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JP4720281B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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JP4720281B2 JP2005134813A JP2005134813A JP4720281B2 JP 4720281 B2 JP4720281 B2 JP 4720281B2 JP 2005134813 A JP2005134813 A JP 2005134813A JP 2005134813 A JP2005134813 A JP 2005134813A JP 4720281 B2 JP4720281 B2 JP 4720281B2
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Description

本発明は、車両の制動制御装置、特に、旋回制動中に車両の旋回挙動が不安定になるのを防止し得る車両の制動制御装置に関するものである。
車両の制動制御装置としては、運転者による制動操作状態に応じた車両の目標減速度を実現するための目標車輪制動力を求め、この目標車輪制動力を発生させるべく、車輪のブレーキ液圧を、この目標車輪制動力に対応した目標ブレーキ液圧に向かわせるものがある。
ところで、上記のように定めた定常的な到達目標ブレーキ液圧に実ブレーキ液圧が一致するような制動制御を行うと、急峻すぎる制動制御により実ブレーキ液圧が一時的に到達目標ブレーキ液圧を超えてしまう制御のオーバーシュートを生じ、一時的に制動力が目標に対して過大になる不具合を生じる。
そこで、定常的な到達目標ブレーキ液圧に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるようなフィルタ処理を施して過渡目標ブレーキ液圧を求め、この過渡目標ブレーキ液圧と、実ブレーキ液圧との間におけるブレーキ液圧偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧を制御する車両の制動制御装置が提案されている。
この装置によれば、例えば図18に示すごとく到達目標ブレーキ液圧tPwがステップ状に上昇した場合につき説明すると、上記フィルタ処理のフィルタ特性を強くするにつれて実ブレーキ液圧Pwが二点鎖線で示す経時変化傾向、一点鎖線で示す経時変化傾向、破線で示す経時変化傾向をもって到達目標ブレーキ液圧tPwに達することから、
上記フィルタ特性を或る程度以上に強くすることで、実ブレーキ液圧Pwが破線で示す経時変化傾向を持ったものとなり、ハッチングを付して示すオーバーシュートをなくすことができる。
しかし、実ブレーキ液圧Pwが破線で示す経時変化傾向を持ったものとなるよう上記のフィルタ特性を強くしてオーバーシュートを完全になくすと、実ブレーキ液圧Pwが到達目標ブレーキ液圧tPwに達するまでに長い時間を要して制動制御の応答性が悪化し、急制動時に車両減速度が要求に対し遅れて発生するという違和感を生ずる。
かといって、制動制御の応答性を要求通りのものにするため上記フィルタ特性を弱くすると、実ブレーキ液圧Pwが二点鎖線や一点鎖線で示す経時変化傾向を持ったものとなり、実ブレーキ液圧Pwが速やかに過渡目標ブレーキ液圧tPwに達するものの、実ブレーキ液圧Pwがハッチングを付して示すごとく一時的に過渡目標ブレーキ液圧tPwを超えるオーバーシュートを発生する。
このオーバーシュートは該当車輪の制動力を目標値よりも大きくしてしまい、当該車輪のロック傾向を惹起する。
このロック傾向が前輪に発生すると、前輪の路面グリップ力が低下することにより車両前部が旋回方向外側に変位する傾向になる結果、運転者の操舵状態に応じた車両がトレースすべき旋回軌跡に対し車両がアンダーステア傾向となる。
逆にロック傾向が後輪に発生すると、後輪の路面グリップ力が低下することにより車両後部が旋回方向外側に変位する傾向になる結果、運転者の操舵状態に応じた車両がトレースすべき旋回軌跡に対し車両がオーバーステア傾向となる。
特許文献1には、過渡目標ブレーキ液圧および実ブレーキ液圧間のブレーキ液圧偏差が所定値より小さくなったら、制動制御を中止してブレーキ液圧を保持する制動制御装置が提案されており、この技術を用いて上記のオーバーシュートを防止する考え方もある。
特開平10−278764号公報
しかし特許文献1に記載の従来技術においては、過渡目標ブレーキ液圧および実ブレーキ液圧間のブレーキ液圧偏差が0になった時に、つまり、実ブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧に一致した時に、ブレーキ液圧の上記保圧を行うのは至難の業で、オーバーシュートを防止するためには結局、実ブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧に一致する手前で上記の保圧を行うことになる。
従って特許文献1に記載の技術は、実ブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧に対し若干不足する状態を作り出してオーバーシュートを防止する技術に通じ、実際の車両減速度が要求に対し不足側へずれるという事態を招く。
本発明は、前記した車両の旋回制動時における好ましくない旋回挙動(オーバーステア傾向、アンダーステア傾向)の発生状況に応じ、その原因となるオーバーシュートを抑制することにより、不必要なオーバーシュートの抑制による制動応答性の犠牲なしに、旋回制動時の好ましくない旋回挙動の発生を防止し得るようにした車両の制動制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による車両の制動制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となる制動装置について説明するに、これは、
定常的な到達目標ブレーキ液圧に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるようなフィルタ処理を施して求めた過渡目標ブレーキ液圧と、実ブレーキ液圧との間におけるブレーキ液圧偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧を制御する車両の制動制御装置において、
運転者による車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
前記操舵状態検出手段による車両の操舵状態に基づいて車両の旋回度合を検出する旋回度合検出手段とを具備するものである。
本発明においては、かかる車両の制動制御装置に対し、
車両の旋回度合がオーバーステア傾向を示す時は、オーバーステア傾向を示さない時よりも旋回方向内側輪に係わる前記フィルタ特性を強くし、車両の旋回度合がアンダーステア傾向を示す時は、アンダーステア傾向を示さない時よりも旋回方向外側輪に係わる前記フィルタ特性を強くするような構成を施す。
また同じ目的のため、本発明による車両の制動制御装置は上記と同じ制動装置において、
車両の旋回度合がアンダーステア傾向を示す時は、アンダーステア傾向を示さない時よりも旋回方向外側輪に係わる前記フィルタ特性を強くし、車両の旋回度合がアンダーステア傾向を示す時は、アンダーステア傾向を示さない時よりも前輪に係わる前記フィルタ特性を強くする。
請求項1に記載の制動制御装置によれば、旋回度合が強い時ほど上記のオーバーシュート傾向が強く抑制されるようなブレーキ液圧制御を行わせる構成としたから、
オーバーシュート傾向の抑制程度が、車両の旋回度合、つまり、車両旋回制動時の好ましくない旋回挙動(オーバーステア傾向、アンダーステア傾向)の発生状況に応じたものとなり、
不必要なオーバーシュートの抑制による制動応答性の犠牲なしに、好ましくない車両旋回挙動の発生を防止することができる。
請求項1に記載の制動制御装置によれば、旋回度合検出手段により検出した車両旋回度合が強い時ほど、フィルタ特性変更手段がフィルタ特性を強くすることから、
車両旋回度合が強い時ほど、フィルタ特性が強くなってオーバーシュート傾向が確実に抑制されることとなり、オーバーシュート傾向の抑制程度が、車両の旋回度合、つまり、車両旋回制動時の好ましくない旋回挙動(オーバーステア傾向、アンダーステア傾向)の発生状況に応じたものとなり、
不必要なオーバーシュートの抑制による制動応答性の犠牲なしに、好ましくない車両旋回挙動の発生を防止することができる。
しかも、請求項1に記載のいずれの発明においても、上記オーバーシュートの抑制を、特許文献1による技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、
実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく上記の作用効果を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のー実施例になる制動制御装置を具えた液圧ブレーキシステム図で、1は、運転者が希望する車両の制動力に応じて踏み込むブレーキペダルで、該ブレーキペダル1の踏力でマスターシリンダ2の図示せざるピストンカップが押し込まれることにより、マスターシリンダ2はブレーキペダル1の踏力に応じたマスターシリンダ液圧Pmを2系統の前輪ブレーキ液圧配管3,4に等しく出力するものとする。
ブレーキ液圧配管3は左前輪ホイールシリンダ5FLに接続し、ブレーキ液圧配管4は右前輪ホイールシリンダ5FRに接続し、これらに係わる左右前輪をマスターシリンダ液圧Pmにより制動可能とするが、基本的には、左右後輪(ホイールシリンダを5RL,5RRで示す)と共に、後述する構成により電子制御されたブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrにより制動することとする。
これがため、ブレーキ液圧配管3,4にそれぞれマスターカット弁6FL,6FRを挿置し、これらマスターカット弁6FL,6FRを常態では開通しているが、ON時に閉じるものとする。
マスターカット弁6FL,6FRがONにより閉じている間は、これらより上流におけるブレーキ液圧配管3,4内にマスターシリンダ液圧Pmが発生しても、ブレーキペダル1のストロークが発生しないため違和感になることから、通常のペダルストロークを発生させるためのストロークシミュレータ7をマスターシリンダ2に接続して設ける。
左右前輪および左右後輪のブレーキ液圧Pwfl,PwfrおよびPwrl,Pwrrを電子制御可能にするため更に、マスターシリンダ2のリザーバ2a内におけるブレーキ液を作動媒体とするポンプ8を設け、その吸入ポートを回路9によりリザーバ2aに接続する。
このポンプ8はモータ10により駆動され、リザーバ2aから回路9を経て吸入したブレーキ液を回路11に吐出し、この吐出したブレーキ液をアキュムレータ12内に蓄圧する。
アキュムレータ12の内圧を、圧力スイッチ13により検出してシーケンス制御する。
吐出回路11は、回路14FLにより左前輪ホイールシリンダ5FLに接続し、回路14FRにより右前輪ホイールシリンダ5FRに接続し、回路14RLにより左後輪ホイールシリンダ5RLに接続し、回路14RRにより右後輪ホイールシリンダ5RRに接続する。
そして、回路14FLに増圧弁15FLを挿置し、回路14FRに増圧弁15FRを挿置し、回路14RLに増圧弁15RLを挿置し、回路14RRに増圧弁15RRを挿置する。
これら増圧弁15FL, 15FR, 15RL, 15RRから、対応するホイールシリンダ5FL, 5FR, 5RL, 5RRに至る回路14FL, 14FR, 14RL, 14RRの部分にそれぞれ、回路16FL, 16FR, 16RL, 16RRを接続し、これらをリザーバ2aへの共通な戻り回路17に接続する。
そして、回路16FL, 16FR, 16RL, 16RRにそれぞれ、減圧弁18FL, 18FR, 18RL, 18RRを挿置する。
増圧弁15FL, 15FR, 15RL, 15RRおよび減圧弁18FL, 18FR, 18RL, 18RRは全て、常態で閉じ、ON時に開通する常閉弁とする。
制御に当たっては、増圧弁15FL, 15FR, 15RL, 15RRへの供給電流を増大することで、吐出回路11との連通度の増大により対応するブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrを電子制御下に上昇させることができ、
減圧弁18FL, 18FR, 18RL, 18RRへの供給電流を増大することで、戻り回路17との連通度の増大により対応するブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrを電子制御下に低下させることができる。
