JP4826122B2 - Ｃｄｍａ移動通信システムの受信電力測定方法およびｃｄｍａ移動通信システム - Google Patents

Description

本発明は、ＣＤＭＡ移動通信システムに係り、特にＥ−ＤＣＨを含まない上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを基地局で測定することができる受信電力測定方法およびＣＤＭＡ移動通信システムに関するものである。

従来のＣＤＭＡ（Code Division Multiple Access ）移動通信システムにおける受信電力測定方法を図１と図６を参照して説明する。従来の受信電力測定方法は、例えば特許文献１、特許文献２に開示されている。図１は、本発明の第１の実施の形態に係るＣＤＭＡ移動通信システムの構成を示すブロック図であるが、従来のＣＤＭＡ移動通信システムの構成も図１と同様であるので、図１の符号を用いて説明する。図６は、従来のＣＤＭＡ移動通信システムの動作を示すタイムチャートである。

基地局１は、図６（Ａ）に示すように下り回線報知チャネルＦＮ＝Ｎ，Ｎ＋１，Ｎ＋２，・・・・を送信し、移動局２−１〜２−３は、図６（Ｂ）〜図６（Ｄ）に示すように、下り回線報知チャネルＦＮ＝Ｎ，Ｎ＋１，Ｎ＋２，・・・・をほぼ同じタイミングで受信する。下り回線報知チャネルを受信した移動局２−１は、Ｅ−ＤＣＨ（Enhanced Dedicated Channel）を含まない上り回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨを送信し、基地局１は、上り回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨを受信する。Ｅ−ＤＣＨは、３ＧＰＰ（3rd Generation Partnership Project）にて標準検討されている上り回線の高速データレートを提供する無線チャネルである。下り回線報知チャネルを受信した移動局２−２は、上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信し、基地局１は、上り回線Ｅ−ＤＣＨを受信する。同様に、下り回線報知チャネルを受信した移動局２−３は、上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信し、基地局１は、上り回線Ｅ−ＤＣＨを受信する。そして、基地局１は、移動局２−１〜２−３の上り無線回線の総受信レベルを測定する。

特開２００４−２１５２７６号公報 特開２０００−１７５２５６号公報

しかしながら、従来のＣＤＭＡ移動通信システムにおける受信電力測定方法では、図６（Ｅ）に示すように基地局１において上り回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨ送受信レベルと上り回線Ｅ−ＤＣＨ総受信レベルとを合わせた総受信レベルを測定することになり、Ｅ−ＤＣＨを含まない上り無線回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルのみを測定することができないという問題点があった。このため、ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを用いて呼受付制御（admission control 、すなわち無線回線の無線負荷が無線容量に近づいた場合に既存呼の品質を保つ為に新規呼の受付を制限する制御）や、輻輳制御（congestion control、すなわち無線回線の無線負荷が無線容量に近づいた場合に既存呼の品質を保つ為に主にパケットユーザの既存呼の通信レートを下げたり、個別チャネルから共通チャネルに変更したりする制御）を行うことができなかった。

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、移動局の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定することができ、ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを用いて呼受付制御や輻輳制御を行うことができるＣＤＭＡ移動通信システムの受信電力測定方法およびＣＤＭＡ移動通信システムを提供することを目的とする。

本発明のＣＤＭＡ移動通信システムの受信電力測定方法は、基地局の配下の移動局の上り無線回線の総受信レベルを前記基地局で測定する総受信レベル測定手順と、前記移動局の個々のＥ−ＤＣＨ（Enhanced Dedicated Channel）受信レベルを前記基地局で測定するＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手順と、このＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手順で測定された移動局毎のＥ−ＤＣＨ受信レベルの総和を求め、この総和を前記総受信レベル測定手順で測定された総受信レベルから引くことにより、前記Ｅ−ＤＣＨを含まない上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを前記基地局で求めるｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定手順とを備えるものである。

また、本発明は、基地局とこの基地局配下の移動局とからなるＣＤＭＡ移動通信システムであって、前記基地局は、前記移動局の上り無線回線の総受信レベルを測定する総受信レベル測定手段と、前記移動局の個々のＥ−ＤＣＨ（Enhanced Dedicated Channel）受信レベルを測定するＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手段と、このＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手段で測定された移動局毎のＥ−ＤＣＨ受信レベルの総和を求め、この総和を前記総受信レベル測定手段で測定された総受信レベルから引くことにより、前記Ｅ−ＤＣＨを含まない上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを求めるｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定手段とを備えるものである。

