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JP4786387B2 - 複合光学素子の製造方法及びその成形用金型 - Google Patents

複合光学素子の製造方法及びその成形用金型 Download PDF

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JP4786387B2 JP2006090659A JP2006090659A JP4786387B2 JP 4786387 B2 JP4786387 B2 JP 4786387B2 JP 2006090659 A JP2006090659 A JP 2006090659A JP 2006090659 A JP2006090659 A JP 2006090659A JP 4786387 B2 JP4786387 B2 JP 4786387B2
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Description

本発明は、ベースとなる基材側の光学素子に加熱軟化した成形素材を一体的に接合する複合光学素子の製造方法及びその成形用金型に関する。
複合光学レンズ等の複合光学素子は、ベースとなる光学レンズの光学面に例えばガラス層を形成し、全体として収差補正の性能を向上させたものであり、この複合光学素子は、単一の光学レンズでは得られない優れた性能を有することから、例えば撮影光学系を有するカメラや、顕微鏡、内視鏡等の医療機器の分野において重用されている。
従来、この種の複合光学素子として、例えば特許文献1に記載された技術が知られている。この特許文献1では、ガラスからなる基材レンズ、ガラス層形成用の成形素材の外径を高精度で仕上げ、基材レンズと成形素材を段付きのリング状部材にきっちりと挿入する点が開示されている。
すなわち、ガラス層形成用の成形素材として、基材レンズのガラス転移点よりも低い材質を用い、加熱室でリング状部材とともに基材レンズとガラス層形成用の成形素材を基材レンズのガラス転移点よりも低い温度に加熱して、成形用型で成形素材を加圧成形している。
この成形の際、リング状部材に上型を挿入して、基材レンズと下型との心出しを行い、成形後に冷却して取り出せば、基材レンズにガラス層の成形素材(成形レンズ)が一体化された複合光学素子が得られる。この方法で得られた複合光学素子は、基材レンズと成形レンズの偏心が抑制されたものとなっている。
また、特許文献2には、周方向の一部にスリットが形成された金属製の不連続環状枠体を用い、その内側に光学素子をモールドした点が開示されている。この不連続環状枠体は、常温下でその内径を、成形されるガラス光学素子の冷却後における予定外径よりも小さく設定している。
そして、この不連続環状枠体を上型と下型の成形面の周囲に配置し、成形素材を上型と下型の間に配置して、この成形素材が加熱軟化後に成形している。この成形で押し潰された成形素材の外周は、不連続環状枠体を押し広げながらその内面と密着する。冷却後は、不連続環状枠体の弾性によって、成形されたガラス光学素子が確実に保持された状態となる。この方法では、金属製の枠体にガラス光学素子が成形されて一体化され、成形後の心出し作業を不要にしている。
特開平10−45419号公報(第16頁、図9) 特開平9−221332号公報(第2頁、図1)
しかしながら、特許文献1では、リング状部材と基材レンズ、及びリング状部材と上型との間にはクリアランスが残っていて、このクリアランスの分だけ部材同士の位置が変動する。このため、基材レンズとガラス層の成形レンズとの間の偏心をクリアランス以内に抑制することは困難である。これに加えて、一般的に金属材料はガラス材料よりも熱線膨張係数が大きい。
このため、常温時では、金属製のリング状部材とガラス基材との間のクリアランスが狭い状態にあっても、加熱された高温時ではクリアランスが広がってしまう。このクリアランスの広がりによって、抑制可能な偏心量の範囲も広がることになる。一方、前記クリアランスを極端に狭くすると、挿入が困難になり、作業性が悪くなる。
また、特許文献2では、複合光学素子ではなく単体レンズに適用した場合が開示されているが、成形素材が不均一に広がる場合、不連続環状枠体との密着状態が不均一になり、偏心が抑制されない。また、複合光学素子への適用を考えた場合、成形レンズと不連続環状枠体との偏心を抑制できても、基材レンズと成形レンズの偏心までは抑制することが困難である。更に、得られる複合光学素子には、要不要に関わらず、不連続環状枠体が付属することになる。
更に、一般的に、基材側の光学素子の接合面側が平面又は凸形状である場合は、成形素材を載置したときに滑ったり、転がったりして中央位置に正確に位置決めすることが困難となる。そして、成形素材が正確に位置決めされないまま成形すると、品質不良を誘発することになる。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、組み付け時の作業性を損なうことなく偏心を抑制できる複合光学素子の製造方法及びその成形用金型を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、
基材側の光学素子の一方の光学面と、これに対向する金型の成形面との間に成形素材を配置し、これら光学素子と成形素材を所定の成形温度に加熱して押圧し、前記光学素子の一方の光学面に前記成形素材を一体的に接合する複合光学素子の製造方法において、
前記光学素子は、前記成形素材よりも屈服点、又はガラス転移点が高く、
前記金型を嵌挿するスリーブ型に内挿され、このスリーブ型の内周面と前記光学素子の外周面との間に配置されて該光学素子の位置を規制する位置規制部材を有し、
該位置規制部材および前記光学素子のうちの少なくとも一方は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
