1.カラープリンタの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタの右側断面図である。図2は、図1においてユニット着脱口が開放された状態を示している。図3は、図2においてドロワユニットが本体ケーシングから引き出された状態を示している。図4は、図3の状態におけるカラープリンタの右側面図である。なお、便宜上、図4では、ドロワユニットから上方ヘ引き抜かれた状態にある1つのプロセスカートリッジを示している。
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体の一例としての、上下にやや長手のボックス形状の本体ケーシング2を備えている。そして、カラープリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Pを供給する給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部4と、画像が形成された用紙Pを外部に排出する排紙部5とを備えている。
なお、カラープリンタ1、および、カラープリンタ1の構成部品の姿勢に関し、特に断りがないかぎり、図示した方向矢印に沿って説明する(他の図においても同様)。ここでの方向は、カラープリンタ1の正面に立った者がカラープリンタ1を見た場合を基準として、規定されている。なお、図1において、左側は、紙面奥側であり、右側は、紙面手前側である。また、左右方向は、幅方向と同じである。そして、左右方向(幅方向)および前後方向は、水平方向に含まれる。
(1)給紙部
給紙部3は、給紙トレイ6と、用紙供給機構7と、一対のレジストローラ8とを備えている。
給紙トレイ6は、水平方向に沿っており、本体ケーシング2内の底部に配置されている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2に対して、前側から着脱自在である。給紙トレイ6には、用紙Pが積載される。
用紙供給機構7は、給紙トレイ6の後端部に設けられ、給紙トレイ6の用紙Pを画像形成部4へ搬送する。詳しくは、用紙供給機構7は、公知の給紙ローラ、分離ローラ、分離パッド、紙粉取りローラおよび用紙搬送路(符号は付さず)などからなり、給紙トレイ6の用紙Pを一枚ずつ分離して上方のレジストローラ8に供給する。
レジストローラ8に供給された用紙Pの先端は、レジストローラ8によって揃えられる。その後、この用紙Pは、レジストローラ8によって、所定のタイミングで画像形成部4(後述する2次転写位置)へ搬送される。
(2)画像形成部
画像形成部4は、スキャナ部10、プロセス部11、転写部12および定着部13を備えている。
(2−1)スキャナ部
スキャナ部10は、本体ケーシング2の下部、詳しくは給紙トレイ6の上側に配置されており、公知のレーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡(符号は付さず)を備えている。スキャナ部10では、カラープリンタ1の外部または後述する画像読取ユニット35からの画像情報の入力に基づいて、レーザ発光部からレーザが発光され、破線矢印で示す経路を通って、プロセス部11の感光体の一例としての感光ドラム19(後述する)に照射される。
(2−2)プロセス部
プロセス部11は、スキャナ部10の上側に配置されている。プロセス部11は、ドロワ(引き出し)ユニット14を備えている。
ドロワユニット14は、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されている。後述するが、本体ケーシング2に対するドロワユニット14の着脱方向は、前後方向に沿う方向である。
ドロワユニット14は、支持部材の一例としての、中空のボックス形状のドロワフレーム15を備えており、さらに、ドロワフレーム15の内部に、4つのプロセスカートリッジ16を備えている。
ドロワフレーム15の上面のほぼ全域は、開放されており、開放部15Aとされる。開放部15Aは、ドロワフレーム15の内部に上から連通している。ドロワフレーム15の底壁には、複数の通過穴15Bが形成されており、上述したスキャナ部10のレーザ発光部(図示せず)から発光されるレーザは、対応する通過穴15Bを通って感光ドラム19(後述する)に照射される。また、ドロワフレーム15の右側壁には、4つの丸穴(露出穴15Cという。)が、前後方向に並んで形成されている(図4参照)。これらの露出穴15Cは、ドロワフレーム15の右側壁を幅方向において貫通し、ドロワフレーム15の内部に連通している。
プロセスカートリッジ16は、ドロワフレーム15に対して、上述した開放部15Aを介して着脱自在に装着されている。4つのプロセスカートリッジ16は、ドロワフレーム15に装着された状態において、幅方向から見て、ほぼ等しい間隔を隔てて前後方向(略水平)に沿って並列配置されており、垂直方向(上下方向)に対して後側へやや傾いている。
なお、以降でプロセスカートリッジ16を説明する場合においても、プロセスカートリッジ16がドロワフレーム15に装着されて垂直方向(上下方向)に対して後側へやや傾いている状態を基準とする。また、プロセスカートリッジ16の構造は、4つのプロセスカートリッジ16において同じなので、以下では、図1において最も前側のプロセスカートリッジ16を参照しながら、プロセスカートリッジ16について説明する。
各プロセスカートリッジ16は、上側の上ケース17と、下側の下ケース18とを備えている。上ケース17および下ケース18は、ともに、幅方向に長手で中空のボックス形状である。下ケース18は、筐体の一例として機能する。
上ケース17内には、感光ドラム19と帯電器20とが主に設けられている。
感光ドラム19の中心軸19Aは、幅方向に延びており(つまり、感光ドラム19の軸方向は幅方向であり)、感光ドラム19は、幅方向に長手である。感光ドラム19の幅方向両端部は、上ケース17の幅方向両側壁において対応する側壁によって回転自在に支持されている。ここで、上ケース17の上面は、開放されており、感光ドラム19の上側外周面が、上ケース17の開放された上面を介して、上ケース17(プロセスカートリッジ16)の上方へ露出され、さらに、ドロワフレーム15の開放部15Aを介して、ドロワフレーム15(ドロワユニット14)の上方へ露出されている。4つのプロセスカートリッジ16をまとめて見ると、4つの感光ドラム19は、前後方向(略水平)において、ほぼ等しい間隔を隔てて並列配置されている。
帯電器20は、上ケース17の幅方向両側壁によって挟持されている。この状態において、帯電器20は、対応する感光ドラム19に対して、後下側から間隔を隔てて対向している。
下ケース18は、その後側上端部に幅方向に沿って挿通された連結軸21を介して、上ケース17に連結されており、上ケース17に対して相対移動(詳しくは連結軸21を支点として揺動)することができる。
下ケース18内には、現像剤担持体の一例として現像ローラ22と、供給ローラ23と、現像剤収容器の一例としてのトナーボックス24とが主に設けられている。
現像ローラ22および供給ローラ23のそれぞれの中心軸は、幅方向に沿って延びている。現像ローラ22および供給ローラ23のそれぞれの幅方向両端部は、下ケース18の幅方向両側壁において対応する側壁によって回転自在に支持されている。
現像ローラ22は、下ケース18の上端部に配置されている。ここで、下ケース18の上面は、開放されており、現像ローラ22の上側外周面が、下ケース18の開放された上面を介して、下ケース18の上方ヘ露出されている。そして、上述した上ケース17の下面も開放されており、現像ローラ22の上側外周面は、上ケース17の開放された下面を介して、感光ドラム19の下側外周面に対して前下側から対向(詳しくは接触)している。詳しくは、現像ローラ22が感光ドラム19に接触するように、現像ローラ22を支持する上ケース17全体が、図示しない付勢部材によって、感光ドラム19を支持する上ケース17へ向けて上向きに付勢されている。
供給ローラ23は、現像ローラ22の前下側に配置され、現像ローラ22に接触している。
トナーボックス24は、下ケース18において、供給ローラ23より下方の部分(後述するボックス収容室73であり、後述する図5(c)参照)に配置されている。詳しくは、トナーボックス24は、後述するように、下ケース18に対して着脱自在に装着されている。トナーボックス24は、幅方向に長手で中空の略円筒状であり、内部には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのうちで対応する色のトナー(現像剤)が収容されている。
ここで、下ケース18、および、下ケース18に収容される部材(現像ローラ22や供給ローラ23やトナーボックス24等)のまとまりを、現像装置37という。現像装置37は、プロセスカートリッジ16の数と同じだけ(4つ)設けられ、対応する上ケース17(換言すれば上ケース17に設けられた感光ドラム19)の下方に配置されている。
なお、プロセスカートリッジ16やトナーボックス24を含め、ドロワユニット14については、以降で詳説する。
このようなプロセス部11では、画像形成時において、各プロセスカートリッジ16において、感光ドラム19の外周面が、帯電器20によって一様に帯電される。そして、スキャナ部10からのレーザ(図示破線矢印参照)が、ドロワフレーム15の底壁の対応する通過穴15Bを介して、帯電した感光ドラム19の外周面に照射される。これにより、各感光ドラム19の外周面には、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
一方、各プロセスカートリッジ16では、現像装置37において、トナーボックス24内のトナーが、供給ローラ23に対して下から供給される(詳しくは後述する。)。供給ローラ23に供給されたトナーは、供給ローラ23によって現像ローラ22に供給され、所定の厚さの薄層となって、現像ローラ22の外周面に担持される。
