JP4849543B2 - 無線機及び双方向無線システム - Google Patents
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Description
従来のイベント型双方向無線システムについて図9を参照しながら説明する。図9は、従来のイベント型双方向無線システムの概略図である。
従来のイベント型双方向無線システムは、送信部1aと受信部1bを有する親機1の無線機と、送信部2aと受信部2bを有する子機2の無線機とを備え、子機2の入力装置を動作させて、子機2から親機1に動作命令を送信し、親機1ではその命令に従って動作するようになっている。
つまり、従来のイベント型双方向無線システムは、SSを採用した双方向通信(半2重)可能な微弱無線システムとなっている。
拡散利得=10・log(Chip Rate/Bit Rate) [dB]
ここで、Chip Rateとは、拡散符号のビットレートであり、単位はcps(chip
par second)、Bit Rateとは、ベースバンド信号のビットレートであり、単位はbps(bit
par second)である。拡散符号の1bitがチップと呼ばれる。
拡散長=8bit、拡散率=8の場合におけるチップ、情報符号、拡散符号の関係を図10に示す。図10は、チップ、情報符号、拡散符号の関係を示す図である。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る双方向無線システムは、送信側(子機側)の送信用の拡散長と同じ拡散長で受信側(親機側)は受信し、更に当該拡散長に対して送受信間のアンテナ利得差に応じた拡散長を親機側の送信用の拡散長として特定し、特定した拡散長で親機側が送信を行い、子機側は自己の送信用の拡散長に対してアンテナ利得差に応じた拡散長を受信用の拡散長として受信を行うものであり、送受信間のアンテナ利得差を吸収して、双方向通信を良好にできるものである。
本発明の実施の形態に係るイベント型双方向無線システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るイベント型双方向無線システムの構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係るイベント型双方向無線システム(本システム)は、図1に示すように、親機の無線機10と子機の無線機20とを備え、両者が双方向にSS方式の無線で通信するものである。
子機の無線機20は、制御部21と無線部モジュール22とを有し、無線部モジュール22には送信部(TX)22aと受信部(RX)22bとを有している。
次に、送信部(TX)12a,22aを構成する直接拡散方式の送信器について図2を参照しながら説明する。図2は、直接拡散方式の送信器の構成ブロック図である。
送信器は、図2に示すように、搬送波を発生させる搬送波発生器31と、送信用データを搬送波発生器31から出力される搬送波で変調するデータ変調器32と、拡散符号を発生させる符号発生器33と、データ変調器32から出力された変調信号に対して符号発生器33から出力された拡散符号で広帯域符号変調を行う広帯域符号変調器34と、広帯域符号変調された信号を送信するアンテナ35とを備えている。
尚、符号発生器33で発生する符号には、誤り訂正符号が含まれる。
次に、受信部(RX)12b,22bを構成する直接拡散方式の受信器について図3を参照しながら説明する。図3は、直接拡散方式の受信器の構成ブロック図である。
受信器は、図3に示すように、無線信号の電波を受信するアンテナ41と、アンテナ41から入力された信号についてトラッキング用の符号を用いて同期をトラッキングする符号同期・トラッキング42と、トラッキング用の符号を発生すると共に符号同期・トラッキング42からの同期信号を入力して同期の取れたときの符号を出力する符号発生器43と、アンテナ41からの信号を入力し、符号発生器43から出力された符号によって復調を行う符号復調器44と、搬送波を発生する搬送波発生器45と、符号復調された信号を搬送波によって復調してデータを出力するデータ復調器46と、アンテナ41で受信した信号の電界強度(感度)を検出する電界強度検出器47とを備えている。
電界強度検出器47から出力された電界強度データは制御部に入力され、制御部が電界強度(感度)に応じた送信用の拡散長を選択して符号発生器33及び広帯域符号変調器34を制御するようになっている。
尚、検出された電界強度を無線機の表示部に表示させ、利用者が手動でスイッチにより送信用の拡散長を選択するようにしてもよい。
次に、各拡散長における拡散利得について図4を参照しながら説明する。図4は、各拡散長における拡散利得を示す図である。
図4に示すように、拡散長(ビット)が、1,2,4,8,16,32,64,128,256,512のときの拡散利得(dB)が、0,3,6,9,12,15,18,21,24,27となっている。
そして、各拡散長からの差分(利得差)[dB]について図5を参照しながら説明する。図5は、各拡散長からの差分を示す図である。
図5では、縦軸を例えば親機の送信用の拡散長(ビット)とし、横軸を例えば子機の送信用の拡散長(ビット)として、図4から差分(利得差)を求めている。例えば、図4から親機の拡散長が512ビットとすると、拡散利得は27dBであり、子機の拡散長を16ビットとすると、拡散利得は12dBであるから、利得差は15dB(=27dB−12dB)となる。
例えば、利得差が6dBとした場合、子機の送信用の拡散長が64ビットとすると、親機の送信用の拡散長が図5から256ビットが適していると決定できる。
また、親機は、内部の記憶部(図示せず)に子機とのアンテナ利得差とその利得差に応じた受信用の拡散長、送信用の拡散長を記憶しており、制御部が、子機の送信用の拡散長を特定すると、アンテナ利得差に応じた送信用の拡散長が特定できるようになっている。
従って、親機と子機は、内部の記憶部に図5の対応関係をテーブル又は計算式で記憶している。
