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JP4846600B2 - マイクロリソグラフィ投射露光装置用照射システム - Google Patents

マイクロリソグラフィ投射露光装置用照射システム Download PDF

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Description

本発明は、一般に、マイクロリソグラフィ投射露光装置用照射システムに関する。より詳細には、本発明は、照射システムの瞳面内か、または、瞳面に非常に接近して配置される光学視野画定部品を備える照射システムに関する。こうした視野画定部品は、絞りと共に、照射システムによって投射されるレチクル上に照射される幾何形状と視野の強度分布を決定する。
マイクロリソグラフィ(フォトリソグラフィとも呼ばれる)は、集積回路、液晶ディスプレイ、その他の微細構造デバイスの作製技術である。より詳細には、マイクロリソグラフィ・プロセスは、エッチング・プロセスと共に、基板、たとえば、シリコン・ウェハ上に形成された、薄膜積層体にフィーチャをパターン形成するのに使用される。各層の作製において、ウェハは、最初に、放射、たとえば、深紫外(DUV)光に敏感な材料であるフォトレジストでコーティングされる。次に、フォトレジストを上に有するウェハが、走査ステップ式ツールなどの投射露光装置のレチクル(マスクとも呼ばれる)を通して投射光に露光される。レチクルはフォトレジスト上に投射される回路パターンを含む。露光後に、フォトレジストが現像されて、レチクルに含まれる回路パターンに相当する像が生成される。その後、エッチング・プロセスは、回路パターンをウェハ上の薄膜積層体に転写する。最終的に、フォトレジストが除去される。
投射露光装置は、通常、照射システム、投射レンズ、レチクル、ウェハをそれぞれ位置合わせするための、レチクル・アライメント・ステージとウェハ・アライメント・ステージを含む。照射システムは、細長い矩形スリットの形状を有するレチクルの領域を照射する。微細構造デバイスを製造する技術が進歩するにつれて、照射システムに関するより大きな要求が存在する。たとえば、レチクル上の被照射視野を、非常に均一な放射で照射するという必要性が存在する。
照射システムの別の重要な特性は、レチクル上に送られる投射光束の角度分布を操作する能力である。より精巧な照射システムでは、レチクル上に投射されるパターンの種類に投射光の角度分布を適応させることが可能である。たとえば、比較的大きなサイズのフィーチャは、小さなサイズのフィーチャとは異なる角度分布を必要とするであろう。投射光の最も一般的に使用される角度分布は、従来の、環状の、2極や4極の照射設定のことを言う。これらの用語は、照射システムの瞳面における強度分布のことを言う。たとえば、環状照射設定の場合、瞳面において環状領域のみが照射され、そのため、全ての光ビームが同じ角度でレチクル上に斜めに入射するように、投射光の角度分布に小さい角度範囲のみが存在する。
レーザは、通常、照射システムの光源として使用されるため、光源によって放出される投射光束は、通常、小さい断面と少ない発散を有する。したがって、光コンダクタンス値とも呼ばれる幾何学的光学フラックスは小さい。光束が異なる屈折率を有する媒体間の界面を横切る時に、幾何学的光学フラックスは変わらないため、幾何学的光学フラックスは、レンズなどの従来の屈折光学要素によって変わることができない。
したがって、ほとんどの照射システムは、要素上の各点について、その点を通過する光の発散を増加させる光学要素を含む。この特性を有する光学要素は、以下では、一般に、光学ラスタ要素と呼ばれる。こうしたラスタ要素は、通常、周期的に配列された複数の部分構造、たとえば、回折構造またはマイクロレンズを備える。
US 6 295 443から、第1光学ラスタ要素が照射システム内の対物レンズの物体平面に配置される照射システムが知られている。第2光学ラスタ要素として形成される視野画定部品が対物レンズの出口瞳面に配置される。この配置の結果として、第1光学ラスタ要素が出口瞳面における強度分布を決定し、したがって、光の角度分布を修正する。同時に、投射光の幾何学的光学フラックスが増加する。視野画定部品は、レチクル上の照射視野のサイズと幾何形状を修正し、同様に、投射光束の幾何学的光学フラックスを増加させる。ズーム光学部品と一対のアキシコン要素が、瞳面における強度分布、したがって、投射光束の角度分布を修正することができる。
従来の照射システムは、レチクル面において均一な放射を生成するガラス・ロッドまたは別の光混合要素を備えることが多い。しかし、これらの混合要素は、投射光の偏光状態をほとんど完全に破壊する。これは、望ましくない作用である。その理由は、注意深く選択された偏光状態を有する投射光でレチクルを照射することが、フォトレジスト上へのレチクルの結像をかなり改善する場合があることがわかっているからである。
そのため、ガラス・ロッドなどの光混合要素を備えない照射システムが設計されていた。しかし、これは、レチクル面において所望の均一な放射を達成するために、他の手段を見つけることを必要とする。レチクルが、投射中にウェハと同期して移動する走査ステップ式ツールにおいて、スキャン方向と垂直な方向への均一な放射は特に問題である。スキャン方向の場合のように放射が時間積分によって平均化されないからである。
この問題を解決する1つの手法は、EP 0 952 491 A2に開示されている調整可能絞りデバイスを使用することである。このデバイスは、スキャン方向に平行に配列される小さな隣接ブレードの2つの対向する列を備える。各ブレードは、投射光束内に選択的に挿入させることができる。ブレード間の距離を調整することによって、レチクル上の放射を、スキャン方向に垂直な方向に操作することができる。しかし、こうした絞りデバイスのみを使用することは、放射均一性に関して要求される精度を満たさないことがわかっている。
