JP4767137B2 - シールド線の止水方法および止水構造 - Google Patents
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Description
前記ドレン線3は多数本の導電性の素線からなり、絶縁被覆がされていないものであり、金属編組のチューブあるいは金属箔からなる前記シールド層4と接触させている。
また、ドレン線3に絶縁被覆電線9をスプライス接続して、シールド線を機器(例えば、ECU)に接続しているため、加工費用がかかり、コスト高となる点にも問題がある。
さらに、シールド電線の皮剥ぎ長さは、前記スプライス処理に必要な長さ(150mm以上)となり、皮剥ぎ長さが長くなることによるシールド性能の低下も問題である。
前記外部に引き出されたドレン線に非防水熱収縮チューブを被せて疑似被覆電線化し、 前記疑似被覆電線化したドレン線あるいは/およびコア電線の先端側からホットメルトチューブを通して、前記皮剥ぎ端側のドレン線あるいは/およびコア電線を被覆する位置まで移動させ、
さらに、内周面に止水剤が塗布されている防水熱収縮チューブを前記非防水熱収縮チューブの先端側から通して、前記ホットメルトチューブの外周位置および前記シールド線の先端側外周位置を被覆する位置まで移動させ、
その後、加熱処理して、前記非防水熱収縮チューブおよび防水熱収縮チューブを加熱収縮すると共に、前記ホットメルトチューブおよび防水熱収縮チューブの止水剤を溶融し、前記皮剥ぎ端よりも先端側では、該防水熱収縮チューブの内周面と前記ドレン線に被せた非防水熱収縮チューブと前記コア電線の外周面との間に前記止水剤を充填すると共に、前記ドレン線に被せた非防水熱収縮チューブとコア電線で囲まれた隙間にホットメルトを充填する一方、前記皮剥ぎ端よりも後端側では、防水熱収縮チューブの内周面と前記シールド線の外周面との間に前記止水剤を充填し、
前記シールド線先端の皮剥ぎ端から引き出したドレン線の端末およびコア電線の端末にそれぞれ端子を圧着接続することを特徴とするシールド線の止水方法を提供している。
なお、ホットメルトチューブとは、熱溶融性接着剤で形成された収縮チューブであり、低温(常温)では円筒状の形状であるが、加熱すると溶融するものである。
また、ドレン線に被覆した非防水熱収縮チューブの前記皮剥ぎ端側の端部と前記皮剥ぎ端との間に隙間を設けてドレン線を露出させておくと、該隙間からドレン線の素線間にも溶融したホットメルトが充填され、さらに確実な止水処理を施すことができる。
さらに、前記防水熱収縮チューブを被覆した位置の電線間にホットメルトや止水剤を充填しているが、その止水箇所の外径増加は微量であり、従来のように、シリコンを塗布したり樹脂でモールドする止水方法に比して、止水箇所を大幅にスリム化できる。
さらに、ドレン線に熱収縮チューブを被せて擬似被覆電線状とすることにより、従来行われていた一般電線とドレン線とのスプライス接続が不要となる。これにより、電線や端子などの部材費用と加工費用を削減できる。さらに、スプライス接続が不要であるため、シールド線の先端皮剥ぎ長さを最短の40mmまで加工することができ、皮剥区間を短くすることでシールド性能の向上を図ることができる。
さらにまた、前記防水熱収縮チューブを透明にすると、該防水熱収縮チューブの内周面に設けた止水剤の充填状態を外部から目視することもできる。
前記引き出されたドレン線に被覆して疑似被覆電線化している非防水熱収縮チューブと、
前記非防水熱収縮チューブから前記シールド線の前記皮剥ぎ端側外周にかけて被覆している防水熱収縮チューブと、
前記ドレン線に被覆した非防水熱収縮チューブと前記コア電線との隙間に充填固化しているホットメルトと、
前記防水熱収縮チューブの内周面とドレン線に被覆した非防水熱収縮チューブとコア電線の外周面との間および前記防水熱収縮チューブの内周面とシールド線の外周面との間に充填される前記防水熱収縮チューブの内周面に塗布されている止水剤と、
を備えていることを特徴とするシールド線の止水構造を提供している。
このように、非防水熱収縮チューブの端子接続側にゴム栓を取り付けると、非防水熱収縮チューブの端子接続側端面からの浸水も完全に防止することができる。よって、シールド線の端末から引き出され、その先端に端子が圧着接続されたドレン線は、シールド線の端末から端子接続部までを完全に止水することができる。
また、ドレン線に非防水熱収縮チューブと防水熱収縮チューブを被覆して疑似被覆電線化しているため、ドレン線だけの場合と比較して曲がりにくくなり、ドレン線先端の端子をコネクタ内に挿入して相手型端子との接続時に直進性が保持でき、コネクタ接続作業を容易とすることができる。
例えば、ドレン線端末の端子を、他のコア電線の端末に接続された端子と共に止水コネクタに挿入係止し、該止水コネクタをエンジンルームに搭載されるECUのコネクタ嵌合部に嵌合している。
これにより、ドレン線を伝って機器内部に水が浸透することを防止でき、機器の不具合発生を防止できる。
