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JP4707158B1 - 中空角材の接合構造、及び浴室ユニット設置台 - Google Patents

中空角材の接合構造、及び浴室ユニット設置台 Download PDF

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JP4707158B1
JP4707158B1 JP2010216250A JP2010216250A JP4707158B1 JP 4707158 B1 JP4707158 B1 JP 4707158B1 JP 2010216250 A JP2010216250 A JP 2010216250A JP 2010216250 A JP2010216250 A JP 2010216250A JP 4707158 B1 JP4707158 B1 JP 4707158B1
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Abstract

【課題】中空角材、特に角鋼管をT字型に接合する際に、部材の加工を簡素化し、溶接や別途の接合部材を使用せず、最小限の工数で、非熟練作業者でも容易かつ正確に組み立てができ、かつ十分な強度を有する低コストの接合構造と、該接合構造を適用した浴室ユニット設置台を提供する。
【解決手段】中空角材から成る第1部材と第2部材の軸線を交差させて接合する構造であって、第1部材に設けたホゾ孔に、第2部材のホゾ部を嵌合させ、両部材を貫通するボルトナットで締結する。第1部材のホゾ孔は略長方形の上下辺それぞれに一つ又は複数の爪部を有する形状とし、第2部材のホゾ部の断面は該ホゾ孔に対応する。第一部材上下の水平壁面には中空角材内部方向に陥没した凹面を設け、締結時にはホゾ孔に嵌合したホゾ部の上下面に該凹面を密着させて固定する。上部の凹面の幅はボルトの頭部を固定できる幅とし、下部凹面の幅はナットの直径に対して余裕を持たせる。
【選択図】図5

Description

本発明は、中空角材、特に角鋼管からなる部材を相互にそれぞれの軸線を交差させて接合する接合構造に関し、また、該接合構造により中空角材を接合して成る、建築物内に設置する浴室ユニットを支承する浴室ユニット設置台に関する。
建築物や構造物、仮設物、あるいは各種の什器等の骨格には、軽量化と強度確保の目的から中空角材、特に角鋼管からなる部材を接合する構造が多く用いられている。かかる中空角材の接合構造における接合形態としては、主に二つの部材の軸線を同一面で交差させて接合する構造が用いられるが、大別すれば、部材の端部同士をL字型に接合する形態、一方の部材の側面に他方の部材の端部をT字型に接合する形態とがあり、必要に応じてそれらの形態が組み合わされる。
前記L字型とT字型を比較すると、L字型は比較的変形しやすい中空角材の端部同士を接合するためT字型に比べて強度を確保しにくく、接合点となる部材の端部の形状の加工もより複雑となりコスト増となる場合が多い。また、L字型は主に骨格の隅部において部材長を余らせることなく接合する必要がある箇所に用いられるのに対して、T字型は、隅部はもとより幅広い接合箇所において用いられ、部材点数が増加するほどT字型の接合点が増加する傾向がある。そのため、中空角材の接合による骨格構造の構築においては、可能な限り部材の接合にT字型接合を用い、かつ、簡易で確実な接合構造を採用することによりコストダウンを図ることができる。
かかるT字型接合の構造として、部材となる中空角材が角鋼管である場合は、主に溶接、又はボルトナット等による締結、あるいはそれらが併用されてきた。しかし、建築現場での溶接作業は、ガスボンベ等の危険物を含む溶接機材と溶接の技能を有する作業員が必要となり、安全対策や人件費等の面でコストを増加させる。あらかじめ接合部分の溶接を済ませた半完成部材を現場で組み立てれば現場でのコストは抑制できるが、半完成部材は嵩張るため現場への輸送や搬入が不便であり、やはりコスト増加の要因となる。
