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JP4710457B2 - デュアルバンドアンテナ、及び、その構成方法 - Google Patents

デュアルバンドアンテナ、及び、その構成方法 Download PDF

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JP4710457B2 JP2005208204A JP2005208204A JP4710457B2 JP 4710457 B2 JP4710457 B2 JP 4710457B2 JP 2005208204 A JP2005208204 A JP 2005208204A JP 2005208204 A JP2005208204 A JP 2005208204A JP 4710457 B2 JP4710457 B2 JP 4710457B2
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Description

本発明はGHz帯、特に無線LANに使用される2.4GHz及び5GHzの電波を送受信するに好適なように改良したデュアルバンドアンテナに関するものである。
この種のアンテナとして、特開2004−064282号公報に記載されたアンテナが公知である。
この公知発明のアンテナは、デュアルバンドの片方の電波にλ/4で共振するアンテナ素子と、他方の電波にλ/4で共振するアンテナ素子とを形成し、それぞれのアンテナ素子の開放端を励振器の特定2箇所に静電容量結合するものであって、この公知発明が出願された当時においては画期的な先端技術としてアンテナ産業の発達に寄与した功績が多大であった。
しかし、その後のIT技術が長足に進歩し、更に高度の要請が為されるに至った。
無線LAN用のアンテナ仕様として電子機器メーカーからアンテナ技術界に対する要望を整理すると、
(a)一層の小型化。例えば長さ35ミリメートル以下、高さ6ミリメートル以下。
(b)無線LANに使用するため、2.4GHzと、5GHzとのデュアル特性。
(c)5GHz近傍における広い同調周波数帯域。
(d)基板材料による誘電体損失の防止。
(e)設置場所の制約解消(換言すれば、超薄型化)。
さらに、アンテナメーカーの立場から、(f)製造コストが低廉であること、および、(g)製品の性能修正(ないし性能調節)を簡単に行ない得ることが望ましい。
特開2004−64282号公報
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、
α)2.4GHzと、5GHzとのデュアル特性を有し、
β)5GHz付近で広い同調周波数帯域を有し、
γ)超小形薄形であって、
δ)誘電体損失を防止すること(基板を使用しないこと)も可能であり、
ε)製造コストが低廉で、
ζ)製品の性能修正を簡単に行ない得る、
新規な構成のデュアルバンドアンテナを提供しようとするものである。
本発明を創作するに至った研究開発の経過について、図5を参照しつつ、次に述べる。説明の便宜上、グランド1に平行なX軸と、グランド1に垂直なZ軸とを想定する。
ただし、この直交座標軸X−Zは、地球を基準とするものではなく、アンテナの使用状態を限定しない。
図5(A)は、公知の逆F形アンテナの模式図である。
グランド1から+Z方向に立ち上がり部2aが延出し、その先端から+X方向に水平部2bが伸びている。
立ち上がり部2aの接地点Eはインピーダンスがゼロであり、水平部2bの先端はインピーダンス無限大である。両者の中間のインピーダンス50Ωの箇所に給電点Sが設定されている。
この逆F形アンテナを、周波数fの電波に、1/4波長で共振させると、破線fで示したような定在波が形成される。
次に、上記電波の第3高調波を共振させると、1点鎖線3fで示したように、周波数3fの定在波が形成される。
これは、周波数の比が1対3のデユアルバンドアンテナであって、本発明が目的としている1対2のデユアルバンド特性は得られない。(注)無線LANに使用される2.4GHzと5GHzとの周波数比は、約1対2である。
上記の逆F形アンテナを、周波数fと周波数2fとに共振させるように改造する手法を説明する。
