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JP4789198B2 - 無鉛ハンダ合金 - Google Patents

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Description

本発明は、無鉛ハンダ合金に関する。
従来、ガラスやセラミックスの接合に用いる軟ロウ材(ハンダ合金)としては、錫(Sn)と鉛(Pb)の共晶組成付近の合金が一般に使用されてきた。例えば、特許文献1にはPb(40〜98重量%)−Sn(1.8〜50重量%)−Zn(0.05〜10重量%)−Sb(0.05〜10重量%)系の窯業体用ハンダ合金、特許文献2にはPb(40〜85重量%)−Sn(5〜50重量%)−Bi(3〜18重量%)−Sb(0.5〜12重量%)−Zn(0.5〜10重量%)系のガラス用ハンダ合金が開示されている。
ところが、近年、鉛の人体に対する毒性が問題になり、鉛を含まないガラス、セラミックス用無鉛ハンダ合金が要求されている。例えば、特許文献3にはBi(25〜85重量%)−Sn(18〜68重量%)−Zn(0.1〜10重量%)−Sb(0.1〜10重量%)系のセラミックス用無鉛ハンダ合金、特許文献4にはBi(30〜80重量%)−Sn(18〜88重量%)−Ti(0.1〜5重量%)系のガラス、セラミックス用無鉛ハンダ合金などが開示されている。
しかし、無鉛ハンダ合金と、鉛を含むハンダ合金の接合強度を比較すると、無鉛ハンダ合金の接合強度は、鉛を含むハンダ合金に劣り、7kg/mm以上の特性値が出ないという問題があった。
特開昭45−1739号公報 特公昭51−4046号公報 特開昭62−252693号公報 特開平11−77370号公報
本発明の課題は、人体に有害なPbを含有せず、しかも接合強度が高い無鉛ハンダ合金を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、熱衝撃破壊が起こり難い無鉛ハンダ合金を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る無鉛ハンダ合金は、ベース合金と、ガリウムとを含む。前記ベース合金は、ナノコンポジット構造を有し、錫、ビスマスを含有する。前記ガリウムの含有量は、前記無鉛ハンダ合金全量に対して0.001〜3重量%の範囲である。
本発明に係る無鉛ハンダ合金では、ベース合金が、ナノコンポジット構造を有し、錫、ビスマスを含有するから、120℃〜200℃の低融点無鉛ハンダ合金を得ることができる。従って、ガラス又はセラミックなどに用いた場合に、熱衝撃破壊を生じ難い無鉛ハンダ合金を得ることができる。
しかも、本発明に係る無鉛ハンダ合金は、ベース合金とガリウムを含むから、無鉛ハンダ合金の接合強度が上昇する。ガリウムの含有量は無鉛ハンダ合金全量に対して、0.001〜3重量%の範囲である。この範囲であると、従来の無鉛ハンダ合金では得られなかった接合強度8kg/mm以上の値が得られる。0.001重量%未満では、添加効果が期待できない。3重量%より高いガリウムの含有量では、接合強度の改善は認められない。
ガリウムの無鉛ハンダ全量に対する含有量は、好ましくは0.01〜2重量%である。ガリウムを無鉛ハンダ全量に対し、含有量を0.01〜2重量%にすることで、より高い接続強度10kg/mm以上の値が得られる。
本発明に係る無鉛ハンダ合金に使用されるベース合金は、ナノコンポジット構造を有する。本発明に係るナノコンポジット構造とは、平均粒子0.01μm以下のナノ粒子の集合体であり、前記集合体は、平均粒径が5μmのものを指す。本発明の無鉛ハンダ合金は、ナノコンポジット構造を有する金属を用いることで、内部に気泡や異物などの混入がない均一な微細結晶集合体を形成することができる。そのため、本発明の無鉛ハンダ合金を使用することにより、より良好な接合強度を得ることができる。
本発明の無鉛ハンダ合金に使用されるベース合金は、好ましくは、錫、ビスマス、及び、インジウムを含有する。無鉛ハンダ合金全量に対する含有量は、錫30〜85重量%、ビスマス15〜60重量%、インジウム0〜15重量%であるものが特に好ましい。この組成によれば、より良好な接合強度を確保することができる。