一方、部材相互をボルトナット等で締結して接合する構造としては、相互の部材を何らかの形で直接嵌合させてからボルトナットで締結する構造と、別途の接合用部材、たとえば「当て板」等を介して相互の部材を間接的に接合する構造、あるいはそれらを併用する構造がある。ちなみに、直接嵌合させる構造は双方の部材の接合部の形状の加工により部材の強度が低下するため、建築物や構造物の躯体など大きな荷重や応力が想定される接合部においては間接的に接合する構造が用いられ、床面や天井材、内装材の支承や仮設物、什器等の骨格等の接合部においては直接嵌合させる構造が用いられることが一般的である。直接嵌合させる構造では双方の部材の接合部の形状の加工工程がコスト増の要因となり、別途の接合用部材を介して間接的に接合する構造では、部材点数と締結箇所の増加、締結作業の工程の増加がコスト増の要因となる。
ところで、建築物の内装工事、特に床工事や一般住宅や集合住宅における浴室ユニットの設置工事においては、角鋼管を接合して構成する面一なフレームで床や浴室ユニットを支承する床架台や浴室ユニット設置台を組み立て、それを土台間に吊架し、あるいは支持柱によってスラブ面から浮かせて支持する工法が用いられている。特に、建築躯体ほどの耐荷重性は要求されないものの、ユニット自体の重量や人間の体重に加えて浴槽内の水の重量をも支え、かつユニットの床下に排水管等を設置するための間隙を確保する必要がある浴室ユニット設置台においては、角鋼管を接合したフレーム構造が多く用いられている。
かかる浴室ユニット設置台は、浴室ユニットのサイズや形状に対応した製品が製造されているが、最小限の部材点数で施工工程を簡略化してコストダウンを図る目的で、たとえば一般住宅用には、特許文献1(特開2008−214927号公報)に開示されている如く、並行する水平土台材の間に渡した角鋼管に、他の角鋼管をT字型に接合して設置台のフレームを形成する構造が知られている。また、集合住宅用としては、非特許文献1(従来の集合住宅用浴室ユニット設置台の事例、図18参照)の如く、浴室ユニットの浴槽側と洗い場側それぞれの床部を支承する二つの半完成部材を、角鋼管をやはりT字型に溶接することによって製作して工事現場に搬入し、それらを接合部材を用いて合体し、設置する工法が一般的である。
特開2008−214927号公報 従来の集合住宅用浴室ユニット設置台の事例(図18)
前述のいずれの先行技術においても、角鋼管同士をT字型に接合する構造が必要となるが、特許文献1ではT字型の縦棒に当たる角鋼管に接合端に断面逆L字型の接合部材を溶接した上で、接合部材の平面板と横棒に当たる角鋼管とを貫通するボルトナットにより締結しており、また、非特許文献1では、二つの角鋼管を単純に溶接してT字型に接合している。これらはいずれも溶接工程がコスト増要因となるだけでなく、前者においては溶接個所や接合部材の耐久性や精度が問題となり、後者については半完成部材が嵩張るため、施工現場への輸送コストや集合住宅の狭い浴室への搬入や施工の面で不便である。
また、かかる中空角材のT字型接合の構造としては、前述したもののほかにも、たとえば特許文献2(特開2008−115934号公報)の図6、図7の如き接合構造を用いることも考えられるが、該構造では、中空角材という部材の性質上、接合部における部材相互の接触面積が極めて小さく、限られた接触部分に荷重が集中するため強度的に不利である。
2008−115934号公報