図5(A)に1点鎖線で示した3fの定在波(電流値)がゼロの箇所は、すなわち電圧値最大の箇所である。この部分にローディングを付与すると高調波の周波数が減少する。すなわち、3fから2fに近づく。
このようにして、図5(B)に示した改良逆F形アンテナのように、周波数fと2fとに共振(同調)させることができる。
上記の改良に伴って、基本波fが若干変化するが、設計的に修正可能である。
前記のローディングを付与するとは、線状アンテナであれば局部的に径を太くし、短冊状アンテナであれば局部的に幅を広くし、又は、局部的にグランド1に対して静電容量を持たせることをいう。
上記の改良逆F形アンテナによって、前記(a)項から(g)項までの7項目の目的の内で、(b)項の2.4GHzと、5GHzとのデュアル特性は得られるが、5GHz付近の同調周波数帯域は狭く、一層の小型化は未達成であり、誘電体損失の防止に関して格別の効果は無い。
そこで本発明者らは、この改良形アンテナについて、更に改良すべく鋭意工夫研究を続けた。
本発明を完成させる研究経過の途中における「試案の変形逆F形アンテナ」を図5(C)に示す。
図5の(C)を同(B)に比べると、グランド1から立ち上がり部(2a,4a)が+Z方向に延出していて、そのインピーダンス50Ωの箇所に給電点Sを設定したことは同様である。
(B)において給電点Sから+X方向に伸びていた線条アンテナ素子が、(C)においては不等辺コの字形に折り曲げられている。
上記の折り曲げは、ローディング部の両端部で為されている。その結果、(B)図において水平であったローディング部2cが、(C)図では垂直ローディング部4cになっている。
前記不等辺コの字形の+X方向の端部を点線4eのように−Z方向に折り下げて、その先端をグランド1に対向させて静電容量を持たせると、X軸方向の長さがいっそう短縮される。
これにより、改良逆F形アンテナ(B)は、その電気的な作動をほとんど変化させることなく、X軸方向の機械的長さ寸法を著しく短縮することができた。
しかしながら、電気的な作動がほとんど変化していないので、5GHz付近における同調周波数帯域が狭い。
そこで本発明者らは、図5(D)に示すように、逆L形無給電素子5を追加した。
上記逆L形無給電素子5は、周波数2f(具体的には5GHz)の電波に対してλ/4で共振するアンテナエレメントであって、 その一端をグランド1に接地するとともに、
接地部と反対側の開放端が、前記の垂直ローディング部4cに対して電磁界結合Cされている。
上記垂直ローディング部は、定在波の電圧値が最大の箇所であったことを御想起願う。
この(D)図の構成によれば、周波数2f(具体的には5GHz)の電波に対して、逆L形無給電素子5が広い周波数帯域で同調する。
前記逆L形無給電素子5は、必ずしも逆L字形に限定されない。要するに、「デュアル同調性能の内で、高い側の周波数の電波に対してλ/4で共振するアンテナエレメント」であればよい。従って、これをメアンダー形の無給電素子で構成するなどの応用例が考えられる。
以上に説明した原理に基づく具体的な構成として、請求項1の発明に係るデュアルアンテナは、 GHz帯における周波数fの電波と、周波数約2fの電波とを送受信するデュアルバンドアンテナにおいて(図1参照)、
直交座標X−Zを想定するとともに、それぞれの座標軸に+−の方向を設定し、
グランド1から+Z方向に延出する立ち上がり部4aと、
上記立ち上がり部4aの先端に連結されて+X方向に伸びる短水平部4bと、
上記短水平部4bに接続されて+Z方向に伸びる垂直ローディング部4cと、
上記垂直ローディング部4cに接続されて−X方向に伸びる長水平部4dと、
を具備しており、
かつ、一端をグランド1に接地され、周波数約2fで共振する無給電素子5の他端(開放端)が、前記の垂直ローディング部4cに対向離間して電磁界結合されていることを特徴とする。
ただし、前記の座標軸X,Zや、該座標軸の+,−、並びに「水平」,「垂直」の語句は、説明を分かり易くするために用いた便宜上のものであって、地球を基準とする姿勢を限定するものではない。
請求項2の発明に係るデュアルアンテナは、前記請求項1の発明の構成要件に加えて(図3参照)
前記のグランド1、立ち上がり部4a、短水平部4b、垂直ローディング部4c、長水平部4d、及び無給電素子5が、金属板から打ち抜いて一体に形成された板金製の部材であって、
