JP4712895B2 - 燃料電池車両 - Google Patents
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Description
この発明は、燃料電池の出力電圧をDC/DCコンバータにより昇圧して走行モータに供給する燃料電池車両に関する。より詳細には、前記DC/DCコンバータの省電力化及び小型化を実現可能とする燃料電池車両に関する。
燃料電池からの電力を走行モータに供給することにより駆動力を得る燃料電池車両が知られている。このような燃料電池車両の中には、燃料電池の出力電圧をDC/DCコンバータで昇圧して走行モータに供給するものがある(特許文献1、2)。特許文献1、2の燃料電池車両は、燃料電池に加えて、蓄電装置を備えており、燃料電池からの電力と蓄電装置からの電力を組み合わせることにより走行モータを駆動する。
特許文献1、2に記載されたDC/DCコンバータは、燃料電池の出力電圧を制御する上で効果を発揮するが、省電力化や小型化の点で未だ改善の余地がある。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、走行モータに対する燃料電池の出力電圧を昇圧するDC/DCコンバータの省電力化及び小型化を実現することが可能な燃料電池車両を提供することを目的とする。
この発明に係る燃料電池車両は、走行モータと、燃料電池と、前記燃料電池の出力電圧を昇圧して前記走行モータに供給するDC/DCコンバータと、前記走行モータへの電力供給を制御する制御装置とを備えるものであって、前記燃料電池の出力電圧は、前記走行モータが連続定格出力を下回って作動する定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を上回り、前記走行モータが前記連続定格出力を上回って作動する非定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を下回るように設定され、前記制御装置は、前記燃料電池の出力電圧が、前記走行モータの必要電圧を下回ると判定したとき、前記DC/DCコンバータに昇圧動作を行わせることを特徴とする。
この発明によれば、DC/DCコンバータは、非定常走行時に昇圧動作を行い、定常走行時に昇圧動作を行わない。これにより、DC/DCコンバータは、定常走行時に昇圧を行う必要がなくなり、省電力化を実現することができる。加えて、DC/DCコンバータの仕様として、連続定格を考慮する必要がほとんどなくなり、時間定格のみを考慮すればよくなる。その結果、DC/DCコンバータの小型化が可能となる。
上記において、さらに、前記DC/DCコンバータをバイパスして前記燃料電池から前記走行モータに電力を供給するバイパスダイオードを有することもできる。
前記燃料電池車両は、さらに、蓄電装置と、前記走行モータと前記蓄電装置との間に配置された第2DC/DCコンバータとを備え、前記制御装置は、前記定常走行時及び前記非定常走行時のいずれにおいても、前記第2DC/DCコンバータに対する電圧目標値制御を行い、前記定常走行時と前記非定常走行時とで異なる電圧目標値を用いてもよい。
この場合、前記制御装置は、前記燃料電池の目標電流を算出し、この目標電流から前記燃料電池の目標電圧を算出し、前記定常走行時には、前記燃料電池の目標電圧を前記電圧目標値として用い、前記非定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を前記電圧目標値として用いることが好ましい。
上記に代えて、前記制御装置は、前記定常走行時には、前記第2DC/DCコンバータに対する電流目標値制御を行い、前記非定常走行時には、前記第2DC/DCコンバータに対する電圧目標値制御を行うこともできる。
この場合、前記制御装置は、前記燃料電池の目標電流を算出し、前記定常走行時には、前記燃料電池の目標電流を前記電流目標値として用い、前記非定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を前記電圧目標値として用いることが好ましい。
また、前記燃料電池車両は、前記走行モータの要求出力と必要電圧とをマップ化して記憶した記憶部を備えることが好ましい。
前記制御装置は、前記燃料電池の目標電圧と前記走行モータの必要電圧とを比較し、その比較結果に基づいて、前記定常走行時と前記非定常走行時とを判別してもよい。
前記連続定格出力は、車両動力性能目標値であるターゲット車速におけるターゲット勾配登坂時に必要な前記走行モータの出力としての定常保証出力であり、前記定常走行は、前記定常保証出力以下の出力で前記走行モータを運転する走行モータ駆動状態であり、前記非定常走行は、前記定常保証出力を超える出力で前記走行モータを運転する走行モータ駆動状態であることが好ましい。
この発明によれば、DC/DCコンバータは、非定常走行時に昇圧動作を行い、定常走行時に昇圧動作を行わない。これにより、DC/DCコンバータは、定常走行時に昇圧を行う必要がなくなり、省電力化を実現することができる。加えて、DC/DCコンバータの仕様として、連続定格を考慮する必要がほとんどなくなり、時間定格のみを考慮すればよくなる。その結果、DC/DCコンバータの小型化が可能となる。