本発明に係る無鉛ハンダ合金は、好ましくは、ガラス又はセラミックスの接合に用いることができる。ガラス又はセラミックスは、一般に熱衝撃破壊を起こしやすいが、本発明の無鉛ハンダを用いることで、熱衝撃破壊の割合を減少させることができる。もっとも、金属接合に用いることを排除するものではない。
本発明に係る無鉛ハンダ合金を得るためのナノコンポジット構造を有するベース合金は、公知の方法(例えば、米国特許6808568号に記載の方法)で製造できる。もっとも、本発明の範囲であれば製法は問わない。
以上述べたように、本発明によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)人体に有害なPbを含有せず、しかも接合強度が高い、ナノコンポジット構造の無鉛ハンダ合金を提供することができる。
(2)熱衝撃破壊が起こり難いナノコンポジット構造の無鉛ハンダ合金を提供することができる。
<ナノコンポジット構造を有するベース合金の製造>
本発明に係る無鉛ハンダ合金は、ナノコンポジット構造を有するベース合金を、溶融して得られる。図1は、ナノコンポジット構造を有するベース合金を製造する際に用いられる遠心式粒状化装置の構造例である。
粒状化室1は上部が円筒状、下部がコーン状になっており、上部に蓋2を有する。蓋2の中心部には垂直にノズル3が挿入され、ノズル3の直下には皿形回転ディスク4が設けられている。符号5は皿形回転ディスク4を上下に移動可能に支持する機構である。また粒状化室1のコーン部分の下端には生成した粒子の排出管6が接続されている。ノズル3の上部は粒状化する金属を溶融する電気炉(高周波炉)7に接続されている。混合ガスタンク8で所定の成分に調整された雰囲気ガスは配管9及び配管10により粒状化室1内部及び電気炉7上部にそれぞれ供給される。粒状化室1内の圧力は弁11及び排気装置12、電気炉7内の圧力は弁13及び排気装置14によりそれぞれ制御される。
電気炉7の内圧を大気圧より若干高めに、粒状化室1の内圧を大気圧より若干低めに維持すれば、電気炉7で溶融した金属は差圧によりノズル3から皿形回転ディスク4上に供給される。供給された金属は皿形回転ディスク4による遠心力の作用で微細な液滴状になって飛散し、冷却されて固体粒子になる。生成した固体粒子は排出管6から自動フィルター15に供給され分別される。符号16は微粒子回収装置である。
高速回転体が円盤状又は円錐状の場合は、溶融金属が回転体のどの位置に供給されるかによって溶融金属にかかる遠心力が大きく異なるので、粒の揃った球状粉体を得にくい。高速回転する皿形ディスク上に供給した場合は、その皿形の周縁位置における均一な遠心力を受け粒の揃った小滴に分散して飛散する。飛散した小滴は雰囲気ガス中で急速に冷却し、固化した小粒となって落下し、回収される。
上記のような装置を用いて溶融金属を粉末化することにより、溶融金属は急速冷却固化中に自己組織化され、個々の微小粒子が金属酸化物、金属窒化物又は金属珪化物の層、点在物、或いは空隙により相互に隔離されているナノコンポジット構造を有する金属粒子になること、及び原料金属の組成及び雰囲気ガスの種類によって、個々の微小粒子は、金属酸化物、金属窒化物又は金属珪化物の層、点在物、或いは空隙のいずれかにより相互に隔離されたものとなることが知られている。なお自己組織化とは、均一相である溶融金属が、その分散、急速冷却固化過程で、自動的にナノコンポジット構造を形成することを言う。
皿形ディスクの回転数が高くなるほど、得られた粒子の径は小さくなる。内径35mm、深さ5mmの皿形ディスクを用いた場合、平均粒径200μm以下の粒子を得るためには毎分30,000回転以上とすることが望ましい。
粒状化室に供給する雰囲気ガスの温度は室温でよいが、長時間連続操業する場合には、溶融金属小滴の急冷効果を維持するため、粒状化室内温度が300℃以下になるように通気量を制御することが望ましい。
<無鉛ハンダ合金の製造方法>
