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JP4739613B2 - レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なレジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法に関する。詳しく言えば、本発明は、半導体装置等の製造に好適な酸素プラズマエッチングに対する耐性が強く、且つアルカリ現像液での現像により微細なレジストパターンを得る化学増幅型レジスト組成物、及びこれを用いたパターン形成方法を主な対象とする。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高集積化に伴い、配線の微細化及び多層化が進行している。これに従ってリソグラフィー工程で使用されるレジスト材料への要求も厳しくなっており、解像性の他に、エッチング後の寸法精度が重要な特性に挙げられている。今後、露光光源の短波長化が進めばレジストの透過率の維持は難しくなるため、レジスト膜厚の薄膜化は必須となり、エッチングの問題はより重要性を増すことは明らかである。
【0003】
また、配線の微細化に伴うフォトマスクの高精度化、さらには近年、急速に高記録密度化が進んでいる磁気抵抗効果ヘッドの製造の分野でも半導体製造と同様なリソグラフィー技術が用いられており、レジスト材料への厳しい要求は共通したものである。
【0004】
上述したレジスト材料に対する要求に応える有望な技術として、サーフェスイメージングが提案されており、なかでもケイ素含有樹脂を含むレジスト組成物を用いた二層レジスト法が検討されている。この二層レジスト法は、例えば有機樹脂を0.5μm程度の膜厚に塗布して下層レジストを形成し、この下層レジスト上に0.1μm程度の薄膜の上層レジストを形成し、次いて、上層レジストの露光、現像により上層レジストをパターニングし、得られた上層パターンをマスクにして下層レジストをエッチングし、高アスペクト比のレジストパターンを形成する手法である。
【0005】
上述の二層レジスト法に用いられるレジスト材料に求められる性能としては、酸素−反応性イオンエッチング(O2−RIE)耐性の他、感度、解像性、保存安定性等が挙げられる。更に近年では、現状の単層レジストで一般的に使用されているアルカリ現像が使用可能であることが強く要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように近時では、リソグラフィーにおける極めて高い解像度、及びエッチングに対する極めて高い耐性を見込んだレジスト材料が要求されている。
【0007】
そこで本発明は、リソグラフィーにおける解像度に優れ、高エッチング耐性を有し、極めて微細なレジストパターンを得ることを可能とするレジスト組成物を提供することを目的とする。また、当該レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成し、これにより所望の微細パターンを加工形成するパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0009】
本発明のレジスト組成物は、下記の一般式(1)で表されるシララクトン構造を有するケイ素含有樹脂を含み、リソグラフィーに供されるものである。
【0010】
【化2】
Figure 0004739613
【0011】
但し、前記一般式(1)において、Rは水素原子を含む任意の置換基を表し、1,2−位を除く任意の位置に結合可能であり、nは自然数、好ましくは1〜6のいずれかを表す。
【0012】
本発明のパターン形成方法は、被加工対象物上にレジストを塗布する工程と、前記レジストをリソグラフィーにより加工してレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記被加工対象物を加工する工程とを含み、前記レジストとして、請求項1〜9のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いる。
【0013】
また、本発明のパターン形成方法は、被加工対象物上に第1のレジストを塗布する工程と、前記第1のレジスト上に第2のレジストを塗布する工程と、前記第2のレジストをリソグラフィーにより加工して上部レジストパターンを形成する工程と、前記上部レジストパターンをマスクとして前記第1のレジストを加工し、下部レジストパターンを形成する工程と、前記上部及び下部レジストパターンをマスクとして前記被加工対象物を加工する工程とを含み、前記第2のレジストとして、請求項1〜9のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
−レジスト組成物の具体的態様−
本発明のレジスト組成物は、下記の一般式(1)で表されるシララクトン構造を有する。
【0016】
【化3】
Figure 0004739613
【0017】
但し、前記一般式(1)においてRは水素原子を含む任意の置換基を表し、1,2−位を除く任意の位置に結合可能であり、nは1〜6の自然数を表す。好ましくは、n=2でRが水素原子またはn=1でRが4位に結合したメチル基である。
【0018】
シララクトンはラクトンにその構造及び特性が類似しており、レジスト組成物がシララクトン構造を有する化合物を含む場合には、被加工基板との密着性向上や、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液や水酸化カリウム水溶液などのレジスト現像液のぬれ性が良くなる効果があり、また元来、疎水性が高いケイ素含有樹脂では特に現像時の溶解挙動をスムースにする効果が生じる。
