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JP4754795B2 - 表示装置及び表示装置の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極間に発光材料を挟んだ素子(以下、発光素子という)を有する表示装置及びその作製方法に関する。
近年、ガラス基板上に薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という。)を集積化してなる液晶表示装置やエレクトロルミネセンス(Electro Luminescence)表示装置の開発が進んでいる。これらの表示装置は、いずれもガラス基板上に薄膜形成技術を用いて薄膜トランジスタを作り込み、その薄膜トランジスタで構成された様々な回路上に表示素子として液晶素子や発光素子(エレクトロルミネセンス(以下、「EL」という。)素子)を形成して表示装置として機能させる。
TFTで構成された回路は、少なからず凹凸を形成するため、その上に液晶素子や発光素子を形成するにあたって、有機樹脂膜等により平坦化することが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照。)。表示装置の表示部に設けられた各画素は、その内側に画素電極を有し、この画素電極が、前掲の平坦化用有機樹脂膜に設けられたコンタクトホールを介してTFTに接続された構成をなしている。
特開平9−236826号公報
上記発光素子を用いた表示装置(パネル)においては、内部に侵入する水分は、深刻な信頼性低下を招いており、ダークスポットやシュリンク、表示装置周辺部からの輝度劣化を引き起こす。ダークスポットは発光輝度が部分的に低下(発光しなくなるものも含む)する現象であり、上部電極に穴が開いた場合などに発生する。またシュリンクとは、画素の端(エッジ)から輝度が劣化する現象である。
表示装置作製工程において、水分を除去し、信頼性を向上させるため、加熱処理などの対策を行うことは有効である。よって、平坦化のために設ける層間絶縁膜としては、耐熱性および絶縁性が高く、且つ、平坦化率の高いものが要求されている。
本発明は、信頼性の高い表示装置、及び前記表示装置を、作製時における工程数を簡略化して、歩留まりよく作製する方法を提供することを目的とする。
本発明において、平坦化のために設ける層間絶縁膜としては、耐熱性および絶縁性が高く、且つ、平坦化率の高いものが要求されている。こうした層間絶縁膜の形成方法としては、CVD法や蒸着法よりもスピンコート法で代表される塗布法を用いることが好ましい。
具体的には、層間絶縁膜、および隔壁として、塗布法により得られる耐熱性平坦化膜を用いることが好ましい。層間絶縁膜、および隔壁の材料としては、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に水素、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料を用いた塗布膜を用いる。焼成した後の膜は、アルキル基を含むSiOx膜と呼べる。このアルキル基を含む酸化珪素(SiOx)膜は、アクリル樹脂よりも高い光透過性を有しており、300℃以上の加熱処理にも耐えうるものである。
本発明において、塗布法による層間絶縁膜、および隔壁の形成方法は、まず、純水での洗浄を行った後、濡れ性を向上させるためにシンナープリウェット処理を行い、シリコン(Si)と酸素(O)との結合を有する低分子成分(前駆体)を溶媒に溶解させたワニスと呼ばれる液状原料を基板上にスピンコート法などにより塗布する。その後、ワニスを 基板とともに加熱して溶媒の揮発(蒸発)と、低分子成分の架橋反応とを進行させることによって、薄膜を得ることができる。そして、塗布膜が形成された基板端面周辺部の塗布膜を除去する。また、隔壁を形成する場合には、所望の形状にするパターニングを行えばよい。また、塗布膜の膜厚は、スピン回転数、回転時間、ワニスの濃度および粘度によって制御する。
層間絶縁膜と隔壁とで同じ材料を用いることによって、製造コストを削減することができる。また、塗布成膜装置やエッチング装置などの装置の共通化によるコストダウンが図れる。
通常、有機化合物を含む層を発光層とするEL素子は、第1の電極(陽極または陰極)としてITO(インジウム・チン・オキサイド)を用いられる。しかし、ITOの屈折率は、約2前後と高い。そこで、本発明では、第1の電極として、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、「ITSO」という。)を用いる。ITSOは、ベークを行ってもITOのように結晶化せず、アモルファス状態のままである。従って、ITSOは、ITOよりも平坦性が高く、有機化合物を含む層が薄くとも陰極とのショートが生じにくく、表示素子の陽極として適している。また、屈折率が約1.46前後である酸化珪素を含ませることによって陽極となるITSOの屈折率を変化させている。
さらに、ITSOを電極に用い、塗布法により得られる耐熱性平坦化膜を層間絶縁膜に用いた表示装置は、表示装置の発熱が抑えられており、表示装置の信頼性が向上する。
本発明による表示素子は、発光層での発光が基板の外に透過する際に通過する積層において、光透過率の高い材料で構成することにより発光効率を向上させる。
また、表示素子からの発光は様々な方向に反射や拡散して色々な部分(材料層)に吸収されてしまう。本発明は、発光が基板の外に透過する際に通過しない部分、例えば隔壁においても、光透過率の高い材料で構成して、その部分での光の吸収を抑えることにより発光効率を向上させる。
また、本発明において、配線となるソース電極及びドレイン電極は、陽極または陰極となる第1の電極の上に接して形成される。配線の形成は、第1の電極をエッチングにおけるストッパーとして用いるので、エッチングストッパーとなる層をあえて形成する必要はなく、工程が簡略化する。よって低コストで歩留まりよく表示装置が作製される。
本発明の表示装置の一は、第1の電極と、有機化合物を含む層と、第2の電極とを有する表示素子を複数有し、絶縁表面を有する基板上に、耐熱性平坦化膜と、耐熱性平坦化膜上に第1の電極と、第1の電極の端部を覆う配線と第1の電極の端部、及び配線を覆う隔壁と、第1の電極上に有機化合物を含む層と、有機化合物を含む層上に第2の電極とを有する。
上記構成において、耐熱性平坦化膜と隔壁は、同じ材料からなっており、アルキル基を含むSiOx膜を用いることができる。また、上記構成において、第1の電極は、酸化珪素(SiOx)を含むインジウム錫酸化物を用いることができる。
本発明の表示装置の一は、第1の電極と、有機化合物を含む層と、第2の電極とを有する表示素子を複数有し、発光領域において、表示素子からの発光は、第1の電極と、酸化珪素(SiOx)を含む耐熱性平坦化膜と、絶縁表面を有する基板とを通過する。
また、上記各構成において、発光素子は、赤色、緑色、青色、あるいは白色を発光することができる。
本発明の表示装置の作製方法の一は、絶縁表面を有する基板上に薄膜トランジスタおよび表示素子を有し、絶縁表面を有する第1の基板上にソース領域、ドレイン領域、およびその間のチャネル形成領域を有する半導体層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する薄膜トランジスタを形成し、薄膜トランジスタにより反映する凸凹形状の上に耐熱性平坦化膜を形成し、耐熱性平坦化膜上に、第1の電極を選択的に形成し、耐熱性平坦化膜を選択的に除去して、ソース領域またはドレイン領域上方に位置する開口部を形成し、ゲート絶縁膜を選択的に除去してソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成し、画素電極及び耐熱性平坦化膜上に導電膜を形成し、導電膜及び耐熱性平坦化膜を選択的に除去し、ソース領域またはドレイン領域に達するソース電極及びドレイン電極、及び耐熱性平坦化膜上に凹部を形成し、ソース電極及びドレイン電極、第1の電極の端部、及び耐熱性平坦化膜上の凹部を覆う隔壁を形成し、第1の電極上に有機化合物を含む層を形成し、有機化合物を含む層上に第2の電極を形成し、表示素子の外周を囲むシール材で第2の基板を第1の基板に貼り合せて表示素子を封止する。
上記構成において、耐熱性平坦化膜または隔壁は、塗布法により形成されるアルキル基を含む酸化珪素(SiOx)膜を用いることができる。また、上記各構成において、陽極は、酸化珪素(SiOx)を含むインジウム錫酸化物からなるターゲットを用いたスパッタ法で形成することができる。
また、上記各構成において、前記表示装置は、アクティブマトリクス型、或いはパッシブマトリクス型のどちらにも適用することができる。
なお、表示素子である発光素子(EL素子)は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electro Luminescence)が得られる有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)と、陽極と、陰極とを有する。有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明により作製される発光表示装置は、どちらの発光を用いた場合にも適用可能である。
EL層を有する発光素子(EL素子)は一対の電極間にEL層が挟まれた構造となっているが、EL層は通常、積層構造となっている。代表的には、「正孔輸送層/発光層/電子輸送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に発光効率が高く、現在、研究開発が進められている発光表示装置は殆どこの構造を採用している。
また、他にも陽極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する構造も良い。発光層に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。また、これらの層は、全て低分子系の材料を用いて形成しても良いし、全て高分子系の材料を用いて形成しても良い。また、無機材料を含む層を用いてもよい。なお、本明細書において、陰極として機能する電極と、陽極として機能する電極との間に設けられる全ての層を総称してEL層という。したがって、上記正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層は、全てEL層に含まれる。
