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JP4735316B2 - 電力線通信システム、電力線通信装置、および、それらの送信制御方法 - Google Patents

電力線通信システム、電力線通信装置、および、それらの送信制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力線を介して信号を送受信する電力線通信システム、電力線通信装置、および、それらの送信制御方法に関する。
対をなす導体からなる電力線を利用して通信を行う電力線通信(PLC: Power-line Communication)は、搬送波の周波数が150[kHz]から450[kHz]を利用するものと、2[MHz]から30[MHz]を利用するものがあり、日本では前者の周波数帯を利用する装置のみ認可されている。
近年、後者の周波数帯を利用する装置が米国において認可され、日本においても現在認可に向けて利用条件の検討が行われている。後者の周波数帯を利用する通信装置は高速伝送が可能であることから、様々な用途が提案されており、今後普及が進むことが予想される。
電力線を利用する通信装置には、様々な方式が存在する。たとえば、変調方式としてはASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)などがあり、伝送方式としては単一キャリア方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式があり、またスペクトラム拡散方式も利用されている。
しかし、これらの方式が異なると互いに通信することができない。たとえば、同じOFDM方式であっても、占有帯域幅、サブキャリア間隔、サブキャリアの変調方式、同期信号、符号方式、アクセス制御方式、データフォーマットなどの仕様のうちどれか1つでも異なると互いに通信することができない。以下、「方式が違う」というとき、このような仕様が違うものも含む。
このように互いに通信することができない、異なる方式の装置が同じ家庭に存在すると、両者の送信信号が衝突を起こし通信不良が発生する。そして、最悪の場合には双方とも全く通信することができなくなる。今後電力線通信装置の普及が進むと、方式が異なる通信装置の干渉を如何にして低減または防止し、その共存を図るかが重要になると予想される。
同様の状況は無線通信でも生じる可能性があり、これを回避するために無線通信ではキャリアセンスを用いる方法がしばしば利用される。この方法は送信前に伝送路を観測して受信電力レベルから他の通信装置が送信中でないことを確認した後に送信するものである。
キャリアセンスを用いる方法で電力線通信を行う場合、以下の困難性がある。
電力線通信装置は家電機器が発生する雑音、アマチュア無線や短波放送の信号を周波数的にあるいは時間的に避けて通信するよう仕組まれ、非常に小さなSN比の環境で通信を行っている。さらに電力線は分岐が多数ある上、インピーダンスの整合がとれない伝送路であり、受信点における周波数特性は複雑である。このため、受信信号レベルのような単純なキャリアセンスでは、方式が異なる通信装置の有無の判別は困難である。
一方で無線LAN(IEEE802.11)では、キャリアセンスの精度を向上するために互いのプリアンブルを検出する方法を採用している。しかし、この方法は、方式が異なる装置間では利用できないことから、電力線通信で方式を共存させるための解決策とならない。
上述したように、異なる方式の通信装置が同じ家庭内にある場合、あるいは、隣の家同士で異なる方式の送信信号が電力線に出力されると、これらの信号が衝突を起こす可能性が高くなる。
この送信信号の衝突を回避する方法として、各通信装置が利用する周波数帯を違えることで、異なる通信方式を、互いに干渉せず共存させる方法(周波数分割多重法)が考えられている。
図9(A)に、異なる方式の通信装置が宅内電力線(電灯線)を介して相互に接続されている状態を模式的に示す。また、図9(B)に、OFDM方式のサブキャリア等、各方式に割り当てられている搬送波の周波数と(信号)電界強度との関係を示す。
図9(A)では、宅内の電灯線79に通信装置72を介して機器71が接続されている。同様に、電灯線79に対し、機器73が通信装置74を介して接続され、機器75が通信装置76を介して接続され、機器77が通信装置78を介して接続されている。通信装置72と74、通信装置76と78は、それぞれ方式2−1、方式2−2といった異なる通信方式を用いる装置である。図9(A)では機器71,73,75,77がパーソナルコンピュータ(PC)となっているが、これらの機器は、テレビジョン受像機、ビデオサーバ、オーディオ機器、録画装置等、任意である。いま、図示のように、通信装置72と74が方式2−1を用いて通信し、通信装置76と78が方式2−2により通信している。
周波数分割多重では、図9(B)に示すように、機器71(通信装置72),機器73(通信装置74)が利用する周波数と、機器75(通信装置76),機器77(通信装置78)が利用する周波数とが重ならないように、それぞれが利用する周波数帯が規定されている。
この周波数分割多重法において、各方式が恒久的に同じ周波数帯を利用する場合には、共存のために互いに通信する必要がない。つまり、周波数分割多重法は、データ通信に先立って共存制御信号の送受信を行うための機能や他の装置を持つ必要がなく、共存方法としては非常に簡易な方法である。このように異なる周波数帯を割り当てて共存させる方法を、以下、「周波数分割による共存方法」と呼ぶ。
つぎに、周波数分割による共存方法(周波数分割多重法)の課題を、図9および図10を参照して説明する。
この説明では図9(A)において、通信装置74と76が近接して配置されている場合を考える。たとえば、通信装置74と76が同じ部屋の同じコンセント(プラグ)に接続されているとする。また、通信装置74の通信相手である通信装置72が、方式2−1を用いた通信の際に伝送損失が大きな場所に存在する場合を考える。たとえば、通信装置72と74が分電盤を幾つか介して離れた位置に配置され、その間の電灯線に分岐や開放端が幾つも存在し、伝送路のインピーダンス特性が複雑で、このために互いにやり取りする信号の伝送損失が大きいとする。
図10に、この場合の通信装置74における受信信号強度を示す。
機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)は、異なる周波数帯を利用するように方式が定められている。ところが、通信装置72から通信装置74に送られてきた信号の電界強度(図10の実線)が、通信装置76が受信している信号の電界強度に比べて小さいと、図10の破線により示す通信装置76から通信装置74に届く帯域外漏洩信号の電界強度が、通信装置74における通信装置72からの信号の受信周波数帯域において無視できない。このため、この帯域外漏洩信号は、通信装置74が通信装置72からの信号を受信する妨げになり、通信装置74が通信装置72からの信号を正しく受信することが難しい状況になる。
送信信号の衝突を回避するための別の方法として、各送信装置が送信するタイミングを違える方法(時分割多重法)が考えられる。
図11は、時間軸上で時系列な送信(または受信)信号と、通信装置との対応を示している。この図11も、図9(A)のように機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)が、それぞれ異なる方式2−1、方式2−2により通信することを前提としている。
時分割多重では送信タイミングを制御して、図11に示すように、通信装置72と74が送受信する信号Aと、通信装置76と78が送受信する信号Bとが、時間的に重ならないようにしている。これにより、2つの方式を同一宅内の電灯線79を用いた通信で互いに共存させることができ、この方法を以下、「時分割による共存」と呼ぶ。
図12は、時分割多重による電力線(電灯線)通信のシステム構成図である。
図9(A)の場合と同様、機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)は方式2−1を用い、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)は方式2−2を用いて通信する。方式2−1と方式2−2には互換性がなく、通信装置72,74と、通信装置76,78との間では互いに通信することはできない。
時分割多重で2つの方式を共存させるためには、どのタイミングで信号を送信するかの調停を行う必要がある。そして、調停のために、データ通信に先立って予め信号を互いにやり取りする。
