JP4761838B2 - タンパク質溶液の析出物を判定する方法及びシステム - Google Patents
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Description
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は、本発明において観察対象の溶液においてタンパク質の結晶化(析出)をさせるための説明図である。本実施形態においては、タンパク質の結晶を得るためにマイクロバッチ法を用いた。
まず、沈殿剤を加えた微量のタンパク質溶液1を、オイル層中2に静置させる(図2(a))。続いて、沈殿剤を加えた微量のタンパク質溶液1内において、タンパク質の結晶3の有無を確認する。マイクロバッチ法は、図2(b)に示すように、微量試料でも適用可能なように改良されたバッチ法のバッチ効果4だけでなく、沈殿剤を加えた微量のタンパク質溶液1のオイル層への水分拡散効果5も生じさせ、溶解度曲線6の上側においてタンパク質の結晶3を得る方法である。
本発明は、計算処理過程において、原画像データ43の色情報を必要としない。グレースケール化部12は、例えば、RGB各色が256階調である原画像データ43を、256階調のグレースケール画像に変換する。
本発明のタンパク質結晶状態を判定する方法及びシステムは、グレースケール化を行った画像データに対して、処理対象の領域、すなわち、画像中のタンパク質溶液部分のみを切り出す。画像切り出し部14は、例えば、画像サイズが1392×1040画素である画像データを、処理対象の領域として450×450画素の画像サイズに切り出す。
次に、前処理部10は、画像の切り出しを行った画像データに対して画像中の析出物の輪郭線を検出する代表的な手法の一つであるSobel変換を行なう。Sobel変換部16は、図4(a)に示すように、画像の各画素値を、処理前の画像の対応するスターで示す画素52の画素値とその周囲の近傍にある8つの黒丸で示す画素54の画素値との総合的な差(勾配の大きさを表わす)に置き換えることができる。従って、図4(b)に示すように、処理前の画像中にある析出物と背景の境界といったような、急激に画素値が変化する部分56において勾配は大きな値となり、その部分の画素値も大きくなる。なお、勾配の大きさが、グレースケール画像で表現できる最大階調値である255以上の値となった場合には、勾配の大きさは255とする。
次に、前処理部10により、その2値化部18を用いて、Sobel変換を行った画像を2値エッジ検出画像とする。具体的には、2値化部18では、ある閾値を設けることで、閾値以上の値をもつ画素を白画素、閾値未満の値をもつ画素を黒画素とし、処理前の画素において析出物の輪郭線を示す画素(エッジ画素)を白、背景を示す画素(背景画素)を黒とする。
2値エッジ検出画像における線分の方向がランダムであるため、全方向線分計測部22は、画像を構成する画素の状態を、一定の角度で一画素ずつ順次に決定していく。次に、全方向線分計測部22は、例えば、前記一定の角度を1度ずつ変化させ、それぞれの角度に対して輪郭線の一部となる線分の長さと各長さの線分の本数とを求める。図5に示すように対象画像に対して0〜179度の範囲で1度ずつずらしながらラスタ走査を行っていく。つまり、一般にラスタ走査では、対象画像の左上端から水平右方向に走査して行き、画素の右端に行き着いた場合には、一段下がった行の左端から、再び水平右方向に走査して行く。
学習データの特徴量分布の取得部44では、X線構造解析法により解析可能であることがわかっている析出物の複数の画像(学習データ)に対して、特徴量である最大長と総本数とを予め求める。次に、求めた特徴量を、図8に示すように、横軸を最大長、縦軸を総本数として空間(特徴量空間)にプロットする。
続いて、識別面の設定部45では、学習データの特徴量分布の取得部44で求めた学習データの特徴量群に対して、マハラノビスの汎距離による判別分析を行なう。マハラノビスの汎距離による判別分析とは、判別したい2つのカテゴリ分布が特徴量空間にある場合、どちらかのカテゴリに属する新しいデータに対して誤判別される確立率を出来る限り小さくするための識別面68を、特徴量空間に設定するものである。例えば、判別器を構成するために用いるカテゴリAとカテゴリBに属する学習データについて、カテゴリAに属する学習データは、最大長の平均を
判別作業部32は、正解未知である画像データの特徴量を、特徴量空間にブロットし、判別されたカテゴリよりX線構造解析法により解析可能であるか否かの判別を行なうことができる。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図10に示すように、本実施形態の結晶化状態判定システムは、全方向線分計測部22と、輪郭計測部24と、抽出部26とを用いて特徴量抽出部20を構成することもできる。本実施形態の結晶化状態判定システムのそれ以外の構成は、実施形態1の構成と同様であるため省略する。ここで、特徴量抽出部20は、全方向線分計測部22と、輪郭計測部24と、抽出部26とを用いて構成されるため、析出物の輪郭の一部となる線分の最大長Lmaxと、その線分の総本数Nallと、輪郭線における直線の割合Rlsecとを求めることができる。以下、輪郭計測部24を含む第2の実施形態の結晶化状態判定システムについて説明する。