以下、この発明の複数の実施形態に係る燃料電池車両について図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
1.燃料電池車両10の構成
(1)全体構成
図1は、第1実施形態に係る燃料電池車両10(以下、「FC車両10」とも称する。)の回路図である。FC車両10は、基本的には、モータユニット20と、FCユニット40と、バッテリユニット60と、統括制御部80とを有する。
1.燃料電池車両10の構成
(1)全体構成
図1は、第1実施形態に係る燃料電池車両10(以下、「FC車両10」とも称する。)の回路図である。FC車両10は、基本的には、モータユニット20と、FCユニット40と、バッテリユニット60と、統括制御部80とを有する。
モータユニット20は、FC車両10の力行時には、走行用のモータ22を用いて燃料電池車両10の走行駆動力を生成し、FC車両10の回生時には、モータ22が発生した回生電力(モータ回生電力Preg)[W]をバッテリユニット60に供給する。
FCユニット40は、FC車両10の力行時には、モータユニット20に対して燃料電池42(以下、「FC42」とも称する。)が発生した発電電力(FC発電電力Pfc)[W]を供給し、FC車両10の回生時には、FC発電電力Pfcをバッテリユニット60に供給する。
バッテリユニット60は、FC車両10の力行時には、エネルギストレージである蓄電装置62(以下、「バッテリ62」とも称する。)からの出力電力(バッテリ出力電力Pbat)[W]をモータユニット20に対して供給し、FC車両10の回生時には、モータ回生電力Preg及びFC発電電力Pfcをバッテリ62に蓄電する。
統括制御部80は、モータユニット20、FCユニット40及びバッテリユニット60を制御する。詳細については後述する。
なお、モータ回生電力Preg、FC発電電力Pfc及びバッテリ出力電力Pbatは、ライト、パワーウインド、ワイパー用電動機等の図示しない補機に供給してもよい。
(2)モータユニット20
モータユニット20は、モータ22に加え、パワー・ドライブ・ユニット24(以下、「PDU24」とも称する。)と、減速機26と、シャフト28と、車輪30と、モータ制御部32とを備える。
モータユニット20は、モータ22に加え、パワー・ドライブ・ユニット24(以下、「PDU24」とも称する。)と、減速機26と、シャフト28と、車輪30と、モータ制御部32とを備える。
PDU24は、FC車両10の力行時において、FC42からの発電電流(FC発電電流If)[A]及びバッテリ62からの出力電流(バッテリ出力電流Ibat)[A]とを直流/交流変換し、モータ22を駆動する電流(モータ駆動電流Imd)[A]としてモータ22に供給する。このモータ駆動電流Imdの供給に伴うモータ22の回転は、減速機26、シャフト28を通じて車輪30に伝達される。
また、PDU24は、FC車両10の回生時において、モータ22からの回生電流(モータ回生電流Imr)を交流/直流変換し、バッテリ充電電流Ibcとしてバッテリユニット60に供給する。このバッテリ充電電流Ibcの供給によりバッテリ62が充電される。
モータ制御部32は、モータ22及びPDU24の動作を制御する。
(3)FCユニット40
FCユニット40は、FC42に加え、水素タンク44と、エアコンプレッサ46と、FC制御部48と、第1DC/DCコンバータ50と、第1コンバータ制御部52と、バイパスダイオード54と、ディスコネクトダイオード56と、電流センサ58とを有する。
FCユニット40は、FC42に加え、水素タンク44と、エアコンプレッサ46と、FC制御部48と、第1DC/DCコンバータ50と、第1コンバータ制御部52と、バイパスダイオード54と、ディスコネクトダイオード56と、電流センサ58とを有する。
FC42は、例えば固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟み込んで形成されたセルを積層したスタック構造にされている。FC42には、水素タンク44とエアコンプレッサ46が配管により接続されている。水素タンク44内の加圧水素は、FC42のアノード電極に供給される。また、エアコンプレッサ46により空気がFC42のカソード電極に供給される。水素タンク44及びエアコンプレッサ46の動作は、FC制御部48により制御される。FC42内で反応ガスである水素(燃料ガス)と空気(酸化剤ガス)の電気化学反応によりFC発電電流Ifが生成される。FC発電電流Ifは、電流センサ58、第1DC/DCコンバータ50、バイパスダイオード54及びディスコネクトダイオード56を介し、FC車両10の力行時にはPDU24に供給され、回生時にはバッテリユニット60に供給される。第1DC/DCコンバータ50は、いわゆるチョッパ方式の昇圧DC/DCコンバータである。FC発電電流Ifが第1DC/DCコンバータ50を通過する際、第1DC/DCコンバータ50は、FC42の発電電圧(FC発電電圧Vf)[V]を昇圧する。第1DC/DCコンバータ50の動作は、統括制御部80からの指令及び電流センサ58の検出値に基づいて、第1コンバータ制御部52により制御される。
(4)バッテリユニット60