部材の接合箇所に可能な限りT字型を採用する場合においては、部材の接合部の加工を簡素化し、施工現場へは部材を分解状態で搬入し、溶接や別途の接合部材を使用せず、最小限の工数で非熟練作業者でも容易かつ正確に組み立て施工ができ、かつ十分な強度を有する接合構造を実現できれば、部材の製造、施工現場への輸送・搬入、組み立て施工の全工程を通じてコストを削減できる。本発明が解決しようとする課題は、かかる要件をすべて満たす新たな中空角材の接合方法と、それを適用した浴室ユニット設置台を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、中空角材から成る第1部材と第2部材がその軸線を交差させて接合された構造であって、第1部材の壁面のうち二面の垂直壁には略長方形のホゾ孔を有し、該ホゾ孔はその上下辺それぞれに一つ又は複数の爪部を有する形状とし、二面の水平壁にはそれぞれ角材内部方向に陥没した凹面を有し、第2部材の端部は前記ホゾ孔に対応する断面形状のホゾ部を有し、該ホゾ部は水平壁の全部と垂直壁の一部を屈曲させて絞り込むことで前記ホゾ孔に対応する断面形状とし、前記ホゾ部は前記ホゾ孔を貫通して嵌合し、前記凹面と前記ホゾ部の水平壁面に設けられたボルト孔を垂直に貫通するボルトとナットにより第1部材と第2部材とが締結されることを特徴とする中空角材の接合構造である。
木造建築の分野では、材木を前記T字型に接合する場合において伝統的に「ホゾ組み構造」が用いられている。周知の通り「ホゾ組み構造」は、第1部材の垂直面にホゾ孔を設け、第2部材の端部を上下方向のみ段差を設けた横凸型に加工して形成したホゾ部を該ホゾ孔に嵌合することで両部材を接合させる、簡易で強度に優れた構造である。
かかる「ホゾ組み構造」は、本発明の技術分野である中空角材、特に角鋼管からなる部材を相互にそれぞれの軸線を交差させて接合する接合構造にも応用可能であり、例えば、図1に示す如く、第1部材の壁面のうち二面の垂直壁に略長方形のホゾ孔を設け、第2部材の接合端部を前記ホゾ孔に対応する断面形状のホゾ部を設け、前記ホゾ部を前記ホゾ孔に挿入して嵌合させることにより両部材を接合することができる。木造建築におけるホゾ孔には第1部材を貫通させる場合と盲管状とする場合があるが、角鋼管に代表される中空角材の場合は内部が中空であるため、ホゾ孔は貫通孔とし、第2部材のホゾ部を該ホゾ孔に貫通させて嵌合させる。
ここで、前記図1に示したホゾ部の構造は、第2部材の端部を上下方向のみ段差を設けた横凸型に加工して形成しているが、中空角材をかかる断面長方形のホゾ形状に成形しようとすると必ず部材の壁面に余分な部分が生じるため、たとえばこの余分な部分を一旦切除した上で再接合するといった複雑な加工が必要となりコスト増の要因となる。
この問題を解決するために、請求項1に記載の発明では、第1部材のホゾ孔の形状を、たとえば図2に示す如く略長方形の上下辺にそれぞれ2つづつの爪部を有する上下対称形とし、第2部材のホゾ部の断面をこれに嵌合する形状としている。ホゾ部の断面がかかる形状であれば、まず、第2部材のホゾ部の始点において水平壁の全部と垂直壁の一部に渡る切り込みを入れた上で、プレス機を用いてホゾ部を上下方向から圧縮して壁面を屈曲させて一気に絞り込むことができ、最小限の加工コストでホゾ部を形成することが可能となる。しかも、ホゾ部には部材の軸線方向に沿って断面が前記爪部に対応する溝が上下二本づつ形成されるため、ホゾ部自体の屈曲又は捻じれに対する強度が向上する効果も奏するのである。なお、ホゾ孔を構成する爪部の形状や上下辺それぞれに設ける数及び位置は任意であるが、ホゾ部の絞り込み加工の容易性の観点からは、前述の通り上下辺にそれぞれ2つづつ上下対称に配置することが適当である。
一方、両部材は第1部材の貫通孔において垂直壁の厚さのみで接触することとなるため、強度が不足する。また、単にホゾ部をホゾ孔に嵌合しただけでは、結合後の両部材は容易に抜脱してしまうので、両部材の接合部は、別途ボルトナット等の締結部材により締結する必要があるが、その場合、ボルトの頭部及びナットが、それぞれ第1部材の上面と下面に突出する形となり、それらが外部の他の部材等と抵触して不便を生じる場合が考えられる。