前記位置規制部材は、その外接円の周方向の一部に形成されたスリットを有し、
前記光学素子と前記成形素材の加熱を開始すると、前記スリットの幅が広がり前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差が小さくなり、前記位置規制部材の外径と前記スリーブ型の内周面とが密接する、ことを特徴とする。
上記の複合光学素子の製造方法において、
前記位置規制部材の外周部の少なくとも一部の幅は、前記位置規制部材の内接円と外接円との間の領域の幅よりも狭くすることが可能である。
上記の複合光学素子の製造方法において、
前記位置規制部材の外周部は、該外周部の内側および外側を多角形とした形状を、該外周部の各辺の中央部の幅が、該各辺の両端部の幅よりも狭くなるようにした形状である。
上記の複合光学素子の製造方法において、
前記位置規制部材は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
加熱時に、熱膨張した前記位置規制部材の外周部が前記スリーブ型の内周面に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記光学素子の外周面を挟持し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした。
上記の複合光学素子の製造方法において、
前記位置規制部材は、前記光学素子の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有し、
加熱時に、熱膨張した前記光学素子の外周面が前記位置規制部材の内周部に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記スリーブ型の内周面に密接し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした。
上記の複合光学素子の製造方法において、
前記位置規制部材の前記スリットの幅ΔLと、前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差ΔDは、前記位置規制部材の外接円の直径をDr、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記スリーブ型の線膨張係数をαs、成形温度をTmとしたとき、
ΔL ≧ 3.14×Dr×Tm×(αr−αs)
ΔD ≦ Dr×Tm×(αr−αs)
の関係を有することが可能である。
上記の複合光学素子の製造方法において、
前記光学素子の外周面の直径と前記位置規制部材の内接円の直径との差ΔD’は、前記
光学素子の外周面の直径D1、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記光学素子の線膨張係数をα1、成形温度をTmとしたとき、
ΔD’ ≦ D1×Tm×(α1−αr)
の関係を有することが可能である。
また、本発明は、
基材側の光学素子の一方の光学面と、該一方の光学面に対向する金型の成形面との間に成形素材を配置し、これら光学素子と成形素材を所定の成形温度に加熱して押圧し、前記光学素子の一方の光学面に前記成形素材を一体的に接合する複合光学素子の成形用金型において、
前記金型を嵌挿するスリーブ型と、
該スリーブ型に内挿され、該スリーブ型の内周面と前記光学素子の外周面との間に配置されて前記光学素子の位置を規制する位置規制部材と、を備え、
前記光学素子は、前記成形素材よりも屈服点、又はガラス転移点が高く、
前記位置規制部材および前記光学素子のうちの少なくとも一方は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
前記位置規制部材は、その外接円の周方向の一部に形成されたスリットを有し、
前記光学素子と前記成形素材の加熱を開始すると、前記スリットの幅が広がり前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差が小さくなり、前記位置規制部材の外径と前記スリーブ型の内周面とが密接する、ことを特徴とする。
上記の複合光学素子の成形用金型において、
前記位置規制部材の外周部の少なくとも一部の幅は、前記位置規制部材の内接円と外接円との間の領域の幅よりも狭くすることが可能である。
上記の複合光学素子の成形用金型において、
前記位置規制部材の外周部は、該外周部の内側および外側を多角形とした形状を、該外周部の各辺の中央部の幅が、該各辺の両端部の幅よりも狭くなるようにした形状である。
上記の複合光学素子の成形用金型において、
前記位置規制部材は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
加熱時に、熱膨張した前記位置規制部材の外周部が前記スリーブ型の内周面に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記光学素子の外周面を挟持し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした。
上記の複合光学素子の成形用金型において、
前記位置規制部材は、前記光学素子の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有し、
加熱時に、熱膨張した前記光学素子の外周面が前記位置規制部材の内周部に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記スリーブ型の内周面に密接し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした。
上記の複合光学素子の成形用金型において、