具体的には、図12に示すように、方式2−1と方式2−2の間を調停する役目の装置(図12のアクセス制御装置80)が必要である。アクセス制御装置80は方式2−1、方式2−2のどちらにも対応できる装置であり、電灯線79から電源供給を受けている。
通信装置72と74、または、通信装置76と78の組み合わせで2つの装置が通信を行う際に、通信を開始する装置は、その相手方に通信を呼びかける場合、まずアクセス制御装置80に対して送信要求を送信する。送信要求を受けたアクセス制御装置80は、電灯線79の現在の通信状況を監視しているため、信号の衝突が生じないように送信タイミングを、送信要求を行った装置に対し指示(返答)する。通信を開始する装置は、指示されたタイミングで通信を行えば、信号の衝突を回避できる。アクセス制御装置80は、この送信タイミングの指示を送信要求ごとに行うことによって、異なる通信方式の共存を図る。
このような機能のアクセス制御装置80を、たとえば通信装置72,74,76,78のいずれかに内蔵してもよい。
図11に示す時分割による共存では互いの信号による干渉はほとんど生じない。各通信装置は自分自身が送信しないときには出力をほぼ完全に停止させることができる。そして、上記調停によって多くの場合、ある方式の装置が通信を停止している間に、他の方式の装置同士が通信することから、方式が異なる信号は干渉しない。また、アクセス制御装置80を有することから、必要な伝送速度に応じて方式間で優先度を付け、かつ当該優先度を変化させることが容易である。
以上より、時分割により共存させる方法は、方式が異なる通信で互いの干渉を回避できる点、伝送速度に応じて占有時間を増減できる点において優れている。
なお、異なる方式間ではないが低速の通信装置と高速の通信装置を周波数分割で共存させる方法が知られている(特許文献1〜3参照)。
また、異なる方式に対応した制御装置が各通信装置の送信タイミングを管理する方法が知られている(特許文献4)。
特開2001−197146号公報 特開2001−268045号公報 特開2002−077099号公報 特開2001−368831号公報
共存制御信号をやり取りすることによって、可能な限り周波数分割多重、時分割多重を用いて通信方式が異なる複数の通信装置を同じ電力線通信網に接続させて共存させる場合には、共存させる通信装置の台数、つまり共存させる通信方式の数が多くなると1台あたりの伝送速度が小さくなってしまう。
以下、このことを少し詳しく説明する。
通信方式の共存を行う現状のシステムでは、共存制御信号を受け取った通信装置は、当該制御信号が示す送信仕様になっていない場合は、必ず当該送信仕様への変更を行うことがルール化されている。しかも、共存制御信号は通常のデータ信号やノイズとの識別性が高くなるように規格化されており、共存制御信号はその受信電界強度が低い場合でも容易に検出できるようになっている。このこと自体は共存の実効性を高めるためには有効である。
通信方式の共存は、ノイズレベルが大きな電力線通信システムで周波数分割、時分割という手段によってノイズレベルが低い周波数領域または時間領域での通信を可能とし、SN比がとれないで通信エラーになる確率を低減することによって各通信装置の伝送速度を上げ、異なる方式の通信の共存を図るものである。
しかし、通信方式の共存を一律に行うと、場合によっては、伝送速度が十分とれないことがある。たとえば、方式が異なる通信装置が一度に多数通信を行う場合、あるいは、通信方式の数が多数存在している場合である。とくに、前述した2[MHz]から30[MHz]の周波数帯を利用する高速伝送に、周波数分割または時分割による共存方式を適用すると、周波数帯の分割数や時分割による通信数が増えすぎ、このことが却って高速伝送を阻害する場合があると考えられる。たとえば距離が遠いPLCモデムとの通信では、他のPLCモデムとの距離が遠いため信号減衰量が大きくノイズレベルが低いにもかかわらず一律に共存方式が適用されると、却って伝送速度が低下する場合も考えられる。
本発明が解決しようとする課題は、不必要に通信方式の共存がなされることを防止し、同じ電力線通信網に接続されている複数の通信装置で相互の伝送速度をより向上させることである。
本発明に係る電力線通信システムは、電力線通信網と、当該電力線通信網にそれぞれ接続され、第1通信装置と第2通信装置を含む複数の通信装置と、を備え、前記電力線通信網に接続された装置に、共存制御信号を出力可能な装置を含み、前記第1通信装置と前記第2通信装置のそれぞれが、受信部、送信部および制御部を有し、前記第1通信装置は、送信先を示す識別情報を含む送信要求信号を制御部で生成し、当該送信要求信号を送信部から前記電力線通信網に送出し、前記共存制御信号を出力可能な装置は、前記送信要求信号を受け取ると、制御信号を前記第2通信装置に送信し、前記第2通信装置は、受信部によって、複数の受信信号と前記制御信号を受信し、受信した制御信号が、送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に、制御部によって、受信している前記複数の受信信号のうち、前記送信要求信号を発した第1通信装置からの希望波以外の非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較し、当該比較の結果、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときは、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1以下(Pr2≦C1)のときは、通信方式の共存を行わないことを決定し、当該決定または前記設定の制限下で、送信周波数あるいは送信タイミングに関する送信仕様を変更可能に構成されている送信部を制御する。
本発明に係る電力線通信装置は、複数の受信信号および制御信号を受信する受信部と、送信周波数あるいは送信タイミングに関する送信仕様を変更可能に構成されている送信部と、制御部とを有し、通信相手である他の電力線通信装置が、送信先を示す識別情報を含む送信要求信号を生成し、当該送信要求信号を電力線通信網に送出し、当該送信要求信号を受け取った他の装置が送出する制御信号を前記受信部で受信し、受信した当該制御信号が送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に、前記制御部は、受信している前記複数の受信信号のうち、前記送信要求信号を発した前記他の電力線通信装置からの希望波以外の非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較し、当該比較の結果、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときは、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1以下(Pr2≦C1)のときは、通信方式の共存を行わないことを決定し、
当該決定または前記設定の制限下で前記送信部を制御する。
本発明では好適に、前記電力線通信装置が、通信相手である前記他の電力線通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の電力線通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、前記制御部は、前記非希望波の受信信号強度Pr2が所定の基準値C1より大きい(Pr2>C1)場合で、かつ、次式(1)、すなわち、Pr1/Pr2>C3…式(1)(ここで、Pr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C1:通信相手でない通信装置と共存可能か判断するための判定基準値、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)が成り立たない場合は、前記通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、Pr2>C1であって前記式(1)が成り立つ場合は、前記通信方式の共存を行わないが送信電力を低減することを決定し、当該決定または前記設定の制限下で前記送信部を制御する。