また、本発明の発光表示装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光表示装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光表示装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV)には、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの(CC)には、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される電流が一定のもの(CCCC)とがある。
本明細書において、光の取り出し効率とは、素子の発光に対して素子の透明性基板正面から大気中に放出される発光の割合である。
また、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えば、トップゲート型TFT、ボトムゲート型(逆スタガ型)TFT、または順スタガ型TFTに適用することが可能である。
また、TFTの活性層としては、非晶質半導体膜、結晶構造を含む半導体膜、非晶質構造を含む化合物半導体膜などを適宜用いることができる。さらにTFTの活性層として、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるセミアモルファス半導体膜(微結晶半導体膜、マイクロクリスタル半導体膜とも呼ばれる)も用いることができる。セミアモルファス半導体膜は、少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでおり、ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしている。また、セミアモルファス半導体膜は、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、セミアモルファス半導体膜は、未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。セミアモルファス半導体膜の作製方法としては、珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm-1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。なお、セミアモルファス半導体膜を活性層としたTFTの電界効果移動度μは、1〜10cm2/Vsecである。
本発明の耐熱性平坦化膜により、TFTを構成するゲート電極や半導体層に起因する凹凸部をなくし、表示素子の配線不良を防止することができる。また、本発明の耐熱性平坦化膜は光の透過率が高く、良好な表示特性を得ることができる。
また、有機化合物を含む層を発光層とする発光表示装置において、脱水量および脱ガス量の少ない層間絶縁膜を提供し、表示装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の表示装置の構成を用いることにより、工程数が簡略化し、低コストで歩留まりよく表示装置を作製することができる。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
絶縁表面を有する基板100の上に下地膜101として、プラズマCVD法により窒化酸化珪素膜101bを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)nm形成し、酸化窒化珪素膜101aを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)積層する。基板100としてはガラス基板、石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いて良い。また、本実施形態の処理温度に耐えうる耐熱性が有するプラスチック基板を用いてもよいし、可撓性基板を用いても良い。また、下地膜として2層構造を用いてもよいし、前記下地(絶縁)膜の単層膜又は2層以上積層させた構造を用いてもよい。
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。半導体膜は25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜すればよい。半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコン又はシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
半導体膜は、アモルファス半導体(代表的には水素化アモルファスシリコン)、結晶性半導体(代表的にはポリシリコン)を素材として用いている。ポリシリコンには、800℃以上のプロセス温度を経て形成される多結晶シリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成される多結晶シリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを添加し結晶化させた結晶シリコンなどを含んでいる。
また、他の物質として、セミアモルファス半導体又は半導体膜の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。セミアモルファス半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体であり、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものである。典型的にはシリコンを主成分として含み、格子歪みを伴って、ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしている半導体膜である。また、未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。ここでは、このような半導体をセミアモルファス半導体(以下「SAS」と呼ぶ。)と呼ぶ。このSASは所謂微結晶(マイクロクリスタル)半導体(代表的には微結晶シリコン)とも呼ばれている。
このSASは珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4であり、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪化物気体を水素、若しくは水素とヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種又は複数種の希ガス元素で希釈して用いることでSASの形成を容易なものとすることができる。珪化物気体に対する水素の希釈率は、例えば流量比で5倍〜1000倍とすることが好ましい。勿論、グロー放電分解によるSASの形成は、減圧下で行うことが好ましいが、大気圧における放電を利用しても形成することができる。代表的には、0.1Pa〜133Paの圧力範囲で行えば良い。グロー放電を形成するための電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzである。高周波電力は適宜設定すれば良い。基板加熱温度は300℃以下が好ましく、100〜200℃の基板加熱温度でも形成可能である。ここで、主に成膜時に取り込まれる不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分に由来する不純物は1×1020cm-3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019cm-3以下、好ましくは1×1019cm-3以下となるようにすることが好ましい。また、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なSASが得られる。
本実施例ではこの非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法およびレーザ結晶化法を行ってもよく、あるいは、非晶質珪素膜に金属元素を導入せず、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質珪素膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm3以下にまで放出させ、レーザ結晶化を行ってもよい。これは水素を多く含んだ非晶質珪素膜にレーザ光を照射すると膜が破壊されてしまうからである。
金属元素としてニッケルを用い、溶液塗布法により非晶質珪素膜上に導入する。非晶質珪素膜への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質珪素膜の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質珪素膜の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
その後500〜550℃で4〜20時間かけて熱処理を行い、非晶質珪素膜を結晶化し、第1の結晶性珪素膜を形成する。
次に第1の結晶性珪素膜にレーザ光を照射し結晶化を助長し、第2の結晶性珪素膜を得る。レーザ結晶化法は、レーザ光を半導体膜に照射する。用いるレーザは、パルス発振または連続発振の固体レーザ、気体レーザ、もしくは金属レーザが望ましい。なお、前記固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしてはエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。レーザビームは非線形光学素子により高調波に変換されていてもよい。前記非線形光学素子に使われる結晶は、例えばLBOやBBOやKDP、KTPやKB5、CLBOと呼ばれるものを使うと変換効率の点で優れている。これらの非線形光学素子をレーザの共振器の中に入れることで、変換効率を大幅に上げることができる。前記高調波のレーザには、一般にNd、Yb、Crなどがドープされており、これが励起しレーザが発振する。ドーパントの種類は適宜実施者が選択すればよい。前記半導体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、結晶性半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜、非晶質珪素カーバイト膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
