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JP4722326B2 - サブフレーム支持構造 - Google Patents

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JP4722326B2
JP4722326B2 JP2001158976A JP2001158976A JP4722326B2 JP 4722326 B2 JP4722326 B2 JP 4722326B2 JP 2001158976 A JP2001158976 A JP 2001158976A JP 2001158976 A JP2001158976 A JP 2001158976A JP 4722326 B2 JP4722326 B2 JP 4722326B2
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fixing bracket
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
    • B60G2206/60Subframe construction
    • B60G2206/604Subframe construction with two parallel beams connected by cross members

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  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体下面部に設けられるボディフレームに車幅方向に延在して左右のサスペンション部材を支持するサスペンション用サブフレームを弾性ブッシュを介して支持するサブフレーム支持構造に関する。
【0002】
【従来技術】
図8〜図10は、従来技術を示す説明図である。図中で矢印Frは車体前方を示し、矢印Lは車体後方から車体前方に向かって左側を示し、矢印Uは車体上方を示す。
【0003】
ボディフレーム1は、自動車の車体後部を下方から見た概略図である図8に示すように、車体下面部で互いに車幅方向に離間して車体前後方向に延在する一対のメインフレーム2と、これら一対のメインフレーム2の間で車幅方向に延在して互いに接続するボディクロスメンバ6を有している。そして、ボディフレーム1の下方位置には、ボディフレーム1の下面部に沿って車幅方向に延在するように、サブフレーム10が配設されている。
【0004】
サブフレーム10は、車体前後方向に離間して互いに平行に車幅方向に延在する前サブフレーム11と後サブフレーム12を車体前後方向に延在する一対の縦サブフレーム13で結合して井桁状に組むことによって一体に構成されている。そして、サブフレーム10の側方位置にはいわゆるマルチリンク式リヤサスペンションを介してハウジング20が支持されている。
【0005】
ハウジング20は、後車輪26を回転自在に支持しており、車体前後方向に離間して互いに平行に車幅方向に延在する複数本のラテラルロッド23、24、25と、ハウジング20から車体前方に向かって延在して先端がメインフレーム2の下面にブラケット80を介して支持されるラジアスアーム22とによって、上下方向に移動自在に支持されている。
【0006】
サブフレーム10は、弾性ブッシュ210を間に介在してメインフレーム2に支持されている。
【0007】
弾性ブッシュ210は、前サブフレーム11の両端部にそれぞれ配置されており、図8のF−F線断面図である図9に示すように、取付ボルト230が挿通されて中心軸線が上下方向に延在しかつメインフレーム2の下面部3に内筒上端211bが接面した状態で固定される内筒211と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部14内への圧入によりサブフレーム10に固定される外筒212と、内筒211と外筒212の間に介在され両者間の音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材213を有している。そして、弾性ブッシュ210の内筒下端211aと取付ボルト230のボルトヘッド230aとの間に共締め固定されてメインフレーム2に対するサブフレーム10の下方への変位を規制するワッシャ240を有している。
【0008】
一方、弾性ブッシュ210は、後サブフレーム12の両端部にそれぞれ配置されており、図8のG−G線断面図である図10に示すように、取付ボルト232が挿通されて中心軸線が上下方向に延在し、メインフレーム2の下面部3に内筒上端211bが接面した状態で固定される内筒211と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部14内への圧入によりサブフレーム10に固定される外筒212と、内筒211と外筒212の間に介在され両者間の音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材213を有している。そして、車幅方向に延在するステー220によって、内筒下端211aとボディクロスメンバ6との間が連結されている。
【0009】
ステー220は、平板部材を略クランク状に折曲することによって構成されており、ボディクロスメンバ6の下面部6aに接面して支持される上板部222と、弾性ブッシュ210の下端に支持される下板部221と、上板部222と下板部221との間を連結する連結部223とを有している。
【0010】
ステー220の上板部222は、図8に示すように、2本の取付ボルト231によって車体前後方向に離間した2カ所を下面部6aにボルト固定されており、下板部221は、図10に示すように、取付ボルト232のボルトヘッド231aと内筒下端211aとの間に共締め固定されている。
【0011】
上記構成を有するステー220を用いて、内筒下端211aとボディクロスメンバ6との間を支持することにより、弾性ブッシュ210の支持剛性を確保し、サブフレーム10にサスペンション入力荷重が作用した場合に、取付ボルト230、231の変形や、取付ボルト230、231を支持するメインフレーム2の下面部3の変形を抑制して、サブフレーム10の変位を抑え、自動車の操縦安定性を確保している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サブフレーム10の周辺には、燃料タンク15、フィラーパイプ16a、フューエルパイプ16bなどの燃料系部品16や、ハウジング20に連通するブレーキホース17a、ハンドブレーキケーブル17b、ABSセンサハーネス17cなどの制動系部品17が配置されている。
【0013】
従って、ステー220を設ける場合には、常態時においてこれらの周辺部品との必要間隔を備える一方、車体後方や車体側方から車体に衝撃荷重が加えられた場合にこれらの周辺部品や車体部材に対する影響を本来の機能が損なわれない実用範囲内に抑える必要がある。このため、燃料タンク15とサブフレーム10の位置関係を変更したり、燃料タンク15の容量を小さくしたり、車体のホイールベースを長くするなどの車体全体の大幅な設計変更が必要であった。