本発明に係る電力線通信装置の送信制御方法は、電力線通信網に接続され、送信周波数あるいは送信タイミングに関する送信仕様が変更可能な電力線通信装置の送信制御方法であって、前記電力線通信網に接続され、通信相手である他の電力線通信装置が、送信先を示す識別情報を含む送信要求信号を生成し、当該送信要求信号を前記電力線通信網に送出し、前記電力線通信網に接続され、当該送信要求信号を受け取った他の装置が送出する制御信号と、複数の受信信号を受信するステップと、前記制御信号が、送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に行う、共存制御のためのステップと、を含み、前記共存制御のためのステップが、前記複数の受信信号のうち、前記他の電力線通信装置からの希望波以外の非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較する第1ステップと、前記比較の結果、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときは、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1以下のときは、通信方式の共存を行わないことを決定する第2ステップと、前記決定または前記設定の制限下で信号の送信を制御する第3ステップと、を含む。
本発明に係る電力線通信システムの送信制御方法は、電力線通信網に接続されている第1通信装置および第2通信装置を含む電力線通信システムの送信制御方法であって、前記第1通信装置が、送信先を示す前記第2通信装置の識別情報を含む送信要求信号を生成し、当該送信要求信号を前記電力線通信網に送出するステップと、前記電力線通信網に接続され、当該送信要求信号を受け取った他の装置が、制御信号を前記電力線通信網に送出するステップと、複数の受信信号を受信する前記第2通信装置が、受信した前記制御信号が、送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に行う、共存制御のためのステップと、を含み、前記共存制御のためのステップが、受信している前記複数の受信信号のうち、通信相手である前記第1通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、前記非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較する第1ステップと、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)場合に、次式(1)、すなわち、Pr1/Pr2>C3…式(1)(ここで、Pr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C1:通信相手でない通信装置と共存可能か判断するための判定基準値、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)が成り立つかを判定する第2ステップと、前記Pr2>C1であって前記式(1)が成り立たない場合は、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、前記Pr2>C1であって前記式(1)が成り立つ場合は、通信方式共存のためには前記送信仕様の変更を行わないが送信電力を低減することを決定する第3ステップと、当該決定または前記設定の制限下で、前記一の通信装置の送信を制御する第4ステップと、を含む。
なお、上記構成における「より大きい」と「以下」の文言は、「以上」と「より小さい」にそれぞれ置き換え可能であり、その両者に本質的な差異はない。すなわち、受信信号強度Pr2と基準値C1との大小関係を規定して、送信部の制御方法を異ならせることが本発明の主旨であり、非希望波の受信信号強度Pr2と基準値C1とが同じ場合の判断を、どのようにするかは本質的でない。
本発明によれば、不必要に通信方式の共存がなされることを防止し、同じ電力線通信網に接続されている複数の通信装置で相互の伝送速度をより向上させることができる。
以下、本発明に係る電力線通信システムと電力線通信装置、それらの送信制御方法の実施形態を、図を参照して説明する。
図1に、隣接する2つの家屋でそれぞれ行われる電力線通信システムの構成例を示す。
図1において家屋107,108には、それぞれ分電盤102,104が取り付けられている。この分電盤102,104は、それぞれ低圧配電線101,103を介して、共通の宅外変圧器100に接続されている。宅外変圧器100は、他の宅外変圧器105とともに、中圧配電線106を介して、図示しない発電所から給電を受ける。
家屋107では、通信装置50_1,50_2,50_3,50_4,50_5,50_6が設けられている。通信装置50_1,50_2,50_3は、分電盤102に接続されている一の電灯線に接続され、残りの通信装置50_4,50_5,50_6は、分電盤102に接続されている他の電灯線に接続されている。通信装置50_1,50_2,50_3,50_4,50_5,50_6は、電灯線および分電盤102を介して相互に接続されている。
同様に、家屋108では、通信装置51_1,51_2,51_3,51_4,51_5,51_6が設けられている。通信装置51_1,51_2,51_3は、分電盤104に接続されている一の電灯線に接続され、残りの通信装置51_4,51_5,51_6は、分電盤104に接続されている他の電灯線に接続されている。通信装置51_1,51_2,51_3,51_4,51_5,51_6は、電灯線および分電盤104を介して相互に接続されている。
これらの通信装置50_1〜50_6および51_1〜51_6は、本実施形態のPLCモデムであり、各通信装置には適宜、家電製品またはOA製品等の機器が接続される。なお、機器が未接続の通信装置(PLCモデム)も存在する場合があり、その使用状況は家屋(または集合住宅やビル)によって異なる。
また、実際には、図1に例示した場合と異なり、1つの宅外変圧器100から2軒の家屋だけでなく、通常数軒〜10数軒の家屋に低圧配電線を用いて商用電源が供給される。また、集合住宅やビル内の電灯線も、同様にして商用電源が供給され、図1の家屋107,108と電力線を介してつながっている。
本実施形態では、データ伝送を行う電力線通信装置(PLCモデム)をグループに分ける。最初に、この「グループ」について説明する。
電力線通信システムは、たとえば図1に示すように、宅内電力線、低圧配電線および中圧配電線からなる電力線通信網と、当該電力線通信網に相互に通信可能な多数のPLCモデム群とを有する。このようなシステムにおいては、通信信号強度の平均減衰量からみた等価通信距離の違いに応じて、伝送速度や信号減衰量が異なる幾つかのPLCモデムのグループが形成されることが多い。
ここで「通信信号強度の平均減衰量」とは、たとえば、デシベル表示において送信時の信号強度(たとえば、送信信号の電界強度)から受信信号強度(たとえば受信信号の電界強度)を引いた減衰量を、ある十分に長い時間観測し平均化したものである。また、信号減衰量の違いを発生させる要因として、実際の通信距離のほかに、分岐や開放端の数とその特性を反映した伝送線路の電気的特性の違いがある。「等価通信距離」とは、実際の物理的な通信距離に、伝送線路の電気的特性の違いを加味した等価的な通信距離を意味する。
図1の場合、家屋107内の通信装置50_1,50_2,50_3,50_4,50_5,50_6が一つのグループ、家屋108内の通信装置51_1,51_2,51_3,51_4,51_5,51_6が他の一つのグループに属するとみなすことができる。また、たとえば家屋107内に限れば、分電盤102から部屋ごとに配線されている一の電灯線に接続されている通信装置50_1,50_2,50_3が一つのグループ、他の電灯線に接続されている通信装置50_4,50_5,50_6が他の一つのグループに属するとみなすこともできる。さらに、宅外変圧器100に接続されている複数の家屋107,108,…を一つのグループ、宅外変圧器105に接続されている不図示の複数の家屋を他の一つのグループに属するとみなすことができる。また、とくに図示していないが、集合住宅やオフィスビルでは戸やオフィス、階、建物ごとにグループを形成するとみなすことができる。
何れにしても、あるグループに属するPLCモデムから見ると、当該グループ内の各PLCモデムに対する通信では、伝送速度や信号減衰量に大差がないことが多い。また、あるグループに属するPLCモデムが他の同一グループに属する複数のPLCモデムに通信を行う場合、通信対象が同一グループに属している限り伝送速度や信号減衰量に大差はないことが多い。一方、通信対象が、通信信号強度の平均減衰量からみた等価通信距離が異なる複数のグループに分かれている場合は、異なるグループ間の通信となる。このようなグループ間通信の伝送速度や信号減衰量は、そのグループ間の等価通信距離の違いに応じて差が生じる場合がある。
本実施形態では、このようなPLCモデム群を「グループ」と称する。そして、以下の説明では、通信を行おうとする、あるPLCモデムにとって、当該PLCモデムが属するグループを「自グループ」、他のグループを「他グループ」と定義する。
