JP4887863B2 - 光固定化方法及び構造体 - Google Patents
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物を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、所定の配向性で固定化された微小物体を備える構造体及びその製造方法を提供することを他の一つの目的とする。
であって、上記いずれかに記載の光固定化工程を備える、製造方法が提供される。前記光固定化工程は、前記固相に1種又は2種以上の前記微小物体のスポットをアレイ状に光固定化する工程とすることができる。
光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有する1又は2以上のユニットを有する重合性体と、酸性基を含有する1又は2以上のユニットを有する重合性体、塩基性基を含有する1又は2以上のユニットを有する重合性体並びに酸性基及び塩基性基を有する1又は2以上のユニットを有する重合性体から選択される1種又は2種以上の重合性体と、を含有する、組成物が提供される。この態様においては、前記微小物体は、タンパク質を含むことができる。
以下、本発明の構造体2について説明するが、まず、微小物体10と固相4とについて説明する。
本発明の構造体2は、固相4の表面に微小物体10を備えている。微小物体10は、1個あるいは複数個備えることができる。また、1種類の微小物体10を備えることもできるし、2種類以上の微小物体10を同じ固相4の表面上に備えることもできる。
無機材料としては、少なくとも金属、金属酸化物、半導体、セラミックス、ガラスを含んでいる。また、金属酸化物は、例えば、メタロロキサン骨格を有するなど無機高分子の形態であってもよい。
有機材料としては、いわゆるプラスチックを含んでいる。プラスチックは、各種形態を採ることができる。プラスチックは、固相の粒子であるほか、溶液又は懸濁液中の粒子の形態であってもよい。さらに、プラスチック粒子は、単相の粒子であってもよいし、マトリックス状であっても、カプセル状であってもよい。また、有機材料には、抗菌性、抗炎症性、各種の生体プロセスのブロック作用、ある種のアゴニスト又はアンタゴニストであるなど生理活性を有する有機化合物を包含してもよい。これらは低分子化合物であっても1種あるいは2種以上の単量体ユニットを有する高分子化合物であってもよい。
生体材料としては、タンパク質、核酸、糖類、脂質及び骨形成材料並びにこれらから選択される2種以上の集合体が挙げられる。これらの生体材料は、生体を構成する分子及びその改変体並びにこれらの多量体を含んでいる。また、生体材料は、生体から採取されたものに限定されず、生体から採取され人工的な改変が施されたものであっても、人工的に合成されたものであってもよい。これらの生体材料は、蛍光色素などの色素を含む標識が結合されたものであってもよい。
片、mRNA及びその断片のほか、一塩基多型部位など変異部位を含むDNA(cDNA含む)断片、制限酵素部位を含むDNA断片が挙げられる。また、核酸は、オリゴヌクレオチドであってもよいしポリヌクレオチドであってもよい。
生物材料は、少なくとも各種の生物細胞及びその一部、組織及び生物体を含んでいる。これらはいずれも、生活状態にあってもよいし、生活状態になくてもよい。生物細胞としては、哺乳動物及び非哺乳動物の任意の動物細胞、植物体の任意の細胞、真菌、酵母、細菌、ウイルスなどの各種の生物の細胞を含んでいる。さらに、生物細胞の一部とは、これらの生物細胞内に存在する各種オルガネラのほか、生物細胞の膜、オルガネラの一部を含んでいる。また、組織とは、生物細胞の集合体であり、動物の一部及び動物の各種臓器(皮膚を含む)を構成する組織並びに植物体の一部及び器官を含んでいる。さらに、生物体とは、生物として繁殖あるいは増殖可能な一つの単位体を意味している。生物体としては、例えば、受精卵、微生物細胞やウイルスが挙げられる。これらの生物材料は、遺伝子工学又は化学的など人工的に修飾されたものであってもよい。
複合材料とは、上記した無機材料、有機材料、生体材料及び生物材料から選択される2種類以上を複合化した材料である。複合化は、どのような形態であってもよく、共有結合、疎水結合、水素結合等の各種結合様式によるものであってもよいし、物理的な圧密等によるものであってもよい。このような複合材料によれば、固相4の表面に光固定化しにくい材料であっても、光固定化が相対的に容易な材料と複合化することにより、容易に光固定化することができる。こうした複合材料としては、例えば、タンパク質と糖鎖などの生体材料同士や、タンパク質や核酸などの生体材料と無機材料又は有機材料とを、共有結合他各種の結合様式にて複合化した複合材料が挙げられる。さらに、近接場光源として有効な無機材料や有機材料の粒子をタンパク質、核酸などの生体材料あるいは生物材料と複合化した微小物体10が挙げられる。
