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JP4718564B2 - シクロヘキシル(メタ)アクリレートの連続的な製造法 - Google Patents

シクロヘキシル(メタ)アクリレートの連続的な製造法 Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとのエステル化によるシクロヘキシル(メタ)アクリレートの連続的な製造法に関する。
(メタ)アクリル酸という概念は、公知のようにアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。同様に、シクロヘキシル(メタ)アクリレートはシクロヘキシルアクリレートおよび/またはシクロヘキシルメタクリレートを意味する。
シクロヘキシル(メタ)アクリレートは、塗料分野および塗装分野における特殊モノマーである。重要な適用は、例えば自動車塗料におけるトップクリアコート、溶剤塗料および無溶剤塗料、耐候性の外部塗装分散液ならびに接着剤における樹脂である。
シクロヘキシル(メタ)アクリレートの公知の工業規模製造法は、主として触媒の存在における(メタ)アクリレート、殊にメチル(メタ)アクリレートとシクロヘキサノールとのエステル交換に基礎をおく。このエステル交換法における欠点は、低アルコールの(メタ)アクリレートと低アルコール、頻繁にメチル(メタ)アクリレート/メタノールとからなる共沸混合物の発生であり、これは費用をかけて処理されるかまたは廃棄処分されなければならない。それに加えて、シクロヘキシル(メタ)アクリレートの製造のためのエステル交換法は反応速度論的な理由(kinetic reasons)から不利であり、それに相応して低い空時収量を伴う。
(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとの直接エステル化法は、JP−A2002−226433に記載されている:1.0対1〜1.5対1のシクロヘキサノール対(メタ)アクリル酸のモル比での、酸触媒の存在における(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとのエステル化により、共沸添加剤を用いたエステル化の水の共沸留去下において粗エステルが獲得される。触媒および反応しなかった(メタ)アクリル酸をこの粗エステルから除去するために、例えば水酸化ナトリウム溶液で中和される。洗浄された粗エステルから、第一の蒸留段階において高沸点物が塔頂部を介して蒸留により取り出される。その時に得られた留出物から、第二の蒸留段階において低沸点物、例えばシクロヘキサノールまたは共沸添加剤が取り出される。第二の蒸留段階の塔底生成物から、精製蒸留において目的のエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが塔頂部を介して蒸留される。
殊に、記載された方法は、目的のエステルの繰り返しの蒸留によりエネルギー消費がとりわけ高いという欠点と、熱応力により生成物の損失が発生しならびに副成分の形成が目的のエステルの分解により発生しうるという欠点とを有する。
上記出願において言及されるのは、まず低沸点物がそして引き続き高沸点物が分離される方法に対して、質的に高価な粗生成物を達成するために高沸点物の上流での分離および低沸点物の下流での分離による方法処理が有利であるということである。
類似するエステル化法、しかしながら一般に(メタ)アクリル酸と1〜8個の炭素原子を有する1価のアルコールとのエステル化のための方法をDE−A19604267は記載する:同様にこの方法によっても、まず高沸点物がそしてそれから引き続き低沸点物が粗生成物から蒸留により分離される。それに相応して目的のエステルは二度蒸発させられる。この文書中でも、エステル化搬出物からまず目的のエステルに対して比較的容易に沸騰する成分が分離される従来の処理法の欠点、なかでも、次いで精製塔の塔底で触媒および高沸点物の存在において始まる開裂反応に基づき、低沸点物不含のかつ殊に(メタ)アクリル酸不含の純粋な生成物を獲得することが可能ではないという欠点が指摘される。
それに対して本発明の課題は、従来技術の欠点を有さず、かつ殊に質的に高価な、目的のエステルをエネルギー的に有利な方法において提供する、(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとの直接エステル化によるシクロヘキシル(メタ)アクリレートの製造法を提供することであった。
該課題は、以下の処理工程:
−酸触媒(3)、重合禁止剤(4)ならびにエステル化の水のための共沸添加剤(5)の存在において反応帯域(A)で、純粋な(メタ)アクリル酸(1)とシクロヘキサノール(2)とをエステル化し、その際、エステル化の水を、反応帯域(A)に取り付けられた蒸留塔内で共沸物として共沸添加剤により取り出しかつその際、反応搬出物を取得する工程(方法段階A)、該反応搬出物を