グランド1を支持することによって、これに連結された立ち上がり部4a、短水平部4b、垂直ローディング部4c、長水平部4d、及び無給電素子5が、固体の誘電体を介在させることなく自立し得ることを特徴とする。
請求項3の発明に係るデュアルアンテナは、前記請求項2の構成要件に加えて(図3参照)、
前記の一体に形成された板金製の連結部材に、同軸ケーブル6が接続されて1個のアッセンブリ部品を構成していることを特徴とする。
請求項4の発明に係るデュアルアンテナは、前記請求項1または請求項3の構成要件に加えて(図1〜3参照)、
前記の周波数約2fで共振する無給電素子(5)が、X軸方向の辺とZ軸方向の辺とから成るL字形の部材であることを特徴とする。
請求項5の発明に係るデュアルアンテナは前記請求項1ないし請求項4の構成要件に加えて、(図1〜3参照)、
前記長水平部4dの−X方向の端が、−Z方向に屈曲して折り下げ部4eを形成し、その−Z方向端がグランド1に対向していることを特徴とする。
請求項6の発明に係るデュアルアンテナは、前記請求項1ないし請求項5の発明の構成要件に加えて、
前記無給電素子5と垂直ローディング部4)との電磁界結合部が、臨界結合しており、又は、臨界結合状態よりも若干密に結合していることを特徴とする。
請求項7に係る発明方法の構成は、(図5参照)、
逆F形アンテナを改良して、GHz帯の電波を送受信するデュアルバンドアンテナを構成する方法において、
イ.デュアルバンドの低い方の周波数をfとし、高い方の周波数を約2fとして、
ロ.直交座標X−Zを想定するとともに、座標軸の方向に+−を設定し、
ハ.グランド1から+Z方向に延出する立ち上がり部2aと、該立ち上がり部の先端から+X方向に伸びる水平部2bと、該水平部2bの途中に設定された給電点Sを設けたF形アンテナを母体とし、
ニ.上記水平部2bを不等辺コの字形に折り曲げることにより、立ち上がり部4aの先端に連結されて−X方向に伸びる短水平部4bと、上記短水平部4bの先端に連結された垂直部4cと、該垂直部4cの先端から+X方向に伸びる長水平部4dとを構成するとともに、
ホ.前記垂直部4cにローディングを付与して垂直ローディング部4cとし、
ヘ.かつ、一端をグランド1に接地された、「周波数約2fの電波に対して共振する無給電素子5」の開放端を「前記長水平部4dと逆L形無給電素子5との接続部」近傍に対向させて電磁界結合せしめることにより、
α.低い方の周波数fの電波を送受信するときは、不等辺コの字形に折り曲げた逆F形アンテナ部分を、λ/4逆F形アンテナとして作用せしめ、
β.高い方の周波数約2fの電波を送受信するときは、前記無給電素子(5)をλ/4アンテナとして作用せしめることを特徴とする。
請求項1の発明に係るデュアルバンドアンテナを適用すると、デュアル性能の内、低い方の周波数f(例えば2.4G)に対しては逆Fアンテナとして同調し、高い方の周波数約2f(例えば5GHz)に対してはλ/4アンテナとして広周波数帯域で同調することができるので、無線LAN用のアンテナとして好適である。
しかも、従来技術に係るアンテナ(例えば逆F形アンテナ)に比して著しく小型に構成することができる。
請求項2の発明を、前記請求項1の発明に併用すると、低廉な製造コストで、基板に因る誘電体損失を完全に防止することができる。
すなわち、請求項1の発明に係るデュアルバンドアンテナは、基板上の導通パターンとして製作することもでき、板金加工によって製作することもでき、いずれの場合も小型、広帯域の優れた効果を奏する。しかし、基板の導通パターンとして製作する場合、誘電体損失を軽減するには高価な材質の基板(例えばテフロン(登録商標)基板など)を用いなければならない。
この点、本請求項2の発明を併用すると、基板を用いないので誘電体損失を生じる虞れが無い。
請求項3の発明を前記請求項2の発明に併用すると、請求項2の構成である板金一体形という特性を生かして、市場流通性を有する商品たり得る一つのアンテナ装置が形成される。
これにより無線機器メーカーは、専門工場で製作された高品質のアンテナアッセンブリの供給を受けて、これを迅速容易に組み込むことができる。
このようにして、アンテナ産業の分業性が確立され、IT産業の総合的な発達に寄与するところ多大である。
請求項4の発明によると、請求項1の必須構成部材である「周波数約2fで共振する無給電素子」を、低コスト、小型軽量に構成することができ、特に板金加工で大量生産するに適している。