【0014】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝撃荷重が作用したときには周辺部品に対する影響を実用範囲内に抑えることができるサブフレーム支持構造を提供することにある。
【0015】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明によるサブフレーム支持構造は、車体下面部に設けられるボディフレームに、該ボディフレームの下方位置で車幅方向に延在して左右のサスペンション部材を支持するサブフレームを、中心軸線が上下方向に延在し前記ボディフレームの下面部に上端が固定される内筒と該内筒に同軸上に配置されサブフレームに固定される外筒と前記内筒の間に介在される弾性体とを有する弾性ブッシュを介して支持するサブフレーム支持構造において、 前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記ボディフレームの下面部に沿って延在して他端が前記ボディフレームに支持されるステーを設けると共に、前記ステーは、予め設定された方向からの入力荷重によって、該ステーの下方側に位置する燃料系部品若しくは制動部品への影響を回避する上方側へ折曲変形を生ずるように前記ステーの中間部に上方側へ凸となる屈曲部若しくは脆弱部を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明によると、ステーに対して予め設定された方向から予め設定された以上の荷重が入力された場合に、ステーは設定された方向に折曲変形する。従って、ステーの中間部に屈曲部若しくは脆弱部を設けて、ステーが折曲変形する方向を、ステーの下方側に位置する燃料系部品若しくは制動系部品への影響を回避することができる上方側に設定しておくことによって、実際に折曲変形した場合に、ステーの周辺に配置されている燃料系部品若しくは制動系部品への影響を回避することができる。
【0017】
従って、例えば衝撃荷重が入力された場合に、ステーによる燃料系部品若しくは制動係部品への影響を本来の機能が損なわれない実用範囲内に抑えることができる。また、このようなステーを設けたことに起因して、燃料系部品若しくは制動係部品への影響を考慮した大幅な設計変更を行う等の対策を施す必要がなく、容易に実施することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサブフレーム支持構造において、ステーが、弾性ブッシュの内筒下端に支持されるブッシュ側固定金具と、ボディフレームに支持されるボディフレーム側固定金具と、ブッシュ側固定金具に一端部が結合され他端部がボディフレーム側固定金具に結合されたパイプ部材と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1に記載のステーの構成を具体的に示したものであり、弾性ブッシュの内筒下端とボディフレームとの間を連結する部材にパイプ部材を用いたことにより、高い剛性を容易に得ることができ、ステーの軽量化も図ることができる。また、ステーを容易に製造することができ、ステーの製造コストを低減することができる。また、折曲変形した際に、鋭角部分の発生を防止して燃料系部品若しくは制動係部品への影響を低くすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のサブフレーム支持構造において、パイプ部材が、ブッシュ側固定金具とボディフレーム側固定金具との間の中央部分がブッシュ側固定金具とボディフレーム側固定金具との間を一直線状に結ぶ線よりも折曲変形する方向に偏在した位置を通過する湾曲形状を有することを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明によれば、ブッシュ側固定金具とボディフレーム側固定金具との間を接近させる方向に予め設定された以上の荷重が入力された場合に、中央部分でパイプ部材を設定された方向に折曲変形させることができ、周辺部品や部材等への影響を回避することができる。従って、例えば車体後方や車体側方から車体に衝撃荷重が加えられた場合に、燃料系部品若しくは制動係部品に対する影響を本来の機能が損なわれない実用範囲内に抑えることができる。
【0022】
また、湾曲形状に形成することにより、常態時において燃料系部品若しくは制動係部品とのクリアランスを確保することができ、また、整備スペースを確保することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のサブフレーム支持構造において、パイプ部材が、中央部分に前記折曲変形を生じさせる脆弱部を有することを特徴とする。
【0024】
請求項4の発明によれば、ブッシュ側固定金具とボディフレーム側固定金具との間を接近させる方向に予め設定された以上の荷重が入力された場合に、脆弱部でパイプ部材を設定された方向に折曲変形させることができ、周辺部品や部材等への影響を回避することができる。従って、例えば車体後方や車体側方から車体に衝撃荷重が加えられた場合に、周辺部品や部材等に対する影響を本来の機能が損なわれない実用範囲内に抑えることができる。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載のサブフレーム支持構造において、ブッシュ側固定金具が、弾性ブッシュの内筒下端に固定される固定部と、ブッシュ側固定部の端縁に連続して設けられパイプ部材の中心軸線に対して傾斜して交差する方向に延在する支持面部と、支持面部に開口形成されパイプ部材の一端部を挿入した状態で溶接可能なパイプ装着穴部と、を有することを特徴とする。
【0026】
請求項5の発明によれば、支持面部をパイプ部材の中心軸線に対して傾斜して交差する方向に延在させ、かかる支持面部にパイプ部材の一端部を挿入し溶接するためのパイプ装着穴部を形成したので、ブッシュ側固定金具にパイプ部材の一端部を位置決めした状態で保持させることができ、パイプ部材のブッシュ側固定金具への溶接を容易ならしめ、ステーの生産性を向上することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれかに記載のサブフレーム支持構造において、ボディフレーム側固定金具が、ボディフレームに固定される固定部と、固定部の端縁に連続して設けられパイプ部材の中心軸線に対して傾斜して交差する方向に延在する支持面部と、支持面部に開口形成されパイプ部材の他端部に挿入した状態で溶接可能なパイプ装着穴部と、を有することを特徴とする。
【0028】
請求項6の発明によれば、支持面部をパイプ部材の中心軸線に対して傾斜して交差する方向に延在させ、かかる支持面部にパイプ部材の他端部を挿入し溶接するためのパイプ装着穴部を形成したので、ブッシュ側固定金具にパイプ部材の一端部を位置決めした状態で保持させることができ、パイプ部材のブッシュ側固定金具への溶接を容易ならしめ、ステーの生産性を向上することができる。