つぎに、本実施形態の電力線通信装置および当該装置を含む電力線通信システムについて、その送信制御方法の概略を説明する。
ここで、ある着目する通信装置が、他の通信装置(通信相手)から希望波の信号を受信し、そのとき通信相手でない、さらに他の通信装置からも信号が、当該着目する通信装置に入力されている場合を考える。
本送信制御方法では、非希望波の信号強度が十分小さいときは、時分割、周波数分割、または、時分割と周波数分割の双方による通信方式の共存を行わないような決定が可能である。
ただし、非希望波の信号強度が十分小さい場合でも、希望波の信号強度が十分大きい場合には、時分割、周波数分割、または、時分割と周波数分割の双方による通信方式の共存を行わないが、可能ならば、通信相手への送信時の電力を低減する。これによって、この送信時に他の通信装置に対する妨害を低減する。
一方、非希望波の信号強度が十分大きいが、希望波の信号強度が小さい場合のみ、時分割、周波数分割、または、時分割と周波数分割の双方による通信方式の共存を可能にする。
より具体的には、たとえば、自グループ内の通信装置同士で通信を行う場合に、通信相手以外の通信装置からの非希望波の受信信号強度(たとえば受信電力)Pr2を検出する。そして、この非希望波の受信信号強度Pr2が、基準値C1以下(または、より小さい)場合には、通信相手以外の通信装置(たとえば他グループの通信装置)との干渉が問題とならないため、通信方式の共存のための周波数的、時間的な制限(共存のための送信仕様変更)をとくに行うことなく送信を実行する。また、たとえば他グループからの非希望波の受信信号強度Pr2が基準値C1より大きい(または、基準値C1以上の)場合には、望ましくは、希望波と非希望波の電力比、すなわちDU比(desire to un-desire ratio)が十分大きいかどうかを、パラメータC3との比較によって確認し、大きい場合には、たとえば送信電力Ptを低減することで他グループへの干渉を抑え、通信方式の共存のための周波数的、時間的な制限(送信仕様の変更)を行うことなく送信を実行することが可能である。ただし、詳細は後述するが、パラメータC3との比較によって低減余裕がある場合でも、送信電力を低減しないほうが望ましい場合がある。
一方、パラメータC3との比較によってDU比が十分大きくないと判断される場合には十分なS/N比を確保できないために送信電力Ptを下げることはできない。その場合には、たとえば共存制御情報が受信されていることを条件に、その指示に従って周波数多重か、時分割多重で他グループとの共存を図る。
以下、この送信制御方法の実施のために好ましい通信装置(PLCモデム)の構成と、制御手順を説明することによって、上記送信制御方法の詳細を明らかにする。
図2(A)に、以下の説明で前提とする電力線通信システムの概略図を示す。また、図2(B)に、電力線通信装置(PLCモデム)のブロック図を示す。
図2(A)に示す電力線通信システムは、4つの電力線通信装置(以下、「通信装置」または単に「装置」という)、すなわち通信装置1−1,1−2,2−1,2−2を有する。各装置に対し、テレビジョン受像機、ビデオサーバ、オーディオ機器または録画装置等の機器が接続されている。通信装置1−1,1−2,2−1,2−2装置は、伝送路を形成する電力線通信網に接続され、図示のように相互の通信、すなわちデータおよび制御信号の伝送が可能である。
通信装置1−1と1−2はグループG1に属し、通信装置2−1と2−2はグループG2に属する。グループ内の通信では信号強度、たとえば送信電力に対して受信電力が10[dB]〜40[dB]減衰するのに対し、グループ間の通信では信号強度が40[dB]〜60[dB]と相対的に大きく減衰する。これは、前述した「等価通信距離」がグループ内よりもグループ間で大きいからである。なお、この減衰量の具体的数値範囲は一例であり、またグループ内の通信装置の数は3以上であってもよい。
ここで通信装置1−2に着目し、当該通信装置1−2は本発明が適用された構成を有する。他の通信装置1−1,2−1,2−2に本発明が適用されるかは任意である。つまり、本発明の電力通信装置に係る発明は、システム内で少なくとも一の通信装置(本例では通信装置1−2)に適用される。
図2(B)は、本発明が適用された通信装置1−2の構成を示す。
通信装置1−2は、他の通信装置1−1,2−1,2−2(図2(A))と共有する伝送路110と接続される。以下、今着目している通信装置1−2を含むグループを「自グループG1」、他のグループを「他グループG2」と称する。
通信装置1−2は、受信機11、復調器12、制御回路13、共存制御信号検出部14、信号処理部15、変調器16および送信機17を備える。このうち受信機11と復調器12により「受信部」を構成し、変調器16と送信機17により「送信部」を構成する。
最初に、受信時における各部の基本的な動作を説明する。
受信機11は、伝送路110上の信号を取り込み、その受信信号を、たとえば所定の増幅率で増幅しノイズを除去する等の処理を行った後に、処理後の受信信号を復調器12に供給する。また、受信機11は、たとえば受信電界強度指示(RSSI:Received Signal Strength Indicator)回路等の受信信号強度を計測する手段を備える。この受信電界強度は受信電力Prとして制御回路13に送られる。
復調器12は、受信機11から供給される受信信号の検波および復調を行うとともに、デジタルデータ(受信データ)に変換する。この受信データは、共存制御信号検出部14に出力されるとともに、必要に応じて受信バッファ(不図示)に一時的に保持された後、信号処理部15に供給される。
共存制御信号検出部14は、復調器12からの受信データから共存制御情報を検出し、制御回路13に供給する。
信号処理部15は、受信データに対して誤り検出処理、応答確認(ACK)処理などの処理を行う。そして、処理後の受信データは、アプリケーション処理のために、不図示のインターフェイスから、当該通信装置1−2に接続されている機器(不図示)に供給される。
この受信時に、制御回路13は、受信機11から供給される受信電力Prを所定の基準値C1と比較する処理を実行する。そして制御回路13は、この比較の結果に応じて、送信部(変調器16と送信機17)の送信仕様を制御する。この制御の詳細は後述する。
つぎに、送信時における各部の基本的な動作について説明する。
不図示の機器でアプリケーション処理されて生成された送信データがインターフェイスを介して信号処理部15に入力されると、信号処理部15は、その送信データに対して、必要に応じて誤り訂正符号化等の処理を実行する。そして、処理後の送信データは、必要に応じて送信バッファ(不図示)で一時的に保持された後、変調器16に送られる。
変調器16は、送信データに変調等の処理を行った後にアナログ信号(送信信号)に変換し、送信信号として送信機17に送る。送信信号を受け取った送信機17は増幅等の処理を行って伝送路110に送出する。
つぎに、図3および図4を用いて、通信方式を共存する場合と、しない場合の具体的な例を説明する。
図3および図4では、図1と同様、着目する通信装置1−2が自グループG1内の他の通信装置1−1から希望波信号S1112を受信している場合を示す。このとき他グループG2内の通信装置2−1から非希望波信号S2112が通信装置1−2に入力されている。
同様に、グループG2内においてもグループ内通信が行われており、通信装置2−2が通信装置2−1からの希望波信号S2122を受信している。このとき通信装置2−2は、グループG1内の通信装置1−1から非希望波信号S1122を入力している。
図3に示す例では、通信装置1−2において、近傍の通信装置である自グループG1内の通信装置1−1から希望波信号S1112の伝送損失が40[dB]であり、遠方の他グループG2内の通信装置2−1からの非希望波信号S2112の伝送損失が50[dB]である。ここで「遠方」および「近傍」は等価通信距離によって判断される。
このことはグループG2においても同様である。すなわち、グループG2内の通信装置2−2において、近傍の通信装置であるグループG2内の通信装置2−1からの希望波信号S2122の伝送損失が40[dB]、グループG1内の通信装置1−1からの非希望波信号S1122の伝送損失が50[dB]である。
一方、グループ間で通信する場合、たとえばグループG1の通信装置1−1と、グループG2の通信装置2−1との通信では、送受信ともに希望波信号S1121,S2111の伝送損失が50[dB]と、グループ内通信の伝送損失:40[dB]より大きい。
図3では通信装置1−2において、希望波信号S1112の受信電界強度をPr1、非希望波信号S2112の受信電界強度をPr2とすると、当該通信装置1−2におけるDU比はPr1/Pr2=10[dB]である。同様に、通信装置2−2のDU比も10[dB]である。