そして、感光ドラム19の回転により、感光ドラム19の外周面に形成された静電潜像が現像ローラ22と対向すると、現像ローラ22の外周面に担持されているトナーが、その静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が、トナーによって可視像化されて、所定の色のトナー像となる。
このように、現像装置37は、対応する感光ドラム19に形成された静電潜像を現像するために機能する。また、各現像装置37において、トナーボックス24は、対応する感光ドラム19の静電潜像を現像するためのトナーを収容している。
(2−3)転写部
転写部12は、従動ローラ25、駆動ローラ26、中間転写ベルト27、1次転写ローラ28、2次転写ローラ29およびクリーニング部30を備えている。
従動ローラ25および駆動ローラ26は、前後方向に間隔を隔てて対向配置され、これらの間に無端状の中間転写ベルト27が張り渡されている。この状態で、中間転写ベルト27は、ドロワユニット14に対して上側から隣接している。駆動ローラ26の回転駆動により、従動ローラ25が従動回転し、中間転写ベルト27が、従動ローラ25および駆動ローラ26の間を周回移動する。
中間転写ベルト27の内側には、4つの1次転写ローラ28が前後方向に間隔を隔てて配置されている。各1次転写ローラ28は、対応する感光ドラム19に対して、中間転写ベルト27の下側部分を挟んで対向配置されている。感光ドラム19と中間転写ベルト27との接触位置を1次転写位置という。1次転写ローラ28には、図示しない高圧基板から1次転写バイアスが印加される。これにより、1次転写位置において、各感光ドラム19上のトナー像が中間転写ベルト27上に転写され、中間転写ベルト27上では、4つの感光ドラム19から転写された4色のトナー像が重ね合わされ、カラーのトナー像が形成される。
また、駆動ローラ26は、2次転写ローラ29によって後側から圧接されている。駆動ローラ26と2次転写ローラ29との接触位置を2次転写位置という。2次転写ローラ29には、図示しない高圧基板から2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写位置において、レジストローラ8から上方に向かって搬送される用紙P上に、中間転写ベルト27上のカラーのトナー像が転写される。
クリーニング部30は、中間転写ベルト27の上方に配置されている。クリーニング部30は、用紙Pへのトナー像の転写後に中間転写ベルト27に残留しているトナーを回収し、その内部でトナーを貯留する。なお、クリーニング部30は、本体ケーシング2の前壁に回動可能に設けられた第1フロントカバー31を開くことで交換可能である。
(2−4)定着部
定着部13は、用紙Pの搬送方向における転写部12の下流側、詳しくは駆動ローラ26と2次転写ローラ29との接触位置(2次転写位置)の上方に配置され、公知の加熱ローラ32および加圧ローラ33を備えている。加圧ローラ33は、加熱ローラ32に圧接されている。加熱ローラ32と加圧ローラ33との間を用紙Pが通過する間に、その用紙Pに転写されているトナー像が、加熱および加圧により用紙Pに定着される。
(3)排紙部
排紙部5は、複数の搬送ローラ(符号は付さず)を有しており、これらの搬送ローラによって、定着部13から排出された用紙Pを、本体ケーシング2の上部に形成された排紙トレイ34へ搬送する。
(4)その他
本体ケーシング2には、排紙トレイ34の上方を塞ぐように、画像読取ユニット35が配置されている。画像読取ユニット35は、原稿を取り込んで、原稿の画像情報を読み取ることができる。カラープリンタ1は、画像読取ユニット35が読み取った画像情報に基づいて画像形成を行うこともできる。
カラープリンタ1は、このように画像形成および画像読取の両方を実行できることから、いわゆる複合機として構成されている。また、本体ケーシング2の上下方向途中(画像読取ユニット35の下)にある排紙トレイ34に用紙Pが排出されるので、このカラープリンタ1は、いわゆる胴内排紙タイプである。
次に、カラープリンタ1の各部について詳説する。
2.本体ケーシング
本体ケーシング2の内部には、ドロワユニット14を収容するためのユニット収容室40が形成されている。ユニット収容室40は、中間転写ベルト27とスキャナ部10とによって上下から挟まれた空間である。そして、図3に示すように、本体ケーシング2には、ユニット収容室40を左右から区画する一対の区画壁41が設けられている。図3では、一対の区画壁41のうち、左側の区画壁41が示されている。
一対の区画壁41において互いに対向する面(図3の左側の区画壁41の場合は右側面)には、案内部42がそれぞれ設けられている。
図3とともに図2も参照して、案内部42は、前側から順に、第1案内ローラ43、第1傾斜壁44、第1案内レール45、第2案内ローラ46、第2傾斜壁47および第2案内レール48を備えている。
第1案内ローラ43は、対応する区画壁41の前端部に回転可能に設けられている(図2参照)。
第1案内レール45は、前後方向に平坦に延びる板状に形成されている(図3参照)。第1案内レール45の前端部は、第1案内ローラ43に対して後側から隣接している(図示せず)。第1案内レール45は、第1案内ローラ43の下部と上下方向において略同位置になるように配置されている(図2および図3参照)。
第1傾斜壁44は、幅方向から見て、後側へ向けて細くなる略三角形状である(図2参照)。第1傾斜壁44は、第1案内ローラ43の上部から第1案内レール45の上面に向けて傾斜する傾斜面を有している(図2および図3参照)。
図3に示すように、第2案内ローラ46は、対応する区画壁41の後端部に回転可能に設けられており、第1案内レール45の後端部に対して後側から隣接している。第2案内ローラ46の上部は、第1案内レール45と上下方向において略同位置になるように配置されている。
第2案内レール48は、前後方向に延びるとともに後端部が上方に向けて湾曲した板状に形成されており、第2案内ローラ46の下部と上下方向において略同位置になるように配置されている。
第2傾斜壁47は、幅方向から見て、後側へ向けて細くなる略三角形状である。第2傾斜壁47は、第2案内ローラ46の上部から第2案内レール48の上面に向けて傾斜する傾斜面を有している。
また、図1に示すように、本体ケーシング2の前壁には、着脱口(ユニット着脱口49という。)が形成されている。ユニット着脱口49は、ユニット収容室40に対して前側から連通している(図2および図3も参照)。
そして、本体ケーシング2の前壁には、第2フロントカバー50が開閉自在に設けられている。図1に示す閉じた状態にある第2フロントカバー50は、起立しており、ユニット着脱口49を前から塞いでいる。この状態において、第2フロントカバー50の下端部には、幅方向に延びる回動軸51が挿通されている。第2フロントカバー50は、回動軸51を介して本体ケーシング2の前壁に連結されており、回動軸51を支点として回動自在である。そのため、閉じた状態にある第2フロントカバー50を前側へ引くと、第2フロントカバー50は、回動軸51を支点として回動して前側へ傾倒する(図2ないし図4参照)。これにより、第2フロントカバー50が開かれ、ユニット着脱口49が前方へ開放される(図2および図3参照)。
また、本体ケーシング2において、閉じた状態にある第2フロントカバー50の上部には、揺動ユニット52が設けられている。揺動ユニット52は、本体ケーシング2において、排紙トレイ34と、排紙トレイ34の下側にある部材(具体的には、中間転写ベルト27、従動ローラ25、駆動ローラ26、1次転写ローラ28およびクリーニング部30)とを一体化したものである。上述した第1フロントカバー31も、揺動ユニット52に含まれる。
ここで、図1では、閉じた状態にある第2フロントカバー50の上端部に揺動ユニット52の前側下端部が係合することで第2フロントカバー50の前側へ傾倒が規制され、第2フロントカバー50が閉じられた状態が維持されている。
そして、揺動ユニット52は、転写部12の駆動ローラ26と、排紙トレイ34の後側に配設される揺動軸53とを中心にして、上下に揺動可能である。
そのため、図1に示す状態にある揺動ユニット52を図2に示すように上方に揺動させると、第2フロントカバー50の上端部から揺動ユニット52の前側下端部が外れる。こにより、第2フロントカバー50の前側へ傾倒できるようになる。そこで、第2フロントカバー50を前側に倒すと、上述したユニット着脱口49が開放される。
3.ドロワユニット
(1)ドロワフレーム
図4を参照して、ドロワフレーム15は、上述したように、上面に開放部15Aを有する中空のボックス形状である。
ドロワフレーム15の幅方向両側壁のそれぞれにおける幅方向内側面(ドロワフレーム15の内部に臨む面)の上端部には、内側面の上端から前下側へ延びるガイド溝60が、前後方向にほぼ等しい間隔を隔てて4つ形成されている。各ガイド溝60の最深部(下端部)は、丸められており、そのため、各ガイド溝60は、幅方向から見て略U字形状をなしている。
ドロワフレーム15の幅方向両側壁のそれぞれの前端部の上端部には、幅方向外側へ突出する位置決め軸61が一体的に設けられている。また、ドロワフレーム15の幅方向両側壁のそれぞれの上縁部は、幅方向外側へ折れ曲げられており、フランジ62とされる。
図3に示すように、ドロワフレーム15の幅方向両側壁のそれぞれの後端部の上端には、後側へ突出する突出片63が一体的に設けられている。各突出片63には、2つの車輪64が前後に並んで設けられている。車輪64の回転軸は、幅方向に延びて突出片63に支持されており、この状態で、車輪64は、突出片63によって回転自在に支持されている。