【0029】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載のサブフレーム支持構造において、ステーが、パイプ部材の一端部と他端部の少なくとも一方が中央部分よりも下方に配置される姿勢状態で弾性ブッシュの内筒下端とボディフレームとの間を連結することを特徴とする。
【0030】
請求項7の発明によると、パイプ部材の一端部と他端部の少なくとも一方が中央部分よりも下方に配置されるので、パイプ部材の内部に入り込んだ土砂の排出が自然に行われる。また、パイプ部材の内部の洗浄も容易で、水の排出も自然に行うことができる。従って、ステーの防錆寿命を長く維持することができる。
【0031】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のサブフレーム支持構造において、ステーが、弾性ブッシュの内筒下端にブッシュ側固定金具が支持され、ブッシュ側固定金具からボディフレームに沿って延在してボディフレーム側固定金具がボディフレームに支持される第1ステーと、弾性ブッシュの内筒下端にブッシュ側固定金具が支持され、ブッシュ側固定金具からボディフレームに沿ってかつ第1ステーと異なる方向に延在してボディフレーム側固定金具がボディフレームに支持される第2ステーと、を有することを特徴とする。
【0032】
請求項8の発明によると、ボディフレームに沿って延在する第1ステーと、ボディフレームに沿って延在しかつ第1ステーと異なる方向に延在する第2ステーを用いて弾性ブッシュの内筒下端とボディフレームとの間を連結することにより、第1ステーの延在する方向への入力及び第2ステーの延在する方向への入力に対する弾性ブッシュの支持剛性を向上することができる。
【0033】
従って、防振性を損なうことなく、サブフレームのボディーフレームに対する第1ステー及び第2ステーの延在する方向への変位を抑制することができる。従って、第1ステー及び第2ステーの延在する方向を予め設定された方向に設定することによって、優れた操縦安定性を確保できる。
【0034】
また、第1ステーの延在する方向、或いは第2ステーの延在する方向に予め設定された以上の荷重が入力された場合には、当該ステーを設定された方向に積極的に折曲変形させることができるので、複数のステーを設けた場合でも、ステーの周辺に配置されている燃料系部品若しくは制動係部品への影響を回避することができる。
【0035】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のサブフレーム支持構造において、ボディフレームが車体下面部で互いに車幅方向に離間して車体前後方向に延在する一対のメインフレームと、これらのメインフレームの間を車幅方向に延在して互いに接続するボディクロスメンバを有し、第1ステーがメインフレームに沿って車体前後方向に延在して弾性ブッシュの内筒下端とメインフレームとの間を連結し、第2ステーがボディクロスメンバに沿って車幅方向に延在して弾性ブッシュの内筒下端とボディクロスメンバとの間を連結することを特徴とする。
【0036】
請求項9の発明は、請求項8に記載の発明を具体的に示したものであり、第1ステーは、メインフレームに沿って車体前後方向に延在してメインフレームと弾性ブッシュの内筒下端との間を連結し、第2ステーは、ボディクロスメンバに沿って車幅方向に延在してボディクロスメンバと弾性ブッシュの内筒下端との間を連結することにより、車体前後方向及び車幅方向への入力に対する弾性ブッシュの支持剛性を向上することができる。
【0037】
従って、防振性を損なうことなく、サブフレームの車体前後方向及び車幅方向への移動を抑制することができ、サブフレームに支持された車輪のトー変化を抑え、操縦安定性を向上することができる。
【0038】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のサブフレーム支持構造において、弾性ブッシュがサブフレームの前部と後部にそれぞれ設けられており、第1ステーがサブフレーム前部とメインフレームとの間に介在される弾性ブッシュの内筒下端とメインフレームとの間を車体前後方向に延在して連結し、第2ステーがサブフレーム後部とメインフレームとの間に介在される弾性ブッシュの内筒下端とボディクロスメンバとの間を車幅方向に延在して連結することを特徴とする。
【0039】
請求項10の発明は、サブフレームの前部と後部を左右のメインフレームに弾性ブッシュを介して支持する場合について示したものであり、サブフレームの前部に設けられる弾性ブッシュの内筒下端とメインフレームとの間を車体前後方向に延在する第1ステーによって連結し、サブフレームの後部に設けられる弾性ブッシュの内筒下端とボディクロスメンバとの間を車幅方向に延在する第2ステーによって連結して、サブフレームの後部の車幅方向への剛性を向上させ、サブフレームの前部の車体前後方向への剛性を向上させる。
【0040】
これにより、例えばサブフレームの車体左右のいずれか一方に車体前方から後方に向かってサスペンション入力荷重が働いた場合には、第1ステーが車体前後方向の入力荷重に抗することによって、サブフレーム後部を支持する部分の車体前後方向への変位を抑制できる。
【0041】
従って、サブフレーム後部を支持する部分の車体前後方向への変位に起因した、サブフレーム前部を支持する部分の車幅方向への変位を抑えることができ、サブフレーム全体が平面視で回転する方向に移動するのを防止し、トー角の変化を抑えることができる。従って、防振性を損なうことなく、操縦安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0042】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載のサスペンション用サブフレームの支持構造において、一方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端にブッシュ側固定金具が支持された第2ステーと、他方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端にブッシュ側固定金具が支持された第2ステーを車幅方向に延在するように一体化したことを特徴とする。
【0043】
請求項11の発明によれば、第2ステーの車幅方向への剛性を向上することができ、弾性ブッシュの車幅方向への支持剛性を向上することができる。従って、サブフレームの車幅方向への移動を更に抑制することができ、操縦安定性をより一層向上させることができる。
請求項12に記載の発明によるサブフレーム支持構造は、車体下面部に設けられるボディフレームに、該ボディフレームの下方位置で車幅方向に延在して左右のサスペンション部材を支持するサブフレームを、中心軸線が上下方向に延在し前記ボディフレームの下面部に上端が固定される内筒と該内筒に同軸上に配置されサブフレームに固定される外筒と前記内筒及び前記外筒の間に介在される弾性体とを有する弾性ブッシュを介して支持するサブフレーム支持構造において、 前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記ボディフレームの下面部に沿って延在して他端が前記ボディフレームに支持されるステーを設けると共に、前記ステーは、前記サブフレームの前側の両端部を前記ボディフレームに支持する前記弾性ブッシュの内筒下端と、前記ボディフレームにおけるサスペンション部材のラジアスアームを前記ボディフレームに支持する支持部を車体略前後方向に延在して連結し、予め設定された方向からの入力荷重によって、該ステーの下方側に位置する燃料系部品若しくは制動部品への影響を回避する上方側へ折曲変形を生ずるように前記ステーの中間部に上方側へ凸となる屈曲部若しくは脆弱部を設けたことを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図に基づいて以下に説明する。