このようにPLCモデム(通信装置1−2,2−2)は、近傍の通信装置との通信において、遠方からの非希望波信号の受信信号強度がある程度大きいとき、すなわち当該非希望波信号の伝送損失がある程度小さいとき(伝送損失:50[dB])は、互いに干渉するため、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等を用いた高速伝送が困難な状況である。したがって、通信装置1−2,2−2は、不図示の共存制御装置等と共存制御信号をやり取りすることによって、周波数多重あるいは時分割多重で伝送資源(周波数的資源または時間的資源)を分割して共存を行う。
これに対して図4に、遠方からの非希望波信号の受信信号強度がある程度小さい、すなわち当該非希望波信号の伝送損失がある程度大きい場合を示す。図3の場合にグループ間の伝送損失が50[dB]と相対的に小さいのに対して、図4の場合は、このグループ間の伝送損失が60[dB]と大きくなっている。したがって、図4の場合、通信装置1−2,2−2におけるDU比が20[dB]であり、図3の場合より当該DU比が10[dB]大きくなっている。
本実施形態の具体例では、この図4のような場合は、所望の伝送速度が確保できるため、通信方式の共存を行う必要がなく高速伝送が可能である。また、通信方式の共存を行うと、通信資源を分割してしまうため、却って伝送速度が低下する可能性があるため、通信方式の共存を一律に行うことは望ましくない。
以下、通信方式の共存を一律に行う場合と、一律に行う必要がない境界のDU比が、上記図3と図4のように10[dB]と20[dB]との間に存在すると仮定する。
しかし、実際の通信では、図3のようにグループ間の伝送損失が50[dB]と比較的小さい場合でも、共存を行うことが望ましい場合と、望ましくない場合とがある。
以下に説明する送信制御方法は、共存実行を判断する際の新たな指標を与えるものである。そして本送信制御方法は、通信方式の共存が不必要に行われることを回避し、伝送資源の分割による伝送速度の低下をできるだけ防止することによって、通信速度の向上を図ることを目的とする。
図5は、この送信制御方法のフローチャートである。この送信制御は、主に図2(B)の制御回路13によって実行される。
なお、以下の説明では、通信装置1−2の通信相手である通信装置1−1が、既に説明した図3や図4よりも遠方にある場合を示す図6と図7を適宜参照する。ここで通信装置1−1は、受信機11、復調器12、制御回路13、共存制御信号検出部14、信号処理部15、変調器16および送信機17を有すること自体は通信装置1−2(図2(B))と同様である。ただし通信装置1−1においては、受信機11が受信電力Prを検出する機能、制御回路13が受信電力Prを入力し、それを基に変調器16の送信周波数や送信タイミングを制御する機能は必ずしも必須ではない。
通信装置1−1の信号処理部15が不図示の機器から送信データを入力し、その中に含まれている送信要求指示を、たとえば制御回路13が検出すると、図5のフローが開始する(ステップST0)。
より詳細に、ステップST0において、この送信要求発生が検出されると、制御回路13が送信部(変調器16および送信機17)を制御して、送信データの送信先を示すIDを含む送信要求信号を生成し、伝送路110に送出する。
この送信要求信号が不図示の伝送路110上の共存制御装置に届くと、当該共存制御装置は、送信周波数または送信タイミングを指示する制御信号(応答信号)を通信装置1−2に送る。
この応答信号は、通信方式を共存させるための指示(共存制御情報)を含む共存制御信号である場合と、単に通信可能であることを示す信号である場合とがある。
共存制御信号は、図2(B)の通信装置1−2にも届けられる。このときの送信周波数、送信タイミングは、当該通信装置1−1で予め定められた、通信方式の共存を行わない場合の送信仕様であるとする。
図5のステップST1では、通信装置1−1,1−2において、共存制御信号検出部14が、入力信号が共存制御信号であるかを検出する。入力信号が共存制御信号の場合、通信装置1−1,1−2の共存制御信号検出部14は、共存制御信号から共存制御情報を取り出し、制御回路13に送る。このため、通信装置1−2において、図5に示す送信制御のフローがステップST2に進む。一方、入力信号が共存制御信号でない場合、フローが図5のステップST3に進む。
ステップST3では、制限なく、すなわち通信方法の共存を行うことなく通信装置1−1,1−2間の通信を行う。
なお、当該電力線通信システムが共存可能となっていない場合は、共存制御信号を受信することがなく、ステップST1の判断が必ず「No」となるため、このステップST1→ステップST3の処理が実行される。
一方、通信装置1−2において共存制御信号を入力した制御回路13は、ステップST2で非希望波の受信信号強度Pr2を、所定の基準値C1と比較する。この所定の基準値C1は、図3と図4の例では、伝送損失が60[dB]より小さく、50[dB]より大きい場合の非希望波S2112の受信信号強度(たとえば受信電力)に対応する値を有する。
制御回路13は、受信電力Prが所定の基準値C1より大きい場合は、送信周波数や送信タイミングに関する仕様を通信方式の共存のための仕様に変更可能に設定し、処理フローがステップST4に移行する。
一方、受信電力Prが所定の基準値C1以下の場合、すなわちステップST2の判断が「No」の場合は、処理フローがステップST3の「制限無く送信」に移行する。より詳細には、制御回路13が、「当該変更を不可とする」、あるいは、「通信方式の共存のための仕様を解除する」の何れかを決定する。この決定は、通信方式の共存を行わないことの決定である。あるいは、この決定は、通信方式の共存に関し何の制約もなく信号を送信可能にすることの決定である。
このステップST2からステップST3に移行する制御は、当該通信装置1−2の通信相手である通信装置1−1以外の他の通信装置(本例では通信装置2−1)からの受信信号の強度が非常に小さいため、自分の送信信号も相手には妨害となるほどの受信レベルにならないと考えられ、共存のための制御を実行する必要がないと判断した結果である。
この決定または上記設定の情報の制限下で、制御回路13が送信部を制御する。したがって、以後、送信部が通信装置1−1にデータ信号を送信する際に、この情報に基づいた制限下で送信が実行される。たとえば、制御回路13は、送信部が共存のための送信仕様となっていない場合は当該仕様の変更を不可として、共存のための送信仕様が設定されないようにする。また、制御回路13は、送信部が共存のための送信仕様となっている場合は、当該送信仕様を解除して、共存が行われないようにする。そして、通信方式の共存に関し何ら制限を受けずに送信が実行される。
なお、必須ではないが、上記決定または設定の情報を、送信元である通信装置1−1に送ってもよい。通信装置1−1で、この情報を制御回路13が検出すると、制御回路13の制御によって通信装置1−1の変調器16において、変調器16の仕様変更または仕様解除が行われる。その結果、ステップST3に示す制限がない送信が、共存制御信号を受信した場合でも、非希望波の受信信号強度Pr2のレベルが所定の基準値C1以下であることを条件に実行される。
なお上記説明では、受信信号強度Pr2と所定の基準値C1との比較において、「より大きい」を「以上」に置き換え、かつ、「以下」を「未満(より小さい)」に置き換え可能である。
一方、受信信号強度Pr2が所定の基準値C1より大きい場合、一律に通信方式の共存を行う必要はない。
たとえば通信装置1−2が受信した希望波信号の送信元である通信装置1−1が、より近くにある場合は十分なDU比を確保できる可能性がある。そして、十分なDU比が得られれば、周波数多重または時分割多重で伝送資源を分割することは行わず、通信装置1−1と当該通信装置1−2とは、同一時刻、同一周波数で相互に信号を送信する場合も許容される“制限なしの送信方法”を適用できる可能性がある。
図6に、図3や図4に比べ、通信装置1−1と1−2がより近い(等価通信距離が小さい)場合を示す。この場合、通信装置1−1から通信装置1−2に送られてくる希望波信号の伝送損失は20[dB]と、図3や図4の40[dB]より小さい。
したがって、通信装置1−2におけるDU比は30[dB]と、図3の場合より20[dB]高い。このDU比は、通信方式を共存する必要がない図4の場合のDU比:20[dB]よりさらに10[dB]高いため、その分、通信装置1−1と1−2間の通信における送信電力Ptを下げる余地がある。
そこで、ステップST4では、通信装置1−2の制御回路13が、以下の式(1)を満たすかを判断する。