−中和に供給し、その際、エステル化からの反応搬出物から、アルカリ溶液を用いて酸触媒(3)ならびに反応しなかった(メタ)アクリル酸(1)を、粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートの取得下で中和する工程(方法段階B)、
−方法段階(B)からの粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートを洗浄し、その際、塩の残量を粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートから分離する工程(方法段階C)、
−低下させた圧力下および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Cからの洗浄された粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートを共沸添加剤−蒸留し、その際、共沸添加剤、他の低沸点物ならびに非常に低い割合のシクロヘキシル(メタ)アクリレートを取り出す工程(方法段階D)、
−低沸点物の残量ならびに低い割合のシクロヘキシル(メタ)アクリレートを分離するために、低下させた圧力および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Dからの塔底流から低沸点物−分離する工程(方法段階E);
−純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリレートならびに、重合禁止剤ならびに高沸点物を含有する塔底流の取得下において、低下させた圧力および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Eからの塔底流を精製蒸留する工程(方法段階F);
−低下させた圧力および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Fからの塔底流を残留物蒸留し、その際、シクロヘキシル(メタ)アクリレートの残りの部分を重合禁止剤ならびに高沸点物から分離する工程(方法段階G)
を有する、エステル化の水のための共沸添加剤ならびに重合禁止剤の存在における、シクロヘキサノールと純粋な(メタ)アクリル酸との酸触媒によるエステル化によるシクロヘキシル(メタ)アクリレートの連続的な製造法により解決される。
本発明による方法は、出発物質のシクロヘキサノールと純粋な(メタ)アクリル酸から出発する。
本発明において、純粋な(メタ)アクリル酸とされるのは、少なくとも98質量%の(メタ)アクリル酸もしくはまた少なくとも99.5質量%の(メタ)アクリル酸で、そのうえ最大0.2質量%の水ならびにそのつど最大0.03質量%の酢酸、プロピオン酸およびイソ酪酸を含有する(メタ)アクリル酸−品質(Qualitaet)である。
有利には、シクロヘキサノール1kgに対して、最大で0.25質量のシクロヘキサノン、最大で0.3質量%のシクロヘキシルアセテート、最大で5mgのフェノールを有する少なくとも98.5質量%のシクロヘキサノールおよび最大で0.1質量%の水を含有するシクロヘキサノール−品質が使用される。
純粋な(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとのエステル化(方法段階A)
出発物質の純粋な(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとを、個々の反応器と同様また2つ以上の連続的に接続された反応領域のカスケードであってもよい適切な反応帯域に連続的に供給するが、その際、次いで反応領域の搬出流はその後に続く反応領域の供給流を形成する。有利には、複数の反応領域を有するこの実施態様において、全ての反応領域からの上昇する蒸気を1つの蒸留装置に供給し、その液体流出物を第一の反応領域中にのみ返送する。
反応ユニットは、分離された反応器かまたは1反応器中における種々の領域であってもよい。
反応器として、外部にある自然循環式蒸発器もしくは強制循環式蒸発器を有する、加熱スパイラル(heating spirals)または二重ジャケットが備え付けられた攪拌槽または蒸留器を使用することができる。
第一の反応器には、エステル化の水の分離のための蒸留塔が取り付けられている。
有利には、全ての反応領域からの上昇する蒸気が1つの蒸留塔に供給され、その流出物は第一の反応領域中にのみ供給される。しかしながら、そのつど専用に取り付けられた蒸留塔を有する全ての反応容器を備え付けることもまた可能である。
蒸留塔は、有利には1〜15の理論段数を有する不規則充填塔、規則充填塔または棚段塔であってよい。