別の手法は、幾何形状を決定するだけでなく、レチクル面における強度分布に大きな影響を及ぼす視野画定部品を改良することである。従来の視野画定部品は、回折光学要素として、または、屈折光学要素、たとえばマイクロレンズ・アレイとして実現されていた。
回折光学要素は、ゼロ回折次数を十分に抑制することができないという欠点を有する。結果として、レチクル面における強度分布は、明るいスポットのアレイを含む。それ以外に、約18°を超える回折角度は、回折構造の最小のフィーチャ・サイズを必要とし、最小のフィーチャ・サイズは、電子ビーム・リソグラフィによってのみ達成することができる。こうした微細な回折構造のブレーズド・フランクは、非常に少数の、たとえば、2つのステップによって近似されなければならない。これは、デバイスの回折効率を70%未満の値にかなり下げる。さらに、電子ビーム・リソグラフィによる製造は、非常にゆっくりしたプロセスであるため、これらの要素は非常に高価である。
屈折光学要素は、逆に、かなり大きな角度を導入することを可能にする。しかし、屈折光学要素の主な欠点は、遠方場において、したがって、レチクル面において生成される強度分布が、十分に均一でないことである。平坦である代わりに、強度分布は、許容することができない複数のリップルを特徴とする。
本出願の出願人によって2003年7月16日に出願されたUS出願第60/487 708号から、照射システムが知られており、2つの異なる光学ラスタ要素が、2つの異なる瞳面内に配置される。一方の光学ラスタ要素は、スキャン方向に幾何学的光学フラックスを増加させ、他方の光学ラスタ要素は、スキャン方向に垂直な方向に幾何学的光学フラックスを増加させる。
US 4 682 885 Aは、平行円柱レンズの4つのアレイを含む光学積分器を有する照射システムを開示する。2つのアレイは、スキャン方向に沿って広がり、第1焦点距離を有する円柱レンズを有する。他の2つのアレイは、スキャン方向に垂直に広がりる円柱レンズを有し、第1焦点距離より長い第2焦点距離を有する。
レチクル面上で非常に均一な放射を生成するマイクロリソグラフィ投射露光装置用照射システムを提供することが、本発明の目的である。
この目的は、光源、第1光学ラスタ要素、第2光学ラスタ要素を備えるマイクロリソグラフィ投射露光走査ステップ式装置用照射システムによって達成される。第1光学ラスタ要素は、照射システムの第1瞳面内か、または、第1瞳面に非常に接近して広がり、システムの幾何学的光学フラックスが第1方向において増加するように設計された複数の第1部分構造を含む。この方向は、投射露光装置のスキャン方向に少なくとも実質的に垂直である。第2光学ラスタ要素は、第1瞳面と必ずしも異なるわけではない照射システムの第2瞳面内か、または、第2瞳面に非常に接近して広がり、システムの幾何学的光学フラックスが、第1方向と、スキャン方向に少なくとも実質的に平行な第2方向の両方において増加するように設計される複数の第2部分構造を含む。
2つの異なる光学ラスタ要素を設けることによって、2つの垂直な方向について、幾何学的光学フラックスを独立に増加させることが可能である。このことは、レチクル上の照射される視野が、通常矩形幾何学形状を有し、矩形幾何学形状において、矩形の短い辺がスキャン方向に平行に整列するために有利である。結果として、スキャン方向について必要とされる幾何学的光学フラックスの増加はそれに垂直な方向より小さい。これは、2つ以上の光学ラスタ要素をそれぞれのタスクについて最適化する、すなわち、1つの方向に所望の強度分布を生成することを可能にする。ラスタ要素によって生成される遠方場強度分布が、照射される視野の所望の幾何形状によりよく適応すればするほど、視野絞りが被る光損失が減少する。
両方向に幾何学的光学フラックスを増加させる第2光学ラスタ要素を有することは、第1光学ラスタ要素によって引き起こされる第1方向の強度分布の不均一性を、第2光学ラスタ要素によってなくすことができるという利点を有する。
第1と第2またはさらなる光学ラスタ要素のシーケンスは通常任意である。光学ラスタ要素のそれぞれは、非制限的な例として、回折構造の2次元配置、屈折マイクロレンズのアレイ、あるいは位相ステップまたはグレイトーン・フレネル・レンズのアレイとして構成されてもよい。光学ラスタ要素用の可能な構成についてのさらなる例は、US 6 285 443に記載され、その内容は、参照により本明細書に全て組み込まれる。
光学ラスタ要素は、瞳面にできる限り近くに配置されるべきである。しかし、他の光学要素が、これらの面内か、または、面に非常に近く配列されなければならないことが多い。したがって、光学ラスタ要素を、光学軸に沿って理想的な位置から面内に少しシフトさせることが必要な場合がある。しかし、この理想的な位置からのわずかなずれは、光学ラスタ要素の機能をあまり低下させないことが多い。光学ラスタ要素の光学特性を許容できないほどに低下させることなく、光学ラスタ要素をこうしてシフトすることができる量は、照射システムの特定のレイアウト、より詳細には、その開口数によって決まる。
好ましくは、第1と第2光学ラスタ要素は、ゼロ強度レベルと最高強度レベルの間でスムーズな遷移を有する傾斜を有する、第2方向に沿うレチクル面の強度分布を引き起こさせることである。これは、パルス量子化作用によって生じる放射不均一性に関する悪い影響を減らすため有利である。理想的には、パルス量子化作用が起こらないため、傾斜は、少なくとも実質的にガウス形状を有する。
第2光学ラスタ要素は、こうした傾斜を有する、第2方向に沿うレチクル面の強度分布を引き起こすだけでよい。第2方向における第1光学ラスタ要素によって生成される強度分布もガウスである場合、両方の要素の組合せもまた、ガウス形状の強度分布となる。