【0019】
また、シララクトンは、ある条件下ではアルカリ現像液に接触すると開環してカルボン酸が生成し、溶解性を高めることができる。従って、酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基を有するポリマを基材樹脂とするポジレシストでは、シララクトンはその露光部においてレジストのアルカリ溶解速度を促進し、レジストの解像性を向上させることができる。
【0020】
一方、アルカリ可溶性ポリマを基材樹脂とするネガレシストに用いる場合には、特にカルボン酸をアルカリ可溶性基とするポリマでの効果が著しい。pKa値が高いカルボン酸のみをアルカリ可溶性基とするレジストでは、アルカリ溶解速度を所望の範囲内に制御することが非常に困難であることに対し、シララクトン構造はそれ自体がカルボン酸に比べて弱いアルカリ溶解性を有するため、カルボン酸の一部をシララクトンに置き換えることで、またはシララクトン構造の化合物を別途添加することにより、樹脂全体のアルカリ溶解性をマイルドにする効果を有する。その結果、レジストのアルカリ溶解速度の制御が可能となり、解像性を向上させることができる。
【0021】
本発明のレジスト組成物において、アルカリ可溶性ポリマは、アルカリ可溶性基を有していれば特に構造は規定されず、単層レジスト組成物の基材樹脂として一般的に用いられているフェノール系樹脂やアクリル酸系樹脂、及びこれらの共重合体、更にはフェノールやカルボン酸を有するケイ素含有樹脂などを用いることができる。好ましくは、カルボン酸を有するケイ素含有樹脂が良い。酸分解性基を有するポリマについては、酸分解性基が脱離した後はアルカリ可溶性ポリマとなり、これは前記のアルカリ可溶性ポリマと同じ条件を満たしているものを用いることができる。なお、シララクトン構造を有する化合物及びポリマは、上記条件を満たすものであれば、それぞれ複数種が同時に存在できる。
【0022】
本発明のレジスト組成物は、シララクトン構造を有する化合物等と共に酸発生剤を添加して化学増幅型レジスト組成物となる。この酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩などのオニウム塩や、ベンジルトシレート、ベンジルスルホネートなどのスルホン酸エステル、ジブロモビスフェノールA、トリスジブロモプロピルイソシアヌレートなどのハロゲン化有機化合物を好ましく用いることができるが、使用可能な酸発生剤はこれらに限定されない。
【0023】
酸発生剤の添加量は、本発明のレジスト組成物の主剤であるアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。これより添加量が0.1重量部より少ないと化学増幅型レジストとしての感度が十分に得られず、また20重量部より多いと成膜性や解像性の低下を引き起こす。
【0024】
本発明のレジスト組成物を使用して、所定のパターンを形成する場合には、被加工対象物上に直接に本発明のレジスト組成物からなるレジスト層を形成する方法、または被加工対象物上に2層構造のレジスト層を形成し、その上層部分に本発明のレジスト組成物を適用する方法(二層レジスト法)がある。以下、前者の方法の具体例では図1を用い、前者の方法の具体例では図2を用いてそれぞれ説明する。
【0025】
前者の方法では、先ず図1(a)に示すように、シリコン半導体基板1上に形成された被加工対象物、例えば多結晶シリコン膜2上に本発明のレジスト組成物からなるレジスト層3をスピンコート法等により塗布形成する。
【0026】
続いて、図1(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術により、レジスト層3を所定パターンに露光し、必要に応じてレジスト層3をベークした後に、露光されたレジスト層3を現像し、レジストパターン4を形成する。
【0027】
続いて、図1(c)に示すように、レジストパターン4をマスクとして、多結晶シリコン膜2をエッチングし、レジストパターン4の形状に倣ったパターンに多結晶シリコン膜2を加工する。
【0028】
しかる後、図1(d)に示すように、例えば酸素プラズマを用いたアッシング処理により、レジストパターン4を灰化して除去し、多結晶シリコン膜2のパターン形成が完了する。
【0029】
後者の方法では、先ず図2(a)に示すように、シリコン半導体基板1上に形成された被加工対象物、例えば多結晶シリコン膜2上に有機樹脂からなる第1のレジスト層11をスピンコート法等により塗布形成する。
【0030】
この有機樹脂としては、ノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂よりなる市販のレジスト材料、またはポリアニリン系やポリチオフェン系の導電性材料を好ましく用いることができる。また、第1のレジスト層11は0.1〜10.0μmの膜厚に形成するが、好ましくは0.2〜1.0μm、ここでは膜厚0.5μm程度とする。
【0031】
引き続き、第1のレジスト層11上に本発明のレジスト組成物からなる第2のレジスト層12をスピンコート法等により塗布形成する。このレジスト組成物の塗布膜厚は0.03〜1.0μmが好ましく、0.03μmより薄いとエッチング時の寸法変動が大きくなり、1.0μmより厚いと解像性が低下する。より好ましい膜厚は0.05〜0.2μmである。
【0032】
続いて、図2(b)に示すように、先ず第2のレジスト層12のレジストパターン13を形成する、即ち、フォトリソグラフィー技術により、第2のレジスト層12を所定パターンに露光し、必要に応じて第2のレジスト層12をベークした後に、露光された第2のレジスト層12を現像し、レジストパターン13を形成する。