光固定化工程において用いられる固相4は、そのマトリックスに光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を有しており、さらに、微小物体を所定の配向性で固定可能な相互作用成分を保持することができる。
固相4のマトリックス6は、光固定化可能に光応答性成分を保持できるものであればよい。したがって、その限りにおいてマトリックス6を構成するマトリックス材料は特に限定しないで高分子材料を含む有機材料、無機材料、有機−無機複合材料等を用いることができる。マトリックス6への光応答性成分や相互作用成分の分散性や結合性等を考慮すると、高分子材料又は高分子材料を含む複合材料であることが好ましい。また、後述するように、固相4において光変形を生じさせる観点又は加工性等の観点からは、光変形を許容し得る可塑性や熱可塑性を有する材料、典型的には高分子材料であることが好ましい。
光応答性成分は、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる成分である。光により分子構造の変化が生じる現象は、フォトクロミズムと一般にいわれている。本発明で用いる光応答性成分としては、一般にフォトクロミック化合物といわれる化合物を用いることができるが、なかでも、光異性化を生じる化合物を用いることが好ましい。なお、光異性化等の分子構造変化を伴って又は光異性化等の分子構造変化を伴わないで光誘起配向、光会合等の分子配列の変化(特に異方的な変化)を生じる化合物も、本発明における固相を構築できるものである限り本発明の光応答性成分として用いることができる。
マトリックス6中には、1種又は2種以上の相互作用成分を有している。相互作用成分は、微小物体10を所定の配向性で固相4に固定可能な相互作用を奏する成分である。ここで、所定の配向性で固相4に微少物体10を固定するとは、少なくとも微小物体10と固相4とに意図した相互作用が存在しない場合よりも高い割合で予め決定された配向性で微小物体10を固相4に固定することを意味している。より好ましくは、予め決定された配向性の微小物体10が優勢的となるように固相4に固定することを意味している。
相互作用としては、静電的相互作用及び水素結合のいずれかあるいは双方を用いることも好ましい。少なくとも静電的相互作用を用いることも好ましい。また、少なくとも水素結合を用いることも好ましい。
タクリル酸、アクリル酸などを用いることができ、塩基性基を有する相互作用成分としてメタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチルなどを用いることができる。また、アクリル系又はメタクリル系のマトリックス6にアミド基を備える場合には、アミド基と二重結合性基を備えるモノマー等の重合性体を用いることができる。アミド基を有する相互作用成分としては、例えば、メタクリルアミドやアクリルアミドを用いることができる。共重合は、ランダムでもブロックでもよい。固相4の表面特性の均質性を考慮すると、ランダム共重合が好ましい。また、他の種類のポリマーの場合にはそれぞれ種類に応じた重合性体を準備すればよい。
(2)酸性基含有ユニット及び塩基性基含有ユニットのいずれか(好ましくは酸性基含有ユニット)を含む場合には、そのユニットのユニット比率が15mol%以下(好ましくは5mol%以下)であり、酸性基含有ユニット及び塩基性基含有ユニットを含む場合には、いずれか一方が優勢的であり、好ましくは、多い方のユニット比率(mol%)から少ない方のユニット比率を引いた差(多い方のユニット比率(mol%)−他方のユニット比率(mol%))が15mol%以下(より好ましくは5mol%以下、さらに好ましくは2mol%以下、一層好ましくは1mol%以下)である。
(3)光変形成分に酸性基あるいは塩基性基が含まれていても、それらは相互作用成分には含めない。すなわち、なお、このようなユニット比率の算出にあたっては、光応答性成分含有ユニットが正−負荷電間静電的相互作用を発揮する酸性基や塩基性基を含有していても、酸性基含有ユニットや塩基性基含有ユニットに含めないものとする。
状体、板状体の他、球状、不定形状、針状、棒状、薄片状等の各種の粒子形態を取ることもできる。さらに、固相4は、基板や粒子などの適当な支持体の一部又はその表面に対して固定されていてもよい。支持体としては、ガラス、シリコン、金などの無機材料、高分子材料などの有機材料であってもよい。なお、支持体上の固相の厚みは、少なくとも10nm以上であることが好ましい。10nm以上であれば、所望の部分に欠陥なく光固定化材料薄膜を作製することが容易になる。支持体上への薄膜状の固相の作製は、スピンコート、ディップコート、インクジェット、ロールを用いた方法など既存の方法を使用することができる。