【0045】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例を説明する概略図であり、上述の従来技術の説明で用いた図8に対応するものである。尚、従来と同様の符号には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0046】
メインフレーム2及びボディクロスメンバ6は、それぞれ上方が開放された略コ字型の断面形状を有しており、その上方を閉塞するように図示していない車体下面に固定されている。そして、メインフレーム2にボディクロスメンバ6が接続される箇所のメインフレーム2の下面部3には、後サブフレーム12の両端部をメインフレーム2に支持するための弾性ブッシュ40が設けられており、その車体前方位置には、前サブフレーム11の両端部をメインフレーム2に支持するための弾性ブッシュ30が設けられている。
【0047】
弾性ブッシュ30は、図1のH−H線断面図である図2に示すように、取付ボルト71を挿通可能な内径を有する内筒31と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部14内に圧入固定される外径を有する外筒32と、内筒31と外筒32の間を結合して音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材33を備えており、内筒31は、外筒32よりも軸方向に長く、その両端部は外筒32の両端部よりも軸方向にそれぞれ突出するように配設されている。また、弾性部材33は、外筒32の両端部と同一面を形成する端面を有しており、これらの両端面には、外筒33の端部よりも軸方向に突出しかつ内筒31の端部よりも低い高さを有するリング状の突起部34がそれぞれ設けられている。
【0048】
上記構成を有する弾性ブッシュ30は、メインフレーム2の下面部3に形成された開口穴5の付近に固設されたウェルドナット4に、下方から内筒31の中を挿通させた取付ボルト71の先端を螺合することによってメインフレーム2に支持されている。
【0049】
メインフレーム2の下面部3は、略水平方向に延在して弾性ブッシュ30の内筒上端31bが接面した状態で固定されるブッシュ固定面部3Aと、ブッシュ固定面部3Aの前端で車体下方に向かって折曲されて車体前方に移行するに従って漸次車体下方に移行するように延在する傾斜面部3Bと、傾斜面部3Bの前端で再び車体前方に向かって折曲されて略水平方向に延在する水平面部3Cを有しており、傾斜面部3Bと水平面部3Cとの間には、ハウジング20のラジアスアーム22をメインフレーム2に支持するブラケット8が固設されている。
【0050】
そして、ブラケット8と弾性ブッシュ30の内筒下端31aとの間には、メインフレーム2の下面部3に沿って車体前後方向に延在して両者を連結する第1ステー50が設けられている。
【0051】
第1ステー50は、弾性ブッシュ30の内筒下端31aに結合されるブッシュ側固定金具51と、ブラケット8に結合されるボディフレーム側固定金具52と、ブッシュ側固定金具51とボディフレーム側固定金具52との間を連結するパイプ部材53とを有している。
【0052】
ブッシュ側固定金具51は、平板部材を絞り成形することによって形成されており、弾性ブッシュ30の内筒下端31aの下面に対向配置され固定されるブッシュ側固定部54と、ブッシュ側固定部54の端縁に連続して折り曲げ形成されてパイプ部材53の一端部53Aが溶接されるブッシュ側支持部55を有している。ブッシュ側固定部54は、取付ボルト71を挿通するための貫通孔54aを有しており、ブッシュ側支持部55は、パイプ部材53の一端部53Aに沿って延在すると共にその外周面に接面する断面が略円弧形状を有している。
【0053】
ボディフレーム側固定金具52は、ブッシュ側固定金具51と同様に、平板部材を絞り成形することによって形成されており、ブラケット8の下面に対向配置され固定されるブラケット側固定部56と、ブラケット側固定部56の端縁に連続して折り曲げ形成されてパイプ部材53の他端部53Bが溶接されるブラケット側支持部57を有している。ブラケット側固定部56は、ブラケット8の下面に突設された固定ボルト72を挿通するための貫通孔56aを有しており、ブラケット側支持部57は、パイプ部材53の一端部53Bに沿って延在すると共にその外周面に接面する断面が略円弧形状を有している。
【0054】
パイプ部材53は、予め設定された剛性で選定された直径及び厚さを有する円筒パイプ部材を湾曲させることによって形成されており、一端部53Aがブッシュ側固定金具51のブッシュ側支持部55に溶接固定され、他端部53Bがボディフレーム側固定金具52のブラケット側支持部57に溶接固定されている。そして、弾性ブッシュ30の下端にブッシュ側固定金具51を支持し、ブラケット8にボディフレーム側固定金具52を支持した場合に、一端部53Aと他端部53Bとの間を一直線状に結ぶ線よりも中央部53Cが車体上方でかつ車体前方位置に偏在しかつ一端部53Aと他端部53Bが中央部53Cよりも低い高さ位置に位置する姿勢状態に配置される。
【0055】
第1ステー50のブッシュ側固定金具51は、ブッシュ側固定部54を弾性ブッシュ30の下面に対向させて取付ボルト71の先端を貫通孔54aを介して内筒31の中に挿通してウェルドナット4に螺合することによって、弾性ブッシュ30の下端に支持される。また、第1ステー50のボディフレーム側固定金具52は、ブラケット側固定部56をブラケット8の下面に対向させて固定ボルト72に貫通孔56aを挿通させてナット73を螺合することによって、ブラケット8に支持される。
【0056】
従って、弾性ブッシュ30の内筒31及び取付ボルト71は、両端が支持された形となり、防振性を損なうことなく、車体前後方向の入力に対する支持剛性を向上することができる。これにより、例えば急発進・急加速時のサスペンション入力荷重によってサブフレーム10に車体前後方向に向かう荷重が作用した場合に、取付ボルト71の変形や、取付ボルト71の先端を支持するブッシュ固定面部3Aの変形を抑え、サブフレーム10の前部が車体前後方向に変位するのを抑制することができる。
【0057】