これらの問題を解決するために、第1部材の上下の水平壁にそれぞれ部材の内部方向に陥没させた凹面を設け、該凹面の裏面と第2部材のホゾ部上下の水平面とを密着させる。これにより、両部材は広範囲に接触して嵌合が緊密となる。さらに、前記凹面と前記ホゾ部の水平壁面のそれぞれの所定の位置に設けられたボルト孔にボルトを上部凹面から垂直に貫通させて下部凹面においてナットで固定することにより、両部材は完全に締結され接合を完了する。かかる接合構造によれば、施工現場では単に両部材を完全に嵌合させるだけでボルト孔が一致し、後はボルトを通してナットを締めるだけの最小の工程で接合を完了させることができるため施工が極めて容易である。なお、前記凹面の裏面と前記ホゾ部の水平壁面の両面間には、両部材の嵌合を容易にするために必要な最小限の隙間が生じるようにすることが望ましい。その場合、ボルトとナットでの締結時の第1部材内部方向への緊張力によって前記両面は密着し固定される。
なお、前記二つの凹面の上下の水平壁面からの陥没深さは、少なくとも上部凹面においては、両部材を締結するボルトの頭部の高さと同一かそれ以上とすることが望ましい。それにより、ボルトの頭部が接合後の部材の上部水平壁面から突出させずに面一とすることができるため、部材が支承する物体、たとえば床材や浴室ユニットの底面との干渉を防ぐことができる。一方、下部凹面においては、ナットの全部又は一部を部材下部水平壁面から突出させるかどうかは任意であるが、接合時のナット締め付け作業の作業性を考慮すれば、ナットの突出による他の部材等との干渉が問題とならない限り、レンチ等での作業が容易な程度に突出させておくことが望ましい。
次に、請求項2に記載した発明は、前記第1部材の二面の水平壁が有する凹面の部材軸線に対する幅は、一方が前記ボルトの頭部が密着して嵌合する幅とし、他方が前記ナットの外径に対して間隙を有する幅としたことを特徴とする請求項1に記載の中空角材の接合構造である。
第1部材と第2部材は相互に嵌合後、ボルトナットにて最終的に締結される。ここで、通常のボルトをボルト孔に挿入した後でレンチ等の工具でナットをねじ込む作業は、片手でボルトの頭部を固定しつつ、もう一方の手でナットを回転させなければならない。施工現場の状況や部材の設置状況によっては、両手でボルト頭部とナットを保持しながらの作業が困難となって作業効率が低下する場合もある。
この問題を解決するために、請求項2に記載の発明では、前記第1部材の二面の水平壁が有する凹面のうち一方の部材軸線に対する幅を前記ナットが密着して嵌合する幅とすることで、施工者がボルトをボルト孔に挿入すると直ちに凹面の両縁の水平壁断面部がボルトの頭部を自動的に固定するため、施工者が片手で固定する必要がなくなる。一方、他方の凹面の幅はナットの外径に対して間隙を有する幅としているため、施工者がナットを回転させる際にレンチ等の工具を容易に凹部内に入れることができる。以上により、施工者はボルトナットの締結を片手で行えるため作業効率が向上する。
次に、請求項3に記載した発明は、前記第1部材の略長方形のホゾ孔は、その上下辺それぞれの中央部に部材垂直壁から突出する庇部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の中空角材の接合構造である。
前記庇部は、第1部材のホゾ孔に第2部材のホゾ部の先端を挿入する際にガイドとしての役割を果たして両部材の嵌合作業を容易にするだけでなく、該庇部を前記ホゾ部の水平面に対応する位置に設けることで、前記第1部材の内部に設けた凹面とともに前記ホゾ部の支持面積を拡大し、両部材の嵌合をより強固にすることができる。該庇部は、前記第1部材の垂直壁を切除してホゾ孔を設ける際に壁面の一部を残して、それを庇状に折り曲げることで容易に形成することができる。