すなわち、請求項1における無給電素子は、周波数約2fの電波に対してλ/4で共振することが必要条件であって、真っすぐな線条アンテナ素子として構成することもでき、ソレノイド形に構成することもでき、メアンダー形に構成することもできる。しかし、本請求項4を適用して逆L字形に構成すると、線条アンテナ素子よりも小型であり、ソレノイド素子よりも薄型であり、メアンダー素子よりも自立性(板金構成した場合の剛性)が大きくて、実用的価値が高い。
請求項5の発明によると、請求項1に係るデュアルバンドアンテナの機械的な長さ寸法を更に短縮することができ、しかも生産コストをほとんど増加せしめない。
請求項6の発明を適用すると、デュアルバンド性能の内で高い方の周波数の電波に対する同調周波数帯域を最大限に広くすることもでき、又は、所望の周波数帯域内において最大のアンテナ利得を得ることもできる。
請求項7の発明方法によると、公知の逆F形アンテナを改良してデュアルバンドアンテナを構成し、しかも、デュアルバンドの内の高い方の周波数付近で広い同調周波数帯域を得ることができ、
その上、従来技術に係るアンテナ装置よりも著しく小型軽量に構成することができる。
図2は本発明に係るデュアルバンドアンテナの1実施形態を示す3面図であって、
(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
(A)、(B)、(C)の各図それぞれに異なる座標軸を付記してあることに御留意を願う。
このアンテナ装置は、任意所望の姿勢で使用に供することができるものであって、本質的に上下,左右の区別は無い。しかし、説明の便宜上、図面に付記したように直交3軸X,Y,Zを想定する。
なお、説明の便宜上、X軸とZ軸とに+−の方向性を指定する。Y軸については、特に方向性を指定する必要が無い。
上記座標軸は、後掲の図2、図3にも共通している。ただし、X軸、Z軸の+−を逆転させて構成しても本発明の技術的範囲から逃避することはできない。(注)これらの図1〜図3を、前掲の図5に比較すると、座標軸は同じであるが、アンテナエレメントの形状は左右反対(鏡像対称)になっている。
(図1参照)本実施形態のデュアルバンドアンテナは(C側面図)に見られるように、
全体的にL形鋼に類似した形状(ただし、遥かに小さい)をしている。
符号1を付して示したのはグランドであって、無線機器のグランド板に接続し易いように取り付け孔1aが穿たれている。
(B正面図)に表されているように、グランド1から+Z方向に数種類のアンテナ素子が一体に連設されている。
前記図2(B)の正面図を抽出して、見易いようにZ軸方向の寸法を拡大した模式図を図1に示す。従って、図1は本実施形態の正確な投影図ではない。平行斜線はグランドをシンボルしている。斑点は、読図の便を図ったものである。
グランド1から+Z方向に立ち上がり部4aが延出している。
上記立ち上がり部4aの先端(図において上端)から、+Z方向に短水平部4bが伸びている。
該短水平部の先端(図において右端)から+Z方向に、幅広の垂直ローディング部4cが連設されている。
上記垂直ローディング部の先端(図において上端)から−X方向に長水平部4dが伸びており、その先端が下方に屈曲して折り下げ部4eを形成している。
一方グランド1から+Z方向に逆L形無給電素子5が延出し、中ほどで−X方向に屈曲して、その先端(図において左端)が、前記垂直ローディング部4cに対向して電磁界結合cを形成している。
この実施形態に係るデュアルバンドアンテナのVSWR(電圧定在波比)を図4に示した。
2.4GHzと5GHzとに明白なデュアルバンド特性が現れており、かつ、5GHz付近において広帯域性が認められる。
図1のアンテナ装置が図4のアンテナ性能を示したことは実験的事実である。
このように、5GHz付近で広い同調周波数帯域が得られた理由は、スタガー理論によると次の通りである。
すなわち、変形逆Fアンテナとλ/4アンテナ素子(逆L形無給電素子5)との、二つの共振状態が合成(静電容量結合)されて広帯域の同調特性が現出されたものと考えられる。
上述の理論から推察し得るように、逆L形無給電素子5と垂直ローディング部4cとの電磁界結合の粗密によって同調特性が変化する。