また、前記後端側の皮剥ぎ端を防水熱収縮チューブで被覆する構成に代えて、前記シールド線が中間皮剥ぎされ、該中間皮剥ぎ位置に、内面に止水剤が塗布されたグロメットが外装され、前記止水剤が前記グロメットの内面とドレン線およびコア電線の外周面との間に充填されている構成としてもよい。
前記構成によれば、シールド線の後端側の皮剥ぎ端から先端側への浸水を防止することができ、前記後端側の皮剥ぎ端が防水領域に配置されていても、ドレン線を伝ってコネクタ側へ浸水するのを防止することができる。
また、前記ホットメルトの充填を、ホットメルトチューブをドレン線あるいは/およびコア電線の所要箇所に被せ、熱収縮チューブを加熱収縮させる際に溶融させて行っているため、ホットメルトを滴下する必要がなく、ホットメルトの充填作業を容易にすることができる。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態を示し、シールド線10は自動車のエンジンルームの防水領域に配線され、該シールド線10の端末をコネクタ30に接続し、該コネクタ30を防水領域に配置するECU(図示せず)のコネクタ収容部に嵌合するものである。
前記シールド線10の皮剥端末から引き出されるドレン線に止水処理を施している。
前記シールド線10は、先端から40mm程度のシース14およびシールド層13を切断剥離してドレン線11とコア電線12とを引き出し、各コア電線12およびドレン線11の端末にコネクタ30に挿入係止される端子20を圧着接続している。
このようにして防水熱収縮チューブ17の前後両端を完全に止水処理している。
また、非防水熱収縮チューブ15の先端15aと端子20の圧着部との境界部分にはゴム栓21を取り付けている。ゴム栓21は他のコア電線12と端子20との境界部分にも装着している。
なお、本実施形態では、シールド線10の後端側の皮剥ぎ端10bから引き出すコア電線12が2本であるため、皮剥ぎ端10bに防水熱収縮チューブ16を被せた防水処理で十分であるが、コア電線12が3本以上の場合にはコア電線12で囲まれた隙間に防水熱収縮チューブ16の止水剤が充填されにくいため、所要のコア電線12にホットメルトチューブを被せて、溶融させたホットメルトをコア電線12で囲まれた隙間に充填してもよい。
まず、シールド線10を先端から、前記したように、シース14および金属箔からなるシールド層13を所要寸法切除して、所謂皮剥を行い、図4(A)に示すように、皮剥ぎ端10aからコア電線12とドレン線11とを外部に引き出す。
次いで、図4(C)に示すように、非防水熱収縮チューブ15が被覆されたドレン線11にさらに先端側からホットメルトチューブ19を被せ、該ホットメルトチューブ19の後端19aと皮剥ぎ端10aとを位置合わせする。
次いで、図4(D)に示すように、1本のドレン線11と2本のコア電線12をまとめて先端側から1つの防水熱収縮チューブ17に通し、該防水熱収縮チューブ17を非防水熱収縮チューブ15の後端15bと皮剥ぎ端10aを跨ぐようにして被せる。
これら3つの非防水熱収縮チューブ15、ホットメルトチューブ19、防水熱収縮チューブ17をシールド線10に被せた後、非防水熱収縮チューブ15と防水熱収縮チューブ17を熱収縮し、各電線の所要領域を非防水熱収縮チューブ15および防水熱収縮チューブ17で密着被覆する。
このとき、防水熱収縮チューブの先端17a側では、防水熱収縮チューブ17の内周面とドレン線11に被せた非防水熱収縮チューブ15の外周面とコア電線12の外周面との間に止水剤18とホットメルトチューブ19が溶融したホットメルト19’が充填される一方、後端17b側では、防水熱収縮チューブ17の内周面とシース14の外周面との間に止水剤18が充填され、防水熱収縮チューブ17の前後両端からの浸水を防止できる。
このとき、防水熱収縮チューブ16の先端側(図2中、左側)では、防水熱収縮チューブ16の内周面とシース14の外周面との間に防水熱収縮チューブ16の内周面に設けた止水剤(図示せず)が充填される一方、後端側(図2中、右側)では、防水熱収縮チューブ17の内周面とコア電線12の外周面との間に止水剤が充填され、皮剥ぎ端10bも止水処理している。
よって、皮剥ぎ端10aに被せた防水熱収縮チューブ17の前後両端で止水できるため、非防水熱収縮チューブ15の後端15bと皮剥ぎ端10aの間からのドレン線11への浸水を防止することができる。
一方、非防水熱収縮チューブ15の先端15a側では、端子20との境界部分をゴム栓21で被覆しているため、先端側からの浸水も防止できる。
さらに、シールド線10の他端側の皮剥ぎ端10bからはドレン線11を引き出さずに、皮剥ぎ端10bに防水熱収縮チューブ16を被せて止水しているため、ドレン線11の他端側からの浸水も防止することができる。
なお、本実施形態ではホットメルトチューブ19をドレン線11に被せたが、コア電線12に被せてもよい。また、コア電線12が3本以上の場合には、ドレン線11とコア電線12共に、あるいは、複数本のコア電線12にホットメルトチューブ19を被せて、ドレン線11とコア電線12との間に溶融したホットメルト19’を充填している。