構造体2は、こうした微小物体10が固相4に含まれる相互作用成分により所定の配向性で固相4に固定されて構成されている。微小物体10が固相4に固定化された状態とは、固相4に微小物体10が直接固定化されている場合だけでなく、微小物体10の固定化を妨げない限り、微小物体10と固相4との間に化合物が介在されて固定化された場合も包含している。例えば、こうした化合物としては界面活性剤などが挙げられる。微小物体10に対してこれらの介在性化合物が十分に小さければ(薄ければ)、固相4の相互作用成分が微小物体10に対して相互作用可能に近接される、微小物体10と固相4との相互作用は発揮される。
体10について所定の配向性での固定化が可能となる。
本発明の固相材料組成物は、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有する1種又は2種以上のユニットを有する重合性体と、酸性基及び塩基性基を含有する1種又は2種以上のユニットを有する重合性体、酸性基を含有する1種又は2種以上のユニットを有する重合性体及び塩基性基を含有する1種又は2種以上のユニットを有する重合性体から選択される1種又は2種以上の重合性体とを含有することができる。この組成物をこれらの重合性体に必要な重合条件を付与することにより、光応答性成分と、酸性基及び/又は塩基性基と、を有する高分子材料を得ることができる。こうした高分子材料は、本発明の構造体や光固定化方法に用いるのに好ましい固相を提供することができる。
本発明の高分子固相材料は、少なくとも、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有するユニットを有する高分子材料を含むマトリックス6を有し、このマトリックス6には、酸性基含有成分及び/又は塩基性基含有成分を有することができる。こうした固相材料を用いた固相4によれば、微小物体10を所定の配向性で固相4に光固定化することができる。この固相材料における固相4、マトリックス6、高分子材料、光応答性成分、酸性基、塩基性基については、本発明の構造体2について説明したのと同様の内容を適用することができる。また、この固相材料における酸性基含有成分は、本発明の構造体2について説明した酸性基含有相互作用成分の内容を適用でき、同様に、塩基性基含有成分については、塩基性基含有相互作用成分の内容を適用できる。この高分子固相材料は、上記した本発明の固相材料組成物を重合することによって得ることができる。
次に、本発明の光固定化方法及び当該光固定化方法を用いた本発明の構造体の作製方法について説明する。本光固定化方法及び作製方法では、まず、固相4と微小物体10とを準備する。これらについては既に説明したとおりである。
まず、準備された固相4に対して微小物体10を供給する。微小物体10を固相4の表面に供給する方法は特に限定しないが、液状媒体を介して液状媒体に溶解又は懸濁させた状態で適用することが好ましい。液状媒体中に浸漬した固相4の表面に対して微小物体10を容易に展開させることができ、微小物体10たるタンパク質、細胞、微生物の機能維持や生存に最適の液状媒体中で固定化を行うことができるからである。
微小物体10に固相4に対する所定の配向性を付与するには、微小物体10と固相4の相互作用成分とが相互作用する必要があるが、微小物体10を固相4に供給することで両者の相互作用は可能となっていると推測される。微小物体10と固相4との相互作用は、既に説明したように、静電的相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用、水素結合等であるが、こうした相互作用を効果的に発現させるために、適宜熱などの熱力学的パラメーターを付与したり変化させたりすることもできる。また、液状媒体を乾燥により除去してもよい。微小物体10と固相4との相互作用は、必要に応じて時間をかけて行う。特に限定しないが、例えば、数秒から数十分以上とすることができる。
固相4に対して固定化しようとする微小物体10が供給されることで、微小物体10は相互作用に基づいて固相4に配置されていると考えられる。こうした状態で固相4上の微小物体10に光照射することにより、微小物体10を所定の配向性で固相に強固に固定(光固定)することができる。ここに、光固定とは、光応答性成分を含有する固相4の表面に配した微小な物体10に光照射して固相4の表面において光異性化ないしは光変形を生じさせて固定することをいう。
れる。この方法により、微小物体10の固定化領域が回路等を形成するように固定化を行うことができる。