純粋な(メタ)アクリル酸とシクロヘキサノールとは、有利には0.9〜2.0の範囲のモル比、殊に1.05〜1.15の範囲のモル比において使用される。
エステル化の酸触媒(saure Veresterungskatalysatoren)として、殊に硫酸、パラトルエンスルホン酸または他の有機スルホン酸、とりわけメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはドデシルベンゼンスルホン酸が適している。
エステル化の酸触媒は、使用される純粋な(メタ)アクリル酸に対して有利には1〜5質量%の濃度において供給される。
有利には、エステル化の水のための共沸添加剤として以下のリスト:シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンまたはヘキサンから選択された1種の物質または物質の混合物が使用される。
有利には、重合禁止剤として以下のリスト:フェノチアジン、4−ニトロソフェノール、4−ヒドロキシ−2,3,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、ヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテルから選択された1種の物質または物質の混合物が、反応帯域からの搬出物に対して100〜5000ppmの範囲の濃度において使用される。
有利には、付加的に重合禁止剤として酸素を使用してよい。
方法段階Aにおける反応は、常圧下においてかまたは真空中で70〜160℃の温度において行われる。
反応帯域には、1つ以上の蒸留塔が取り付けられている。その中で発生する留出物は凝縮され、かつ相分離器中で有機相と水相とに分離される。水相は、処理を必要とする廃水に添加されるかまたは有利には方法段階Cにおける洗浄に供給される。
共沸添加剤を含有する有機相は、還流として蒸留塔に、そして場合によりまた反応帯域に直接運転し戻される。
反応帯域からのエステル化搬出物は、目的のエステル、反応しなかった出発物質、触媒、重合禁止剤ならびに副成分を含有する。
副成分として、殊にシクロヘキサノン、シクロヘキシルアセテートならびにシクロヘキシルプロピオネートが考慮に入れられる。
有利には、エステル化搬出物は熱交換器中で20〜40℃の温度に冷却され、そして引き続き中和(方法段階B)に供給される。
中和(方法段階B)
方法段階Bにおいて、触媒ならびに反応しなかった(メタ)アクリル酸が、エステル化搬出物からアルカリ溶液、殊に水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液または炭酸ナトリウムを用いて除去される。
有利には、中和はミキサー・セトラーにおいて実施される。水相は、処理を必要とする廃水に供給され、一方で有機相は次の方法段階、洗浄(方法段階C)に供給される。
洗浄(方法段階C)
この場合、中和からの有機相から、洗浄溶液、殊に、有利には反応帯域の相分離器からの水、つまり処理水であってもよい水を用いて塩が除去される。有利には、水相は、処理が必要な廃水に供給される。装置的には、方法段階Cはまた方法段階Bのようにミキサー・セトラーにおいて実施される。中和(方法段階B)のためと同様また洗浄(方法段階C)のためのセトラーとして、例えばデカンターまたは抽出塔が考慮に入れられる。
洗浄に際して得られた洗浄された粗エステル(中性エステル)は、一連の蒸留段階において処理される:
共沸添加剤蒸留(方法段階D)
共沸添加剤蒸留において、反応帯域中でエステル化の水の分離のために使用される共沸添加剤が塔頂部を介して蒸留され、かつ有利には大部分がエステル化(方法段階A)に返送される。ほんの少しばかりの留出物は、不純物の蓄積(Aufpegelung)を防止するために排出される。
共沸添加剤蒸留のための装置として、例えば、有利には1〜5の理論段数を有する不規則充填塔、規則充填塔または棚段塔が考慮に入れられる。有利には、共沸添加剤蒸留は60〜150mbarの塔頂圧力で、とりわけ有利には70〜100mbarの塔頂圧力で作動される。
低沸点物分離(方法段階E)
低沸点物分離において、共沸添加剤蒸留(方法段階D)の塔底生成物からの残留する低沸点物が塔頂部を介して蒸留され、かつ有利には中和(方法段階B)にかまたはエステル化(方法段階A)に再循環させられる。
低沸点物分離のための装置として、例えば、有利には1〜15の理論段数を有する不規則充填塔、規則充填塔または棚段塔が考慮に入れられる。有利には、低沸点物分離は5〜80mbarの塔頂圧力で、殊に5〜50mbarの塔頂圧力で実施される。
共沸添加剤蒸留(方法段階D)および低沸点物分離(方法段階E)を共通の蒸留ユニットにおいて実施することも可能である。
精製蒸留(方法段階F)
