JP4870493B2 - 再生装置、記録方法、再生方法、システムlsi、プログラム - Google Patents
再生装置、記録方法、再生方法、システムlsi、プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4870493B2 JP4870493B2 JP2006208691A JP2006208691A JP4870493B2 JP 4870493 B2 JP4870493 B2 JP 4870493B2 JP 2006208691 A JP2006208691 A JP 2006208691A JP 2006208691 A JP2006208691 A JP 2006208691A JP 4870493 B2 JP4870493 B2 JP 4870493B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stream
- video stream
- secondary video
- picture
- packet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Television Signal Processing For Recording (AREA)
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
- Management Or Editing Of Information On Record Carriers (AREA)
Description
尚、DVDプレーヤの標準モデルの構成は、以下の特許文献1に記載されている。
以上のように、映像素材の種別や再生装置の能力によって、ピクチャインピクチャを行うことができたり、できなかったりするのは、映画作品を制作する制作者や再生装置を製造するメーカにとって、新たな不安要因になりかねない。
プレイリスト情報に従って、主たる再生区間が定義されたプライマリビデオストリームと、従たる再生区間が定義されたセカンダリビデオストリームとを、再生する再生装置であって、
プライマリビデオストリーム及びセカンダリビデオストリームは、TSパケットシーケンスに変換された上で、他のTSパケットシーケンスと多重化されており、
セカンダリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子は、上位フィールド及び下位フィールドからなり、当該上位フィールドは、プライマリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子の上位フィールドと異なる値であり、
前記プレイリスト情報は、複数ビデオストリームのそれぞれに対し、再生区間を定義する情報であり、メインパス情報、サブパス情報を含み、
前記メインパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、プライマリビデオストリームとして指定されたものに対して、主たる再生区間を定義する情報であり、前記メインパス情報はテーブルを含み、当該テーブルには、再生が許可されたセカンダリビデオストリームについてのエントリーが記述されており、前記エントリーには、対応するセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子が記述されており、
前記サブパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、セカンダリビデオストリームとして指定されたものに対して、従たる再生区間を定義する情報であり、
記録媒体からプライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームを読み出す読出手段と、
プライマリビデオストリームをデコードする第1デコーダと、
セカンダリビデオストリームをデコードする第2デコーダと、
記録媒体から読み出された複数のセカンダリビデオストリームに対し、所定の手順を実行して、再生すべきセカンダリビデオストリームを選択する選択手段と、
プライマリビデオストリームにより構成されるピクチャの中に、選択手段により選択されたセカンダリビデオストリームにより構成されるピクチャを合成することにより、ピクチャインピクチャを実現する合成部と、
選択されたセカンダリビデオストリームのストリーム番号を格納するストリーム番号レジスタと、
前記テーブルに含まれるセカンダリビデオストリームのエントリーのうち、ストリーム番号レジスタに格納されているストリーム番号に対応するものに記述されているパケット識別子と、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子とを比較し、当該比較においてパケット識別子が一致する場合、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを、第2デコーダに出力する多重分離部とを備え
前記所定の手順の実行によるセカンダリビデオストリームの選択は、前記メインパス情報におけるテーブルに基づく
ことを特徴としている。
以降、本発明に係る記録媒体の実施形態について説明する。先ず始めに、本発明に係る記録媒体の実施行為のうち、使用行為についての形態を説明する。図1は、本発明に係る記録媒体の、使用行為についての形態を示す図である。図1において、本発明に係る記録媒体は、ローカルストレージ200である。ローカルストレージ200は、再生装置300、テレビ400、AVアンプ500、スピーカ600から構成されるホームシアターシステムに、映画作品を供給するという用途で使用される。
BD-ROM100は、映画作品が記録された記録媒体である。
ローカルストレージ200は、再生装置に組み込まれ、映画配給者のサーバから配信されたコンテンツの受け皿として利用されるハードディスクである。
続いて本発明に係る記録媒体の生産行為について説明する。本発明に係る記録媒体は、ファイルシステム上における改良で実現することができる。
<BD-ROMの概要>
図2は、BD-ROMの内部構成を示す図である。本図の第4段目にBD-ROMを示し、第3段目にBD-ROM上のトラックを示す。本図のトラックは、BD-ROMの内周から外周にかけて螺旋状に形成されているトラックを、横方向に引き伸ばして描画している。このトラックは、リードイン領域と、ボリューム領域と、リードアウト領域とからなる。本図のボリューム領域は、物理層、ファイルシステム層、応用層というレイヤモデルをもつ。ディレクトリ構造を用いてBD-ROMの応用層フォーマット(アプリケーションフォーマット)を表現すると、図中の第1段目のようになる。この第1段目においてBD-ROMには、Rootディレクトリの下に、BDMVディレクトリがある。
PLAYLISTディレクトリには、拡張子mplsが付与されたファイル(00001.mpls)がある。
CLIPINFディレクトリには、拡張子clpiが付与されたファイル(00001.clpi,00002.clpi)がある。
以上のディレクトリ構造により、互いに異なる種別の複数ファイルが、BD-ROM上に配置されていることがわかる。
<BD-ROMの構成その1.AVClip>
先ず初めに、拡張子.m2tsが付与されたファイルについて説明する。図3は、拡張子.m2tsが付与されたファイルがどのように構成されているかを模式的に示す図である。拡張子.m2tsが付与されたファイル(00001.m2ts,00002.m2ts)は、AVClipを格納している。AVClipはMPEG2-Transport Stream形式のデジタルストリームである。このデジタルストリームは、デジタル化された映像、デジタル化された音声を(上1段目)、PESパケットからなるエレメンタリストリームに変換し(上2段目)、更にTSパケットに変換して(上3段目)、同じく字幕系のプレゼンテーショングラフィクスストリーム(Presentatiion Graphics(PG)ストリーム)及び対話系のインタラクティブグラフィクスストリーム(Interactive Graphics(IG)ストリーム)を(下1段目、下2段目)、TSパケットに変換して(下3段目)、これらを多重化することで構成される。
AVClipを構成する188バイトのTSパケットは、第2段目に示すように4バイトのTS_extra_header(図中のハッチング部)、が付されて、192バイト長のSourceパケットになる。このTS_extra_headerは、当該TSパケットのデコーダ入力時刻情報を示すArrival_Time_Stampを含む。
かかるAVClipは、通常のコンピュータファイル同様、1つ以上のファイルエクステントに分割され、BD-ROM上の領域に記録される。第4段目はAVClipがどのようにBD-ROMに記録されるかを模式的に示す。この第4段目においてファイルを構成する各ファイルエクステントは、予め定められたSextent以上のデータ長を有する。
ここでBD-ROMにおいて光ピックアップのジャンプに要する時間は、
Tjump=Taccess+Toverhead
で与えられる。
Taccessは、ジャンプ距離(ジャンプする物理アドレスの距離)に応じて与えられる時間である。
BD-ROMから読み出されたTSパケットは、リードバッファと呼ばれるバッファに格納された上、デコーダに出力されるが、リードバッファへの入力が、Rudというビットレートで行われ、ECCブロックにおけるセクタ数をSeccとした場合、
Toverheadは、
Toverhead≦(2×Secc×8)/Rud=20m秒
という計算で与えられる。
BD-ROMから読み出されたTSパケットは、Sourceパケットの状態でリードバッファに格納された上、TS_Recording_rateという転送レートで、デコーダに供給される。
従って、リードバッファが、アンダーフローしないためのバッファ蓄積量は、
Boccupied≧(Tjump/1000×8)×((192/188)×TS_Recording_rate)
となる。
リードバッファへの入力レートはRud、リードバッファからの出力レートはTS_Recording_rate×(192/188)であるので、リードバッファへの蓄積レートは、入力レート−出力レートの計算で与えられ、(Rud−TS_Recording_rate×(192/188))になる。
Tx=Boccupied/(Rud−TS_Recording_rate×(192/188))
になる。
BD-ROMからの読み出しには、この時間TxにおいてRudでのTSパケット入力を継続する必要があるので、AVClipを複数のエクステントに分割して記録する場合の、エクステント一個当たりの最小データ長Sextentは、
Sextent=Rud×Tx
=Rud×Boccupied/(Rud−TS_Recording_rate×(192/188))
≧Rud×(Tjump/1000×8)×((192/188)×TS_Recording_rate)
/(Rud−TS_Recording_rate×(192/188))
≧(Rud×Tjump/1000×8)×
×TS_Recording_rate×192/(Rud×188−TS_Recording_rate×192)
になる。
よって
Sextent≧
(Tjump×Rud/1000×8)×
(TS_Recording_rate×192/(Rud×188−TS_Recording_rate×192))
になる。
AVClipを構成する各ファイルエクステントは、デコーダのアンダーフローをおこさないように算出されたSextent以上のデータ長をもつことにより、AVClipを構成する各ファイルエクステントが、BD-ROM上において離散的に位置されたとしても、再生時においてデコーダへのTSパケット供給が途絶えさせることなく、連続的に読み出されることになる。
MainClipに多重化されるエレメンタリストリームについて、更に詳しく説明する。
<プライマリビデオストリーム>
プライマリビデオストリームは、映画作品の本編を構成するストリームであり、SD画像、HD画像であるピクチャデータから構成される。ビデオストリームには、VC-1のビデオストリーム、MPEG4-AVCのビデオストリーム、MPEG2-Videoのビデオストリームといった形式が存在する。MPEG4-AVCのビデオストリームでは、IDRピクチャ,Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャに、PTS、DTSといったタイムスタンプが付され、このピクチャの単位で、再生制御がなされる。このように、PTS、DTSが付されて、再生制御の単位となる、ビデオストリームの一単位を“Video Presentation Unit”という。
<セカンダリビデオストリーム>
セカンダリビデオストリームは、映画作品のコメンタリィ等を構成するストリームであり、このセカンダリビデオストリームの再生映像を、プライマリビデオストリームの再生映像内に合成することで、ピクチャインピクチャが実行される。ビデオストリームには、VC-1のビデオストリーム、MPEG4-AVCのビデオストリーム、MPEG2-Videoのビデオストリームといった形式が存在し、“Video Presentation Unit”をもつ。セカンダリビデオストリームのフォーマットには、525/60ビデオフォーマット、625/50ビデオフォーマット、1920×1080フォーマット、1280×720フォーマットがある。
<プライマリオーディオストリーム>
プライマリオーディオストリームは、映画作品の主音声を表すストリームであり、LPCMオーディオストリーム、DTS-HDオーディオストリーム、DD/DD+オーディオストリームやDD/MLPオーディオストリームといった形式が存在する。オーディオストリームにおけるオーディオフレームに、タイムスタンプが付され、このオーディオフレームの単位で、再生制御がなされる。このように、タイムスタンプが付されて、再生制御の単位となる、オーディオストリームの一単位を“Audio Presentation Unit”という。尚、BD-ROMには記録されていないが、映画作品の副音声を表すようなオーディオストリームを、セカンダリオーディオストリームという。
PGストリームは、言語毎の字幕を構成するグラフィクスストリームであり、英語、日本語、フランス語というように複数言語についてのストリームが存在する。PGストリームは、PCS(Presentation Control Segment)、PDS(Pallet Define Segment)、WDS(Window Define Segment)、ODS(Object Define Segment)という一連の機能セグメントからなる。ODS(Object Define Segment)は、字幕たるグラフィクスオブジェクトを定義する機能セグメントである。
プライマリビデオストリームと同じAVClipに多重化されていないが、字幕を現すストリームには、Presentation Graphicsストリームの他に、テキスト字幕(textST)ストリームというものがある。textSTストリームは、字幕の内容をキャラクタコードで現したストリームである。このPresentation Graphicsストリームと、textSTストリームとの組みは、BD-ROM規格において、“PGTextSTストリーム”と呼ばれる。
<IGストリーム>
IGストリームは、対話制御を実現するグラフィクスストリームである。IGストリームにて定義される対話制御は、DVD再生装置上の対話制御と互換性がある対話制御である。かかるIGストリームは、ICS(Interactive Composition Segment)、PDS(Palette Difinition Segment)、ODS(Object Definition Segment)と呼ばれる機能セグメントからなる。ODS(Object Definition Segment)は、グラフィクスオブジェクトを定義する機能セグメントである。このグラフィクスオブジェクトが複数集まって、対話画面上のボタンが描画される。PDS(Palette Difinition Segment)は、グラフィクスオブジェクトの描画にあたっての、発色を規定する機能セグメントである。ICS(Interactive Composition Segment)は、ユーザ操作に応じてボタンの状態を変化させるという状態変化を実現する機能セグメントである。ICSは、ボタンに対して確定操作がなされた際、実行すべきボタンコマンドを含む。
図7は、BD-ROMに記録されているエレメンタリストリームにおけるPID割当マップを示す図である。PID割当マップの左欄は、PIDが取りうる値の複数のゾーンを示す。右欄は、各ゾーンに割り当てられるエレメンタリストリームを示す。この記述法に従って図を参照すると本図から、以下のことが導くことができる。つまりPIDが取りうる値のうち、0x0100のゾーンは、Program_mapに割り当てられ、0x1001のゾーンはPCRに、0x1011のゾーンはPrimaryビデオストリームに、0x1100から0x111Fまでのゾーンはプライマリオーディオストリームに、0x1200から0x121FまでのゾーンはPGストリームに、0x1400から0x141FまでのゾーンはIGストリームに、0x1B00から0x1B1FまでのゾーンはIN_MUX_Secondaryビデオストリームに割り当てられている。
ピクチャインピクチャを構成すべきセカンダリビデオストリームのPESパケットは、その上位バイトが、プライマリビデオストリームのPESパケットのPIDの上位バイトと異なるので、プライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームが1つのAVClipに多重化されたとしても、PIDの上位バイトを参照することで、これらを構成するPESパケットを、別々のデコーダに供給することができる。
<BD-ROMの構成その2.Clip情報>
続いて拡張子.clpiが付与されたファイルについて説明する。拡張子.clpiが付与されたファイル(00001.clpi,00002.clpi)は、Clip情報を格納している。Clip情報は、個々のAVClipについての管理情報である。図9は、Clip情報の内部構成を示す図である。本図の左側に示すようにClip情報は、
i)AVClipについての情報を格納した『ClipInfo()』、
ii)ATC Sequence,STC Sequenceに関する情報を格納した『Sequence Info()』
iii)Program Sequenceに関する情報を格納した『Program Info()』
iv)『Characteristic Point Info(CPI())』からなる。
Sequence Infoは、AVClipに含まれる、1つ以上のSTC-Sequence、ATC-Sequenceについての情報である。これらの情報を設けておくことの意義は、STC、ATCの不連続点を、予め再生装置に通知するためである。つまりかかる不連続点が存在すると、AVClip内において同じ値のPTS,ATSが出現する可能性があり、再生時に不都合が生じる。STC,ATCが連続しているのは、トランスポートストリームのうち、どこからどこまでであるかを示すため、Sequence Infoは設けられている。