微小物体10を固相4に光固定した後は、固相4の洗浄工程を実施することができる。洗浄工程を実施した配向構造体2は、そのままあるいはさらなる加工や修飾を施すことにより各種用途のデバイスとして用いることができるようになる。
常法に従い固相の合成を行った。即ち、まず、公知のジアゾカップリング法を用いて「化10」に示す化合物を合成した。次に、公知の酸クロリドとの反応により、「化11」に示す化合物を合成した。これらの「化10」及び「化11」に示す化合物において、アゾベンゼン構造部分が光応答性成分を構成している。
本実施例では、以下のようにして抗体の配向性を評価した。すなわち、Cy5標識抗体(Cy5−IgG:Anti−IgG(Fc),Mouse,Goat−Poly,Cy5[CHEMICON:AP127S])及び抗ヤギ−ウサギ抗体(anti−goat−IgG:Anti−IgG(H+L),Goat,Rabbit−Poly[Bethyl:A50−100A])の2種類の抗体を固定化し、その後、anti−goat−IgGに対しCy5−IgGを用いて抗原−抗体反応を行った。Cy5−IgGを固定した部分の蛍光強度とanti−goat−IgGに対しCy5−IgGを用いて抗原−抗体反応を行った部分の蛍光強度の比から、anti−goat−IgGのFab部位がどれだけ表面に露出しているかを見積もった。なお、Cy5−IgGを固定した部分の蛍光強度の値を、すべてのanti−goat−IgGのFab部位が表面に露出している場合の蛍光強度とした。
00、300、400及び500ng/ml)のCy5−IgGおよびanti−goat−IgGのTPBS(0.01%Tween20PBS,pH=7.4)溶液を、スライドガラス基板上に作製した高分子フィルム上に1μlずつスポットした。真空中でスポットを乾燥させた後、青色LED(20mW/cm2)を用いて30分間光照射した。スライドガラスをTPBSを用いて5分間×3回洗浄した。
さらに、比較例2及び3として、親水性基(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)および疎水性基(メタクリル酸ステアリル)を導入した固相材料を合成した。親水性基の導入は「化5」に示す化合物とメタクリル酸メチルにメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを共重合することにより行った。疎水性基の導入は「化11」に示す化合物とメタクリル酸メチルにメタクリル酸ステアリルを共重合することにより行った。得られた光固定化材料の共重合比と平均分子量は表2に示すとおりであった。
常法に従い固相の合成を行った。まず、実施例1と同様にして、「化10」及び「化11」に示す化合物を合成した。
本実施例では、以下のようにして抗体の配向性を評価した。すなわち、Cy5標識抗体(Cy5−IgG:Anti−IgG(Fc),Mouse,Goat−Poly,Cy5[CHEMICON:AP127S])及び抗ヤギ−ウサギ抗体(anti−goat−IgG:Anti−IgG(H+L),Goat,Rabbit−Poly[Bethyl:A50−100A])の2種類の抗体を固定化し、その後、anti−goat−IgGに対しCy5−IgGを用いて抗原−抗体反応を行った。Cy5−IgGを固定した部分の蛍光強度とanti−goat−IgGに対しCy5−IgGを用いて抗原−抗体反応を行った部分の蛍光強度の比から、anti−goat−IgGのFab部位がどれだけ表面に露出しているか(以下、固定化抗体活性ともいう。)を見積もった。なお、Cy5−IgGを固定した部分の蛍光強度の値を、すべてのanti−goat−IgGのFab部位が表面に露出している場合の蛍光強度とした。また、Cy5−IgGを固定化した部分の蛍光強度を抗体固定量とした。
Claims (42)
- 固相に微小物体を固定化する方法であって、
以下の(a)及び(b):
(a)光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分、
(b)静電的相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用及び水素結合から選択される1種又は2種以上の相互作用を発現する官能基を有する1種又は2種以上の相互作用成分であって、前記微小物体を所定の配向性で前記固相に固定化可能に配合された前記相互作用成分、
を有する前記固相の表面又はその近傍に存在する前記微小物体に対して光照射して、前記微小物体を前記固相の表面に所定の配向性で固定化する光固定化工程、