最後に、請求項4に記載した発明は、中空角材から成る部材を接合して成る浴室ユニット設置台であって、部材の接合部の少なくとも一か所を、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の中空角材の接合構造により接合して成る浴室ユニット設置台である。
一般住宅用の浴室ユニットの場合、浴室ユニット設置台は、通常は土台となる木材等の間に吊架して浴室ユニットを支承するように取り付けられるため、設置台のフレームは強度確保の観点から一体的な構造とするのが一般的であり、土台間を吊架する主要構造部材に他の部材をT字型に接合する接合点において本発明による中空角材の接合方法を用いるのが好適である。一方、集合住宅用の浴室ユニットの場合、浴室ユニット設置台は、通常は床スラブ面から複数の支持柱により浮かせて設置される。そのため、強度上必ずしも一体的な構造を必要とせず、浴槽側と洗い場側に分割した構造とすることが一般的である。そのため、本発明による中空角材の接合方法は、すべての部材のT字型接合点において適用しても良いし、支承すべき荷重が比較的大きな浴槽側の部材のT字型接合点のみに適用しても良い。
本発明によれば、中空角材、特に角鋼管をT字型に接合してなる骨格構造を構築する場合において、最小限の工程により製作・加工した部材を施工現場へ分解状態で搬入でき、各部材を単にホゾ孔にホゾ部を嵌合してボルトナットで締結するだけの簡易かつ最小限の工数の作業により、非熟練の作業者でも容易かつ確実に接合して高い強度を有する骨格構造の組立施工が可能となるから、部材の製造、施工現場への輸送・搬入、組み立て施工の全工程を通じてコストを削減できるという効果を奏する。本発明は、建築物や構造物、仮設物、あるいは各種の什器等の骨格など幅広い分野に適用可能であるが、建築物の内装工事、特に床工事や一般住宅や集合住宅における浴室ユニットの設置工事における床材や浴室ユニットの支承構造の構築に好適であり、とりわけ規格化された浴室ユニットの設置台の製造・施工におけるコストダウンに大きな効果を奏するものである。
以下では、本発明に係る中空角材の接合構造(以下、「本接合構造」という)及び、本発明に係る接合構造により中空角材から成る部材を接合して成る浴室ユニット設置台(以下「本浴室ユニット設置台」という)の実施の形態について、図2乃至図20に基づいて詳細に説明する。
図2乃至図5は、本接合構造の概略を示す斜視図である。まず図2は、中空角材からなる第1部材10を上方から観た斜視図であり、T字型接合においてはT字の横棒に当たる部材となる。第1部材10は二つの垂直壁11と12、上部水平壁13、下部水平壁14とからなる四角柱である。第1部材の断面は正四角形でも良いが、上方からの荷重を想定する構造の場合は垂直壁が水平壁よりも長い断面長方形とすることが望ましい。垂直壁11と12にはそれぞれ同形同大のホゾ孔15と16(図示せず)を設けており、両ホゾ孔15、16の中心を結ぶ軸線は第1部材10の中心軸線と直交する。前記ホゾ孔15、16の形状は略長方形の上辺と下辺にそれぞれ爪部17を二つづつ有する上下左右対称形とし、上辺と下辺の中央部には、それぞれ垂直壁11及び12の壁面の一部を残して外部に直角に折り曲げて形成した庇部18を設けている。かかるホゾ孔15、16は、金型を用いたプレス機により、垂直壁11と12の切り抜きと庇部18の折り曲げとを一工程で行うことで形成することができる。一方、上部水平壁13には上部凹面19を設けているが、該上部凹面19は上部水平壁13に第1部材10の軸線方向に適宜の長さで二本の並行する切り込みを入れた上で、第1部材10の内部方向へ断面逆台形状に陥没させることにより形成する。また、前記切り込みにより上部水平壁13に生じた二本の断面部には、第1部材10の内部方向へ平面略半円状に垂れ下がる対称形の下垂部20を設けている。この際、二つの下垂部20の間隔は、最終的に部材を締結するボルト(図示せず)の頭部を丁度挟み込んで固定できる幅とする。さらに、上部凹面19の中心部には、第1部材上部ボルト孔21を設けている。かかる上部凹面19も、金型を用いたプレス機により、前記切り込み、ボルト孔の形成、陥没、下垂部20の形成とを一工程で行うことで形成することができる。
