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JP4712493B2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

温度補償型水晶発振器 Download PDF

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Description

本発明は、電源投入後の発熱による初期周波数ドリフトを減少させる温度補償型水晶発振器に関するものである。
最近の傾向として無線通信機器や携帯電話機など移動体通信分野を中心に機器の小型化、低背化、軽量化、低価格化などの項目について極めて急激な展開が見られている。そのため、これらの要求に対応した温度補償型水晶発振器の小型化、低背化、低価格化などを実現が必要と成っている。
従来は、図6にあるように、単板基板に多層印刷を施して、更に導通パターンを配置した基板上に発振回路を構成するコンデンサ、抵抗、及び集積回路などの半導体部品を搭載し、その同一の空間内に水晶振動子を搭載して気密封止した構成の温度補償型水晶発振器に始まり、また、図7に示されるような積層基板に発振回路用印刷パターンが配置され、積層基板上に半導体部品が載置された容器と、水晶振動子を搭載し気密封止された別の容器を重ねた構成の温度補償型水晶発振器や、近年では図8に示されるような、密閉構造を持つ容器と、凹状の開口部を持つ容器に、それぞれ水晶振動子と、集積回路などの半導体部品を搭載して構成された構造の温度補償型水晶発振器が数多く市場において使用されているのが現状である。
温度補償型水晶発振器を構成する水晶振動子は環境温度によりその周波数が変化する温度特性を持っており、その一例として温度補償型水晶発振器に搭載されるATカットの水晶振動子では、中心周波数の変動が最も少ない温度を25℃近辺に設定し、高温側と低温側では周波数変動が大きくなるATカットの水晶振動子特有の温度特性を持っていることが知られている。
このような温度補償型水晶発振器の筐体外面に施されるランドパターンには大別して、温度補償型水晶発振器の製造時に使用される端子と、温度補償型水晶発振器が出荷された後に客先実装基板上にて使用される端子のふたつの種類がある。製造時に使用される端子にはメモリアクセス用端子や検査用端子が有り、また、客先実装基板上にて客先にて使用される端子には制御電圧端子(Vdd)、電源供給端子(Vc)、接地端子(GND)、及び出力端子(Output)がある。また、前者の製造時のみに使用する端子には、温度補償型水晶発振器の筐体の外側面に設けられたものや、後者の端子には実装用ランドと同一面の温度補償型水晶発振器の筐体の外下面に設けられたものがある。一方、温度補償型水晶発振器の筐体の内部に施されるランドパターンには、温度センサ回路部と、発熱回路部としてひとつの回路ブロックをなす発振段回路部、及び出力バッファ回路部を内部に有する半導体部品を温度補償型水晶発振器の筐体内部の基板上に搭載する際に用いられる接続端子がある。
一方、近年の無線通信機器や携帯電話機などでは、電源投入後の温度補償型水晶発振器の周波数ドリフト(数10×10-9 オーダー)が問題とされることがある。携帯電話に用いられる温度補償型水晶発振器は通常、低消費電流のものでありその消費電流は約1mA程度のものが多い。電源を投入すると温度補償型水晶発振器の内部に搭載される半導体部品であるICチップの発熱が始まり、ICチップ内の温度センサ電圧がドリフトする。その温度センサ電圧のドリフト量は、一例を挙げると、概ね温度に換算して0.2℃程度のものである。
なお、出願人は本発明に関連する先行技術文献を本件出願時までに発見するに至らなかった。
しかしながら、温度補償型水晶発振器の構造は先述の図8に示されるようなものである為に、半導体部品であるICチップにて発熱した熱が水晶振動子に熱伝導し、水晶振動子とICチップの温度が同一となるまでには時間を要し、この時間のあいだはICチップ内の温度補償回路部と水晶振動子の温度にずれが生じた状態となっており、このずれの量が図9に示されるように電源投入直後の周波数ドリフトとして現われるといった問題があった。
本発明は以上のような技術的背景のもとでなされたものであり、従ってその目的は、電源投入後の発熱による初期周波数ドリフトを減少させた温度補償型水晶発振器を提供することである。
これらの課題を解決するために本発明は、温度センサ回路部と、発振段回路部、及び出力バッファ回路部を内部に有する半導体部品が搭載され、接続端子を介して半導体部品が接続された基板を有する温度補償型水晶発振器において、半導体部品内部の温度センサ回路部と、発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、先の半導体部品の対角線上の隅部、若しくは同一辺側の隅部に配置されていることを特徴とする。