一般に、二つの同調回路を容量結合させ、又は誘導結合させたとき、結合が疎であると単峰性の同調特性を示し、結合が密であると双峰性の同調特性を示す。そして両者の中間の状態では、峰の頂上が平らになって、いわば高原性の同調特性を示す。この状態は臨界結合と呼ばれる。
本発明のデュアルバンドアンテナにおいては、逆L形無給電素子5と垂直ローディング部4cとを、臨界状態ならしめ、又は臨界状態よりも若干密に結合させておくことが望ましい。
臨界状態を超えて結合を密にすると、同調曲線の頂上の平らな部分が垂れ下がる形になって双峰性の同調曲線に近づくとともに、同調周波数帯域はいっそう広くなる。
本発明の請求項6において『臨界状態よりも密に結合する』とは、際限無く密ならしめる意ではなく、『同調曲線の垂れ下がり部分が送受信に耐え得る範囲内で密に結合する』
ことをいう。
結合状態の調節は、逆L形無給電素子5と垂直ローディング部4cとが対向している箇所の距離と対向面積との何れか(若しくは両方)を変えれば良いので、容易に行なうことができる。上記対向面積の修正は、実際問題としては対向している2辺の長さを変えることになる。
大量生産されたアンテナ装置の特性を高精度で微妙に調節することは、従来技術の逆F形アンテナでは極めて困難であったが、本発明においては迅速かつ容易に行なうことができる。
図3は、図1に示した実施形態のデュアルバンドアンテナを模式的に描いた斜視図である。模式化してあるので、写実的な投影図ではない。
読図の便を図って変形した事項は、主として次の通りである。
イ.実形よりも板厚を拡大し、ロ.実形よりもZ方向の寸法を拡大し、かつ、
ハ.グランド1と立ち上がり部4aとの折り曲げ部、及び、グランド1と逆L形無給電素子5との折り曲げ部に丸みを付してある。
本例は板金加工で作成してあるから、グランド1を無線機器に装着したとき、その他のアンテナエレメントは自立し得る。
さらに、板金製の部材であるから、先に述べた結合の粗密を調節し易い。また、板金製であるから、工業的生産に適し、均一品質の製品を大量に製作できる。
その上、グランド1が板金製であるから、取付け相手の機器に対して、容易にかつ強固に装着することができる。
同軸ケーブル6の芯線を、短水平部4bの給電点Sに接続導通(ハンダ付け)するとともに、外部導体をグランド1に接地E(ハンダ付け)してある。
図示を省略したが、前記同軸ケーブル6の多端には同軸ソケットが接続してあり、図外の高周波回路の出力端に対して迅速容易に接続することができる。
本図3のように1個のアッセンブリ部品として構成すると、市場流通性を生じて、アンテナ産業の分業化を支援し、総合的にIT産業の発達に寄与する。
2.4GHzと5GHzとのデュアルバンドアンテナである本実施形態(図3)において、グランド1を除く部分の機械的な長さ寸法Lは43.8ミリメートル、高さ寸法Hは5ミリメートルである。従来技術では達成することの出来なかった小型化が見事に実現された。
本発明の1実施形態に係るデュアルバンドアンテナの模式的な正面図に電磁界結合cと座標軸とを付記した図 本発明の1実施形態に係るデュアルバンドアンテナの3面図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図 前掲の図2に示した実施形態に係るデュアルバンドアンテナの模式的な斜視図 前掲の図2に示した実施形態に係るデュアルバンドアンテナの作用効果を説明するために示したVSWR図 本発明を創作した研究過程を説明するために示したもので、(A)は公知の逆F形アンテナの模式図、(B)は高調波の周波数を下げるように改良した逆F形アンテナの模式図、(C)は上記改良逆F形アンテナの機械的長さ寸法を短縮するように改良した試案のアンテナの模式図、(D)は本発明の原理を示し、前記試案のアンテナの同調特性を更に改良したデュアルバンドアンテナの模式図
符号の説明
1…グランド
1a…取り付け孔
2a…立ち上がり部
2b…水平部
2c…ローディング部
3…高周波回路
4a…立ち上がり部
4b…短水平部
4c…垂直ローディング部
4d…長水平部
4e…折り下げ部
5…逆L形無給電素子
6…同軸ケーブル
C…電磁界結合
E…接地
H…グランドを除いた機械的な長さ寸法
L…グランドを除いた機械的な高さ寸法
S…給電点
X…アンテナ素子の長さ方向の座標軸
Y…アンテナ素子の厚み方向の座標軸
Z…アンテナ素子の高さ方向の座標軸