ドロワフレーム15の前壁には、回動軸65およびハンドル66が設けられている。回動軸65は、幅方向に沿って延びており、ドロワフレーム15の前壁に支持されている。ハンドル66では、その一端部(図3では後端部)に、回動軸65が挿通されている。これにより、ハンドル66は、回動軸65回りに回動自在である(図1ないし図4を参照)。本体ケーシング2に対してドロワユニット14を着脱させる際に、ハンドル66が把持される。
(2)プロセスカートリッジ
図5は、プロセスシャッタおよびトナーシャッタがともに開位置にある状態におけるプロセスカートリッジを示しており、(a)は、プロセスカートリッジの右側断面図であり、(b)は、プロセスカートリッジの右側面図であり、(c)は、(b)において、トナーボックスとプロセスカートリッジにおいてトナーボックス以外の部分とを分離して示している。
図6は、プロセスシャッタおよびトナーシャッタがともに閉位置にある状態におけるプロセスカートリッジを示しており、(a)は、プロセスカートリッジの右側断面図であり、(b)は、プロセスカートリッジの右側面図であり、(c)は、(b)において、トナーボックスとプロセスカートリッジにおいてトナーボックス以外の部分とを分離して示している。
(2−1)上ケースおよび下ケース
図5(a)を参照して、プロセスカートリッジ16において、上ケース17は、上述したように、上面および下面が開放された幅方向に長手で中空のボックス形状であり、感光ドラム19と帯電器20とを支持している。ここで、感光ドラム19の軸(中心軸19A)の幅方向両端部は、上ケース17において幅方向で同じ側にある側壁よりも幅方向外側へ突出している(図5(b)参照)。
上ケース17において、帯電器20の上側には、クリーニングローラ70が回転自在に設けられている。クリーニングローラ70の外周面は、感光ドラム19の外周面に対して後側から接触している。クリーニングローラ70は、感光ドラム19から中間転写ベルト27(図1参照)上にトナー像が転写された後に感光ドラム19の外周面に残っているトナー等の異物を感光ドラム19から除去する。
下ケース18は、上述したように、上面が開放された幅方向に長手で中空のボックス形状である。なお、下ケース18は、上述したように、連結軸21を介して連結された上ケース17に対して相対移動することができるが、ここでは、下ケース18は、現像ローラ22が感光ドラム19に前下側から接触した位置で固定されているものとする。
幅方向から見たときにおける下ケース18は、下側ヘ向かって太くなる雫に似ている。これに応じて、下ケース18の内部は、下側へ向かって前後に大きくなっている。そして、下ケース18の内部は、上から順に、現像室71と、供給室72と、ボックス収容室73とに区画されている。
現像室71は、幅方向から見て、後下側へ傾く略平行四辺形状である。現像室71は、下ケース18の開放された上面を介して上方(下ケース18の外部)へ露出されている。
供給室72は、幅方向から見て、略円形状であり、現像室71に対して前下側から連通している。下ケース18の前壁において、供給室72に一致する部分は、前側へ円弧状に膨出しており、膨出壁74とされる。また、下ケース18の前壁には、膨出壁74の下端から連続して、膨出壁74と同じ曲率で下ケース18内に後向きに突出する第1突出壁75が一体的に設けられている。第1突出壁75は、第2円弧壁の一例として機能し、幅方向から見て上下に扁平な略U字形状をなしており、下向きに膨出するように円弧状に湾曲している。膨出壁74と第1突出壁75とをまとめて見ると、右側から見て、後側が切り欠かれた略C字形状をなしている。膨出壁74および第1突出壁75がなす略C字部分の内側の領域が、供給室72である。
ボックス収容室73は、幅方向から見て、供給室72より倍以上大きい略円形状である。詳しくは、ボックス収容室73は、幅方向から見て、周上における上側の1箇所が内側へ円弧状に凹まされた略円形状である。このようなボックス収容室73に応じて、下ケース18の底壁(前壁および後壁の各下端部も含む)は、下側へ向けて円弧状に膨出している。また、下ケース18の後壁には、下ケース18の底壁の後端から連続して、この底壁と同じ曲率で下ケース18内に前上側へ突出する第2突出壁76が一体的に設けられている。第2突出壁76は、幅方向から見て、後上側へ膨出しつつ前上側へ突出する円弧状である。上述した第1突出壁75の後端が、第2突出壁76の前(上)端に接続されている。また、第2突出壁76は、現像室71の下端の後側部分を区画している。
下ケース18の底壁と第2突出壁76とをまとめて見ると、右側から見て、上側が切り欠かれた略C字形状をなしており、この略C字形状において切り欠かれた部分に、第1突出壁75が配置されている。そして、下ケース18の底壁と第2突出壁76と第1突出壁75とに囲まれた領域が、ボックス収容室73である。なお、図5(a)では、ボックス収容室73に収容されたトナーボックス24(トナーボックス24、および、トナーボックス24に備えられた後述するトナーシャッタ112およびアジテータ111)が図示されている。
ここで、下ケース18の右側壁において、幅方向から見てボックス収容室73と一致する部分には、幅方向から見たボックス収容室73とほぼ同じ略円形状の貫通穴(ボックス着脱口84という。)が形成されており、ボックス収容室73は、ボックス着脱口84を介して右側へ露出されている(図5(c)参照)。また、下ケース18の左側壁において、幅方向から見てボックス収容室73と一致する部分は、幅方向から見たボックス収容室73とほぼ同じ略円形状をなしており、この部分の円中心位置には、カップリングギヤ85が回転自在に設けられている(図5(c)参照)。
そして、上述したように幅方向から見て上下に扁平な略U字形状(換言すればトレイ状)の第1突出壁75において、後側上端部に、第2開口の一例としての連通口77が1つ形成されている。連通口77は、幅方向に細長く、第1突出壁75を肉厚方向において貫通し、供給室72とボックス収容室73とを連通させている。詳しくは、ボックス収容室73は、連通口77を介して、供給室72に対して後下側から連通している。そして、連通口77が第1突出壁75の後側上端部に形成されることから、第1突出壁75には、連通口77の下端よりも低い位置にある部分(貯留部75Aという。)が設けられている。
このような下ケース18において、現像室71には、上述した現像ローラ22が配置され、供給室72には、上述した供給ローラ23が配置されている。この状態で、供給ローラ23の下側外周面は、第1突出壁75に上から対向し、第1突出壁75の湾曲した上面に沿っている。一方、第1突出壁75に形成された連通口77は、供給ローラ23に対して後下側から臨んでいる。
また、現像室71には、層厚規制ブレード78が設けられている。層厚規制ブレード78は、幅方向に長手の薄板形状に形成される板ばね79と、板ばね79の前端部に設けられる圧接ゴム80とを一体的に備えている。板ばね79は、下ケース18の後壁から、第2突出壁76に沿って、現像ローラ22の下側外周面へ向かって前上側へ延びている。板ばね79と第2突出壁76との隙間は、シール(符号81を付した部分)によって塞がれている。なお、現像ローラ22の前側外周面と下ケース18の前壁との隙間も、シール(符号82を付した部分)によって塞がれている。圧接ゴム80は、板ばね79の弾性力により現像ローラ22の外周面に下から圧接している。
そして、下ケース18には、連通口77を開閉するシャッタの一例としてのプロセスシャッタ83が設けられている。プロセスシャッタ83は、第2シャッタの一例としても機能する。プロセスシャッタ83は、幅方向に長手の薄板状であり、第1突出壁75と同様に、幅方向から見て上下に扁平な略U字形状をなしており、第1突出壁75に下から沿うように配置されている。この状態において、プロセスシャッタ83は、湾曲する第1突出壁75の曲面に沿う方向にスライド自在である。なお、図5(a)においてプロセスシャッタ83のすぐ下には、上述したトナーシャッタ112が図示されている。
図5(a)では、プロセスシャッタ83全体が、第1突出壁75の下にあり、プロセスシャッタ83は、連通口77から前下側へずれた開位置にある。開位置にあるプロセスシャッタ83は、連通口77を開放している。
開位置にあるプロセスシャッタ83が、第1突出壁75の下面に沿って後上側へ所定量スライドすると、図6(a)に示す閉位置に至る。閉位置にあるプロセスシャッタ83は、連通口77全体を後下側から塞いでいる。
閉位置にあるプロセスシャッタ83が、第1突出壁75の下面に沿って前下側へ所定量スライドすると、図5(a)に示す開位置に戻る。
そして、下ケース18には、プロセスシャッタ83を支持する支持部材86が設けられており、プロセスシャッタ83と一体化されている。支持部材86は、回動部材の一例として機能する。プロセスシャッタ83と支持部材86とのまとまりをシャッタユニット87という。
図7は、シャッタユニットを右前側から見た斜視図である。
次に、図7を参照して、シャッタユニット87の各部について説明する。なお、図7におけるシャッタユニット87の姿勢を基準として説明する。
プロセスシャッタ83において、支持部材86は、プロセスシャッタ83の幅方向両端のそれぞれに接続される一対の回動板88と、左右の回動板88の上部間に架設されるビーム部材89とを一体的に備えている。
左右の回動板88は、幅方向から見て略円形をなし、幅方向に薄い板状である。左右の回動板88のそれぞれにおける円中心位置には、挿通穴90が形成されている。
左側の回動板88の外周面の周方向1箇所(図7では回動板88の下端部)には、回動板88の径方向外側(図7では下向き)へ突出する突出部(左突出部91という。)が一体的に設けられている。左突出部91は、回動板88と同様に幅方向に薄く、幅方向から見て、回動板88の下側外周縁に沿う略U字形状である(図5(c)参照)。左突出部91の右側面には、左側へ窪む2つの凹部(左凹部92という。)が、回動板88の周方向に沿って並んで形成されている(図5(c)も参照)。