なお、マスターシリンダ液圧Pmを検出する圧力センサ21を配管4に接続して設け、ブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrを個々に検出する圧力センサ22FL, 22FR, 22RL, 22RRをそれぞれ、対応する回路14FL, 14FR, 14RL, 14RRに接続して設ける。
マスターカット弁6FL,6FR、増圧弁15FL, 15FR, 15RL, 15RR、および減圧弁18FL, 18FR, 18RL, 18RRの制御、並びに、モータ10を介したポンプ8(アキュムレータ12)の圧力に関する前記シーケンス制御は、図2に示すマイクロコンピュータ30により駆動回路31を介してこれを行うこととし、
これがためマイクロコンピュータ30には、前記した圧力センサ12,21からの信号と、圧力センサ22FL, 22FR, 22RL, 22RRからの信号とを入力するほか、ステアリングホイールの操舵角θを検出する操舵角センサ23からの信号と、車両の横加速度θを検出する横加速度センサ24からの信号と、車両のヨーレートφを検出するヨーレートセンサ25からの信号とを入力する。
上記した液圧ブレーキシステムの作用を以下に説明する。
マイクロコンピュータ30は、マスターシリンダ液圧Pmの発生を検知するとき、駆動回路31を介してマスターカット弁6FL,6FRをONにより閉じた状態で、増圧弁15FL, 15FR, 15RL, 15RR、および、減圧弁18FL, 18FR, 18RL, 18RRの通電制御により、対応車輪のブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrr(圧力センサ22FL, 22FR, 22RL, 22RRの検出値)が個々に目標値となるよう電子制御する。
しかして、電子制御系の故障などによりブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrが制御不能であるとき、マイクロコンピュータ30は、駆動回路31を介してマスターカット弁6FL,6FRをOFFにより開くことにより、マスターシリンダPmによる左右前輪制動によって車両の制動を行い得るようにし、故障時も車両が制動不能になることのないようにする。
正常時の制動制御は、図3に機能別ブロック線図で示し、図4にフローチャートで示すごとくに行う。
図4は、定時割り込みにより繰り返し実行され、ステップS0において各種センサ信号の読み込みを行う。
ステップS1(図3の目標減速度演算部32)においては、マスターシリンダ液圧Pmと、予めROMに記憶しておく車両諸元に応じた定数K1とを用いて、両者の乗算により車両の目標減速度を算出する。
ステップS2(図3の前後左右制動力配分部33)においては、上記のように求めた車両の目標減速度と、操舵角θと、横加速度Gと、ヨーレートφとに基づき、目標減速度を発生させるための前後左右輪の制動力配分を決定する。
ステップS3〜ステップS6(図3のブレーキ押し付け力演算部34FR,34FL,34RR,34RL)においては、対応車輪が上記のように配分して求めた個々の目標制動力を発生するための目標ブレーキ押し付け力を算出する。
ステップS7〜ステップS10(図3のブレーキ液圧制御部35FR,35FL,35RR,35RL)においては、対応車輪のホイールシリンダ5FR,5FL,5RR,5RLが上記のように求めた個々の目標ブレーキ押し付け力を発生するようこれらホイールシリンダへのブレーキ液圧Pwfr,Pwfl,Pwrr,Pwrlを制御し、各車輪が前記のごとく配分して求めた個々の目標制動力を発生するようになす。
ところで本実施例においては、かかるブレーキ液圧制御に際し、本発明の前記した目的を達成するために当該ブレーキ液圧制御を以下のごとくに行う。
図5は、図3のブロック35FRおよび図4のステップS7で行うべき右前輪ホイールシリンダ5FRのブレーキ液圧制御を示し、
ステップS11においては、現在の右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧前回値Pwfr(OLD)に代入した後、右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧センサ値Pwfrにより更新する、信号の読み込みを行う。
ステップS12においては、現在の右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右前輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwfr(OLD)に代入した後、図4のステップS3で求めた右前輪目標ブレーキ押し付け力tFfrを右前輪ホイールシリンダ5FRの受圧面積Awfrで除算して得られる右前輪到達目標ブレーキ液圧(tFfr/Awfr)を右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に代入して、この右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を更新する、制御指令値の読み込みを行う。
ステップS13においては、上記のごとく更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを演算する。
ステップS14においては、別に設定する旋回フラグfCurveが1か否かにより、車両が旋回走行中か否かをチェックする。
旋回走行中ならステップS15において、同じく別に設定する旋回内輪フラグfCurveInsideが1か否かにより、右前輪が旋回方向内側輪となる旋回方向か否かをチェックする。
右前輪が旋回方向内側輪であれば、旋回度合検出手段に相当するステップS16において、操舵角θと、車速VSPと、旋回半径演算係数K2とを用いた次式により車両の旋回半径rrを求める。
rr=θ×VSP×K2
ステップS17においては、図6に例示した予定のフィルタ係数αfに関するマップを基に、上記の車両旋回半径rrからフィルタ係数αf(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)と、ステップS13で求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroとから、次式の演算により、旋回方向内側輪である右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを更新する。
tPwfro=(1-αf)×tPwfr(NOW)+αf×tPwfro
かように更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αfが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroへの重み付けが増し、その分、右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αfが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS13でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、フィルタ係数αfが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってステップS17は、本発明におけるフィルタ特性変更手段に相当する。
ところでフィルタ係数αfを図6に示すごとく、旋回半径rrが小さいほど、つまり、旋回度合が強いほど大きく、逆に、旋回半径rrが大きくなるにつれて(旋回度合が弱くなるにつれて)小さくし、旋回半径rrがrr(max)以上の大きな領域では最低値0.1に保つよう定めたから、
ステップS17で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、旋回度合が強い(急旋回)ほど、ステップS13でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、旋回度合が弱いほど、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
ステップS18においては、ステップS17で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、ステップS11で更新した右前輪(旋回内輪)ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwfr=tPwfro−Pwfr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS17で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、この右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに実ブレーキ液圧Pwfrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwfrを、ステップS17で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるのに必要な右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwfr×Gp+tPwfro×K3
上式における(ΔPwfr×Gp)は、ブレーキ液圧偏差ΔPwfr に応じたフィードバック制御量で耐外乱性のために設定し、また、(tPwfro×K3)は、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるためのフィードフォワード制御量で、K3により所定のブレーキ液制御応答を与えるために設定する。
ステップS18では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させることができる。
一方、ステップS14で車両が旋回走行中でないと判定する場合や、ステップS15で当該右前輪が旋回方向内側輪でないと判定する場合は、旋回度合検出手段に相当するステップS19において、車両の旋回半径rrを図6に示すrr(max)とする。
この場合、次のステップS17において図6のマップを基に求める、車両旋回半径rr=rr(max)に対応したフィルタ係数αfが最低値(0.1)であることから、同ステップS17で更新する右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroが、フィルタ係数αf=最低値(0.1)に呼応して、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってこの場合、ステップS18で求めた制御電流Isolが右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給されて実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させる時、実ブレーキ液圧Pwfrが、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近い経時変化をもって制御されることになる。
図5につき上述したブレーキ液圧制御を左前輪についても同様に行うことで、旋回方向内側前輪に係わる液圧制御のフィルタ特性を旋回方向外側前輪に係わるフィルタ特性よりも強くして、旋回方向内側前輪のブレーキ液圧を旋回方向外側前輪のブレーキ液圧よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
ところで、旋回方向内側前輪は旋回方向外側前輪よりも遠心力により車輪荷重を低くされることから、旋回方向内側前輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュート傾向になると、当該旋回方向内側前輪が当該オーバーシュートによる制動ロックを生じやすくなるが、
本実施例のようにフィルタ特性を旋回方向内外輪で異ならせて、旋回方向内側前輪のブレーキ液圧を旋回方向外側前輪のブレーキ液圧よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させる場合、上記のオーバーシュートが生ずるのを抑制し得て旋回方向内側前輪が当該オーバーシュートにより制動ロックを生じやすくなるのを抑制することができ、旋回方向内側前輪の制動ロックによるアンダーステア傾向を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させることができる。
しかも、フィルタ特性を旋回方向内外輪で異ならせるに際し、図6に例示するようなフィルタ係数αfの設定により、車両の旋回半径rrが小さいほど(旋回度合が強いほど)旋回方向内側前輪のフィルタ特性を強くして、旋回度合が強いほど旋回方向内側前輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、旋回度合が強いほど旋回方向内側前輪ブレーキ液圧のオーバーシュートが大きく抑制されることとなり、