本発明によれば、以下のような効果を奏する。第１の効果は、基地局とこの基地局配下の移動局に対してＥ−ＤＣＨの送信不許可期間を設定することにより、このＥ−ＤＣＨの送信不許可期間において移動局の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを基地局で測定することができ、このｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを用いて基地局が呼受付制御や輻輳制御を行うことができることである。第２の効果は、第１の効果により、ｎｏｎＥ−ＤＣＨに使用されない残りの無線容量の中で、ベストエフォート（best effort ）トラヒックをＥ−ＤＣＨに割り当て、ベストエフォートサービスを提供できることである。

また、本発明では、下り回線報知チャネルの送信タイミングを各基地局において同一とすることにより、ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルの測定精度を向上させることができる。

また、本発明では、下り回線報知チャネルの送信タイミングを各基地局で異なるようにすることにより、各基地局の上り無線回線の品質劣化を抑制することができる。

また、本発明では、基地局の配下の移動局の上り無線回線の総受信レベルを基地局で測定する総受信レベル測定手順と、移動局の個々のＥ−ＤＣＨ（Enhanced Dedicated Channel）受信レベルを基地局で測定するＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手順と、Ｅ−ＤＣＨ受信レベル測定手順で測定された移動局毎のＥ−ＤＣＨ受信レベルの総和を求め、総和を総受信レベル測定手順で測定された総受信レベルから引くことにより、Ｅ−ＤＣＨを含まない上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを基地局で求めるｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定手順とを行うことにより、基地局と基地局配下の移動局にＥ−ＤＣＨの送信不許可期間を設定することなく、移動局の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを基地局で測定することができる。

［第１の実施の形態］
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図１は本発明の第１の実施の形態に係るＣＤＭＡ移動通信システムの構成を示すブロック図、図２は基地局１の１構成例を示すブロック図、図３は移動局２−１の１構成例を示すブロック図、図４は図１のＣＤＭＡ移動通信システムの動作を示すタイムチャートである。

基地局１は、送信アンテナ１０と、移動局２−１〜２−３に信号を送信する送信部１１と、受信アンテナ１２と、移動局２−１〜２−３からの信号を受信する受信部１３と、移動局２−１〜２−３の上り無線回線の総受信レベルを測定する総受信レベル測定部１４と、移動局２−１〜２−３の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定するｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定部１５とを有する。

移動局２−１は、送受信アンテナ２１と、基地局１から送られてくる信号と基地局１に送る信号とを分離する送受分離部２２と、基地局１に信号を送信する送信部２３と、基地局１からの信号を受信する受信部２４とを有する。移動局２−２，２−３も移動局２−１と同様の構成を有している。

以下、図１〜図４を用いて、本実施の形態のＣＤＭＡ移動通信システムの動作を説明する。基地局１の送信部１１は、図４（Ａ）に示すように下り回線報知チャネルＦＮ＝Ｎ，Ｎ＋１，Ｎ＋２，・・・・を送信する。移動局２−１〜２−３の各受信部２４は、図４（Ｂ）〜図４（Ｄ）に示すように、下り回線報知チャネルＦＮ＝Ｎ，Ｎ＋１，Ｎ＋２，・・・・をほぼ同じタイミングで受信する。
移動局２−１の送信部２３は、自局の受信部２４が下り回線報知チャネルを受信すると、Ｅ−ＤＣＨを含まない上り回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨを送信し、基地局１の受信部１３は、この上り回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨを受信する。

一方、移動局２−２の送信部２３は、自局の受信部２４が下り回線報知チャネルを受信すると、予め定められたＥ−ＤＣＨの送信許可期間（図４のＴ１）において上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信し、基地局１の受信部１３は、この上り回線Ｅ−ＤＣＨを受信する。同様に、移動局２−３の送信部２３は、Ｅ−ＤＣＨの送信許可期間Ｔ１において上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信し、基地局１の受信部１３は、この上り回線Ｅ−ＤＣＨを受信する。移動局２−１〜２−３におけるＥ−ＤＣＨの送信許可期間Ｔ１とは、下り回線報知チャネルを受信してから一定時間が経過するまでの期間であり、この一定時間が経過した後は次の下り回線報知チャネルを受信するまでＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２となる。

基地局１の総受信レベル測定部１４は、予め定められたＥ−ＤＣＨの送信許可期間（図４のＴ３）において移動局２−１〜２−３の上り無線回線の総受信レベルを測定する。また、基地局１のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定部１５は、Ｅ−ＤＣＨの送信不許可期間（図４のＴ４）において移動局２−１〜２−３の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定する。基地局１におけるＥ−ＤＣＨの送信許可期間Ｔ３とは、下り回線報知チャネルを送信してから一定時間が経過するまでの期間であり、この一定時間が経過した後は次の下り回線報知チャネルを送信するまでＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ４となる。