[数1]
Pr1/Pr2>C3…(1)
ここで、「Pr1」は通信装置1−2に通信装置1−1から入力される希望波信号の受信信号強度を表す。また、「C3」は通信装置1−2における所望のDU比であるパラメータを表す。
Pr1/Pr2>C3が成り立てば、実際のDU比(Pr1/Pr2)が所望のDU比(パラメータC3)より大きい。すなわち、上記式(1)が成り立つことは、実際のDU比が所望のDU比を上回るDU比の余裕があることを意味する。
したがって、このDU比の余裕分がゼロより僅かでも大きければ、通信方式を共存させる条件に達しないため、制限なく送信が可能である。
図5では、ステップST4において上記式(1)を満足する場合は、送信電力Ptを低減し、制限なく送信を行う(ステップST5)。
具体的には、通信装置1−2の制御回路13が、上記式(1)を満足するかを調べ、満足する場合は送信機17を制御して、自身の送信電力Ptを下げる設定を行う。
なお、必須ではないが、通信装置1−2の送信電力Ptを下げるための指令信号を、通信装置1−2の送信部から通信装置1−1に送ってもよい。この指令信号が通信装置1−1の受信部で受信されたことを、通信装置1−1の制御回路13が検出すると、当該制御回路13は、通信装置1−1の送信機17を制御して送信電力Ptを、当該指令信号が指図する量だけ低減する。
これによって、以後、通信装置1−2(および通信装置1−1)から送信する電力が低下するが、通信方式の共存を行わない条件は満たすことから、制限なき送信が可能となり、共存による伝送速度の低下を回避できる可能性が高まる。
このとき通信装置1−2(および通信装置1−1)の制御部13は、低減後の送信電力が少なくとも、低減前の送信電力をパラメータC2で割った値となるように各通信装置内の送信部を制御する。このとき送信電力を下げる限界値(送信電力の下限)は、たとえばパラメータC2=Pr1/Pr2/C3によって低減前の送信電力Ptを割った値をとる。ただし、その限界値まで送信電力を下げるとS/N比に余裕がなくなる場合、必要な余裕がとれるようにパラメータC2の値を、「Pr1/Pr2/C3」より小さくすることが望ましい。ただし、パラメータC2の値は1より大きい。
図7は、図6の状態から、通信装置1−1と1−2の送信電力Ptを10[dB]下げた状態を示す。
図7においては通信装置1−2,2−2の受信電力が、図6の場合より10[dB]低下する。このため、通信装置1−2におけるDU比は20[dB]、装置2−2におけるDU比も20[dB]となり、グループG1,G2の双方において、グループ内の任意の通信装置が同一時刻で同一周波数にて互いに送信を行っても、希望信号を正しく受信することが可能である。
一方、図5のステップST4において前記式(1)を満たさない場合は、ステップST6にて、周波数多重または時分割多重による共存が実行される。具体的には、ステップST1で検出した共存制御信号の指示内容に従って、制御回路13が変調器16に対し、通信方式の共存のための送信仕様に変更可能なことを設定する。このステップST6では、通常、通信方式の共存のための送信仕様への変更が実施されるが、すでに当該共存のための送信仕様が設定されている場合は、当該仕様を維持し、仕様変更は行われない場合もある。
図5のステップST4からステップST5の送信電力を限界値まで下げると、S/N比がとれなくなる場合があることは既に述べた。この場合、送信電力を下げる余裕があるかの判断式としては、たとえば次式(2)を用いることができる。
[数2]
Pr1/Pr2/C3>Pr2/C1…式(2)
ここで「Pr1」は通信装置1−2に通信装置1−1から入力される希望波の受信信号強度、「Pr2」は通信装置1−2に入力される非希望波の受信信号強度、「C3」は所望のDU比を表すパラメータ、「C1」は受信信号強度Pr2の大きさを判断(比較)する際の基準値を、それぞれ表す。
この式(2)を用いる判断を行う場合、図5の代わりに、図8を用いることができる。
図8では、ステップST4の判断が「Yes」、すなわち前記式(1)を満たす場合であっても、さらに前記式(2)を満たすかどうかの判断を行うために、ステップST4−1を追加している。ステップST4−1で前記式(2)を満たす場合はステップST5に移行するが、満たさない場合はステップST6に移行する。
これにより、余裕がある場合にのみ送信電力を低減する制御が可能である。なお、この式(2)は、送信電力に低減余裕があるかの判断式の一例に過ぎず、後述するように、この式(2)を満たせば必ず送信電力の低減が可能であるというものではない。
なお、図5および図8において、ステップST2の判断式をPr2≧C1、ステップST4の判断式を(Pr1/Pr2)≧C3としてもよい。また、図8においてステップST4−1の判断式をPr1/Pr2/C3≧Pr2/C1としてもよい。
また、図5および図8におけるステップST1の判断を、ステップST4の判断が「No」の場合に行うようにしてもよい。この場合、ノイズと信号(希望波または非希望波の信号)とを区別する工夫、たとえば、電源の周波数、その略倍数の周波数を有する場合はノイズと判断し、ノイズ成分を除去するステップが、受信信号強度Pr1,Pr2の検出時(ステップST4の判断の前、さらに望ましくはステップST2の判断の前)に必要となる。
さらに、本実施形態の説明では、自グループG1内の通信時に、他グループG2からの妨害波(非希望波)が入力された場合を説明したが、図5および図8のステップST2,ST4の判断式は特に希望波や非希望波が自グループからのものであるか他グループからのものであるかを見ない。つまり、図5および図8の送信制御は希望波、非希望波の受信信号強度と、所定の基準値C1,パラメータC3との関係で適用すべき送信方法の判断を行うものであることから、とくにグループを意識する必要はない。
なお、基準値C1の最適値は、伝送路で想定される信号減衰量と、使用する変調方式に依存する。したがって、当該電力線通信装置の設計時、あるいは、システム仕様によって、この基準値C1の最適値が、想定される信号減衰量および使用する変調方式に応じて決められる。電力線通信装置(本例では通信装置1−2)において、制御回路13は、このようにして決められた所定の基準値C1を保持するが、その値を変更可能にしてもよい。
また、制御回路13は、送信電力を下げる量を規定するパラメータC2、所望のDU比を規定するパラメータC3の各値も保持する。制御回路13が、パラメータC2、C3の一方または双方の値を変更可能にしてもよい。
ただし、パラメータC2の上限は「Pr1/Pr2/C3」であり、下限は「1より大きい」値である。パラメータC2は、この範囲で最適化される。具体的には、パラメータC2を大きくすれば、他の通信装置に与える妨害を減らすことができ、その意味では好ましい。ただし、パラメータC2を大きくし過ぎるとS/N比(Pr1/Pr2)にマージンがなくなり誤り率が大きくなる可能性がある。そのような場合、たとえば誤り率、伝送速度の双方の観点から許容できる範囲でパラメータC2を出来るだけ大きくするという制御が望ましい。
一方、本実施形態においてパラメータC3を固定値としてもよいが、以下に述べる理由から可変値として、その値を最適化することが望ましい。
所望のDU比を表すパラメータC3は、言い換えると復調に必要なS/N比を表す。そして、一般に、復調に必要なS/N比は、変調方式や伝送速度によって異なる。したがって、本実施形態で変調方式や伝送速度が変われば、望ましくは、それに応じてパラメータC3の値を変更する必要がある。
具体的に、搬送周波数が1つの変調方式では、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の変調方式の種類に応じて、復調に必要なS/N比も異なる。また、OFDM等のように複数の搬送波を用いる場合は、各搬送波にどのような変調方式を用いるかに自由度があり、これを変調パラメータとすると、この変調パラメータに応じて、必要なS/N比(たとえば、自グループ内通信時の平均受信電力と、他グループからの信号及び/又は雑音の平均受信電力との比)が異なる。したがって制御回路13は、用いる変調方式に応じてパラメータC3を変更することが可能である。また制御回路13は、前述した式(2)を満たさない場合には、逆に変調方式を変更して、それによって式(2)を満たすようにすることもできる。