このようにして得られた結晶性半導体膜に対して、TFTのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行う。
第1のフォトマスクを作製し、フォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理により、半導体層102を形成する。
半導体層102を覆うゲート絶縁膜105を形成する。ゲート絶縁膜105はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
次いで、ゲート絶縁膜105上にゲート電極として用いる膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜及び第2の導電膜はTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。また、単層構造であってもよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなる第2のフォトマスクを形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、第1の導電膜及び第2の導電膜を所望のテーパー形状にエッチングすることができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素系ガス、CF4、SF6もしくはNF3などを代表とするフッ素系ガス又はO2を適宜用いることができる。
第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層を形成する。
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の導電層を形成する。一方、第1の導電層は、ほとんどエッチングされず、第2の形状の導電層を形成する。よって導電膜106、導電膜107が形成される。本実施例では、導電層の形成をドライエッチングで行うがウェットエッチングでもよい。
次いで、レジストマスクを除去した後、第3のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン(P)、またはAs)を低濃度にドープするための第1のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第1のドーピング工程によって絶縁膜を介してスルードープを行い、低濃度不純物領域を形成する。一つの発光素子は、複数のTFTを用いて駆動させるが、pチャネル型TFTのみで駆動させる場合には、上記ドーピング工程は特に必要ない。
次いで、レジストマスクを除去した後、第4のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン(B))を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。この第2のドーピング工程によってゲート絶縁膜105を介してスルードープを行い、p型の高濃度不純物領域103、104を形成する。
次いで、第5のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。第3のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第3のドーピング工程によってゲート絶縁膜105を介してスルードープを行い、n型の高濃度不純物領域を形成する。
以上までの工程で、それぞれの半導体層に不純物領域が形成される。
次いで、レジストからなるマスクを除去してパッシベーション膜として水素を含む絶縁膜108を形成する。この絶縁膜108としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。絶縁膜108は窒化珪素膜に限定されるものでなく、プラズマCVDを用いた窒化酸化珪素(SiNO)膜でもよく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
さらに、窒素雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400〜500℃で行う。この工程は絶縁膜108に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。
絶縁膜108は窒化珪素、酸化珪素、酸化窒化珪素(SiON)、窒化酸化珪素(SiNO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム(AlNO)または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜(CN)を含む物質から選ばれた材料で形成する。また、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む材料、もしくは置換基にフッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料(代表的にはシロキサン系ポリマー)を用いてもよい。
なお、本発明では酸化窒化珪素(SiON)膜としては、Siが25〜35原子%、酸素が55〜65原子%、窒素が1〜20原子%、水素が0.1〜10原子%で含まれるものを示し。また、窒化酸化珪素(SiNO)膜としては、Siが25〜35原子%、酸素が15〜30原子%、窒素が20〜35原子%、水素が15〜25原子%で含まれるものを示す。
不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザ光の照射を行ってもよい。活性化と同時にゲート絶縁膜へのプラズマダメージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。
次いで、層間絶縁膜となる耐熱性平坦化膜109を形成する。耐熱性平坦化膜109としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜を用いる。
ここで、耐熱性平坦化膜109の形成手順を図3、図4を用いて詳細に説明する。
まず、被処理基板の純水洗浄を行う。メガソニック洗浄を行ってもよい。次いで140℃のデハイドロベークを110秒行った後、水冷プレートによって120秒クーリングして基板温度の一定化を行う。次いで、図3(A)に示すスピン式の塗布装置に搬送して基板をセットする。
図3(A)はスピン式の塗布装置の断面模式図を示している。図3(A)において、1001はノズル、1002は基板、1003は塗布カップ、1004は塗布材料液を示している。ノズル1001からは塗布材料液が滴下される機構となっており、塗布カップ1003内に基板1002が水平に収納され、塗布カップごと全体が回転する機構となっている。また、塗布カップ1003内の雰囲気の圧力は制御することができる機構となっている。
次いで、濡れ性を向上させるために、基板にシンナー(芳香族炭化水素(トルエンなど)、アルコール類、酢酸エステル類などを配合した揮発性の混合溶剤)などの有機溶剤によるプリウェット塗布を行う。シンナーを70ml滴下しながら基板をスピン(回転数100rpm)させてシンナーを遠心力で万遍なく広げた後、高速度でスピン(回転数450rpm)させてシンナーを振り切る。
次いで、シロキサン系ポリマーを溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル)に溶解させた液状原料に用いた塗布材料液をノズル1001から滴下しながら徐々にスピン(回転数0rpm→1000rpm)させて塗布材料液を遠心力で万遍なく広げる。シロキサンの構造により、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS-5PHが挙げられる。次いで、約30秒保持した後、再び徐々にスピン(回転数0rpm→1400rpm)させて塗布膜をレべリングする。
次いで、排気して塗布カップ1003内を減圧にし、減圧乾燥を1分以内で行う。
次いで、図3(A)に示すスピン式の塗布装置に備えられたエッジリムーバーによって、エッジ除去処理を行う。図3(B)には、基板1002の周辺に沿って平行移動する駆動手段を備えたエッジリムーバー1006が示されている。エッジリムーバー1006には、図3(C)に示したようなシンナー吐出ノズル1007が基板の一辺を挟むように併設されており、シンナーによって塗布膜1008の外周部を溶かし、液体およびガスを図中矢印方向に排出して基板端面周辺部の塗布膜を除去する。
その後、110℃のベークを170秒行ってプリベークを行う。
次いで、スピン式の塗布装置から基板を搬出して冷却した後、さらに270℃、1時間の焼成を行う。こうして膜厚0.8μmの耐熱性平坦化膜109を形成する。得られた耐熱性平坦化膜109の平滑性をAFM(原子間力顕微鏡)測定したところ、10μm×10μmの範囲においてP−V値(Peak to Valley、高さの最大値と最小値の差分)は約5nm程度、Ra(表面平均粗さ)の値が0.3nm程度であった。
また、耐熱性平坦化膜109の焼成温度を変化させることによって透過率を変化させることができる。焼成温度条件(270℃、410℃)を振って膜厚0.8μmの耐熱性平坦化膜(アルキル基を含むSiOx膜)における透過率を図12に示し、屈折率を図13に示す。270℃に比べて焼成温度を410℃とした場合、透過率が向上している。また、焼成温度を410℃とすると屈折率が低下している。
以上の手順を示したフロー図が図4である。
こうして耐熱性平坦化膜109を形成する(図1(A)。)。
また、液滴吐出法(インクジェット法)により耐熱性平坦化膜109を形成してもよい。液滴吐出法(インクジェット法)を用いた場合には材料液を節約することができる。