前記位置規制部材の前記スリットの幅ΔLと、前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差ΔDは、前記位置規制部材の外接円の直径をDr、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記スリーブ型の線膨張係数をαs、成形温度をTmとしたとき、
ΔL ≧ 3.14×Dr×Tm×(αr−αs)
ΔD ≦ Dr×Tm×(αr−αs)
の関係を有することが可能である。
上記の複合光学素子の成形用金型において、
前記光学素子の外周面の直径と前記位置規制部材の内接円の直径との差ΔD’は、前記
光学素子の外周面の直径D1、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記光学素子の線膨張係数をα1、成形温度をTmとしたとき、
ΔD’ ≦ D1×Tm×(α1−αr)
の関係を有することが可能である。
本発明によれば、組み付け時の作業性を損なうことなく偏心を高精度で抑制可能な複合光学素子を得ることができる。また、構成部品が増加することもないため、製造コストを抑制することができる。更に、成形素材の不均一な広がりを防止することができ、安定した品質で製造することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は、メニスカス形状の基材レンズ24に成形レンズ25'(図4参照)を一体化して複合レンズ18(図4参照)を得るときの実施の形態を示している。なお、複合レンズの外径サイズに制約はないが、実用的には外径20mm以下とするのが好ましい。本実施形態では、複合レンズは外径10mm、中心肉厚3mmとした。但し、複合レンズの形状及び寸法はこれらのものに限定されない。
図1は、成形装置10の概略構成を示している。この成形装置10は、上下に対向配置された下側プレート11及び上側プレート12と、上側プレート12を下側プレート11に向けて押圧する加圧装置13を有している。下側プレート11は、基台14上に載置されている。また、下側プレート11と上側プレート12との間には、成形用金型としての金型組立体15が配置されている。更に、下側プレート11と上側プレート12の内部には夫々複数のヒータ16,17が内蔵されている。
これらのヒータ16,17として、本実施形態ではカートリッジヒータを採用しているが、下側プレート11と上側プレート12に内蔵する以外にも、例えば金型組立体15の側面に配置しても構わない。本実施形態では、金型組立体15は、下側プレート11と上側プレート12に内蔵されたヒータ16,17により上下両側から加熱される。また、金型組立体15は下側プレート11と上側プレート12に挟まれた状態で、加圧装置13により加圧される。
図2(a)(b)は、金型組立体15の常温時の組み立て状態の構成を示す図、図3(a)(b)は、金型組立体15の加熱時の成形状態の構成を示す図、図4は、成形で得られた複合レンズ18を示している。
金型組立体15は、対向配置された下型20及び上型21と、これらを嵌挿する円筒状のスリーブ22、このスリーブ22内に挿入されて下型20上に載置された位置規制部材23で構成されている。下型20及び上型21は、スリーブ22の両端側から、夫々の成形面20aと成形面21aが対向するように嵌挿され、上型21はスリーブ22の軸方向に摺動自在とされている。
また、光学素子としての基材レンズ24の一方の光学面24aと、これに対向する上型21の成形面21aとの間には球状の成形素材25が配置されている。更に、下型20には、基材レンズ24を下方から支持するための支持面20a、及びその周囲で位置規制部材23を載せるための載置面20bが形成されている。支持面20aは、基材レンズ24の他方の光学面(一方の光学面24aの反対側の面)に対応した近似形状を有している。
なお、図示していないが、下型20の支持面20aとして、例えば下型20の中心軸に沿って中空部を設け、基材レンズ24の外周部のみを支持するようにしてもよい。また、上型21の成形面21aには光学的な鏡面処理が施されている。
そして、上型21と下型20はスリーブ22に嵌挿された状態で、スリーブ22の内径中心軸に対して、上型21の成形面21aの中心軸及び下型20の支持面20aの中心軸が一致するように仕上げられている。
上型21、下型20、及びスリーブ22の材料としては、炭化タングステンなどの合金が使用される。また、位置規制部材23としては、耐熱性がありかつスリーブ22よりも大きい線膨張係数を有するステンレスなどが用いられる。
基材レンズ24はメニスカス形状のガラスレンズである。但し、メニスカス形状以外にも、表裏面のいずれか一方に凹形状を有するものであれば使用可能である。基材レンズ24は、中心軸が各光学面の光軸と一致するように、高精度に仕上げられている。成形素材25はボール形状のガラス素材である。但し、成形素材25の形状はボール形状以外にも、近似形状あるいは平行平板形状としてもよい。基材レンズ24及び成形素材25の材料は、ガラス以外の例えば熱可塑性樹脂で代用してもよい。
但し、基材レンズ24の材料と成形素材25の材料の組み合わせに関して、成形上の制約がある。そして、その組み合わせは次の条件を満足する範囲で選定する。基材レンズ24のガラスは、成形素材25のガラスよりも屈伏点あるいはガラス転移点が高いものを選ぶ。更に、両者の熱線膨張係数αがほぼ一致するものを選ぶ。
本実施形態では、例えば、次のような組み合わせを選んでいる。
基材レンズ24の屈伏点Atと熱線膨張係数α
At=586℃
α=95×10−7−1
成形素材25の屈伏点Atと熱線膨張係数α
At=549℃
α=71×10−7−1
位置規制部材23は、図2(b)に示すように、中央側の開口部26とこれに連通するスリットとしての切り込み部27が設けられた略C字形状をなしている。この位置規制部材23は、スリーブ22に挿入可能なように外径が調整されている。また、開口部26は、その内側に基材レンズ24が挿入可能なように内径が調整されている。更に、位置規制部材23は、その外径の中心軸と内径の中心軸とが一致するよう高精度に仕上げられている。