右側の回動板88の右側面には、右側へ突出する突出部(右突出部93という。)が一体的に設けられている。右突出部93は、幅方向から見て回動板88より小径の円形をなし、幅方向に薄い板状である。幅方向から見て、右突出部93の円中心と、回動板88の円中心とは、一致している。また、右側の回動板88に形成された、上述した挿通穴90は、右側の回動板88および右突出部93の両方を貫通している。
右側の回動板88の右側面の外周縁部における周上1箇所(図7では右突出部93より後側の部分)には、回動板88の径方向外側(図7では後側)へ突出する凸部94が一体的に設けられている(図5(c)も参照)。凸部94は、回動板88の右側面の外周縁よりも、回動板88の径方向外側へ突出している(図5(c)も参照)。
また、右側の回動板88の右側面の外周縁部において、周方向で凸部94とは異なる位置(図7では右突出部93より下側の位置)には、左側へ窪む2つの凹部(右凹部95いう。)が、回動板88の周方向に沿って並んで形成されている(図5(c)参照)。
そして、右突出部93の外周面において、右突出部93(または回動板88)の周方向において右凹部95と一致する部分の周辺(図7では右突出部93の下端部周辺)には、ラックギヤ96が形成されている(図5(c)も参照)。ラックギヤ96の複数のギヤ歯は、右突出部93の周方向に沿って配列されている。
上述したプロセスシャッタ83において、左端部は、左側の回動板88において左突出部91(詳しくは左凹部92)が設けられている部分(図7では左側の回動板88の下端部)に接続されており、右端部は、右側の回動板88において右凹部95が形成されている部分(図7では右側の回動板88の下端部)に接続されている。つまり、プロセスシャッタ83は、図7では、左右の回動板88の下端部間に架設されている。ここで、右側の回動板88の右側面の外周縁部において左側へ窪む2つの右凹部95は、プロセスシャッタ83を、その右端縁から左側へ切り欠いている(図5(c)参照)。つまり、右凹部95は、プロセスシャッタ83に設けられていると言える。また、左突出部91をプロセスシャッタ83の一部ととらえると、左突出部91の左凹部92は、プロセスシャッタ83に設けられていると言える。ここで、左凹部92および右凹部95は、第2係合部の一例として機能する。
ビーム部材89は、幅方向に長手の板状であり、回動板88の周方向でプロセスシャッタ83と異なる位置において、左右の回動板88の外周面間に架設されている。ビーム部材89は、幅方向から見て、左右の回動板88の外周面に沿うように、円弧状に湾曲している。
このような構成のシャッタユニット87は、図5(c)に示すように、下ケース18によって回動自在に支持されている。
詳しくは、まず、シャッタユニット87において、左側の回動板88が、下ケース18の左側面より左側にあり(図示せず)、右側の回動板88が、下ケース18の右側面より右側にある。この状態で、左右の回動板88は、幅方向から見て、下ケース18の供給室72全体および現像室71の前下側部分と、一致している(図5(a)も参照)。
そして、シャッタユニット87において、プロセスシャッタ83は、下ケース18のボックス収容室73内に収容されており、ビーム部材89は、下ケース18の前側面(詳しくは、下ケース18の前壁の膨出壁74付近の部分)より前側に位置している(図5(a)も参照)。
つまり、シャッタユニット87において、プロセスシャッタ83だけが下ケース18内にあり、プロセスシャッタ83以外の部分は、下ケース18(換言すればプロセスカートリッジ16)の外に配置されている。
ここで、下ケース18の幅方向両側壁の外表面において、幅方向から見て、上述した第1突出壁75(図5(a)参照)の曲率中心と一致する部分には、幅方向外側へ突出する支持軸97が一体的に設けられている。各支持軸97が、シャッタユニット87において幅方向で同じ側にある回動板88の挿通穴90に対して幅方向内側から挿通されている。
これにより、シャッタユニット87全体は、下ケース18の幅方向両側壁の各支持軸97を中心として、右側から見て、時計回りまたは反時計回りの方向に回動自在である。つまり、シャッタユニット87の回動中心は、下ケース18の支持軸97である。
そして、シャッタユニット87は、プロセスシャッタ83が上述した開位置と閉位置との間でスライドする範囲において、回動自在である。
図5(a)に示すようにプロセスシャッタ83が開位置にある場合には、ビーム部材89が、下ケース18の前壁において膨出壁74の上端部近傍の部分に前側から当接しており、シャッタユニット87の、右側から見た時計回りの方向への回動が規制されている。
プロセスシャッタ83が開位置にある状態で、シャッタユニット87を、右側から見て反時計回りの方向へ回動させる。そして、図6(a)に示すように、ビーム部材89が、下ケース18の前壁において膨出壁74の下端部近傍の部分に前上側から当接すると、シャッタユニット87の、右側から見た反時計回りの方向への回動が規制され、プロセスシャッタ83の位置が閉位置になる。
(2−2)トナーボックス
図8において、(a)は、トナーシャッタが閉位置にあるトナーボックスを左前側から見た斜視図であり、(b)は、トナーシャッタが開位置にあるトナーボックスを左前側から見た斜視図であり、(c)は、トナーシャッタが閉位置にあるトナーボックスを右前側から見た斜視図であり、(d)は、トナーシャッタが開位置にあるトナーボックスを右前側から見た斜視図であり、(e)は、トナーボックスの要部の正断面図である。
図8(b)を参照して、トナーボックス24は、上述したように幅方向に長手で中空の略円筒状である。
トナーボックス24は、その外殻をなすケーシング(ボックスケーシング100という。)を備えている。ボックスケーシング100は、現像剤収容部の一例として機能する。
ボックスケーシング100は、幅方向に長手で中空の略円筒状である。つまり、幅方向から見たときのボックスケーシング100の断面は、略円形状である(図5(a)参照)。ボックスケーシング100の幅方向両側は、塞がれている。ボックスケーシング100内にトナーが収容されている。ボックスケーシング100は、その外周面をなす周壁101と、周壁101を幅方向両側から塞ぐ一対の側壁102とを一体的に備えている。
周壁101の周上1箇所(上端部)には、周壁101(ボックスケーシング100)の幅方向全域に亘って周壁101の円中心側(ボックスケーシング100の内側)へ円弧状に湾曲するように窪む湾曲壁103が形成されている。湾曲壁103は、第1円弧壁の一例として機能し、幅方向から見て略U字形状をなしている。換言すれば、図5(c)に示すように、湾曲壁103は、周壁101の円中心を中心とする径方向(または後述するアジテータ軸107の径方向)におけるボックスケーシング100の外側(上側)で幅方向に延びる基準線Xを曲率中心として円弧状に湾曲している。湾曲壁103の曲率は、プロセスカートリッジ16の下ケース18における、上述した第1突出壁75の曲率とほぼ同じである(図5(a)参照)。
図8(b)に示すように、各側壁102は、周壁101を幅方向から見た形状と同じであり、外周縁の周上1箇所が円弧状に切り欠かれた略円板形状をなしている。
このような周壁101および側壁102を備えるボックスケーシング100は、外周面の周上1箇所が幅方向全域に亘って円弧状に凹まされた中空の略円筒状である。これに応じて、ボックスケーシング100の内部空間は、幅方向から見て、外周縁の周上1箇所が円弧状に切り欠かれた略円形状である。
ここで、湾曲壁103の外表面(外部に露出される面)の後端部には、幅方向に長手の貫通穴(供給口104という。)が1つ形成されている。供給口104は、第1開口の一例として機能する。供給口104の幅方向寸法は、湾曲壁103の幅方向寸法よりやや小さい。供給口104は、ボックスケーシング100の内外を連通させている。
また、湾曲壁103の外表面において、供給口104より右側には、周壁101の円中心側(ボックスケーシング100の内側)に窪むガイド溝(右ガイド溝105という。)が形成されている。右ガイド溝105は、幅方向から見て、湾曲壁103の湾曲した外表面に沿う方向(周方向)に沿って円弧状に延びている。当該周方向から見た右ガイド溝105の断面は、湾曲壁103の外表面ヘ向かって細くなる凸形状をなしている。つまり、右ガイド溝105の溝幅は、湾曲壁103の外表面側よりも最深部側の方において広い。
そして、左側の側壁102の左側面において、湾曲壁103に沿う部分には、右側へ窪むガイド溝(左ガイド溝106という。)が形成されている。左ガイド溝106は、湾曲壁103に沿って円弧状に延びており、幅方向から見て略U字形状をなしている。
ここで、左側の側壁102の円中心部分と右側の側壁102の円中心部分との間には、幅方向に沿って延びる回転軸の一例としてのアジテータ軸107が架設されている。アジテータ軸107は、左右の側壁102によって回転自在に支持されており、アジテータ軸107の左端部は、左側の側壁102の左側面よりも左側へ突出している。アジテータ軸107の左端部には、アジテータ軸107の左端部から左側へ突出する入力ギヤ108が一体的に設けられている。入力ギヤ108は、伝達部の一例として機能する。
図5(a)に示すように、ボックスケーシング100の内部において、アジテータ軸107の外周面には、アジテータ軸107の径方向外側へ突出する支持部109が一体的に設けられている。支持部109は、硬質の材料(硬質樹脂など)で形成されている。支持部109は、幅方向から見て、アジテータ軸107の径方向外側ヘ向かって細くなっている。支持部109には、攪拌部の一例としての攪拌羽根110が取り付けられている。