耐熱性平坦化膜109は、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜の他に、耐熱性が高く、平坦化性がよいものであれば、無機材料(酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素など)、感光性または非感光性の有機樹材料(有機樹脂材料)(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト、ベンゾシクロブテンなど)の一種、もしくは複数種からなる膜、またはこれらの膜の積層などを用いることができる。
次に、耐熱性平坦化膜109上に画素電極(第1の電極)110を形成する。なお本実施形態では、透明導電膜を成膜し、所望の形状にエッチングすることで画素電極110を形成する(図1(B)。)画素電極110として、ITO、IZO、ITSOの他、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いることができる。画素電極110として上記透明導電膜の他に、窒化チタン膜またはチタン膜を用いても良い。この場合、透明導電膜を成膜した後に、窒化チタン膜またはチタン膜を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で成膜する。本実施形態では、画素電極110としてITSOを用いている。画素電極110は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄し、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、画素電極110の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。本発明では、第1の電極である画素電極110は平坦性を有する耐熱性平坦化膜上に形成されており、表面に大きな凹凸や段差がないので、表面の研磨処理が容易、かつ十分におこなうことができる。
次いで、レジストからなるマスク323を用いて耐熱性平坦化膜321にコンタクトホール(開口部)111を形成すると同時に周縁部の耐熱性平坦化膜を除去する。絶縁膜と選択比が取れる条件でエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)を行う。本発明においては、用いるエッチング用ガスに不活性気体を添加する。添加する不活性元素としては、He、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種または複数種を用いることができる。中でも比較的原子半径が大きく、且つ、安価なアルゴンを用いることが好ましい。本実施形態では、CF4、O2、He、Arとを用いる。ドライエッチングを行う際のエッチング条件は、CF4の流量を380sccm、O2の流量を290sccm、Heの流量を500sccm、Arの流量を500sccm、RFパワーを3000W、圧力を25Paとする。上記条件によりエッチング残渣を低減することができる。
なお、ゲート絶縁膜105上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。1回のエッチングでテーパー形状としてもよいし、複数のエッチングによってテーパー形状にしてもよい。さらにCF4、O2、Heを用いて、CF4の流量を550sccm、O2の流量を450sccm、Heの流量を350sccm、RFパワーを3000W、圧力を25Paとし、2回目のドライエッチングを行ってテーパー形状としてもよい。また耐熱性平坦化膜の端部におけるテーパー角θは、30°を越え75°未満とすることが望ましい。
また、耐熱性平坦化膜の端部に不活性元素のドーピング処理を行い、耐熱性平坦化膜のテーパー部に高密度化した部分を形成してもよい。ドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良い。不活性元素として、典型的にはアルゴン(Ar)を用いる。比較的原子半径の大きい不活性元素を添加することによって歪みを与え、表面(側壁を含む)を改質、または高密度化して水分や酸素の侵入を防止する。また、高密度化した部分に含まれる不活性元素は、1×1019〜5×1021/cm3、代表的には2×1019〜2×1021/cm3の濃度範囲とする。なお、端部をテーパー形状とすると、耐熱性平坦化膜の側面にドーピングしやすくなる。
ゲート絶縁膜105をエッチングし、ソース領域、ドレイン領域に達する開口部を形成する。開口部は、耐熱性平坦化膜109をエッチングした後、再度マスクを形成するか、エッチングされた耐熱性平坦化膜109をマスクとして、絶縁膜108及びゲート絶縁膜105をエッチングし、開口部を形成すればよい。エッチング用ガスにCHF3とArを用いてゲート絶縁膜105のエッチング処理を行う。上記条件のエッチングにより、エッチング残渣を低減し、凹凸の少ない平坦性の高いコンタクトホールを形成することができる。なお、より半導体層上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。以上の工程で、コンタクトホール111が形成される(図1(C)。)。
金属膜を形成し、金属膜をエッチングして各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線112を形成する。金属膜は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜を用いればよい。なお本実施形態では、TiN/Al/TiNをそれぞれ100/350/100nmに積層したのち、所望の形状にパターニングして、配線を形成する。なお、TiNは、耐熱性平坦化膜との密着性が良好な材料の一つである。図17(A)にアルキル基を含む酸化珪素(SiOx)とTi膜、図17(B)にアルキル基を含む酸化珪素(SiOx)とTiN膜の、積層モデルの一例を示す。耐熱性平坦化膜に、アルキル基を含む酸化珪素(SiOx)を用い、配線としてTiを積層すると、その界面でSi−O−Tiという結合が生じ、O−Tiという結合aが生じる。一方、配線としてTiNを積層すると、その界面でSi−N−Tiという結合が生じ、Si−Nという結合b、N−Tiという結合cが生じる。結合aであるO−Ti結合力は弱いため、密着性が悪い。しかし、Si−Nの結合b、及びN−Tiの結合cの結合力は強いため、密着性がよく、ピーリングなどの膜はがれが生じにくい。加えて、TFTのソース領域またはドレイン領域とコンタクトを取るためにTiNのN含有量は44atomic%より少なくすることが好ましい。なおより望ましくはTiNのN含有量は7atomic%より多く、44atomic%より少なくするとよい。また、導電膜をTiN/Alの2層構造にして工程を簡略化してもよい。
エッチングは、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法により、BCl3とCl2を用いて、エッチング条件は、コイル型の電極に印加される電力量450W、基板側の電極に印加される電力量100W、圧力1.9Paで行う。このとき、先に形成した画素電極110が、エッチングストッパーとなる。画素電極110と耐熱性平坦化膜109との、配線112に対する選択比の違いにより、選択比の小さい耐熱性平坦化膜109は、エッチングされ凹部113が形成される(図1(D)。)。
次に、前記凹部113、画素電極110の端部、配線112を覆う絶縁物114(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)を形成する(図2(E)。)絶縁物114としては、塗布法により得られるSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。エッチングには、ドライエッチングとウェットエッチングのどちらかを用いることができるが、ここではCF4とO2とHeの混合ガスを用いたドライエッチングにより絶縁物114を形成する。圧力は5Pa、1500Wで、CF425sccm、O225sccm、He50sccmでドライエッチングを行う。このドライエッチングにおいて、アルキル基を含むSiOx膜のエッチングレートは500〜600nm/min、一方、ITSO膜のエッチングレートは10nm/min以下であり十分選択比が取れる。また、配線112は、アルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁物114に覆われるため、密着性のよいTiN膜が最表面となっている。本発明は、配線形成時のエッチングストッパーとして、画素電極110を用いるので、工程が簡略化する。また、絶縁物114によって、耐熱性平坦化膜109に形成された凹部113は埋められるので何の問題もない。絶縁物114は、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜の他に、耐熱性が高く、平坦化性がよいものであれば、無機材料(酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素など)、感光性または非感光性の有機樹材料(有機樹脂材料)(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト、ベンゾシクロブテンなど)の一種、もしくは複数種からなる膜、またはこれらの膜の積層などを用いることができる。
以上のような工程により、TFTを備えたアクティブマトリクス基板が完成する。本実施例では画素領域のnチャネル型TFTはチャネル形成領域が二つ形成されるダブルゲート構造としているが、チャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、駆動回路部のTFTも、本実施例ではシングルゲート構造としているが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
なお、本実施例で示したTFTの作製方法に限らず、トップゲート型(プレーナー型)、ボトムゲート型(逆スタガ型)、あるいはチャネル領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有する、デュアルゲート型やその他の構造においても適用できる。