本発明に係る無鉛ハンダ合金は、上述した遠心式粒状化装置を使用して製造したナノコンポジット構造のベース合金を溶解して得られる。次に、実施例により本発明の構成及び効果を具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
(1)実施例1
まず、上述した遠心式粒状化装置を用いて得られたナノコンポジット構造のベース合金(錫、ビスマス、インジウム)と、ガリウムとを混入したものを、高周波溶解室に入れて溶融させる。高周波溶解室は、真空気圧9×10−2Pa以下に設定する。
溶融した金属は、雰囲気反応加圧凝固室において、冷却硬化させる。これにより、無鉛ハンダ合金のインゴットが得られる。雰囲気反応加圧凝固室では、内圧を14.696psi±1%に維持し、酸素0.3ppm〜0.7ppm濃度、5℃以下の雰囲気ガスを使用し、冷却固化を行う。
こうして得られた無鉛ハンダ合金の組成は、錫(31.999重量%)、ビスマス(58重量%)、インジウム(10重量%)、ガリウム(0.001重量%)であった。
(2)実施例2〜9
実施例1と同様の方法で無鉛ハンダ合金を製造し、実施例2〜9とした。得られた各無鉛ハンダ合金の組成比は表1に記載してある。
(3)比較例1
まず、錫、ビスマス、インジウム、ガリウムを使用し、大気溶解により、無鉛ハンダ合金を製造した。大気溶解は、錫、ビスマス、インジウム、ガリウムをステンレス製容器に入れ、ガス加熱で250℃〜300℃で溶解する溶解方法であり、大気中で行われる。
得られた無鉛ハンダ合金の組成は、錫(31.999重量%)、ビスマス(重58量%)、インジウム(10重量%)、ガリウム(0.001重量%)であった。
(4)比較例2〜9
比較例1と同様の方法で無鉛ハンダ合金を製造し、比較例2〜9とした。得られた各無鉛ハンダ合金の組成比は表1に記載してある。
(5)比較例10
まず、上述した遠心式粒状化装置を用いて得られたナノコンポジット構造のベース合金(錫、ビスマス、インジウム)を、高周波溶解室に入れて溶融させる。高周波溶解室は、真空気圧9×10−2Pa以下に設定する。
溶融した金属は、雰囲気反応加圧凝固室において、冷却硬化させる。これにより、無鉛ハンダ合金のインゴットが得られる。雰囲気反応加圧凝固室では、内圧を14.696psi±1%に維持し、酸素0.3ppm〜0.7ppm濃度、5℃以下の雰囲気ガスを使用し、冷却固化を行う。
得られた無鉛ハンダ合金の組成は、錫(32重量%)、ビスマス(58重量%)、インジウム(10重量%)であった。
(6)比較例11、12
比較例10と同様の方法で無鉛ハンダ合金を製造し、比較例11、12とした。得られた各無鉛ハンダ合金の組成比は表1に記載してある。
(7)比較例13
錫、ビスマス、インジウムを使用し、大気溶解により、無鉛ハンダ合金を製造した。大気溶解大気溶解は、錫、ビスマス、インジウムをステンレス製容器に入れ、ガス加熱で250℃〜300℃で溶解する溶解方法であり、大気中で行われる。
得られた無鉛ハンダ合金の組成は、錫(32重量%)、ビスマス(重58量%)、インジウム(10重量%)であった。
(8)比較例14、15
比較例13と同様の方法で無鉛ハンダ合金を製造し、比較例14、15とした。得られた各無鉛ハンダ合金の組成比は表1に記載したものである。
以上得られた実施例1〜9、比較例1〜15について特徴をまとめたものを表1に示してある。ナノコンポジット構造の有無については、無鉛ハンダ合金に用いられるベース合金がナノコンポジット構造を有していれば「有」と記載し、有していなければ「無」として表示した。
Figure 0004789198
実施例1〜9は、本願発明のナノコンポジット構造を有するベース合金とガリウムを含有する、無鉛ハンダ合金である。比較例1〜9は、ガリウム含有無鉛ハンダ合金である。比較例10〜13は、ナノコンポジット構造を有するベース合金を用いた無鉛ハンダ金属であり、ガリウムは含有されていない。比較例14、15は、錫、ビスマス、インジウムから選択された2種類以上の金属からなる合金である。
<実施例と比較例の比較>
図2(A)は、実施例7の無鉛ハンダ合金に使用したベース合金粉末SEM像写真、図2(B)は、比較例14の無鉛ハンダ合金に使用したベース合金粉末SEM像写真である。図2(A)と図2(B)を比較すると、図2(A)の合金は偏析の存在が認められない均質で微細な結晶体であることが分かる。これに対して、図2(B)の合金には、明らかな偏析が認められ、不均質な結晶体であることが確認できる。