輪郭計測部24は、2値エッジ検出画像における析出物の輪郭線を抽出し、ある一定間隔dで前記輪郭線を多数の区間に区切る。一定間隔dで区切られた区間smを、始点画素をp1 m、終点画素をpd mとして、以下のように表す。
2 オイル層
3 タンパク質の結晶
4 バッチ効果
5 水分拡散効果
6 溶解度曲線
100 結晶化状態判定システム
10 前処理部
12 グレースケール化部
14 画像切り出し部
16 Sobel変換部
18 2値化部
20 特徴量抽出部
22 全方向線分計測部
24 輪郭計測部
26 抽出部
30 判定部
32 判別作業部
40 撮影装置
41 電子画像のデータ
42 原画像取得部
43 原画像データ
44 取得部
45 設定部
46 判定基準格納部
47 析出物状態のデータ
52 処理前の画像の対応する画素
54 画素値とその周囲8近傍の画素
56 急激に画素値が変化する部分
62 走査線
64 エッジ画素
66 背景画素
68、69 識別面
Claims (10)
- タンパク質溶液の電子画像を取得して原画像とする原画像取得ステップと、
前記原画像における析出物の輪郭線を抽出し、2値エッジ検出画像を作成する前処理ステップと、
前記2値エッジ検出画像の画素をそれぞれの角度で走査し、前記輪郭線の一部となる線分に関するデータを求めて、該データから前記析出物の結晶化状態を反映する特徴量を求める特徴量抽出ステップであって、前記特徴量は、前記2値エッジ検出画像における析出物の輪郭線に含まれる線分の本数と、それらの線分の最大長とを含む、ステップと、
前記特徴量に基づいて、タンパク質溶液の前記電子画像を判別する判別ステップと
を含む、タンパク質溶液の析出物の結晶構造解析可能性の判定方法。 - 前記特徴量抽出ステップにおける特徴量は、前記輪郭線に含まれる直線部の割合をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 判別すべきカテゴリがわかっている複数の学習用画像よりタンパク質溶液の析出物の結晶状態を反映する特徴量を予め抽出し、特徴量の分布を取得するステップと、
前記学習用画像の特徴量の分布に基づいて、タンパク質溶液の析出物の結晶状態を複数のカテゴリに判別する識別境界を設定するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 前記識別境界の設定ステップは、各カテゴリの学習用画像の特徴量の分布に対して、マハラノビス距離が等しくなる特徴量空間における線又は面を求めて前記識別境界とするステップである、請求項3に記載の方法。
- 前記前処理ステップは、
カラー画像である前記原画像をグレースケール画像に変換するステップと、
前記グレースケール化された画像に対して、タンパク質溶液部の領域を切り出すステップと、
前記タンパク質溶液部の領域の画像をSobel変換して析出物の輪郭線画像を得るステップと、
前記輪郭線画像を2値化して2値エッジ検出画像を得るステップと
を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。 - タンパク質溶液の電子画像を取得して原画像とする原画像取得手段と、
前記原画像における析出物の輪郭線を抽出し、2値エッジ検出画像を作成する前処理手段と、
前記2値エッジ検出画像の画素をそれぞれの角度で走査し、前記輪郭線の一部となる線分に関するデータを求めて、該データから前記析出物の結晶化状態を反映する特徴量を求める特徴量抽出手段であって、前記特徴量は、前記2値エッジ検出画像における析出物の輪郭線に含まれる線分の本数と、それらの線分の最大長とを含む、ステップと、
前記特徴量に基づいて、タンパク質溶液の前記電子画像を判別する判別手段と
を含む、タンパク質溶液の析出物の結晶構造解析可能性の判定システム。 - 前記特徴量抽出手段における特徴量は、前記輪郭線に含まれる直線部の割合をさらに含む、請求項6に記載の方法。
- 判別すべきカテゴリがわかっている複数の学習用画像よりタンパク質溶液の析出物の結晶状態を反映する特徴量を予め抽出し、特徴量の分布を取得する手段と、
前記学習用画像の特徴量の分布に基づいて、タンパク質溶液の析出物の結晶状態を複数のカテゴリに判別する識別境界を設定する手段と
をさらに含む、請求項6に記載のシステム。 - 前記識別境界の設定手段は、各カテゴリの学習用画像の特徴量の分布に対して、マハラノビス距離が等しくなる特徴量空間における線又は面を求めて前記識別境界とする手段である、請求項8に記載のシステム。
- 前記前処理手段は、
カラー画像である前記原画像をグレースケール画像に変換する手段と、
前記グレースケール化された画像に対して、タンパク質溶液部の領域を切り出す手段と、
前記タンパク質溶液部の領域の画像をSobel変換して析出物の輪郭線画像を得る手段と、
前記輪郭線画像を2値化して2値エッジ検出画像を得る手段と
を含む、請求項6から9のいずれかに記載のシステム。
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