バッテリユニット60は、バッテリ62に加え、電圧センサ64、66と、電流センサ68、70と、第2DC/DCコンバータ72と、第2コンバータ制御部74とを有する。
バッテリユニット60は、バッテリ62に加え、電圧センサ64、66と、電流センサ68、70と、第2DC/DCコンバータ72と、第2コンバータ制御部74とを有する。
バッテリ62は、第2DC/DCコンバータ72の1次側1Sに接続されており、例えばリチウムイオン2次電池やニッケル水素2次電池又はキャパシタを利用することができる。第1実施形態ではリチウムイオン2次電池を利用している。電圧センサ64は、第2DC/DCコンバータ72の1次側1Sの電圧(1次電圧V1)[V]を検出し、電圧センサ66は、第2DC/DCコンバータ72の2次側2Sの電圧(2次電圧V2)[V]を検出する。電流センサ70は、一次側1Sの電流(1次電流I1)を検出し、電流センサ70は、2次側2Sの電流(2次電流I2)を検出する。
第2DC/DCコンバータ72は、いわゆるチョッパ方式の昇降圧DC/DCコンバータであり、力行時には、1次電圧V1を昇圧して2次側2Sに供給し、回生時には、2次電圧V2を降圧して1次側1Sに供給する。すなわち、モータ22が発生した回生電圧(モータ回生電圧Vreg)[V]又はFC42のFC発電電圧Vfである2次電圧V2が第2DC/DCコンバータ72により低電圧に変換された1次電圧V1によりバッテリ62を充電する。
第2コンバータ制御部74は、統括制御部80からの指令並びに電圧センサ64、66及び電流センサ68、70の検出値に基づいて、第2DC/DCコンバータ72を制御する。
(5)統括制御部80
統括制御部80は、モータ22の要求出力(モータ要求出力Pmr_req)[W]やFCユニット40(エアコンプレッサ46等)の要求電力、図示しない補機の要求電力に基づいて、モータ制御部32、FC制御部48、第1コンバータ制御部52及び第2コンバータ制御部74を制御する。詳細は後述する。
統括制御部80は、モータ22の要求出力(モータ要求出力Pmr_req)[W]やFCユニット40(エアコンプレッサ46等)の要求電力、図示しない補機の要求電力に基づいて、モータ制御部32、FC制御部48、第1コンバータ制御部52及び第2コンバータ制御部74を制御する。詳細は後述する。
統括制御部80、CPU、ROM、RAM、タイマの他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力インタフェース、並びに、必要に応じてDSP(Digital Signal Processor)等を有している。モータ制御部32、FC制御部48、第1コンバータ制御部52及び第2コンバータ制御部74も同様である。
統括制御部80と、モータ制御部32、FC制御部48、第1コンバータ制御部52及び第2コンバータ制御部74とは、車内LANであるCAN(Controller Area Network)等の通信線82を通じて相互に接続されている。これらの制御部は、各種スイッチ及び各種センサからの入出力情報を共有し、これら各種スイッチ及び各種センサからの入出力情報を入力として各CPUが各ROMに格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。
(6)その他
車両状態を検出する各種スイッチ及び各種センサとしては、上述した電圧センサ64、66、電流センサ58、68、70の他、通信線82に接続されるイグニッションスイッチ84、アクセルセンサ86、ブレーキセンサ88、及び車速センサ90等がある。
車両状態を検出する各種スイッチ及び各種センサとしては、上述した電圧センサ64、66、電流センサ58、68、70の他、通信線82に接続されるイグニッションスイッチ84、アクセルセンサ86、ブレーキセンサ88、及び車速センサ90等がある。
2.各種制御/処理
(1)統括制御部80における処理
図2には、第1DC/DCコンバータ50及び第2DC/DCコンバータ72で用いる制御目標値を統括制御部80において算出するフローチャートが示されている。
(1)統括制御部80における処理
図2には、第1DC/DCコンバータ50及び第2DC/DCコンバータ72で用いる制御目標値を統括制御部80において算出するフローチャートが示されている。
ステップS1において、統括制御部80は、アクセルセンサ86から通知された図示しないアクセルペダルの踏込み量等に応じてモータ要求出力Pmr_reqを算出する。
続くステップS2において、統括制御部80は、モータ要求出力Pmr_reqからモータ22の必要電圧(モータ必要電圧Vmr_nec)[V]を算出する。モータ必要電圧Vmr_necの算出に際しては、統括制御部80のメモリ81に記憶されているモータ要求出力Pmr_reqとモータ必要電圧Vmr_necとの関係(マップ化されたデータ)が用いられる。