また、半導体部品が搭載される基板上に、温度センサ回路部と、発振段回路部、及び出力バッファ回路部を囲うようなパターンが形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のパターンが、ほかの該基板上の配線パターン幅よりも幅広で、かつ該パターンがアルミ二ウムより成ることを特徴とする
半導体部品内部の温度センサ回路部と、発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、半導体部品の接続端子で囲まれた領域の外側に配置されていることを特徴とする。
本発明の温度補償型水晶発振器によれば、ICチップ内の発熱する回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部と温度センサ回路部の配置を互いに離すことにより、温度補償型水晶発振器の発熱による温度ドリフトを著しく減少させることが出来る。
また、本発明の温度補償型水晶発振器によれば、放熱性効果の高いアルミ二ウムから成るパターンを、半導体部品内部の発熱する回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部と温度センサ回路部をガードリング処理するように、この半導体部品が搭載される基板上で効果的に配線することによって、温度補償型水晶発振器の発熱による温度ドリフトを著しく減少させることが出来る。
また、本発明の温度補償型水晶発振器によれば、半導体部品内部の温度センサ回路部と、発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、先の半導体部品の接続端子で囲まれた領域のそれぞれ外側に配置されることにより、接続端子の部分から放熱させ、発熱による温度ドリフトを著しく減少させることが出来る。
また、本発明の温度補償型水晶発振器によれば、半導体部品内部の発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部と、温度センサ回路部とを互いに隣接して配置することにより、先の発熱回路部での発熱を瞬く間の非常に短い時間内で温度センサに熱伝導させることにより、従来の温度補償型水晶発振器であった、徐々に出力発振周波数が変化するといった発熱による温度ドリフトを著しく減少させることが出来る。
また、本発明の温度補償型水晶発振器によれば、発熱による温度ドリフトを著しく減少させることが出来ると同時に、温度ドリフトを含んだ温度補償型水晶発振器の周波数安定度を改善することが出来る。
以下に図面を参照しながら本発明の実施の一形態について説明する。なお、各図においての同一の符号は同じ対象を示すものとする。
図1は本発明の一実施例である半導体部品内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3が、先の半導体部品4の対角線上の隅部9に配置されている様子を示す半導体部品4が搭載される基板6を半導体部品4搭載面側からみた概略の模式図である。温度センサ回路部1と特に発熱量の多い発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3から成る発熱回路部を、互いに対角線上の隅部9に配置することで、半導体部品4であるICチップ内部の熱伝導を極力抑制する配置としたものである。これは、温度センサ回路部1と特に発熱量の多い発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3から成る発熱回路部のあいだの距離を最大限にもたせた配置とすることによって、発熱回路部で発生した熱が温度センサ回路部1に熱伝導するあいだに、ICチップ自体から放熱させ、熱伝導の影響を減少させる効果を奏する。
図2は本発明の一実施例である半導体部品4内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3が、先の半導体部品4の同一辺側の隅部10に配置されている様子を示す半導体部品4が搭載される基板6を半導体部品4搭載面側からみた概略の模式図である。温度センサ回路部1と特に発熱量の多い発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3から成る発熱回路部を、互いに同一辺側の隅部10に配置することで、半導体部品4であるICチップ内部の熱伝導を極力抑制する配置としたものである。これは、温度センサ回路部1と特に発熱量の多い発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3から成る発熱回路部のあいだの距離をもたせた配置とすることによって、先の実施例1と同様に発熱回路部で発生した熱が温度センサ回路部1に熱伝導するあいだに、ICチップ自体から放熱させ、熱伝導の影響を減少させる効果を奏するものである。