精製蒸留において、低沸点物分離(方法段階E)の塔底生成物からの純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリレートが蒸気の形で獲得され、かつ貯蔵安定剤により安定化される。貯蔵安定剤として、例えばヒドロキノンモノメチルエーテルが考慮に入れられる。精製蒸留のための蒸留装置として、例えば、殊に1〜15の理論段数を有する不規則充填塔、規則充填塔または棚段塔または薄膜式蒸発器も考慮に入れられる。有利には、精製蒸留は10〜20mbarの範囲における塔頂圧力で、とりわけ有利には1〜5mbarの範囲の塔頂圧力で作動される。
残留物蒸留(方法段階G)
残留物蒸留において、精製蒸留の塔底生成物から、なお含有した部分の目的のエステルのシクロヘキシル(メタ)アクリレートが塔頂部を介して蒸留され、精製蒸留に返送される。装置として、殊に1〜15の理論段数を有する不規則充填塔、規則充填塔または棚段塔、または薄膜式蒸発器も考慮に入れられる。
有利には、精製蒸留は1〜20mbarの範囲における塔頂圧力で、とりわけ有利には1〜5mbarの範囲の塔頂圧力で実施される。
精製蒸留から純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリレートが獲得され、その際、本発明において純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリレートは、少なくとも98質量%のシクロヘキシル(メタ)アクリレート、最大で1000ppmの水、最大で100ppmの(メタ)アクリル酸、色数<10APHAならびに50+/−5ppmのヒドロキノンモノメチルエーテルを有する純粋なシクロへキシル(メタ)アクリレート−品質と理解される。
個々の蒸留段階D〜Gにおいて使用される蒸留装置は、そのつど蒸発器ならびに凝縮ユニットを包含する。蒸発器は、自然循環式蒸発器または強制循環式蒸発器、液膜降下式蒸発器(falling-film evaporators)または薄膜式蒸発器であってよい。凝縮ユニットとして、例えば管束熱交換器、プレート熱交換器または直接凝縮器(direct condensers)(クエンチ装置)(quench apparatuses)が考慮に入れられる。
全ての処理段階において、不所望の重合に対して重合禁止剤が添加される。重合禁止剤として、例えばフェノチアジン、p−ニトロソフェノール、塩化銅(I)、塩化銅(II)またはヒドロキノンモノメチルエーテルまたはこれらの混合物も考慮に入れられる。(1種または複数の)重合禁止剤は溶液として供給される。
この場合、(1種または複数の)重合禁止剤のための溶媒として純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリレート、しかしまたそれに相応する粗エステルまたは洗浄された粗エステル(中性エステル)も考慮に入れられる。溶液中の重合禁止剤の濃度は、0.1〜2.0質量%である。有利には、この溶液は直接そのつどの蒸留塔に、例えば還流ラインおよび/または凝縮器を介して塔頂部で供給される。
個々の蒸留塔における真空は、蒸気エゼクター、または例えば水により作動される液封式ポンプにより発生させることができる。
例えば、共沸添加剤蒸留からのならびに残留物蒸留からの残留物は、適切な焼却装置中で熱的に利用されうる。この装置から生じるオフガスは、例えばフレアで処理されうる。
本発明は、以下で図面ならびに実施例を基にして詳細に説明される。
図1は、本発明による方法を実施するための有利な装置の概略図を示す。
ただ一つの図において、物質流を記号で表す接続矢印により方法段階A〜Gが示されている。その際、大きい矢印は目的のエステル、純粋なシクロヘキサン(メタ)アクリレートへの主流の記号を表す。
方法段階A、エステル化に、純粋な(メタ)アクリル酸を含有する流1、シクロヘキサノールを含有する流2、酸触媒を含有する流3、重合禁止剤を含有する流4ならびに共沸添加剤を含有する流5が供給される。
方法段階Aからの主流は、方法段階B、中和に導通され、その際、中和はアルカリ溶液、流6の添加下で行われる。中和からの主流は、方法段階C、洗浄に導通され、その際、洗浄溶液、流7の供給下で洗浄された粗エステルが得られ、該粗エステルは引き続き方法段階D、共沸添加剤蒸留に導通される。共沸添加剤蒸留から、共沸添加剤を含有する流を方法段階A、エステル化に再循環させることができる。共沸添加剤蒸留からの主流は、方法段階E、低沸点物分離に導通される。このことから、部分流を中和にまたは洗浄に再循環させることができる。低沸点物分離、方法段階Eからの主流は、精製蒸留、方法段階Fに導通される。方法段階Fに、貯蔵安定剤、流10が供給され、かつ目的のエステル、純粋なシクロヘキサン(メタ)アクリレート、流11が蒸気の形で取り出される。精製蒸留からの塔底流は、残留物蒸留、方法段階Gにおいてさらに処理され、そこから高沸点残留物、流12が排出される。