図3に示すように、モータ必要電圧Vmr_necの特性100(図3中、点線で表されている。)は、モータ要求出力Pmr_reqの一次関数である。また、第1実施形態のFC42は、一般的な燃料電池と同様、FC発電電流Ifが上がるほど、FC発電電圧Vfが下がる特性(I−V特性102)を有する(図4参照)。このため、図3中、一点鎖線で表されているFC発電電圧Vfの特性104は、モータ22の出力(モータ出力Pmr)[W]が増加するに連れて減少する。そして、第1実施形態では、モータ必要電圧Vmr_necの特性100とFC発電電圧Vfの特性104とが交差するモータ出力P2が、モータ22の連続定格出力Pcrとなるようにモータ22及びFC42の仕様が決定される。なお、以下では、モータ出力Pmrが、連続定格出力Pcr以下である状態を「定常走行状態」と呼び、連続定格出力Pcrを上回る状態を「非定常走行状態」と呼ぶ。
図5には、連続定格出力Pcrを決定する方法の説明図が示されている。第1実施形態の連続定格出力Pcrは、車両動力目標値であるターゲット車速Vtar[km/h]におけるターゲット勾配登坂時に必要なモータ出力Pmrとしての定常保証出力Pcg[W]である。このため、定常走行状態は、定常保証出力Pcg以下の出力でモータ22を運転する走行モータ駆動状態であり、非定常走行状態は、定常保証出力Pcgを超える出力でモータ22を運転する走行モータ駆動状態である。
図3に戻り、PDU24の目標電圧(PDU目標電圧Vp_tar)[V]の特性106(図3中、実線で表されている。)は、モータ要求出力Pmr_reqに応じて設定される{Vp_tar=f(Pmr_req)}。そして、モータ要求出力Pmr_reqがゼロのときは、PDU目標電圧Vp_tarは、FC発電電圧Vfよりも低くなるように設定される。
さらに、モータ出力P1(PDU目標電圧Vp_tarの特性106とFC発電電圧Vfの特性104とが接するモータ出力Pmr)以上、モータ出力P2(モータ必要電圧Vmr_necの特性100とFC発電電圧Vfの特性104とが交差するモータ出力Pmr、すなわち連続定格出力Pcr)未満では、PDU目標電圧Vp_tarの特性106は、モータ要求出力Pmr_reqの増加に応じて減少する。例えば、PDU目標電圧Vp_tarの特性106は、モータ出力P1、P2の間で、FC発電電圧Vfの特性104と同じである。
さらにまた、モータ要求出力Pmr_reqがモータ出力P2(連続定格出力Pcr)より大きいとき、PDU目標電圧Vp_tarの特性106は、モータ必要電圧Vmr_necの特性100と等しくなる。なお、図3中、モータ出力P1からP3の間において二点鎖線で示す特性108は、後述する比較例のPDU目標電圧Vp_tar_cの特性である。
図2に戻り、ステップS3において、統括制御部80は、モータ要求出力Pmr_reqやFCユニット40(エアコンプレッサ46等)の要求電力、図示しない補機の要求電力に基づいて、FC42の目標電流(FC目標電流If_tar)[A]を算出する。そして、算出したFC目標電流If_tarは、FC制御部48に通知される。FC目標電流If_tarを受信したFC制御部48は、FC目標電流If_tarと、電流センサ58が検出したFC発電電流Ifとの誤差ΔIf1(ΔIf1=If_tar−If)等に基づいて、FC42、水素タンク44及びエアコンプレッサ46を制御する。
続くステップS4において、統括制御部80は、FC42のI−V特性102(図4)を用いてFC42の目標電圧(FC目標電圧Vf_tar)を算出する。なお、このI−V特性102は、統括制御部80のメモリ81にマップ化されて記憶されている。また、FC目標電流If_tarは、モータ要求出力Pmr_reqのみに基づいて算出されるのではなく、FCユニット40の要求電力や補機の要求電力をも考慮して算出される。このため、図3中の横軸におけるモータ必要電圧Vmr_necの位置とFC目標電圧Vf_tarの位置が異なる場合もあることに留意されたい。
ステップS5において、統括制御部80は、FC車両10が定常走行状態にあるかどうかを判定する。具体的には、ステップS4で算出したFC目標電圧Vf_tarが、ステップS2で算出したモータ必要電圧Vmr_nec以上であるかどうかを判定する。上述の通り、モータ必要電圧Vmr_necの特性100とFC発電電圧Vfの特性104とは、連続定格出力Pcr(モータ出力P2)において交差する。また、連続定格出力Pcr以下のとき定常走行状態であり、連続定格出力Pcrを超えるとき非定常走行状態である。このため、FC目標電圧Vf_tarがモータ必要電圧Vmr_nec以上である場合、定常走行状態であり、FC目標電圧Vf_tarがモータ必要電圧Vmr_necを下回る場合、非定常走行状態である。
FC車両10が定常走行状態である場合(S5:Yes)、ステップS6において、統括制御部80は、FC目標電圧Vf_tarを第2DC/DCコンバータ72の昇圧後の電圧目標値(電圧目標値V2con_tar)として設定し(V2con_tar←Vf_tar)、この電圧目標値V2con_tarを第2コンバータ制御部74に通知する。一方、第1DC/DCコンバータ50の昇圧後の目標値は算出せず、第1DC/DCコンバータ50は動作させない。これにより、FC発電電圧Vfは、第1DC/DCコンバータ50ではなく、バイパスダイオード54を介してPDU24に供給される。