図3は、同じ第1部材10を下方から観た斜視図である。下部水平壁14には図2における前記上部凹面19と対応する位置に第1部材下部ボルト孔23を有する下部凹面22を、上部凹面19と同様の方法により形成している。第1部材上部ボルト孔21と第1部材下部ボルト孔23は垂直方向に軸線が一致するとともに、上部凹面19と下部凹面22は互いに並行する。ただし下部凹面22の幅は上部凹面19のそれよりも広く、最終的に部材を締結するナット51(図示せず)の直径に対して余裕を持たせた幅としており、また、前記下垂部20は設けない。
図4は、中空角材からなる第2部材30を上方から観た斜視図であり、T字型接合においてはT字の縦棒に当たる部材となる。第2部材30も二つの垂直壁31、32と水平壁33と34とからなる四角柱であり、ホゾ部35を除く断面形状は第1部材10のそれと同形同大とする。第2部材30の端部はホゾ部35に形成されており、該ホゾ部35の長さは少なくとも第1部材10の水平幅の長さを有するものとし、さらに前記庇部18の突出長さを付加して、両部材を嵌合した際に第1部材10を貫通して突出する長さとすることが好適である。ホゾ部35の断面形状は、前記第1部材10に設けたホゾ孔15、16に対応して嵌合時に隙間なく密着する形状とする。そのため、ホゾ部35は上下各面に前記爪部17の形状に対応した断面形状の並行する溝部36を二つづつ有する上下左右対称形を成し、該溝部36に挟まれた水平面37、38を有する。また、前記水平面37、38には、それぞれ第2部材上部ボルト孔39と第2部材下部ボルト孔40を設けており、両部材の嵌合時には、両ボルト孔を結ぶ軸線が第1部材上部ボルト孔21と第1部材下部ボルト孔23の軸線と一致し、4つのボルト孔が完全に重なり合うとともに、前記水平面37の外面と前記上部凹面19の内面、及び前記水平面38の外面と前記下部凹面22の内面とがそれぞれ間隙なく密着することにより、ボルト締結時には両部材を完全に固定して強固に接合する。
図5は、前記第1部材10と第2部材30とをT字型に嵌合してボルト50により締結を完了した接合構造を上方から観た斜視図である。第2部材30のホゾ部35が第1部材10のホゾ孔15を貫通して突出しており、庇部18がホゾ部35の水平面37、38に密着している。また、ボルト50の頭部は第1部材の下垂部20に挟み込まれる形で固定されているため、作業者はボルトナットによる締結時にボルト頭部を片手で保持する必要がない。
図6は、前記接合構造を下方から観た斜視図である。ボルト50は、第1部材10の下部水平壁14に設けられた下部凹面22においてナット51とワッシャ52によって両部材を締結している。前述の通り、下部凹面22はナット51の直径に対して余裕を持たせた幅を有しているため、作業者がナット51の締め付け作業を容易に行うことができる。
図7は、第1部材10を垂直壁11の方向から観た詳細な立面図である。図8は、同じく第1部材10を部材軸線方向から観た立面図である。図9は、同じく第1部材10を上部水平壁13方向から観た平面図である。図10は、同じく第1部材10を上方から観た平面図である。図11は、第2部材30を軸線のホゾ部35方向から観た立面図である。図12は、同じく第2部材30を上方から観た平面図である。図13は、同じく第2部材30を下方から観た平面図である。図14は、第1部材10に第2部材30が嵌合されボルト50、ナット51、ワッシャ52により締結して接合が完了した状態を第1部材10の垂直壁11方向から観た立面図である。図15は、同じく接合が完了した状態を第2部材の垂直壁31方向から観た立面図である。図16は、同じく接合が完了した状態を上方から観た平面図である。図17は、同じく接合が完了した状態を下方から観た平面図である。