攪拌羽根110は、可撓性を有する材料(たとえばフィルム)で形成されている。攪拌羽根110は、支持部109に支持され、支持部109からアジテータ軸107の径方向外側(詳しくはボックスケーシング100の周壁101の内周面)ヘ延びている。ここで、アジテータ軸107の径方向における攪拌羽根110の自然長は、支持部109と周壁101の内周面との間隔よりも長い。そのため、攪拌羽根110は、周壁101の内周面に接触し、ある程度しなった状態でボックスケーシング100の内部に配置されている。詳しくは、図5(a)に示すように右側から見て、攪拌羽根110では、周壁101の内周面側が、支持部109側に対して時計回りの方向へずれている。
ここで、アジテータ軸107と支持部109と攪拌羽根110とのまとまりを、攪拌部材の一例としてアジテータ111という。アジテータ111では、アジテータ軸107の左端部以外の部分がトナーボックス24(詳しくはボックスケーシング100)内に設けられている。アジテータ111は、アジテータ軸107を中心として、右側から見て反時計回りの方向に回転自在である。
アジテータ111が1回転する際、攪拌羽根110は、周壁101(湾曲壁103も含む。)の内周面の全領域に接触しながら周壁101の内周面を通過する。アジテータ111(攪拌羽根110)の通過方向は、右側から見て反時計回りの方向となるので、上述したように湾曲壁103の後端部に形成された供給口104は、湾曲壁103において、回転するアジテータ111の通過方向における上流側に形成されている。
そして、図8(b)に示すように、トナーボックス24には、シャッタの一例としてのトナーシャッタ112が設けられている。トナーシャッタ112は、第1シャッタの一例としても機能する。
トナーシャッタ112は、幅方向に長手の板状で、幅方向から見て、ボックスケーシング100の湾曲壁103とほぼ同じ曲率で円弧状に湾曲している(図5(a)も参照)。トナーシャッタ112の幅方向寸法は、湾曲壁103の幅方向寸法とほぼ同じである。トナーシャッタ112の周方向(曲面に沿う方向)における寸法は、湾曲壁103の周方向寸法の約半分である。
トナーシャッタ112において、左端部には、幅方向に直交し、かつ、トナーシャッタ112の曲率中心から遠ざかる方向(図8(b)では下方)へ折り曲げられた折曲部113が一体的に設けられている。折曲部113は、幅方向に薄い板状であり、トナーシャッタ112の左端部の周方向全域に対して接続されている。
折曲部113の左側面には、左側へ突出する2つの凸部(左凸部114という。)が、トナーシャッタ112の周方向に間隔を隔てて一体的に設けられている。折曲部113の右側面には、右側へ突出し、トナーシャッタ112の周方向に沿って延びるリブ(左ガイドリブ115という。)が一体的に設けられている。
トナーシャッタ112において、外表面(トナーボックス24において外部に露出される側の面であり、図8(b)では上面)の右端部には、トナーシャッタ112の曲率中心へ近付く方向(図8(b)では上方)へ突出する2つの凸部(右凸部116という。)が、トナーシャッタ112の周方向に間隔を隔てて一体的に設けられている。右凸部116と上述した左凸部114とは、第1係合部の一例として機能する。
また、トナーシャッタ112において、上述した外表面の裏側の面(図8(b)では下面)の右端部には、トナーシャッタ112の周方向に沿って延びるリブ(右ガイドリブ117という。)が一体的に設けられている(図8(b)では図示されておらず、図8(a)および図8(c)を参照)。右ガイドリブ117は、幅方向に直交し、かつ、トナーシャッタ112の曲率中心から遠ざかる方向(図8(a)では下方)へ突出している。
このようなトナーシャッタ112は、湾曲壁103において、ボックスケーシング100によって支持されている。
詳しくは、トナーシャッタ112において、左ガイドリブ115が、ボックスケーシング100の左ガイド溝106に左から嵌り、右ガイドリブ117が、ボックスケーシング100の右ガイド溝105に、図8(b)では上から嵌っている。これにより、トナーシャッタ112は、幅方向における複数箇所(左ガイドリブ115および右ガイドリブ117)において、ボックスケーシング100によって支持されている。
この状態で、左ガイドリブ115は、左ガイド溝106に沿って、湾曲壁103の周方向に沿ってスライド自在であり、右ガイドリブ117は、右ガイド溝105に沿って、湾曲壁103の周方向に沿ってスライド自在である。
また、図8(a)の状態を基準として、トナーシャッタ112の下面が、湾曲壁103の外表面(上面)に対して、幅方向におけるほぼ全域に亘って、上から(ボックスケーシング100の径方向における外側から)対向している。そして、この状態で、トナーシャッタ112が、湾曲壁103の周方向に沿って、開位置(図8(b)および図8(d)参照)と閉位置(図8(a)および図8(c)参照)との間でスライド自在である。
トナーシャッタ112が開位置にあるときには、トナーシャッタ112が供給口104に対して前側へずれており、供給口104の全域が、外部(上方)に露出(開放)される(図8(b)および図8(d)参照)。
トナーシャッタ112が閉位置にあるときには、トナーシャッタ112が供給口104と一致しており、供給口104の全域が、トナーシャッタ112によって外側から塞がれる(図8(a)および図8(c)参照)。
このように、トナーシャッタ112は、湾曲壁103の周方向に沿って移動することによって供給口104を開閉する。
そして、図8(d)に示すように、トナーボックス24において、右側の側壁102の右側面は、操作部118が設けられている。操作部118は、幅方向に薄い板状であり、右側から見て、側壁102より小径の円形状をなしている。幅方向から見て、操作部118の円中心は、右側の側壁102の円中心(換言すればアジテータ軸107であり、図5(a)および図5(c)参照)と一致している。
操作部118の右側面には、把持部119が一体的に設けられている。把持部119は、直線的に延びる細長い角柱形状であり、右側から見て、操作部118の円中心を通っている。
操作部118の外周面の周上1箇所には、ラックギヤ120が形成されている。図8(d)において上下に延びる把持部119を基準として、ラックギヤ120は、右側から見て、把持部119の上端部から反時計回りへ少しずれた位置に形成されている。ラックギヤ120の複数のギヤ歯は、操作部118の周方向に沿って配列されている。
このような操作部118は、右側の側壁102によって支持されており、この状態で、操作部118の円中心周りに回動自在である。
ここで、操作部118に関連して、右側の側壁102の右側面において、右側から見て湾曲壁103を略円形状の側壁102の周方向における両側から挟むそれぞれの位置に、右側へ突出する円柱状のボス121が一体的に設けられている。
上述したように操作部118が右側の側壁102によって回動自在に支持された状態において、側壁102(または操作部118)の周方向における2つのボス121の間に、操作部118のラックギヤ120が配置されている。そのため、操作部118は、ラックギヤ120が前側のボス121に当接する位置(前位置といい、図8(d)参照)と、ラックギヤ120が後側のボス121に当接する位置(後位置といい、図8(c)参照)との間で、回動自在である。把持部119を掴んで捻ることで、操作部118を回動させることができる。
ここで、右側から見て、前位置にある操作部118を時計回りの方向へ限界まで回動させたときに、操作部118は後位置に至り、後位置にある操作部118を反時計回りの方向へ限界まで回動させたときに、操作部118は前位置に戻る。
なお、トナーボックス24を単体で見た場合において、トナーシャッタ112と操作部118とは機械的に連結されておらず、トナーシャッタ112のスライドと操作部118の回動とは独立している。そのため、トナーボックス24単体の状態では、操作部118を回動させてもトナーシャッタ112はスライドしない。なお、トナーボックス24単体の状態では、トナーシャッタ112は閉位置にある(図8(c)参照)。
また、図8(e)に示すように、操作部118の左側面の外周縁部における周上1箇所には、右側へ窪む凹部(収容凹部122という。)が形成されており、収容凹部122には、幅方向に細長い円柱形状の爪123が左側から嵌め込まれている。爪123の右端と操作部118において収容凹部122の底を区画する部分とは、ばね124で連結されており、爪123は、ばね124によって左側へ付勢されている。
図8(c)に示すように操作部118が後位置にあるときには、爪123の左端部は、図8(a)に示すように、収容凹部122から左側へはみ出ている(図8(e)も参照)。そして、爪123の左端部は、湾曲壁103の外面の右端部において後側のボス121の近傍にある部分に対して、右側から見て、反時計回りの方向における上流側から引っ掛かっている。この状態では、爪123を湾曲壁103から外さない限り、操作部118を、右側から見て反時計回りの方向に回動させることができない。
一方、図8(d)に示すように操作部118が前位置にあるときには、爪123は、上述したように湾曲壁103に引っ掛かることなく、右側の側壁102の右側面と対向しつつ、収容凹部122(図8(e)参照)にほぼ完全に収まっている(図示せず)。
(2−3)プロセスカートリッジに対するトナーボックスの着脱
次に、プロセスカートリッジ16(詳しくは現像装置37)に対するトナーボックス24の着脱について説明する。
まず、プロセスカートリッジ16にトナーボックス24を装着するのに先立って、図6(c)に示すように、プロセスカートリッジ16の下ケース18では、プロセスシャッタ83が閉位置にある(図6(a)も参照)。一方、トナーボックス24では、トナーシャッタ112が閉位置にあり、かつ、操作部118が後位置にある(図8(a)および図8(c)も参照)。