FC車両10が非定常走行状態である場合(S5:No)、ステップS7において、統括制御部80は、ステップS2で算出したモータ必要電圧Vmr_necを第2DC/DCコンバータ72の電圧目標値V2con_tarとして設定し(V2con_tar←Vmr_nec)、この電圧目標値V2con_tarを第2コンバータ制御部74に通知する。続くステップS8において、統括制御部80は、ステップS3で求めたFC目標電流If_tarを第1DC/DCコンバータ50の燃料電池側電流目標値(電流目標値I1con_tar)として設定し(I1con_tar←If_tar)、この電流目標値I1con_tarを第1コンバータ制御部52に通知する。
(2)第1コンバータ制御部52における処理
図6には、第1コンバータ制御部52が行う処理のフローチャートが示されている。ステップS11において、第1コンバータ制御部52は、第1DC/DCコンバータ50の電流目標値I1con_tarを受信したかどうかを判定する。電流目標値I1con_tarを受信していない場合(S11:No)、FC車両10は定常走行状態(図3の連続定格出力Pcr以下の状態)であると考えられる。そこで、第1コンバータ制御部52は、第1DC/DCコンバータ50を動作させず(FC発電電圧Vfを昇圧せず)、バイパスダイオード54を介してFC発電電流IfをPDU24に供給する。
図6には、第1コンバータ制御部52が行う処理のフローチャートが示されている。ステップS11において、第1コンバータ制御部52は、第1DC/DCコンバータ50の電流目標値I1con_tarを受信したかどうかを判定する。電流目標値I1con_tarを受信していない場合(S11:No)、FC車両10は定常走行状態(図3の連続定格出力Pcr以下の状態)であると考えられる。そこで、第1コンバータ制御部52は、第1DC/DCコンバータ50を動作させず(FC発電電圧Vfを昇圧せず)、バイパスダイオード54を介してFC発電電流IfをPDU24に供給する。
一方、電流目標値I1con_tarを受信した場合(S11:Yes)、FC車両10は非定常走行状態(図3の連続定格出力Pcrを超える状態)であると考えられる。そこで、ステップS13において、第1コンバータ制御部52は、電流目標値I1con_tarを用いて第1DC/DCコンバータ50をフィードバック制御する。具体的には、電流目標値I1con_tar(=I1_tar)と、電流センサ58が検出したFC発電電流Ifとの誤差ΔIf2(ΔIf2=I1con_tar−If)を算出し、FC発電電流Ifが、電流目標値I1con_tarと等しくなるように駆動デューティを調整してFC発電電圧Vfを昇圧する。この際、例えば、比例・積分・微分制御(PID制御)を用いることができる。
(3)第2コンバータ制御部74における処理
図7には、第2コンバータ制御部74が行う処理のフローチャートが示されている。ステップS21において、第2コンバータ制御部74は、図2のステップS6又はステップS7で送信された第2DC/DCコンバータ72の電圧目標値V2con_tarを受信する。続くステップS22において、第2コンバータ制御部74は、電圧目標値V2con_tarを用いて第2DC/DCコンバータ72を制御する。具体的には、下記の式(1)〜式(7)で規定されるデューティDUTを算出し、このデューティDUTを用いて第2DC/DCコンバータ72の図示しないスイッチング素子を駆動することにより昇圧を行う。
DUT=FF項+FB項 (1)
FF項=1−(V1/V2con_tar) (2)
FB項=P項+I項+D項 (3)
P項=Kp×ΔV2 (4)
I項=I項前回+Ki×ΔV2 (5)
D項=Kd×(ΔV2−ΔV2前回) (6)
ΔV2=V2con_tar−V2 (7)
図7には、第2コンバータ制御部74が行う処理のフローチャートが示されている。ステップS21において、第2コンバータ制御部74は、図2のステップS6又はステップS7で送信された第2DC/DCコンバータ72の電圧目標値V2con_tarを受信する。続くステップS22において、第2コンバータ制御部74は、電圧目標値V2con_tarを用いて第2DC/DCコンバータ72を制御する。具体的には、下記の式(1)〜式(7)で規定されるデューティDUTを算出し、このデューティDUTを用いて第2DC/DCコンバータ72の図示しないスイッチング素子を駆動することにより昇圧を行う。
DUT=FF項+FB項 (1)
FF項=1−(V1/V2con_tar) (2)
FB項=P項+I項+D項 (3)
P項=Kp×ΔV2 (4)
I項=I項前回+Ki×ΔV2 (5)
D項=Kd×(ΔV2−ΔV2前回) (6)
ΔV2=V2con_tar−V2 (7)
式(1)のFF項は、フィードフォワード項であり、FB項は、フィードバック項である。式(3)のP項、I項及びD項は、それぞれ比例・積分・微分制御(PID制御)の比例項、積分項及び微分項である。式(4)〜式(6)の係数Kp、Ki、Kdは、それぞれ比例係数、積分係数及び微分係数である。
(4)比較例
図8には、図3に示された第1実施形態の各特性と比較するための比較例が示されている。この比較例は、例えば、特許文献2の図3に基づくものである。図8において、モータ必要電圧Vmr_necの特性100及びFC発電電圧Vfの特性104は、図3と同様である。一方、図3の連続定格出力Pcrは、モータ必要電圧Vmr_necの特性100とFC発電電圧Vfの特性104とが交差するモータ出力P2に設定される(Pcr=P2)のに対し、図8の連続定格出力Pcrは、前記モータ出力P2よりも大きい値に設定される(Pcr>P2)。