また、第1ステー50は、パイプ部材53の一端部53Aと他端部53Bが中央部53Cよりも低い高さ位置に位置する姿勢状態で配置されるので、所定の排泄勾配を有し、例えばパイプ部材53の端部からその内部に土砂や水が入り込んだ場合に、自然に排出させることができる。従って、パイプ部材53の内部を洗い易く、第1ステー50の防錆寿命を増大させることができる。更に、パイプ部材53の湾曲形状により、パイプ部材53の下方位置にブレーキホース17a、ハンドブレーキケーブル17b、ABSセンサ用ハーネス17c等の制動系部品17を配置するための空間部を形成することができ、常態時における制動系部品17とのクリアランス及びこれらの整備スペースを確保することができる。
【0058】
一方、後サブフレーム12の両端部をメインフレーム2に支持するための弾性ブッシュ40は、図1のJ−J線断面図である図3に示すように、取付ボルト74を挿通可能な内径を有する内筒41と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部18内に圧入固定される外径を有する外筒42と、内筒41と外筒42の間を結合して音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材43を備えており、内筒41は、外筒42よりも軸方向に長く、その両端部は外筒42の両端部よりも軸方向にそれぞれ突出するように配設されている。また、弾性部材43の両端面には、弾性ブッシュ30と同様にリング状の突起部44がそれぞれ設けられている。
【0059】
上記構成を有する弾性ブッシュ40は、メインフレーム2の下面部3に形成された開口穴5の付近に固設されたウェルドナット4に、下方から内筒41の中を挿通させた取付ボルト74の先端を螺合することによってメインフレーム2に支持されている。
【0060】
そして、弾性ブッシュ40の内筒下端41aには、ボディクロスメンバ6の下面部6aに沿って車幅方向に延在してボディクロスメンバ6との間を連結する第2ステー60が設けられている。
【0061】
第2ステー60は、弾性ブッシュ40の内筒下端41aに結合されるブッシュ側固定金具61と、ボディクロスメンバ6に結合されるボディフレーム側固定金具62と、ブッシュ側固定金具61とボディフレーム側固定金具62との間を連結するパイプ部材63とを有している。
【0062】
ブッシュ側固定金具61は、平板部材を絞り成形することによって形成されており、弾性ブッシュ40の内筒下端41aの下面に対向配置され固定されるブッシュ側固定部64と、ブッシュ側固定部64の端縁に連続して折り曲げ形成されてパイプ部材63の一端部63Aが溶接されるブッシュ側支持部65を有している。ブッシュ側固定部64は、取付ボルト74を挿通するための貫通孔64aを有しており、ブッシュ側支持部65は、パイプ部材63の一端部63Aに沿って延在しかつその外周面に接面するように断面が略円弧状に形成されている。
【0063】
ボディフレーム側固定金具62は、ブッシュ側固定金具61と同様に、平板部材を絞り成形することによって形成されており、ボディクロスメンバ6の下面部6aに対向配置され固定されるメンバ側固定部66と、メンバ側固定部66の端縁に連続して折り曲げ形成されてパイプ部材63の他端部63Bが溶接されるメンバ側支持部67を有している。メンバ側固定部66は、取付ボルト75を挿通するための貫通孔66aを有しており、メンバ側支持部67は、パイプ部材63の他端部63Bに沿って延在しかつその外周面に接面するように断面が略円弧形状に形成されている。
【0064】
パイプ部材63は、予め設定された剛性で選定された直径及び厚さを有する円筒パイプ部材を長手方向に湾曲成形することによって形成されており、一端部63Aがブッシュ側固定金具61のブッシュ側支持部65に溶接固定され、他端部63Bがボディフレーム側固定金具62のメンバ側支持部67に溶接固定されている。
【0065】
そして、弾性ブッシュ40の下端にブッシュ側固定金具61を支持し、ボディクロスメンバ6の下面部6aにボディフレーム側固定金具62を支持した場合に、一端部63Aと他端部63Bとの間を一直線状に結ぶ線よりも一端部63Aと他端部63Bとの間の中央部63Cが車体上方でかつ車体後方位置に偏在しかつ一端部63Aが他端部63B及び中央部63Cよりも低い高さ位置に位置する姿勢状態に配置される。
【0066】
第2ステー60のブッシュ側固定金具61は、取付ボルト74の先端を貫通孔64aを介して内筒41に挿通してウェルドナット4に螺合することにより、弾性ブッシュ40の下端に支持される。また、第2ステー60のボディフレーム側固定金具62は、固定ボルト75を貫通孔66aを挿通させてウェルドナット4に螺合することによって、ボディクロスメンバ6の下面部6aに支持される。
【0067】
従って、弾性ブッシュ40の内筒41及び取付ボルト74は、両端が支持された形となり、防振性を損なうことなく、車幅方向の入力に対する支持剛性を向上することができる。これにより、例えば旋回時のサスペンション入力荷重によってサブフレーム10に車幅方向に向かう力が作用した場合に、取付ボルト74の変形や、取付ボルト74の先端を支持するメインフレーム2の下面部3の変形を抑え、サブフレーム10の車体後部が車幅方向に変位するのを抑制することができる。
【0068】
また、第2ステー60は、パイプ部材73の一端部73Aが他端部73B及び中央部73Cよりも低い高さ位置に位置する姿勢状態で配置されるので、所定の排泄勾配を有し、例えばパイプ部材63の端部からその内部に土砂や水が入り込んだ場合に、これらを自然に排出することができる。従って、パイプ部材63の内部を洗い易く、防錆寿命を増大させることができる。更に、パイプ部材63の湾曲形状により、パイプ部材63の下方位置に所定の空間部を形成することができ、制動系部品17等の周辺部品の整備スペースを確保することができる。
【0069】
上記構成を有するサブフレーム支持構造によれば、例えば急発進、急加速時のサスペンション入力荷重により、サブフレーム10に車体後方に向かう力が作用すると、弾性ブッシュ30の外筒32と弾性ブッシュ40の外筒42には、車体後方に向かう力が作用する。
【0070】
これに伴い、弾性ブッシュ30の内筒31及び弾性ブッシュ40の内筒41には、それぞれ弾性部材33及び弾性部材43を介して車体後方に向かう力が作用するが、弾性ブッシュ30の内筒31をメインフレーム2に支持する取付ボルト71の先端側がメインフレーム2のブッシュ固定面部3Aに支持され、取付ボルト71のボルトヘッド側が車体前後方向に延在する第1ステー50を介してメインフレーム2に支持されて、車体前後方向に向かう力に対する支持剛性が向上されているので、かかる方向への取付ボルト71自身の変形や、取付ボルト71の先端側を支持するブッシュ固定面部3Aの変形を抑制し、これらの変形に起因した内筒31の車体後方への変位を抑えることができる。
【0071】
また、例えば旋回走行時のサスペンション入力荷重により、サブフレーム10に車幅方向の力が作用すると、弾性ブッシュ30の外筒32と弾性ブッシュ40の外筒42には、車幅方向に向かう力が作用する。
【0072】