実施例
シクロヘキシル(メタ)アクリレートの連続的な製造法において、自然循環式蒸発器を有する三段の反応器カスケードの第一の反応器に、メタクリル酸の質量に対して0.1質量%の含有率の処理安定剤としてのフェノチアジンを有するメタクリル酸163.3g/h、65%のp−トルエンスルホン酸の水溶液5.4g/hおよびシクロヘキサノール181.3g/hを連続的に計量供給した。出発物質は、そのつど以下に示される品質に相当してあって、その際、成分は質量%で示されている:
以下の成分を有するメタクリル酸
メタクリル酸99.54%、
アクリル酸0.15%、
プロピオン酸0.03%、
酢酸0.03%、
水9.2%、
イソ酪酸0.03%および
ヒドロキノンモノメチルエーテル0.02%、および
以下の成分を有するシクロヘキサノール
シクロヘキサノール99.35%、
水0.1%、
シクロヘキサノン0.25%および
シクロヘキシルアセテート0.30%。
それに加えて、カスケードの第一の反応器に、127.5g/hのかつ以下の組成物:
シクロヘキサノール6.5質量%、
シクロヘキシルメタクリレート20.0%質量、
シクロヘキサノン3.2質量%、
シクロヘキシルアセテート1.3質量%および
シクロヘキサン68.6質量%
の、共沸添加剤蒸留(方法段階D)の塔頂部からの循環逆流(circulation return stream)を連続的に供給した。
カスケードの第一の反応器に取り付けられた蒸留塔に、シクロヘキサン843.7g/hを共沸添加剤としてエステル化の水の分離のために還流として導入した。それに加えて、付加的なシクロヘキサン260.2g/hを、カスケードの各反応器に、カスケードの個々の反応器の自然循環式蒸発器に供給した。
反応器供給流中でのメタクリル酸/シクロヘキサノールのモル比は、1.025:1であった。
24時間の滞留時間の際、カスケードの反応器中で120℃の反応温度が生じた。
カスケードの第三の反応器から、以下に記載された組成物:メタクリル酸2質量%、シクロヘキサノール2質量%、シクロヘキシルメタクリレート71.6質量%、シクロヘキサノン1.0質量%、シクロヘキシルアセテート0.5質量%およびシクロヘキサン20.0質量%を有する468.0g/hの反応搬出物を取り出した。
反応搬出物を30℃の温度に冷却し、かつ10%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて方法段階Bにおいて中和した。炭酸ナトリウム対メタクリル酸+p−トルエンスルホン酸のモル比は2:1であった。
方法段階Bにおいて得られた中性エステルから、方法段階Cにおいて水804g/hによりミキサー・セトラー装置中で残りの塩を除去しかつ洗浄した。洗浄した中性エステルは方法段階D、共沸添加剤蒸留に供給した。シクロヘキサンが富化した留出物は、排出される10.0g/hのわずかな部分流以外は第一のエステル化反応器の蒸留器に供給した。共沸添加剤蒸留は、80mbarの塔頂圧力および128℃の塔底温度でサイズ35のポールリングが備え付けられた精留塔において実施した。
共沸添加剤蒸留からの塔底搬出物は、サイズ25のポールリングが備え付けられた蒸留塔内で方法段階E、低沸点物分離において、50mbarの塔頂圧力および113℃の塔底温度で蒸留した。
低沸点物、殊にシクロヘキサノール、シクロヘキサノンおよびシクロヘキシルアセテートが富化した留出物は、方法段階B、中和に返送した。方法段階Eにおいて低沸点物はほぼ完全に分離されたので、低沸点物分離の塔底搬出物中で、すでに96.9質量%のシクロヘキシルメタクリレートならびに安定化剤を含有する粗エステルを338.0g/hの質量流量において取得した。
方法段階F、精製蒸留において、比較的に大きい第一の薄膜式蒸発器において約75%の蒸発濃縮率(evaporative concentration ratio)(蒸気流対供給流の比)で以下の組成物:シクロヘキシルメタクリレート99.5質量%、シクロヘキサノール1000ppm未満、メタクリル酸100ppm未満、水500ppm未満および色数<10APHAを有する純粋なシクロヘキシルメタクリレート280.0g/hの塔頂流を獲得した。純粋なシクロヘキシルメタクリレートを、50ppmの濃度におけるヒドロキノンモノメチルエーテルの添加により貯蔵のために安定化させた。
約80%の蒸発濃縮率で作動される、比較的に小さい第二の薄膜式蒸発器において、残留物蒸留(方法段階G)において約18.75g/hの高沸点残留物を得た。残留物蒸留からの留出物は、精製蒸留に返送した。
全体の処理に対する出発物質の収率は、メタクリル酸において86%およびシクロヘキサノールにおいて92%であった。