旋回度合が強いほど旋回方向内側前輪の車輪荷重が低下して当該オーバーシュートによる制動ロックを生じやすくなるのに上記フィルタ特性の設定が良く符合し、旋回方向内側前輪に係わるフィルタ特性を強くし過ぎることがなく、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)制動応答性の犠牲なしに、車両の旋回制動挙動を安定させるという前記の作用効果を達成することができる。
そして上記オーバーシュートの抑制を、特許文献1によるような技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく前記の作用効果を達成することができる。
なお上記では、左右前輪についてのブレーキ液圧制御として説明したが、左右後輪についても図5につき上述したと同様なブレーキ液圧制御を行うことで、上記したと同様な作用効果を達成することができるのは言うまでもない。
しかし左右後輪については、図5につき上述したと同様なブレーキ液圧制御を行う代わりに、図7につき以下に説明するようなブレーキ液圧制御とすることもできる。
図7は、図3のブロック35RRおよび図4のステップS9で行うべき右後輪ホイールシリンダ5RRのブレーキ液圧制御を示し、
ステップS21においては、現在の右後輪ブレーキ液圧今回値Pwrr(NOW)を右後輪ブレーキ液圧前回値Pwrr(OLD)に代入した後、右後輪ブレーキ液圧今回値Pwrr(NOW)を右後輪ブレーキ液圧センサ値Pwrrにより更新する、信号の読み込みを行う。
ステップS22においては、現在の右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右後輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwrr(OLD)に代入した後、図4のステップS5で求めた右後輪目標ブレーキ押し付け力tFrrを右後輪ホイールシリンダ5RRの受圧面積Awrrで除算して得られる右後輪到達目標ブレーキ液圧(tFrr/Awrr)を右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に代入して、この右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)を更新する、制御指令値の読み込みを行う。
ステップS23においては、上記のごとく更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右後輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwrroを演算する。
ステップS24においては、別に設定する旋回フラグfCurveが1か否かにより、車両が旋回走行中か否かをチェックする。
旋回走行中ならステップS26において、図5のステップS16におけると同様に、操舵角θと、車速VSPと、旋回半径演算係数K2とを用いて、車両の旋回半径rr=θ×VSP×K2を演算する。
ステップS27においては、図6に例示した予定のフィルタ係数αfに関するマップを基に、上記の車両旋回半径rrからフィルタ係数αf(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS22で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)と、ステップS23で求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroとから、次式の演算により、右後輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwrroを更新する。
tPwrro=(1-αf)×tPwrr(NOW)+αf×tPwrro
かように更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αfが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroへの重み付けが増し、その分、右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αfが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS23でのフィルタ処理により求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに近いものとなり、フィルタ係数αfが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS22で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近いものとなる。
ところでフィルタ係数αfを図6に示すごとく、旋回半径rrが小さいほど、つまり、旋回度合が強いほど大きく、逆に、旋回半径rrが大きくなるにつれて(旋回度合が弱くなるにつれて)小さくし、旋回半径rrがrr(max)以上の大きな領域では最低値0.1に保つよう定めたから、
ステップS27で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroは、旋回度合が強い(急旋回)ほど、ステップS23でのフィルタ処理により求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに近いものとなり、旋回度合が弱いほど、ステップS22で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近いものとなる。
ステップS28においては、ステップS27で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroと、ステップS21で更新した右後輪ブレーキ液圧今回値Pwrr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwrr=tPwrro−Pwrr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS27で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroと、この右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに実ブレーキ液圧Pwrrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwrrを、ステップS27で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させるのに必要な右後輪に係わる増減圧弁14RR,18RRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwrr×Gp+tPwrro×K3
上式における(ΔPwrr×Gp)は、ブレーキ液圧偏差ΔPwrr に応じたフィードバック制御量で耐外乱性のために設定し、また、(tPwrro×K3)は、実ブレーキ液圧Pwrrを右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させるためのフィードフォワード制御量で、K3により所定のブレーキ液制御応答を与えるために設定する。
ステップS28では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右後輪に係わる増減圧弁14RR,18RRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwrrを右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させることができる。
一方、ステップS24で車両が旋回走行中でないと判定する場合は、ステップS29において、車両の旋回半径rrを図6に示すrr(max)とする。
この場合、次のステップS27において図6のマップを基に求める、車両旋回半径rr=rr(max)に対応したフィルタ係数αfが最低値(0.1)であることから、同ステップS27で更新する右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroが、フィルタ係数αf=最低値(0.1)に呼応して、ステップS22で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近いものとなる。
従ってこの場合、ステップS28で求めた制御電流Isolが右後輪に係わる増減圧弁14RR,18RRへ供給されて実ブレーキ液圧Pwrrを右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させる時、実ブレーキ液圧Pwrrが、ステップS22で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近い経時変化をもって制御されることになる。
図7につき上述したブレーキ液圧制御を左後輪についても同様に行うことで、旋回走行中は左右後輪ともに、ブレーキ液圧制御のフィルタ特性を非旋回走行中よりも強くして、左右後輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、旋回走行中に左右後輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュートを抑制することができ、
かかるオーバーシュートの抑制を行わないと、左右後輪の路面横方向グリップ余力が低下することによりオーバーステア傾向になるところながら、かかる好ましくない車両のステア特性を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させることができる。
しかも、左右後輪に係わるフィルタ特性を旋回走行時は非旋回走行時に比べて強くするに際し、図6に例示するようなフィルタ係数αfの設定により、車両の旋回半径rrが小さいほど(旋回度合が強いほど)左右後輪に係わるフィルタ特性を強くして、旋回度合が強いほど左右後輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、旋回度合が強いほど左右後輪ブレーキ液圧のオーバーシュートが大きく抑制されることとなり、
旋回度合が強いほど左右後輪が当該オーバーシュートによる制動ロックを生じやすくなるのに上記フィルタ特性の設定が良く符合し、左右後輪に係わるフィルタ特性を強くし過ぎることがなく、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)制動応答性の犠牲なしに、車両の旋回制動挙動を安定させるという前記の作用効果を達成することができる。
そして上記オーバーシュートの抑制を、特許文献1によるような技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく前記の作用効果を達成することができる。
なお図7のブレーキ液圧制御は、左右前輪に対しても適用することができ、この場合、旋回走行中は左右前輪ともに、ブレーキ液圧制御のフィルタ特性を非旋回走行中よりも強くして、左右前輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、旋回走行中に左右前輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュートを抑制することができ、
かかるオーバーシュートの抑制を行わないと、左右前輪の路面横方向グリップ余力が低下することによりアンダーステア傾向になるところながら、かかる好ましくない車両のステア特性を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させることができる。
左右前輪のブレーキ液圧制御として、前記した各実施例の何れの型式の制御態様を採用するにしても、左右後輪のブレーキ液圧制御を図8につき以下に説明するように行うことにより、旋回走行中に前後輪間でブレーキ液圧制御のフィルタ特性を異ならせることができる。
図8は、図3のブロック35RRおよび図4のステップS9で行うべき右後輪ホイールシリンダ5RRのブレーキ液圧制御を示し、
ステップS21〜ステップS26、およびステップS28においては、図7に同一符号で示すステップにおけると同様の処理を行う。
ステップS24で旋回走行中と判定する時、ステップS26で旋回半径rr=θ×VSP×K2を演算した後に選択されるステップS37は図7のステップS27に代わるもので、