第2方向におけるガウス強度分布は、第1光学ラスタ要素が、単独で、すなわち、第2光学ラスタ要素なしで、少なくとも実質的に第2方向に平行であるライン形状を有する、レチクル面の強度分布を生成する場合に、第1光学ラスタ要素によって生成されることになる。これは、ガウス・レーザ形状のために、このラインもまた、ガウス分布を有することになることによる。こうした第1光学ラスタ要素は、第2方向に沿って延びる対の平行円柱マイクロレンズのアレイによって実現されてもよい。
第2光学ラスタ要素は散乱要素として実現されてもよい。こうした散乱要素は、屈折または回折部分構造が、少なくとも部分的にランダムな方法で、要素の領域上に配置されることを特徴とする。こういう理由で、散乱要素は、第1光学ラスタ要素によって引き起こされる強度分布のリップルまたは他の不均一性をなくすのに特に役立つ。
散乱要素が、ランダムな形状を有する複数のマイクロレンズを備える屈折散乱板として実現される場合、この要素のみが使用される場合、これは、通常、回転対称な強度分布をもたらすことになる。散乱要素としてコンピュータ生成ホログラム用いると、第1と第2方向に異なる強度分布を生成することが可能である。
別の有利な実施態様では、第1光学ラスタ要素は屈折光学要素であり、第2光学ラスタ要素は回折光学要素である。屈折光学要素は、通常、幾何学的光学フラックスを大きな量だけ増加させることができる。他方で、回折光学要素は、通常、小さな回折角度のみが含まれる限り、精密に形作られた強度分布を生成するのにより適している。幾何学的光学フラックスの増加が屈折光学要素によって主に達成されるため、回折光学要素は、幾何学的光学フラックスを比較的少量だけ増加しなければならない。結果として、回折構造の最小フィーチャ・サイズは、偏光作用を回避するのに十分大きくてもよい。それ以外に、より大きな回折構造のブレーズ・フランクは、回折効率が90%より大きくなることができるように、より多くの、たとえば、8つのステップで近似することができる。
第2光学ラスタ要素は、第1光学ラスタ要素の後ろ、または、前に配置されてもよい。第1と第2光学ラスタ要素は、必ずしも別個の部分である必要はない。たとえば、第2光学ラスタ要素を形成する回折構造を備える湾曲面を有するマイクロレンズのアレイを備える第1光学ラスタ要素を使用することが可能である。
別の実施態様によれば、第1光学ラスタ要素は、少なくとも実質的に直角三角形の形状を有する断面を有する複数の平行プリズムを備える。少なくとも2つのプリズムの断面は、三角形の斜辺が基準面となす角度に対して異なる。そのため、第2光学ラスタ要素は、異なる回折構造を有する複数のゾーンを備えてもよく、ゾーンのそれぞれは、第1光学ラスタ要素の1つのプリズムに相当する。
スキャン方向の均一性がやはり十分でない場合、照射システムは、さらに、第2方向に平行に配列され、光源によって生成される投射光束内に選択的に挿入することができる隣接ブレードの2つの対向する列を有する絞りデバイスを備えてもよい。こうした絞りデバイスはそれ自体当技術分野では知られており、第1と第2光学ラスタ要素によって引き起こされる強度分布の欠陥を補正するのに使用される。
レチクル面における細長い放射分布を生成し、簡単な構成と長い使用寿命を有するマイクロリソグラフィ投射露光装置用照射システムを提供することが、本発明の別の目的である。
この目的は、光伝播方向に沿って、光源と、第1光学ラスタ要素であって、照射システムの瞳面内か、または、瞳面に非常に接近して広がり、投射露光装置のスキャン方向に少なくとも実質的に垂直な第1方向に沿って延びる平行で細長い第1マイクロレンズのアレイを含む第1光学ラスタ要素とを備える照射システムによって解決される。第2光学ラスタ要素が、第1瞳面と必ずしも異なるわけではない照射システムの第2瞳面内か、または、第2瞳面に非常に接近して広がり、スキャン方向に垂直な第2方向に沿って延びる平行で細長い第2マイクロレンズのアレイを含む。第3光学ラスタ要素は、少なくとも実質的に第2マイクロレンズの焦点面内に配置され、第2方向に沿って延びる平行で細長い第3マイクロレンズのアレイを含み、前記第2と第3マイクロレンズは、互いに面する湾曲面を有する。第4光学ラスタ要素は、少なくとも実質的に第1マイクロレンズの焦点面内に配置され、第1方向に沿って延びる平行で細長い第4マイクロレンズのアレイを含む。
こうした配置において、第2と第3光学ラスタ要素は、非常に小さい距離、たとえば、約1mmまたはさらに0.5mm未満、その中間で配列されてもよい。これは、これらの要素を、非常に高い屈折力、したがって、短い焦点距離を有するように設計することを可能にするために有利である。たとえば、第2方向の出口側で、すなわち、スキャン方向に垂直に約0.3の範囲の、高い開口数を達成するために、短い焦点距離が必要とされる。走査ステップ式装置において、この第2方向は、細長い照射視野がそのより長い伸張部を有する方向である。
第2と第3マイクロレンズの湾曲面が互いに面するため、マイクロレンズまたはマイクロレンズを支持する基板内で非常に高い光強度を有する小さな焦点ラインは、少なくともある程度まで、回避することができる。こうした高い光強度は、マイクロレンズまたは基板を非常に急速に破壊する場合がある。このことのさらなる結果として、ラスタ要素は、非常に薄く、かつ、細長いマイクロレンズが0.5mm以下の幅を有する状態で設計されてもよい。
マイクロレンズは、従来の円柱レンズであってよい。用語「円柱レンズ」は、通常、規則正しい円柱の形状を有する表面エリアを備えるレンズのことを言う。しかし、規則正しくない円柱の形状を有する表面を備えるマイクロレンズ、たとえば、楕円セクションを有する断面を有するマイクロレンズを使用することも想定される。さらに、マイクロレンズは、必ずしも、円柱である必要はなく、腎臓形状または三日月形状であってもよい。マイクロレンズのこうした代替の形状は、湾曲照射視野が望まれる場合、有利である場合がある。