位置規制部材23の材料は、耐熱性があり、スリーブ22の熱線膨張係数αsよりも大きな熱線膨張係数αrを有する材料が使用される。ここではステンレス鋼を使用するものとする。なお、この材料以外にも、アルミニウム合金、銅合金、ニッケル合金、セラミックスなどを使用してもよい。また、位置規制部材23の切り込み部27の幅ΔL、及びスリーブ22の内径と位置規制部材23の外径との隙間ΔDは、次の条件を満足させる関係にある(図2(b)参照)。
ΔL ≧ 3.14×Dr×Tm×(αr−αs)
ΔD ≦ Dr×Tm×(αr−αs)
ただし、位置規制部材23の最外径をDr、位置規制部材23の熱線膨張係数をαr、スリーブ22の熱線膨張係数をαs、成形温度をTmとする。
本実施形態では、次のようにしている。
Dr=20mm
αr=170×10-7-1
αs=50×10-7-1
Tm=570℃
として、
ΔL ≧ 0.43mm
ΔD ≦ 0.14mm
となる。一例として、ΔL=2mm、ΔD=0.03mmに設定した。
次に、上記構成の金型組立体15を用いた複合レンズ18の製造方法を説明する。
図2(a)(b)に示すように、金型組立体15の組立工程では、まず下型20をスリーブ22に嵌挿する。位置規制部材23をスリーブ22に挿入して、下型20の載置面20bに載せる。なお、図示しないが、位置規制部材23が軸方向に変位するのを防止する押え部材を配置してもよい。
次に、基材レンズ24を位置規制部材23の開口部26に挿入し、これを下型20の支持面20a上に配置する。基材レンズ24の一方の光学面24a(凹面)上には成形素材25を載せる。この時、成形素材25はボール形状を有しているため、重力によって基材レンズ24の中央に移動して静止する。次に、上型21をスリーブ22に挿入し、上型21と下型20とで基材レンズ24と成形素材25を挟み込む。
次に、図3(a)(b)に示すように、金型組立体15の加熱工程では、金型組立体15を成形装置10の下側プレート11と上側プレート12の間に設置し、成形素材25をその成形温度まで加熱させる。この加熱によって、位置規制部材23が熱膨張する。この位置規制部材23は、その熱線膨張係数αrがスリーブ22の熱線膨張係数αsよりも大きいため、スリーブ22の熱膨張よりも大きな熱膨張が発生する。
また、位置規制部材23の外径とスリーブ22の内径との隙間ΔDが、予め所定量以下に設定されているため、加熱により位置規制部材23の外径がスリーブ22の内周面に当接するようになる。位置規制部材23は、その外径の熱膨張がスリーブ22の内径で規制され、弾性効果によって切り込み部27の幅ΔLが小さくなる方向へ変形し始める。
この変形が進行すると、位置規制部材23の開口部26の内径が小さくなり、基材レンズ24の外径とのクリアランスが狭まる。この場合、予め開口部26の内径と基材レンズ24の外径との差を調整しておく。そして、変形が完了した時点で、開口部26の内径が基材レンズ24を軽く押さえつけるようにする。この状態で、位置規制部材23の開口部26の内径中心軸がスリーブ22の内径中心軸と一致することで、基材レンズ24の外径中心軸はスリーブ22の内径中心軸と一致する。
更に、図3(a)(b)において、成形素材25の成形工程では、成形素材25が成形温度に加熱されて軟化状態になる。基材レンズ24は、このときの成形温度よりも屈伏点が高いため軟化しない。次いで、上型21を下型20に向けて移動させて成形素材25を加圧することで、上型21と基材レンズ24で挟まれた成形素材25が押し潰され、成形が進行する。
このとき、図4に示すように、成形素材25は変形しながら、上型21の成形面21aが転写されて成形レンズ25'が形成されると共に、この成形レンズ25'が基材レンズ24との境界面28で接合される。次に、金型組立体15を冷却して、成形レンズ25'を上型21から離型させれば、成形レンズ25'と基材レンズ24とが一体化した複合レンズ18が得られる。
この場合、成形工程で上型21の成形面21aの中心軸と基材レンズ24の外径中心軸とが一致するため、複合レンズ18は成形レンズ25'の中心軸が基材レンズ24の外径中心軸と一致するものになっている。なお、成形後は位置規制部材23と複合レンズ18とは分離する。
本実施の形態によれば、金型組立体15を組み立てる際、それぞれの部材には所定の隙間が設けられているため、作業性が損なわれない。また、加熱時の位置規制部材23の作用によって、基材レンズ24の外径中心軸が上型21の成形面21aの中心軸と一致する。このため、成形で得られる複合レンズ18内の偏心が抑制される。こうして、安定した品質の複合レンズ18を得ることができる。
(変形例)
図5〜図8は、位置規制部材としてC字型形状以外のものを用いた場合の変形例を示している。なお、基本的な内容は第1の実施の形態と同様であるため、相違点のみを以下に説明する。
図5に示すように、この位置規制部材123は、多角形の開口部126と切れ込み部127を有している。同図は多角形として正六角形タイプの例を示している。また、図6に示すように、この位置規制部材223は、多角形の開口部226と切れ込み部227を有している。同図6は、多角形として正方形タイプの例を示している。
この図5及び図6において、位置規制部材123,223の最外径は外側の多角形の各頂点を結ぶ外接円になり、最内径は内側の多角形の各辺に接する内接円になる。図5のタイプは外周部の辺の幅wがほぼ均等であるが、図6のタイプは各辺の中央部の幅wを狭くしている。このように、各辺の中央部の幅wを狭くすることで、弾性変形する際に発生する荷重を軽減することができる。
更に、図7は、位置規制部材323として環状の一部を切断し、その端部を重ね合わせたものを示している。なお、多角形の一部を切断し、その端部を重ね合わせたものを用いても良い。この位置規制部材323には、円形の開口部326と重ね合せ部327が設けられている。