これに伴い、弾性ブッシュ30の内筒31及び弾性ブッシュ40の内筒41には、それぞれ弾性部材33及び弾性部材43を介して車幅方向に向かう力が作用するが、弾性ブッシュ40の内筒41をメインフレーム2に支持する取付ボルト74の先端側がメインフレーム2の下面部3に支持され、取付ボルト74のボルトヘッド側が車幅方向に延在する第2ステー60を介してボディクロスメンバ6に支持されて、車幅方向に向かう力に対する支持剛性が向上されているので、かかる方向への取付ボルト74自身の変形や、取付ボルト74の先端側を支持するメインフレーム2の下面部3の変形を抑制し、これらの変形に起因した内筒41の車幅方向への変位を抑えることができる。
【0073】
従って、サブフレーム10の車体前後方向及び車幅方向への変位を抑制することができる。
【0074】
また、例えば悪路走行時のサスペンション入力荷重により、サブフレーム10の車幅方向いずれか一方側に車体後方に向かう力が作用した場合には、その車幅方向一方側の弾性ブッシュ40には車体後方に向かう力が作用し、車幅方向他方側の弾性ブッシュ40には車体前方に向かう力が作用し、車幅方向一方側の弾性ブッシュ30には車幅方向外方に向かう力が作用し、車幅方向他方側の弾性ブッシュ30には車幅方向内方に向かう力が作用する。
【0075】
しかし、第1ステー50により、弾性ブッシュ30の車体前後方向に向かう力に対する支持剛性が向上されて、内筒31の車体後方への変位が抑えられているので、車幅方向一方側の弾性ブッシュ40の車体後方への変位と、車幅方向他方側の弾性ブッシュ40の車体前方への変位を抑えることができる。
【0076】
また、第2ステー60により、弾性ブッシュ40の車幅方向に向かう力に対する支持剛性が向上されて、内筒41の車幅方向への変位が抑えられているので、車幅方向一方側の内筒41の車幅方向外方への変位と、車幅方向他方側の内筒41の車幅方向内方への変位を抑えることができる。
【0077】
従って、サブフレーム10がボディフレーム1の下面に沿って平面視で回転する方向に変位するのを防止することができる。これにより、サブフレーム10に支持されているハウジング20のトー角変化を抑制することができる。従って、サスペンション支持剛性を増大させることが可能となり、操縦安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0078】
また、サブフレーム10がボディフレーム1の下面に沿って平面視で回転方向に移動されるのを防止することができることから、第2ステー60のボディクロスメンバ6側を固定する取付ボルト75への弛み入力を低減することができ、取付ボルト75の本数を従来よりも削減することができる。
【0079】
そして、例えばメインフレーム2に対してサブフレーム10の前サブフレーム11側や後サブフレーム12側が上下方向に変位した場合は、弾性部材33、43の上下の端面にそれぞれ突設された突起部34、44がメインフレーム2の下面部3や第1ステー50の一端部51或いは第2ステー60の一端部61に当接することにより、外筒32、42やブッシュ装着穴部14の直接当接を防止して、音や振動の伝達を防止することができる。
【0080】
そして、例えば第1ステー50に車体前後方向の衝撃荷重が作用した場合には、第1ステー50のパイプ部材53が所定の湾曲形状を有していることから、パイプ部材53の中央部53Cを車体上方に向かって折曲変形させ、パイプ部材53の下方位置に存在する制動系部品17との干渉を回避することができる。また、折曲変形により他の周辺部品や車体部材に干渉した場合でも、第1ステー50は、外形が円筒形状を有するパイプ部材53を採用しているので、周辺部品等への影響を本来の機能を損なわない実用範囲内に抑えることができ、本来のステー剛性を維持して操縦安定性を維持することができる。
【0081】
また、例えば第2ステー60に車幅方向の衝撃荷重が作用した場合には、第2ステー60のパイプ部材63が所定の湾曲形状を有していることから、パイプ部材63の中央部63Cを車体上方でかつ後方に向かって折曲変形させ、パイプ部材63の周辺に存在する周辺部品や車体部材等への干渉を回避することができる。そしてまた、折曲変形によりこれらの周辺部品等に干渉した場合でも、第2ステー60は、外形が円筒形状を有するパイプ部材63を採用しているので、周辺部品等への影響を本来の機能を損なわない実用範囲内に抑えることができ、本来のステー剛性を維持して操縦安定性を維持することができる。
【0082】
(第2の実施例)
図4及び図5は、第2の実施例を説明する概略図であり、それぞれ第1の実施例における図2及び図3に対応するものである。尚、第1の実施例と同様の符号には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0083】
本実施例において、第1ステー80のブッシュ側固定金具81は、図4に示すように、平板部材を折り曲げることによって形成されており、弾性ブッシュ30の内筒下端31aの下面に対向配置され固定されるブッシュ側固定部84と、ブッシュ側固定部84の端縁で下方に向かって折曲されてパイプ部材83の一端部83Aの中心軸線に対して直交せず傾斜して交差する方向に延在するブッシュ側支持面部85と、ブッシュ側支持面部85に楕円形状を有して開口形成されパイプ部材83の一端部83Aを斜めに挿入した状態で溶接可能なブッシュ側パイプ装着穴部86と、を有している。
【0084】
ボディフレーム側固定金具82は、ブッシュ側固定金具81と同様に、平板部材を折り曲げることによって形成されており、ブラケット8の下面に対向配置され固定されるブラケット側固定部86と、ブラケット側固定部86の端縁で下方に向かって折曲されてパイプ部材83の他端部83Bの中心軸線に対して直交せず傾斜して交差する方向に延在するブラケット側支持面部87と、ブラケット側支持面部87に楕円形状を有して開口形成されパイプ部材83の他端部83Bを斜めに挿入した状態で溶接可能なブラケット側パイプ装着穴部88と、を有している。
【0085】
パイプ部材83は、第1の実施例と同様の構成を有しており、予め設定された剛性で選定された直径及び厚さを有する円筒パイプを湾曲成形することによって形成されており、一端部83Aがブッシュ側パイプ装着穴部86に挿入された状態で溶接固定されており、他端部83Bは、ブラケット側パイプ装着穴部88に挿入された状態で溶接固定されている。
【0086】
また、第2ステー90のブッシュ側固定金具91は、図5に示すように、平板部材を折り曲げることによって形成されており、弾性ブッシュ40の内筒下端41aの下面に対向配置され固定されるブッシュ側固定部94と、ブッシュ側固定部94の端縁で下方に向かって折曲されてパイプ部材93の一端部93Aの中心軸線に対して直交せず傾斜して交差する方向に延在するブッシュ側支持面部95と、ブッシュ側支持面部95に楕円形状を有して開口形成されパイプ部材93の一端部93Aを斜めに挿入した状態で溶接可能なブッシュ側パイプ装着穴部96と、を有している。
【0087】
ボディフレーム側固定金具92は、ブッシュ側固定金具91と同様に、平板部材を折り曲げることによって形成されており、ボディクロスメンバ6の下面部6aに接面状態で固定されるメンバ側固定部96と、メンバ側固定部96の端縁で下方に向かって折曲されてパイプ部材93の他端部93Bの中心軸線に対して直交せず傾斜して交差する方向に延在するメンバ側支持面部97と、メンバ側支持面部97に楕円形状を有して開口形成されたパイプ部材93の他端部93Bを斜めに挿入した状態で溶接可能なメンバ側パイプ装着穴部98と、を有している。