図3(A)は、実施例7の無鉛ハンダ合金に用いられているベース合金粉末の断面SEM像写真、図3(B)は比較例14の無鉛ハンダ合金に用いられているベース合金粉末の断面SEM像写真である。図3(A)と図3(B)とを比較すると、図3(A)には、偏析が認められず、微細な結晶集合体であることが確認できる。これに対して、図3(B)では、明らかに偏析が認められ、多数の気泡が確認される。
図4(A)は、実施例7の無鉛ハンダ合金の凝固面SEM像写真、図4(B)は比較例14の無鉛ハンダ合金の凝固面SEM像写真である。図4(A)と図4(B)を比較すると、図4(A)では、微細なナノコンポジット構造のベース合金から形成された緻密な網目構造が確認できる。これに対して、図4(B)はベース合金がナノコンポジットを有していないため、むらのある荒い網目構造が形成されているのが分かる。
図5(A)は、図4(A)に示した無鉛ハンダ合金の凝固面のSEM像写真の拡大図、図5(B)は、図5(B)に示した無鉛ハンダ合金の凝固面のSEM像写真の拡大図である。図5(A)と図5(B)を比較すると、図5(A)は、微細な結晶体で構成され、結晶体が偏りなく配列された均一な構造を有することが分かる。これに対して、図5(B)は、サイズが大きく、ばらつきがある結晶体で構成され、不均一な構造を有することが分かる。
図6(A)は実施例7の無鉛ハンダ合金の内部軽X線写真、図6(B)は、比較例14の無鉛ハンダ合金の内部軽X線写真である。軽X線写真には、(A)、(B)共に厚さ0.4mmの無鉛ハンダ合金を用いた。図6(A)と図(B)を比較すると、図6(A)は、内部に気泡異物などが無いことが確認でき均一な微細結晶集合体である事が分かる。これに対して、図(B)は、内部に大きな気泡異物などが確認でき、不均一な大きな結晶体である事が分かる。
以上より、ナノコンポジット構造を有するベース合金を使用することによって、本願発明の無鉛ハンダ合金は、均一な微細結晶集合体を構成することが分かる。
<熱衝撃破壊指数、接合強度の測定>
得られた実施例1〜9、比較例1〜15を用いて、熱衝撃破壊指数と、接合強度の測定を行った。熱衝撃破壊指数の測定は、外径4mm、肉厚0.5mmのガラス管10本を溶融金属中に挿入し、2秒後に取り出した時の10本中の破壊した本数で示す。ガラスと金属の接合強度の測定は、ガラス板の表面に金属線の先端をハンダ付けしたものをガラス板面に対して45度の方向に引っ張り、剥がれたときの強度(kg/mm)で示す。測定の結果、及び、実施例1〜9、比較例1〜15の組成比を表2に示す。
Figure 0004789198
表2を参照すると、実施例1〜9は、熱衝撃破壊指数、接合強度の何れにおいても良好な値を示した。熱衝撃破壊指数を見ると、熱衝撃破壊を起こし易いガラスに対して、実施例1〜9の何れも熱衝撃破壊指数が0という値を示した。接合強度を見ると、何れも従来得ることのできなかった8kg/mm以上の値を示した。
これに対して、比較例1〜9では、接合強度が8kg/mm未満である7kg/mm前後である。又、熱衝撃破壊指数を見ても10本中1〜2本が破壊されているため、ハンダとしての信頼性に欠ける。よって、比較例1〜9は、ハンダとしての特性、接合強度どちらにおいても実施例1〜9より劣る。これは、ナノコンポジット構造を有するベース合金を用いていないことが原因と考えられる。
比較例10〜13を見ると、接合強度は7kg/mm前後である。更に、熱衝撃破壊指数を見ると、10本中5本が破壊されている。そのためハンダとしての特性、接合強度どちらにおいても実施例1〜9より劣る。これは、ガリウムを含有していないことが原因と考えられる。
比較例14、15を見ると、熱衝撃破壊指数、接合強度何れにおいても、実施例1〜9と比較して、著しく劣るため、ハンダとしての実用性に乏しい無鉛ハンダ合金と考えられる。