なお、信頼性を向上させるため、有機化合物を含む層である発光層115の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行うことが望ましい。ここでは、層間絶縁膜と隔壁とを高耐熱性を有するSiOx膜で形成しているため、高い加熱処理を加えても問題ない。従って、加熱処理による信頼性向上のための工程を十分行うことができる。
画素電極110の上には発光層115が形成される(図2(F)参照。)。なお、図2では一画素しか図示していないが、本実施例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を作り分けている。また、それぞれの発光は、全て一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)であっても、全て三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)でもよいし、一色が蛍光(又はリン光)あとの2色がリン光(又は蛍光)というように組み合わせでも良い。Rのみをリン光を用いて、G、Bを蛍光を用いてもよい。具体的には、正孔注入層として20nm厚の銅フタロシアニン(CuPc)膜を設け、その上に発光層として70nm厚のトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体(Alq3)膜を設けた積層構造としてもよい。Alq3にキナクリドン、ペリレンもしくはDCM1といった蛍光色素を添加することで発光色を制御することができる。
但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機発光材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて発光層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、本実施形態では低分子系有機発光材料を発光層として用いる例を示したが、中分子系有機発光材料や高分子系有機発光材料を用いても良い。なお、本明細書中において、昇華性を有さず、かつ、分子数が20以下または連鎖する分子の長さが10μm以下の有機発光材料を中分子系有機発光材料とする。また、高分子系有機発光材料を用いる例として、正孔注入層として20nmのポリチオフェン(PEDOT)膜をスピン塗布法により設け、その上に発光層として100nm程度のパラフェニレンビニレン(PPV)膜を設けた積層構造としても良い。なお、PPVのπ共役系高分子を用いると、赤色から青色まで発光波長を選択できる。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機発光材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
次に、発光層115の上には導電膜からなる電極116が設けられる。電極116としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、またはCaN)を用いればよい。本実施形態は、電極116は陰極として機能し、陽極として機能する画素電極110側から光を取り出す構造のため、電極116はAl、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLiからなる金属膜(膜厚50nm〜200nm)を用いることが好ましい。しかし、本発明は、この構成に限定されず、画素部のTFTをnチャネル型TFTとし、画素電極110を陰極とし、電極116を陽極とすることもできる。
電極116を覆うようにしてパッシベーション膜117を設けることは有効である。パッシベーション膜としては、窒化珪素、酸化珪素、酸化窒化珪素(SiON)、窒化酸化珪素(SiNO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム(AlNO)または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜(CN)を含む絶縁膜からなり、該絶縁膜を単層もしくは組み合わせた積層を用いることができる。また、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む材料、もしくは置換基にフッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料(代表的にはシロキサン系ポリマー)を用いてもよい。
この際、カバレッジの良い膜をパッシベーション膜として用いることが好ましく、炭素膜、特にDLC膜を用いることは有効である。DLC膜は室温から100℃以下の温度範囲で成膜可能であるため、耐熱性の低い発光層115の上方にも容易に成膜することができる。DLC膜は、プラズマCVD法(代表的には、RFプラズマCVD法、マイクロ波CVD法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)CVD法、熱フィラメントCVD法など)、燃焼炎法、スパッタ法、イオンビーム蒸着法、レーザー蒸着法などで形成することができる。成膜に用いる反応ガスは、水素ガスと、炭化水素系のガス(例えばCH4、C22、C66など)とを用い、グロー放電によりイオン化し、負の自己バイアスがかかったカソードにイオンを加速衝突させて成膜する。また、CN膜は反応ガスとしてC24ガスとN2ガスとを用いて形成すればよい。DLC膜は酸素に対するブロッキング効果が高く、発光層115の酸化を抑制することが可能である。そのため、この後に続く封止工程を行う間に発光層115が酸化するといった問題を防止できる。
次いで、封止基板119をシール材で貼り合わせて発光素子を封止する。シール材が耐熱性平坦化膜109の端部を覆うように貼りあわせる。断面からの水分の侵入がシール材によって遮断されるので、発光素子の劣化が防止でき、発光表示装置の信頼性が向上する。なお、シール材で囲まれた領域には充填材118を充填する。本実施例では、画素電極110側から光を取り出す構造なため充填材118は、透光性を有する必要はないが、充填材118を透過して光を取り出す構造の場合は、透光性を有する必要がある。代表的には可視光硬化、紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂を用いればよい。ここでは屈折率1.50、粘度500cps、ショアD硬度90、テンシル強度3000psi、Tg点150℃、体積抵抗1×1015Ω・cm、耐電圧450V/milである高耐熱のUVエポキシ樹脂(エレクトロライト社製:2500Clear)を用いる。また、充填材118を一対の基板間に充填することによって、全体の透過率を向上させることができる。
本実施形態の発光表示装置の画素部上面図を図15(A)に示す。また図15(A)における線B−B'の断面図を図15(B)に示す。1501は半導体膜、1502はゲート線(走査線)、1503は画素電極、1504はソース線(信号線)、1505は隔壁である。ソース線は、画素電極となる導電膜をエッチングストッパーとしてパターニングされるので、ソース線または、画素電極が存在しない領域の耐熱性平坦化膜は、エッチングにより一部除去され凹部が形成される。その凹部を覆うように、隔壁が形成される。
こうして作製されたアクティブマトリクス型発光表示装置は、TFTの層間絶縁膜として耐熱性平坦化膜109、代表的にはシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料とし、隔壁も同じ材料を用いている。アクティブマトリクス型発光表示装置の構成材料を比較的安定である酸化珪素を含む材料として、発光表示装置の信頼性を向上させている。また、画素電極110をエッチングストッパーとして用いるため、工程が簡略化し、安いコストで歩留まりよく表示装置を作製することができる。
本実施例では、実施の形態1で説明した表示装置の作製工程について、図1及び図14を用いて説明する。
ガラス基板100の上に下地膜101a、下地膜101bとして、プラズマCVD法により窒化酸化珪素膜を50nm、酸化窒化珪素膜を100nm形成する。
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。本実施例では半導体膜として、プラズマCVD法により非晶質珪素膜を54nm形成する。本実施例ではこの非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法およびレーザ結晶化法を行う。
金属元素としてニッケルを用い、溶液塗布法により非晶質珪素膜上に導入する。非晶質珪素膜への金属元素の導入の仕方としては、溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質珪素膜の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
本実施例では金属元素としてニッケルを用い、溶液塗布法により金属含有層を形成し非晶質珪素膜上に導入した後、550℃で4時間の熱処理を行って第1の結晶性珪素膜を得た。
次に第1の結晶性珪素膜にレーザ光を照射し結晶化を助長し、第2の結晶性珪素膜を得る。レーザ結晶化法は、レーザ光を半導体膜に照射する。用いるレーザは、パルス発振または連続発振の固体レーザ、気体レーザ、もしくは金属レーザが望ましい。なお、前記固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしてはエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、が挙げられる。
このようにして得られた結晶性半導体膜に対して、TFTのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行う。
第1のフォトマスクを作製し、フォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理により、半導体層102を形成する。
半導体層102を覆うゲート絶縁膜105を形成する。本実施例では、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化珪素膜を形成する。