パラメータC3に関しては、前記式(2)を満たすようにパラメータC3の値を選択しても必要な伝送速度を維持できない場合がある。たとえば、動画やオーディオのデータ(ストリーム)を伝送する場合には、これらのデータをリアルタイムに再生または記録するために要求される伝送速度が大きいため、当該伝送速度を維持できない場合が生じる可能性がある。そのような場合、本発明の目的が伝送速度の向上である点に鑑みて、その目的を達成できるのであれば、ステップST5に示す送信電力の低減を行わない、あるいは、ステップST6に強制移行させて通信方式の共存を行うことによって、伝送速度の維持を図るようにしても構わない。一方、たとえばホームページの閲覧データ等、所定の伝送速度を維持する必要がない場合は、伝送速度を気にせずパラメータC3を選択できる。
基準値C1およびパラメータC2,C3は固定値としてもよいが、以上のように可変値にすると好ましいことが多く、その場合、上述した諸条件を考慮して、それらの値が決定される。
本実施形態によれば、非希望波の受信信号強度が大きく干渉が生じる可能性がある場合でも、十分なDU比が確保されていれば送信電力を低減して周波数的および時間的に制限を設けずに送信することによって、必要以上に周波数や送信時間を分割せずに済み、より高速でデータ伝送する可能性が高まるという利点が得られる。
隣接する2つの家屋でそれぞれ行われる電力線通信システムの構成例を示す図である。 (A)は、実施形態の電力線通信システムの概略図である。(B)は、電力線通信装置のブロック図である。 通信方式を共存する場合の伝送損失およびDU比の数値例を記載したシステム図である。 共存を行わない場合の伝送損失およびDU比の数値例を記載したシステム図である。 実施形態の送信制御方法のフローチャートである。 共存の必要がない場合の伝送損失およびDU比の数値例を記載したシステム図である。 送信電力を図6の場合から下げたときの、伝送損失およびDU比の数値例を記載したシステム図である。 図5の変更例を示すフローチャートである。 (A)は、異なる方式の通信装置の電力線通信システムの構成図、(B)は、搬送波周波数と電界強度との関係を示すグラフである。 通信機器74における受信信号強度を示すグラフである。 時系信号と通信装置との対応を示す模式図である。 時分割多重による電力線通信のシステム構成図である。
符号の説明
1−1,1−2,2−1,2−2…通信装置、11…受信機、12…復調器、13…制御回路、14…共存制御信号検出部、15…信号処理部、16…変調器、17…送信機、100…宅外変圧器、101,103…低圧配電線、102,104…分電盤、105…宅外変圧器、106…中圧配電線、107,108…家屋、50_1〜50_6,51_1〜51_6…通信装置、Pr…受信電力、Pt…送信電力、Pr1,Pr2…受信信号強度

Claims (20)

  1. 電力線通信網と、
    当該電力線通信網にそれぞれ接続され、第1通信装置と第2通信装置を含む複数の通信装置と、を備え、
    前記電力線通信網に接続された装置に、共存制御信号を出力可能な装置を含み、
    前記第1通信装置と前記第2通信装置のそれぞれが、受信部、送信部および制御部を有し、
    前記第1通信装置は、送信先を示す識別情報を含む送信要求信号を制御部で生成し、当該送信要求信号を送信部から前記電力線通信網に送出し、
    前記共存制御信号を出力可能な装置は、前記送信要求信号を受け取ると、制御信号を前記第2通信装置に送信し、
    前記第2通信装置は、
    受信部によって、複数の受信信号と前記制御信号を受信し、
    受信した制御信号が、送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に、制御部によって、
    受信している前記複数の受信信号のうち、前記送信要求信号を発した第1通信装置からの希望波以外の非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較し、
    当該比較の結果、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときは、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、
    前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1以下(Pr2≦C1)のときは、通信方式の共存を行わないことを決定し、
    当該決定または前記設定の制限下で、送信周波数あるいは送信タイミングに関する送信仕様を変更可能に構成されている送信部を制御する、
    力線通信システム。
  2. 前記第2通信装置の受信部が、通信相手である前記第1通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、当該第2通信装置の制御部は、前記非希望波の前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より小さい(Pr2<C1)場合には、通信方式の共存に関し何の制限がなく信号を送信可能に、当該第2通信装置の送信部を制御する
    請求項1に記載の電力線通信システム。
  3. 前記第2通信装置の受信部が、通信相手である前記第1通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、当該第2通信装置の制御部は、前記非希望波の受信信号強度Pr2が所定の基準値C1より大きい(Pr2>C1)場合で、かつ、次式(1)、すなわち、
    Pr1/Pr2>C3…式(1)
    (ここで、Pr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C1:通信相手でない通信装置と共存可能か判断するための判定基準値、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)が成り立たない場合は、前記通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、Pr2>C1であって前記式(1)が成り立つ場合は、前記通信方式の共存を行わないが送信電力を低減することを決定し、当該決定または前記設定の制限下で当該第2通信装置の送信部を制御する
    請求項1に記載の電力線通信システム。
  4. 前記第2通信装置の制御部は、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときに前記式(1)が成り立ち、かつ、次式(2)、すなわち、
    Pr1/Pr2/C3>Pr2/C1…式(2)
    (ここで、Pr1:前記希望波の受信信号強度、C1:通信相手でない通信装置と共存可能か判断するための判定基準値、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)が成り立つ場合は、前記通信方式の共存を行わないが送信電力を低減することを決定し、前記Pr2>C1であって前記式(1)が成り立たない場合、または、前記Pr2>C1であって前記式(1)が成り立つが前記式(2)が成り立たない場合は、前記通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、当該設定または前記決定の制限下で当該第2通信装置の送信部を制御する
    請求項3に記載の電力線通信システム。
  5. 前記第2通信装置の制御部は、低減前の送信電力をパラメータC2で割った値に、低減後の送信電力がなるように当該第2通信装置の送信部を制御する
    請求項3または4に記載の電力線通信システム。
  6. 前記第2通信装置の制御部は、1より大きくPr1/Pr2/C3(ここでPr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)以下の値を有するパラメータC2で低減前の送信電力を割った値に、低減後の送信電力がなるように当該第2通信装置の送信部を制御する
    請求項3または4に記載の電力線通信システム。
  7. 前記パラメータC2は、1より大きく前記Pr1/Pr2/C3以下の範囲内で前記第2通信装置の制御部によって値の変更が可能である
    請求項6に記載の電力線通信システム。
  8. 前記Pr2>C1であって前記式(2)が成り立たない場合、前記第2通信装置の制御部が自装置の送信部を制御し、当該送信部の前記送信仕様によって規定されている変調方式を、前記式(2)を満たす変調方式に変更可能である
    請求項4に記載の電力線通信システム。
  9. 前記第2通信装置の制御部は、前記送信電力を低減する前記決定を行ったときは、自装置の送信部を制御して、低減の指示信号を当該送信部から前記希望波の信号を送信した通信相手の前記第1通信装置に送る
    請求項3または4に記載の電力線通信システム。
  10. 前記通信方式の共存は、周波数分割、時分割多重、または、周波数分割多重と時分割多重の双方を用いた共存である