続いてCharacteristic Point Infoについて説明する。図中の引き出し線cu2は、CPIの構成をクローズアップしている。引き出し線cu2に示すように、CPIは、Ne個のEP_map_for_one_stream_PID(EP_map_for_one_stream_PID[0]〜EP_map_for_one_stream_PID[Ne-1])からなる。これらEP_map_for_one_stream_PIDは、AVClipに属する個々のエレメンタリストリームについてのEP_mapである。EP_mapは、1つのエレメンタリストリーム上において、Access Unitが存在するエントリー位置のパケット番号(SPN_EP_start)を、エントリー時刻(PTS_EP_start)と対応づけて示す情報である。図中の引き出し線cu3は、EP_map_for_one_stream_PIDの内部構成をクローズアップしている。
<Clip情報の説明その2.EP_map>
以下、具体例を通じて、EP_mapについて説明する。図10は、映画のビデオストリームに対するEP_map設定を示す図である。第1段目は、表示順序に配置された複数のピクチャ(MPEG4-AVCに規定されたIDRピクチャ、Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャ)を示し、第2段目は、そのピクチャにおける時間軸を示す。第4段目は、BD-ROM上のTSパケット列を示し、第3段目は、EP_mapの設定を示す。
<PlayList情報>
続いて、PlayList情報について説明する。拡張子“mpls”が付与されたファイル(00001.mpls)は、PlayList(PL)情報を格納したファイルである。
<PlayList情報の説明その1.MainPath情報>
先ずMainPathについて説明する。MainPathは、プライマリビデオたるビデオストリームやオーディオストリームに対して定義される再生経路である。
この引き出し線に示すようにPlayItem情報は、再生区間のIN点及びOut点が属するAVClipの再生区間情報のファイル名を示す『Clip_Information_file_name』と、AVClipの符号化方式を示す『Clip_codec_identifier』と、PlayItemがマルチアングルを構成するか否かを示す『is_multi_angle』と、このPlayItem(カレントPlayItem)と、その1つ前のPlayItem(previousPlayItem)との接続状態を示す『connection_condition』と、このPlayItemが対象としているSTC_Sequenceを一意に示す『ref_to_STC_id[0]』と、再生区間の始点を示す時間情報『In_time』と、再生区間の終点を示す時間情報『Out_time』と、このPlayItemにおいてマスクすべきユーザオペレーションがどれであるかを示す『UO_mask_table』と、このPlayItemの途中へのランダムアクセスを許可するか否かを示す『PlayItem_random_access_flag』と、このPlayItemの再生終了後、最後のピクチャの静止表示を継続するか否かを示す『Still_mode』と、『STN_table』とから構成される。このうち、再生経路を構成するのは、再生区間の始点を示す時間情報『In_time』、再生区間の終点を示す時間情報『Out_time』の組みであり、再生経路情報とは、この『In_time』及び『Out_time』の組みから構成される。
PlayList情報は、PlayItem情報#1,#2という2つのPlayItem情報を含んでおり、これらPlayItem情報#1,#2のIn_time,Out_timeにより、2つの再生区間が定義されることになる。これらの再生区間を配列させると、AVClip時間軸とは異なる時間軸が定義されることになる。これが第1段目に示すPlayList時間軸である。このように、PlayItem情報の定義により、AVClipとは異なる再生経路の定義が可能になる。
<ローカルストレージ200>
続いて、本発明にかかる記録媒体である、ローカルストレージ200について説明する。図13は、ローカルストレージ200の内部構成を示す図である。本図に示すように、本発明に係る記録媒体は、応用層に対する改良により、生産することができる。
続いて、ローカルストレージ200の構成要素となる、PlayList情報、Clip情報、AVClipについての説明する。
ローカルストレージ200上のAVClip(00003.m2ts,00004.m2ts)は、SubClipを構成する。SubClipには、ビデオストリーム、オーディオストリーム、PGストリーム、IGストリームという4種類のエレメンタリストリームが多重化されている。このようにAVClipに多重化されるエレメンタリストリームには、どのようなものがあるかを詳細に説明する。
<ローカルストレージ200の構成その2.PlayList情報>
続いて、ローカルストレージ200上のPlayList情報について説明する。拡張子“mpls”が付与されたファイル(00002.mpls)は、MainPath、Subpathと呼ばれる2種類の再生経路を束ねたものをPlaylist(PL)として定義する情報である。図16は、PlayList情報のデータ構造を示す図であり、本図に示すようにPlayList情報は、MainPathを定義するMainPath情報(MainPath())と、チャプターを定義するPlayListMark情報(PlayListMark())と、Subpathを定義するSubpath情報(Subpath())と、その他の拡張データ(Extention_Data)からなる。かかるPlayList情報の内部構成、及び、PlayItem情報の内部構成は、BD-ROMのものと同じであり、説明を省略する。以降、Subpath情報について説明する。
MainPathが、プライマリビデオたるMainClipに定義される再生経路であるのに対し、Subpathは、MainPathと同期すべきSubClipに対して定義される再生経路である。
図17は、Subpath情報の内部構成をクローズアップして示す図である。本図における矢印hc0に示すように各Subpathは、SubClipの類型を示すSubPath_typeと、1つ以上のSubPlayItem情報(・・・SubPlayItem()・・・)とを含む。
SubPlayItemは、メインパスから分離した、1以上のエレメンタリストリーム再生パスを定義し、当該パスをメインパスとどのように同期するかという類型を表現するのに使われる。SubPlayItemで使用されるのが、The Primary audio / PG / IG / Secondary audio / Secondary video のサブパスであるなら、これらのSubPlayItemは、PlayList中のPlayItemを使っているメインパスと同期することになる。このエレメンタリストリーム再生のためのサブパスによって使われるエレメンタリストリームは、MainPath側のPlayItemによって使われるMainClipから分離したClip、つまりSubClipに多重化される。
『Clip_information_file_name』は、Clip情報のファイル名を記述することにより、SubPlayItemに対応するSubClipを一意に指定する情報である。
『ref_to_STC_id[0]』は、このSubPlayItemが対象としているSTC_Sequenceを一意に示す。
『SubPlayItem_In_time』は、SubClipの再生時間軸上における、SubPlayItemの始点を示す情報である。
『sync_PlayItem_id』は、MainPathを構成するPlayItemのうち、本SubPlayItemが同期すべきものを一意に指定する情報である。SubPlayItem_In_timeは、このsync_PlayItem_idで指定されたPlay Itemの再生時間軸上に存在する。
<Subpath情報の詳細その1.SubPath_type>
以上がSubPath情報についての説明である。続いてSubPath_typeについて説明する。SubPath_typeは、0から255までの値に設定されることにより、SubPath情報により定義されるSubPathがどのような再生経路であるのかを示す。Subpath_Typeにより表現される再生経路の3つの典型を以下に説明する。
Subpath_Type=5
:Out-of-mux and Syncronous type of Picture in Picture presentation Path
この場合SubPlayItemは、Out-of-muxと同期して再生されるようなピクチャインピクチャ再生経路を定義することになる。そのパスによって使われるエレメンタリストリムは、MainPath側のPlayItemによって使われるMainClipから分離したClip、つまりSubClipに多重化される。
:Out-of-mux and Asyncronous type of Picture in Picture presentation Path
この場合SubPlayItemは、Out-of-muxストリームと非同期で再生されるようなピクチャインピクチャ再生経路を定義することになる。つまり、このパスによって使われるエレメンタリストリームは、PlayItemによって使われる他のClipとは、異なるClip、つまりSubClipに多重化される。SubPath_type=6であるSubPathは、一つだけのSubPlayItemを含む。
Subpath_Type=7
:In-MUX and Syncronous type of Picture in Picture presentation Path
この場合SubPlayItemは、In-muxストリームを同期再生するようなピクチャインピクチャ再生経路を定義する。つまりSubpath_Type=7に設定された場合、当該パスによって使われるエレメンタリストリームは、同期再生すべきPlayItemによって使われるエレメンタリストリームと同じClipに多重化されることになる。
以上がSubPath_typeについての説明である。
<SubPath情報についての詳細その2.三者の関係>
ここでの三者とは、ローカルストレージ200上のSubClip、ローカルストレージ200上のPlayList情報、BD-ROM上のMainClipの三者をいう。
本図に示すように、SubPlayItem情報のSubPlayItem_Clip_information_file_nameは、STREAMディレクトリに格納された.m2tsファイルに多重化されたOut-of-MUXストリームのうち、どれを再生区間指定の対象として選ぶかという、SubClip選択の役割を果たしていることがわかる。
矢印Sync_PlayItem_Idは、どのPlayItemとの同期を意図しているかという同期指定の役割を果たし、sync_start_PTS_of_PlayItemは、PlayItem時間軸上におけるSubPlayItem_In_timeの位置を決める役割を果たす。
<STN_table>
BD-ROM及びローカルストレージ200におけるPlayList情報において特徴的であるのは、STN_Tableである。以降、ローカルストレージ200上のPlayList情報について説明する。
Stream_attributeは、ビデオストリームの表示方式を示す『Video_format』と、ビデオストリームの表示周波数を示す『frame_rate』を含む。
Movie Objectは、DVD-Videoに似たような記述で、動的な制御手順を再生装置に命じるものであり、BD-J Objectは、Java(登録商標)(TM)アプリケーションによる記述で、動的な制御手順を再生装置に命じるものである。Index.bdmvは、タイトルと、Movie Object、BD-J Objectとの対応付けを規定するテーブルである。
<再生装置>
図22は、本発明に係る再生装置の内部構成を示す図である。本発明に係る再生装置は、本図に示す内部に基づき、工業的に生産される。本発明に係る再生装置は、主としてシステムLSIと、ドライブ装置という2つのパーツからなり、これらのパーツを装置のキャビネット及び基板に実装することで工業的に生産することができる。こうして生産される再生装置は、BD-ROMドライブ1a、リードバッファ1b,c、ATCカウンタ2a,c,Source Depacketizer2b,d、ATCカウンタ2b,d、STCカウンタ3a,c、PID Filter3b,d、Transport Buffer(TB)4a、Elementary Buffer(EB)4c、ビデオデコーダ4d、Re-order Buffer4e、Decoded Picture Buffer4f、ビデオプレーン4g、Transport Buffer(TB)5a、Elementary Buffer(EB)5c、ビデオデコーダ5d、Re-order Buffer5e、Decoded Picture Buffer5f、ビデオプレーン5g、バッファ6a,b、バッファ7a,b、オーディオデコーダ8a,b、ミキサー9a、スイッチ10a,b,c,d,e、Transport Buffer(TB)11a、Interactive Graphicsデコーダ11b、Interactive Graphicsプレーン11c、Transport Buffer(TB)12a、バッファ12b、Text based subtitleデコーダ12c、Transport Buffer(TB)13a、Presentation Graphicsデコーダ13b、Presentation Graphicsプレーン 13c、メモリ21、コントローラ22、PSRセット23、PID変換部24、ネットワーク部25、操作受付部26、ローカルストレージ200から構成される。尚本図では、再生装置の出力段については、示していない。出力段については、別図に内部構成を示して説明することにする。
リードバッファ(RB)1bは、BD-ROMから読み出されたSourceパケット列を蓄積する。
リードバッファ(RB)1cは、ローカルストレージ200から読み出されたSourceパケット列を蓄積する。
ソースデパケッタイザ(Source De-packetizer)2bは、MainClipを構成するSourceパケットからTSパケットを取り出して、送出する。この送出にあたって、各TSパケットのATSに応じてデコーダへの入力時刻を調整する。具体的には、ATC Counter2aが生成するATCの値と、SourceパケットのATS値とが同一になった瞬間にTS_Recording_Rateで、そのTSパケットだけをPID Filter3bに転送する。
ソースデパケッタイザ(Source De-packetizer)2dは、SubClipを構成するSourceパケットからTSパケットを取り出して、送出する。この送出にあたって、ATSに応じてデコーダへの入力時刻を調整する。具体的には、ATC Counter2cが生成するATCの値と、SourceパケットのATS値とが同一になった瞬間にTS_Recording_Rateで、そのTSパケットだけをPID Filter3dに転送する。
PID Filter3bは、MainClip用の多重分離部であり、ソースデパケッタイザ2bから出力されたSourceパケットのうち、PID変換部24から通知されたPID参照値をもつものを、夫々ビデオデコーダ4d、ビデオデコーダ5d、オーディオデコーダ8a、Interactive Graphicsデコーダ11b、Presentation Graphicsデコーダ13bに出力する。各デコーダは、PID Filter3bを経由したエレメンタリストリームを受け取って、MainClipのPCRに従いデコードから再生の処理を行う。このようにPID Filter3bを通過して各デコーダに入力されるエレメンタリストリームは、MainClipのPCRに従って、デコード及び再生に供されることになる。
PID Filter3dは、SubClip用の多重分離部であり、ソースデパケッタイザ2dから出力されたSourceパケットのうち、PID変換部24から通知されたPID参照値をもつものを、夫々オーディオデコーダ8b、Interactive Graphicsデコーダ11b、Presentation Graphicsデコーダ13bに出力する。このようにPID Filter3dを通過して各デコーダに入力されるエレメンタリストリームは、SubClipのPCRに従って、デコード及び再生に供されることになる。
Elementary Buffer(EB)4cは、符号化状態にあるピクチャ(Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャ)が格納されるバッファである。
デコーダ(DEC.)4dは、プライマリビデオを構成する個々のピクチャを所定の復号時刻(DTS)ごとにデコードすることにより複数フレーム画像を得て、ビデオプレーン4に書き込む。
Re-order Buffer4fは、復号されたピクチャの順序を、符号化順序から表示順序に入れ替えるためのバッファである。
プライマリビデオプレーン4gは、プライマリビデオを構成する一ピクチャ分の画素データを格納しておくためのメモリ領域である。画素データは、16ビットのYUV値で表現され、ビデオプレーン4gは、1920×1080という解像度にあたる画素データを格納している。
Elementary Buffer(EB)5cは、符号化状態にあるピクチャ(Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャ)が格納されるバッファである。
デコーダ(DEC.)5dは、セカンダリビデオを構成する個々のピクチャを所定の復号時刻(DTS)ごとにデコードすることにより複数フレーム画像を得て、ビデオプレーン5に書き込む。
Re-order Buffer5fは、復号されたピクチャの順序を、符号化順序から表示順序に入れ替えるためのバッファである。
セカンダリビデオプレーン5gは、セカンダリビデオを構成する一ピクチャ分の画素データを格納しておくためのメモリ領域である。画素データは、16ビットのYUV値で表現され、セカンダリビデオは、1920×1080という解像度にあたる画素データを格納している。
バッファ6bは、デマルチプレクサ3bから出力されたTSパケットのうち、セカンダリオーディオストリームを構成するものを、先入れ先だし式に格納して、オーディオデコーダ7bに供する。
オーディオデコーダ7bは、バッファ6bに格納されたTSパケットをPESパケットに変換して、このPESパケットに対しデコード処理を行い、非圧縮状態のLPCM状態のオーディオデータを得て出力する。これによりセカンダリオーディオストリームにおけるデジタル出力がなされる。
スイッチ10aは、BD-ROMから読み出されたTSパケット、ローカルストレージ200から読み出されたTSパケットのどちらかを、選択的にセカンダリビデオデコーダ5d側に供給する。
スイッチ10cは、BD-ROMから読み出されたTSパケット、ローカルストレージ200から読み出されたTSパケットのどちらかを、選択的にInteractive Graphicsデコーダ11b側に供給する。
スイッチ10eは、デマルチプレクサ3aにより多重分離がなされた、セカンダリオーディオストリームを構成するTSパケット、デマルチプレクサ3bにより多重分離がなされたセカンダリオーディオストリームを構成するTSパケットのどちらを、オーディオデコーダ8bに供給するかを切り換えるスイッチである。