以上のように、本実施の形態では、基地局１とこの基地局配下の移動局２−１〜２−３に対してＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２，Ｔ４を設定し、移動局２−１〜２−３ではＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２に上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信しないようにして、基地局１ではＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ４に移動局２−１〜２−３の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定するようにした。これにより、本実施の形態では、ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを用いて基地局１が呼受付制御や輻輳制御を行うことができる。

なお、特許文献２には、通信チャネルの全部又は一部をＳＩＲ測定に用いることが記載されているが、ここでの通信チャネルの全部又は一部とは１ユーザが使用するチャネルの全部又は一部のことであり、本実施の形態のようにセルの全受信信号をオン／オフすることとは異なる。すなわち、引用文献２の手法は、あるユーザのＳ（希望波）の測定精度向上を目的としているのに対し、本実施の形態は、Ｉ（全ユーザを含めた干渉波）の測定精度向上が目的であって、引用文献２の構成とは異なる。

［第２の実施の形態］
次に、本発明の第２の実施の形態について説明する。本実施の形態においてもＣＤＭＡ移動通信システムの基地局及び移動局の構成は第１の実施の形態と同様であるので、図１〜図４の符号を用いて説明する。本実施の形態では、下り回線報知チャネルの送信タイミングを各基地局１において同一とする。これにより、Ｅ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２，Ｔ４が各基地局１において同一タイミングとなる。

第１の実施の形態と同様に、各基地局配下の移動局２−１〜２−３ではＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２に上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信しないようにし、各基地局１ではＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ４に移動局２−１〜２−３の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定する。こうして、本実施の形態では、第１の実施の形態で説明した効果を奏すると共に、Ｅ−ＤＣＨの送信不許可期間が各基地局１において同一タイミングとなることから、各基地局１のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定時における他の基地局１からのＥ−ＤＣＨ干渉を除くことができ、ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルの測定精度を向上させることができる。

［第３の実施の形態］
次に、本発明の第３の実施の形態について説明する。本実施の形態においてもＣＤＭＡ移動通信システムの基地局及び移動局の構成は第１の実施の形態と同様であるので、図１〜図４の符号を用いて説明する。本実施の形態では、下り回線報知チャネルの送信タイミングが各基地局１で異なるようにする。これにより、Ｅ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２，Ｔ４が各基地局１において異なるタイミングとなる。

第１の実施の形態と同様に、各基地局配下の移動局２−１〜２−３ではＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ２に上り回線Ｅ−ＤＣＨを送信しないようにし、各基地局１ではＥ−ＤＣＨの送信不許可期間Ｔ４に移動局２−１〜２−３の上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定する。こうして、本実施の形態では、第１の実施の形態で説明した効果を奏すると共に、Ｅ−ＤＣＨの送信不許可期間が各基地局１において異なるタイミングとなることから、ある基地局１が他の基地局１に与える干渉変化量を平均化することができ、各基地局１の上り無線回線の品質劣化を抑制することができる。

［第４の実施の形態］
次に、本発明の第４の実施の形態について説明する。本実施の形態においてもＣＤＭＡ移動通信システムの全体の構成及び移動局の構成は第１の実施の形態と同様であるので、図１、図３の符号を用いて説明する。図５は本実施の形態の基地局１の１構成例を示すブロック図であり、図２と同一の構成には同一の符号を付してある。図５に示す基地局１は、送信アンテナ１０と、送信部１１と、受信アンテナ１２と、受信部１３と、総受信レベル測定部１６と、Ｅ−ＤＣＨ再拡散部１７と、Ｅ−ＤＣＨ受信レベル測定部１８と、ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定部１９とを有する。

本実施の形態では、第１〜第３の実施の形態と異なり、基地局１と基地局配下の移動局２−１〜２−３に対してＥ−ＤＣＨの送信不許可期間を設定しない。したがって、基地局１による下り回線報知チャネルの送信と、移動局２−１による上り回線ｎｏｎＥ−ＤＣＨの送信と、移動局２−２，２−３による上り回線Ｅ−ＤＣＨの送信とは、図６（Ａ）〜図６（Ｄ）で説明した従来のＣＤＭＡ移動通信システムと同様となる。