次いで、ゲート絶縁膜105上にゲート電極として用いる膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層して形成する。本実例では、ゲート絶縁膜105上に第1の導電膜として膜厚30nmの窒化タンタル膜、第2の導電膜として膜厚370nmのタングステン膜を順次積層して形成する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなる第2のフォトマスクを形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、第1の導電膜及び第2の導電膜を所望のテーパー形状にエッチングすることができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素系ガス、CF4、SF6もしくはNF3などを代表とするフッ素系ガス又はO2を適宜用いることができる。
第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層を形成する。
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の導電層を形成する。一方、第1の導電層は、ほとんどエッチングされず、第2の形状の導電層を形成する。よって導電膜106、導電膜107が形成される。本実施例では、導電層の形成をドライエッチングで行う。
次いで、レジストマスクを除去した後、第3のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン(P)、またはAs)を低濃度にドープするための第1のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第1のドーピング工程によって絶縁膜を介してスルードープを行い、低濃度不純物領域を形成する。一つの発光素子は、複数のTFTを用いて駆動させるが、pチャネル型TFTのみで駆動させる場合には、上記ドーピング工程は特に必要ない。
次いで、レジストマスクを除去した後、第4のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン(B))を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。この第2のドーピング工程によってゲート絶縁膜105を介してスルードープを行い、p型の高濃度不純物領域103、104を形成する。
次いで、第5のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここでは図示しないnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。第3のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第3のドーピング工程によってゲート絶縁膜105を介してスルードープを行い、n型の高濃度不純物領域を形成する。
以上までの工程で、それぞれの半導体層に不純物領域が形成される。
次いで、レジストからなるマスクを除去してパッシベーション膜として水素を含む絶縁膜108を形成する。この絶縁膜108としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、スパッタリング法によって形成した窒化珪素を用いる。膜中のArは、濃度5×1018〜5×1020atoms/cm3程度である。
さらに、窒素雰囲気中で、本実施例では、窒素雰囲気中で410℃で1時間熱処理を行い、半導体層を水素化する。
不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザ光の照射を行ってもよい。活性化と同時にゲート絶縁膜へのプラズマダメージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。
次いで、層間絶縁膜となる耐熱性平坦化膜109を形成する。耐熱性平坦化膜109としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構
成される絶縁膜を用いる。
ここで、耐熱性平坦化膜109の形成手順は発明を実施するための最良の形態で説明したのでここでは省略する。
こうして耐熱性平坦化膜109を形成する(図1(A)。)。
次に、耐熱性平坦化膜109上に画素電極110を形成する。なお本実施例では、透明導電膜を成膜し、所望の形状にエッチングすることで画素電極110を形成する(図1(B)。)本実施例では、画素電極110としてITSOを用いている。画素電極110は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄し、研磨する。またCMP法を用いた研磨後に、画素電極110の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
次いで、レジストからなるマスクを用いて耐熱性平坦化膜109にコンタクトホール(開口部)111を形成すると同時に周縁部の耐熱性平坦化膜を除去する。本実施例では、ゲート絶縁膜105と選択比が取れる条件でエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)を行う。本実施例では、CF4、O2、He、Arとを用いる。ドライエッチングを行う際のエッチング条件は、CF4の流量を380sccm、O2の流量を290sccm、Heの流量を500sccm、Arの流量を500sccm、RFパワーを3000W、圧力を25Paとする。
なお、ゲート絶縁膜105上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。さらにCF4、O2、Heを用いて、CF4の流量を550sccm、O2の流量を450sccm、Heの流量を350sccm、RFパワーを3000W、圧力を25Paとし、2回目のドライエッチングを行ってテーパー形状とすることもできる。耐熱性平坦化膜の端部におけるテーパー角θは、30°を越え75°未満とすることが望ましい。
ゲート絶縁膜105をエッチングし、ソース領域、ドレイン領域に達する開口部を形成する。本実施例では、開口部は、耐熱性平坦化膜109をエッチングした後、エッチングされた耐熱性平坦化膜109をマスクとして、絶縁膜108及びゲート絶縁膜105をエッチングし、開口部を形成する。エッチング用ガスにCHF3とArを用いてゲート絶縁膜105のエッチング処理を行う。なお、半導体層上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。以上の工程で、コンタクトホール111が形成される(図1(C)。)。
金属膜を形成し、金属膜をエッチングして各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線112を形成する。本実施例では、TiN/Al/TiNをそれぞれ100/350/100nmに積層したのち、所望の形状にパターニングして、配線を形成する。なお、TiNは、耐熱性平坦化膜との密着性が良好な材料の一つである。また、TiNはITSOとも密着性がよい。加えて、TFTのソース領域またはドレイン領域とコンタクトを取るためにTiNのN含有量は44%より少なくすることが好ましい。
エッチングは、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法により、BCl3とCl2を用いて、エッチング条件は、コイル型の電極に印加される電力量450W、基板側の電極に印加される電力量100W、圧力1.9Paで行う。このとき、先に形成した画素電極110が、エッチングストッパーとなる。画素電極110と耐熱性平坦化膜109との、配線112に対する選択比の違いにより、選択比の小さい耐熱性平坦化膜109は、エッチングされ凹部113が形成される(図1(D)。)。
次に、前記凹部113、画素電極110の端部、配線112を覆う絶縁物114(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)を形成する(図1(E)。)絶縁物114としては、塗布法により得られるSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。エッチングには、ドライエッチングとウェットエッチングのどちらかを用いることができるが、本実施例では、CHF3とO2とHeの混合ガスを用いたドライエッチングにより絶縁物114を形成する。このドライエッチングにおいて、アルキル基を含むSiOx膜のエッチングレートは500〜600nm/min、一方、ITSO膜のエッチングレートは10nm/min以下であり十分選択比が取れる。また、配線112は、アルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁物114に覆われるため、密着性のよいTiN膜が最表面となっている。本発明は、配線形成時のエッチングストッパーとして、画素電極110を用いるので、工程が簡略化する。また、絶縁物114によって、耐熱性平坦化膜109に形成された凹部113は埋められるので何の問題もない。
以上のような工程により、TFTを備えたアクティブマトリクス基板が完成する。
なお、本実施例で示したTFTの作製方法に限らず、トップゲート型(プレーナー型)、ボトムゲート型(逆スタガ型)、あるいはチャネル領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有する、デュアルゲート型やその他の構造においても適用できる。
なお、信頼性を向上させるため、有機化合物を含む層である発光層115の形成前に真空加熱を行って脱気を行う。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行う。本発明では、層間絶縁膜と隔壁とを高耐熱性を有するSiOx膜で形成しているため、高い加熱処理を加えても問題ない。従って、加熱処理による信頼性向上のための工程を経ることができる。
画素電極110の上には発光層115が形成される。本実施例では蒸着法により低分子系有機発光材料を形成している。具体的には、正孔注入層として20nm厚の銅フタロシアニン(CuPc)膜を設け、その上に発光層として70nm厚のトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体(Alq3)膜を設けた積層構造としている。Alq3にキナクリドン、ペリレンもしくはDCM1といった蛍光色素を添加することで発光色を制御することができる。