Interactive Graphics(IG)デコーダ11bは、BD-ROM100又はローカルストレージ200から読み出されたIGストリームをデコードして、非圧縮グラフィクスをIGプレーン12に書き込む。
Transport Buffer(TB)12aは、textSTストリームに帰属するTSパケットが一旦蓄積されるバッファである。
Buffer(TB)12bは、textSTストリームを構成するPESパケットが一旦蓄積されるバッファである。
Presentation Graphics(PG)デコーダ13bは、BD-ROM又はローカルストレージ200から読み出されたPGストリームをデコードして、非圧縮グラフィクスをPresentation Graphicsプレーン14に書き込む。PGデコーダ13bによるデコードにより、字幕が画面上に現れることになる。
メモリ21は、カレントのPlayList情報やカレントのClip情報を格納しておくためのメモリである。カレントPlayList情報とは、BD-ROMに記録されている複数PlayList情報のうち、現在処理対象になっているものをいう。カレントClip情報とは、BD-ROM/ローカルストレージに記録されている複数Clip情報のうち、現在処理対象になっているものをいう。
PSRセット23は、再生装置に内蔵されるレジスタであり、64個のPlayer Setting/Status Register(PSR)と、4096個のGeneral Purpose Register(GPR)とからなる。Player Setting/Status Registerの設定値(PSR)のうち、PSR4〜PSR8は、現在の再生時点を表現するのに用いられる。
ネットワーク部25は、本再生装置における通信機能を実現するものであり、URL指定が与えられれば、そのURLにあたるwebサイトとのTCPコネクション、FTPコネクション等を確立する。かかるコネクション確立によりwebサイトからのダウンロードを実行する。
以上が、再生装置の内部構成である。続いて、再生装置の出力段の内部構成について説明する。図23は、再生装置の出力段の構成を示す図である。本図に示すように再生装置の出力段は、1−α3乗算部15a、Scalling・Positioning部15b、α3乗算部15c、加算部15d、1−α1乗算部15e、α1乗算部15f、加算部15g、1−α2乗算部15h、α2乗算部15i、加算部15j、HDMI送受信部16から構成される。
Scalling・Positioning部15bは、ビデオプレーン5gに格納されている非圧縮のデジタルピクチャを拡大・縮小する処理(Scalling)を施し、また配置位置を変更する処理(Positioning)を行う。この拡大・縮小は、メタデータにおけるPiP_scaleに基づき、配置位置の変更は、メタデータにおけるPiP_horizontal_position、PiP_vertical_positionに基づく。
加算部15dは、α3乗算部15cにより画素毎に透過率α3が乗じられた非圧縮デジタルピクチャと、1−α3乗算部15aにより画素毎に透過率1-α3が乗じられた非圧縮デジタルピクチャとを合成して、合成ピクチャを得る。
α1乗算部15fは、Presentation Graphicsデコーダ13cに格納されている非圧縮グラフィクスを構成する画素の揮度に、透過率α1を乗じる。
加算部15gは、1−α1乗算部15eにより画素毎に透過率1-α1が乗じられた非圧縮デジタルピクチャと、α1乗算部15fにより画素毎に透過率α1が乗じられた非圧縮グラフィクスとを合成して、合成ピクチャを得る。
α2乗算部15iは、Interactive Graphicsデコーダ11cに格納されている非圧縮グラフィクスを構成する画素の揮度に、透過率α2を乗じる。
加算部15jは、1−α2乗算部15hにより画素毎に透過率1-α2が乗じられた非圧縮デジタルピクチャと、α2乗算部15iにより画素毎に透過率α2が乗じられた非圧縮グラフィクスとを合成して、合成ピクチャを得る。
以上が、本実施形態に係る再生装置のハードウェア構成である。続いて本実施形態に係る再生装置のソフトウェア構成について説明する。
これらの構成要素の処理は、PSRセット23に基づく。以降、PSR1、PSR14、PSR31について説明する。PSRにおける語長は、32ビットである。PSRの一語(32ビット)を構成する各ビットデータのビット位置を、以降、b0〜b31と呼ぶことにする。この呼び方では、PSRの最上位ビットはb31、最下位ビットはb0と呼ばれることになる。
図25(a)は、PSR14のビットアサインを示す図である。
本図によると、32ビット長のPSR14におけるb8〜b15は、セカンダリビデオストリームのストリーム番号であり、カレントPlay ItemのSTN_tableにentryが記述されている複数Secondaryビデオストリームのうち、1つを特定する。PSR14の設定値が変化すれば、再生装置はこの変化後のSecondaryビデオストリームを再生する。PSR14におけるセカンダリビデオストリームのストリーム番号は初期値として0xFFが設定されており、再生装置により1〜32の値に設定されうる。この0xFFは、不定値であり、Secondaryビデオストリームが存在しない旨、又は、Secondaryビデオストリームが選択されてない旨を示す。1〜32の設定値は、Secondaryビデオストリームのストリーム番号として解釈される。
<PSR29>
図25(b)は、PSR29のビットアサインを示す図である。
以降、プレイリスト処理部41、Procedure実行部42について説明を開始する。
PiP制御部43については、その処理が多岐にわたるので、第2実施形態において改めて説明し直すものとする。ミキシング制御部44については、本実施形態の主眼との関連が希薄なので、第4実施形態において改めて説明し直す。
プレイリスト処理部41は、PL再生を実現するものであり、PlayItem情報のIn_timeにあたる位置から、Out_timeにあたる位置までプライマリビデオストリームを再生し、これと同期して、SubPlayItem情報のSub_PlayItem_In_timeにあたる位置から、Sub_PlayItem_Out_timeにあたる位置までのセカンダリビデオストリームの再生を、ビデオデコーダ5bに行わせる。
<機能構成の詳細その2.Procedure実行部42>
Procedure実行部42は、あるPlayItem情報から別のPlayItem情報への切り換わりが生じた場合、又はストリーム番号を切り換える旨の操作がユーザによりなされた場合、所定のストリーム選択プロシージャを実行して、PSR14に新たなセカンダリビデオストリームのストリーム番号を書き込む。再生装置は、PSR14に書き込まれたストリーム番号に応じて、セカンダリビデオストリームを再生するので、かかるPSR14の設定を通じて、セカンダリビデオストリームが選択されることになる。
このProcedure実行部42により、PSR14は、図26に示すような状態遷移をなす。図26は、PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号が取り得る状態遷移を示す図である。本図においてValidとは、PSR14の値が、Play ItemのSTN_tableに記述されたentry数以下の番号になっていて、尚且つ、デコード可能であることを意味する。
図26における破線枠は、状態遷移時にあたってPSRの値を決定する手順を模式的に示す。PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号の設定手順には、『Procedure when playback condition is changed』、『Procedure when Stream change is requested』がある。
Procedure when Stream Change is requestedは、ユーザがストリームの切り換えを要求した際、実行すべき処理手順を示す。
これら破線枠に示されるProcedure when playback condition is changed、Procedure when Stream change is requestedが、ストリーム選択プロシージャであり、後でフローチャートを交えて詳細に説明する。
状態遷移を意味する矢印に添えられた注釈は、各状態遷移のトリガとなるべき事象を意味する。つまり本図では、“Load Disc”,“Change a Stream”,“Start PlayList playback”,“Cross a PlayItem boundary”,“Terminate PlayList playback”というような事象が発生した際、PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号の状態遷移がなされることになる。これらの記法を理解して図26を参照すれば、Invalid→Invalidの状態遷移時、Valid→Invalidの状態遷移時には、上述した処理手順は実行されていないことがわかる。これに対しInvalid→Valid間の状態遷移、Valid→Valid間の状態遷移は何れも破線枠を経由している。つまりPSR14をValidに設定するにあたって、上述したProcedure when playback condition is changed、Procedure when Stream change is requestedによりPSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号は設定されるのである。
『Load Disc』とは、再生装置にBD-ROMがローディングされたとの事象を意味する。PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号は、かかるローディング時において、一旦PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号が不定値(0xFF)に設定されるのである。
『Start PlayList playback』とは、PLに基づく再生処理が開始したとの事象を意味する。かかる事象が発生時において、Procedure when playback condition is changedが実行され、PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号はValidに設定されることがわかる。
『Change a Stream』とは、ユーザによるStreamの切り換え要求がなされたとの事象を意味する。PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号がInvalidである場合に、かかる事象が発生すれば(図中のcj1)、PSR14はその要求通りの値に設定される。こうして設定された値がたとえ有効なストリーム番号を示していたとしても、このPSR14の設定値はInvalidな値として取り扱われる。即ち、事象”Change a Stream”による状態遷移では、InvalidであるPSRが、Validに変えることはない。
ステップS51では、PSR14に設定された番号のセカンダリビデオストリームが、以下の条件(A)、条件(B)を満たすか否かをチェックする。、
条件(A):Video format,frame_rateと、HD Secondary Video Capabilityや50&25Hz Video Capabilityとの比較では、PSR14に格納された番号により定められるセカンダリビデオストリームの再生能力が再生装置に存在している。
「HD Secondary Video Capability」とは、HDTV対応のビデオストリームを、デコードし、再生出力する能力をいい、「50&25Hz Video Capability」とは、50フレーム/秒、又は、25フレーム/秒のピクチャ列をデコードし、再生出力する能力をいう。また、Video format,frame_rateは、STN_tableにおいて、セカンダリビデオストリームについてのstream_attributeに記載されている。また、HD Secondary Video Capabilityや50&25Hz Video Capabilityの有無は、PSR29のb0,b1に示されている。これらSTN_tableによる設定と、PSR29のb1の値とを照合することで、条件(A)を具備しているかどうかの判断がなされる。
ステップS51の実行後、ステップS52、ステップS53を実行する。
以上が、セカンダリビデオストリームにおけるProcedure when playback condition is changedについての説明である。
図28は、カレントPlayItemについて最適なストリームを選択する処理手順を示すフローチャートである。
条件(a):セカンダリビデオストリームについてのVideo format、frame_rateと、HD Secondary Video Capabilityや50&25Hz Video Capabilityとの比較では、PSR14に格納された番号により定められるセカンダリビデオストリームの再生能力が再生装置に存在している。
以上のようなチェックが、STN_tableにおいて再生許可されている全てのセカンダリビデオストリームについてなされれば、ステップS64の判定ステップを実行する。
ステップS64は、条件(a)を満たすセカンダリビデオストリームが1つも存在しないか否かの判定であり、もしそうであれば、0xFFFをセカンダリビデオストリームについてのストリーム番号としてPSR14に設定する(ステップS65)。
操作受付部26に対してなされるユーザ操作にて、セカンダリビデオストリーム番号Xが特定されたとする。この場合、ステップS71では、番号Xのセカンダリビデオストリームが、以下の条件(A)、条件(B)を満たすか否かをチェックする。
条件(A):Video format,frame_rateと、HD Secondary Video Capabilityや50&25Hz Video Capabilityとの比較では、PSR14に格納された番号により定められるセカンダリビデオストリームの再生能力が再生装置に存在している。
以上のチェックを経れば、ステップS72の判定ステップを実行する。ステップS72は、カレントPlayItemのSTN_tableにおけるセカンダリビデオストリームのSTN_tableにおけるStream_entryの個数が0であるか否かを判定するものである。もし“0”であるなら、STN_tableには、再生が許可されているストリームが存在しないとして、PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号を維持する(ステップS73)。
条件(a):Video format,frame_rateと、HD Secondary Video Capabilityや50&25Hz Video Capabilityとの比較では、PSR14に格納された番号により定められるセカンダリビデオストリームの再生能力が再生装置に存在している。
ループの実行後、条件(a)を満たすセカンダリビデオストリームが少なくとも1つ存在するかをステップS81で判定し、もし存在するなら、条件(a)を満たすセカンダリビデオストリームのうち、対応するStream_EntryがSTN_tableにおいて先頭順位に位置するものを選択して、選択したセカンダリビデオストリームのセカンダリビデオストリーム番号を、PSR14に設定する(ステップS82)。以上が、セカンダリビデオストリームに対するProcedure when stream change is requestedについての説明である。
本実施形態では、ピクチャインピクチャを再生装置に実行させるための具体的なデータ構造と、このデータ構造に基づく再生装置の処理手順について説明する。ピクチャインピクチャを再生装置に実行させるための具体的なデータ構造は、図11、図16に示したmplsファイルの内部構成のうち、extention_dataに存在し、PiP_metadataと呼ばれる。図30は、PiP_metadataの内部構成を示す図である。引出線hm1は、PiP_metadataの内部構成をクローズアップしている。この引出線hm1に示すように、PiP_metadataは、number_of_metadata_block_entriesと、n1個のmetadata_block_headerと、n2個のPiP_metadata_blockとから構成される。
ref_to_PlayItem_id[k]:
ピクチャインピクチャの対象となるべきPlayItem[k]の PlayItem_id を示すフィールドである。このref_to_PlayItem_id[k]で指示されるPlayItem の STN_table は ref_to_secondary_video_stream_id[k]の参照値(secondary_video_stream_id)を格納するものでなければならない。また、pip_metadata() 内の ref_to_PlayItem_id は、その値の昇順に並べ替えられなければならない。これは、カレントPlayItemが変化した際、その変化後のPlayItemを指定したref_to_PlayItem_idをもつmetadata_block_headerを即座に探し出すためである。
ref_to_secondary_video_stream_id[k]:
ref_to_PlayItem_id[k] で参照されるPlayItem の STN_table で定義される secondary_video_stream_id 値のうち、このピクチャインピクチャで再生に供するものを示すフィールドである。このフィールドは、関連付けられた PiP_metadata_block[k]() を利用するSecondary ビデオストリームを特定するために用いられる。詳しく説明すると、このsecondary_video_stream_id 値を参照すれば、 STN_table 内の関連付けられたstream_entry() を導き出することができ、そのstream_entryを参照することで、PiP_metadata_block[k]() が利用する Secondaryビデオストリームに対応するSubPath を探し出すことができる。
pip_timeline_type[k]:
PlayItem時間軸におけるSync_Start_PTS_of_PlayItemの写像点を、ピクチャインピクチャ実行タイミングの基準とするか、SubPlayItemの原点を基準とすることを示す。
PiP_time_line_type=2である場合、非同期型ピクチャインピクチャの実行時において、pip_metadata_time_stampは、SubPath の時間軸を基準とすることを示す。この場合、ref_to_secondary_video_stream_id[k] で指定されるSubPath のSubPath_type は、=6 に設定されなければならない。
以上のように、PlayItem側、SubPlayItem側のどちらを基準とするのが理想的にするかにより、ピクチャインピクチャ再生を好適に実現することができる。
is_luma_key:
このフラグが 1 の場合、upper_limit_luma_key 値に従って、対応する Secondary ビデオストリームに luma-keying が適用される。luma-keyingとは、セカンダリビデオを構成する個々のピクチャに、被写体部分と、背景部分とが存在する場合、各ピクチャから、被写体部分を抜き出して、プライマリビデオとの合成に供する処理である。Luma-Keyingが、セカンダリビデオに適用される場合、第1実施形態に示したα3乗算部15cにおけるα3は、0か1に設定される。Luma-Keyingが適用されない場合、このα3は、1に設定される。
trick_playing_flag:
これは、プライマリビデオに対するトリック再生の実行中、 ピクチャインピクチャのためのウィンドウを開き続けるか閉じるかのコンテンツプロバイダの意思を示すフラグである。このフラグは同期式ピクチャインピクチャにおいてのみ有効となる。このフラグが 0 の場合、Primary ビデオがトリック再生中、ピクチャインピクチャのためのウィンドゥ(PiP ウィンドウ)を閉じることをコンテンツプロバイダ は意図する。ここで、トリック再生の意味は 再生装置のメーカによって製品毎に定義される。例えば、その製品は 1.2倍速 Forward Playはトリック再生でないと定義するかもしれないし、2倍速以上の Forward Playはトリック再生であると定義するかもしれない。
これは、luma-keying のための対応する Secondary ビデオ輝度(Y) の上限値を指定するフィールドである。Primary ビデオプレーンと Secondary ビデオプレーンが重なったとき、Secondary ビデオプレーン上で、輝度(Y) の値がゼロ以上、upper_limit_luma_key 値以下までの画素が、ピクチャインピクチャの合成時において、完全透過することになる。例えば、セカンダリビデオが人物像と背景とから構成されていて、これらのうち、人物像のみを、合成の対象としたい場合、セカンダリビデオを構成する画素の揮度のうち、どの値までを、背景とみなすかを、このupper_limit_luma_keyに設定することができる。
続いて、PiP_metadata_blockの内部構成について説明する。引き出し線hm3は、PiP_metadata_blockの構成をクローズアップしている。この引き出し線に示すように、PiP_metadata_block[1]は、k個のPiP_metadata_entry[1]〜[k]と、number_of_pipmetadata_entriesとからなる。
pip_metadata_time_stamp[i]:
pip_composition_metadata() が有効である時間間隔の開始時点を示すフィールドである。
pip_horizontal_position[i]:
Primary ビデオプレーン上での Secondary ビデオの左上端の画素の水平位置を示す。ビデオプレーンの横幅をvideo_width と表現した場合、本PiP_horizontal_positionにて指定される水平位置は 0 からvideo_width-1 の範囲となる。
pip_vertical_postion[i]:
Primary ビデオプレーン上での Secondary ビデオの左上端の画素の垂直位置を示す。ビデオプレーンの縦幅をvideo_heightとした場合、本PiP_vertical_positionで指定される垂直位置は 0 からvideo_height-1 の範囲となる。図31は、PiP_horizontal_position、PiP_vertical_positionが、ビデオプレーンにおいて、どのような座標をとりうるかを示す。本図は、画像の左上頂点を原点とし、画像の右方向をX座標の正方向とし、画像の下方向をY座標の正方向とした座標系で表現している。かかる座標系においてPiP_horizontal_positionは、この座標系のX座標を現し、PiP_vertical_positionは、この座標系のY座標を現すことになる。
pip_scale[i]: Secondary ビデオのスケーリングタイプを示すフィールドである。スケーリングタイプには、以下のものがある。
0: 予約
1: スケーリングなし (x1)
2: 1/2スケーリング (x1/2)
3: 1/4スケーリング (x1/4)
4: 1.5倍スケーリング (x1.5)
5: フルスクリーンスケーリング
以降、pip_timeline_typeと、pip_metadata_time_stampとの関係について説明する。
pip_timeline_type[k] =1
この場合、ref_to_PlayItem_id[k] で参照されるPlayItem 時間軸上におけるSubPlayItemのIn_Timeの写像点点から始まり、以降、SubPlayItemの時間長に相当する間隔において、ピクチャインピクチャは有効となる。この場合、PiP_metadata_time_stampは、このピクチャインピクチャ有効期間に属する何れかの時刻を、45kHzの時間精度で表現する。このとき、 pip_metadata_time_stamp[0] は、SubPlayItem のIn_Timeを、ref_to_PlayItem_id[k] で参照されるPlayItem のタイムライン上に写像することで得られる写像点に配置される。
ここでセカンダリビデオがショッピング映像であり、本編中に途上する女優が着用している衣服のセールスを申し出るものとする。そしてPlayItem時間軸における時点t1において、画面左端が余白になっており、時点t2において、画面右端が余白になっているものとする。この場合、PiP_metadata_time_stamp[i]をt1とし、PiP_horizontal_position[i]、PiP_vertical_position[i]を、画面左側に設定しておく。またPiP_metadata_time_stamp[i+1]を時点t2とし、PiP_horizontal_position[i+1]、PiP_vertical_position[i+1]を画面右側に設定する。
pip_timeline_type[k] = 2
図33は、PiP_time_line_type“=2”である場合、PiP_metadata_time_stampが時間軸上にどのように配置されるかを示す図である。本図における第1段目、第2段目、第3段目の意味合いは、前図における各段のそれと同じである。
pip_timeline_type[k] =3
ref_to_PlayItem_id[k] で参照されるPlayItem 時間軸上におけるPlayItemのIn_Timeから始まり、Out_Timeで終わる時間間隔において、ピクチャインピクチャは有効となる。PiP_metadata_time_stampは、このピクチャインピクチャ実行期間に属する何れかの時刻を、45kHzの時間精度で表現する。このとき、 pip_metadata_time_stamp[0] は、ref_to_PlayItem_id[k] で参照される PlayItem のIn_Timeに置かれる。
metadata_block_headerのPiP_time_line_typeが=3である場合、ステップS96がYesになり、PlayItem.In_Timeに、PiP_metadata_block.PiP_metadata_time_stamp[0]を配置する(ステップS99)。
また、PlayList情報の途中から、トリック再生を開始する場合、現在実行されているピクチャインピクチャが同期式PiPであるなら、trick_playing_flagを参照して、プライマリビデオに対するトリック再生の実行中、 PiPのためのウィンドウを開き続けるか閉じるかの コンテンツプロバイダ の意思を確認する。このフラグが 0 の場合、PiP ウィンドウを閉じることをコンテンツプロバイダ は意図しているので、ウィンドゥを閉じる。このフラグが 1の場合、PiP ウィンドウを開いておくことをコンテンツプロバイダ は意図しているので、ウィンドゥを開いたままにする。
(第3実施形態)
本実施形態は、複数のセカンダリビデオストリームのそれぞれを、SubPlayItemと対応付けて、これらSubPlayItemから、1つのピクチャインピクチャ再生パスを定義する場合の改良について説明する。
また、第5段目におけるSubPlayItem_IN_timeによって示されるセカンダリビデオ側のVideo Presentation Unitvp1,2と、sync_start_PTS_of_PlayItemによって示されるプライマリビデオ側のVideo Presentation Unitvp3,4とは、MainPath時間軸において、同じ時点に位置することになる。
本実施形態における再生装置の改良は、プレイリスト処理部41が、図38、図39、図40に示したフローチャートの処理手順を実行する点である。
図38は、PlayList情報に基づく再生手順のフローチャートである。本フローチャートは、PlayList情報を構成する.mplsファイルを読み込み(ステップS11)、PlayList情報における先頭のPlayItemをカレントPlayItemにした上で(ステップS12)、このカレントPlayItemに対して、ステップS13〜ステップS25の処理を繰り返すループ構造になっている。このループ構造は、ステップS23を終了条件としたものであり、カレントPlayItemのIn_Timeに対応するAccess Unitから、カレントPlayItemのOut_Timeに対応するAccess Unitまでを読み出しをBD-ROMドライブに命じ(ステップS13)、カレントPlayItemにpreviousPlayItemが存在するか否かを判定して(ステップS14)、判定結果に応じて、ステップS15の処理、ステップS16〜ステップS21の処理を選択的に実行する。具体的には、カレントPlayItemにpreviousPlayItemがなければ(ステップS14でNo)、PlayItem_In_TimeからPlayItem_Out_Timeまでの再生をデコーダに命じる(ステップS15)。
上述したpreviousPlayItemが存在する場合、MainClipにおけるATC_Sequenceが切り替わることになる。この切替において、ATC_delta1と呼ばれるMainClipのためのオフセット値を算出し(ステップS17)、それまでのATC_SequenceにおけるATC値(ATC1)に、ATC_delta1を加算することにより、新しいATC_SequenceのATC値(ATC2)を得る(ステップS18)。
そしてAudio Overrapのミュートをオーディオデコーダ9に指示した上で、PlayItem_In_TimeからPlayItem_Out_Timeまでの再生をデコーダに命じる(ステップS21)。カレントPlayItemがCC=5でないなら、CC=1、CC=6の処理を行う。
ステップS22は、カレントPlayItemと同期再生しているSubPlayItemが存在していて、現在の再生時点(カレントPTM(Presentation TiMe))が、そのSubPlayItemと、次のSubPlayItemとの境界に達したかを判定する。もしステップS22がYesになれば、図39のフローチャートのステップS30を実行する。
もしステップS23がYesになれば、ステップS24に移行する。ステップS24は、カレントPlayItemがPlayList情報における最後のPlayItemになったか否かの判定であり、最後のPlayItemでなければ、PlayList情報における次のPlayItemを、カレントPlayItemにして(ステップS25)、ステップS26を経た上でステップS13に移行する。以上の処理により、PlayList情報における全てのPlayItemに対して、ステップS13〜ステップS24の処理が施されることになる。
ステップS26において、PlayItemの切り替えに伴い、新たなセカンダリビデオストリームが選択された場合、ステップS30では、その新たなセカンダリビデオストリームに対応するSubPlayItemを選択する。
以降、このカレントSubPlayItemに対し、ステップS32〜ステップS41の処理を実行する。先ず始めに、SubPlayItemのIn_Timeに相当するAccess Unitから、Out_Timeに相当するAccess Unitまでの読み出しをローカルストレージ200に命じる(ステップS32)。そしてカレントPlayItemにPrevious SubPlayItemが存在するか否かを判定して(ステップS33)、判定結果に応じて、ステップS34、ステップS35の処理、ステップS36〜ステップS41の処理を選択的に実行する。具体的には、カレントPlayItemにPrevious SubPlayItemがなければ(ステップS33でNo)、カレントPTMが、Sync_Start_Pts_of_PlayItemに到達するのを待ち(ステップS34)、到達すれば、SubPlayItem_In_TimeからSubPlayItem_Out_Timeまでの再生をデコーダに命じる(ステップS35)。
上述した、previousPlayItemが存在する場合、ATC_Sequenceが切り替わることになる。この切替において、ATC_delta2と呼ばれるSubClipのためのオフセット値を算出し(ステップS37)、それまでのATC_SequenceにおけるATC値(ATC1)に、ATC_delta2を加算することにより、新しいATC_SequenceのATC値(ATC2)を得る(ステップS38)。
先行STC_Sequenceにおいて最後に再生されるピクチャの表示開始時刻をPTS1(1stEND)、ピクチャの表示期間をTppとし、後続STC_Sequenceにおいて最初に表示されるピクチャの開始時刻をPTS2(2ndSTART)とした場合、CC=5では、PTS1(1stEND)+Tppの時刻と、PTS2(2ndSTART)の時刻とを一致させる必要があるから、STC_delta2は、
STC_delta2=PTS1(1stEND)+Tpp−PTS2(2ndSTART)
との計算式から算出される。
そしてAudio Overrapのミュートをオーディオデコーダ9に指示した上で、PlayItem_In_TimeからPlayItem_Out_Timeまでの再生をデコーダに命じる(ステップS41)。
このステップS45〜ステップS47では、1つのPlayItem中の連続する2つのSubPlayItemのうち、一方のSubPlayItemから、他方のSubPlayItemへと再生が切り替ったとして、その切り替え後のSubPlayItemを、カレントSubPlayItemとする(ステップS45)。
以上のように本実施形態によれば、1つのPlayItemの中において、カレントのSubPlayItemと、その直前のSubPlayItemとの間には、時間的なギャップがに設けられるので、かかるSubPlayItem間の境界では、ステップS37〜ステップS41のシームレス接続の処理が不要になる。シームレス接続の処理の実行頻度を少なくすることができるので、再生装置を高いクロックで動作させることは必要でなくなり、再生装置を低コストで製造することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、ピクチャインピクチャにおける音声再生の実現に関する。この音声再生は、PlayList情報におけるSTN_tableにて規定される。以降、STN_tableにおける音声についてのstream_entryについて説明する。これまでの説明で登場したプライマリオーディオストリーム、セカンダリオーディオストリームはそれぞれ、プライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームに割り当てられる。つまりプライマリオーディオストリームはプライマリビデオストリーム用の音声として、セカンダリオーディオストリームはセカンダリビデオストリーム用の音声として使用されるのである。そして、これらプライマリビデオストリーム用の音声、セカンダリビデオストリーム用の音声のうち、どれの再生を許可するかが、STN_tableのstream_entryに規定される。
このセカンダリオーディオストリームに対応する情報として、セカンダリビデオストリーム用のstream_entryには、引出線ha5に示すように、Comb_info_Secondary_video_Secondary_audioが存在する。
音声再生のための構成として、再生装置には、カレントプライマリオーディオストリームのストリーム番号と、カレントセカンダリオーディオストリームのストリーム番号とが、それぞれ別々にPSRセット23に格納されている。
<PSR1>
図42(a)は、PSR1のビットアサインを示す図である。
図42(b)は、PSR14のビットアサインを示す図である。
本図によると、32ビット長のPSR14における下位8ビット(b0〜b7)は、セカンダリオーディオストリーム番号であり、カレントPlay ItemのSTN_tableにentryが記述されている複数セカンダリオーディオストリームのうち、1つを特定する。PSR14の設定値が変化すれば、再生装置はこの変化後のセカンダリオーディオストリームを再生する。PSR14は初期値として0xFFが設定されており、再生装置により1〜32の値に設定されうる。この0xFFは、不定値であり、セカンダリオーディオストリームが存在しない旨、又は、セカンダリオーディオストリームが選択されてない旨を示す。1〜32の設定値は、セカンダリオーディオストリームのストリーム番号として解釈される。
これらのセカンダリオーディオストリーム番号は、Procedure実行部42により設定され、Procedure実行部42により更新される。かかるProcedure実行部42により、PSR14におけるセカンダリオーディオストリーム番号は、図43に示すような状態遷移をなす。図43は、PSR14におけるセカンダリオーディオストリーム番号が取り得る状態遷移を示す図である。本図においてValidとは、PSR14のセカンダリオーディオストリーム番号が、Play ItemのSTN_tableに記述されたentry数以下の番号になっていて、尚且つ、デコード可能であることを意味する。
図43における破線枠は、状態遷移時にあたってPSRの値を決定する手順を模式的に示す。PSRの設定処理手順には、『Procedure when playback condition is changed』、『Procedure when Stream change is requested』がある。これらの意味合いは、第1実施形態に示したセカンダリビデオストリームのそれと同じである。
続いて、セカンダリオーディオストリームのProcedure when playback condition is changedの処理手順について説明する。
条件(A):Comb_info_secondary_video_Secondary_audioに規定されたセカンダリオーディオストリーム番号と、PSR14から取得したセカンダリオーディオストリーム番号との比較では、どの番号のセカンダリオーディオストリームと、カレントセカンダリビデオストリームとの組合せが許可されている。