【0088】
パイプ部材93は、第1の実施例と同様の構成を有しており、予め設定された剛性で選定された直径及び厚さを有する円筒パイプを長手方向に湾曲成形することによって形成されており、一端部93Aがブッシュ側パイプ装着穴部96に挿入された状態で溶接固定されており、他端部93Bは、メンバ側パイプ装着穴部98に挿入された状態で溶接固定されている。
【0089】
従って、絞り成形よりも容易に製造でき、材料費、成形費、型費を低減し、溶接時間を短くすることができる。従って、生産性をより向上させることができる。また、ブッシュ側固定金具81をパイプ部材83の一端部83Aの中心軸線に対して直交せず斜めに交差する方向に延在させ、パイプ部材83の一端部83Aを挿入するためのパイプ装着穴部86をブッシュ側固定金具81に楕円形に開口形成したので、第1ステー80を製造する際に、パイプ部材83の一端部83Aにボディフレーム側固定金具84を位置決めした状態で保持させ、パイプ部材83の他端部83Bにボディフレーム側固定金具82を位置決めした状態で保持させることができる。従って、ブッシュ側固定金具81及びボディフレーム側固定金具82のパイプ部材83への溶接作業を容易なものにすることができ、ステーの生産性を飛躍的に向上させることができる。尚、第2ステー90についても同様であるのでその詳細な説明は省略する。
【0090】
(第3の実施例)
図6は、第3の実施例を説明する概略図であり、図7は、図6のK方向矢視図である。尚、第1の実施例及び第2の実施例と同様の符号には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。本実施例で特徴的なことは、第2の実施例において車体左右に設けられる一対の第2ステー90をメインフレーム2の間に亘って車幅方向に延在するように一体化し、車幅方向中央部分をボディクロスメンバ6の下面部6aに固定したことである。
【0091】
本実施例における第2ステー100は、ブッシュ側固定金具101と、ボディフレーム側固定金具102と、パイプ部材103を有しており、ブッシュ側固定金具101は、第2の実施例と同様に、平板部材を折り曲げることによって形成されており、弾性ブッシュ30の内筒下端31aの下面に対向配置され固定されるブッシュ側固定部104と、ブッシュ側固定部104の端縁で上方に向かって折曲されてパイプ部材103の一端部103Aの中心軸線に対して直交せず傾斜して交差する方向に延在するブッシュ側支持面部105と、ブッシュ側支持面部105に楕円形状を有して開口形成されパイプ部材103の一端部103Aを斜めに挿入した状態で溶接可能なブッシュ側パイプ装着穴部106と、を有している。
【0092】
そして、ボディフレーム側固定金具102は、ブッシュ側固定金具101と同様に、平板部材を折り曲げることによって形成されており、ボディクロスメンバ6の下面部6aに接面状態で固定されるメンバ側固定部106と、メンバ側固定部106の端縁で下方に向かって折曲されてパイプ部材103の車幅方向中央部分の外周面に溶接固定されるメンバ側支持面部107とを有しており、メンバ側固定部106には、ボディクロスメンバ6への固定を行う取付ボルト108が挿入される貫通孔が開口形成されている。
【0093】
また、パイプ部材103は、予め設定された剛性で選定された直径及び厚さを有する円筒パイプを湾曲成形することによって一体に形成されており、一端部103Aと中央部103Bとの間の中間部分が車体後方側に偏在して緩やかに湾曲する形状を有している。
【0094】
上記構成を有する第2ステー100は、その一端部101が、メインフレーム2に設けられた弾性ブッシュ40の下端にブッシュ側固定金具101を介して支持され、車幅方向中央部分が、ボディクロスメンバ6の下面部6aの車幅方向中央部分にボディフレーム側固定金具102を介して支持される。
【0095】
従って、第2ステー100の車幅方向の剛性を増大させることができ、弾性ブッシュ40の車幅方向への支持剛性をより向上させることができる。これにより、サブフレーム10の車体後部の車幅方向への変位を抑制でき、より高い操縦安定性を得ることができる。また、第2ステー100のボディクロスメンバ6への取り付けを、1本の取付ボルト108で行うことができ、部品点数の削減、組立容易化、組立工数の削減等により、生産性の向上を図ることができる。
【0096】
尚、本発明は上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例ではいずれも第1ステー50、80及び第2ステー60、90に湾曲させたパイプ部材を用いた場合について説明したが、これらのステーに対して予め設定された方向から入力荷重が加えられた場合に設定された方向に折曲変形を生ずる構成を有していればよい。
【0097】
例えば、一直線状のパイプ部材において、その中央部分の側面に少なくとも1以上の凹陥部を設けて延在方向に圧縮する力に対する脆弱部とし、かかる方向に予め設定された以上の荷重が入力された場合にその脆弱部で設定された方向に折曲変形させてもよく、また、パイプ部材の代わりに丸棒部材を用いてもよい。
【0098】
また、上述の各実施例では、前サブフレーム11の両端を弾性ブッシュ30でメインフレーム2に支持し、後サブフレーム10の両端を弾性ブッシュ40でメインフレーム2に支持する例を用いて説明したが、メインフレーム2に支持する弾性ブッシュの数を適宜増減させてもよい。また、一つのブッシュに対して第1ステー50と第2ステー60を設けてもよく、更には、複数の弾性ブッシュのうちで選択されたもののみをステーを用いて支持してもよく、ステーを設ける箇所や延在する方向は、左右対称である必要はなく、前後対称であってもよい。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るサブフレーム支持構造によれば、予め設定された方向から予め設定された以上の力が加えられた場合に、サブフレームを支持する弾性ブッシュの内筒下端とボディフレームとの間を連結するステーを予め設定された方向に折曲変形させることができる。従って、衝撃荷重の作用によりステーが折曲変形した場合に、燃料系部品若しくは制動係部品への影響を燃料系部品若しくは制動係部品の本来機能が損なわれない実用範囲内に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を説明する概略図である。
【図2】図1のH−H線断面図である。
【図3】図1のJ−J線断面図である。
【図4】第2の実施例を説明する概略図である。
【図5】第2の実施例を説明する概略図である。
【図6】第3の実施例を説明する概略図である。
【図7】図6のK方向矢視図である。
【図8】従来技術を示す説明図である。
【図9】図8のF−F線断面図である。
【図10】図8のG−G線断面図である。
【符号の説明】
1 ボディフレーム
2 メインフレーム
6 ボディクロスメンバ
10 サブフレーム
11 前サブフレーム
12 後サブフレーム
30 弾性ブッシュ
31 内筒