図18は、前述の非特許文献1に係る従来の集合住宅用浴室ユニット設置台の事例を下方から観た斜視図である。本事例では、設置台は浴槽側フレーム60と洗い場側フレーム61の二つのフレームに分割して構成されており、浴槽側フレーム60は前記第1部材10に相当する横桁材A62に前記第2部材30に相当する二本の縦桁材A63、横桁材B64がそれぞれ直接溶接されている。また、縦桁材A62と縦桁材B63は、その中央部に補助桁材65が渡されてその両端がそれぞれ挿入されている。一方、洗い場側フレーム61は、前記第1部材10に相当する横桁材B66と横桁材C67の間に前記第2部材30に相当する縦桁材C68、縦桁材D69、縦桁材E70が渡されて「日」の字型の構造としており、各縦桁材と横桁材は、溶接又はネジ留めで接合している。二つのフレームにはそれぞれ四本づつの支持柱71を取り付けており、施工現場では各フレームを裏返し状態で別個に組み立てた上で、最終的に接続材(図示せず)を介して両フレームをネジ留めし完成させる。この設置台では、洗い場側フレーム61はネジ留めの場合には分解状態で施工現場に搬入できるが、浴槽側フレーム60はあらかじめ溶接して組み立てた状態で搬入することとなるため、製造段階で溶接工程が必要となり、荷姿も嵩張ることとなる。
一方、図19は、本浴室ユニット設置台の浴槽側フレーム80と洗い場側フレーム81のそれぞれの接合状態を下方から観た斜視図である。用いる部材は図18と共通であるが、合計8箇所の部材のT字型接合点のすべてに本発明に係る中空角材の接合構造を適用している。なお、本図では、各T字型接合点において、第1部材のホゾ孔から突出した第2部材のホゾ部の端部それぞれに略直方体形状の樹脂製キャップ72を挿入している。この樹脂製キャップ72は、前記ホゾ部の断面形状の変形を防止するための補強部材であるが、部材自体の剛性が十分であれば必須ではない。
図20は、前記本浴室ユニット設置台の浴槽側フレーム80を施工現場に搬入する際の荷姿を下方から観た斜視図である。部材を分解したまま束ね、梱包用テープで結束してコンパクトにまとめることができることが分かる。
以上、本発明に係る中空角材の接合構造及び該接合構造を適用した浴室ユニット設置台の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において改良又は変更が可能であり、それらは本発明の技術的範囲に属するものとする。
本発明に係る中空角材の接合構造は、建築物や構造物、仮設物、あるいは各種の什器等の骨格など幅広い分野に適用可能である。特に、建築物の内装工事、特に床工事や一般住宅や集合住宅における浴室ユニットの設置工事における床材や浴室ユニットの支承構造の構築に好適であり、とりわけ規格化された浴室ユニットの設置台の製造・施工において、溶接を用いずとも簡易かつ最小限の工数で強固な設置台を構築することが可能となるため、コストダウンに大きな効果を奏する。
「ホゾ組み構造」を適用した中空角材の接合構造を示す斜視図である。 第1部材10を上方から観た斜視図である。 第1部材10を下方から観た斜視図である。 第2部材30を上方から観た斜視図である。 第1部材10と第2部材30とをT字型に嵌合してボルト50により締結を完了した接合構造を上方から観た斜視図である。 第1部材10と第2部材30とをT字型に嵌合してボルト50により締結した接合構造を下方から観た斜視図である。 第1部材10を垂直壁11の方向から観た立面図である。 第1部材10を部材軸線方向から観た立面図である。 第1部材10を上方から観た平面図である。 