この判定を経た後、ステップS113を実行する。ステップS113では、カレントPlayItemにおけるセカンダリオーディオストリームのSTN_tableにおけるStream_entryの個数が0であるか否かを判定するものである。もし、STN_tableにおけるStream_entryの個数が0であるなら、PSR14のセカンダリオーディオストリーム番号を維持する(ステップS116)。もしSTN_tableにおけるStream_entryの個数が0でなければ、ステップS114の判定を行う。
図45は、カレントPlayItemについて最適なセカンダリオーディオストリームを選択する手順を示すフローチャートである。
ステップS121〜ステップS123は、任意のストリームについて、以下の条件が満たされているかのチェックを、STN_tableにおける全てのstream_entryに記述されているストリームに対して実行する。
条件(a):Comb_info_secondary_video_Secondary_audioに規定されたセカンダリオーディオストリーム番号と、セカンダリオーディオストリームiの番号との比較では、セカンダリオーディオストリームiと、カレントセカンダリビデオストリームとの組合せが許可されている。
以上のチェックを、STN_tableにおいて再生許可されている全てのセカンダリオーディオストリームに対して実行すれば、ステップS124を実行する。
ステップS124は、条件(a)を満たすセカンダリオーディオストリームが存在するか否かを判定する判定ステップである。存在しないなら0xFFとなるセカンダリオーディオストリーム番号をPSR14に設定する(ステップS125)。
図46は、セカンダリオーディオストリームについての処理手順を示すフローチャートである。
ステップS131は、ユーザ操作に応じた番号(番号X)から特定されるセカンダリオーディオストリームが、条件(A)を満たすか否かをチェックする。
条件(A):Comb_info_secondary_video_Secondary_audioに規定されたセカンダリオーディオストリーム番号と、番号Xから特定されるセカンダリオーディオストリーム番号との比較では、番号Xのセカンダリオーディオストリームと、カレントセカンダリビデオストリームとの組合せが許可されている。
もし満たせば、ステップS132の判定を実行する。この判定は、番号XがSTN_tableにおけるstream_entryの総数以下であり、且つ、番号Xに対応するセカンダリオーディオストリームが条件(A)を満たすかどうかを判定するものである。そうであるなら、番号Xにて特定されるセカンダリオーディオストリームを選び、番号XをPSR14に設定する(ステップS142)。否であるなら、ステップS133の判定を行う。これは番号Xが0xFFであるか否かを判定する。この0xFFの意味合いは、第1実施形態における番号Xのそれと同じであり、いわゆる“おまかせ番号”を意味する。もし番号Xが0xFFでないならPSR14における現状のセカンダリオーディオストリーム番号を維持する(ステッS143)。
ここで、チェックの対象となるセカンダリオーディオストリームをセカンダリオーディオストリームiとすると、条件(a)、条件(b)は以下のように規定される。
条件(a):Comb_info_secondary_video_Secondary_audioに規定されたセカンダリオーディオストリーム番号と、セカンダリオーディオストリームiの番号との比較では、セカンダリオーディオストリームiと、カレントセカンダリビデオストリームとの組合せが許可されている。
ループの実行後、ステップS137の判定を実行する。これは条件(a)(b)を満たすストリームが少なくとも1つ存在するか否かを判定する。存在するなら、ステップS138において条件(a)及び条件(b)を満たすセカンダリオーディオストリームのうち、対応するStream_EntryがSTN_tableにおいて先頭順位に位置するものを選択して、選択したセカンダリオーディオストリームの番号を、PSR14に設定する。
以上が本実施形態において、Procedure実行部42によりなされるプロシージャである。続いて、オーディオストリーム再生の特徴の1つである、ミキシング制御部45について説明する。
ここでPlayItem時間軸における現在の再生時点が、SubPlayItem情報のIn_timeからOut_timeまでであり、また、カレントPlayItem情報のSTN_Tableにおいて、セカンダリオーディオストリームが再生許可と設定されている場合、PSR14に格納されたストリーム番号のセカンダリオーディオストリームのデコードが、オーディオデコーダ7bにてなされているので、ミキシング制御部45は、オーディオデコーダ7aの再生出力に対して、オーディオデコーダ7bの再生出力をミキシングするよう、ミキサー9aを制御する。
本実施形態は、ピクチャインピクチャにおける字幕再生の改良に関する。この字幕再生は、PlayList情報におけるSTN_tableにて規定される。以降、STN_tableにおける字幕のためのstream_entryについて説明する。プライマリオーディオストリーム、セカンダリオーディオストリームはそれぞれ、プライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームに割り当てられたが、字幕には、Presentation Graphicsストリーム、textSTストリームという区別はあるものの、プライマリビデオストリーム用、セカンダリビデオストリーム用という明確な区別は存在しない。
「number_of_PiP_PG_textST_stream_entries_plus」は、ピクチャインピクチャアプリケーションのため、STN_tableに定義されているnumber_of_PG_textST_streams_entriesに追加すべきPresentation Graphicsストリーム及びtextSTストリームの個数を示す。このnumber_of_PG_textST_streams_entriesと、number_of_PiP_PG_textST_stream_entries_plusとの和は、255以下になる。
引出線hp2は、「Secondary_video_Stream_entry[1]」の内部構成をクローズアップして示している。この内部構成におけるComb_info_Secondary_video_PiP_PG_textSTには、PGtestSTストリームのうち、セカンダリビデオストリームとの組合せが許可されているものを一意に示している。
一方、ピクチャインピクチャ実行時におけるカレントPGtestSTストリームの番号は、PiP_PG_TextSTストリーム番号と呼ばれ、STN_tableに記載されたPG_text_ST_stream_numberをn1、STN_tableに記載されたnumber_of_PiP_PG_textST_stream_entries_plusをn2とすると、本図の下段に示すように、PiP_PG_TextSTストリーム番号は1からn1+n2までの値をとる。
disp_s_flag
PSR2のb31は、disp_s_flagであり、その1ビットの設定値は以下のように解釈される。
0b: 「PG textST ストリーム」と「PiP PG textST ストリーム」の両方を表示
することは不可となることを示す。
PiP_PG_textST_valid_flag
PSR2のb30は、PiP_PG_textST_valid_flagであり、その1ビットの設定値は以下のように解釈される。
1b: カレントPlayItem 表示中に Secondary ビデオストリームが表示されている場合、PSR2 で定義された PiP PG TextST Stream Numberが用いられる。
カレントPlayItem 表示中に Secondary ビデオストリームが表示されていないとき、PiP_PG_textST_valid_flag は BD-ROM再生装置の表示に影響しない。この場合、PSR2 で定義された PG TextST Stream Numberが用いられる。
PG TextST Stream Number:
PSR2のb0〜b11は、PG TextST Stream Numberであり、その12ビットの設定値は以下のように解釈される。
PiP PG TextST Stream Number:
PSR2のb16〜b27は、PiP PG TextST Stream Numberであり、その12ビットの設定値は以下のように解釈される。
ここで非ピクチャインピクチャのためのPGtestSTストリームのストリーム番号及びその取り扱いは、本実施形態の主眼ではないので説明を省略する。本実施形態では、ピクチャインピクチャのためのPGtestSTストリームの番号について説明する。
図49は、ピクチャインピクチャ用PGtestSTストリームのストリーム番号である、PiP_PG_TextSTストリーム番号がなす状態遷移を示す図である。本図においてValidとは、PSR2におけるPiP_PG_TextSTストリーム番号が、Play ItemのSTN_tableに記述されたentry数以下の番号になっていて、尚且つ、デコード可能であることを意味する。
図49における破線枠は、状態遷移時にあたってPSRの値を決定する手順を模式的に示す。PSR2におけるPGTextSTストリームの設定処理手順には、『Procedure when playback condition is changed』、『Procedure when Stream change is requested』がある。
また、各状態遷移のトリガとなるべき事象には、”Load Disc”、”Change a Stream”,“Start PlayList playback”,“Cross a PlayItem boundary”,“Terminate PlayList playback”がある。これらの意味合いも、第1実施形態に示したセカンダリビデオストリームストリーム番号のそれと同じである。
図50は、PGtestSTストリームについてのProcedure when stream change is requestedの処理手順を示すフローチャートである。
ステップS151においてPSR2からカレントPiP_PG_TextSTストリーム番号を取得し、ステップS152において、カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号は、Presentation GraphicsストリームについてのものかtextSTストリームについてのものかを判定する。ステップS153は、カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号に対応するPresentation Graphicsストリームが、条件(A)、条件(B)、条件(C)を満たすか否かをチェックする。
条件(A):カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号から特定されるPresentation Graphicsストリームをデコードする能力が再生装置に存在する。
条件(B):特定された言語を再生する能力が再生装置に存在する。
一方ステップS154では、カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号に対応するtextSTストリームが、条件(A)、条件(B)、条件(C)を満たすか否かをチェックするものである。
条件(A):カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号のtextSTストリームのキャラクターコードをビットマップに展開する能力が再生装置に存在すること。かかる再生能力は、PSRセット23におけるPSR30に示されている。
条件(C):PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号と、comb_info_Secondary_video_PiP_textST()によるPGtextSTストリーム番号との比較では、PSR14に格納されているカレントセカンダリビデオストリームと、カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号から特定されるPGtextSTストリームとの組合せが許可されていること。
ここで、ある言語の字幕がtextSTストリームで表現されている場合、その言語のtextSTストリームを、“デコードすることができる”といえるには、その言語における文字コードを、ビットマップに展開する能力と、その言語の特性をサポートするサポート能力とが再生装置側に存在する必要がある。
日本語の字幕表示は、“横書き”,“縦書き”,“行末禁則”,“ルビ”という機能がサポートされて初めて、言語特性がサポートされていると判断することができる。
ある言語のtextSTストリームをビットマップに展開することができ、その言語の特性をサポートすることができる場合、上記条件(A)、条件(B)は、満たされているということができる。その言語のtextSTストリームをビットマップに展開することができるが、その言語の特性をサポートすることができない場合、上記条件(B)は満たされず、条件(A)のみが、満たされているということができる。
以上の判定を経た後、ステップS155を実行する。ステップS155は、再生装置は、条件(Z)を満たすか否かを判定するものである
ここで条件(Z)とは、アンサポート言語の字幕を、再生することをユーザが意図していることであり、かかる意図は、PSRセット23におけるPSR30に示されている。
もしステップS158で満たさないと判定されたなら、ステップS160の判定を実行する。これは、カレントPiP_PG_TextSTストリーム番号がSTN_tableにおけるstream_entryの総数以下であり、且つ、条件(A)を満たすかどうかを判定するものである。もし満たすなら、PSR2には、アンサポート言語のテキスト字幕のPiP_PG_TextSTストリーム番号が設定されているが、ユーザはアンサポート言語の再生を意図しているので、PSR2を変化させない(ステップS161)。ステップS160において満たさないと判定されたなら、カレントPlayItemについて最適なストリームを選択する(ステップS162)。
図51は、カレントPlayItemについて最適なPGTextSTストリームを選択する処理手順を示すフローチャートである。
ステップS1 90において、全てのPGTextSTストリームについて、条件(a)〜条件(d)を満たすかどうかをチェックする。
条件(a):Presentation Graphicsストリームiをデコードする能力が再生装置に存在する。
条件(b):Presentation Graphicsストリームiから特定された言語を再生する能力が再生装置に存在する。
条件(d):Presentation GraphicsストリームiのPG_language_codeが、再生装置における言語設定と一致している。ここで、再生装置における言語設定は、PSRセット23におけるPSR17に示されている。
条件(a):textSTストリームiのキャラクターコードをビットマップに展開する能力が再生装置に存在すること。
条件(b):textSTストリームiの言語属性をサポートする能力が再生装置に存在すること。
条件(d):textSTストリームiのtextST_language_codeが、再生装置における言語設定と一致していること。
存在しない場合、ステップS199において、条件(a)、条件(c)を満たすPGTextSTストリームが存在するかを判定する。存在する場合、条件(a)、条件(c)を満たすPiP_PGtestSTストリームのうち、対応するStream_EntryがSTN_tableにおいて先頭順位に位置するものを選択して、選択したもののPiP_PG_TextSTストリーム番号を、PSR2に設定する(ステップS200)。存在しない場合、0xFFFをPSR2に設定する(ステップS201)。
図52は、PGTextSTストリームについてのProcedure when stream change is requestedの処理手順を示すフローチャートである。
ステップS171では、ユーザ操作に応じて取得した番号Xは、Presentation GraphicsストリームについてのPiP_PG_TextSTストリーム番号を意味するか、textSTストリームについてのPiP_PG_TextSTストリーム番号を意味するかを判定する。ステップS172は、番号Xに対応するPresentation Graphicsストリームが、以下の条件(A)、条件(B)、条件(C)を満たすか否かをチェックする。
条件(B):特定されたPresentation Graphicsストリームの属性となる言語を、再生する能力が再生装置に存在すること。
条件(C):PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号と、comb_info_Secondary_video_PiP_textST()によるPGtextSTストリーム番号との比較では、カレントセカンダリビデオストリームと、番号Xから特定されるPGtextSTストリームとの組合せが許可されていること。
ステップS173は、番号Xに対応するtextSTストリームが、以下の条件(A)、条件(B)、条件(C)を満たすか否かをチェックする。
条件(B):番号Xに対応するtextSTストリームの言語属性をサポートする能力が再生装置に存在すること。
条件(C):PSR14におけるセカンダリビデオストリーム番号と、comb_info_Secondary_video_PiP_textST()によるPGtextSTストリーム番号との比較では、カレントセカンダリビデオストリームと、番号Xから特定されるPGtextSTストリームとの組合せが許可されていること。
ステップS174では、再生装置は、条件(Z)を満たすか否かをチェックし、ステップS175の判定を行う。この判定は、番号がSTN_tableにおけるstream_entryの総数以下であり、且つ、条件(A)を満たすかどうかを判定する。もし満たすなら、番号XにあたるPiP_PG_TextSTストリーム番号のPGTextSTストリームを選択して、PSR2に設定する(ステップS176)。
0xFFFであるなら、カレントPlayItemについて最適なPGTextSTストリームを選択する(ステップS181)。この最適なPGTextSTストリームの選択は、図51に示したものと同じである。
以上のように本実施形態によれば、ピクチャインピクチャが有効である場合、number_of_PG_textST_streams_entriesと、number_of_PiP_PG_textST_stream_entries_plusとを足しあわせた数値範囲のの中から、PiP_PG_TextSTストリーム番号が選ばれ、このPiP_PG_TextSTストリーム番号に対応するPresentation Graphicsストリーム又はtextSTストリームを再生するので、あるときは、プライマリビデオストリームに適した字幕を動画像と共に再生させ、またあるときは、セカンダリビデオストリームに適した字幕を動画像と共に再生させることができ、字幕選択の幅を広げることができる。
本実施形態では、これまでの実施形態で述べた、BD-ROMの制作及び工業的な生産について、詳しく説明する。
<BD-ROMの制作>
先ず初めに、企画工程を行う。この工程では、BD-ROMをどのような筋書きで再生させるかを決める。