【0033】
続いて、図2(c)に示すように、レジストパターン13をマスクとして、第1のレジスト層11をエッチングし、レジストパターン13の形状に倣ったレジストパターン14を形成する。このとき、レジストパターン13,14により、高アスペクト比のレジストパターンが構成される。
【0034】
ここで、下層のレジストパターン13のエッチングには、特に酸素と二酸化硫黄の混合ガスを用いることが好ましい。またプラズマエッチング装置としては高密度プラズマエッチング装置を好ましく用いることができる。
【0035】
続いて、図2(d)に示すように、レジストパターン13,14をマスクとして、多結晶シリコン膜2をエッチングし、レジストパターン13,14の形状に倣ったパターンに多結晶シリコン膜2を加工する。
【0036】
しかる後、図2(e)に示すように、例えば酸素プラズマを用いたアッシング処理により、レジストパターン13,14を灰化して除去し、多結晶シリコン膜2のパターン形成が完了する。
【0037】
上記したレジスト層3または第2のレジスト層12を塗布する際には、必要に応じて溶剤を使用する。溶剤としては有機溶剤、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン等が使用できる。
【0038】
また、露光する放射線源としては、可視光、紫外線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2エキシマレーザ等、VUV,EUV、電子線、イオンビーム等を好ましく用いることができる。また、第2のレジスト層12を現像する際には、アルカリ現像液としてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液、水酸化カリウム水溶液等が使用可能である。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、フォトリソグラフィーにおける解像度に優れ、高エッチング耐性を有し、極めて微細なレジストパターンを得ることを可能とするレジスト組成物が実現する。そして、当該レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成し、これにより所望の微細パターンを加工形成することができる。
【0040】
【実施例】
以下、いくつかの実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
本例では、前述した一般式(1)で表されるシララクトン構造を有する化合物と、酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基を有するポリマとを共に含むレジスト組成物を構成し、これを用いてレジストパターンを形成した場合について例示する。
【0042】
下記の式(2)で表される分子量5500のケイ素含有樹脂100重量部に対し、
【0043】
【化4】
Figure 0004739613
【0044】
下記の式(3)で表されるシララクトン構造を有する分子量4800のケイ素含有樹脂を70重量部、
【0045】
【化5】
Figure 0004739613
【0046】
トリフェニルスルフォニウムトリフレート6重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、レジスト溶液を調製した。
【0047】
HMDS処理したSi基板上に、ノボラック樹脂ベースの溶液を回転塗布し、280℃のオーブン中で3時間ベークして膜厚0.4μmの下層レジスト層を形成した。続いて、調製したレジスト溶液を回転塗布し、110℃/60秒プリベークして、膜厚0.15μmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザステッパ(NA:0.65)で露光した後、110℃で60秒間ベークし、2.38%TMAH水溶液で現像を行ったところ、露光量15mJ/cm2で0.17μm幅のライン&スペースパターンを解像した。
【0048】
(実施例2)
本例では、酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基と、前述した一般式(1)で表されるシララクトン構造とを共に有するポリマを含むレジスト組成物を構成し、これを用いてレジストパターンを形成した場合について例示する。
【0049】
式(4)で表される分子量7000のシララクトン構造と酸脱離基を有するケイ素含有樹脂100重量部に対し、
【0050】
【化6】
Figure 0004739613
【0051】
トリフェニルスルフォニウムトリフレート3重量部をメチルイソブチルケトンに溶解し、レジスト溶液を調製した。
【0052】
実施例1と同様にして膜厚0.4μmの下層レジスト層を形成した後、次いで調製したレジスト溶液を下層レジスト上に回転塗布し、110℃/60秒プリベークして膜厚0.1μmの上層レジスト層を形成した。これを電子線露光装置で露光した後、110℃で60秒間ベークし、2.38%TMAH水溶液で現像を行ったところ、露光量25μC/cm2で0.125μm幅のライン&スペースパターンを解像した。
【0053】
(実施例3)
本例では、実施例1を二層レジスト法に適用してレジストパターンを形成する場合について例示する。
実施例1の上層パターンをマスクとし、O2−RIEで当該レジストパターンを下層レジスト層に転写した。エッチング条件は、RFパワー:0.16W/cm2、酸素流量:10sccm、ガス圧1.33Pa(10mTorr)とし、この時のエッチングレートは下層レジストに比べて100倍のO2−RIE耐性を示した。その結果、上層レジスト層のパターニングで得た0.17μm幅のライン&スペースパターンを寸法変動無く下層レジスト層に転写できることを確認した。