そして、このような状態にあり、かつ、湾曲壁103が上端部に位置しているトナーボックス24を、現像装置37の下ケース18の右側壁のボックス着脱口84の右側(図6における紙面手前側)に配置し、その後、左側(図6における紙面奥側)へ押し込む。これにより、トナーボックス24が、ボックス着脱口84を介して左側へ移動し、左側の部分(上述した入力ギヤ108側)から順に、図6(b)に示すようにボックス収容室73に収容されていく。
トナーボックス24がボックス収容室73に完全に収容されると、プロセスカートリッジ16(現像装置37の下ケース18)に対するトナーボックス24の装着が完了する。
このとき、図6(a)に示すように、幅方向から見て、トナーボックス24は、ボックス収容室73内にほぼぴったりと収まっており、供給ローラ23より低い位置にある。また、トナーボックス24の湾曲壁103は、下ケース18の第1突出壁75に対して下側から対向配置され、第1突出壁75にほぼ沿っている。また、閉位置にあるプロセスシャッタ83の下面に対して、閉位置にあるトナーシャッタ112の上面(外表面)が後下側から隙間なく接触している。そして、下ケース18の支持軸97(シャッタユニット87の回動中心)と、上述した基準線X(トナーボックス24の湾曲壁103の曲率中心を通って幅方向に延びる線)とが、幅方向から見て一致している(図6(b)参照)。
一方、トナーボックス24の右側面(特に操作部118)は、ボックス着脱口84(図6(c)参照)を介して下ケース18の右側へ露出されている(図6(b)参照)。上述したように現像装置37に対するトナーボックス24の装着方向は、左側へ向かう方向であるから、トナーボックス24の右側面の操作部118は、トナーボックス24において、対応する現像装置37に対するトナーボックス24の装着方向における上流側に設けられている。一方、上述した入力ギヤ108(図8(a)参照)は、トナーボックス24の左側面にあるので、トナーボックス24において、対応する現像装置37に対するトナーボックス24の装着方向における下流側に設けられている。
ここで、湾曲壁103の供給口104が、ともに閉位置にあるプロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112を挟んで、第1突出壁75の連通口77に対して、後下側から対向しているが、この状態では、供給口104と連通口77とは連通していない。
また、トナーボックス24の入力ギヤ108(図8(a)参照)が、プロセスカートリッジ16の下ケース18の左側壁のカップリングギヤ85(図6(c)参照)に連結されている。ここで、プロセスカートリッジ16が本体ケーシング2に装着されている状態では、カップリングギヤ85は、本体ケーシング2の駆動源(図示せず)に連結されている。この場合、入力ギヤ108は、カップリングギヤ85に連結されることで、カップリングギヤ85を介して本体ケーシング2に連結されている。これにより、入力ギヤ108は、本体ケーシング2の駆動源(図示せず)から駆動力を受けてアジテータ軸107(換言すればアジテータ111)に駆動力を伝達することができる。
そして、トナーシャッタ112の左凸部114(図8(a)参照)が、プロセスシャッタ83(詳しくはシャッタユニット87)の左側の回動板88(図7参照)における左突出部91の対応する左凹部92(図6(c)参照)に対して、右側から嵌り込んでいる。また、トナーシャッタ112の右凸部116(図8(a)参照)が、プロセスシャッタ83の右側の右凹部95(図6(c)参照)に対して、右側から嵌り込んでいる。
つまり、現像装置37では、下ケース18にトナーボックス24が装着された状態において、左凸部114と左凹部92とが係合し、かつ、右凸部116と右凹部95とが係合している。これにより、トナーシャッタ112とプロセスシャッタ83とが連結される。
また、対応するプロセスカートリッジ16(現像装置37)にトナーボックス24が装着されると、図6(b)に示すように、トナーボックス24の操作部118のラックギヤ120が、シャッタユニット87の右突出部93のラックギヤ96に対して下側から噛み合う。つまり、操作部118が、対応する現像装置37のシャッタユニット87に係合する。これにより、操作部118とシャッタユニット87(換言すればプロセスシャッタ83)とが連結される。
ここで、上述したように、トナーシャッタ112とプロセスシャッタ83とが連結されていることから(図6(a)参照)、プロセスカートリッジ16にトナーボックス24が装着された状態では、プロセスシャッタ83を介して、操作部118とトナーシャッタ112とが連結されている。
そして、操作部118の左側面の爪123(図8(e)参照)が、シャッタユニット87の右側の回動板88の右側面において右突出部93より下側の部分に接触することで、収容凹部122(図8(e)参照)に完全に収まっており、湾曲壁103に引っ掛かっていない(図示せず)。そのため、この状態では、後位置にある操作部118を、右側から見て反時計回りの方向に回動させることができる。
そして、プロセスカートリッジ16にトナーボックス24が装着された状態で、後位置にある操作部118を、右側から見て反時計回りの方向に回動させる。これにより、操作部118に連結されているシャッタユニット87が、操作部118の回動により生じた駆動力をラックギヤ96において受けることによって、下ケース18の支持軸97(換言すれば上述した基準線X)を中心として、右側から見て時計回りの方向に回動する。
シャッタユニット87が右側から見て時計回りの方向に回動するのに伴い、シャッタユニット87のプロセスシャッタ83と、プロセスシャッタ83に連結されているトナーシャッタ112とが、ともに、右側から見て時計回りの方向に回動(スライド)する。
そして、図5(b)に示すように操作部118が前位置まで回動すると、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112は、右側から見て時計回りの方向に限界まで回動し、図5(a)に示すように、それぞれの開位置に至る。プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112がともに開位置にあると、供給口104と連通口77とが連通する。
このように操作部118が前位置にある状態では、図5(b)に示すように、シャッタユニット87の右側の回動板88の設けられた凸部94が、トナーボックス24の右側の側壁102に対して右側から隣接しているので、プロセスカートリッジ16に装着されたトナーボックス24を右側へ引き出すこと(離脱)ができない。これにより、プロセスカートリッジ16にトナーボックス24が装着された状態を維持できる。
逆に、前位置にある操作部118を、右側から見て時計回りの方向に回動させると、シャッタユニット87(プロセスシャッタ83)およびトナーシャッタ112は、右側から見て、下ケース18の支持軸97(つまり基準線X)を中心として、反時計回りの方向に回動(スライド)し、図6(a)に示すように、それぞれの閉位置に戻る。これにより、供給口104と連通口77とが連通しなくなる。
また、図6(b)に示すように、シャッタユニット87の凸部94が、シャッタユニット87の回動とともに回動し、右側から見てトナーボックス24から上側へずれる。これにより、トナーボックス24を右側へ動かしても、トナーボックス24が凸部94に引っ掛からないので、上述したようにプロセスカートリッジ16に対してトナーボックス24を離脱させることができる。
以上のように、トナーシャッタ112による供給口104の開閉動作とプロセスシャッタ83による連通口77の開閉動作とが連動している。
ここで、上述した画像形成は、図5(a)に示すようにプロセスカートリッジ16にトナーボックス24が装着されて、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112がともに開位置にあるときに、実行可能である。
図9は、プロセスシャッタおよびトナーシャッタがともに開位置にある状態におけるプロセスカートリッジの右側断面図であり、(a)から(d)へ向かって時間が経過するに伴ってアジテータが回転する様子を示している。
図9に示すように、画像形成時において、アジテータ111には、入力ギヤ108(図8(a)参照)およびカップリングギヤ85(図5(c)参照)を介して本体ケーシング2側から駆動力が伝達される。これにより、アジテータ111は、上述したように右側から見て反時計回りの方向に回転して、トナー(ドットで塗り潰した部分を参照)を攪拌する(なお、アジテータ111における支持部109の回転軌跡は、図1において点線で示されている。)。
詳しくは、回転するアジテータ111において、攪拌羽根110が、上述したようにボックスケーシング100の周壁101の内周面に接触することである程度しなりながら、ボックスケーシング100の下部に溜まっているトナーを、図9(a)に示すように、回転方向に沿って上側へ掻き上げる。
そして、アジテータ111が引き続き回転するのに伴い、攪拌羽根110によって掻き上げられているトナーは、図9(b)に示すように、アジテータ111の回転方向(右側から見て反時計回りの方向)における上流側(図9(b)における後下側)から、供給口104に対向する。
さらに、アジテータ111が引き続き回転すると、上述したように供給口104に対向したトナーが、図9(c)に示すように、攪拌羽根110によって、アジテータ111の回転方向における上流側から、供給口104に押し込まれる。