そしてフォーマット工程を行う。この工程は、企画工程において作成された筋書きと、素材とからBD-ROMのボリューム領域に記録すべきデータの全体像(一般にボリュームデータという)を得るものである。
こうして、プレス装置によって原盤が作成されれば、BD-ROMを工業的に大量に生産する。この生産は主に、基板成形、反射膜成膜、保護膜コーティング、張り合わせ、レーベルの印刷といった諸工程からなる。
<追加コンテンツの作成工程>
映画作品を、BD-ROMコンテンツと、追加コンテンツとで構成する場合は、上述した企画工程からフォーマッティング工程までを実行する。そうして、1つのボリュームデータを構成するAVClip、Clip情報、PlayList情報が得られれば、これらのうち、既にBD-ROMにて供給すべきものを除外し、残ったものを、追加コンテンツとして、アーカイバプログラム等で1つのファイルにまとめる。こうした処理を経て、追加コンテンツが得られれば、かかる追加コンテンツをWWWサーバに供し、再生装置からの要求に応じて、再生装置に送出する。
上述した複数工程のうち、フォーマッティング工程は、BD-ROM制作の中核になるものであり、オーサリングシステムと呼ばれる専用のシステムでなされる。本システムは、制作スタジオに設置され、ユーザの使用に供される。図53は、第6実施形態に係るオーサリングシステムの内部構成を示す図である。以降、本図を参照しながら、オーサリングシステムについての説明を行う。
1)タイトル構造作成装置51
タイトル構造作成装置51は、Index.bdmvで示される各タイトルがどのようなコンテンツで構成されるかを決定する。本装置による決定は、タイトル構造情報を作成することでなされる。タイトル構造情報とは、木構造を用いて、タイトル、Movieオブジェクト、BDJオブジェクト、プレイリスト間の関係を規定する情報である。具体的にいうと、タイトル構造情報は、制作しようとするBD-ROMの「ディスク名」に対応するノード、そのBD-ROMにおいて、Index.bdmvから再生可能となる「タイトル」に対応するノード、そのタイトルを構成する「Movieオブジェクト及びBDJオブジェクト」に対応するノード、当該Movieオブジェクト及びBDJオブジェクトを構成するコマンドから再生される「プレイリスト」のノードを規定して、これらノードを、エッジ(辺)で結び付けることで、タイトル、Movieオブジェクト、BDJオブジェクト、プレイリスト間の関係を規定する。タイトル構造情報においてPlayList情報は、00001.mpls,00002.mplsというような、ファイル名ではなく、MainPlaylist, MenuPlaylistというような、抽象的な名称で記載される。以上のような木構造を、ユーザからの対話操作に基づいて作成してゆくことで、本装置は、タイトル構造情報を完成させてゆく。
2)リールセット編集装置52
リールセット編集装置52は、ビデオ、オーディオ、字幕、ボタンなど映画として完結する複数のエレメンタリーストリームの関係を決定する。例えば、1本の映画が1本のビデオ、2本のオーディオ、3本の字幕、1本のボタンストリームから成る場合に、それらで一本の映画となることを指定し、また、映画本編に対して、一部分だけ映像が異なるようなディレクターズカットを指定したり、複数のアングルを持つマルチアングルを設定したりする機能を有する。リールセット編集装置52から出力されるリールセットファイルとは、前述のような情報をまとめたものである。
3)BDシナリオ生成装置53
BDシナリオ生成装置53とは、メニュー編集部53aと、シナリオ編集部53bとから構成される。
メニュー編集部53aは、GUIを経由したユーザ操作に従って、Interactive Graphics Streamを構成するボタンの配置や、ボタンに付加されるコマンド、ボタンアニメーションなどの機能を作成する。
(シナリオ編集部53b)
シナリオ編集部53bは、GUIを経由したユーザ操作に従った編集処理をタイトル構造作成装置51によって作成されたタイトル構造情報に施すことにより、シナリオを作成し出力する。ここでシナリオとは、デジタルストリームの再生にあたって、タイトル単位での再生を再生装置に行わせる情報であり、BD-ROMではIndexTable、MovieObject、PlayListとして定義されている情報がシナリオにあたる。BD-ROMシナリオデータには、ストリームを構成する素材情報、再生経路情報、メニュー画面配置、メニューからの遷移情報などを含み、ユーザーはこれらの情報の検証が完了するまでシナリオ生成装置を用いシナリオ編集作業を行う。このシナリオ編集作業では、シナリオ編集部53bは、タイトル構造情報のプレイリストリストの内容を設定する。かかるシナリオ編集作業により第1実施形態、第4実施形態、第5実施形態に示したSTN_tableや、第2実施形態に示したPiP_metadataをプレイリストの構成要素として定義することで、これらの構成要素は、BD-ROMシナリオデータに組込まれることになる。
また、BDシナリオ生成装置53は、前述したシームレス動画メニューのデータ構造のシナリオを作成することが可能である。ユーザはGUIを経由した操作によって、メニュー編集部53aを利用し、メニューの背景映像としてシームレスに再生したい映像を選択する。シナリオ編集部53bは、シームレス動画メニューのデータ構造にあうようにプレイリストを作成する。プレイリストをAVClipの数に合うようにプレイアイテムの個数を調整し、BD-ROMシナリオデータとして出力する。そのとき、マルチプレクサ56eで多重化を実現するパラメータとして、各AVClipをシームレスに再生するように設定を行う。
Java(登録商標)(TM)プログラミング装置54は、IDクラス作成部54aと、Java(登録商標)(TM)プログラム編集部54b、BDJオブジェクト作成部54cから構成される。
(IDクラス作成部54a)
IDクラス作成部54aは、タイトル構造作成装置51によって作成されたタイトル構造情報を利用しIDクラスソースコードを作成する。IDクラスソースコードとは、Java(登録商標)(TM)プログラムが最終的にディスク上に作成されるIndex.bdmvやPlayList情報にアクセスするためのJava(登録商標)(TM)クラスライブラリのソースコードである。このIDクラスソースコードからコンパイルが得るJava(登録商標)(TM)クラスライブラリをIDクラスライブラリと呼ぶことにする。
Java(登録商標)(TM)プログラム編集部54bは、GUI等のユーザインターフェースを通じて、ユーザからの要求に従って、Java(登録商標)(TM)プログラムのソースコードを作成し、Java(登録商標)(TM)プログラムソースコードを出力する。Java(登録商標)(TM)プログラムによる、Index.bdmv、プレイリストの参照は、IDクラスライブラリにてなされる。
BDJオブジェクト作成部54cは、Java(登録商標)(TM)プログラム編集部54bで作成したJava(登録商標)(TM)プログラムソースコードとIDクラス作成部54aによって作成したIDクラスソースコードとを元に、BDJオブジェクト生成情報を作成する。BDJオブジェクト生成情報とは、最終的にBD-ROMに記録されるべきBDJオブジェクトの雛形となる情報であり、再生すべきプレイリストを、00001.mpls,00002.mplsというような具体的なファイル名ではなく、IDクラスライブラリで定義された変数名を用いて、指定している。
5)素材作成/インポート装置55は、字幕作成部55a、オーディオインポート部55b、ビデオインポート部55c、Java(登録商標)(TM)インポート部55dから構成される。入力されるビデオ素材、オーディオ素材、字幕用素材、Java(登録商標)(TM)プログラムソースコード等を、BD-ROM規格に準拠したビデオストリーム、オーディオストリーム、字幕データ、Java(登録商標)(TM)プログラムソースコード等に変換し、ディスク作成装置56に受け渡す部である。
字幕作成部55aは、字幕と表示タイミング、およびフェードイン/フェードアウトなどの字幕の効果を含む字幕情報ファイルを元にして、BD-ROM規格に準拠した字幕データを生成して出力する。
(オーディオインポート部55b)
オーディオインポート部55bは、あらかじめACー3などで圧縮されているオーディオが入力された場合には、対応するビデオに対するタイミング情報などを付加したり、余分なデータを削除する等処理を施した上で出力する。圧縮されていない場合には、ユーザーが指定するフォーマットに変換して出力される。
ビデオインポート部55cは、あらかじめMPEG2、MPEG4-AVC、VC-1などの方式で圧縮されているビデオストリームが入力された場合、必要に応じて不必要な情報を削除するなどしてから後、出力される。また、あらかじめ圧縮されていない非圧縮ビデオファイルが入力された場合には、かかるビデオファイルはビデオエンコーダーに入力され、ユーザーが指定するパラメーターに従って、圧縮された後、出力される。
ディスク作成装置56は、ID変換部56a、静止画エンコーダー56b、データベース生成部56c、Java(登録商標)(TM)プログラムビルド部56d、マルチプレクサー56e、フォーマット部56f、ディスクイメージ作成部56gから構成される。
(ID変換部56a)
ID変換部56aは、Java(登録商標)(TM)インポート部55dによって、ディスク作成装置56に渡されたIDクラスソースコードを、タイトル番号、プレイリスト番号に変換する。また、ID変換部56aは、BDJオブジェクト生成情報についても、BDJオブジェクト内で定義されるプレイリスト名が、実際のディスク上のプレイリスト番号と一致するよう変換する。
静止画エンコーダー56bは、入力されたBD-ROMシナリオデータに静止画または静止画が保持されている場所が含まれる場合に、入力素材に含まれる静止画用イメージの中から該当する静止画を選択し、BD-ROMに準拠したMPEG2、MPEG4-AVC、VC1のいずれかの形式に変換する。
データベース生成部56cは、入力されたBD-ROMシナリオデータ、ID変換部56aから渡されるBDJオブジェクト生成情報を元にして、BD-ROMに準拠したシナリオデータのデータベースを生成する。ここでのデータベースとは、前述のBD-ROMで定義されるIndex.bdmv、Movieオブジェクト、プレイリスト、BDJオブジェクトなどの総称である。
Java(登録商標)(TM)プログラムビルド部56dは、ID変換部56aによって変換されたIDクラスソースコードと、Java(登録商標)(TM)プログラムソースコードとに対してコンパイル処理を行い、Java(登録商標)(TM)プログラムを出力する。
(マルチプレクサー56e)
マルチプレクサー56eは、BD-ROMシナリオデータに記述されているビデオ、オーディオ、字幕、メニューを実現する複数のエレメンタリーストリームを多重化して、MPEG2-TS形式のAVClipと呼ばれるデジタルストリームを得るための部である。また、マルチプレクサー56eは、前記AVClipを出力すると同時に、AVClipに関する情報を持つClip情報を出力する。
(フォーマット部56f)
フォーマット部56fは、前述のデータベース、AVClip、Java(登録商標)(TM)プログラムを入力とし、BD-ROMフォーマットに適合したデータ構造で、ファイルの配置処理を行う。BD-ROMの応用層を規定するディレクトリ構造を作成し、各ファイルを適切な箇所に配置する。この時、フォーマット部56fは、木構造を定義することでJava(登録商標)(TM)プログラムとAVClipの関連付けを行う。かかる関連付けにより、再生に用いられる複数のファイルは、ブロックという単位にカテゴライズされる。以上のような木構造を、ユーザからの対話操作に基づいて作成してゆくことで、本装置は、ファイル同士の関連付けを完成させてゆく。
ディスクイメージ作成部56gは、前述のデータベース、AVClipを入力とし、これらにBD-ROMフォーマットに適合したアドレスに割り付けてボリュームイメージを得る。
ボリュームイメージの作成にあたって、ディスクイメージ作成部56gは、関連あるファイル群が物理的に連続になるように配置する、これにより再生するときのディスクの読み出しを効率的に行うことが出来るようになる。シームレスフラグがOnになっているブロックについては、このブロックに属するAVClipがシームレスに再生されるように配置する。具体的には、前述したシームレスに再生するための物理的な配置の条件である最小エクステントサイズや最大ジャンプ距離を条件に満たすようにディスク内での配置を行う。
検証装置57は、エミュレーター部57aとベリファイアー部57bとからなる。
エミュレーター部57aでは、前述のボリュームイメージを入力として、実際の映画コンテンツを再生し、制作者が意図した通りの動作、例えばメニューから本編映画への遷移が正しく行われているか、字幕切り替えやオーディオ切り替えは意図したとおりに動作しているか、映像やオーディオの品質は意図したとおりにできているかなどを検証する。
Out_of_MUXストリームでピクチャインピクチャを実現するにあたっては、STN_tableにおいて同時に再生することが許可されている複数のエレメンタリストリームにおける、TSパケットの、1秒当たりの総ビット量を、48Mbit以下に制限せねばならない。この制限が満たされているかどうかを確認するため、ベリファイアー部57bは、ATC時間軸上の任意の1秒という期間において、ビット量がこの制限以下であるかを確認するこの1秒という単位時間は、“Window”と呼ばれ、ATC Sequenceの時間軸上の任意の位置に置かれる。つまり、デコードエレメンタリストリームにおけるビット量は、どのような1秒の期間においても、この48Mbit以下という条件を満たす必要がある。
次に図54を参照しながら、フォーマッティング工程における処理の流れについて説明する。
ステップS302にて、ユーザはBDシナリオ生成装置53を利用し、シームレス動画メニューの構成を持つシナリオデータの作成を行う。これにより、BD-ROMシナリオデータには、シームレス動画メニューのためのプレイリストが作成される。
ステップS304にて、ユーザはJava(登録商標)(TM)プログラム装置54によってJava(登録商標)(TM)タイトル用のJava(登録商標)(TM)プログラムソースコード、プログラム付加情報、IDクラスソースコードを作成する。
ステップS306にて、ディスク作成装置56は、ID変換部56aを利用し、IDクラスソースコード、BDJオブジェクト生成情報における記述を、実際のディスク上のタイトル番号、プレイリスト番号に変換する。
ステップS308にて、静止画エンコーダ56bは、BD-ROMシナリオデータに静止画または静止画が保持されている場所が含まれる場合には、該当する静止画をBD-ROMに準拠したMPEG2、MPEG4-AVC、VC1のいずれかの形式に変換する。
ステップS310にて、データベース生成部56cは、BD-ROMシナリオデータに従って、BD-ROMに準拠したデータベース情報を作成する。
ステップS311にて、フォーマト部56fは、ステップS307で作成されたJava(登録商標)(TM)プログラム、ステップS309で作成されたAVClip、ステッステップS10で作成されたデータベースを入力とし、BD-ROMに準拠したフォーマットでファイルの配置を行う。このとき、Java(登録商標)(TM)プログラムとAVClipの関連付けを行い、ファイル関連情報を作成する。
ステップS313にて、検証部57は、ステップS12にて作成されたディスクイメージの検証を行う。もしエラーが発生した場合は、然るべき前工程に戻って作業のやり直しを行う。
プライマリビデオストリームをセカンダリビデオストリームに多重化する際、それぞれのGOP内の各ピクチャの表示時刻を示すPTS、各ピクチャのデコード時刻を示すDTSの値を比べ、プライマリビデオを構成するピクチャと、セカンダリビデオを構成するピクチャとがだいたい同じか、或は、近傍に配置されるように多重化を行ってゆく。
図55の第1段目、第2段目は、同一のATC時間軸に配置された、プライマリビデオストリームを構成するTSパケット列、セカンダリビデオストリームを構成するTSパケット列を示す。
ここでプライマリビデオストリームを構成するTSパケットは、ATC時間軸における全ての座標に存在する訳ではなく、GOP近辺に相当する座標が空きになっている。これは、かかる空きの座標に、プライマリビデオにおけるピクチャと同期再生すべき他の種別のデータを、配置しようという意思の現れである。この空きの座標、つまり、プライマリビデオストリームのTSパケットにより占有されていない座標に、セカンダリビデオストリームのTSパケットが配置されるよう、当該TSパケットにアタイムスタンプを付与するのである。第3段目は、多重化で得られたトランスポートストリームを示す。
(同期再生)
プライマリビデオとセカンダリビデオは、エレメンタリーストリームとしては別々のストリームであるが、セカンダリビデオストリームをIn-MUXストリームとする場合、再生時において、1本のトランスポートストリームの先頭から順に読み込んでいけば、必要な時刻に必要はプライマリビデオとセカンダリビデオのストリームを取り出すことができる。しかし、スキップ操作や時間指定のジャンプ操作により、ストリームの先頭からではなく、ストリームの途中から再生が必要な場合、プライマリビデオおよびセカンダリビデオのGOP境界を考慮する必要がある。
ストリーム側でGOP境界をアラインする場合は、どこから再生を開始するかということが重要となる。再生装置は再生開始点を時刻で指定された場合、EP_mapを参照することにより、時刻情報をSPNに変換して、再生開始する位置を特定する。
図58は、プライマリビデオとセカンダリビデオのそれぞれに対して設けられたEP_mapを示す図である。第1段目、第3段目の意味合いは、前図における各段のそれと同じである。第2段目は、プライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームのそれぞれに設定されたEP_mapを示す。本図のようにEP_mapを設定しておけば、再生開始点を時刻で与えられると、対応するEP_mapをプライマリビデオ、セカンダリビデオ側のそれぞれから探し出し、時刻情報に対応するSPNのうち、より前方に位置するアドレスから再生を開始すれば、指定した時刻のプライマリビデオ、セカンダリビデオのGOPを先頭から読み出すことが可能である。これが、再生機器側で開始位置を判断する方法である。それぞれのEP_mapに登録する時刻情報を同じにしておけば、ある時刻を指定した時に、プライマリビデオとセカンダリビデオの対応する開始アドレスが取得できる。
そしてこうして得られたSPNを比較する。 SPN1が、SPN2より小さければ、SPN1をBD-ROMのアドレスに変換する。SPN2が、SPN1より小さければ、SPN2をBD-ROMのアドレスに変換する。
なお、プライマリビデオやセカンダリビデオが複数存在する場合、表示する必要のあるビデオストリームの再生開始位置のうちもカット、シーンも開始アドレスが早いものを利用すればよく、表示されないものまで対象としてアドレスの探索を行う必要はない。