図3は本発明の別の実施例である半導体部品4が搭載される基板6上に、搭載される半導体部品4の内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3を囲うようなパターン11が形成されている様子を示す、半導体部品4が搭載される基板6を半導体部品4搭載面側からみた概略の模式図である。発熱回路部から温度センサ回路部1への熱伝導を抑制するために、ガードリングの手法を用いてそれぞれの回路部の熱の遮断を図り、また放熱性の高いアルミ二ウムから出来、かつ他の配線パターン幅よりも幅広の配線パターンを半導体部品4内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3を囲うようにICチップが搭載される基板6上に形成することによって放熱性を高めて温度センサ回路部1に伝導する熱を減少させ発熱による温度ドリフトを著しく減少させる効果を奏するものである。
図4は本発明の別の実施例である半導体部品4内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3が、半導体部品4の接続端子5で囲まれた領域の外側で、かつ先の半導体部品4の対角線上の隅部9に配置されている様子を示す、半導体部品4が搭載される基板6を半導体部品4搭載面側からみた概略の模式図である。通常ICパッドはICチップとパッケージとを接続させる為に設けられているが、パッケージの回路部分と接続することによって放熱性が高まる。先の実施例1、及び実施例2ではICパッドの位置は半導体部品4の二辺以上の辺に沿って配置されているが、このICパッドを温度センサ回路部1と発熱回路部とを遮るように配置させることによって、即ち、半導体部品4内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3を半導体部品4の接続端子5で囲まれた領域の外側に配置させることによって、発熱回路部で発熱した熱を効率良く放熱して、温度センサを勿論含む温度センサ回路部1に伝導する熱を減少させ、発熱による温度ドリフトを著しく減少させる効果を奏するものである。
図5は本発明の別の実施例である半導体部品4内部の温度センサ回路部1と、発熱回路部である発振段回路部2、及び出力バッファ回路部3が、半導体部品4の接続端子5で囲まれた領域の外側で、かつ先の半導体部品4の同一辺側に互いに隣接して配置されている様子を示す、半導体部品4が搭載される基板6を半導体部品4搭載面側からみた概略の模式図である。発熱回路部での発熱を瞬く間の非常に短い時間内で温度センサ、及び温度センサ回路部1に熱伝導させることにより、従来の温度補償型水晶発振器7であった、徐々に出力発振周波数が変化するといった発熱による温度ドリフトを著しく減少させることが出来る効果を奏するものである。
図6は従来の単板基板に多層印刷を施して、更に導通パターンを配置した基板上に発振回路を構成するコンデンサ、抵抗、及び集積回路などの半導体部品4を搭載し、その同一の空間内に水晶振動子を搭載して気密封止した構成の温度補償型水晶発振器7を側面方向からみた概略の側面断面図である。
図7は従来の、積層基板上に半導体部品4が載置された容器と、水晶振動子を搭載し気密封止された別の容器を重ねた構成の温度補償型水晶発振器7を側面方向からみた概略の側面断面図である。この図7で示されるような構成を成す温度補償型水晶発振器7でも、半導体部品4であるICチップにて発熱した熱が水晶振動子に熱伝導し、水晶振動子とICチップの温度が同一となるまでには時間を要し、この時間のあいだはICチップ内の温度補償回路部と水晶振動子の温度にずれが生じた状態となっており、このずれの量が図9に示されるように電源投入直後の周波数ドリフトとして現わされるといった問題があった。
図8は従来の密閉構造を持つ容器と、凹状の開口部を持つ容器に、それぞれ水晶振動子と、集積回路などの半導体部品4を搭載して構成された別の構造の温度補償型水晶発振器7を側面方向からみた概略の側面断面図である。
図9は従来の図6、図7、及び図8に示されるような温度補償型水晶発振器7において現われる、電源を投入した後に温度補償型水晶発振器7の内部に搭載される半導体部品であるICチップの発熱が始まり、ICチップ内の温度センサ電圧がドリフトし、その結果、発振周波数がドリフトする様子を示す概略の特性図である。
なお、本発明の温度補償型水晶発振器7の筐体がセラミック以外の、例えば低温焼成セラミック多層基板などの材料から出来ていても構わず、こういった場合においても本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでも無い。