本発明による方法を実施するための有利な装置の概略図
符号の説明
A エステル化、 B 中和、 C 洗浄、 D 共沸添加剤蒸留、 E 低沸点物分離、 F 精製蒸留、 G 残留物蒸留、 1 純粋なメタアクリル酸を含有する流、 2 シクロヘキサノールを含有する流、 3 酸触媒を含有する流、 4 重合禁止剤を含有する流、 5 共沸添加剤を含有する流、 6 アルカリ溶液、 7 洗浄溶液、 8 留出物、 9 水相、 10 貯蔵安定剤、 11 シクロヘキサン(メタ)アクリレート、 12 高沸点残留物

Claims (27)

  1. エステル化の水のための共沸添加剤ならびに重合禁止剤の存在における、シクロヘキサノールと純粋な(メタ)アクリル酸との酸触媒によるエステル化によるシクロヘキシル(メタ)アクリレートの連続的な製造法であって、以下の処理工程:
    −酸触媒(3)、重合禁止剤(4)ならびにエステル化の水のための共沸添加剤(5)の存在において反応帯域(A)で、純粋な(メタ)アクリル酸(1)とシクロヘキサノール(2)とをエステル化し、その際、エステル化の水を、反応帯域(A)に取り付けられた蒸留塔内で共沸物として共沸添加剤により取り出しかつその際、反応搬出物を取得する工程(方法段階A)、該反応搬出物を
    −中和に供給し、その際、エステル化からの反応搬出物から、アルカリ溶液を用いて酸触媒(3)ならびに反応しなかった(メタ)アクリル酸(1)を中和し、粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートを取得する工程(方法段階B);
    −方法段階(B)からの粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートを洗浄し、その際、塩の残量を粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートから分離する工程(方法段階C);
    −低下させた圧力下および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Cからの洗浄された粗製シクロヘキシル(メタ)アクリレートを共沸添加剤蒸留し、その際、共沸添加剤、他の低沸点物ならびにシクロヘキシル(メタ)アクリレートを取り出す工程(方法段階D);
    −低沸点物の残量ならびに低い割合のシクロヘキシル(メタ)アクリレートを分離するために、低下させた圧力および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Dからの塔底流からの低沸点物を分離する工程(方法段階E);
    −純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリレートならびに、重合禁止剤ならびに高沸点物を含有する塔底流の取得下において、低下させた圧力および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Eからの塔底流を精製蒸留する工程(方法段階F);
    −低下させた圧力および少なくとも1種の重合禁止剤の連続的な計量供給下で方法段階Fからの塔底流を残留物蒸留し、その際、シクロヘキシル(メタ)アクリレートの残りの部分を重合禁止剤ならびに高沸点物から分離する工程(方法段階G)。
    を有する、連続的な製造法。
  2. 方法段階Dからの塔頂流を部分的に排出しかつそれ以外は反応帯域Aに再循環させかつ/または方法段階Eからの塔頂流を方法段階BまたはAに再循環させることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 2つ以上の連続して接続された反応領域からの反応帯域(A)が形成されておりかつ反応領域の搬出流がその後に続く反応領域の供給流を形成することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 2つ以上の連続して接続された反応領域からの上昇する蒸気を1つの蒸留塔に供給し、その液体流出物を第一の反応領域に返送することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 反応帯域(A)への供給流中における純粋な(メタ)アクリル酸対シクロヘキサノールのモル比が、0.9〜2.0であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. エステル化の酸触媒が、硫酸、パラトルエンスルホン酸または他の有機スルホン酸、殊にメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはドデシルベンゼンスルホン酸であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 