本実施形態は、チャプターによる再生を再生装置に実現させる改良に関する。映画タイトルでは、シーンや内容ごとに区切られた、チャプターと呼ばれる区間が定義されており、ユーザーはチャプターを指定して、選んだチャプターの先頭から再生を開始できるように作られていることが多い。このチャプター選択というアプリケーションを、ピクチャ・イン・ピクチャに適用することを考える。
図59は、PlayList情報に存在するPlayListMark情報を示す。本図における第2段目、第3段目は、プライマリビデオストリーム及びセカンダリビデオストリームのGOPを示し、第1段目は、PlayListMark情報を示す。このPlayListMark情報は、複数のチャプター番号のそれぞれに、時刻情報を対応付けることで構成される。
EP_mapがプライマリビデオにのみ設定されている場合は、マークをプライマリビデオに対して設定して、同期再生すべきセカンダリビデオの開始位置は、プライマリビデオの開始位置よりも後方しておけばよい。。
チャプター境界と同様に、タイトル内の時間軸上の1点を指定できるマークを使うことにより、ユーザーのスキップ操作でジャンプする点を規定することも可能である。スキップ点に対するGOPの配置の制約、スキップ点からの再生方法は、チャプター先頭の場合と同様である。
スキップ点がプライマリビデオに対して設定されている場合、セカンダリビデオが表示されていても、表示されていなくても、いつもユーザーはそのスキップ点を指定して、再生位置をジャンプさせることが可能である。映画本編映像のシーン変化点などにスキップ点を設定するような場合にあたる。それに対して、監督の解説映像などであるセカンダリビデオに対してスキップ点を設定する場合、対象となる映像が表示されているとき以外にスキップ点が有効になってはユーザーに混乱を与えることになる。
監督の解説映像であるセカンダリビデオストリーム#1は、途中で解説の内容が変わるため、スキップ点を設定してある。この時、セカンダリビデオストリーム#1が表示されていればユーザーはこのスキップ点(マーク番号2)を指定してジャンプできるが、セカンダリビデオストリームを表示していなかったり、セカンダリビデオストリーム#2を表示している場合は、このスキップ点にジャンプできないようにしておくべきである。
このストリーム指定フィールドが、指定無し(全体)であれば、セカンダリビデオストリームの表示如何にかかわりなく、このマーク情報点に対するチャプタージャンプが許可される。このストリーム指定フィールドが、セカンダリビデオストリーム#1であれば、セカンダリビデオストリーム#1の再生時においてのみ、このマーク情報点に対するチャプタージャンプを再生装置に許可する。
このようにストリーム個別にスキップ点を設定すれば、表示されている内容に従って、ユーザーが適切な位置にジャンプできるような仕組みを提供することができる。
(第8実施形態)
プライマリビデオ及びセカンダリビデオがインターレス映像である場合の改良である。ピクチャデータは、以下のTOPフィールド、Bottomフィールドから構成される。TOPフィールドは、フレームを構成するラインのうち、奇数番目に現れるもの(奇数ライン)を寄せ集めたものをいう。Bottomフィールドは、フレームを構成するラインのうち、偶数番目に現れるもの(偶数ライン)を寄せ集めたものをいう。
図61(c)は、合成すべきビデオフィールドが、逆位相になる組合せを示す。逆位相になる組合せとは、本図に示すように、プライマリビデオがトップフィールドになり、セカンダリビデオがボトムフィールドになる組合せ、プライマリビデオがボトムフィールド、セカンダリビデオがトップフィールドになる組合せをいう。
再生出力が不能となるピクチャインピクチャ画像、つまり、(b)の合成画像の発生を避けるため、本実施形態に係る記録媒体では、セカンダリビデオの配置位置及び表示時点を以下のように調整している。
ここでPiP_metadata_blockにおけるPiP_horizontal_position、PiP_vertical_positionで規定すべき座標を(Px,Py)とした場合、配置位置の調整は、矢印sd1に示すように、この座標(Px,Py)を、上下方向にスライドすることでなされる。
図64は、セカンダリビデオのフィールドFyを、同位相のプライマリビデオのフィールドと同時に表示するケースを示す図である。本図のケースにおいて、PiP_metadata_blockにおけるPiP_horizontal_position、PiP_vertical_positionで規定すべき座標(Px,Py)のPyは、プライマリビデオのフィールドにおける複数の偶数ラインのうち、1つ(図中のeven1)から選ぶ。こうすることにより、ピクチャインピクチャは、再生出力が可能なパターンとなる。
(第9実施形態)
本実施形態は、先の実施形態で述べたようなPiP_metadata_blockに対する調整がオーサリング時になされていない場合、これを再生装置側で補充する改良に関する。
(第10実施形態)
本実施形態は、各実施形態にかかる再生装置に、Java(登録商標)(TM)2Micro_Edition(J2ME) Personal Basis Profile(PBP 1.0)と、Globally Executable MHP specification(GEM1.0.2)for package media targetsとをフル実装することでJava(登録商標)(TM)プラットフォームを構成し、BD-Jアプリケーションを再生装置に実行させる場合の改良である。
(備考)
以上、本願の出願時点において、出願人が知り得る最良の実施形態について説明したが、以下に示す技術的トピックについては、更なる改良や変更実施を加えることができる。各実施形態に示した通り実施するか、これらの改良・変更を施すか否かは、何れも任意的
であり、実施する者の主観によることは留意されたい。
BD-ROMの装填やユーザ操作、装置の状態に応じてタイトルを選択する“モジュールマネージャ”を再生装置に設けるのが望ましい。BD-ROM再生装置内のデコーダは、この“モジュールマネージャ”によるタイトル選択に応じて、プレイリスト情報に基づくAVClipの再生を行う。
各実施形態に示したローカルストレージ内の各領域は、BD-ROMにおけるディスクルート証明書に対応するディレクトリの配下に設けるのが望ましい。
ディスクルート証明書とは、このBD-ROMを作成した作成者が、ルート認証局から配布を受けたルート証明書を、BD-ROMに割り当てたものである。ディスクルート証明書はたとえばX.509の形式で符号されている。X.509の仕様は国際電信電話諮問委員会より発行されており、CCITT Recommendation X.509 (1988), "The Directory - Authentication Framework"に記載されている。
(制御手順の実現)
各実施形態においてフローチャートを引用して説明した制御手順や、機能的な構成要素による制御手順は、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていることから、自然法則を利用した技術的思想の創作といえ、“プログラムの発明”としての成立要件を満たす。
本発明に係るプログラムは、コンピュータが実行することができる実行形式のプログラム(オブジェクトプログラム)であり、実施形態に示したフローチャートの各ステップや、機能的構成要素の個々の手順を、コンピュータに実行させるような1つ以上のプログラムコードから構成される。ここでプログラムコードは、プロセッサのネィティブコード、JAVA(登録商標)バイトコードというように、様々な種類がある。またプログラムコードによる各ステップの実現には、様々な態様がある。外部関数を利用して、各ステップを実現することができる場合、この外部関数をコールするコール文が、プログラムコードになる。また、1つのステップを実現するようなプログラムコードが、別々のオブジェクトプログラムに帰属することもある。命令種が制限されているRISCプロセッサでは、算術演算命令や論理演算命令、分岐命令等を組合せることで、フローチャートの各ステップが実現されることもある。
コンパイラによる翻訳は、構文解析、最適化、資源割付、コード生成といった過程からなる。構文解析では、ソースプログラムの字句解析、構文解析および意味解析を行い、ソースプログラムを中間プログラムに変換する。最適化では、中間プログラムに対して、基本ブロック化、制御フロー解析、データフロー解析という作業を行う。資源割付では、ターゲットとなるプロセッサの命令セットへの適合を図るため、中間プログラム中の変数をターゲットとなるプロセッサのプロセッサが有しているレジスタまたはメモリに割り付ける。コード生成では、中間プログラム内の各中間命令を、プログラムコードに変換し、オブジェクトプログラムを得る。
(コントローラ22)
コントローラ22は、一個のシステムLSIとして実現することができる。
ここでパッケージの種別に着目するとシステムLSIには、QFP(クッド フラッド アレイ)、PGA(ピン グリッド アレイ)という種別がある。QFPは、パッケージの四側面にピンが取り付けられたシステムLSIである。PGAは、底面全体に、多くのピンが取り付けられたシステムLSIである。
先に“組込プログラムとしての使用”で述べたように、命令ROMには、プログラムにあたるロードモジュールや、基本入出力プログラム(BIOS)、様々なミドルウェア(オペレーションシステム)が書き込まれる。本実施形態において、特に創作したのは、このプログラムにあたるロードモジュールの部分なので、プログラムにあたるロードモジュールを格納した命令ROMを、内部に実装することにより、本発明に係るシステムLSIは生産することができる。
そうして、各構成要素を具現化してゆけば、回路素子やIC,LSI間を接続するバスやその周辺回路、外部とのインターフェイス等を規定する。更には、接続線、電源ライン、グランドライン、クロック信号線等も規定してゆく。この規定にあたって、LSIのスペックを考慮して各構成要素の動作タイミングを調整したり、各構成要素に必要なバンド幅を保証する等の調整を加えながら、回路図を完成させてゆく。
ここで実装設計は、自動配置と、自動配線とからなる。
CAD装置を利用する場合、この自動配置は、“重心法”と呼ばれる専用のアルゴリズムを用いて実現することができる。自動配線は、回路図上の部品のピン同士を接続するような接続線を、金属箔やビアを用いて規定する。CAD装置を利用する場合、この配線処理は、“メーズ法”“ラインサーチ法”と呼ばれる専用のアルゴリズムを用いて実現することができる。
さらに、各記録再生装置の構成要素の一部又は全てを1つのチップとして構成してもよい。集積回路化は、上述したSoC実装,SiP実装に限るものではなく、専用回路又は汎用プロセスで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なシリコンフィギュラブル・プロセッサを利用することが考えられる。更には、半導体技術の進歩又は派生する技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積回路化を行っても良い。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてありうる。
(アーキテクチャ)
本発明にかかるシステムLSIは、BD-ROM再生装置への組込みを想定しているので、システムLSIは、Uniphierアーキテクチャに準拠させるのが望ましい。
・データ並列プロセッサDPP
これは、複数の要素プロセッサが同一動作するSIMD型プロセッサであり、各要素プロセッサに内蔵されている演算器を、1つの命令で同時動作させることで、ピクチャを構成する複数画素に対するデコード処理の並列化を図る。このような並列化の実現により、ビデオストリームに対するデコードを実現する。先に述べたビデオデコーダは、このデータ並列プロセッサとして実装される。
これは、命令RAM、命令キャッシュ、データRAM、データキャッシュからなる「Local Memory Contoroller」、命令フェッチ部、デコーダ、実行ユニット、レジスタファイルからなる「Processing Unit部」、複数アプリケーションの並列実行をProcessing Unit部に行わせる「Virtual Multi Processor Unit部」で構成される。ビデオデコーダ以外のグラフィクスデコーダやオーディオデコーダは、この命令並列プロセッサIPPとして、システムLSI内に実装される。
これは、ARMコア、外部バスインターフェイス(Bus Control Unit:BCU)、DMAコントローラ、タイマー、ベクタ割込コントローラといった周辺回路、UART、GPIO(General Purpose Input Output)、同期シリアルインターフェイスなどの周辺インターフェイスで構成される。先に述べたコントローラは、このCPUブロックとしてシステムLSIに実装される。
これは、USBインターフェイスやATA Packetインターフェイスを介して、外部バス上に接続されたBD-ROMドライブ装置、ハードディスクドライブ装置、SDメモリカードドライブ装置とのデータ入出力を行う。
・AVI/Oブロック
これは、オーディオ入出力、ビデオ入出力、OSDコントローラで構成され、テレビ、AVアンプとのデータ入出力を行う。
これは、外部バスを介して接続されたSD-RAMの読み書きを実現するブロックであり、各ブロック間の内部接続を制御する内部バス接続部、システムLSI外部に接続されたSD-RAMとのデータ転送を行うアクセス制御部、各ブロックからのSD-RAMのアクセス要求を調整するアクセススケジュール部からなる。
(c)合成すべきビデオフィールドが、逆位相になる組合せを示す。
1b,c リードバッファ
1a,b,c ATCカウンタ
2a,d Source Depacketizer
2c,d ATCカウンタ
3a,c STCカウンタ
3b,d PID Filter
4a Transport Buffer
4c Elementary Buffer
4d ビデオデコーダ
4e リオーダバッファ
4f Decoded Picture Buffer
4g ビデオプレーン
5a Transport Buffer
5c Elementary Buffer
5d ビデオデコーダ
5e リオーダバッファ
5f Decoded Picture Buffer
5g ビデオプレーン
6a,b Transport Buffer
7a,b バッファ
8a,b オーディオデコーダ
9a ミキサー
11a Transport Buffer
11b Interactive Graphicsデコーダ
11c Interactive Graphicsプレーン
12a Transport Buffer
12b バッファ
12c Text based subtitle decorder
13a Transport Buffer
13b Presentation Graphicsデコーダ
13c Presentation Graphicsプレーン
21 メモリ
22 コントローラ
23 PSRセット
24 PID変換部
25 ネットワーク部
26 操作受付部
41 プレイリスト処理部
42 Procedure実行部
43 PiP制御部
44 ミキシング制御部
100 BD-ROM
200 ローカルストレージ
300 再生装置
400 テレビ
500 AVアンプ
Claims (9)
- プレイリスト情報に従って、主たる再生区間が定義されたプライマリビデオストリームと、従たる再生区間が定義されたセカンダリビデオストリームとを、再生する再生装置であって、
プライマリビデオストリーム及びセカンダリビデオストリームは、TSパケットシーケンスに変換された上で、他のTSパケットシーケンスと多重化されており、
セカンダリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子は、上位フィールド及び下位フィールドからなり、当該上位フィールドは、プライマリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子の上位フィールドと異なる値であり、
前記プレイリスト情報は、複数ビデオストリームのそれぞれに対し、再生区間を定義する情報であり、メインパス情報、サブパス情報を含み、
前記メインパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、プライマリビデオストリームとして指定されたものに対して、主たる再生区間を定義する情報であり、前記メインパス情報はテーブルを含み、当該テーブルには、再生が許可されたセカンダリビデオストリームについてのエントリーが記述されており、前記エントリーには、対応するセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子が記述されており、
前記サブパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、セカンダリビデオストリームとして指定されたものに対して、従たる再生区間を定義する情報であり、
記録媒体からプライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームを読み出す読出手段と、
プライマリビデオストリームをデコードする第1デコーダと、
セカンダリビデオストリームをデコードする第2デコーダと、
記録媒体から読み出された複数のセカンダリビデオストリームに対し、所定の手順を実行して、再生すべきセカンダリビデオストリームを選択する選択手段と、
プライマリビデオストリームにより構成されるピクチャの中に、選択手段により選択されたセカンダリビデオストリームにより構成されるピクチャを合成することにより、ピクチャインピクチャを実現する合成部と、
選択されたセカンダリビデオストリームのストリーム番号を格納するストリーム番号レジスタと、
前記テーブルに含まれるセカンダリビデオストリームのエントリーのうち、ストリーム番号レジスタに格納されているストリーム番号に対応するものに記述されているパケット識別子と、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子とを比較し、当該比較においてパケット識別子が一致する場合、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを、第2デコーダに出力する多重分離部とを備え
前記所定の手順の実行によるセカンダリビデオストリームの選択は、前記メインパス情報におけるテーブルに基づく
ことを特徴とする再生装置。 - 前記プレイリスト情報は、ピクチャインピクチャのためのメタデータを含み、当該メタデータは、主たる再生区間の何れかに対応するデータブロックによって構成され、データブロックは、主たる再生区間へのレファレンスを含むヘッダと、複数のエントリーとを含み、
前記複数のエントリーは、対応する主たる再生区間の再生時になすべき複数の画面構成の内容を規定するものであり、個々のエントリーは、1つの画面構成の時期を示すタイムスタンプと、画面合成におけるセカンダリビデオの水平座標及び垂直座標と、セカンダリビデオのスケール率とを規定し、
前記合成部は、
データブロックにおける複数のエントリーのうち、現在の再生時点に対応するタイムスタンプをもつものの水平位置及び垂直位置に、当該エントリーに含まれるスケール率に従って拡大又は縮小がなされたセカンダリビデオを表示し、
前記所定の手順とは、