そして、供給口104に押し込まれたトナーは、図9(d)に示すように、後続のトナーが攪拌羽根110によって供給口104に押し込まれることで、後続のトナーによってさらに押される。これにより、供給口104に押し込まれたトナーは、供給口104に連通している連通口77を通過して、プロセスカートリッジ16の下ケース18の供給室72に流入し、第1突出壁75の上面における連通口77より下側の部分(貯留部75A)に溜まる。
なお、アジテータ111が回転すると、このように、トナーが供給室72に供給されるのに加えて、ボックスケーシング100の下部に溜まっているトナーが適度に攪拌される。
そして、上述したように供給室72において第1突出壁75の上面に溜まったトナーは、供給室72に配置された供給ローラ23に供給される。その後、トナーは、供給ローラ23の右側から見て反時計回りの方向への回転により、上側へ搬送され、供給ローラ23と現像ローラ22との接触位置において、現像ローラ22に供給される。
現像ローラ22に供給されたトナーは、現像ローラ22の右側から見て反時計回りの方向への回転に伴って、層厚規制ブレード78の圧接ゴム80と現像ローラ22の外周面との間に進入して、それらの間で層厚が規制されながら、上述したように現像ローラ22の外周面に薄層として担持され、その後、感光ドラム19に供給される。
ここで、第1突出壁75の上面(貯留部75A)に必要以上にトナーが溜まった場合には、超過分のトナーは、貯留部75Aから連通口77へずれ、その後、連通口77および供給口104を順に通過して、トナーボックス24に戻る。つまり、トナーは、トナーボックス24内と第1突出壁75の上面(貯留部75A)との間で循環している。
以上のように、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112がともに開位置にあるときには、トナーは、トナーボックス24と対応する感光ドラム19との間で移動できる。しかし、図6(a)に示すようにプロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112がともに閉位置にあるときには、供給口104および連通口77が閉じられるので、トナーは、トナーボックス24と感光ドラム19との間で移動できない。
このように、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112は、トナーボックス24と対応する感光ドラム19との間で開閉することによってトナーの移動を許容または規制している。そして、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112を開閉するために、トナーボックス24の操作部118(図6(b)参照)が操作される。
(3)ドロワフレームに対するプロセスカートリッジ(トナーボックス)の着脱
次に、ドロワユニット14のドロワフレーム15に対するプロセスカートリッジ16の着脱について説明する。ここで、ドロワユニット14は、本体ケーシング2の外にあるものとする。
図4を参照して、プロセスカートリッジ16を、ドロワフレーム15の上方に配置する。ここで、ドロワフレーム15における各プロセスカートリッジ16の前後方向における位置(図1参照)は、各プロセスカートリッジ16のトナーボックス24に収容されるトナーの色に応じて異なるので、プロセスカートリッジ16は、ドロワフレーム15の上方においても、前後方向における所定の位置に配置される。
このとき、ドロワフレーム15においてプロセスカートリッジ16の下方位置には、対応する左右のガイド溝60が位置している。
そして、プロセスカートリッジ16を下降させ、ドロワフレーム15の上面の開放部15Aから、ドロワフレーム15内に挿入する。
ある程度プロセスカートリッジ16が下降すると、プロセスカートリッジ16の感光ドラム19の中心軸19Aの幅方向両端部のそれぞれが、幅方向で同じ側にあるガイド溝60に受け入れられる。これにより、プロセスカートリッジ16は、感光ドラム19の中心軸19Aがガイド溝60にガイドされることで、ガイド溝60の延びる方向に沿って、前下側へ進む。
そして、最も前側のプロセスカートリッジ16のように、感光ドラム19の中心軸19Aがガイド溝60の最深部(下端部)に到達すると、プロセスカートリッジ16の下降が停止し、ドロワフレーム15に対するプロセスカートリッジ16の装着が完了する。同様の手順で全てのプロセスカートリッジ16をドロワフレーム15に装着すると、ドロワユニット14が完成する。この状態で、ドロワフレーム15は、4つのプロセスカートリッジ16(換言すれば4つの感光ドラム19および現像装置37)を支持している。
ドロワフレーム15に対するプロセスカートリッジ16の装着が完了したとき、プロセスカートリッジ16では、トナーボックス24の右側面全体が、ドロワフレーム15の右壁において前後方向で同じ位置にある露出穴15Cから、右側へ露出される。
そのため、ドロワフレーム15にプロセスカートリッジ16が装着された状態において、露出穴15Cから露出されたトナーボックス24の操作部118の把持部119を操作すると、上述したように、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112のそれぞれを開位置と閉位置との間で移動させることができる(図5および図6参照)。
また、露出穴15Cから露出されたトナーボックス24の操作部118の把持部119を掴むことによって、トナーボックス24を、露出穴15Cを介して右側に引き出し、プロセスカートリッジ16(換言すればドロワフレーム15)から離脱することができる。
逆に、トナーボックス24を右側から露出穴15Cに挿入することで、対応するプロセスカートリッジ16のボックス着脱口84(図6(c)参照)を介してボックス収容室73(図6(c)参照)に収容し、トナーボックス24を、プロセスカートリッジ16(換言すればドロワフレーム15)に装着することができる。
このように、ドロワフレーム15にプロセスカートリッジ16が装着された状態で、露出穴15Cを介して、トナーボックス24を、幅方向に移動させ、トナーボックス24だけをドロワユニット14に対して着脱することができる。
また、ドロワフレーム15に装着されたプロセスカートリッジ16を上方ヘ引き上げ、プロセスカートリッジ16全体がドロワフレーム15の上面の開放部15Aよりも上側まで上昇すると、ドロワフレーム15に対するプロセスカートリッジ16の離脱が完了する。
4.本体ケーシングに対するドロワユニットの着脱
次に、本体ケーシング2に対するドロワユニット14の着脱について説明する。
まず、図3に示すように、本体ケーシング2内にドロワユニット14が装着されていない状態において、揺動ユニット52を上方に揺動させた後、第2フロントカバー50を前側に倒すことにより、上述したユニット着脱口49が開放される。
そして、開放されたユニット着脱口49から、ドロワユニット14を、上述した案内部42に沿って後側のユニット収容室40へ略水平に挿入する。
ドロワユニット14をユニット収容室40内に挿入していく際、ドロワユニット14の後端部の車輪64が、対応する(幅方向で同じ側にある)案内部42の第1案内ローラ43(図2参照)、第1傾斜壁44(図2参照)および第1案内レール45上を転動して、後側に進む。
そして、車輪64が第1案内レール45上に到達すると、ドロワユニット14のフランジ62(図4参照)が、対応する第1案内ローラ43(図2参照)上に載置される。
これにより、ドロワユニット14において、車輪64が第1案内レール45上を転動して後側に進むとともに、フランジ62(図4参照)が第1案内ローラ43(図2参照)の転動により後側にスライドすることにより、ドロワユニット14が安定した姿勢で後側に移動する。
その後、ドロワユニット14の車輪64が、第2案内ローラ46、第2傾斜壁47および第2案内レール48上を転動していき、第2案内レール48の湾曲した後端部で止められることで、図2に示すように、前後方向に移動していたドロワユニット14が斜め後側下方へ平行移動して位置決めされる。
これにより、ドロワユニット14が本体ケーシング2に装着される。なお、この状態において、ドロワユニット14では、ドロワフレーム15の位置決め軸61が、本体ケーシング2(詳しくは区画壁41)に引っ掛かり、これによっても、ドロワユニット14が位置決めされる。
その後、図1に示すように、第2フロントカバー50を上方に回動させて閉めるとともに、揺動ユニット52を下方に揺動させて閉める。これにより、転写部12の中間転写ベルト27がドロワユニット14の各感光ドラム19に対して上から接触する。
本体ケーシング2からドロワユニット14を離脱させる場合には、図2に示すように、揺動ユニット52および第2フロントカバー50を順に開けていくことでユニット着脱口49を開放し、このユニット着脱口49からドロワユニット14を前側へ引き出す(図3参照)。
そして、図4に示すようにドロワフレーム15の右側壁の4つの露出穴15Cが右側へ露出されるまでドロワユニット14が前側へ略水平に引き出されると、本体ケーシング2に対するドロワユニット14の離脱が完了する。このように、ドロワユニット14(ドロワフレーム15)は、前後方向(図1ないし図3に示す4つの感光ドラム19の配列方向)に沿って本体ケーシング2から引き出し可能である。
また、このようにドロワユニット14(ドロワフレーム15)が本体ケーシング2から引き出された状態において、上述したように、ドロワフレーム15の対応する露出穴15Cを介して、トナーボックス24を、ドロワユニット14に支持されたプロセスカートリッジ16(詳しくは現像装置37)に対して、幅方向に沿って着脱することができる。
さらに、この状態において、各トナーボックス24の操作部118を操作することで、プロセスシャッタ83およびトナーシャッタ112のそれぞれを開位置と閉位置との間で移動させることができる(図5および図6参照)。