第1光学ラスタ要素が第2光学ラスタ要素に取り付けられ、第3光学ラスタ要素が第4光学ラスタ要素に取り付けられると、非常にコンパクトでかつ容易な構成が達成される。
第1または第2瞳面内か、あるいは、第1または第2瞳面に非常に接近して配列される散乱要素は、さらに、レチクル面における放射均一性を向上させる。
本発明の実施態様は、図面を参照して以下で詳細に述べられる。
図1は、投射露光走査ステップ式装置において使用される、本発明による照射システムの子午線断面を示す。明確にするために、図1に示す図は、かなり簡略化され、一定の比例尺に従っていない。その全体を10で示す照射システムは、示されている実施形態ではエキシマ・レーザ14として実装される光源を備える。エキシマ・レーザ14は、深紫外(DUV)スペクトル範囲、たとえば、193nmの波長を有する投射光を放出する。レーザ14の出口面から出る投射光は、小さな断面と少ない発散を有するコヒーレント光束を形成する。そのため、レーザ14によって放出される光束の幾何学的光学フラックスは小さい。
光束は、その後、光束が拡げられるビーム拡張ユニット16に入る。光束は屈折界面において発散するため、光束の断面は、光束の幾何学的光学フラックスを変えることなく増加する。これは、幾何学的光学フラックスが、異なる屈折率を有する光学媒体間の界面において屈折する光束について不変量であることによる。
ビーム拡張ユニット16を通過した後、投射光束は回折光学要素18に入射する。回折光学要素18は、発散が導入されるように、各入射光線を偏向させる1つまたは複数の回折格子を備える。図1では、これは、2つの発散光線20、22に分割される軸方向光線について、概略的に示される。そのため、回折光学要素18は、投射光束の角度分布を修正し、さらにその幾何学的光学フラックスを増大させる。この目的に適するこの種類の回折光学要素は、当技術分野ではそれ自体知られているため(たとえば、US 6 285 443を参照されたい)、回折光学要素は以下でさらに詳細には述べない。
回折光学要素18はまた、任意の他の種類の光学ラスタ要素、たとえば、マクロレンズがフレネル・ゾーン・プレートによって形成されるマイクロレンズ・アレイによって置き換えることができる。この目的に適する光学ラスタ要素についてのさらなる例は、上述したUS 6 285 443に示されている。
回折光学要素18は、ズーム・レンズ群25とアキシコン要素27a、27bの対27によって単に示される第1対物レンズ26の物体平面24内に配置される。参照数字28は、第1対物レンズ26の出口瞳面を示す。
以下でより詳細に説明され、2つの光学ラスタ要素からなる視野画定部品30は、第1対物レンズ26の瞳面28内に配置される。視野画定部品30は、やはり、各点に発散を導入し、したがって、投射光束の幾何学的光学フラックスを再度増大させる。視野画定部品30によって導入される発散は、入射光線20、22について発散光線20a、20bと22a、22bによって図1に概略的に示される。
発散光線20a、20bと22a、22bは、図1では単一コンデンサ・レンズ32で代表されている第2対物レンズ32に入る。第2対物レンズ32は、その入口瞳面が第1対物レンズ26の出口瞳面28に一致するように、照射システム10内に配列される。第2対物レンズ32の像平面34は、レチクル・マスキング(REMA)ユニット38が配置される視野面である。
レチクル・マスキング・ユニット38は、照射システム10がその中に一体化される露光装置のスキャン方向に平行な方向に照射される視野の境界を定める、対向する調整可能なブレードの2つの対を有する第1サブユニットを備える。レチクル・マスキング・ユニット38はまた、スキャン方向に垂直な方向に照射される視野の境界を定める第2サブユニットを備えてもよい。この目的のために、第2サブユニットは、スキャン方向に平行に配列され、光源14によって生成される投射光束内に選択的に挿入することができる隣接ブレードの2つの対向する列を有する。こうした第2サブユニットは、放射均一性をさらに改善するために使用される。こうした第2サブユニットについての例は、EP 1 020 769 A2に示され、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
レチクル・マスキング・ユニット38は、したがって、スキャン方向において照射される視野の急峻な縁部を確保する絞りを形成する。この目的にために、第2対物レンズの像平面34と一致する物体平面を有する第3対物レンズ42が、照射システム10の光学軸44に沿って配列される。REMA対物レンズとも呼ばれる第3対物レンズ42の像平面46内にレチクル40が配置される。
図2は、レチクル40内に含まれるパターンが投射レンズ50によって、フォトレジストで覆われるウェハ52上に結像される方法の略斜視図を示す。矢印54で示され、X方向に一致するスキャン方向に沿ってレチクル40が移動する間に、矩形スリットの形態の照射される視野56が、レチクル40の被パターン形成エリア58を走査する。所定の瞬間に、被パターン形成エリア58の照射される視野56内にある部分のみが、投射レンズ50によってウェハ52上に投射され、ウェハ52上に被パターン形成エリア58の像60を形成する。像60は、たとえば、1/4に等しい投射レンズ50の縮小率によって、サイズが縮小される。
図3、図4は、視野画定部品30の第1の実施形態を、斜視図と断面でそれぞれ示す。視野画定部品30は、第1屈折光学要素62と散乱板64からなる。屈折光学要素62は、長手方向軸がX方向に沿って配向する複数の円柱マイクロレンズ65、66を備える。隣接するマイクロレンズ65、66の各対は、凹状マイクロレンズ65と凸状マイクロレンズ66が交互になるように、反対符号を有する曲率を有する。図3、図4では、いくつかの円柱マイクロレンズ65、66のみが示される。実際には、数百のこうしたマイクロレンズが存在している。