図8には、図3に示された第1実施形態の各特性と比較するための比較例が示されている。この比較例は、例えば、特許文献2の図3に基づくものである。図8において、モータ必要電圧Vmr_necの特性100及びFC発電電圧Vfの特性104は、図3と同様である。一方、図3の連続定格出力Pcrは、モータ必要電圧Vmr_necの特性100とFC発電電圧Vfの特性104とが交差するモータ出力P2に設定される(Pcr=P2)のに対し、図8の連続定格出力Pcrは、前記モータ出力P2よりも大きい値に設定される(Pcr>P2)。
また、図8のPDU目標電圧Vp_tar_cは、モータ出力Pmrが増加するに連れて増加する特性である。このため、図3のPDU目標電圧Vp_tarは、下記の点で比較例のPDU目標電圧Vp_tar_cと異なる。
すなわち、比較例(図8)のPDU目標電圧Vp_tar_cは、モータ出力PmrがP1からP2の間、PDU目標電圧Vp_tarがVp_p1からVp_p2’まで増加し、PDU目標電圧Vp_tarが、FC発電電圧Vfを上回る。このため、モータ出力PmrがP1からP2の間、比較例では、FC発電電圧Vfを昇圧する必要がある。
一方、第1実施形態(図3)のPDU目標電圧Vp_tarは、モータ出力PmrがP1からP2の間、PDU目標電圧Vp_tarがVp_p1からVp_p2まで減少する。換言すると、モータ出力PmrがP1であるときのPDU目標電圧Vp_p1から、モータ出力PmrがP2であるときのPDU目標電圧Vp_p2までのPDU目標電圧Vp_tarの特性106は、FC発電電圧Vfの特性104と等しく減少する。これにより、モータ出力PmrがP1からP2の間、第1DC/DCコンバータ50による昇圧が不要となる。
さらに、比較例(図8)では、モータ出力PmrがP2からP3の間、PDU目標電圧Vp_tar_cの特性108が、モータ必要電圧Vmr_necの特性100を上回る。モータ出力P3は、比較例のPDU目標電圧Vp_tar_cが、モータ必要電圧Vmr_necと交差するモータ出力Pmrである。このため、モータ出力PmrがP2からP3の間、比較例では、モータ必要電圧Vmr_necを超えるようにFC発電電圧Vfを昇圧する必要がある。
一方、第1実施形態(図3)のPDU目標電圧Vp_tarは、モータ出力PmrがP2からP3の間、モータ必要電圧Vmr_necと同じ特性を有する。これにより、比較例のPDU目標電圧Vp_tar_cと比較して、第1実施形態のPDU目標電圧Vp_tarは、モータ出力PmrがP2からP3の間、モータ必要電圧Vmr_necに近付けることができるので、第1DC/DCコンバータ50による余計な昇圧を避けることができる。
3.第1実施形態の効果
以上のように、第1実施形態では、第1DC/DCコンバータ50は、非定常走行時に昇圧動作を行い、定常走行時に昇圧動作を行わない。これにより、第1DC/DCコンバータ50は、定常走行時に昇圧を行う必要がなくなり、省電力化を実現することができる。加えて、第1DC/DCコンバータ50の仕様として、連続定格を考慮する必要がほとんどなくなり、時間定格のみを考慮すればよくなる。その結果、第1DC/DCコンバータ50の小型化が可能となる。
以上のように、第1実施形態では、第1DC/DCコンバータ50は、非定常走行時に昇圧動作を行い、定常走行時に昇圧動作を行わない。これにより、第1DC/DCコンバータ50は、定常走行時に昇圧を行う必要がなくなり、省電力化を実現することができる。加えて、第1DC/DCコンバータ50の仕様として、連続定格を考慮する必要がほとんどなくなり、時間定格のみを考慮すればよくなる。その結果、第1DC/DCコンバータ50の小型化が可能となる。
第1実施形態では、第1DC/DCコンバータ50をバイパスしてFC42からモータ22にFC発電電力Pfcを供給するバイパスダイオード54が設けられる。これにより、第1DC/DCコンバータ50が昇圧動作を行わないときには、第1DC/DCコンバータ50を介さずに、FC42からモータ22に電力供給することが可能となり、第1DC/DCコンバータ50の内部抵抗による電力消費を防止することができる。
第1実施形態の第2コンバータ制御部74は、定常走行時及び非定常走行時のいずれにおいても、第2DC/DCコンバータ72に対する電圧目標値制御を行い、定常走行時と非定常走行時とで異なる制御目標値(FC目標電圧Vf_tar、モータ必要電圧Vmr_nec)を用いる。定常走行時と非定常走行時とで異なる電圧制御目標値を用いることにより、定常走行時と非定常走行時を区別して第2DC/DCコンバータ72の動作制御が可能となる。
さらに、第2コンバータ制御部74は、定常走行時には、FC目標電圧Vf_tarを電圧制御目標値として用い、非定常走行時には、モータ必要電圧Vmr_necを電圧制御目標値として用いる。定常走行時には、FC目標電圧Vf_tarを電圧制御目標値として制御を行うため、FC42の発電効率を考慮することが可能になると共に、非定常走行時には、モータ必要電圧Vmr_necを電圧制御目標値として制御を行うため、モータ必要電圧Vmr_necを確実に実現することができる。
