JP4885199B2 - ガスタービン運転制御装置及び方法 - Google Patents
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Description
一般的に、ガスタービンと蒸気タービンとを同軸上に配置した一軸式コンバインドサイクル発電システムは、軸出力の上昇率を一定に制御することが知られている。また、ガスタービンと蒸気タービンとが別軸に設けられている多軸式コンバインドサイクル発電システムの場合には、ガスタービン出力の上昇率を、全負荷帯で一律一定値に制御することが知られている。
本発明は、ガスタービン、蒸気タービン、及び発電機を一軸に配置し、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁と、該流量調整弁を制御する流量制御手段とを備える一軸型コンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御装置であって、該流量制御手段は、前記一軸型コンバインドサイクル発電システムの起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、いずれか一方が選択可能とされていることを特徴とするガスタービン運転制御装置を提供する。
ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けら
れた流量調整弁と、流量調整弁を制御する流量制御手段とを備える一軸型コンバインドサ
イクル発電システムのガスタービン運転制御装置において、流量制御手段は、コンバイン
ドサイクル発電システムの起動時に、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガス
タービン出力を一定の変化率で増加させる。このように、起動時に、最大軸出力を超えな
い範囲でガスタービン出力を一定の変化率で増加させるので、軸出力を一定の割合で増加
させる従来の方法に比べて、ガスタービンの出力を速やかに上昇させることが可能となる
。これにより、軸出力を早急に上昇させることができ、コンバインドサイクル発電システ
ムの起動時間を短縮することが可能となる。
また、このように、流量制御手段は、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、いずれか一方が選択可能とされるので、状況に応じて適切なモードを選択し、用いることができる。
スタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられ
た流量調整弁と、流量調整弁を制御する流量制御手段とを備えるコンバインドサイクル発
電システムのガスタービン運転制御装置において、流量制御手段は、前記コンバインドサ
イクル発電システムの起動時に、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスター
ビン出力を負荷帯に応じて決定される変化率で増加させる。このように、起動時において
、ガスタービン出力を負荷帯に応じた変化率で増加させるので、軸出力を一定の割合で増
加させる従来の方法に比べて、ガスタービンの出力を速やかに上昇させることが可能とな
る。これにより、軸出力を早急に上昇させることができ、コンバインドサイクル発電シス
テムの起動時間を短縮することが可能となる。
また、負荷帯に応じて決定される各変化率は、例えば、コンバインドサイクル発電シス
テムを構成する各機器の制約によって決定される。これにより、負荷帯に応じて適切な変
化率を選定することができるので、機器を保護しながら、コンバインドサイクル発電シス
テムの起動時間を短縮することができる。
また、このように、流量制御手段は、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、いずれか一方が選択可能とされるので、状況に応じて適切なモードを選択し、用いることができる。
図1は、本実施形態に係る一軸型コンバインドサイクル発電システム100の概略構成を示したブロック図である。
一軸型コンバインドサイクル発電システムは、ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器11、燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁10、ガスタービンの運転を制御するガスタービン運転制御装置50、圧縮機1、復水器7、復水ポンプ8、排熱回収ボイラ9、及び蒸気加減弁12を備えている。なお、圧縮機1へ空気等を供給する配管には、空気等の作動流体の流量を調整するための圧縮機入口案内翼の角度を制御する圧縮機入口案内翼調整弁(IGV調整弁)2が備えられている。また、ガスタービン3、蒸気タービン6、及び発電機5は一軸に配置されている。
復水器7は、蒸気タービン6から供給された蒸気を凝縮し復水にさせる。この復水は、復水ポンプにより流路を流れ、排熱回収ボイラ9に供給される。この復水は、排熱回収ボイラ9内にて蒸気を発生させる際に必要とされる。
流量制御部20は、ガスタービンの運転状態並びに温度状態に関する状態量を入力信号として取得し、これらの入力信号に基づいて燃焼器11に供給する燃料流量を制御するための燃料流量指令(CSO)を演算する。上記運転状態に関する状態量としては、例えば、ガスタービン3の出力、回転数等が一例として挙げられる。また、温度状態に関する状態量としては、例えば、排ガス温度が一例として挙げられる。
図2に示されるように、第1制御器21は、急速起動モードの場合には、軸出力を逐次制限せずに、ガスタービン出力の上昇率を制御して起動するため、図5に示されるような軸出力を一定制御して起動する場合と比較して、起動時間を短縮することができる。
低値選択部24は、各制御信号のうち、最も低値の制御信号を選択し、この選択された値を燃料流量指令CSOとして、流量調節弁10に出力する。
なお、本実施形態にかかるコンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御装置において、第1制御器は、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲でガスタービン出力を一定の変化率に基づいて増加させることとしていたが、これに限られない。
