JP4876748B2 - 穴加工工具 - Google Patents
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Description
このリーマ1は、軸線O回りに回転される長尺円柱状の工具本体2を有し、工具本体2の先端側外周に工具本体2先端側及び工具本体2径方向外側に向けて開口した凹部3がひとつ形成され、この凹部3の工具回転方向T後方側に取付座4が形成されている。また、工具本体2の外周には、図5に示すように、周方向に等間隔となるように複数のガイドパッド5が配置されており、このガイドパッド5は、凹部3及び取付座4と干渉する部分では、凹部3の工具本体2後端側まで延びるように、その他の部分では工具本体2の先端まで達するように形成されている。
また、前記取付座4には、切刃6Aを有する平板状のインサート6が、その厚さ方向を工具回転方向Tに向けて着座されてクランプネジ7によって固定されている。
この切削を行う際には、加工穴の内壁面とガイドパッド5とが摺動することにより、リーマ1の軸線Oの振れを防止して寸法精度の向上を図っている。
ここで、例えば鋳鉄等の穴加工を行う場合には、切刃6Aが早期に磨耗して工具本体2径方向内側に後退していまい、ガイドパッド5の径方向位置と同一となってガイドパッド5と加工穴の内周面とが密着した状態で摺動してしまい、大きなバニッシュトルクが作用して工具本体2を回転させることができなくなるおそれがあった。
本実施形態であるリーマ20は、軸線Oを中心とした多段円柱状の工具本体21を有し
ており、工具本体21の先端側(図1において下側)が概略円柱状をなす加工部22とされ、工具本体21の後端側(図1において上側)には、この加工部22よりも大径とされた鍔部23が形成され、この鍔部23のさらに後端側に、このリーマ20を工作機械の主軸端に装着するための工具ホルダ(図示なし)が取り付けられる取付部24が形成されている。
さらに、この工具本体21には、取付部24に開口して軸線Oに沿って延びるクーラント供給孔26が穿設されるとともに、このクーラント供給孔26から工具本体21径方向外側に向けて延びて工具本体21の外周面に開口するクーラント吐出孔27が穿設されている。さらに、クーラント供給孔26には、工具本体21径方向先端側及び工具回転方向T後方側に向けて延びる一対のクーラント排出孔28、28が連通されている。
なお、本実施形態においては、第1凹部30及び第2凹部40は、軸線Oに直交する断面において図3に示すように、工具本体21径方向内側に凹んだ凹曲線状をなして、工具本体21後端側へ向けて軸線Oに平行に延びるように形成されている。
また、軸線Oに直交する断面において図3に示すように、工具回転方向T後方側を向く壁面31Cは工具本体21径方向に沿うように形成されている。
また、軸線Oに直交する断面において図3に示すように、工具回転方向T後方側を向く壁面41Cは工具本体21径方向に沿うように形成されている。
押圧ネジ孔34、44には、概略円柱状をなして外周面に雄ネジが形成された押圧ネジ37、47が螺着されており、押圧ネジ37、47の先端面が押圧ピン36、46の後端面に当接されている。また、押圧ネジ37、47の後端面には、レンチ等の作業用工具が係合される係合孔(図示なし)が形成されており、この係合孔が前記大径孔35、45を介して工具本体21外周面に向けて露呈されている。
このインサート50は、概略四角形平板状をなしており、厚さ方向を向く2つの四角形面と4つの側面とを有している。インサート50の厚さ方向を向く一の四角形面が工具本体21後端側を向いて、第1取付座31の前記工具本体21先端側を向く壁面31D又は第2取付座41の前記工具本体21先端側を向く壁面41Dに着座される着座面51とされ、厚さ方向を向く他の四角形面が工具本体21先端に向けられて正面逃げ面52とされている。
また、正面逃げ面52と外周逃げ面54との交差部分には面取り部58が形成され、この面取り部58と切刃部56との交差稜線部には食い付き刃59が設けられている。
また、外周逃げ面54はすくい面53から離れるにしたがいインサート50の内部に向けて後退するように傾斜させられていて、すくい面53と外周逃げ面54とは鋭角に交差するように配置されている。
また、外周逃げ面54は、すくい面53に対向する側から見て、着座面51側に向かうにしたがい被押圧面55に漸次近づくように傾斜させられている。