触媒が、使用される純粋な(メタ)アクリル酸の質量に対して1〜5質量%の割合にあることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 共沸添加剤が、以下のリスト:シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンまたはヘキサンから選択された1種の物質または物質の混合物であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 重合禁止剤が、以下のリスト:フェノチアジン、4−ニトロソフェノール、4−ヒドロキシ−2,3,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、ヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテルから選択された1種の物質または物質の混合物であり、かつ重合禁止剤の量が、反応帯域(A)からの搬出物に対して100〜5000ppmの範囲にあることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 付加的に酸素を重合禁止剤として使用することを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 方法段階Aを、常圧および70〜140℃の範囲の温度において実施することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 圧力および温度が全ての反応領域中で等しいことを特徴とする、請求項3から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 反応帯域Aにおける滞留時間が5〜30時間であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 2つ以上の反応領域が、そのつど循環式蒸発器を有する反応器から形成されていることを特徴とする、請求項3から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. エステル化の水のための共沸添加剤(5)を、反応帯域Aに取り付けられた蒸留塔を介して供給することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 共沸添加剤(5)を、付加的に反応帯域Aもしくは2つ以上の反応領域の各々に供給することを特徴とする、請求項15記載の方法。
  17. 反応帯域Aに取り付けられた蒸留塔の塔頂部で発生する水相を排出することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 方法段階Bにおいて使用されるアルカリ溶液が、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 方法段階BおよびCを、ミキサー・セトラーにおいて実施することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. 方法段階Dを、60〜150mbarの範囲の塔頂圧力で実施することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. 方法段階Dを充填塔内で実施することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 方法段階Eを、5〜80mbarの範囲の塔頂圧力で実施することを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
  23. 方法段階Eを充填塔内で実施することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 方法段階Fを、1〜20mbarの範囲の塔頂圧力で実施することを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
  25. 方法段階Fを薄膜式蒸発器において実施することを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
  26. 方法段階Gを、1〜20mbarの範囲の塔頂圧力で実施することを特徴とする、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
  27. 方法段階Gを薄膜式蒸発器において実施することを特徴とする、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
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