示されている実施形態では、散乱板64は、通常、コンピュータ生成ホログラム(CGH)と呼ばれる特別な回折光学要素である。こうしたCGHは、幾何学的光学フラックスが、1つの方向のみで、または、両方向で増加するように設計することができる。
散乱板64がない場合、屈折光学要素62は、レチクル面46内でY方向に平行な狭いラインを生成する。ラインの幅は、エキシマ・レーザ14の強度分布(レーザ形状)によって主に決定される。
図5は、散乱板64がない場合に、レチクル面46内で、Y方向に、すなわち、スキャン方向に垂直に屈折光学要素62によって生成される強度分布を示す。図5のグラフでは、この強度分布は、急峻な傾斜68と多数のリップル70を有し、リップルの高さは傾斜68に向かって増加することが見てわかるであろう。レチクル40が、Y方向に沿って、図5に示す強度分布を有する投射光束で照射される場合、これは、露光投射装置によって生成される微細構造デバイスのかなりの望ましくない構造サイズの変動をもたらすことになる。これは、レチクル面46内の強度分布が不均一である場合、同じことが、フォトレジスト上の強度分布にも適用される。フォトレジストは非常に急峻な露光閾値を有するため、フォトレジスト上での強度変動は、サイズ変動に直接変換される。
図6は、レチクル面46内での、X方向、すなわち、スキャン方向に屈折光学要素62によって生成される強度分布を示す。強度分布は、レーザ形状で主に与えられ、したがって、2つの急峻な傾斜72を有するガウス形状を有する。
図7、図8は、屈折光学要素62が存在しない場合の、レチクル面46内での、それぞれ、Y、X方向における散乱板64によって生成される強度分布を示すグラフを示す。散乱板64は、Y方向で、すなわち、スキャン方向に垂直方向で、急峻な傾斜76と小さな平坦部分78を有する強度分布を生成するように設計される。X方向において、ほぼガウス形状を有する、より広い強度分布77が生成される。
屈折光学要素62と散乱板64の組合せによって、それぞれの要素だけによって生成される強度分布の畳込みとして数学的に記述することができる強度分布がもたらされる。図のより具体的に示す点から見られる場合、散乱板64は、屈折光学要素62によって生成される強度分布を両方向で異なる程度だけぼかす。これによって、フォトレジスト上での強度分布の均一性のかなりの改善がもたらされる。これは、図9、図10を参照して以下で説明される。
図9は、レチクル面46内で、Y方向で、すなわち、スキャン方向に垂直方向で、視野画定部品30によってもたらされる得られる強度分布を示す。図5、図7に示す強度分布の畳込みによって、照射される視野56の横方向側面で強度分布の境界を定める、ほとんど完全に平坦なセクション80とわずかに広がるように傾斜した部分82を有する強度分布がもたらされる。
平坦部分80は、散乱板64によって引き起こされるぼかし作用の結果であり、リップル70をなくす。このぼかし作用は、矢印によって示す方向に屈折光学要素62に入る2つの光線79aと79bによって図4に示される。光線79a、79bは、幾何学的光学フラックスが増加するように、円柱マイクロレンズ65、66の湾曲面81において屈折を受ける。屈折した光線79a、79bは、その後、散乱板64に入り、散乱板64において、幾何学的光学フラックスが再度増加し、それによって、光線79a、79bは、それぞれ、散乱板64から単一光線としてではなく、発散束83a、83bとして出る。束83a、83b内の角度分布は、散乱板64を形成するコンピュータ生成ホログラム(CHG)の回折構造のパターンによって決定される。
横方向側面において、すなわち、スキャン方向に平行に、照射される視野56の急峻な縁部を達成するために、レチクル・マスキング・ユニット38の第1サブユニットのブレードが傾斜82を完全に遮断するように調整される。ブレードの位置は、破線84によって図9に示されている。両方の傾斜82が急峻であるため、これらの傾斜82の下の点線エリア84は小さい。これらの点線エリア84は、照射される視野56のこの部分を遮断することによって失われる光エネルギーを表す。散乱板64だけ(図7を参照されたい)によって生成される強度分布の傾斜76が急峻になればなるほど、点線エリア84、したがって、Y方向におけるレチクル・マスキング・ユニット38の絞りによって生じる光損失が小さくなる。
図10は、レチクル面46内での、X方向、すなわち、スキャン方向における屈折光学要素62と散乱板64の組合せによって生成される強度分布を示す。屈折光学要素62によって生成され、図6に示すガウス形状の狭いラインと、散乱板64によって生成され、図8に示すガウス強度分布との畳込みは、同様に、ガウス傾斜86を有する強度分布をもたらす。これは、2つのガウス関数の畳込みが形態を変えず、したがって、やはりガウス関数を生じることによる。スキャン方向において、この強度分布の一部を遮断する必要性は存在しない。その理由は、照射される視野56は、レチクル40の被パターン形成エリア58の上を走査し、それによって、照射される視野56だけが、それぞれのスキャン・プロセスの始まりと終りにおいて遮断される必要があるためである。
図10に示す強度分布の広いガウス傾斜86は、パルス量子化作用が起こる可能性がないというかなりの利点を有する。これは、フォトレジスト上での放射の均一性をかなり改善する。
パルス量子化作用は、図11と図12を参照して以下で説明される。図11は、投射光束を通して、スキャン方向Xに沿って移動しながら、被パターン形成エリア58上の第1点が露光される光強度を示すグラフである。この点が、投射光に対して露光される時間窓は、長さTを有する。エキシマ・レーザ14によって放出される光パルスは、細長い矩形P1、P2、…、P9によって表される。ここで、第1点は、投射光束を通した移動中に、3つの連続するパルスP4、P5、P6に対して露光されることが仮定される。
