−1):(化合物B−1)が質量比で75:25となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、実施例13の2成分現像剤を作製した。
(比較例1)
実施例1において、化合物B−1を用いず、化合物A−1の使用量を、トナー全体を100部としたとき1部となる量に変更したこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、比較例1の2成分現像剤を作製した。
(比較例2)
実施例1において、化合物A−1を用いず、化合物B−1の使用量を、トナー全体を100部としたとき1部となる量に変更したこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、比較例2の2成分現像剤を作製した。
(比較例3)
実施例1において、化合物A−1およびB−1を、ボロントロンN−04(オリエント化学工業(株)製、樹脂酸変性アジン化合物)及びボロントロンS−32(オリエント化学工業(株)製、含金属アゾ化合物)に代え、トナー全体を100部としたとき、ボロントロンN−04とボロントロンS−32の合計量が3部で、(ボロントロンN−04):(ボロントロンS−32)が質量比で5:1となるように用いたこと以外実施例1と同様にして、トナーを作製し、比較例3の2成分現像剤を作製した。
(評価)
実施例1〜13、比較例1〜3で得られた各現像剤を用い、細線及び小ドット、背景部かぶり、経時画質の評価を22℃55%RH環境下で行った。評価装置としては、光定着器として700〜1500nmの波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッシュランプを8本搭載した富士ゼロックス社製DocuPrint 1100CF改造機(プロセス速度:約1400mm/s)を用いた。また、フラッシュの発光の方法は単位面積当たりの発光を2回行うディレイ発光方式とした。ディレイ発光としては同じ光エネルギーを発するランプを4本づつ、同じ印刷面に対し2回照射し、ディレイ時間を0.5msecとした。その結果を表1及び2に示す。
[細線及び小ドット]
上記条件で各現像剤を用いて画像を形成し、下記基準で細線及び小ドットを評価した。
◎:細線およびドットパターンで、かすれ等が無い画質レベル。
○:細線およびドットパターンで、一部細く(小さく)なっているが、切れ・ドット欠け 等が無い画質レベル。
△:細線およびドットパターンで、線細りや一部ドット欠けが見られるが、ぎりぎり許容 できる画質レベル。
×:細線およびドットパターンで、線の切れ・ドット欠けがあり、画質欠陥となるレベル 。
[背景部かぶり]
上記条件で各現像剤を用いて画像を形成し、下記基準で背景部かぶりを評価した。
◎:かぶりが全くないレベル。
○:若干かぶりがみられるが、肉眼では判断できないレベル。
△:うっすらとかぶりがみられるが、画質として問題ないレベル。
×:全面にかぶりがみられ、一見で画質欠陥とわかるレベル。
[経時画質]
上記条件で各現像剤を用いて40万枚の画像を形成し、下記基準で経時画質を評価した。
◎:細線及び小ドットもかぶりも全く遜色ないレベル。
○:細線及び小ドットとかぶりの何れかが上記○レベルであるが、画質として問題ないレ ベル。
△:細線及び小ドットとかぶりの何れかが上記△レベルであるが、画質としてぎりぎり許 容できるレベル。
×:細線及び小ドットとかぶりの何れかが上記×レベルであり、画質欠陥となるレベル。
表1及び表2の結果より、前記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有する現像剤を用いた実施例1〜13は、細線及び小ドット再現性と背景部かぶりが両立し、経時での画質劣化が少ないことがわかる。
実施例1で得られた現像剤において、マゼンタ顔料(商品名ECR186Y 大日精化)を、シアン顔料(ECB−301,大日精化)に変えたこと以外実施例1と同様にして、シアントナーを含む現像剤を作製した。また、実施例1で得られた現像剤において、マゼンタ顔料をイエロー顔料(Toner YollowHG,クラリアント)に変えたこと以外実施例1と同様にして、イエロートナーを含む現像剤を作製した。さらに、実施例1において、マゼンタトナーを、DocuPrint1100に用いているブラックトナーに変えたこと以外実施例1と同様にして、ブラックトナーを含む現像剤を作製した。
実施例1で得られた現像剤、前記シアントナーを含む現像剤、前記イエロートナーを含む現像剤、前記ブラックトナーを含む現像剤をキャリア94部に対し、前記各色トナーを6部の比率で用い、図1と同様の構成の試作機によって、22℃55%RH環境下で100万枚画像を形成した。その結果、100万枚画像を形成した時点においても、細線及び小ドット、背景部かぶり、経時画質の評価が非常に良好なレベルにあることを確認した。尚、前記試作機は、光定着器として700〜1500nmの波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッシュランプを8本搭載し、光定着エネルギーが3〜7J/cmのものを搭載したものであり、また、フラッシュの発光の方法は単位面積当たりの発光を2回行うディレイ発光方式とした。ディレイ発光としては同じ光エネルギーを発するランプを4本づつ、同じ印刷面に対し2回照射し、ディレイ時間を0.5msecとした。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 画像形成装置
12 画像形成ユニット
14 感光体
16 帯電器
18 露光手段
20 現像器
22 クリーナ
24 転写器
26 定着器
28 紙送りローラ
P 記録媒体

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び赤外線吸収剤を含有し、前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の合計含有量が、トナー全量に対し0.2〜8質量%であり、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との質量比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物)が、99:1〜50:50であることを特徴とする電子写真用トナー。



    (一般式(1)中、R、R、R及びRは、アルキル基を表し、Xは、モリブデン酸アニオンを表す。一般式(2)中、R 及びR は、それぞれ独立に水素イオン、又はアンモニウムイオンを表し、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素原子を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計含有量が、トナー全量に対し0.3〜5質量%であり、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との質量比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物)が、99:1〜60:40であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 少なくともシアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーの3色のカラートナーを含むトナーを用い、フルカラーのトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像を光定着により記録媒体に定着させる定着手段とを有するフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    前記トナーとして、少なくとも結着樹脂、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び赤外線吸収剤を含有し、前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の合計含有量が、トナー全量に対し0.2〜8質量%であり、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との質量比(一般式(1)で表される化合物:一般式(2)で表される化合物)が、99:1〜50:50であるトナーを用い、プロセス速度が1000mm/s以上であることを特徴とする画像形成装置。



    (一般式(1)中、R、R、R及びRは、アルキル基を表し、Xは、モリブデン酸アニオンを表す。一般式(2)中、R 及びR は、それぞれ独立に水素イオン、又はアンモニウムイオンを表し、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、水素原子を表す。)
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