さらに、このインサート50には、その厚さ方向に貫通して前記着座面51及び正面逃げ面52に開口する挿通孔(図示なし)が穿設されている。
なお、本実施形態においては、バックテーパ量は、40μm/15mm〜80μm/15mmの範囲内に設定されており、より具体的には、60μm/15mmとされている。
したがって、押圧ネジ37、47によって押圧ピン36、46によるインサート50の押圧力を調整することにより、外周切刃56の工具本体21径方向位置を調整することができる。
したがって、例えば小径のリーマなどであっても、第1、第2取付座31、41を設けることができる。また、工具本体21の動バランス及び剛性を向上させて工具本体21の振動を防止でき、加工穴を寸法精度良く形成することができる。
このように、本実施形態であるリーマ20によれば、押圧ネジ37、47を操作して外周切刃56の径方向位置のみを調整すれば良いので、インサート50の位置調整を簡単にかつ精度良く行うことができる。
例えば、工具本体の後端側に鍔部と取付部とを備えたリーマとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、鍔部がなく全長にわたって略一定の外径とされた工具本体を有し、この工具本体の後端部を切削工具に設けられた装着孔に挿入して使用するリーマであっても良い。
また、押圧部材として、押圧ピンを備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、クサビ材等の他の押圧部材を配置したものであっても良い。
さらに、インサートの形状についても本実施形態に限定されることはなく、任意の形状のものとすることができる。
21 工具本体
31 第1取付座
36、46 押圧ピン(押圧部材)
37、47 押圧ネジ(押圧部材)
41 第2取付座
50 インサート
51 着座面
53 すくい面
57 外周切刃(切刃)
Claims (5)
- 被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、該下穴の内壁面を切削加工する穴加工工具であって、
軸線回りに回転される工具本体の外周部には、前記軸線と平行に延びるようにガイドパッドが配置され、
前記工具本体の先端外周部には、切刃を有するインサートが着脱可能に装着される第1取付座と第2取付座とが設けられており、
これら第1、第2取付座は、工具本体先端側から見て周方向の異なる位置に配置されるとともに、前記第2取付座に装着された前記インサートの前記切刃が、前記第1取付座に装着された前記インサートの前記切刃よりも工具本体後端側に後退するように配置され、
前記第1取付座に装着されたインサートの外周切刃、及び、前記第2取付座に装着されたインサートの外周切刃が、前記ガイドパッドよりも前記工具本体の径方向外側に突出され、
前記第1取付座に装着されたインサートの外周切刃の先端位置と前記第2取付座に装着されたインサートの外周切刃の先端位置との軸線方向距離であるアドバンス量Aが、1mm≦A≦5mmの範囲内に設定されることを特徴とする穴加工工具。 - 前記第1取付座と前記第2取付座とは、工具本体先端側から見て前記軸線を中心として互いに反対側に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
- 前記第1取付座及び前記第2取付座には、前記インサートを押圧して移動させて前記切刃の前記工具本体径方向位置を調整する押圧部材が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の穴加工工具。
- 前記第1取付座及び前記第2取付座には、前記押圧部材として、押圧ピンが前記インサートの移動方向と交差する方向に延びるように配置されており、
該押圧ピンの後端側には、前記押圧ピンによって前記インサートを押圧する際の押圧力を調整する押圧ネジが配置されていることを特徴とする請求項3に記載の穴加工工具。 - 前記インサートは、外形が多角形平板状をなし、一の多角形面が着座面とされて前記取付座に取り付けられ、前記着座面の周りの側面の一つが工具回転方向前方側に向けられるすくい面とされ、該すくい面の工具本体径方向外側に向けられた辺稜部に前記切刃が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の穴加工工具。
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