図12は、同様なグラフを示すが、より早期に露光されるように、(スキャン方向Xに見られる場合)第1点の前に配置される被パターン形成エリア58上の第2点について示される。しかし、長さTの時間窓は、ここでは、パルスP1〜P9のシーケンスと異なる時間関係を有する。結果として、3つのパルスだけでなく、4つのパルスP4、P5、P6、P7もまた、長さTの時間間隔中に第2点上での放射に寄与する。これは、第1点は、第2点によって受け取られる光エネルギーの4分の3のみを受け取ることを意味する。そのため、被パターン形成エリア58上の異なる点は、均一に照射されないが、各光パルスP1〜P9は、同じ強度を有すると仮定される。
図13は、屈折光学要素62と散乱板64の組合せによって生成される、X方向における強度分布についての状況を示す。スムーズな傾斜86により、光パルスP1〜P9は、レチクル40の被パターン形成エリア58の特定の点上の放射に一様には寄与しない。代わりに、光パルスP4、P5、P7、P8は、少ないエネルギーで特定の点上の放射に寄与する。全体の放射、すなわち、実線で図13に描いた矩形のエリアの総和は、光パルスP1〜P9のシーケンスに関する時間窓の位置とは無関係であることがわかっている。換言すれば、時間軸に沿って光強度分布88をシフトさせることは、実線で描いた矩形の総面積を変えない。
これは、傾斜86がガウス形状を有する場合にだけ、まさに当てはまる。傾斜86が理想的なガウス形状から偏倚すればするほど、放射不均一性に対するパルス量子化作用からの寄与が大きくなることが予測される。
上述した実施形態は、多くの点で修正することができる。たとえば、散乱板64のみによって生成される強度分布は、X方向とY方向の両方について同じであってもよい。この強度分布が、図8に示すように、ガウス形状を有する場合、これは、点線エリア84(図9を参照されたい)が大きくなるため、より大きな光損失をもたらすであろう。他方では、回転対称の強度分布を生成する散乱板の製造は、技術的観点から、より容易で、かつ、より安価である。特に、そのため、散乱板64は、その形状がランダムに異なる複数のマイクロレンズを有する屈折光学要素として実現することができる。こうした散乱板は、回転対称の強度分布を生成する。
パルス量子化作用が、不均一性について主要な問題ではない場合、X方向(スキャン方向)における強度分布は、(近似的に)ガウスである必要はない。そこで、散乱板64は、リップル70のぼかしがガウス分布を必要としないため、矩形回転対称強度分布を生成してもよい。
この実施形態の別の代替法において、屈折光学要素62は、Y方向に沿って配列される円柱マイクロレンズ65だけでなく、X方向に沿って配列される円柱マイクロレンズもまた備える。これは、レチクル面46内で狭いラインの代わりに矩形を生成する。あるいは、マイクロレンズの配向に関して異なる円柱マイクロレンズを有する2つの異なる屈折要素が設けられてもよい。屈折光学要素62だけによって両方の方向X、Yにおいて幾何学的光学フラックスが増加するため、散乱板は、幾何学的光学フラックスを大幅に増加させる必要はない。代わりに、散乱板は、屈折光学要素について典型的である強度分布におけるリップル70を単にぼかすように設計することができる。所望の場合、散乱板はまた、パルス量子化作用を減らすために、スキャン方向Xにおいて屈折光学要素によって生成される強度分布の傾斜を広くすることができる。
もちろん、散乱板64はまた、投射光が屈折光学要素62に入る前に散乱されるように、屈折光学要素62の他の面上に配置することができる。2つ以上の散乱板を使用すること、または、散乱構造が両方の表面に適用される板を使用することも想定される。
光の発散均一性を改善するために、散乱板64を出口瞳面28内で移動させるようになっている操作器91(図1を参照されたい)を設けることが可能である。こうした移動は、この面内の併進移動であるか、または、光学軸44を中心とする回転とすることができる。そのため、散乱板内での考えられる不均一性の悪影響がなくなる。同様に、異なる方向に、また、異なる速度に関して回転する多くの散乱板64の縦続接続を設けることもできる。
図14、図15は、視野画定部品30’の別の実施形態を、それぞれ、水平断面図と平面図で示す。
視野画定部品30’は、X方向に沿って、すなわち、スキャン方向に平行に配列される、複数の横方向に隣接する円柱レンズ65を有する屈折光学要素62’を備える。図3、図4に示されている実施形態に対する主要な差は、視野画定部品30’が、散乱板64の代わりに、屈折光学要素62’の平坦表面92上に形成される回折光学要素90を備えることである。
回折光学要素90は、X方向において、同様に、Y方向においても幾何学的光学フラックスを増加させる。屈折光学要素62’は、図5に示す分布と同じ広い強度分布を生成するため、回折光学要素90によって引き起こされる幾何学的光学フラックスの増加は、両方の方向において小さい可能性がある。その結果として、回折光学要素90は、ブレーズ・フランクが多くの数、たとえば、8つのステップで近似される、ブレージングされた回折格子として実現することができる。段階的曲線によってブレーズ・フランクがよりよく近似されればされるほど、回折格子の回折効率が高くなる。それ以外に、より大きな回折構造は、回折構造が、投射光の波長よりかなり大きいという利点を有する。結果として、そのサイズが波長に匹敵する回折構造を有する回折要素の場合にそうであるように、回折光学要素は、投射光束を偏光させない。
視野画定部品30’は、図4、図5に示す視野画定部品30と同じ機能を有する。Y方向における幾何学的光学フラックスの増加のために、屈折光学要素62’によって生成される強度分布に存在するリップル70は、かなりの程度までなくすことができる。さらに、X方向において屈折光学要素62’によって生成される強度分布の急峻な傾斜72は、図10に示す理想的なガウス形状を近似するように広くすることができる。そのため、図14、図15に示されている実施形態もまた、Y方向のリップルをなくし、パルス量子化作用を低減することによって、レチクル面における放射の均一性を改善する。