また、シールド線10のシールド層13は、金属箔に替えて金属編組のチューブより形成してもよい。
本実施形態では、非防水熱収縮チューブ15の後端15bと皮剥ぎ端10aとの間に隙間を設けており、該隙間よりホットメルトチューブ19が溶融したホットメルト19’をドレン線11の素線間にも充填して線間止水している。
また、ドレン線11の素線間を線間止水しているため、第1実施形態のようにシールド線10の後端側の皮剥ぎ端に設けた止水構造が不要となる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、シールド線10の他端側のシース14とシールド層13を中間皮剥ぎしており、この中間皮剥ぎ位置にグロメット22を取り付け、該グロメット22内に止水剤23を充填している。グロメット22内に充填した止水剤23は、中間皮剥ぎ位置からシールド線10の内部に浸透し、図7(B)に示すように、グロメット22の内周面とドレン線11、コア電線12の外周面との隙間およびドレン線11の線間に充填されている。
11 ドレン線
12 絶縁被覆電線(コア電線)
13 シールド層
14 シース
15 非防水熱収縮チューブ
16、17 防水熱収縮チューブ
18 止水剤
19 ホットメルトチューブ
19’ ホットメルト
20 端子
21 ゴム栓
22 グロメット
Claims (6)
- シールド線先端の皮剥ぎ端からドレン線とコア電線を外部に引き出し、
前記外部に引き出されたドレン線に非防水熱収縮チューブを被せて疑似被覆電線化し、 前記疑似被覆電線化したドレン線あるいは/およびコア電線の先端側からホットメルトチューブを通して、前記皮剥ぎ端側のドレン線あるいは/およびコア電線を被覆する位置まで移動させ、
さらに、内周面に止水剤が塗布されている防水熱収縮チューブを前記非防水熱収縮チューブの先端側から通して、前記ホットメルトチューブの外周位置および前記シールド線の先端側外周位置を被覆する位置まで移動させ、
その後、加熱処理して、前記非防水熱収縮チューブおよび防水熱収縮チューブを加熱収縮すると共に、前記ホットメルトチューブおよび防水熱収縮チューブの止水剤を溶融し、前記皮剥ぎ端よりも先端側では、該防水熱収縮チューブの内周面と前記ドレン線に被せた非防水熱収縮チューブと前記コア電線の外周面との間に前記止水剤を充填すると共に、前記ドレン線に被せた非防水熱収縮チューブとコア電線で囲まれた隙間にホットメルトを充填する一方、前記皮剥ぎ端よりも後端側では、防水熱収縮チューブの内周面と前記シールド線の外周面との間に前記止水剤を充填し、
前記シールド線先端の皮剥ぎ端から引き出したドレン線の端末およびコア電線の端末にそれぞれ端子を圧着接続することを特徴とするシールド線の止水方法。 - 請求項1に記載の方法で製造され、前記シールド線先端の皮剥ぎ端から前記ドレン線およびコア電線が40mm以上150mm以下の長さで外部に引き出されているシールド線の止水構造。
- シールド線先端の皮剥ぎ端から引き出されると共に、該引き出された端末に端子が圧着接続されているドレン線とコア電線と、
前記引き出されたドレン線に被覆して疑似被覆電線化している非防水熱収縮チューブと、
前記非防水熱収縮チューブから前記シールド線の前記皮剥ぎ端側外周にかけて被覆している防水熱収縮チューブと、
前記ドレン線に被覆した非防水熱収縮チューブと前記コア電線との隙間に充填固化しているホットメルトと、
前記防水熱収縮チューブの内周面とドレン線に被覆した非防水熱収縮チューブとコア電線の外周面との間および前記防水熱収縮チューブの内周面とシールド線の外周面との間に充填される前記防水熱収縮チューブの内周面に塗布されている止水剤と、
を備えていることを特徴とするシールド線の止水構造。 - 前記ドレン線は前記皮剥ぎ端から引き出された端末に接続した前記端子と前記非防水熱収縮チューブの間に止水ゴム栓が装着され、前記端子は止水コネクタに接続され、かつ、前記防水熱収縮チューブは透明である請求項2または請求項3に記載のシールド線の止水構造。
- 前記シールド線の前記皮剥ぎ端と反対側の皮剥ぎ端からは前記ドレン線が外部に引き出されずに前記コア電線のみが引き出されており、前記後端側の皮剥ぎ端が防水熱収縮チューブで被覆されている請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のシールド線の止水構造。
- 前記シールド線が中間皮剥ぎされ、該中間皮剥ぎ位置に、内面に止水剤が塗布されたグロメットが外装され、前記止水剤が前記グロメットの内面とドレン線およびコア電線の外周面との間に充填されている請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のシールド線の止水構造。
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