このステップS37においては、図9に例示した予定のフィルタ係数αrに関するマップを基に、車両旋回半径rrからフィルタ係数αr(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS22で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)と、ステップS23で求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroとから、次式の演算により、右後輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwrroを更新する。
tPwrro=(1-αr)×tPwrr(NOW)+αr×tPwrro
図9に示すフィルタ係数αrは、図6におけるフィルタ係数αfと同様に、旋回半径rrが小さいほど、つまり、旋回度合が強いほど大きく、逆に、旋回半径rrが大きくなるにつれて(旋回度合が弱くなるにつれて)小さくするが、総じて図6におけるフィルタ係数αfよりも大きくし、旋回半径rrがrr(maxr)以上の大きな領域では最低値0.1に保つよう定め
ステップS24で非旋回走行中と判定する時に選択されるステップS39は図7のステップS29に代わるもので、このステップS39においては、車両の旋回半径rrを図9に示すrr(maxr)とする。
上記以外の処理は図7につき前述したと同様のもので、図8のブレーキ液圧制御を左後輪についても同様に行うことで、旋回走行中は左右後輪ともに、ブレーキ液圧制御のフィルタ特性を非旋回走行中よりも強くして、左右後輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
ところで、上記の後輪用のフィルタ係数αrが図9に示すように、図6におけるフィルタ係数αf(本実施例では前輪用のフィルタ係数)よりも総じて大きいことから、左右後輪ブレーキ液圧制御のフィルタ特性を左右前輪ブレーキ液圧制御のフィルタ特性よりも強くすることとなり、左右後輪のブレーキ液圧を左右前輪のブレーキ液圧よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、旋回走行中に左右後輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュートを抑制する作用を、左右前輪のオーバーシュート抑制作用よりも高めることができ、
制動時は車輪荷重が前方に移動して後輪荷重が低下し、上記のオーバーシュートによる制動ロックが前輪よりも後輪において生じやすくなる結果、オーバーステア傾向になるところながら、
左右後輪のオーバーシュート抑制作用を左右前輪のオーバーシュート抑制作用よりも高くすることで当該オーバーステア傾向を抑制可能であり、車両の旋回制動挙動を安定させることができる。
図10は、図3のブロック35FRおよび図4のステップS7で行うべき右前輪ホイールシリンダ5FRのブレーキ液圧制御の他の実施例を示し、
ステップS41においては、図5のステップS11におけると同様に、現在の右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧前回値Pwfr(OLD)に代入した後、右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧センサ値Pwfrにより更新する。
ステップS42においては、図5のステップS12におけると同様に、現在の右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右前輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwfr(OLD)に代入した後、図4のステップS3で求めた右前輪目標ブレーキ押し付け力tFfrを右前輪ホイールシリンダ5FRの受圧面積Awfrで除算して得られる右前輪到達目標ブレーキ液圧(tFfr/Awfr)を右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に代入して、この右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を更新する。
ステップS43においては、図5のステップS13におけると同様に、上記のごとく更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを演算する。
ステップS44においては、運転者によるステアリングホイール操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角、および、これら操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角の時間変化割合のうちの少なくとも1つから、車両の操舵状態を検出し、この検出した車両操舵状態から、車両の旋回状態(旋回度合)に関する目標値として、例えば目標ヨーレートtφを求め、この目標ヨーレートtφが正か否かにより、車両が右旋回か、直進を含む右旋回以外かをチェックする。
従ってステップS44は、本発明における操舵状態検出手段に相当する。
ステップS44において、図10の制御対象である右前輪が旋回方向内側輪となる右旋回走行中であると判定する時は、制御をステップS45に進め、
ここで、上記目標ヨーレートtφと、旋回度合検出手段に相当するセンサ25(図1参照)により検出した実ヨーレートφとの間におけるヨーレート偏差Δφ=tφ−φ(従ってΔφは、オーバーステア度合を表す)を求め、このヨーレート偏差(オーバーステア度合)Δφがオーバーステア判定用の負の設定値D未満か否かにより、オーバーステア傾向か否かを判定する。
ステップS45でオーバーステア傾向であると判定する時は、ステップS47において、図11に例示した予定のフィルタ係数αyoに関するマップを基に、上記のオーバーステア度合Δφからフィルタ係数αyo(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS42で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)と、ステップS43で求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroとから、次式の演算により、旋回方向内側輪である右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを更新する。
tPwfro=(1-αyo)×tPwfr(NOW)+αyo×tPwfro
かように更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αyoが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroへの重み付けが増し、その分、右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αyoが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS43でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、フィルタ係数αyoが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS42で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってステップS47は、本発明におけるフィルタ特性変更手段に相当する。
ところでフィルタ係数αyoを図11に示すごとく、オーバーステア度合Δφの絶対値が大きい(オーバーステア傾向が強い)ほど大きく、逆に、オーバーステア度合Δφの絶対値が小さく(オーバーステア傾向が弱く)なるにつれて小さくなるよう定めたから、
ステップS47で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、オーバーステア度合Δφの絶対値が大きい(オーバーステア傾向が強い)ほど、ステップS43でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、オーバーステア度合Δφの絶対値が小さい(オーバーステア傾向が弱い)ほど、ステップS42で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
ステップS48においては、ステップS47で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、ステップS41で更新した右前輪(旋回内輪)ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwfr=tPwfro−Pwfr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS47で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、この右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに実ブレーキ液圧Pwfrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwfrを、ステップS47で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるのに必要な右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwfr×Gp+tPwfro×K3
上式における(ΔPwfr×Gp)は、ブレーキ液圧偏差ΔPwfr に応じたフィードバック制御量で耐外乱性のために設定し、また、(tPwfro×K3)は、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるためのフィードフォワード制御量で、K3により所定のブレーキ液制御応答を与えるために設定する。
ステップS48では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させることができる。
一方、ステップS44で車両が右旋回以外の(右前輪が旋回方向内側輪とならない)走行中であると判定する場合や、ステップS45で車両がオーバーステア傾向でないと判定する場合は、ステップS49において、オーバーステア度合Δφを0にリセットする。
この場合、次のステップS47において図11のマップを基に求める、オーバーステア度合Δφ=0に対応したフィルタ係数αyoが最低値(0.1)であることから、同ステップS47で更新する右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroが、フィルタ係数αyo=最低値(0.1)に呼応して、ステップS42で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってこの場合、ステップS48で求めた制御電流Isolが右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給されて実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させる時、実ブレーキ液圧Pwfrが、ステップS42で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近い経時変化をもって制御されることになる。
図10につき上述したブレーキ液圧制御を左前輪についても同様に行うことで、車両がオーバーステア傾向となる時は、旋回方向内側前輪に係わる液圧制御のフィルタ特性をオーバーステア傾向でない時よりも強くして、旋回方向内側前輪のブレーキ液圧をオーバーステア傾向時はオーバーステア傾向でない時よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、オーバーステア傾向時に旋回方向内側前輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュートを抑制することができ、旋回方向内側前輪が車輪荷重の低下によっても制動ロックすることがないと共に、オーバーステア傾向時は旋回方向内側前輪のブレーキ液圧が過渡的に旋回方向外側前輪のブレーキ液圧よりも低くなることにより、旋回方向内側前輪の制動力を過渡的に旋回方向外側前輪の制動力よりも小さくし得て、内外輪制動力差によりオーバーステア傾向を抑制することができる。
しかも、オーバーステア傾向時に旋回方向内側前輪に係わるフィルタ特性を強くするに際し、図11に例示するようなフィルタ係数αyoの設定により、オーバーステア度合Δφの絶対値が大きい(オーバーステア傾向が強い)ほど旋回方向内側前輪に係わるフィルタ特性を強くして、旋回方向内側前輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、