各セカンダリビデオストリームをデコードする能力が再生装置に存在するか否かを判定して、デコード能力ありと判定されたセカンダリビデオストリームのうち、テーブルにおける対応するエントリーの優先順位が最も高いものを選択することである、請求項1記載の再生装置。 - 前記セカンダリビデオストリームのデコード能力とは、
50フレーム/秒又は25フレーム/秒のビデオストリームをデコードし、再生出力する能力である
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 前記セカンダリビデオストリームのデコード能力とは、
HDTV方式のピクチャをデコードし、再生する能力である
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 複数のビデオストリームと、テーブルとを記録媒体に記録する記録方法であって、
前記テーブルを含むプレイリスト情報を作成する作成ステップと、
複数のビデオストリームを生成する生成ステップと、
複数のビデオストリームをTSパケットシーケンスに変換した上、他のTSパケットシーケンスと多重化してトランスポートストリームを得る多重化ステップと、
トランスポートストリーム、テーブルとが書き込まれた記録媒体を得るステップを備え、
前記複数のビデオストリームのそれぞれは、プライマリビデオストリームと共に再生されるセカンダリビデオストリームであり、ピクチャインピクチャを構成する親画像及び子画像のうち、子画像として表示されるべきピクチャデータを含み、
多重化ステップでセカンダリビデオストリームをTSパケットシーケンスに変換するにあたって、当該TSパケットシーケンスがセカンダリビデオストリームである旨を示す上位フィールドと、下位フィールドとからなるパケット識別子とを個々のTSパケットに付与し、当該上位フィールドは、プライマリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子の上位フィールドと異なる値であり、
前記プレイリスト情報を作成するステップにおいて、
複数のセカンダリビデオストリームのうち、再生が許可されているもののエントリーをテーブルに記述することを特徴とする記録方法。 - 前記プレイリスト情報は、ピクチャインピクチャのためのメタデータを含み、当該メタデータは、主たる再生区間の何れかに対応するデータブロックによって構成され、データブロックは、主たる再生区間へのレファレンスを含むヘッダと、複数のエントリーとを含み、
前記複数のエントリーは、対応する主たる再生区間の再生時になすべき複数の画面構成の内容を規定するものであり、個々のエントリーは、1つの画面構成の時期を示すタイムスタンプと、画面合成におけるセカンダリビデオの水平座標及び垂直座標と、セカンダリビデオのスケール率とを規定する
ことを特徴とする請求項5記載の記録方法。 - プレイリスト情報に従って、主たる再生区間が定義されたプライマリビデオストリームと、従たる再生区間が定義されたセカンダリビデオストリームとを、再生する処理をコンピュータ上で実行する再生方法であって、
プライマリビデオストリーム及びセカンダリビデオストリームは、TSパケットシーケンスに変換された上で、他のTSパケットシーケンスと多重化されており、
セカンダリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子は、上位フィールド及び下位フィールドからなり、当該上位フィールドは、プライマリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子の上位フィールドと異なる値であり、
前記プレイリスト情報は、複数ビデオストリームのそれぞれに対し、再生区間を定義する情報であり、メインパス情報、サブパス情報を含み、
前記メインパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、プライマリビデオストリームとして指定されたものに対して、主たる再生区間を定義する情報であり、前記メインパス情報はテーブルを含み、当該テーブルには、再生が許可されたセカンダリビデオストリームについてのエントリーが記述されており、前記エントリーには、対応するセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子が記述されており、
前記サブパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、セカンダリビデオストリームとして指定されたものに対して、従たる再生区間を定義する情報であり、
前記コンピュータは、記録媒体からプライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームを読み出す読出手段と、
プライマリビデオストリームをデコードする第1デコーダと、
セカンダリビデオストリームをデコードする第2デコーダと、
プライマリビデオストリームにより構成されるピクチャの中に、選択手段により選択されたセカンダリビデオストリームにより構成されるピクチャを合成することにより、ピクチャインピクチャを実現する合成部と、
選択されたセカンダリビデオストリームのストリーム番号を格納するストリーム番号レジスタと、
多重分離部とを備え、
前記再生方法は、
記録媒体から読み出された複数のセカンダリビデオストリームに対し、所定の手順を実行して、再生すべきセカンダリビデオストリームを選択し、
前記テーブルに含まれるセカンダリビデオストリームのエントリーのうち、ストリーム番号レジスタに格納されているストリーム番号に対応するものに記述されているパケット識別子と、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子とを比較し、当該比較においてパケット識別子が一致する場合、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを、第2デコーダに出力するよう多重分離部を制御し、
前記所定の手順の実行によるセカンダリビデオストリームの選択は、前記メインパス情報におけるテーブルに基づく
ことを特徴とする再生方法。 - プレイリスト情報に従って、主たる再生区間が定義されたプライマリビデオストリームと、従たる再生区間が定義されたセカンダリビデオストリームとを、再生する再生装置に組込むことができるシステムLSIであって、
プライマリビデオストリーム及びセカンダリビデオストリームは、TSパケットシーケンスに変換された上で、他のTSパケットシーケンスと多重化されており、
セカンダリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子は、上位フィールド及び下位フィールドからなり、当該上位フィールドは、プライマリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子の上位フィールドと異なる値であり、
前記プレイリスト情報は、複数ビデオストリームのそれぞれに対し、再生区間を定義する情報であり、メインパス情報、サブパス情報を含み、
前記メインパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、プライマリビデオストリームとして指定されたものに対して、主たる再生区間を定義する情報であり、前記メインパス情報はテーブルを含み、当該テーブルには、再生が許可されたセカンダリビデオストリームについてのエントリーが記述されており、前記エントリーには、対応するセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子が記述されており、
前記サブパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、セカンダリビデオストリームとして指定されたものに対して、従たる再生区間を定義する情報であり、
プライマリビデオストリームをデコードする第1デコーダと、
セカンダリビデオストリームをデコードする第2デコーダと、
記録媒体から読み出された複数のセカンダリビデオストリームに対し、所定の手順を実行して、再生すべきセカンダリビデオストリームを選択する選択手段と、
プライマリビデオストリームにより構成されるピクチャの中に、選択手段により選択されたセカンダリビデオストリームにより構成されるピクチャを合成することにより、ピクチャインピクチャを実現する合成部と、
選択されたセカンダリビデオストリームのストリーム番号を格納するストリーム番号レジスタと、
前記テーブルに含まれるセカンダリビデオストリームのエントリーのうち、ストリーム番号レジスタに格納されているストリーム番号に対応するものに記述されているパケット識別子と、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子とを比較し、当該比較においてパケット識別子が一致する場合、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを、第2デコーダに出力する多重分離部とを備え
前記所定の手順の実行によるセカンダリビデオストリームの選択は、前記メインパス情報におけるテーブルに基づく
ことを特徴とするシステムLSI。 - プレイリスト情報に従って、主たる再生区間が定義されたプライマリビデオストリームと、従たる再生区間が定義されたセカンダリビデオストリームとを、再生する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
プライマリビデオストリーム及びセカンダリビデオストリームは、TSパケットシーケンスに変換された上で、他のTSパケットシーケンスと多重化されており、
セカンダリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子は、上位フィールド及び下位フィールドからなり、当該上位フィールドは、プライマリビデオストリームを構成する各TSパケットに付与されているパケット識別子の上位フィールドと異なる値であり、
前記プレイリスト情報は、複数ビデオストリームのそれぞれに対し、再生区間を定義する情報であり、メインパス情報、サブパス情報を含み、
前記メインパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、プライマリビデオストリームとして指定されたものに対して、主たる再生区間を定義する情報であり、前記メインパス情報はテーブルを含み、当該テーブルには、再生が許可されたセカンダリビデオストリームについてのエントリーが記述されており、前記エントリーには、対応するセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子が記述されており、
前記サブパス情報は、
複数ビデオストリームのうち、セカンダリビデオストリームとして指定されたものに対して、従たる再生区間を定義する情報であり、
前記コンピュータは、記録媒体からプライマリビデオストリーム、セカンダリビデオストリームを読み出す読出手段と、
プライマリビデオストリームをデコードする第1デコーダと、
セカンダリビデオストリームをデコードする第2デコーダと、
プライマリビデオストリームにより構成されるピクチャの中に、選択手段により選択されたセカンダリビデオストリームにより構成されるピクチャを合成することにより、ピクチャインピクチャを実現する合成部と、
選択されたセカンダリビデオストリームのストリーム番号を格納するストリーム番号レジスタと
多重分離部とを備え、
前記プログラムは、
記録媒体から読み出された複数のセカンダリビデオストリームに対し、所定の手順を実行して、再生すべきセカンダリビデオストリームを選択し、
前記テーブルに含まれるセカンダリビデオストリームのエントリーのうち、ストリーム番号レジスタに格納されているストリーム番号に対応するものに記述されているパケット識別子と、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを構成するTSパケットのパケット識別子とを比較し、当該比較においてパケット識別子が一致する場合、記録媒体から読み出されたセカンダリビデオストリームを、第2デコーダに出力するようコンピュータの多重分離部を制御し、
前記所定の手順の実行によるセカンダリビデオストリームの選択は、前記メインパス情報におけるテーブルに基づく
ことを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006208691A JP4870493B2 (ja) | 2005-08-09 | 2006-07-31 | 再生装置、記録方法、再生方法、システムlsi、プログラム |
Applications Claiming Priority (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US70706605P | 2005-08-09 | 2005-08-09 | |
US70689705P | 2005-08-09 | 2005-08-09 | |
US70693705P | 2005-08-09 | 2005-08-09 | |
US70687105P | 2005-08-09 | 2005-08-09 | |
US60/706897 | 2005-08-09 | ||
US60/707066 | 2005-08-09 | ||
US60/706871 | 2005-08-09 | ||
US60/706937 | 2005-08-09 | ||
JP2006127502 | 2006-05-01 | ||
JP2006127502 | 2006-05-01 | ||
JP2006208691A JP4870493B2 (ja) | 2005-08-09 | 2006-07-31 | 再生装置、記録方法、再生方法、システムlsi、プログラム |
Related Child Applications (5)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009249658A Division JP4886836B2 (ja) | 2005-08-09 | 2009-10-30 | 再生装置 |
JP2009249657A Division JP4898890B2 (ja) | 2005-08-09 | 2009-10-30 | 再生装置、記録方法 |
JP2009249655A Division JP4886834B2 (ja) | 2005-08-09 | 2009-10-30 | 再生装置 |
JP2009249659A Division JP4886837B2 (ja) | 2005-08-09 | 2009-10-30 | 再生装置 |
JP2009249656A Division JP4886835B2 (ja) | 2005-08-09 | 2009-10-30 | 再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007325242A JP2007325242A (ja) | 2007-12-13 |
JP4870493B2 true JP4870493B2 (ja) | 2012-02-08 |
Family
ID=38857608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006208691A Active JP4870493B2 (ja) | 2005-08-09 | 2006-07-31 | 再生装置、記録方法、再生方法、システムlsi、プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4870493B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4968506B2 (ja) * | 2005-03-04 | 2012-07-04 | ソニー株式会社 | 再生装置、再生方法、およびプログラム |
JP4968565B2 (ja) * | 2005-03-04 | 2012-07-04 | ソニー株式会社 | 再生装置、再生方法、および記録方法 |
JP2009505312A (ja) * | 2005-08-22 | 2009-02-05 | エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド | 記録媒体、データ再生方法及び再生装置、並びにデータ記録方法及び記録装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005011273A1 (ja) * | 2003-06-18 | 2005-02-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 再生装置、記録媒体、プログラム、再生方法 |
JP2005123775A (ja) * | 2003-10-15 | 2005-05-12 | Sony Corp | 再生装置、再生方法、再生プログラムおよび記録媒体 |
KR20050048848A (ko) * | 2003-11-20 | 2005-05-25 | 엘지전자 주식회사 | 고밀도 광디스크의 플레이리스트 생성방법, 관리방법 및재생방법과 기록재생장치 |
JP4968506B2 (ja) * | 2005-03-04 | 2012-07-04 | ソニー株式会社 | 再生装置、再生方法、およびプログラム |
JP4081772B2 (ja) * | 2005-08-25 | 2008-04-30 | ソニー株式会社 | 再生装置および再生方法、プログラム、並びにプログラム格納媒体 |
-
2006
- 2006-07-31 JP JP2006208691A patent/JP4870493B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007325242A (ja) | 2007-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4886836B2 (ja) | 再生装置 | |
JP4560125B2 (ja) | 再生装置 | |
JP2009038825A (ja) | 再生装置、プログラム、再生方法、記録方法。 | |
JP4870493B2 (ja) | 再生装置、記録方法、再生方法、システムlsi、プログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090522 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110412 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110602 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110927 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110930 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111025 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4870493 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125 Year of fee payment: 3 |