次に、発光層115の上には導電膜からなる電極116が設けられる。本実施例は、電極116は陰極として機能し、陽極として機能する画素電極110側から光を取り出す構造のため、電極116はAl、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLiからなる金属膜(膜厚50nm〜200nm)を用いることが好ましい。
電極116を覆うようにしてパッシベーション膜117を設けることは有効である。本実施例では、パッシベーション膜としては、ダイアモンドライクカーボン(DLC)を用いる。DLC膜は酸素に対するブロッキング効果が高く、発光層115の酸化を抑制することが可能である。そのため、この後に続く封止工程を行う間に発光層115が酸化するといった問題を防止できる。
次いで、封止基板119をシール材で貼り合わせて表示素子を封止する。シール材が耐熱性平坦化膜109の端部を覆うように貼りあわせる。断面からの水分の侵入がシール材によって遮断されるので、発光素子の劣化が防止でき、発光表示装置の信頼性が向上する。なお、シール材で囲まれた領域には充填材118を充填する。本実施例では、画素電極110側から光を取り出す構造なため充填材118は、透光性を有する必要はないが、充填材118を透過して光を取り出す構造の場合は、透光性を有する必要がある。本実施例では、屈折率1.50、粘度500cps、ショアD硬度90、テンシル強度3000psi、Tg点150℃、体積抵抗1×1015Ω・cm、耐電圧450V/milである高耐熱のUVエポキシ樹脂(エレクトロライト社製:2500Clear)を用いる。また、充填材118を一対の基板間に充填することによって、全体の透過率を向上させることができる。
図14に本発明の発光表示装置の概略上面図を示す。1400は素子基板、1401はソース線駆動回路、1402、1403はゲート線駆動回路、1404は封止基板、1405はシール材、1406は画素部、1407は走査線、1408は信号線、1409はFPC、1410、1411、1412は配線、1420は保護回路である。また図14において、線A―A‘による断面図を図8に示す。800は素子基板、801、802、803はTFT、804は画素電極、805は発光層、806は電極、807はパッシベーション膜、808は充填材、809はシール材、810は耐熱性平坦化膜、811は隔壁、812は封止基板である。本実施例では、上記のような回路で形成するが、本発明はこれに限定されず、パッシブマトリクス回路でもアクティブマトリクス回路であってもよく、周辺駆動回路としてICチップを前記COG方式やTAB方式によって実装したものでも、一体形成したものでもよい。また、ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路は複数であっても単数であっても良い。
保護回路1420の拡大図を図14に示す。本実施例の保護回路は、配線を矩形にして、配線間で容量を形成し、静電気をブロック、又はコントロールして静電破壊などの表示装置への不良を防止することができる。保護回路は、本実施例に限定されず、TFTや容量、ダイオードなどを適宜組み合わせて用いればよい。保護回路により、表示装置の信頼性はさらに向上する。
こうして作製されたアクティブマトリクス型発光表示装置は、TFTの層間絶縁膜として耐熱性平坦化膜、代表的にはシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料とし、隔壁も同じ材料を用いている。アクティブマトリクス型発光表示装置の構成材料を比較的安定である酸化珪素を含む材料として、発光表示装置の信頼性を向上させている。また、画素電極110をエッチングストッパーとして用いるため、工程が簡略化し、安いコストで歩留まりよく表示装置を作製することができる。
本実施例では、実施例1で作製した発光表示装置において、上面出射型、両面出射型の例を、図5及び図9を用いて説明する。
図5において、500は素子基板、501、502、503はTFT、504は画素電極、505は発光層、506は電極、507は透明導電膜、508は充填材、509はシール材、510は耐熱性平坦化膜、511は隔壁、512は封止基板である。
図5の発光表示装置は、両面出射型であり、矢印の方向に上下両面出射する構造である。なお本実施例では、透明導電膜を成膜し、所望の形状にエッチングすることで画素電極504を形成する。画素電極504として、ITO、IZO、ITSOの他、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いることができる。画素電極504として上記透明導電膜の他に、窒化チタン膜またはチタン膜を用いても良い。この場合、透明導電膜を成膜した後に、窒化チタン膜またはチタン膜を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で成膜する。本実施形態では、画素電極504としてITSOを用いている。
次に、発光層505の上には導電膜からなる電極506が設けられる。電極506としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、またはCaN)を用いればよい。本実施例では、発光が透過するように、電極506として膜厚を薄くした金属薄膜(MgAg:膜厚10nm)と、透明導電膜507として、膜厚100nmのITSOとの積層を用いる。ITSO膜は、インジウム錫酸化物に1〜10[%]の酸化珪素(SiO2)を混合したターゲットを用い、Arガス流量を120sccm、O2ガス流量を5sccm、圧力を0.25Pa、電力3.2kWとしてスパッタ法により成膜する。そして、ITSO膜の成膜後、200℃、1時間の加熱処理を行う。透明導電膜507としてITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化インジウムなどを用いることができる。
図5に示した構造とした場合、発光素子から発した光は、画素電極504側、電極506、507側両方から、透過して出射される。
図9の発光表示装置は、片面出射型であり、矢印の方向に上面出射する構造である。図9において、900は素子基板、901、902、903はTFT、913は反射性を有する金属膜、904は画素電極、905は発光層、906は電極、907は透明導電膜、908は充填材、909はシール材、910は耐熱性平坦化膜、911は隔壁、912は封止基板である。 この場合、前述の図5で示した両面出射型の発光表示装置において、画素電極904の下に、反射性を有する金属膜913を形成する。反射性を有する金属膜913の上に陽極として機能する画素電極904として透明導電膜を形成する。金属膜913としては、反射性を有すればよいので、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuなどを用いればよい。本実施例では、TiN膜を用いる。
発光層905の上には導電膜からなる電極906が設けられる。電極906としては、陰極として機能させるので仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、またはCaN)を用いればよい。本実施例では、発光が透過するように、電極906として膜厚を薄くした金属薄膜(MgAg:膜厚10nm)と、透明導電膜907として、膜厚110nmのITSOとの積層を用いる。透明導電膜907としてITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化インジウムなどを用いることができる。
図9に示した構造とした場合、発光素子から発した光は、反射性を有する金属膜913で反射され、電極906、透明導電膜907等を透過して上方へ出射される。
本発明の表示装置は、TFTの層間絶縁膜として耐熱性平坦化膜、代表的にはシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料とし、隔壁も同じ材料を用いている。アクティブマトリクス型発光表示装置の構成材料を比較的安定である酸化珪素を含む材料として、発光表示装置の信頼性を向上させている。また、画素電極110をエッチングストッパーとして用いるため、工程が簡略化し、安いコストで歩留まりよく表示装置を作製することができる。
本実施例では、逆スタガ型TFTの一例を図6及び図7に示す。TFT以外の部分は、最良の形態で示した図5と同一であるのでここでは詳細な説明は省略する。
図6に示すTFTはチャネルストップ型である。600は素子基板、601、602は駆動回路部のTFTであり、ゲート電極603上に、ゲート絶縁膜604、非晶質半導体膜からなる半導体層605、n+層607、金属層608が積層形成されており、半導体層605のチャネル形成領域となる部分上方にチャネルストッパー606が形成されている。また、ソース電極またはドレイン電極611が形成されている。609は絶縁膜、612は第1の電極、613は発光層、614は第2の電極、616はパッシベーション膜、619は充填材、618はシール材、610は耐熱性平坦化膜、615は隔壁、617は封止基板である。
また、図7に示すTFTはチャネルエッチ型である。700は素子基板、、701、702は駆動回路部のTFTであり、ゲート電極703上に、ゲート絶縁膜704、非晶質半導体膜からなる半導体層705、n+層706、金属層707が積層形成されており、半導体層705のチャネル形成領域となる部分は薄くエッチングされている。また、ソース電極またはドレイン電極709が形成されている。712は第1の電極、713は発光層、714は第2の電極、716はパッシベーション膜、719は充填材、718はシール材、710は耐熱性平坦化膜、715は隔壁、717は封止基板である。
また、非晶質半導体膜に代えて、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるセミアモルファス半導体膜(微結晶半導体膜、マイクロクリスタル半導体膜とも呼ばれる)も用いることができる。セミアモルファス半導体膜の作製方法としては、珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm-1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。なお、セミアモルファス半導体膜を活性層としたTFTの電界効果移動度μは、1〜10cm2/Vsecである。