図8には、他の位置規制部材423として、外径の中心軸400を含む面401に対称なものを示している。同図では、環状の一部を中心軸に対して切断した本体部423aを連結部423bで連結した面対称な位置規制部材423の例を示している。
以上の変形例において、位置規制部材123〜423の形状等が次の条件を満足するようにする。
位置規制部材123〜423の最外径は、スリーブ22に挿入可能なように大きさが調整されている。開口部126〜426は、その内側に基材レンズ24が挿入可能なように最内径の大きさが調整されている。さらに、位置規制部材123〜423は、その最外径中心軸と開口部126〜426の最内径中心軸が一致するように仕上げられている。
位置規制部材123〜423の材料は、耐熱性があり、スリーブの熱線膨張係数αsよりも大きい熱線膨張係数αrを有する材料が使用される。この変形例ではステンレス鋼を使用する。但し、アルミニウム合金、銅合金、セラミックスなどを使用してもよい。位置規制部材123〜423の切れ込み部127等の幅ΔL、及びスリーブ22の内径と位置規制部材123〜423の最外径との隙間ΔDは、次の条件を満足するものである。
ΔL ≧ 3.14×Dr×Tm×(αr−αs)
ΔD ≦ Dr×Tm×(αr−αs)
ここで、位置規制部材123〜423の最外径をDr、位置規制部材123〜423の熱線膨張係数をαr、スリーブ型の熱線膨張係数をαs、成形温度をTmとする。なお、重ね合せ部327を有する図7及び図8のタイプではΔDの条件のみを満足させる。
本変形例によれば、作業性を低下させることなく、複合レンズ内の偏心を抑制することができる。加えて、図5及び図6の位置規制部材123、223では、C字型のものよりも外周部の幅を狭くできるため、弾性変形しやすくなり、よって、スリーブ22の耐久性が向上する。
図7の位置規制部材323では、ワッシャと同様の製造工程で加工することができるため、加工費を抑えることができる。
図8の位置規制部材423では、構成部材の量が少なくなるため、弾性変形しやすいという効果と共に、部材の使用量を少なくすることができる。したがって、スリーブ22の耐久性が向上するとともに、位置規制部材のコストを抑えることができる。
(第2の実施の形態)
図9(a)(b)〜図11は、両凸形状の基材レンズ24に成形レンズ25'(図11参照)を一体化して複合レンズを得るときの実施の形態を示している。なお、基本的には第1の実施の形態と同様であり、同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
また、基材レンズ24としては、成形素材25との境界面側が曲率半径の大きい凹面、平面、又は凸形状のものを用いるのが好ましい。更に、成形素材25は、ボール形状、近似形状、平行平板形状等のガラス素材を用いることができる。
金型組立体15は、第1の実施の形態と同様に、対向配置された下型20及び上型21と、これらを嵌挿する円筒状のスリーブ22、このスリーブ22内に挿入されて下型20上に載置された位置規制部材23を有している。下型20及び上型21は、スリーブ22の両端側から、夫々の支持面20aと成形面21aが対向するように嵌挿され、上型21はスリーブ22の軸方向に摺動自在とされている。
下型20には基材レンズ24を支持するための支持面20a、及び位置規制部材23を載せるための載置面20bが設けられている。支持面20aは基材レンズ24の他方の光学面に対応した近似形状を有している。また、上型21の成形面21aには光学的な鏡面処理が施されている。
この場合、上型21と下型20はスリーブ22に嵌挿された状態で、スリーブ22の内径中心軸に対して、上型21の成形面21aの中心軸及び下型20の支持面20aの中心軸が一致するように仕上げられている。また、下型20の支持面20a上には、光学材料としての基材レンズ24が配置され、この基材レンズ24の一方の光学面24aと上型21の成形面21aとの間には、球状の成形素材25が配置されている。
上型21、下型20、スリーブ22の材料としては、炭化タングステンなどの合金が使用される。また、位置規制部材23としては、耐熱性がありかつスリーブ22よりも大きい線膨張係数を有するステンレスなどが用いられる。
本実施の形態では、成形素材25の位置出しを行うための複数の位置出し部材30を有している。そして、スリーブ22には、予め、その側面に複数の貫通孔31を設けておく。この貫通孔31は、位置出し部材30が挿入可能な大きさで、組み立て状態において、成形素材25が配置される高さと略同じ位置に設けられる。貫通孔31の数は少なくとも2個設ければ良いが、安定性を考慮すると3個以上設けるのが好ましい。図9(a)(b)では4個の貫通孔31を設けた例を示している。
位置出し部材30は、棒状の形状であり軸方向の一端に膨大部30aを有している。この位置出し部材30の長さ、特に、成形素材25に近接する側の端部から膨大部30aまでの寸法は、成形素材25を上型21及び下型20の中心軸に略一致して位置決め保持できるよう、高精度に仕上げられている。また、この位置出し部材30の成形素材25に近接する側の断面は、円形又は角形等で、その大きさは成形素材25よりも小さめに設定しておく。更に、位置出し部材30の材料は寸法精度を確保できる材料、例えば、金属、セラミックス、樹脂等を用いている。
次に、本実施の形態の金型組立体15を用いた複合レンズ18の製造方法を説明する。
図9(a)(b)に示すように、金型組立体15において、基材レンズ24を支持面20aの上に配置しておく。本実施の形態では、基材レンズ24が両凸形状を有しているため、成形素材25を配置する際、非常に不安定な状態になる。そこで、成形素材25の配置状態を安定化させるため、4本の位置出し部材30をスリーブ22側面の各貫通孔31に挿入する。成形素材25は、各位置出し部材30で構成された中央部の空間に落とし込む。位置出し部材30をさらに押し込むことで、成形素材25が位置出しされ、基材レンズ24の上の中央部に配置される。