【0054】
(実施例4)
本例では、実施例2を二層レジスト法に適用してレジストパターンを形成する場合について例示する。
【0055】
実施例2の上層のレジストパターンをマスクとし、当該レジストパターンをO2−RIEで下層レジスト層に転写した。実施例3と同条件におけるエッチングレートは下層レジストに比べて90倍のO2−RIE耐性を示した。その結果、上層レジスト層のパターニングで得た0.125μm幅のライン&スペースパターンを寸法変動無く下層レジスト層に転写できることを確認した。
【0056】
(実施例5)
本例では、アルカリ可溶性ポリマと、前述した一般式(1)で表されるシララクトン構造を有する化合物とを含むレジスト組成物を生成した場合について例示する。
【0057】
式(5)で表される分子量6800のカルボン酸を有するアルカリ可溶性ケイ素含有樹脂及び、
【0058】
【化7】
Figure 0004739613
【0059】
式(6)で表される分子量6200のカルボン酸及びシララクトンを有するアルカリ可溶性ケイ素含有樹脂について、
【0060】
【化8】
Figure 0004739613
【0061】
2.38%TMAHに対する溶解速度を測定した結果、式(5)のポリマは1μm/sec以上で計測が難しいのに対し、式(6)のポリマは0.12μm/secであった。ここで、これらポリマの官能基比には式(5)のポリマにおけるa+d+e:b=式(6)のポリマにおけるA+D+E:B+C、且つB:C=40:60の関係が成立する。式(6)は、式(5)のカルボン酸の60%をシララクトンに置き換えることで、アルカリ溶解速度を抑えたポリマである。
【0062】
(実施例6)
本例では、実施例5で示したポリマを含むレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した場合について例示する。
【0063】
実施例5の式(5)、式(6)で表されるポリマ100重量部に対し、それぞれトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート5重量部をMIBKに溶解して2種のレジスト溶液を調製した。
【0064】
実施例1と同様にして0,4μmの下層レジスト層を形成した後、次いで式(5)のポリマを用いて調製したレジスト溶液を下層レジスト層上に回転塗布し、110℃で60秒プリベークして膜厚0.15μmの上層レジスト層を形成した。これをArFエキシマレーザステッパ(NA:0.65)で露光した後、110℃で60秒間ベークし、2.38%TMAH水溶液で現像を行ったところ、露光量25mJ/cm2で0.3μm幅のライン&スペースパターンを解像した。
【0065】
これに対して、式(6)のポリマを用いて調製したレジスト溶液について、同様に下層レジスト層上に膜厚0.15μmの上層レジスト層を形成し、ArFエキシマレーザで露光後、110℃で60秒間ベークして現像を行ったところ、露光量32mJ/cm2で0.17μm幅のライン&スペースパターンを解像した。
【0066】
このように、カルボン酸から、これに比べてアルカリ現像液に対する溶解性が小さいシララクトンに置き換えることで、レジストのアルカリ可溶性が適切に調整され、解像性の向上が見られた。
【0067】
(実施例7)
本例では、実施例6を二層レジスト法に適用してレジストパターンを形成する場合について例示する。
【0068】
実施例6の式(6)のケイ素含有重合体を用いたレジスト組成物を用い、これをパターニングしてなる上層のレジストパターンをマスクとし、O2−RIEにより当該レジストパターニングを下層レジスト層に転写した。実施例3と同条件によるエッチングレートは下層レジスト層に比べて90倍のO2−RIE耐性を示した。その結果、上層レジスト層のパターニングで得た0.17μm幅のライン&スペースパターンを寸法変動無く下層レジスト層に転写できることを確認した。
【0069】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0070】
(付記1)下記の一般式(1)で表されるシララクトン構造を有する化合物を含み、リソグラフィーに供されることを特徴とするレジスト組成物。
【0071】
【化9】
Figure 0004739613
【0072】
但し、前記一般式(1)において、Rは水素原子を含む任意の置換基を表し、1,2−位を除く任意の位置に結合可能であり、nは自然数を表す。
【0073】
(付記2)nは1〜6の自然数を表すことを特徴とする付記1に記載のレジスト組成物。
【0074】
(付記3)前記一般式(1)で表されるシララクトン構造を有する化合物と、酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基を有するポリマとを共に含むことを特徴とする付記1又は2に記載のレジスト組成物。
【0075】
(付記4)酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基と、前記一般式(1)で表されるシララクトン構造とを共に有するポリマを含むことを特徴とする付記1又は2に記載のレジスト組成物。
【0076】
(付記5)前記ポリマが、ケイ素含有樹脂であることを特徴とする付記3又は4に記載のレジスト組成物。
【0077】
(付記6)アルカリ可溶性ポリマと、前記一般式(1)で表されるシララクトン構造を有する化合物とを含むことを特徴とする付記1又は2に記載のレジスト組成物。
【0078】