本実施の形態の基地局１において、総受信レベル測定部１６は、移動局２−１〜２−３の上り無線回線の総受信レベルを測定する。Ｅ−ＤＣＨ再拡散部１７とＥ−ＤＣＨ受信レベル測定部１８とは、基地局配下の移動局２−１〜２−３の個々のＥ−ＤＣＨ受信レベルを測定する。すなわち、Ｅ−ＤＣＨ再拡散部１７は、受信部１３で受信された信号を、再拡散することにより相関復調を行って、基地局配下の移動局２−１〜２−３の個々の信号成分に分離する。そして、Ｅ−ＤＣＨ受信レベル測定部１８は、Ｅ−ＤＣＨ再拡散部１７で分離された各信号成分により再拡散後の受信レベルを移動局毎に求め、さらにこの移動局毎の再拡散後の受信レベルをそれぞれ拡散率ＳＦ（Spreading Factor）で割ることにより、Ｅ−ＤＣＨ受信レベルを移動局毎に求める。

ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定部１９は、Ｅ−ＤＣＨ受信レベル測定部１８で測定された移動局毎のＥ−ＤＣＨ受信レベルの総和を求め、この総和を総受信レベル測定部１６で測定された上り無線回線の総受信レベルから引くことにより、上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを求める。上り無線回線の総受信レベルをＰtotal 、移動局毎の再拡散後の受信レベルをＰspreadとすると、上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルＰnonEDCH は、次式のように求められる。
ＰnonEDCH＝Ｐtotal−Σ（Ｐspread／ＳＦ） ・・・（１）
式（１）におけるΣ（Ｐspread／ＳＦ）は、移動局毎の再拡散後の受信レベルＰspreadをそれぞれ拡散率ＳＦで割ったものの総和を求めることを意味する。

こうして、本実施の形態では、基地局１と基地局配下の移動局２−１〜２−３にＥ−ＤＣＨの送信不許可期間を設定することなく、第１の実施の形態と同様の効果を得ることができる。

［第５の実施の形態］
第１〜第４の実施の形態において、基地局１が複数のセル（Cell）を持つ場合はセル毎に上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを測定するようにしてもよい。各セルは、周波数帯域及びセクタにより区別される。

本発明は、ＣＤＭＡ移動通信システムに適用することができる。

本発明の第１の実施の形態に係るＣＤＭＡ移動通信システムの構成を示すブロック図である。 図１のＣＤＭＡ移動通信システムにおける基地局の１構成例を示すブロック図である。 図１のＣＤＭＡ移動通信システムにおける移動局の１構成例を示すブロック図である。 図１のＣＤＭＡ移動通信システムの動作を示すタイムチャートである。 本発明の第４の実施の形態のＣＤＭＡ移動通信システムにおける基地局の１構成例を示すブロック図である。 従来のＣＤＭＡ移動通信システムの動作を示すタイムチャートである。

符号の説明

１…基地局、２−１、２−２、２−３…移動局、１０…送信アンテナ、１１…送信部、１２…受信アンテナ、１３…受信部、１４、１６…総受信レベル測定部、１５、１９…ｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定部、１７…Ｅ−ＤＣＨ再拡散部、１８…Ｅ−ＤＣＨ受信レベル測定部、２１…送受信アンテナ、２２…送受分離部、２３…送信部、２４…受信部。

Claims (2)

1. 基地局の配下の移動局の上り無線回線の総受信レベルを前記基地局で測定する総受信レベル測定手順と、
   前記移動局の個々のＥ−ＤＣＨ（Enhanced Dedicated Channel）受信レベルを前記基地局で測定するＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手順と、
   このＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手順で測定された移動局毎のＥ−ＤＣＨ受信レベルの総和を求め、この総和を前記総受信レベル測定手順で測定された総受信レベルから引くことにより、前記Ｅ−ＤＣＨを含まない上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを前記基地局で求めるｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定手順とを備えることを特徴とするＣＤＭＡ移動通信システムの受信電力測定方法。
2. 基地局とこの基地局配下の移動局とからなるＣＤＭＡ移動通信システムにおいて、
   前記基地局は、
   前記移動局の上り無線回線の総受信レベルを測定する総受信レベル測定手段と、
   前記移動局の個々のＥ−ＤＣＨ（Enhanced Dedicated Channel）受信レベルを測定するＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手段と、
   このＥ−ＤＣＨ受信レベル測定手段で測定された移動局毎のＥ−ＤＣＨ受信レベルの総和を求め、この総和を前記総受信レベル測定手段で測定された総受信レベルから引くことにより、前記Ｅ−ＤＣＨを含まない上り無線回線のｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベルを求めるｎｏｎＥ−ＤＣＨ総受信レベル測定手段とを備えることを特徴とするＣＤＭＡ移動通信システム。

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