を備える、方法。 - 前記相互作用は静電的相互作用を含み、前記1種又は2種以上の相互作用成分は酸性基及び/又は塩基性基を有している、請求項1に記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は酸性基及び塩基性基を有している、請求項2に記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分が有する前記酸性基及び前記塩基性基はいずれか一方が優勢的である、請求項3に記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、前記固相のマトリックスに保持されている、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、前記固相のマトリックスに含まれる高分子材料の一部である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記微小物体は、その表面又はその近傍における電荷の分布の不均一性を有する微小物体である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 前記微小物体の有する1又は2以上の官能基の分布の不均一性が前記電荷の不均一性に関連している、請求項7に記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の官能基は、酸性基及び塩基性基から選択される、請求項8に記載の方法。
- 前記酸性基がカルボキシル基であり、前記塩基性基がアミノ基である、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分はアミド基を有している、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、アミド基と静電的相互作用を発現する官能基とを有している、請求項11に記載の方法。
- 前記静電的相互作用を発現する官能基は、酸性基及び塩基性基から選択される1種又は2種以上である、請求項12に記載の方法。
- 前記静電的相互作用を発現する官能基は、酸性基及び塩基性基を含む、請求項12に記載の方法。
- 固相に微小物体を固定化する方法であって、
以下の(a)及び(b):
(a)光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分、
(b)酸性基及び/又は塩基性基を有する1種又は2種以上の相互作用成分であって、前記微小物体を所定の配向性で前記固相に固定化可能に配合された前記相互作用成分と、
をそのマトリックスに保持している前記固相の表面又はその近傍に存在する前記微小物体であってその表面又はその近傍において電荷の分布の不均一性を有している微小物体に対して光照射して前記微小物体を前記固相の表面に前記所定の配向性で固定化する光固定化工程を備える、方法。 - 前記微小物体はタンパク質である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
- 前記微小物体は抗体である、請求項16に記載の方法。
- 前記抗体は、そのFab部位が露出されるような配向性で固定化されている、請求項17に記載の方法。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、前記固相のマトリックスに保持されており、酸性基及び塩基性基を有するが酸性基が優勢的である、請求項18に記載の方法。
- 前記マトリックスは、アミド基を有する1種又は2種以上の相互作用成分を保持している、請求項15〜19のいずれかに記載の方法。
- 固相に微小物体を固定化する方法であって、
以下の(a)及び(b):
(a)光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分、
(b)アミド基を有する1種又は2種以上の相互作用成分であって、前記微小物体を所定の配向性で前記固相に固定化可能に配合された前記相互作用成分、
をそのマトリックスに保持している前記固相の表面又はその近傍に存在する前記微小物体に対して光照射して前記微小物体を前記固相表面に前記所定の配向性で固定化する光固定化工程を備える、方法。 - 微小物体を保持する固相を備える構造体の製造方法であって、
請求項1〜21のいずれかに記載の前記光固定化工程を備える、製造方法。 - 前記光固定化工程は、前記固相に1種又は2種以上の前記微小物体のスポットをアレイ状に光固定化する工程である、請求項22に記載の製造方法。
- 微小物体を保持する固相を備える構造体であって、
前記固相は、以下の(a)及び(b):
(a)光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分、