31a 内筒下端
40 弾性ブッシュ
41 内筒
41a 内筒下端
50 第1ステー
60 第2ステー

Claims (12)

  1. 車体下面部に設けられるボディフレームに、該ボディフレームの下方位置で車幅方向に延在して左右のサスペンション部材を支持するサブフレームを、中心軸線が上下方向に延在し前記ボディフレームの下面部に上端が固定される内筒と該内筒に同軸上に配置されサブフレームに固定される外筒と前記内筒の間に介在される弾性体とを有する弾性ブッシュを介して支持するサブフレーム支持構造において、
    前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記ボディフレームの下面部に沿って延在して他端が前記ボディフレームに支持されるステーを設けると共に、前記ステーは、予め設定された方向からの入力荷重によって、該ステーの下方側に位置する燃料系部品若しくは制動部品への影響を回避する上方側へ折曲変形を生ずるように前記ステーの中間部に上方側へ凸となる屈曲部若しくは脆弱部を設けたことを特徴とするサブフレーム支持構造。
  2. 前記ステーは、
    前記弾性ブッシュの内筒下端に支持されるブッシュ側固定金具と、
    前記ボディフレームに支持されるボディフレーム側固定金具と、
    前記ブッシュ側固定金具に一端部が結合され他端部が前記ボディフレーム側固定金具に結合されたパイプ部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載のサブフレーム支持構造。
  3. 前記パイプ部材は、
    前記ブッシュ側固定金具と前記ボディフレーム側固定金具との間の中央部分が前記ブッシュ側固定金具と前記ボディフレーム側固定金具との間を一直線状に結ぶ線よりも折曲変形する方向に偏在した位置を通過する湾曲形状を有することを特徴とする請求項2に記載のサブフレーム支持構造。
  4. 前記パイプ部材は、
    前記中央部分に前記折曲変形を生じさせる脆弱部を有することを特徴とする請求項2に記載のサブフレーム支持構造。
  5. 前記ブッシュ側固定金具は、
    前記弾性ブッシュの内筒下端に固定される固定部と、
    該ブッシュ側固定部の端縁に連続して設けられ前記パイプ部材の中心軸線に対して傾斜して交差する方向に延在する支持面部と、
    該支持面部に開口形成され前記パイプ部材の一端部を挿入した状態で溶接可能なパイプ装着穴部と、を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のサブフレーム支持構造。
  6. 前記ボディフレーム側固定金具は、
    前記ボディフレームに固定される固定部と、
    該固定部の端縁に連続して設けられ前記パイプ部材の中心軸線に対して傾斜して交差する方向に延在する支持面部と、
    該支持面部に開口形成され前記パイプ部材の他端部に挿入した状態で溶接可能なパイプ装着穴部と、を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のサブフレーム支持構造。
  7. 前記ステーは、
    前記パイプ部材の一端部と他端部の少なくとも一方が前記中央部分よりも下方に配置される姿勢状態で前記弾性ブッシュの内筒下端と前記ボディフレームとの間を連通することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のサブフレーム支持構造。
  8. 前記ステーは、
    前記弾性ブッシュの内筒下端にブッシュ側固定金具が支持され、該ブッシュ側固定金具から前記ボディフレームに沿って延在してボディフレーム側固定金具が前記ボディフレームに支持される第1ステーと、
    前記弾性ブッシュの内筒下端にブッシュ側固定金具が支持され、該ブッシュ側固定金具から前記ボディフレームに沿ってかつ前記第1ステーと異なる方向に延在してボディフレーム側固定金具が前記ボディフレームに支持される第2ステーと、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のサブフレーム支持構造。
  9. 前記ボディフレームが前記車体下面部で互いに者幅方向に離間して車体前後方向に延在する一対のメインフレームと該メインフレームの間を車幅方向に延在して互いに接続するボディクロスメンバを有し、
    前記第1ステーが前記メインフレームに沿って車体前後方向に延在して前記弾性ブッシュの内筒下端と前記メインフレームとの間を連結し、前記第2ステーが前記ボディクロスメンバに沿って車幅方向に延在して前記弾性ブッシュの内筒下端と前記ボディクロスメンバとの間を連結することを特徴とする請求項8に記載のサブフレーム支持構造。
  10. 前記弾性ブッシュが前記サブフレームの前部と後部にそれぞれ設けられており、
    前記第1ステーが前記サブフレーム前部と前記メインフレームとの間に介在される弾性ブッシュの内筒下端と前記メインフレームとの間を車体前後方向に延在して連結し、
    前記第2ステーが前記サブフレーム後部と前記メインフレームとの間に介在される弾性ブッシュの内筒下端と前記ボディクロスメンバとの間を車幅方向に延在して連結することを特徴とする請求項9に記載のサブフレーム構造。
  11. 一方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端に前記ブッシュ側固定金具が支持された第2ステーと、他方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端に前記ブッシュ側固定金具が支持された第2ステーを車幅方向に延在するように一体化したことを特徴とする請求項9または10に記載のサスペンション用サブフレームの支持構造。
  12. 車体下面部に設けられるボディフレームに、該ボディフレームの下方位置で車幅方向に延在して左右のサスペンション部材を支持するサブフレームを、中心軸線が上下方向に延在し前記ボディフレームの下面部に上端が固定される内筒と該内筒に同軸上に配置されサブフレームに固定される外筒と前記内筒及び前記外筒の間に介在される弾性体とを有する弾性ブッシュを介して支持するサブフレーム支持構造において、
    前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記ボディフレームの下面部に沿って延在して他端が前記ボディフレームに支持されるステーを設けると共に、
    前記ステーは、
    前記サブフレームの前側の両端部を前記ボディフレームに支持する前記弾性ブッシュの内筒下端と、前記ボディフレームにおけるサスペンション部材のラジアスアームを前記ボディフレームに支持する支持部を車体略前後方向に延在して連結し、予め設定された方向からの入力荷重によって、該ステーの下方側に位置する燃料系部品若しくは制動部品への影響を回避する上方側へ折曲変形を生ずるように前記ステーの中間部に上方側へ凸となる屈曲部若しくは脆弱部を設けたことを特徴とするサブフレーム支持構造。
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