上記オーバーステア傾向の抑制に必要な分だけ旋回方向内側前輪に係わるフィルタ特性が強くされることとなり、旋回方向内側前輪に係わるフィルタ特性を強くし過ぎることがなく、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)制動応答性の犠牲なしに、オーバーステア傾向を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させるという前記の作用効果を達成することができる。
そして上記オーバーシュートの抑制を、特許文献1によるような技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく前記の作用効果を達成することができる。
なお上記では、左右前輪についてのブレーキ液圧制御として説明したが、左右後輪についても図10につき上述したと同様なブレーキ液圧制御を行うことで、上記したと同様な作用効果を達成することができるのは言うまでもない。
図12は、図3のブロック35FRおよび図4のステップS7で行うべき右前輪ホイールシリンダ5FRのブレーキ液圧制御の他の実施例を示し、
ステップS51においては、図5のステップS11におけると同様に、現在の右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧前回値Pwfr(OLD)に代入した後、右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧センサ値Pwfrにより更新する。
ステップS52においては、図5のステップS12におけると同様に、現在の右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右前輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwfr(OLD)に代入した後、図4のステップS3で求めた右前輪目標ブレーキ押し付け力tFfrを右前輪ホイールシリンダ5FRの受圧面積Awfrで除算して得られる右前輪到達目標ブレーキ液圧(tFfr/Awfr)を右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に代入して、この右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を更新する。
ステップS53においては、図5のステップS13におけると同様に、上記のごとく更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを演算する。
ステップS54においては、運転者によるステアリングホイール操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角、および、これら操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角の時間変化割合のうちの少なくとも1つから、車両の操舵状態を検出し、この検出した車両操舵状態から、車両の旋回状態(旋回度合)に関する目標値として、例えば目標ヨーレートtφを求め、この目標ヨーレートtφが負か否かにより、車両が左旋回か、直進を含む左旋回以外かをチェックする。
従ってステップS54は、本発明における操舵状態検出手段に相当する。
ステップS54において、図12の制御対象である右前輪が旋回方向外側輪となる左旋回走行中であると判定する時は、制御をステップS55に進め、
ここで、上記目標ヨーレートtφと、旋回度合検出手段に相当するセンサ25(図1参照)により検出した実ヨーレートφとの間におけるヨーレート偏差Δφ=tφ−φ(従ってΔφは、アンダーステア度合を表す)を求め、このヨーレート偏差(アンダーステア度合)Δφがアンダーステア判定用の正の設定値E以上か否かにより、アンダーステア傾向か否かを判定する。
ステップS55でアンダーステア傾向であると判定する時は、ステップS57において、図13に例示した予定のフィルタ係数αyuに関するマップを基に、上記のアンダーステア度合Δφからフィルタ係数αyu(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS52で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)と、ステップS53で求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroとから、次式の演算により、旋回方向内側輪である右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを更新する。
tPwfro=(1-αyu)×tPwfr(NOW)+αyu×tPwfro
かように更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αyuが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroへの重み付けが増し、その分、右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αyuが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS53でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、フィルタ係数αyuが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS52で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってステップS57は、本発明におけるフィルタ特性変更手段に相当する。
ところでフィルタ係数αyuを図13に示すごとく、アンダーステア度合Δφが大きい(アンダーステア傾向が強い)ほど大きく、逆に、アンダーステア度合Δφの絶対値が小さく(アンダーステア傾向が弱く)なるにつれて小さくなるよう定めたから、
ステップS57で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、アンダーステア度合Δφが大きい(アンダーステア傾向が強い)ほど、ステップS53でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、アンダーステア度合Δφが小さい(アンダーステア傾向が弱い)ほど、ステップS52で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
ステップS58においては、ステップS57で更新した右前輪(旋回外輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、ステップS51で更新した右前輪(旋回外輪)ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwfr=tPwfro−Pwfr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS57で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、この右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに実ブレーキ液圧Pwfrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwfrを、ステップS57で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるのに必要な右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwfr×Gp+tPwfro×K3
上式における(ΔPwfr×Gp)は、ブレーキ液圧偏差ΔPwfr に応じたフィードバック制御量で耐外乱性のために設定し、また、(tPwfro×K3)は、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるためのフィードフォワード制御量で、K3により所定のブレーキ液制御応答を与えるために設定する。
ステップS58では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させることができる。
一方、ステップS54で車両が左旋回以外の(右前輪が旋回方向外側輪とならない)走行中であると判定する場合や、ステップS55で車両がアンダーステア傾向でないと判定する場合は、ステップS59において、アンダーステア度合Δφを0にリセットする。
この場合、次のステップS57において図13のマップを基に求める、アンダーステア度合Δφ=0に対応したフィルタ係数αyuが最低値(0.1)であることから、同ステップS57で更新する右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroが、フィルタ係数αyu=最低値(0.1)に呼応して、ステップS52で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってこの場合、ステップS58で求めた制御電流Isolが右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給されて実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させる時、実ブレーキ液圧Pwfrが、ステップS52で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近い経時変化をもって制御されることになる。
図12につき上述したブレーキ液圧制御を左前輪についても同様に行うことで、車両がアンダーステア傾向となる時は、旋回方向外側前輪に係わる液圧制御のフィルタ特性をアンダーステア傾向でない時よりも強くして、旋回方向外側前輪のブレーキ液圧をアンダーステア傾向時はアンダーステア傾向でない時よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、アンダーステア傾向時に旋回方向外側前輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュートを抑制することができ、旋回方向外側前輪が制動ロックすることがないと共に、アンダーステア傾向時は旋回方向外側前輪のブレーキ液圧が過渡的に旋回方向内側前輪のブレーキ液圧よりも低くなることにより、旋回方向外側前輪の制動力を過渡的に旋回方向内側前輪の制動力よりも小さくし得て、内外輪制動力差によりアンダーステア傾向を抑制することができる。
しかも、アンダーステア傾向時に旋回方向外側前輪に係わるフィルタ特性を強くするに際し、図13に例示するようなフィルタ係数αyuの設定により、アンダーステア度合Δφが大きい(アンダーステア傾向が強い)ほど旋回方向外側前輪に係わるフィルタ特性を強くして、旋回方向外側前輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、
上記アンダーステア傾向の抑制に必要な分だけ旋回方向外側前輪に係わるフィルタ特性が強くされることとなり、旋回方向外側前輪に係わるフィルタ特性を強くし過ぎることがなく、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)制動応答性の犠牲なしに、アンダーステア傾向を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させるという前記の作用効果を達成することができる。
そして上記オーバーシュートの抑制を、特許文献1によるような技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく前記の作用効果を達成することができる。
なお上記では、左右前輪についてのブレーキ液圧制御として説明したが、左右後輪についても図12につき上述したと同様なブレーキ液圧制御を行うことで、上記したと同様な作用効果を達成することができるのは言うまでもない。
また図10および図12においては、車両の旋回度合としてヨーレートφを用いたが、その他に、センサ24(図1参照)で検出する横加速度G、横滑り角、車輪加重、および、これらヨーレートφ、横加速度G、横滑り角、車輪加重の時間変化割合の少なくとも1つを車両の旋回度合とすることもできる。
図14は、図3のブロック35RRおよび図4のステップS9で行うべき右後輪ホイールシリンダ5RRのブレーキ液圧制御の他の実施例を示し、
ステップS61においては、図7のステップS21におけると同様に、現在の右後輪ブレーキ液圧今回値Pwrr(NOW)を右後輪ブレーキ液圧前回値Pwrr(OLD)に代入した後、右後輪ブレーキ液圧今回値Pwrr(NOW)を右後輪ブレーキ液圧センサ値Pwrrにより更新する。