(付記7)前記アルカリ可溶性ポリマが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、ヘキサフルオロカルビノール基、ヒドロキシアミド基、イミド基のうちから選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする付記6に記載のレジスト組成物。
【0079】
(付記8)前記アルカリ可溶性ポリマがケイ素含有樹脂であることを特徴とする付記6又は7に記載のレジスト組成物。
【0080】
(付記9)酸発生剤を共に含むことを特徴とする付記1〜8のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
【0081】
(付記10)被加工対象物上にレジストを塗布する工程と、
前記レジストをリソグラフィーにより加工してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして前記被加工対象物を加工する工程と
を含み、
前記レジストとして、付記1〜9のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いることを特徴とするパターン形成方法。
【0082】
(付記11)被加工対象物上に第1のレジストを塗布する工程と、
前記第1のレジスト上に第2のレジストを塗布する工程と、
前記第2のレジストをリソグラフィーにより加工して上部レジストパターンを形成する工程と、
前記上部レジストパターンをマスクとして前記第1のレジストを加工し、下部レジストパターンを形成する工程と、
前記上部及び下部レジストパターンをマスクとして前記被加工対象物を加工する工程と
を含み、
前記第2のレジストとして、付記1〜9のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いることを特徴とするパターン形成方法。
【0083】
【発明の効果】
本発明のレジスト組成物によれば、リソグラフィーにおける解像度に優れ、高エッチング耐性を有し、極めて微細なレジストパターンを得ることができる。更に、このレジスト組成物を用いることにより、高集積化の要求される半導体装置の配線の微細加工技術に大きく貢献するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】被加工対象物上に直接に本発明のレジスト組成物からなるレジスト層を形成する方法を示す概略断面図である。
【図2】被加工対象物上に2層構造のレジスト層を形成し、その上層部分に本発明のレジスト組成物を適用する方法を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン半導体基板
2 多結晶シリコン膜
3 レジスト層
4 レジストパターン
11 第1のレジスト層
12 第2のレジスト層
13,14 レジストパターン

Claims (8)

  1. 下記の一般式(1)で表されるシララクトン構造を有するケイ素含有樹脂を含み、リソグラフィーに供されることを特徴とするレジスト組成物。
    Figure 0004739613
    但し、前記一般式(1)において、Rは水素原子を含む任意の置換基を表し、1,2−位を除く任意の位置に結合可能であり、nは自然数を表す。
  2. nは1〜6の自然数を表すことを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
  3. 前記一般式(1)で表されるシララクトン構造を有するケイ素含有樹脂と、酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基を有するケイ素含有樹脂とを共に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 酸と反応してアルカリ現像液に対する溶解性を増加させる酸分解性基と、前記一般式(1)で表されるシララクトン構造とを共に有するケイ素含有樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  5. アルカリ可溶性ケイ素含有樹脂と、前記一般式(1)で表されるシララクトン構造を有するケイ素含有樹脂とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  6. 酸発生剤を共に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
  7. 被加工対象物上にレジストを塗布する工程と、
    前記レジストをリソグラフィーにより加工してレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記被加工対象物を加工する工程と
    を含み、前記レジストとして、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いることを特徴とするパターン形成方法。
  8. 被加工対象物上に第1のレジストを塗布する工程と、
    前記第1のレジスト上に第2のレジストを塗布する工程と、
    前記第2のレジストをリソグラフィーにより加工して上部レジストパターンを形成する工程と、
    前記上部レジストパターンをマスクとして前記第1のレジストを加工し、下部レジストパターンを形成する工程と、
    前記上部及び下部レジストパターンをマスクとして前記被加工対象物を加工する工程と
    を含み、前記第2のレジストとして、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレジスト組成物を用いることを特徴とするパターン形成方法。
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