(b)静電的相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用及び水素結合から選択される1種又は2種以上の相互作用を発現する官能基を有する1種又は2種以上の相互作用成分であって、前記微小物体を所定の配向性で前記固相に固定化可能に配合された前記相互作用成分、
を有し、
前記微小物体は前記固相の表面に光照射により前記所定の配向性で固定化されている、構造体。 - 前記微小物体は、その表面又はその近傍に電荷の分布の不均一性を有しており、
前記固相において前記1種又は2種以上の相互作用成分は、酸性基及び/又は塩基性基を有している、請求項24に記載の構造体。 - 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、酸性基及び塩基性基を有している、請求項25に記載の構造体。
- 前記酸性基及び前記塩基性基のいずれか一方を優勢的に有している、請求項26に記載の構造体。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、アミド基を有している、請求項24〜27のいずれかに記載の構造体。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は前記固相のマトリックスに保持されている、請求項24〜28のいずれかに記載の構造体。
- 前記1種又は2種以上の相互作用成分は、前記固相のマトリックスに含まれる高分子材料の一部である、請求項24〜29のいずれかに記載の構造体。
- 前記微小物体はタンパク質である、請求項24〜30のいずれかに記載の構造体。
- 前記タンパク質は抗体である、請求項31に記載の構造体。
- 前記抗体は、そのFab部位が露出されるような配向性で固定化されている、請求項32に記載の構造体。
- 前記構造体は、抗体、糖鎖、酵素及び細胞から選択されるいずれかを固定したチップである、請求項24〜33のいずれかに記載の構造体。
- 微小物体の光固定化に用いる固相用の材料組成物であって、
光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有する1又は2以上のユニットを有する重合性体と、
静電的相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用及び水素結合から選択される1種又は2種以上の相互作用を発現する官能基を有する1又は2以上のユニットを有する重合性体から選択され、前記微小物体を所定の配向性で前記固相に固定化可能に配合された1種又は2種以上の重合性体と、
を含有する、組成物。 - 微小物体の光固定化に用いる固相用の材料組成物であって、
光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有する1又は2以上のユニットを有する重合性体と、
アミド基を含有する1又は2以上のユニットを有する1種又は2種以上の重合性体であって、前記微小物体を所定の配向性で前記固相に固定化可能に配合された前記重合性体と、
を含有する、組成物。 - 前記微小物体は、タンパク質である、請求項35又は36に記載の組成物。
- 微小物体の光固定化に用いる高分子固相材料であって、
少なくとも、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有するユニットを有する高分子材料を含むマトリックスを有し、
前記マトリックスには、静電的相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用及び水素結合から選択される1種又は2種以上の相互作用を発現する官能基を有する1種又は2種以上の相互作用成分であって、前記微小物体を所定の配向性で前記高分子固相材料に固定化可能に配合された前記相互作用成分を有している、材料。 - 前記相互作用成分は、酸性基含有成分及び塩基性基含有成分から選択される1種又は2種以上であり、これらの基を含有するユニットとして前記高分子固相材料に含まれる、請求項38に記載の材料。
- 微小物体の光固定化に用いる高分子固相材料であって、
少なくとも、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分を含有するユニットを有する高分子材料を含むマトリックスを有し、
前記マトリックスには、前記微小物体を所定の配向性で前記高分子固相材料に固定化可能に配合されたアミド基含有成分を有している、材料。 - 前記アミド基含有成分は、アミド基含有ユニットとして前記高分子固相材料に含まれる、請求項40に記載の材料。
- 前記材料は、フィルム状である、請求項38〜41のいずれかに記載の材料。
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