図16は、その全体を30”で示す視野画定部品についての別の実施形態を示す。視野画定部品30”は、回折光学要素が、屈折光学要素62’の平坦表面92ではなく、湾曲面81上に設けられる点で、図14、図15に示す視野画定部品30’と異なる。回折光学要素90”は、たとえば、コンピュータ生成ホログラムとして実現することができる。視野画定部品30”は、図14、図15に示す視野画定部品30’と実質的に同じ作用を有する。
図17では、視野画定部品の別の実施形態が、水平断面で示され、その全体が30'''で示される。視野画定部品30'''は、細長いプリズム92a、92b、92c、92dの規則正しいアレイで構成される屈折光学要素62'''を備え、アレイの長手方向軸は、Y方向に平行に、すなわち、スキャン方向に垂直に整列する。プリズム92a、92b、92c、92dは、約1〜3mmのY方向の長さを有することができる。各プリズム92a、92b、92c、92dは、基準面94と斜辺エリア96a、96b、96c、96dとの間の異なる角度αを有する三角形断面を有する。
プリズム92a、92b、92c、92dは、図18に示すように、レチクル面46において小さな明るいスポット98のパターンを生成する。エキシマ・レーザ14によって放出されるレーザ・ビームの強度分布が広ければ広いほど、スポット98が大きくなる。明るいスポット98が、そのエリアにわたって非常に密に分配される場合、強度分布は重なることになり、それによって、リップルを有する連続する強度分布が生成されることになる。
これらのリップルをなくすために、視野画定部品30'''は、X方向とY方向の両方において、幾何学的光学フラックスを増加する回折光学要素100を備える。これは、さらに、レチクル面46においてほぼ均一な強度分布が達成されるように、明るいスポット98をぼかす。図18において、これは六角形エリア102によって示され、六角形エリアは、光エネルギーが、回折光学要素100によってそれぞれの明るいスポット98からその上に分配されるエリアを表す。
同様に、この実施形態では、回折光学要素100によって引き起こされる幾何学的光学フラックスの増加は、比較的小さく、それによって、この要素は、比較的大きな回折構造を持たせて製造することができる。結果として、回折光学要素100は、高い回折効率を有することができ、投射光の偏光状態に著しく影響を及ぼさない。
回折光学要素100の作用を改善するために、回折光学要素100は、図17において点線によって分離され、例示的に99a、99bによって示される複数の異なるゾーンに細分されてもよい。各ゾーンに含まれる回折構造の構成は、プリズム92a、92b、92c、92dから出る光線が基準面94となす角度に適合する。
図19、図20、図21は、視野画定部品の別の実施形態を、それぞれ、斜視図ならびにY−Z面に平行な断面、X−Z面に平行な断面で示す。これらの図は、一定の比例尺に従っておらず、かなり簡略化されている。その全体を130で示す視野画定部品は、円柱マイクロレンズのアレイの2つの群G1、G2を備える。群G1は、それぞれが、Y方向に沿って整列した長手方向軸を有し、後側焦点距離f1を有する、平行第1円柱マイクロレンズ164の第1アレイ162を含む。群G1は、さらに、それぞれが、X方向に沿って整列した長手方向軸を有し、後側焦点距離f2<f1を有する、平行第2円柱マイクロレンズ168の第2アレイ166を含む。第2円柱マイクロレンズ168の平らな面は、第1円柱マイクロレンズ164の平らな面に直接取り付けられる。群G2は、それぞれが、X方向に沿って整列した長手方向軸を有し、前側焦点距離f3=f2を有する、平行第3円柱マイクロレンズ172の第3アレイ170を含む。図20を見て最もよくわかるように、第3アレイ170は、第3円柱マイクロレンズ172の湾曲した面が、第2円柱マイクロレンズ168の湾曲した面に向くように、光学軸144に沿って配置される。さらに、第3円柱マイクロレンズ172のこれらの湾曲した面は、少なくとも実質的に第2円柱マイクロレンズ168の後側焦点面内に配置される。f3=f2であるため、第2アレイ166は、少なくとも実質的に第3アレイ170の前側焦点面内に配置される。
第2円柱マイクロレンズ168の焦点ラインは、少なくともほぼ第3円柱マイクロレンズ172の湾曲した面上にあるため、マイクロマイクロレンズまたはマイクロレンズを支持する基板の材料を破壊することがある非常に高い光強度が生じることがない。
群G2は、さらに、それぞれが、Y方向に沿って整列した長手方向軸を有し、前側焦点距離f4=f1を有する、平行円柱マイクロレンズ176の第4アレイ174を含む。図21を見て最もよくわかるように、円柱マイクロレンズ176の後ろの面が、少なくとも実質的に第1アレイ162の円柱マイクロレンズ164の後側焦点面内にあるように、第4アレイ174が光学軸144に沿って配置される。さらに、第3円柱マイクロレンズ172のこれらの湾曲した面は、少なくとも実質的に第2円柱マイクロレンズ168の後側焦点面内に配置される。f4=f1であるため、第1アレイ162は、少なくとも実質的に第4アレイ174の前側焦点面内に配置される。第4アレイ174の円柱マイクロレンズ176の平らな面は、第3アレイ170の円柱マイクロレンズ172の平らな面に直接取り付けられる。
視野画定部品130は、さらに、アレイのうちの1つのアレイの非常に近くに、ここでは、第4アレイ174の背後に配列される散乱板180を含む。あるいは、散乱板180は、第1アレイ162の前か、または、群G1とG2の間に配置されてもよい。散乱板180は、さらに、レチクル面46内の放射均一性を増大させる。