第1部材10を水平壁14方向から観た立面図である。 第2部材30を軸線のホゾ部35方向から観た立面図である。 第2部材30を上方から観た平面図である。 第2部材30を下方から観た平面図である。 第1部材10に第2部材30が嵌合されボルト50、ナット51、ワッシャ52により締結して接合が完了した状態を第1部材10の垂直壁11方向から観た立面図である。 第1部材10に第2部材30が嵌合されボルト50、ナット51、ワッシャ52により締結して接合が完了した状態を第2部材の垂直壁31方向から観た立面図である。 第1部材10に第2部材30が嵌合されボルト50、ナット51、ワッシャ52により締結して接合が完了した状態を上方から観た平面図である。 第1部材10に第2部材30が嵌合されボルト50、ナット51、ワッシャ52により締結して接合が完了した状態を下方から観た平面図である。 非特許文献1に係る従来の集合住宅用浴室ユニット設置台の事例を下方から観た斜視図である。 本浴室ユニット設置台の接合状態を下方から観た斜視図である。 本浴室ユニット設置台の浴槽側フレーム80を施工現場に搬入する際の荷姿を下方から観た斜視図である。
10 第1部材
11 垂直壁
12 垂直壁
13 上部水平壁
14 下部水平壁
15 ホゾ孔
16 ホゾ孔
17 爪部
18 庇部
19 上部凹面
20 下垂部
21 第1部材上部ボルト孔
22 下部凹面
23 第1部材下部ボルト孔
30 第2部材
31 垂直壁
32 垂直壁
33 水平壁
34 水平壁
35 ホゾ部
36 溝部
37 水平面
38 水平面
39 第2部材上部ボルト孔
40 第2部材下部ボルト孔
50 ボルト
51 ナット
52 ワッシャ
60 従来の集合住宅用浴室ユニット設置台の事例における浴槽側フレーム
61 従来の集合住宅用浴室ユニット設置台の事例における洗い場側フレーム
62 横桁材A
63 縦桁材A
64 縦桁材B
65 補助桁材
66 横桁材B
67 横桁材C
68 縦桁材C
69 縦桁材D
70 縦桁材E
71 支持柱
72 樹脂製キャップ
80 本浴室ユニット設置台の浴槽側フレーム
81 本浴室ユニット設置台の洗い場側フレーム

Claims (4)

  1. 中空角材から成る第1部材と第2部材がその軸線を交差させて接合された構造であって、第1部材の壁面のうち二面の垂直壁には略長方形のホゾ孔を有し、該ホゾ孔はその上下辺それぞれに一つ又は複数の爪部を有する形状とし、二面の水平壁にはそれぞれ角材内部方向に陥没した凹面を有し、第2部材の端部は前記ホゾ孔に対応する断面形状のホゾ部を有し、該ホゾ部は水平壁の全部と垂直壁の一部を屈曲させて絞り込むことで前記ホゾ孔に対応する断面形状とし、前記ホゾ部は前記ホゾ孔を貫通して嵌合し、前記凹面と前記ホゾ部の水平壁面に設けられたボルト孔を垂直に貫通するボルトとナットにより第1部材と第2部材とが締結されることを特徴とする中空角材の接合構造。
  2. 前記第1部材の二面の水平壁が有する凹面の部材軸線に対する幅は、一方が前記ボルトの頭部が密着して嵌合する幅とし、他方が前記ナットの外径に対して間隙を有する幅としたことを特徴とする請求項1に記載の中空角材の接合構造。
  3. 前記第1部材の略長方形のホゾ孔は、その上下辺それぞれの中央部に部材垂直壁から突出する庇部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の中空角材の接合構造。
  4. 中空角材から成る部材を接合して成る浴室ユニット設置台であって、部材の接合部の少なくとも一か所を、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の中空角材の接合構造により接合して成る浴室ユニット設置台。
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