子機の拡散長が固定であれば、利得差から親機の拡散長も固定にできるが、本システムの特徴として、子機が感度に応じて送信用の拡散長を変更し、親機がそれに対した送信用の拡散長を探し出して特定するものとなっている。
尚、拡散長を低くすると、感度が上がり、伝送速度が遅くなり、拡散長を高くすると、感度が下がり、伝送速度が速くなるものである。
そこで、親機の受信処理として、拡散長64ビットで受信処理を行って特定時間内で復調できない場合、次に拡散長32ビットで受信処理を行い、特定時間内で復調できると、その拡散長を子機の送信用の拡散長として特定し、特定した拡散長に対して該当する差分に応じた親機の送信用の拡散長を特定するものである。
また、電界強度を検出しないで、子機が基準値の拡散長で送信処理を行ったが、親機から応答がない場合、基準値の拡散長から上げた拡散長で子機が送信処理を行い、それに対して親機が上記受信処理を行って子機の送信用の拡散長を特定するようにしてもよい。
この場合、子機は、親機から応答がなければ、送信用の拡散長を順次上げて送信処理を繰り返すようにし、それに応じて親機も受信用の拡散長を順次上げて受信処理を繰り返すようにすると、親機と子機との間でアンテナ利得差を吸収する送受信における適正な拡散長を特定して、それにより良好な通信を実現できるものである。
次に、本システムにおけるシステム情報を通知する命令サイクルについて図6を参照しながら説明する。図6は、命令サイクルのデータ構成図である。
図6において、子機のアンテナ利得は−20dBiであり、親機のアンテナ利得は−5dBiであり、よって、アンテナ利得差は、15dBとなる。
そこで、子機の送信用の拡散長及び親機の受信用の拡散長を64chip(bit)とし、親機の送信用の拡散長及び子機の受信用の拡散長を512chip(bit)として、送信側と受信側の拡散長を変えることにより、アンテナ利得差を吸収できるものである。
次に、本システムにおける応答情報を通知する応答サイクルについて図7を参照しながら説明する。図7は、応答サイクルのデータ構成図である。
図7においても、親機と子機のアンテナ利得差は、15dBあるが、子機の送信用の拡散長及び親機の受信用の拡散長を64chip(bit)とし、親機の送信用の拡散長及び子機の受信用の拡散長を512chip(bit)として、送信側と受信側の拡散長を変えることにより、アンテナ利得差を吸収できるものである。
信号の記号については、図6と同様である。
次に、親機の制御部11における送信用の拡散長を特定する処理について図8を参照しながら説明する。図8は、親機の制御部における送信用の拡散長を特定する処理のフローチャートである。
親機の制御部11は、図8に示すように、子機の感度が良好な場合に子機の送信用の拡散長に対応して予め定められた受信用の拡散長で受信するよう受信部12bに指示し(S1)、受信部12bにおいて当該拡散長で受信して復調処理を行わせる。
「アンテナ利得差を考慮した範囲内で」というのは、図5において、アンテナ利得差が15dBであるとすると、親機が受信処理で使用する拡散長は、16,8,4,2ビットとなるため、利得差によって特定される拡散長の候補が範囲内となる。
尚、当該候補の中で、選択される親機の送信用の拡散長は、512,256,128,64ビットとなる。
そして、判定処理S2に戻り、復調できたか否かの判定を行う。
従って、処理S6では、親機が受信・復調処理を終了していない候補の中で、拡散長が小さい順に受信・復調処理を繰り返し行うものとなっている。
上記例では、拡散長が小さい順に受信・復調処理を繰り返し行うものとなっているが、拡散長が大きい順に繰り返し受信・復調処理を行うようにしてもよい。
本システムにおける無線機によれば、子機のアンテナ利得と親機のアンテナ利得との利得差を送信用の拡散長と受信用の拡散長とを変えることにより、利得差を吸収でき、双方向通信を良好にできる効果がある。
Claims (5)
- 子機との間で双方向無線通信を行う親機の無線機であって、
前記親機は、前記子機のアンテナ利得と前記親機のアンテナ利得との利得差と、当該利得差に応じた前記子機の送信用の拡散長と前記親機の送信用の拡散長との対応関係を記憶し、前記子機からの無線信号を受信・復調処理し、復調できた際の拡散長を前記子機の送信用の拡散長として特定し、前記記憶した前記利得差に応じた対応関係に基づいて前記特定した前記子機の送信用の拡散長に対する前記親機の送信用の拡散長を特定し、当該特定した前記親機の送信用の拡散長によって前記子機に送信処理を行い、
更に、前記親機は、対応関係にある前記子機の送信用の拡散長の内、一つの拡散長を特定の拡散長として記憶部に記憶しておき、当該特定の拡散長で前記子機からの無線信号を受信・復調処理し、復調できない場合に、対応関係にある前記子機の送信用の拡散長の内、他の拡散長を用いて前記子機からの無線信号を受信・復調処理し、復調できた際の拡散長を前記子機の送信用の拡散長として特定することを特徴とする無線機。 - 親機は、対応関係にある子機の送信用の拡散長の内、他の拡散長を用いて前記子機からの無線信号を受信・復調処理し、復調できない場合に、対応関係にある子機の送信用の拡散長の内、更に他の拡散長を用いて前記子機からの無線信号を受信・復調処理することを特徴とする請求項1記載の無線機。
- 親機は、対応関係にある子機の送信用の拡散長の内、拡散長が最も小さいものを特定の拡散長として選択し、復調できない場合に、前記対応関係にある前記子機の送信用の拡散長の内、前記特定の拡散長の次に大きい他の拡散長を選択することを特徴とする請求項1記載の無線機。
- 親機は、復調できない場合に、対応関係にある子機の送信用の拡散長の内、選択されていないものの中から拡散長が小さい順に拡散長を選択することを特徴とする請求項2記載の無線機。
- 請求項1乃至4のいずれか記載の親機と、前記親機との間で双方向通信を行う、対応関係にある子機とを有することを特徴とする双方向無線システム。
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