本発明の第1の実施形態による照射システムの子午線断面図である。 レチクルに含まれるパターンが投射レンズによってウェハ上に結像される方法の略斜視図である。 視野画定部品の第1の実施形態の斜視図である。 図3の視野画定部品の断面図である。 Y方向で屈折光学要素によって生成される強度分布を示す図である。 X方向で屈折光学要素によって生成される強度分布を示す図である。 Y方向で散乱板によって生成される強度分布を示す図である。 X方向で散乱板によって生成される強度分布を示す図である。 Y方向で、図3、図4の視野画定部品によって生成される強度分布を示す図である。 X方向で、図3、図4の視野画定部品によって生成される強度分布を示す図である。 パルス量子化作用を示す時間スケール上の強度分布を示す図である。 パルス量子化作用を示す時間スケール上の強度分布を示す図である。 図3、図4の視野画定部品を用いるとパルス量子化作用が起こらない理由を示す図である。 視野画定部品の第2の実施形態の断面図である。 図14の視野画定部品の上面図である。 視野画定部品の第3の実施形態の断面図である。 視野画定部品の第4の実施形態の断面図である。 図17の視野画定部品によって生成される強度分布の略図である。 視野画定部品の第5の実施形態の斜視図である。 Y−Z面に平行なセクションにおける図19の視野画定部品を示す図である。 X−Z面に平行なセクションにおける図19の視野画定部品を示す図である。

Claims (10)

  1. マイクロリソグラフィ投射露光走査ステップ式装置用照射システムであって、光伝播方向に沿って配列された以下の部品、すなわち、
    a)光源(14)と、
    b)第1光学ラスタ要素と、
    c)第2光学ラスタ要素(166)と、
    d)第3光学ラスタ要素(170)と、
    e)第4光学ラスタ要素(174)とから構成され、
    前記第1光学ラスタ要素(162)は、照射システム(10)の第1瞳面(28)内で、または、前記第1瞳面に非常に接近して広がり、前記投射露光装置のスキャン方向に少なくとも実質的に垂直である第1方向(Y)に沿って延びる平行で細長い第1マイクロレンズ(164)のアレイを有し、
    前記第2光学ラスタ要素(166)は、前記第1瞳面(28)と必ずしも異なるわけではない照射システムの第2瞳面(28)内で、または前記第2瞳面に非常に接近して広がり、前記スキャン方向に実質的に平行な第2方向(X)に沿って延びる平行で細長い第2マイクロレンズ(168)のアレイを有し、
    前記第3光学ラスタ要素(170)は、少なくとも実質的に前記第2マイクロレンズ(168)の焦点面内に配置され、平行で細長い第3マイクロレンズ(172)のアレイを有し、前記第2マイクロレンズ(168)と第3マイクロレンズ(172)は互いに面する湾曲面を有する第3光学ラスタ要素と、
    第4光学ラスタ要素(174)は、少なくとも実質的に前記第1マイクロレンズ(164)の焦点面内に配置され、前記第1方向(Y)に沿って延びる平行で細長い第4マイクロレンズ(176)のアレイを有し、
    前記第3のマイクロレンズ(172)は前記第2方向(X)に延び、前記第4のマイクロレンズ(176)は前記第1方向(Y)に延びることを特徴とする照射システム。
  2. 前記光学ラスタ要素(162、166、170、174)の前記マイクロレンズ(164、168、172、176)は、1mm未満の幅を有することを特徴とする請求項に記載の照射システム。
  3. 前記第2光学ラスタ要素(166)と前記第3光学ラスタ要素(170)の間の距離は1mm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の照射システム。
  4. 前記第2光学ラスタ要素(166)と前記第3光学ラスタ要素(170)の間の距離は0.5mm未満であることを特徴とする請求項に記載の照射システム。
  5. 前記マイクロレンズ(164、168、172、176)は円柱レンズであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照射システム。
  6. 前記第1光学ラスタ要素(162)は前記第2光学ラスタ要素(166)に取り付けられ、前記第3光学ラスタ要素(170)は前記第4光学ラスタ要素(174)に取り付けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照射システム。
  7. 前記第1または第2瞳面(28)内、または前記第1または第2瞳面に非常に近く配列される散乱要素(180)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照射システム。
  8. 隣接ブレードの2つの対向する列を有する絞りデバイス(38)を備え、前記隣接ブレードの2つの対向する列は、前記第2方向に平行に配列され、前記光源によって生成される投射光束内に選択的に挿入することができることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の照射システム。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の照射システムを備えることを特徴とする投射露光装置。
  10. 微細構造デバイスを作製するマイクロリソグラフィ法であって、
    a)感光性層を支持する基板(52)を設けるステップと、
    b)前記感光性層上に結像される構造を含むレチクル(40)を設けるステップと、
    c)請求項1からのいずれか一項に記載の照射システム(10)を設けるステップと、
    d)投射レンズ(50)によって、前記感光性層上に前記レチクル(40)の少なくと
    も一部を投射するステップとから構成されることを特徴とするマイクロリソグラフィ法。
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