第1実施形態では、FC車両10は、モータ要求出力Pmr_reqとモータ必要電圧Vmr_necとをマップ化して記憶した統括制御部80のメモリ81を備える。モータ要求出力Pmr_reqとモータ必要電圧Vmr_necとをマップ化することにより、モータ必要電圧Vmr_necを迅速に判定することができる。
第1実施形態では、統括制御部80は、FC目標電圧Vf_tarとモータ必要電圧Vmr_tarとを比較し、その比較結果に基づいて、定常走行時と非定常走行時とを判別する。FC目標電圧Vf_tarとモータ必要電圧Vmr_necとの比較結果に基づくため、FC発電電圧Vfが、モータ必要電圧Vmr_necを下回るかどうかを確実に判別することができる。
B.第2実施形態
1.第1実施形態との相違
図9は、第2実施形態に係る燃料電池車両10A(以下、「FC車両10A」とも称する。)の回路図である。第2実施形態のFC車両10Aは、基本的に、第1実施形態のFC車両10と同じであるが、第1実施形態と異なり、バイパスダイオード54を備えない。代わりに、FC車両10Aでは、第1DC/DCコンバータ50の図示しないスイッチング素子のデューティDUTを100%とし、第1DC/DCコンバータ50のFC42側とPDU24側とを直結する。これにより、第1DC/DCコンバータ50の昇圧動作を介さずにFC発電電圧VfをPDU24に供給する。
1.第1実施形態との相違
図9は、第2実施形態に係る燃料電池車両10A(以下、「FC車両10A」とも称する。)の回路図である。第2実施形態のFC車両10Aは、基本的に、第1実施形態のFC車両10と同じであるが、第1実施形態と異なり、バイパスダイオード54を備えない。代わりに、FC車両10Aでは、第1DC/DCコンバータ50の図示しないスイッチング素子のデューティDUTを100%とし、第1DC/DCコンバータ50のFC42側とPDU24側とを直結する。これにより、第1DC/DCコンバータ50の昇圧動作を介さずにFC発電電圧VfをPDU24に供給する。
図10には、第1DC/DCコンバータ50及び第2DC/DCコンバータ72で用いる制御目標値をFC車両10Aの統括制御部80において算出するフローチャートが示されている。
図10のステップS31〜S35、S38、S39は、図2のステップS1〜S5、S7、S8と同じである。ステップS36では、統括制御部80は、第2DC/DCコンバータ72の制御目標値として、昇圧後の電圧目標値V2con_tarを算出するのではなく、第1DC/DCコンバータ50の燃料電池側電流を第2DC/DCコンバータ72の制御目標値とした電流目標値I2con_tarを算出する。この電流目標値I2con_tarは、第2コンバータ制御部74に送信される。電流目標値I2con_tarを受信した第2コンバータ制御部74は、電流目標値I2con_tarと、電流センサ58が検出したFC発電電流Ifとの誤差ΔIf3(ΔIf3=I2con_tar―If)を算出し、この誤差ΔIf3をゼロとするように、第2DC/DCコンバータ72をフィードバック制御する。
続くステップS37では、第1DC/DCコンバータ50の制御目標値(制御指令)として、100%の目標デューティDUT1con_tarを算出する。100%の目標デューティDUT1con_tarは、第1DC/DCコンバータ50に送信される。100%の目標デューティDUT1con_tarを受信した第1コンバータ制御部52は、第1DC/DCコンバータ50の図示しないスイッチング素子をオンさせ続けて、第1DC/DCコンバータ50のFC42側とPDU24側とを直結させる。これにより、第1DC/DCコンバータ50は、昇圧動作を行わずに、FC発電電圧VfをPDU24に供給する。
2.第2実施形態の効果
第1実施形態で述べた効果に加え又は第1実施形態で述べた効果に代えて、第2実施形態は以下の効果を奏する。
第1実施形態で述べた効果に加え又は第1実施形態で述べた効果に代えて、第2実施形態は以下の効果を奏する。
すなわち、第2実施形態の第2コンバータ制御部74は、定常走行時には、第2DC/DCコンバータ72に対する電流目標値制御を行い、非定常走行時には、第2DC/DCコンバータ72に対する電圧目標値制御を行う。これにより、定常走行時には、電流目標値制御を行い、非定常走行時には電圧目標値制御を行うことにより、定常走行時と非定常走行時を区別して第2DC/DCコンバータ72の動作制御が可能となる。
さらに、第2コンバータ制御部74は、定常走行時には、FC目標電流If_tarを電流目標値として用い、非定常走行時には、モータ必要電圧Vmr_tarを電圧目標値として用いる。定常走行時には、FC目標電流If_tarを電流目標値として制御を行うため、FC42の発電効率を考慮することが可能になると共に、非定常走行時には、モータ必要電圧Vmr_necを電圧目標値として制御を行うため、モータ必要電圧Vmr_necを確実に実現することができる。
C.変形例
なお、この発明は、上記各実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