次に、加熱、成形工程では、図10において、上型21をスリーブ22に挿入し、下型20と上型21の間に基材レンズ24と成形素材25を挟み込んだ状態にする。挟み込みによって基材レンズ24と成形素材25が保持されたことを確認して、各位置出し部材30を静かに外側に退避させながら抜き取る。加熱工程では、成形素材25が成形温度に加熱されて軟化状態になる。基材レンズ24は、このときの成形温度よりも屈伏点が高いため軟化しない。
次いで、成形工程では、上型21を下型20に向けて移動させて成形素材25を加圧することで、上型21と基材レンズ24で挟まれた成形素材25が押し潰され、成形が進行する。
なお、図示していないが、次の成形工程において上型21の下降に伴い、自動的に位置出し部材30を退避させる退避機構を設けておいてもよい。
金型組立体15の加熱工程、および、成形工程を完了すると、図11に示すように、成形レンズ25'と基材レンズ24とが境界面28で一体化した複合レンズ18が得られる。このとき、成形段階で上型21の成形面21aの中心軸と基材レンズ24の外径中心軸とが一致するため、複合レンズ18は成形レンズ25'の中心軸が基材レンズ24の外径中心軸と一致するものになっている。
本実施形態によれば、金型組立体15を組み立てる際、それぞれの部材には所定の隙間が設けられているため、作業性が損なわれない。また、加熱時の位置規制部材30の作用によって、基材レンズ24の外径中心軸が上型21の成形面21aの中心軸と一致する。そのため、成形で得られる複合レンズ18内の偏心が抑制される。
成形素材25は、位置出し部材30で基材レンズ24上の中央部に配置することができるため、片寄りの非常に少ない成形レンズ25'が得られる。上記製造方法および金型組立体15を使用することで、安定した品質の複合レンズ18を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図12(a)(b)〜図13(a)(b)は、位置規制部材23'として基材レンズ24よりも小さな線膨張係数を有する材料を用い、基材レンズ24に成形レンズ25を一体化して複合レンズを得るときの実施の形態を示している。図示していないが、本実施の形態は第2の実施の形態へも応用が可能である。なお、基本的には第1の実施の形態と同様であり、同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
金型組立体15は、第1の実施の形態と同様に、対向配置された下型20及び上型21と、これらを嵌挿する円筒状のスリーブ22、このスリーブ22内に挿入されて下型20上に載置された位置規制部材23'を有している。下型20及び上型21は、スリーブ22の両端側から、夫々の支持面20aと成形面21aが対向するように嵌挿され、上型21はスリーブ22の軸方向に摺動自在とされている。
下型20には基材レンズ24を支持するための支持面20a、及び位置規制部材23'を載せるための載置面20bが設けられている。支持面20aは基材レンズ24の他方の光学面に対応した近似形状を有している。また、上型21の成形面21aには光学的な鏡面処理が施されている。上型21、下型20、スリーブ22の材料としては、炭化タングステンなどの合金が使用される。
上型21と下型20はスリーブ22に嵌挿された状態で、スリーブ22の内径中心軸に対して、上型21の成形面21aの中心軸及び下型20の支持面20aの中心軸が一致するように仕上げられている。また、下型20の支持面20a上には、光学材料としての基材レンズ24が配置され、この基材レンズ24の一方の光学面24aと上型21の成形面21aとの間には、球状の成形素材25が配置されている。
位置規制部材23'は、図12(b)に示すように、中央の開口部26とこれに連通する切り込み部27が設けられた略C字形状をなしている。形状については、第1の実施の形態において変形例として示した形状を用いることが可能である。この位置規制部材23'は、スリーブ22に挿入可能なように外径が調整されている。また、開口部26は、その内側に基材レンズ24が挿入可能なように内径が調整されている。更に、位置規制部材23'は、その外径の中心軸と内径の中心軸とが一致するよう高精度に仕上げられている。
位置規制部材23'としては、耐熱性があり、かつ基材レンズ24よりも小さな線膨張係数を有する金属、例えば炭化タングステンなどの合金が用いられる。この材料以外にも、線膨張係数の小さいセラミックスを使用してもよい。また、基材レンズ24の外形と位置規制部材23'の内径との隙間ΔD'は、次の条件を満足させる関係にある(図12(b)参照)。
ΔD' ≦ D1×Tm×(α1−αr)
ただし、基材レンズ24の外周面の直径をD1、位置規制部材23'の熱線膨張係数をαr、基材レンズ24の熱線膨張係数をα1、成形温度をTmとする。
本実施形態では、次のようにしている。
D1=10mm
αr=50×10-7-1
α1=95×10-7-1
Tm=570℃
として、
ΔD' ≦ 0.03mm
となる。一例として、ΔD'=0.02mmに設定した。
次に、本実施の形態の金型組立体15を用いた複合レンズ18の製造方法を説明する。
図12(a)(b)に示すように、金型組立体15において、基材レンズ24を位置規制部材23'の開口部26に挿入し、これを支持面20aの上に配置しておく。基材レンズ24の一方の光学面24a(凹面)上には成形素材25を載せる。この時、成形素材25はボール形状を有しているため、重力によって基材レンズ24の中央に移動して静止する。次に、上型21をスリーブ22に挿入し、上型21と下型20とで基材レンズ24と成形素材25を挟み込む。
次に、加熱、成形工程を図13(a)(b)に示す。成形素材25が成形温度に加熱されて軟化状態になる。基材レンズ24は、このときの成形温度よりも屈伏点が高いため軟化しない。この加熱によって、位置規制部材23'及び基材レンズ24が熱膨張する。位置規制部材23'は、その熱線膨張係数αrが基材レンズ24の熱線膨張係数α1よりも小さいため、相対的に基材レンズ24の熱膨張よりも小さな熱膨張が発生する。