5.作用効果
(1)図9に示すように、トナーボックス24では、トナーを収容するボックスケーシング100内に、アジテータ111が設けられている。アジテータ111は、所定方向(幅方向)に沿って延びるアジテータ軸107を中心として回転することによってボックスケーシング100内のトナーを攪拌する。
ここで、ボックスケーシング100は、湾曲壁103を有している。湾曲壁103は、アジテータ軸107の径方向(以下では、単に「径方向」ということがある。)におけるボックスケーシング100の外側で幅方向に延びる基準線Xを曲率中心として、ボックスケーシング100内へ向けて凹むように、円弧状に湾曲している(図5(c)参照)。そのため、ボックスケーシング100内のアジテータ111は、回転するときに、ボックスケーシング100内へ向けて凹む湾曲壁103に接触する(湾曲壁103を通過する)ことができる。
この湾曲壁103において、回転するアジテータ111の通過方向(右側から見て反時計回りの方向)における上流側には、ボックスケーシング100の内外を連通させる供給口104が形成されている。これにより、ボックスケーシング100に収容されたトナーがトナーボックス24の外部へ向けて送り出される際に通過する供給口104を、アジテータ111の回転軌跡上に配置し、回転するアジテータ111に対して、アジテータ111の回転方向の下流側から対向させることができる。
この結果、回転するアジテータ111によってアジテータ111の回転方向へ送られるトナーは、効率的に供給口104に送られるので、トナーボックス24では、ボックスケーシング100に収容されたトナーを外部へ効率的に送り出すことができる。
(2)トナーシャッタ112が、湾曲壁103の周方向に沿って移動することによって供給口104を開閉するので(図8(a)ないし図8(d)参照)、供給口104におけるトナーの通過を、適宜、許容または規制することができる。
(3)アジテータ111は、アジテータ軸107から径方向外側へ延びる硬質の支持部109と、支持部109に支持され、支持部109から径方向外側へ延び、可撓性を有する攪拌羽根110とを含んでいる。
この場合、アジテータ111が回転するときに、支持部109に支持された攪拌羽根110が、適度にしなることで、多量のトナーを、アジテータ111の回転方向へ送ることができる。また、攪拌羽根110が湾曲壁103を通過する際に適度に撓むので(図9(d)参照)、攪拌羽根110が湾曲壁103に引っ掛かることを防止でき、アジテータ111の円滑な回転を実現することができる。
(4)幅方向から見たときのボックスケーシング100の断面が、略円形状であるので、アジテータ111の回転軌跡とほぼ一致し、アジテータ111は、ボックスケーシング100内のトナーを、アジテータ111の回転方向へ漏れなく送ることができる。これにより、トナーを、一層効率的に供給口104に送ることができる。そして、アジテータ111は、ボックスケーシング100内のトナー全体を、満遍なく攪拌することができる。
(5)図8に示すように、トナーシャッタ112は、幅方向における複数箇所において、ボックスケーシング100によって支持されているので、1箇所で支持される場合に比べて、安定した姿勢で供給口104を開閉することができる。
(6)図9に示すように、現像装置37は、上述したトナーボックス24と、トナーボックス24が着脱自在に装着される下ケース18とを備えている。
下ケース18には、トナーボックス24の湾曲壁103に沿うように円弧状に湾曲して湾曲壁103に対向配置される第1突出壁75が設けられている。つまり、第1突出壁75は、トナーボックス24の湾曲壁103へ向けて円弧状に膨出している。
そして、現像装置37では、下ケース18によって、静電潜像に供給されるトナーを担持する現像ローラ22と、トナーボックス24のトナーを現像ローラ22に供給する供給ローラ23とが支持されている。
ここで、供給ローラ23は、外周面が第1突出壁75に沿うように、下ケース18に支持されているので、現像装置37において、供給ローラ23を、第1突出壁75の内側領域に嵌るようにコンパクトに配置できる。これにより、現像装置37全体の小型化(ここでは上下方向における小型化)を図ることができる。
(7)現像装置37では、第1突出壁75に、トナーボックス24の供給口104に対向配置され、供給ローラ23に臨む連通口77が形成されており、プロセスシャッタ83が連通口77を開閉する。そのため、供給口104が開かれた状態において、プロセスシャッタ83が連通口77を開くと、トナーボックス24と供給ローラ23との間でトナーを移動させることができる(図5(a)も参照)。そして、プロセスシャッタ83が連通口77を閉じると、トナーボックス24と供給ローラ23との間でのトナーの移動を規制することができる(図6(a)参照)。
(8)現像装置37の下ケース18には、支持部材86が設けられている(図7も参照)。支持部材86は、トナーボックス24の湾曲壁103の曲率中心を通って幅方向に延びる基準線Xを中心として回動自在である(図5(b)および図6(b)参照)。
回動軸方向(幅方向)の一端側のみを操作することで支持部材86を動かす場合には、支持部材86が基準線Xを中心として回動自在に設けられていることで支持部材86全体の剛性を高めることができるため、たとえば平板を一端側のみで直線的にスライドさせる場合に生じるこじれを防止することができる。
ここで、プロセスシャッタ83は、支持部材86に支持されているので(図7参照)、支持部材86を回動させるといった簡単な動作で、プロセスシャッタ83が回動し、その際、連通口77を開閉することができる(図5(a)および図6(a)参照)。
(9)図8に示すように、トナーボックス24には、支持部材86に係合する操作部118が設けられている(図5(b)および図6(b)も参照)。そのため、操作部118を操作することで、支持部材86およびプロセスシャッタ83を容易に回動させ、連通口77を開閉することができる(図5(a)および図6(a)参照)。
(10)図6に示すように下ケース18にトナーボックス24が装着された状態において、トナーシャッタ112の左凸部114とプロセスシャッタ83の左凹部92とが係合しており、トナーシャッタ112の右凸部116とプロセスシャッタ83の右凹部95とが係合している(図6(c)、図8(a)および図8(b)も参照)。これにより、トナーシャッタ112による供給口104の開閉動作とプロセスシャッタ83による連通口77の開閉動作とが連動するので、供給口104および連通口77を一度に開閉することができ、使い勝手が良い。
(11)図9に示すように、トナーボックス24より高い位置に供給ローラ23が配置されているので、トナーボックス24のトナーを上向きに搬送して供給ローラ23に供給しなければならない。
しかし、ボックスケーシング100内へ向けて凹むように円弧状に湾曲した湾曲壁103において、上述したように回転するアジテータ111の通過方向における上流側に供給口104が形成されたトナーボックス24では、ボックスケーシング100に収容されたトナーを、上向きであっても、供給口104を介して、供給ローラ23へ効率的に送り出すことができる。
6.変形例
図10は、図8(d)に変形例を適用した図である。
上述した実施例では、トナーボックス24の湾曲壁103において、供給口104は、1つだけ形成されていたが(図8(d)参照)、図10に示すように、複数形成されていてもよい。これに応じて、プロセスカートリッジ16の上述した連通口77(図9参照)も、供給口104と同じ数だけ形成されている。
図10では、3つの供給口104が、幅方向に並ぶように形成されており、それぞれの供給口104の幅方向寸法は、上述した1つだけ設けられる場合の供給口104(図8(d)参照)の幅方向寸法の約3分の1程度である。
この場合、トナーボックス24(ボックスケーシング100)内のトナーは、3つの供給口104のうちの真ん中の供給口104から、3つの連通口77のうちの真ん中の連通口77を介して、プロセスカートリッジ16の上述した供給室72(図9参照)に供給される。
そして、供給室72に供給されたトナーのうち、供給ローラ23に供給されなかったトナーは、3つの連通口77のうちの幅方向両端の2つの連通口77と、3つの供給口104のうちの幅方向両端の2つの供給口104とを、自重によって、この順で落下し、トナーボックス24に戻る。
このように、トナーが、トナーボックス24と供給室72との間で循環する。
ここで、トナーボックス24において、供給口104が形成された湾曲壁103とトナーシャッタ112との間に供給口104からトナーが漏れることを防止するためのシール(図示せず)が設けられることがある。シールは、一般的に、供給口104を縁取るように設けられる(図示せず)。
変形例のように供給口104を複数設けることで各供給口104を小さくしておけば、供給口104を縁取るために必要なシール(図示せず)の量を少なくすることができる。これにより、トナーシャッタ112をスライドさせるときに、シール(図示せずに)に摺擦することでトナーシャッタ112に生じる抵抗を小さくして、トナーシャッタ112を円滑にスライドさせることができる。
また、上記実施形態では、図1に示すように、各色のトナー像を、各感光ドラム19から一旦中間転写ベルト27に転写し、その後、用紙Pに一括転写する中間転写タイプのカラープリンタ1を例示している。しかし、本発明は、中間転写タイプのカラープリンタに限定されるものではなく、たとえば、各感光ドラム19から、直接、用紙Pにトナー像を転写するダイレクト転写タイプのカラープリンタにも適用可能である。
さらに、このカラープリンタ1では、スキャナ部10が発生させるレーザによって感光ドラム19を露光させたが、スキャナ部10の代わりに、LEDを用いて感光ドラム19を露光させてもよい。