又、表2から、ガリウムは無鉛ハンダ合金に対して0.001重量%以上の含有量で、熱衝撃破壊指数、接合強度を改善する。更に、ガリウムは、無鉛ハンダ合金全量に対して、3重量%以上含有しても接合強度の更なる改善は認められない。よって、作用効果が現れる含有量は、0.001〜3重量%である。
以上の結果から、熱衝撃破壊指数、接合強度を改善にするためには、ナノコンポジット構造のベース合金と、ガリウムを含有させることが必須ということが分かった。
<ガリウムの含有量について>
次に、ガリウムの含有量について考察する。表3は、上述の実施例1〜9及び比較例1〜15から、錫、ビスマス、インジウムの組成比が等しく、ガリウムの含有量のみが異なるデータである、比較例14、実施例2、5、7〜9を抜き出したものである。
Figure 0004789198
<無鉛ハンダ合金組成比について>
次に、無鉛ハンダ合金の組成比が、衝撃破壊指数、接合強度に与える影響を考察する。
表4は、表1から無鉛ハンダ合金の組成比が等しく、ガリウムの含有量のみが異なるデータを1つの群とし、それを3パターン抜き出してa〜c群としたものである。具体的には、錫、ビスマス、インジウムの組成比が比較例10と等しいグループをa群、同様に、比較例11と等しいグループをb群、比較例12と等しいグループをc群として、ガリウムの含有量について考察した。比較例10、11、12は何れもナノコンポジット構造を有するベース合金から構成された無鉛ハンダ合金である。
Figure 0004789198
表4から、a〜c群のいずれも、無鉛合金の組成は異なるが、ガリウムの含有が、0重量%の時は接合強度が7kg/mm前後、0.001重量%の時は8.5kg/mm前後、2重量%の時は、10kg/mm前後である。又、衝撃破壊指数もガリウム含有がない比較例では、a〜c群何れも10本中5本の破壊が見られたが、ガリウム含有のデータでは、ガラス管の破壊は見られなかった。
遠心式粒状化装置の構造例である。 (A)は実施例7の無鉛ハンダ合金に使用したベース合金粉末SEM像写真。(B)は比較例14の無鉛ハンダ合金に使用したベース合金粉末SEM像写真である。 (A)は実施例7の無鉛ハンダ合金に使用したベース合金粉末断面SEM像写真。(B)は比較例14の無鉛ハンダ合金に使用したベース合金粉末断面SEM像写真である。 (A)は実施例7の無鉛ハンダ合金の凝固面SEM像写真。(B)は比較例14の無鉛ハンダ合金の凝固面SEM像写真である。 (A)は、図4(A)に示した無鉛ハンダ合金の凝固面のSEM像写真の拡大図、(B)は、図5(B)に示した無鉛ハンダ合金の凝固面のSEM像写真の拡大図である。 (A)は実施例7の無鉛ハンダ合金の内部軽X線写真、(B)は、比較例14の無鉛ハンダ合金の内部軽X線写真である。
符号の説明
1 粒状化室
2 蓋
3 ノズル
4 回転ディスク
5 回転ディスク支持機構
6 粒子排出管
7 電気炉
8 混合ガスタンク
9 配管
10 配管
11 弁
12 排気装置
13 弁
14 排気装置
15 自動フィルター
16 微粒子回収装置

Claims (4)

  1. ベース合金と、ガリウムとからなる無鉛ハンダ合金であって、
    前記ベース合金は、ナノコンポジット構造を有し、錫及びビスマスからなり
    前記ガリウムは、その含有量が、前記無鉛ハンダ合金全量に対して0.001〜3重量%の範囲である、
    無鉛ハンダ合金。
  2. ベース合金と、ガリウムとからなる無鉛ハンダ合金であって、
    前記ベース合金は、ナノコンポジット構造を有し、錫、ビスマス及びインジウムからなり、
    前記無鉛ハンダ合金全量に対する含有量は、錫30〜85重量%、ビスマス15〜60重量%、インジウム0〜15重量%及びガリウム0.001〜3重量%の範囲である、
    無鉛ハンダ合金。
  3. 請求項1又は2に記載された無鉛ハンダ合金であって、前記ガリウムの添加量が0.01〜2重量%の範囲である、無鉛ハンダ合金。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の無鉛ハンダ合金であって、ガラス又はセラミックスの接合に用いられる無鉛ハンダ合金。
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