ステップS62においては、図7のステップS22におけると同様に、現在の右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右後輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwrr(OLD)に代入した後、図4のステップS5で求めた右後輪目標ブレーキ押し付け力tFrrを右後輪ホイールシリンダ5RRの受圧面積Awrrで除算して得られる右後輪到達目標ブレーキ液圧(tFrr/Awrr)を右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に代入して、この右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)を更新する。
ステップS63においては、図7のステップS23におけると同様に、上記のごとく更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右後輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwrroを演算する。
ステップS64においては、運転者によるステアリングホイール操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角、および、これら操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角の時間変化割合のうちの少なくとも1つから、車両の操舵状態を検出し、この検出した車両操舵状態から、車両の旋回状態(旋回度合)に関する目標値として、例えば目標ヨーレートtφを求め、この目標ヨーレートtφが正か否かにより、車両が右旋回走行中か、左旋回走行中かをチェックする。
従ってステップS64は、本発明における操舵状態検出手段に相当する。
ステップS64において、図14の制御対象である右後輪が旋回方向内側輪となる右旋回走行中であると判定する時は、制御をステップS65に進め、図14の制御対象である右後輪が旋回方向外側輪となる左旋回走行中であると判定する時は、制御をステップS66に進め、これらステップS65およびステップS66で、以下のごとくに車両がオーバーステア傾向か否かを判定する。
つまり、右旋回時に選択されるステップS65では、上記目標ヨーレートtφと、旋回度合検出手段に相当するセンサ25(図1参照)により検出した実ヨーレートφとの間におけるヨーレート偏差Δφ=tφ−φ(従ってΔφは、オーバーステア度合を表す)を求め、このヨーレート偏差(オーバーステア度合)Δφがオーバーステア判定用の負の設定値D未満か否かにより、オーバーステア傾向か否かを判定する。
また、左旋回時に選択されるステップS66では、上記目標ヨーレートtφおよび実ヨーレートφとの間におけるヨーレート偏差(オーバーステア度合)Δφ=tφ−φを求め、このヨーレート偏差(オーバーステア度合)Δφがオーバーステア判定用の正の設定値F以上か否かにより、オーバーステア傾向か否かを判定する。
ステップS65およびステップS66でオーバーステア傾向と判定する時は、ステップS67において、図11に例示した予定のフィルタ係数αyoに関するマップを基に、上記のオーバーステア度合Δφからフィルタ係数αyo(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS62で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)と、ステップS63で求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroとから、次式の演算により、右後輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwrroを更新する。
tPwrro=(1-αyo)×tPwrr(NOW)+αyo×tPwrro
かように更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αyoが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroへの重み付けが増し、その分、右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αyoが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS63でのフィルタ処理により求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに近いものとなり、フィルタ係数αyoが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS62で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近いものとなる。
従ってステップS67は、本発明におけるフィルタ特性変更手段に相当する。
ところでフィルタ係数αyoを図11に示すごとく、オーバーステア度合Δφの絶対値が大きい(オーバーステア傾向が強い)ほど大きく、逆に、オーバーステア度合Δφの絶対値が小さく(オーバーステア傾向が弱く)なるにつれて小さくなるよう定めたから、
ステップS67で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroは、オーバーステア度合Δφの絶対値が大きい(オーバーステア傾向が強い)ほど、ステップS63でのフィルタ処理により求めた右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに近いものとなり、オーバーステア度合Δφの絶対値が小さい(オーバーステア傾向が弱い)ほど、ステップS62で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近いものとなる。
ステップS68においては、ステップS67で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroと、ステップS61で更新した右後輪ブレーキ液圧今回値Pwrr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwrr=tPwrro−Pwrr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS67で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroと、この右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに実ブレーキ液圧Pwrrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwrrを、ステップS67で更新した右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させるのに必要な右後輪に係わる増減圧弁14RR,18RRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwrr×Gp+tPwrro×K3
上式における(ΔPwrr×Gp)は、ブレーキ液圧偏差ΔPwrr に応じたフィードバック制御量で耐外乱性のために設定し、また、(tPwrro×K3)は、実ブレーキ液圧Pwrrを右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させるためのフィードフォワード制御量で、K3により所定のブレーキ液制御応答を与えるために設定する。
ステップS68では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右後輪に係わる増減圧弁14RR,18RRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwrrを右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させることができる。
一方、ステップS65およびステップS66で車両がオーバーステア傾向でないと判定する場合は、ステップS69において、オーバーステア度合Δφを0にリセットする。
この場合、次のステップS67において図11のマップを基に求める、オーバーステア度合Δφ=0に対応したフィルタ係数αyoが最低値(0.1)であることから、同ステップS67で更新する右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroが、フィルタ係数αyo=最低値(0.1)に呼応して、ステップS62で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近いものとなる。
従ってこの場合、ステップS68で求めた制御電流Isolが右後輪に係わる増減圧弁14RR,18RRへ供給されて実ブレーキ液圧Pwrrを右後輪過渡目標ブレーキ液圧tPwrroに追従させる時、実ブレーキ液圧Pwrrが、ステップS62で更新した右後輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwrr(NOW)に近い経時変化をもって制御されることになる。
図14につき上述したブレーキ液圧制御を左後輪についても同様に行うことで、車両がオーバーステア傾向となる時は、左右後輪に係わる液圧制御のフィルタ特性をオーバーステア傾向でない時よりも強くして、左右後輪のブレーキ液圧をオーバーステア傾向時はオーバーステア傾向でない時よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、オーバーステア傾向時は左右後輪ブレーキ液圧のオーバーシュートが抑制され、このオーバーシュートによる左右後輪の制動ロックを抑制し得る結果、オーバーステア傾向を回避することができる。
また、オーバーステア傾向時は左右後輪のブレーキ液圧が過渡的に左右前輪のブレーキ液圧よりも低くなり、これにより、左右後輪の制動力を過渡的に左右前輪の制動力よりも小さくし得て、前後輪制動力差によりオーバーステア傾向を更に確実に抑制することができる。
しかも、オーバーステア傾向時に後輪に係わるフィルタ特性を強くするに際し、図11に例示するようなフィルタ係数αyoの設定により、オーバーステア度合Δφの絶対値が大きい(オーバーステア傾向が強い)ほど後輪に係わるフィルタ特性を強くして、後輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、
上記オーバーステア傾向の抑制に必要な分だけ後輪に係わるフィルタ特性が強くされることとなり、後輪に係わるフィルタ特性を強くし過ぎることがなく、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)後輪制動の応答性の低下を生ずることなく、オーバーステア傾向を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させるという前記の作用効果を達成することができる。
そして上記オーバーシュートの抑制を、特許文献1によるような技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく前記の作用効果を達成することができる。
図15は、図3のブロック35FRおよび図4のステップS7で行うべき右前輪ホイールシリンダ5FRのブレーキ液圧制御の他の実施例を示し、
ステップS71においては、図5のステップS11におけると同様に、現在の右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧前回値Pwfr(OLD)に代入した後、右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧センサ値Pwfrにより更新する。
ステップS72においては、図5のステップS12におけると同様に、現在の右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右前輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwfr(OLD)に代入した後、図4のステップS3で求めた右前輪目標ブレーキ押し付け力tFfrを右前輪ホイールシリンダ5FRの受圧面積Awfrで除算して得られる右前輪到達目標ブレーキ液圧(tFfr/Awfr)を右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に代入して、この右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を更新する。