また、位置規制部材23'の内径と基材レンズ24の外径との隙間ΔD'が、予め所定量以下に設定されているため、加熱により位置規制部材23'の内径が基材レンズ24の外径に当接するようになる。位置規制部材23'は開口部26に挿入されている基材レンズ24の熱膨張によって切り込み部ΔLの幅が広がる方向へ変形し始める。
この変形が進行すると、位置規制部材23'の外径が大きくなり、スリーブ22の内周面とのクリアランスが狭まる。この場合、予め位置規制部材23'の外径とスリーブ22の内周面の直径との差を調整しておく。そして、変形が完了した時点で、位置規制部材23'の外径がスリーブ22の内周面に密接するようにする。この状態で、位置規制部材23'の開口部26の内径中心軸がスリーブ22の内径中心軸と一致することで、基材レンズ24の外径中心軸はスリーブ22の内径中心軸と一致する。
成形工程では、上型21を下型20に向けて移動させて成形素材25を加圧することで、上型21と基材レンズ24で挟まれた成形素材25が押し潰され、成形が進行する。
金型組立体15の加熱工程、及び成形工程を完了すると、成形レンズ25’と基材レンズ24とが境界面28で一体化した複合レンズ18が得られる(図4,図11参照)。このとき、成形段階で上型21の成形面21aの中心軸と基材レンズ24の外径中心軸とが一致するため、複合レンズ18は成形レンズ25’の中心軸が基材レンズ24の外径中心軸と一致するものになっている。なお、成形後は位置規制部材23’と複合レンズ18とは分離する。
本実施の形態によれば、金型組立体15を組み立てる際、それぞれの部材には所定の隙間が設けられているため、作業性が損なわれない。また、加熱時の位置規制部材23'の作用によって、基材レンズ24の外径中心軸が上型21の成形面21aの中心軸と一致する。そのため、成形で得られる複合レンズ18内の偏心が抑制される。こうして、安定した品質の複合レンズ18を得ることができる。
成形装置の概略構成を示す図である。 (a)は第1の実施の形態の成形用金型の常温時の断面正面図、(b)はそのA−A断面図である。 (a)は第1の実施の形態の成形用金型の加熱時の断面正面図、(b)はそのB−B断面図である。 第1の実施の形態で得られた複合レンズを示す図である。 位置規制部材の形状を示す図である。 位置規制部材の形状を示す図である。 位置規制部材の形状を示す図である。 位置規制部材の形状を示す図である。 (a)は第2の実施の形態の成形用金型の常温時の断面正面図、(b)はその上面図である。 第2の実施の形態の成形用金型の加熱時の断面正面図である。 第2の実施の形態で得られた複合レンズを示す図である。 (a)は第3の実施の形態の成形用金型の常温時の断面正面図、(b)はそのA−A断面図である。 (a)は第3の実施の形態の成形用金型の加熱時の断面正面図、(b)はそのB−B断面図である。
符号の説明
10 成形装置
11 下側プレート
12 上側プレート
13 加圧装置
15 金型組立体
18 複合レンズ
20 下型
20a 支持面
20b 載置面
21 上型
21a 成形面
22 スリーブ
23 位置規制部材
23' 位置規制部材
24 基材レンズ
24a 一方の光学面
25 成形素材
25' 成形レンズ
26 開口部
27 切り込み部
28 境界面
30 位置出し部材
31 貫通孔

Claims (14)

  1. 基材側の光学素子の一方の光学面と、これに対向する金型の成形面との間に成形素材を配置し、これら光学素子と成形素材を所定の成形温度に加熱して押圧し、前記光学素子の一方の光学面に前記成形素材を一体的に接合する複合光学素子の製造方法において、
    前記光学素子は、前記成形素材よりも屈服点、又はガラス転移点が高く、
    前記金型を嵌挿するスリーブ型に内挿され、このスリーブ型の内周面と前記光学素子の外周面との間に配置されて該光学素子の位置を規制する位置規制部材を有し、
    該位置規制部材および前記光学素子のうちの少なくとも一方は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
    前記位置規制部材は、その外接円の周方向の一部に形成されたスリットを有し、
    前記光学素子と前記成形素材の加熱を開始すると、前記スリットの幅が広がり前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差が小さくなり、前記位置規制部材の外径と前記スリーブ型の内周面とが密接する、
    ことを特徴とする複合光学素子の製造方法。
  2. 前記位置規制部材の外周部の少なくとも一部の幅は、前記位置規制部材の内接円と外接円との間の領域の幅よりも狭い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合光学素子の製造方法。
  3. 前記位置規制部材の外周部は、該外周部の内側および外側を多角形とした形状を、該外周部の各辺の中央部の幅が、該各辺の両端部の幅よりも狭くなるようにした形状である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の複合光学素子の製造方法。
  4. 前記位置規制部材は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
    加熱時に、熱膨張した前記位置規制部材の外周部が前記スリーブ型の内周面に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記光学素子の外周面を挟持し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  5. 前記位置規制部材は、前記光学素子の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有し、