本発明の一実施例である半導体部品内部の温度センサ回路部と、発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、先の半導体部品の対角線上の隅部に配置されている様子を示す半導体部品が搭載される基板を半導体部品搭載面側からみた概略の模式図である。 本発明の一実施例である半導体部品内部の温度センサ回路部と、発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、先の半導体部品の同一辺上の隅部に配置されている様子を示す半導体部品が搭載される基板を半導体部品搭載面側からみた概略の模式図である。 本発明の別の実施例である半導体部品が搭載される基板上に、搭載される半導体部品の内部の温度センサ回路部と、発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部を囲うようなパターンが形成されている様子を示す、半導体部品が搭載される基板を半導体部品搭載面側からみた概略の模式図である。 本発明の別の実施例である半導体部品内部の温度センサ回路部と、発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、半導体部品の接続端子で囲まれた領域の外側で、かつ先の半導体部品の対角線上の隅部に配置されている様子を示す、半導体部品が搭載される基板を半導体部品搭載面側からみた概略の模式図である。 本発明の別の実施例である半導体部品内部の温度センサ回路部と、発熱回路部である発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、半導体部品の接続端子で囲まれた領域の外側で、かつ先の半導体部品の同一辺側に互いに隣接して配置されている様子を示す、半導体部品が搭載される基板を半導体部品搭載面側からみた概略の模式図である。 従来の単板基板に多層印刷を施して、更に導通パターンを配置した基板上に発振回路を構成するコンデンサ、抵抗、及び集積回路などの半導体部品を搭載し、その同一の空間内に水晶振動子を搭載して気密封止した構成の温度補償型水晶発振器を側面方向からみた概略の側面断面図である。 従来の積層基板に発振回路用印刷パターンが配置され、積層基板上に半導体部品が載置された容器と、水晶振動子を搭載し気密封止された別の容器を重ねた構成の温度補償型水晶発振器を側面方向からみた概略の側面断面図である。 従来の密閉構造を持つ容器と、凹状の開口部を持つ容器に、それぞれ水晶振動子と、集積回路などの半導体部品を搭載して構成された構造の温度補償型水晶発振器を側面方向からみた概略の側面断面図である。 従来の温度補償型水晶発振器において現われる、電源を投入した後に温度補償型水晶発振器の内部に搭載される半導体部品であるICチップの発熱が始まり、ICチップ内の温度センサ電圧がドリフトしその結果、発振周波数がドリフトする様子を示す概略の特性図である。
符号の説明
1 温度センサ回路部
2 発振段回路部
3 出力バッファ回路部
4 半導体部品
5 接続端子
6 基板
7 温度補償型水晶発振器
9 対角線上の隅部、
10 同一辺側の隅部
11 パターン
12 配線パターン幅
13 接続端子で囲まれた領域の外側

Claims (4)

  1. 温度センサ回路部と、発振段回路部、及び出力バッファ回路部を内部に有する半導体部品が搭載され、接続端子を介して該半導体部品が接続された基板を有する温度補償型水晶発振器において、

    半導体部品内部の温度センサ回路部と、発振段回路部、及び出力バッファ回路部が、該半導体部品の対角線上の隅部、若しくは同一辺側の隅部に配置されていることを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 該半導体部品が搭載される該基板上に、該温度センサ回路部と、該発振段回路部、及び該出力バッファ回路部を囲うようなパターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
  3. 請求項2に記載のパターンが、ほかの該基板上の配線パターン幅よりも幅広で、かつ該パターンがアルミ二ウムより成ることを特徴とする請求項2に記載の温度補償型水晶発振器。
  4. 該半導体部品内部の該温度センサ回路部と、該発振段回路部、及び該出力バッファ回路部が、該半導体部品の該接続端子で囲まれた領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
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