ステップS73においては、図5のステップS13におけると同様に、上記のごとく更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを演算する。
ステップS74においては、運転者によるステアリングホイール操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角、および、これら操舵角θ、操舵トルク、車輪舵角の時間変化割合のうちの少なくとも1つから、車両の操舵状態を検出し、この検出した車両操舵状態から、車両の旋回状態(旋回度合)に関する目標値として、例えば目標ヨーレートtφを求め、この目標ヨーレートtφが正か否かにより、車両が右旋回走行中か、左旋回走行中かをチェックする。
従ってステップS74は、本発明における操舵状態検出手段に相当する。
ステップS74において、図15の制御対象である右前輪が旋回方向内側輪となる右旋回走行中であると判定する時は、制御をステップS75に進め、図15の制御対象である右前輪が旋回方向外側輪となる左旋回走行中であると判定する時は、制御をステップS76に進め、これらステップS75およびステップS76で、以下のごとくに車両がアンダーステア傾向か否かを判定する。
つまり、右旋回時に選択されるステップS75では、上記目標ヨーレートtφと、旋回度合検出手段に相当するセンサ25(図1参照)により検出した実ヨーレートφとの間におけるヨーレート偏差Δφ=tφ−φ(従ってΔφは、アンダーステア度合を表す)を求め、このヨーレート偏差(アンダーステア度合)Δφがアンダーステア判定用の正の設定値F以上か否かにより、アンダーステア傾向か否かを判定する。
また、左旋回時に選択されるステップS76では、上記目標ヨーレートtφおよび実ヨーレートφとの間におけるヨーレート偏差(アンダーステア度合)Δφ=tφ−φを求め、このヨーレート偏差(アンダーステア度合)Δφがアンダーステア判定用の負の設定値E未満か否かにより、アンダーステア傾向か否かを判定する。
ステップS75およびステップS76でアンダーステア傾向と判定する時は、ステップS77において、図13に例示した予定のフィルタ係数αyuに関するマップを基に、上記のアンダーステア度合Δφからフィルタ係数αyu(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS72で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)と、ステップS73で求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroとから、次式の演算により、旋回方向内側輪である右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを更新する。
tPwfro=(1-αyu)×tPwfr(NOW)+αyu×tPwfro
かように更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αyuが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroへの重み付けが増し、その分、右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αyuが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS73でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、フィルタ係数αyuが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS72で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってステップS77は、本発明におけるフィルタ特性変更手段に相当する。
ところでフィルタ係数αyuを図13に示すごとく、アンダーステア度合Δφが大きい(アンダーステア傾向が強い)ほど大きく、逆に、アンダーステア度合Δφが小さく(アンダーステア傾向が弱く)なるにつれて小さくなるよう定めたから、
ステップS77で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、アンダーステア度合Δφが大きい(アンダーステア傾向が強い)ほど、ステップS73でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、アンダーステア度合Δφが小さい(アンダーステア傾向が弱い)ほど、ステップS72で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
ステップS78においては、ステップS77で更新した右前輪(旋回内輪)過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、ステップS71で更新した右前輪(旋回内輪)ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwfr=tPwfro−Pwfr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS77で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、この右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに実ブレーキ液圧Pwfrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwfrを、ステップS77で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるのに必要な右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwfr×Gp+tPwfro×K3
上式における(ΔPwfr×Gp)は、ブレーキ液圧偏差ΔPwfr に応じたフィードバック制御量で耐外乱性のために設定し、また、(tPwfro×K3)は、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるためのフィードフォワード制御量で、K3により所定のブレーキ液制御応答を与えるために設定する。
ステップS78では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させることができる。
一方、ステップS75およびステップS76で車両がアンダーステア傾向でないと判定する場合は、ステップS79において、アンダーステア度合Δφを0にリセットする。
この場合、次のステップS77において図13のマップを基に求める、アンダーステア度合Δφ=0に対応したフィルタ係数αyuが最低値(0.1)であることから、同ステップS77で更新する右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroが、フィルタ係数αyu=最低値(0.1)に呼応して、ステップS72で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってこの場合、ステップS78で求めた制御電流Isolが右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給されて実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させる時、実ブレーキ液圧Pwfrが、ステップS72で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近い経時変化をもって制御されることになる。
図15につき上述したブレーキ液圧制御を左前輪についても同様に行うことで、車両がアンダーステア傾向となる時は、左右前輪に係わる液圧制御のフィルタ特性をアンダーステア傾向でない時よりも強くして、左右前輪のブレーキ液圧をアンダーステア傾向時はアンダーステア傾向でない時よりも緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
従って、アンダーステア傾向時は左右前輪ブレーキ液圧のオーバーシュートが抑制され、このオーバーシュートによる左右前輪の制動ロックを抑制し得る結果、アンダーステア傾向を回避することができる。
また、アンダーステア傾向時は左右前輪のブレーキ液圧が過渡的に左右後輪のブレーキ液圧よりも低くなり、これにより、左右前輪の制動力を過渡的に左右後輪の制動力よりも小さくし得て、前後輪制動力差によりアンダーステア傾向を更に確実に抑制することができる。
しかも、アンダーステア傾向時に前輪に係わるフィルタ特性を強くするに際し、図13に例示するようなフィルタ係数αyuの設定により、アンダーステア度合Δφが大きい(アンダーステア傾向が強い)ほど前輪に係わるフィルタ特性を強くして、前輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、
上記アンダーステア傾向の抑制に必要な分だけ前輪に係わるフィルタ特性が強くされることとなり、前輪に係わるフィルタ特性を強くし過ぎることがなく、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)前輪制動の応答性の低下を生ずることなく、アンダーステア傾向を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させるという前記の作用効果を達成することができる。
そして上記アンダーステア傾向の抑制を、特許文献1によるような技術、つまり、目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差が所定値よりも小さくなったらブレーキ液圧を保圧するというような技術に頼らないことから、実際の車両減速度が要求に対して不足側へずれるという問題を生ずることなく前記の作用効果を達成することができる。
図16は、図3のブロック35FRおよび図4のステップS7で行うべき右前輪ブレーキ液圧制御の更に他の実施例を示し
ステップS11〜ステップS13においては、図5の同一符号で示すステップにおけると同様の処理を行う。
つまり、ステップS11においては、現在の右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧前回値Pwfr(OLD)に代入した後、右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)を右前輪ブレーキ液圧センサ値Pwfrにより更新し、
ステップS12においては、現在の右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を右前輪到達目標ブレーキ液圧前回値tPwfr(OLD)に代入した後、図4のステップS3で求めた右前輪目標ブレーキ押し付け力tFfrを右前輪ホイールシリンダ5FRの受圧面積Awfrで除算して得られる右前輪到達目標ブレーキ液圧(tFfr/Awfr)を右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に代入して、この右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)を更新し、
ステップS13においては、上記のごとく更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるような所定のフィルタ処理(例えば図18に破線で示すブレーキ液圧変化を生じさせるようなフィルタ特性とする)を施して右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを演算する。
ステップS87おいては、図17に例示した予定のフィルタ係数αmに関するマップを基に、車輪および路面間における路面摩擦係数μからフィルタ係数αf(1未満の正の値)を検索し、これと、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)と、ステップS13で求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroとから、次式の演算により右前輪の過渡目標ブレーキ液圧tPwfroを更新する。
tPwfro=(1-αm)×tPwfr(NOW)+mf×tPwfro
かように更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、上式から明らかなように、上記のフィルタ係数αmが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroへの重み付けが増し、その分、右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)への重み付けが逆に低下することから、