    加熱時に、熱膨張した前記光学素子の外周面が前記位置規制部材の内周部に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記スリーブ型の内周面に密接し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  6. 前記位置規制部材の前記スリットの幅ΔLと、前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差ΔDは、前記位置規制部材の外接円の直径をDr、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記スリーブ型の線膨張係数をαs、成形温度をTmとしたとき、
    ΔL ≧ 3.14×Dr×Tm×(αr−αs)
    ΔD ≦ Dr×Tm×(αr−αs)
    の関係を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  7. 前記光学素子の外周面の直径と前記位置規制部材の内接円の直径との差ΔD’は、前記光学素子の外周面の直径D1、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記光学素子の線膨張係数をα1、成形温度をTmとしたとき、
    ΔD’ ≦ D1×Tm×(α1−αr)
    の関係を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  8. 基材側の光学素子の一方の光学面と、該一方の光学面に対向する金型の成形面との間に成形素材を配置し、これら光学素子と成形素材を所定の成形温度に加熱して押圧し、前記光学素子の一方の光学面に前記成形素材を一体的に接合する複合光学素子の成形用金型において、
    前記金型を嵌挿するスリーブ型と、
    該スリーブ型に内挿され、該スリーブ型の内周面と前記光学素子の外周面との間に配置されて前記光学素子の位置を規制する位置規制部材と、を備え、
    前記光学素子は、前記成形素材よりも屈服点、又はガラス転移点が高く、
    前記位置規制部材および前記光学素子のうちの少なくとも一方は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
    前記位置規制部材は、その外接円の周方向の一部に形成されたスリットを有し、
    前記光学素子と前記成形素材の加熱を開始すると、前記スリットの幅が広がり前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差が小さくなり、前記位置規制部材の外径と前記スリーブ型の内周面とが密接する、
    ことを特徴とする複合光学素子の成形用金型。
  9. 前記位置規制部材の外周部の少なくとも一部の幅は、前記位置規制部材の内接円と外接円との間の領域の幅よりも狭い、
    ことを特徴とする請求項8に記載の複合光学素子の成形用金型。
  10. 前記位置規制部材の外周部は、該外周部の内側および外側を多角形とした形状を、該外周部の各辺の中央部の幅が、該各辺の両端部の幅よりも狭くなるようにした形状である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の複合光学素子の成形用金型。
  11. 前記位置規制部材は、前記スリーブ型の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有し、
    加熱時に、熱膨張した前記位置規制部材の外周部が前記スリーブ型の内周面に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記光学素子の外周面を挟持し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした、
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の複合光学素子の成形用金型。
  12. 前記位置規制部材は、前記光学素子の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有し、
    加熱時に、熱膨張した前記光学素子の外周面が前記位置規制部材の内周部に当接して弾性変形し、該位置規制部材が前記スリーブ型の内周面に密接し、前記スリーブ型の内周面の中心軸と該光学素子の外周面の中心軸とが略一致するようにした、
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の複合光学素子の成形用金型。
  13. 前記位置規制部材の前記スリットの幅ΔLと、前記スリーブ型の内周面の直径と前記位置規制部材の外接円との直径の差ΔDは、前記位置規制部材の外接円の直径をDr、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記スリーブ型の線膨張係数をαs、成形温度をTmとしたとき、
    ΔL ≧ 3.14×Dr×Tm×(αr−αs)
    ΔD ≦ Dr×Tm×(αr−αs)
    の関係を有する、
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の複合光学素子の成形用金型。
  14. 前記光学素子の外周面の直径と前記位置規制部材の内接円の直径との差ΔD’は、前記光学素子の外周面の直径D1、前記位置規制部材の線膨張係数をαr、前記光学素子の線膨張係数をα1、成形温度をTmとしたとき、
    ΔD’ ≦ D1×Tm×(α1−αr)
    の関係を有する、
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の複合光学素子の成形用金型。
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