Claims (7)

  1. GHz帯における周波数fの電波と、周波数約2fの電波とを送受信するデュアルバンドアンテナにおいて、
    直交座標X−Zを想定するとともに、それぞれの座標軸に+−の方向を設定し、
    グランド(1)から+Z方向に延出する立ち上がり部(4a)と、
    上記立ち上がり部(4a)の先端に連結されて+X方向に伸びる短水平部(4b)と、
    上記短水平部(4b)に接続されて+Z方向に伸びる垂直ローディング部(4c)と、
    上記垂直ローディング部(4c)に接続されて−X方向に伸びる長水平部(4d)と、
    を具備しており、
    かつ、一端をグランド(1)に接地されて、周波数約2fで共振する無給電素子(5)の開放端が、前記垂直ローディング部(4c)に対向して電磁界結合されていることを特徴とする、デュアルバンドアンテナ。
  2. 前記のグランド(1)、立ち上がり部(4a)、短水平部(4b)、垂直ローディング部(4c)、長水平部(4d)、及び無給電素子(5)が、金属板から打ち抜いて形成されており、
    グランド(1)を支持することによって、これに連結された立ち上がり部(4a)、短水平部(4b)、垂直ローディング部(4c)、長水平部(4d)、及び無給電素子(5)が、固体の誘電体を介在させることなく自立し得ることを特徴とする、請求項1に記載したデュアルバンドアンテナ。
  3. 前記の一体に形成された板金製の連結部材に、同軸ケーブル(6)が接続されて1個のアッセンブリ部品を構成していることを特徴とする、請求項2に記載したデュアルバンドアンテナ。
  4. 前記の周波数約2fで共振する無給電素子(5)が、X軸方向の辺とZ軸方向の辺とから成るL字形の部材であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載したデュアルバンドアンテナ。
  5. 前記長水平部(4d)の−X方向の端が、−Z方向に屈曲して折り下げ部(4e)を形成し、その−Z方向端がグランド(1)に対向していることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れかに記載したデュアルバンドアンテナ。
  6. 前記無給電素子(5)と垂直ローディング部(4c)との電磁界結合部が、臨界結合しており、又は、臨界結合状態よりも密に結合していることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れかに記載したデュアルバンドアンテナ。
  7. 逆F形アンテナを改良して、GHz帯の電波を送受信するデュアルバンドアンテナを構成する方法において、
    イ.デュアルバンドの低い方の周波数をfとし、高い方の周波数を約2fとして、
    ロ.直交座標X−Zを想定するとともに、座標軸の方向に+−を設定し、
    ハ.グランド(1)から+Z方向に延出する立ち上がり部(2a)と、該立ち上がり部の先端から+X方向に伸びる水平部(2b)と、該水平部(2b)の途中に設定された給電点(S)を設けたF形アンテナを母体とし、
    ニ.上記水平部(2b)を不等辺コの字形に折り曲げて、立ち上がり部(4a)の先端に連結されて−X方向に伸びる短水平部(4b)と、該短水平部(4b)の先端に連結された垂直部(4c)と、該垂直部(4c)の先端から+X方向に伸びる長水平部(4d)とを構成するとともに、
    ホ.前記の垂直部(4c)に電気的ローディングを付与して垂直ローディング部(4c)とし、
    ヘ.かつ、一端をグランド(1)に接地された、「周波数約2fの電波に対して共振する無給電素子(5)」の開放端を「前記長水平部(4d)と逆L形無給電素子(5)との接続部」近傍に対向させて電磁界結合せしめることにより、
    α.デュアルの内で低い方の周波数fの電波を送受信するときは、不等辺コの字形に折り曲げた逆F形アンテナ部分を、λ/4逆F形アンテナとして同調作用せしめ、
    β.デュアルの内で高い方の周波数約2fの電波を送受信するときは、前記の無給電素子(5)をλ/4アンテナとして同調作用せしめることを特徴とする、デュアルバンドアンテナの構成方法。
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