フィルタ係数αmが大きい(フィルタ特性が強い)ほど、ステップS13でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、フィルタ係数αmが小さい(フィルタ特性が弱い)ほど、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
従ってステップS87は、本発明におけるフィルタ特性変更手段に相当する。
ところでフィルタ係数αmを図17に示すごとく、車輪および路面間における摩擦係数μが小さいほど、つまり、凍結路などのように制動ロックを生じやすいほど大きく、逆に、路面摩擦係数μが大きくなるにつれて(乾燥路のように制動ロックしにくくなるにつれ)小さくなるよう定めたから、
ステップS87で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroは、凍結路などのように制動ロックを生じやすいほど、ステップS13でのフィルタ処理により求めた右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに近いものとなり、乾燥路のように制動ロックしにくいほど、ステップS12で更新した右前輪到達目標ブレーキ液圧今回値tPwfr(NOW)に近いものとなる。
ステップS18においては、図5の同符号で示すと同様の処理を行い、
ステップS87で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、ステップS11で更新した右前輪ブレーキ液圧今回値Pwfr(NOW)とのブレーキ液圧偏差ΔPwfr=tPwfro−Pwfr(NOW)を求め、
これと、比例制御のフィードバックゲインGpと、ステップS17で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroと、この右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに実ブレーキ液圧Pwfrを一致させる時の定常制御ゲインK3とを用いて、
実ブレーキ液圧Pwfrを、ステップS17で更新した右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させるのに必要な右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへの制御電流Isolを以下により決定する。
Isol=ΔPwfr×Gp+tPwfro×K3
ステップS18では、上記のごとくに決定した制御電流Isolを右前輪に係わる増減圧弁14FR,18FRへ供給し、これにより、実ブレーキ液圧Pwfrを右前輪過渡目標ブレーキ液圧tPwfroに追従させることができる。
図16につき上述したブレーキ液圧制御を左前輪および左右後輪についても同様に行うことで、左右前輪および左右後輪に係わる液圧制御のフィルタ特性を路面摩擦係数μが低いほど強くして、全輪のブレーキ液圧を低摩擦路面ほど緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達させることができる。
ところで、路面摩擦係数μが低いほど、車輪のブレーキ液圧が到達目標ブレーキ液圧を超えるオーバーシュートに起因した車輪の制動ロックを生じやすくなるが、
本実施例のようにフィルタ特性を低摩擦路面ほど大きくして、車輪のブレーキ液圧が緩やかに到達目標ブレーキ液圧に到達するように構成する場合、低摩擦路面ほど上記のオーバーシュートが生ずるのを抑制し得て車輪が当該オーバーシュートにより制動ロックを生じやすくなるのを抑制することができ、低摩擦路での前輪の制動ロックによるアンダーステア傾向や後輪の制動ロックによるオーバーステア傾向を抑制して車両の旋回制動挙動を安定させることができる。
しかも、フィルタ特性を路面摩擦係数に応じて異ならせるに際し、図16に例示するようなフィルタ係数αmの設定により、低摩擦路ほどフィルタ特性を強くして車輪のブレーキ液圧を緩やかに到達目標ブレーキ液圧に向かわせるようにしたから、フィルタ特性が路面摩擦係数μに応じた適切なものとなり、フィルタ特性を強くし過ぎることによる(不必要なオーバーシュートの抑制による)制動応答性の犠牲なしに上記の作用効果を達成することができる。
なお、上記した各実施例におけるような着想は個々に適用するだけに限られず、これらを任意に組み合わせて適用することができ、この場合は組み合わせ効果を期待できるのは言うまでもない。
本発明の一実施例になる制動制御装置を具えた車両の液圧ブレーキ装置を示す制御システム図である。 同液圧ブレーキ装置における制御システムのブロック線図である。 図2におけるマイクロコンピュータの機能別ブロック線図線図である。 同マイクロコンピュータが実行する制動制御プログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。 同メインルーチンにおける右前輪ブレーキ液圧制御に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 同サブルーチンで用いるフィルタ係数の変化特性を示す線図である。 図4のメインルーチンにおける右後輪ブレーキ液圧制御に関したサブルーチンを示すフローチャートである。 同じく右後輪のブレーキ液圧制御に関した他の実施例を示すフローチャートである。 同実施例で用いるフィルタ係数の変化特性を示す線図である。 右前輪のブレーキ液圧制御に関した他の実施例を示すフローチャートである。 同実施例で用いるフィルタ係数の変化特性を示す線図である。 右前輪のブレーキ液圧制御に関した更に他の実施例を示すフローチャートである。 同実施例で用いるフィルタ係数の変化特性を示す線図である。 右後輪のブレーキ液圧制御に関した更に他の実施例を示すフローチャートである。 右前輪のブレーキ液圧制御に関した更に別の実施例を示すフローチャートである。 右前輪のブレーキ液圧制御に関した更に他の実施例を示すフローチャートである。 同実施例で用いるフィルタ係数の変化特性を示す線図である。 ブレーキ液圧の過渡制御を行うに際し、フィルタ係数を異ならせた場合における実ブレーキ液圧の時系列変化状況を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ブレーキペダル
2 マスターシリンダ
3,4 前輪ブレーキ液圧配管
5FL 左前輪ホイールシリンダ
5FR 右前輪ホイールシリンダ
5RL 左後輪ホイールシリンダ
5RR 右後輪ホイールシリンダ
6FL,6FR マスターカット弁
7 ストロークシミュレータ
8 ポンプ
10 モータ
12 アキュムレータ
13 圧力スイッチ
15FL, 15FR, 15RL, 15RR 増圧弁
17 戻り回路
18FL, 18FR, 18RL,18RR 減圧弁
21 圧力センサ
22FL, 22FR, 22RL, 22RR 圧力センサ
23 操舵角センサ
24 横加速度センサ
25 ヨーレートセンサ25
30 マイクロコンピュータ
31 駆動回路
32 目標減速度演算部
33 前後左右制動力配分部
34FL, 34FR, 34RL, 34RR ブレーキ押付力演算部
35FL, 35FR, 35RL, 35RR ブレーキ液圧制御部

Claims (7)

  1. 定常的な到達目標ブレーキ液圧に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるようなフィルタ処理を施して求めた過渡目標ブレーキ液圧と、実ブレーキ液圧との間におけるブレーキ液圧偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧を制御する車両の制動制御装置において、
    運転者による車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段による車両の操舵状態に基づいて車両の旋回度合を検出する旋回度合検出手段と、
    該手段により検出した車両旋回度合が強い時ほど、前記フィルタ処理に際して用いるフィルタ特性を強くするフィルタ特性変更手段とを具備し、
    該フィルタ特性変更手段は、前記旋回度合検出手段により検出された車両の旋回度合がオーバーステア傾向を示す時、オーバーステア傾向を示さない時よりも旋回方向内側輪に係わる前記フィルタ特性を強くするものであることを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 定常的な到達目標ブレーキ液圧に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるようなフィルタ処理を施して求めた過渡目標ブレーキ液圧と、実ブレーキ液圧との間におけるブレーキ液圧偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧を制御する車両の制動制御装置において、
    運転者による車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段による車両の操舵状態に基づいて車両の旋回度合を検出する旋回度合検出手段と、
    該手段により検出した車両旋回度合が強い時ほど、前記フィルタ処理に際して用いるフィルタ特性を強くするフィルタ特性変更手段とを具備し
    該フィルタ特性変更手段は、前記旋回度合検出手段により検出された車両の旋回度合がアンダーステア傾向を示す時、アンダーステア傾向を示さない時よりも旋回方向外側輪に係わる前記フィルタ特性を強くするものであることを特徴とする車両の制動制御装置。
  3. 定常的な到達目標ブレーキ液圧に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるようなフィルタ処理を施して求めた過渡目標ブレーキ液圧と、実ブレーキ液圧との間におけるブレーキ液圧偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧を制御する車両の制動制御装置において、
    運転者による車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段による車両の操舵状態に基づいて車両の旋回度合を検出する旋回度合検出手段と、
    該手段により検出した車両旋回度合が強い時ほど、前記フィルタ処理に際して用いるフィルタ特性を強くするフィルタ特性変更手段とを具備し、
    該フィルタ特性変更手段は、操舵状態検出手段が検出した車両の操舵状態に対し、前記旋回度合検出手段により検出された車両の旋回度合がオーバーステア傾向を示す時、オーバーステア傾向を示さない時よりも後輪に係わる前記フィルタ特性を強くするものであることを特徴とする車両の制動制御装置。
  4. 定常的な到達目標ブレーキ液圧に対し、目標ブレーキ液圧の時間変化割合が緩やかになるようなフィルタ処理を施して求めた過渡目標ブレーキ液圧と、実ブレーキ液圧との間におけるブレーキ液圧偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧を制御する車両の制動制御装置において、
    運転者による車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段による車両の操舵状態に基づいて車両の旋回度合を検出する旋回度合検出手段と、
    該手段により検出した車両旋回度合が強い時ほど、前記フィルタ処理に際して用いるフィルタ特性を強くするフィルタ特性変更手段とを具備し、
    前記フィルタ特性変更手段は、前記旋回度合検出手段により検出された車両の旋回度合がアンダーステア傾向を示す時、アンダーステア傾向を示さない時よりも前輪に係わる前記フィルタ特性を強くするものであることを特徴とする車両の制動制御装置。
  5. 請求項〜4のいずれか1項に記載の車両の制動制御装置において、
    前記操舵状態検出手段は、運転者によるステアリングホイール操舵角、操舵トルク、車輪舵角、および、これら操舵角、操舵トルク、車輪舵角の時間変化割合のうちの少なくとも1つから、車両の操舵状態を検出するものである車両の制動制御装置。
  6. 請求項〜4のいずれか1項に記載の車両の制動制御装置において、
    前記旋回度合検出手段は、車両の横加速度、ヨーレート、横滑り角、車輪荷重、および、横加速度、ヨーレート、横滑り角、車輪荷重の時間変化割合のうちの少なくとも1つから、車両の旋回度合を検出するものである車両の制動制御装置。
  7. 請求項〜4のいずれか1項に記載の車両の制動制御装置において、
    前記フィルタ特性変更手段は、車輪および路面間の摩擦係数が低いほど前記フィルタ特性よりも強くするものである車両の制動制御装置。
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