なお、この発明は、上記各実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記各実施形態では、電力供給源として、FC42に加え、バッテリ62を備えていたが、FC42のみを有する構成も可能である。
上記実施形態では、定常走行時と非定常走行時とを判定するために、FC目標電圧Vf_tarとモータ必要電圧Vmr_necとの比較結果を用いたが、これに限られず、例えば、FC発電電圧Vfとモータ必要電圧Vmr_necの比較結果を用いることもできる。
上記各実施形態では、モータ要求出力Pmr_reqとモータ必要電圧Vmr_necをマップ化して記憶したが、これに限られない。例えば、モータ要求出力Pmr_reqに基づいて逐次モータ必要電圧Vmr_necを演算してもよい。
上記各実施形態では、複数の制御部(統括制御部80、モータ制御部32、FC制御部48、第1コンバータ制御部52、第2コンバータ制御部74)に処理を分散させたが、1つの制御部(例えば、統括制御部80)において全ての処理をまとめて行ってもよい。
10、10A…燃料電池車両 22…モータ
42…燃料電池 50…第1DC/DCコンバータ
52…第1コンバータ制御部 54…バイパスダイオード
62…バッテリ(蓄電装置) 72…第2DC/DCコンバータ
74…第2コンバータ制御部 80…統括制御部
81…メモリ
If_tar…FC目標電流 Pcg…定常保証出力
Pcr…連続定格出力 Pmr_req…モータ要求出力
Vf…FC発電電圧 Vf_tar…FC目標電圧
Vmr_nec…モータ必要電圧 Vtar…ターゲット車速
42…燃料電池 50…第1DC/DCコンバータ
52…第1コンバータ制御部 54…バイパスダイオード
62…バッテリ(蓄電装置) 72…第2DC/DCコンバータ
74…第2コンバータ制御部 80…統括制御部
81…メモリ
If_tar…FC目標電流 Pcg…定常保証出力
Pcr…連続定格出力 Pmr_req…モータ要求出力
Vf…FC発電電圧 Vf_tar…FC目標電圧
Vmr_nec…モータ必要電圧 Vtar…ターゲット車速
Claims (6)
- 走行モータと、燃料電池と、前記燃料電池の出力電圧を昇圧して前記走行モータに供給する第1DC/DCコンバータと、蓄電装置と、前記走行モータと前記蓄電装置との間に配置された第2DC/DCコンバータと、前記走行モータへの電力供給を制御する制御装置とを備える燃料電池車両であって、
前記燃料電池の出力電圧は、前記走行モータが連続定格出力を下回って作動する定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を上回り、前記走行モータが前記連続定格出力を上回って作動する非定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を下回るように設定され、
前記制御装置は、
前記燃料電池の出力電圧が、前記走行モータの必要電圧を下回ると判定したとき、前記第1DC/DCコンバータに昇圧動作を行わせ、
前記定常走行時及び前記非定常走行時のいずれにおいても、前記第2DC/DCコンバータに対する電圧目標値制御を定常的に行い、
前記定常走行時と前記非定常走行時とで異なる電圧目標値を用いる
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1記載の燃料電池車両において、さらに、
前記第1DC/DCコンバータをバイパスして前記燃料電池から前記走行モータに電力を供給するバイパスダイオードを有する
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1又は2記載の燃料電池車両において、
前記制御装置は、
前記燃料電池の目標電流を算出し、この目標電流から前記燃料電池の目標電圧を算出し、
前記定常走行時には、前記燃料電池の目標電圧を前記電圧目標値として用い、前記非定常走行時には、前記走行モータの必要電圧を前記電圧目標値として用いる
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池車両において、さらに、
前記走行モータの要求出力と必要電圧とをマップ化して記憶した記憶部を備える
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池車両において、
前記制御装置は、前記燃料電池の目標電圧と前記走行モータの必要電圧とを比較し、その比較結果に基づいて、前記定常走行時と前記非定常走行時とを判別する
ことを特徴とする燃料電池車両。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池車両において、
前記連続定格出力は、車両動力性能目標値であるターゲット車速におけるターゲット勾配登坂時に必要な前記走行モータの出力としての定常保証出力であり、
前記定常走行は、前記定常保証出力以下の出力で前記走行モータを運転する走行モータ駆動状態であり、
前記非定常走行は、前記定常保証出力を超える出力で前記走行モータを運転する走行モータ駆動状態である
ことを特徴とする燃料電池車両。
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