例えば、第1制御器は、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で負荷帯に応じて決定される変化率でガスタービン出力を増加させることとしてもよい。また、負荷帯に応じた各変化率は、コンバインドサイクル発電システムを構成する各機器の制約から決定される。また、各機器の制約とは、例えば、ガスタービン出力のクリアランス、蒸気タービン出力の熱応力である。
次に、本発明の第2の実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態のコンバインドサイクル発電システムが、第1の実施形態を異なる点は、急速起動モードである場合に、第2制御器のガスタービンの回転数の変化率が通常運転モードにおいて用いる変化率よりも大きな値に設定される。また、第3制御器は切替部233を備えており、急速起動モードである場合には、この切替手段によって選択された値が低値選択部24に入力される。以下、本実施形態のコンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御装置について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
3 ガスタービン
6 蒸気タービン
10 流量調節弁
11 燃焼器
14 圧力調整弁
15 圧力制御部
20 流量制御部
21 第1制御器
22 第2制御器
23 第3制御器
24 低値選択部
25 第4制御器
50 ガスタービン運転制御部
211 指令値設定部
212、222、231、251 減算器
213 出力制限部
214、232、252 PI制御器
221 昇速率設定部
223 比例器
224 加算器
225 関数発生器
CSO 燃料制御信号
Claims (8)
- ガスタービン、蒸気タービン、及び発電機を一軸に配置し、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁と、該流量調整弁を制御する流量制御手段とを備える一軸型コンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御装置であって、
該流量制御手段は、前記一軸型コンバインドサイクル発電システムの起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、いずれか一方が選択可能とされていることを特徴とするガスタービン運転制御装置。 - ガスタービン、蒸気タービン、及び発電機を組み合わせ、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁と、該流量調整弁を制御する流量制御手段とを備えるコンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御装置であって、
該流量制御手段は、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を負荷帯に応じて決定される所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、いずれか一方が選択可能とされていることを特徴とするガスタービン運転制御装置。 - 前記流量制御手段は、
実ガスタービン出力を前記ガスタービン出力の前記所定の変化率に基づいて設定されるガスタービン出力指令値に一致させるための該流量調節弁の制御量を算出する第1制御器を備え、
該第1制御器が用いるゲインは、前記急速起動モードの場合の方が、前記通常運転モードの場合よりも大きな値に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスタービン運転制御装置。 - 前記流量制御手段は、
前記ガスタービンの回転数を所定の変化率に基づいて設定される回転数指令値に一致させるための該流量調節弁の制御量を算出する第2制御器と、
前記第1制御器からの制御量と該第2制御器からの制御量とが入力され、いずれか小さい制御量を選択する低値選択手段とを備え、
前記第2制御器は、前記急速起動モードにおいて用いる変化率を、前記通常運転モードにおいて用いる変化率よりも大きな値に設定することを特徴とする請求項3に記載のガスタービン運転制御装置。 - 前記流量制御手段は、
排ガス温度を所定の排ガス温度設定値に一致させるための該流量調節弁の制御量を算出し、前記低値選択手段に出力する第3制御器を備え、
前記低値選択手段は、前記急速起動モードにおいて、前記第1制御器または前記第2制御器からの制御量を選択することを特徴とする請求項4に記載のガスタービン運転制御装置。 - 前記燃焼器へ燃料を供給する燃料流路において、該流量調整弁の上流側に設けられた圧力調整弁と、
該圧力調整弁を制御する圧力制御手段とを備え、
該圧力制御手段は、前記燃焼器へ供給される燃料圧力を目標燃料圧力に一致させるための該圧力調節弁の制御量を算出する第4制御器を備え、
該第4制御器が用いるゲインは、前記急速起動モードの場合の方が、前記通常運転モードよりも大きな値に設定されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。 - ガスタービン、蒸気タービン、及び発電機を一軸に配置し、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁とを備える一軸型コンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御方法であって、
起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、いずれか一方が選択可能とされているガスタービン運転制御方法。 - ガスタービン、蒸気タービン、及び発電機を組み合わせ、前記ガスタービンに燃焼ガスを供給する燃焼器と、該燃焼器へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁とを備えるコンバインドサイクル発電システムのガスタービン運転制御方法であって、
起動時において、軸出力を規定の変化率で増加させる通常運転モードと、軸出力が規定の最大軸出力を超えない範囲で、ガスタービン出力を負荷帯に応じて決定される所定の変化率で増加させる急速起動モードとを有し、前記コンバインドサイクル発電システムの起動時において、いずれか一方が選択可能とされているガスタービン運転制御方法。
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