    請求項1から9の何れか一項に記載の電力線通信システム。
  11. 前記第2通信装置は、自装置の受信部が受信した信号から共存制御信号を検出し、共存制御情報を出力する共存制御信号検出部をさらに有し、
    前記第2通信装置の制御部は、前記共存制御情報の入力を条件に前記非希望波の前記受信信号強度Pr2と前記基準値C1との比較を実行し、当該比較の結果、前記通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定したときは、前記共存制御情報に基づく送信仕様の変更を行うように自装置の送信部を制御する
    請求項1から3の何れか一項に記載の電力線通信システム。
  12. 前記第2通信装置の制御部は、送信要求を自装置の送信部から出力した場合、前記共存制御情報を入力し、かつ、前記通信方式共存のための送信仕様への変更を行うときは、前記共存制御情報に基づいて当該送信部を制御する
    請求項11に記載の電力線通信システム。
  13. 複数の受信信号および制御信号を受信する受信部と、
    送信周波数あるいは送信タイミングに関する送信仕様を変更可能に構成されている送信部と、
    制御部と
    を有し、
    通信相手である他の電力線通信装置が、送信先を示す識別情報を含む送信要求信号を生成し、当該送信要求信号を電力線通信網に送出し、当該送信要求信号を受け取った他の装置が送出する制御信号を前記受信部で受信し、受信した当該制御信号が送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に、前記制御部は、
    受信している前記複数の受信信号のうち、前記送信要求信号を発した前記他の電力線通信装置からの希望波以外の非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較し、
    当該比較の結果、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときは、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、
    前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1以下(Pr2≦C1)のときは、通信方式の共存を行わないことを決定し、
    当該決定または前記設定の制限下で前記送信部を制御する、
    電力線通信装置。
  14. 前記電力線通信装置が、通信相手である前記他の電力線通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の電力線通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、前記制御部は、前記非希望波の前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より小さい(Pr2<C1)場合には、通信方式の共存に関し何の制限がなく信号を送信可能に、前記送信部を制御する
    請求項13に記載の電力線通信装置。
  15. 前記電力線通信装置が、通信相手である前記他の電力線通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の電力線通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、前記制御部は、前記非希望波の受信信号強度Pr2が所定の基準値C1より大きい(Pr2>C1)場合で、かつ、次式(1)、すなわち、
    Pr1/Pr2>C3…式(1)
    (ここで、Pr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C1:通信相手でない通信装置と共存可能か判断するための判定基準値、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)が成り立たない場合は、前記通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、Pr2>C1であって前記式(1)が成り立つ場合は、前記通信方式の共存を行わないが送信電力を低減することを決定し、当該決定または前記設定の制限下で前記送信部を制御する
    請求項13に記載の電力線通信装置。
  16. 前記制御部は、低減前の送信電力をパラメータC2で割った値に、低減後の送信電力がなるように前記送信部を制御する
    請求項13に記載の電力線通信装置。
  17. 前記制御部は、1より大きくPr1/Pr2/C3(ここでPr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)以下の値を有するパラメータC2で低減前の送信電力を割った値に、低減後の送信電力がなるように前記送信部を制御する
    請求項13に記載の電力線通信装置。
  18. 前記パラメータC2は、1より大きく前記Pr1/Pr2/C3以下の範囲内で前記制御部によって値の変更が可能である
    請求項17に記載の電力線通信装置。
  19. 電力線通信網に接続され、送信周波数あるいは送信タイミングに関する送信仕様が変更可能な電力線通信装置の送信制御方法であって、
    前記電力線通信網に接続され、通信相手である他の電力線通信装置が、送信先を示す識別情報を含む送信要求信号を生成し、当該送信要求信号を前記電力線通信網に送出し、前記電力線通信網に接続され、当該送信要求信号を受け取った他の装置が送出する制御信号と、複数の受信信号を受信するステップと、
    前記制御信号が、送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に行う、共存制御のためのステップと、
    を含み、
    前記共存制御のためのステップが、
    前記複数の受信信号のうち、前記他の電力線通信装置からの希望波以外の非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較する第1ステップと、
    前記比較の結果、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)ときは、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1以下のときは、通信方式の共存を行わないことを決定する第2ステップと、
    前記決定または前記設定の制限下で信号の送信を制御する第3ステップと、
    を含む電力線通信装置の送信制御方法。
  20. 電力線通信網に接続されている第1通信装置および第2通信装置を含む電力線通信システムの送信制御方法であって、
    前記第1通信装置が、送信先を示す前記第2通信装置の識別情報を含む送信要求信号を生成し、当該送信要求信号を前記電力線通信網に送出するステップと、
    前記電力線通信網に接続され、当該送信要求信号を受け取った他の装置が、制御信号を前記電力線通信網に送出するステップと、
    複数の受信信号を受信する前記第2通信装置が、受信した前記制御信号が、送信周波数または送信タイミングを指示する共存制御信号の場合に行う、共存制御のためのステップと、
    を含み、
    前記共存制御のためのステップが、
    受信している前記複数の受信信号のうち、通信相手である前記第1通信装置からの希望波の信号と、前記通信相手以外の通信装置からの非希望波の信号とを受信したときに、前記非希望波の受信信号強度Pr2を基準値C1と比較する第1ステップと、
    前記受信信号強度Pr2が前記基準値C1より大きい(Pr2>C1)場合に、次式(1)、すなわち、
    Pr1/Pr2>C3…式(1)
    (ここで、Pr1:前記希望波の受信信号強度、Pr2:前記非希望波の受信信号強度、C1:通信相手でない通信装置と共存可能か判断するための判定基準値、C3:希望波と非希望波の所望の信号強度比(所望のDU比)を表すパラメータ)が成り立つかを判定する第2ステップと、
    前記Pr2>C1であって前記式(1)が成り立たない場合は、通信方式共存のための送信仕様への変更を可能に設定し、前記Pr2>C1であって前記式(1)が成り立つ場合は、通信方式共存のためには前記送信仕様の変更を行わないが送信電力を低減することを決定する第3ステップと、
    当該決定または前記設定の制限下で、前記一の通信装置の送信を制御する第4ステップと、
    を含む電力線通信システムの送信制御方法。
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