本実施例の図6、図7の逆スタガ型TFTは半導体膜に非結晶半導体膜を用いてる。よって、本実施例の画素部におけるTFTはnチャネル型TFTであり、第1の電極(画素電極)612、712を陰極として機能させ、第2の電極614、714を陽極として機能させる。本実施例では、第1の電極と第2の電極に透明導電層であるITSOを用い、第1の電極(ITSO)/電子注入層(ベンゾオキサゾール誘導体(BzOS)にLiを添加したBzOS−Li)/電子輸送層(Alq)/発光層(キナクリドン誘導体(DMQd)をドープしたAlq)/正孔輸送層(4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD))/正孔注入層(モリブデン酸化物(MoOx))/第2の電極(ITSO)とする。陽極、陰極、EL層を形成する電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層などの材料は、本実施例に限定されず、適宜選択し、組み合わせればよい。
本実施例の表示装置の画素部上面図を図16(A)に、回路図を(B)に示す。1601、1602はTFT、1603は発光素子、1604は容量、1605はソース線、1606はゲート線、1607は電源線、1608は、発光素子1603を構成する画素電極と接続する接続電極である。
本発明の表示装置は、TFTの層間絶縁膜として耐熱性平坦化膜、代表的にはシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料とし、隔壁も同じ材料を用いている。発光表示装置の構成材料を比較的安定である酸化珪素を含む材料として、発光表示装置の信頼性を向上させている。また、画素電極をエッチングストッパーとして用いるため、工程が簡略化し、安いコストで歩留まりよく表示装置を作製することができる。
本発明を適用して、様々な表示装置を作製することができる。即ち、それら表示装置を表示部に組み込んだ様々な電子機器に本発明を適用できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの例を図10に示す。
図10(A)は例えば20〜80インチの大型の表示部を有する表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明は、表示部2003の作製に適用される。このような大型の表示装置は、生産性やコストの面から、所謂第五世代(1000×1200ミリ)、第六世代(1400×1600ミリ)、第七世代(1500×1800ミリ)のようなメータ角の大型基板を用いて作製することが好適である。本発明を用いると、このような大型基板を用いても、工程数が少なくかつ低コストで信頼性の高いを表示装置とすることができる。
図10(B)は、ノート型パーソナルコンピュータであり、本体2101、筐体2102、表示部2103、キーボード2104、外部接続ポート2105、ポインティングマウス2106等を含む。本発明は、表示部2103の作製に適用される。本発明を用いると、低コストで信頼性の高い高画質な画像を表示することができる。
図10(C)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2201、筐体2202、表示部A2203、表示部B2204、記録媒体(DVD等)読み込み部2205、操作キー2206、スピーカー部2207等を含む。表示部A2203は主として画像情報を表示し、表示部B2204は主として文字情報を表示するが、本発明は、これら表示部A2203、表示部B2204の作製に適用される。本発明を用いると、低コストで信頼性の高い高画質な画像を表示することができる。
図10(D)は携帯電話であり、本体2301、音声出力部2302、音声入力部2303、表示部2304、操作スイッチ2305、アンテナ2306等を含む。本発明により作製される表示装置を表示部2304に適用することで、屋外など高温、多湿な環境において使われることが多い携帯電話であっても、信頼性の高く高画質な表示をすることができる。
図10(E)はビデオカメラであり、本体2401、表示部2402、筐体2403、外部接続ポート2404、リモコン受信部2405、受像部2406、バッテリー2407、音声入力部2408、操作キー2409、接眼部2410等を含む。本発明は、表示部2402に適用することができる。本発明により作製される表示装置を表示部2304に適用することで、屋外など高温、多湿な環境において使われても、信頼性の高い高画質な表示をすることができる。
図11では、表示部を自動車に搭載した例を示している。ここでは乗物の代表的な例として自動車を用いたが、特に限定されず、航空機、列車、電車などにも適用できる。特に自動車に搭載する表示装置としては、厳しい環境(高温多湿になりやすい車内)であっても高信頼性を有していることが重要視される。
図11は、自動車の運転席周辺を示す図であり、フロントガラス2501、ハンドル2500を有する。ダッシュボード2507には音響再生装置、具体的にはカーオーディオや、カーナビゲーションが設けられている。カーオーディオの本体2505は、表示部2503、表示部2504、操作ボタン2508を含む。表示部2503、表示部2504に本発明を実施することによって、高信頼性を備えたカーオーディオを完成させることができる。
また、カーナビゲーションの表示部2503、車内の空調状態を表示する表示部2506に本発明を実施することによっても高信頼性を備えたカーナビゲーション完成させることができる。
また、本実施例では車載用カーオーディオやカーナビゲーションを示すが、その他の乗物の表示器や、据え置き型のオーディオやナビゲーション装置に用いても良い。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、さまざまな分野の電子機器に適用することが可能である。
本発明の構成を示す図。 本発明の構成を示す図。 塗布装置およびエッジリムーバを示す図。 高耐熱性平坦化膜の成膜フローを示す図。 本発明の発光表示装置の断面図。 本発明の発光表示装置の断面図。 本発明の発光表示装置の断面図。 本発明の発光表示装置の断面図。 本発明の発光表示装置の断面図。 本発明の表示装置を示す図。 本発明の表示装置を示す図。 透過率を示すグラフ。 屈折率を示すグラフ。 本発明の表示装置の上面図。 本発明の表示装置の上面図及び断面図。 本発明の表示装置の上面図及び断面図。 膜の積層における結合モデル。

Claims (5)

  1. 絶縁表面を有する基板上に薄膜トランジスタおよび表示素子を有する表示装置の作製方法であって、
    前記絶縁表面を有する基板上に位置するソース領域、ドレイン領域、およびその間のチャネル形成領域を有する半導体層と、前記半導体層上に位置するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極とを有する前記薄膜トランジスタを形成し、
    前記薄膜トランジスタ上に平坦化膜を含む層間絶縁膜を形成し、
    前記層間絶縁膜上に、前記表示素子の第1の電極を選択的に形成し、
    前記層間絶縁膜をエッチングして、前記ソース領域または前記ドレイン領域上の位置に前記層間絶縁膜の端部がテーパー形状となるコンタクトホールを形成し、
    前記端部に不活性元素のドーピング処理を行うことで前記端部に高密度化した部分を形成し、
    前記コンタクトホール下に位置する前記ゲート絶縁膜を除去して、前記ソース領域または前記ドレイン領域に達する開口部を形成し、
    前記第1の電極及び前記層間絶縁膜上に導電膜を形成し、
    前記導電膜を選択的に除去し、前記第1の電極の端部及び、前記ソース領域または前記ドレイン領域に電気的に接続する配線を形成し、
    前記配線及び前記第1の電極の端部を覆う、前記層間絶縁膜に含まれる材料と同一材料からなる絶縁物を形成し、
    前記第1の電極上に有機化合物を含む層を形成し、
    前記有機化合物を含む層上に第2の電極を形成して前記表示素子を形成し、
    前記層間絶縁膜、前記第1の電極及び前記絶縁物は、透光性を有し、酸化珪素を含み、
    前記層間絶縁膜は、少なくとも窒化珪素又は酸化珪素を含む膜と、塗布法により形成されるアルキル基を含む酸化珪素膜を積層して形成され、
    前記絶縁物は、塗布法により形成されるアルキル基を含む酸化珪素膜であり、
    前記有機化合物を含む層を形成する前に、水分又はガスを除去するための加熱処理を行うことを特徴とする表示装置の作製方法。
  2. 絶縁表面を有する基板上に薄膜トランジスタおよび表示素子を有する表示装置の作製方法であって、
    前記絶縁表面を有する基板上に位置するソース領域、ドレイン領域、およびその間のチャネル形成領域を有する半導体層と、前記半導体層上に位置するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極とを有する前記薄膜トランジスタを形成し、
    前記薄膜トランジスタ上に平坦化膜を含む層間絶縁膜を形成し、
    前記層間絶縁膜上に、前記表示素子の第1の電極を選択的に形成し、
    前記層間絶縁膜をエッチングして、前記ソース領域または前記ドレイン領域上の位置に前記層間絶縁膜の端部がテーパー形状となるコンタクトホールを形成し、
    前記端部に不活性元素のドーピング処理を行うことで前記端部に高密度化した部分を形成し、
    前記コンタクトホール下に位置する前記ゲート絶縁膜を除去して、前記ソース領域または前記ドレイン領域に達する開口部を形成し、
    前記第1の電極及び前記層間絶縁膜上に導電膜を形成し、
    前記導電膜を選択的に除去し、前記第1の電極の端部及び、前記ソース領域または前記ドレイン領域に電気的に接続する配線を形成するとともに、前記層間絶縁膜に凹部が形成され、
    前記配線、前記第1の電極の端部及び前記凹部を覆う、前記層間絶縁膜に含まれる材料と同一材料からなる絶縁物を形成し、
    前記第1の電極上に有機化合物を含む層を形成し、
    前記有機化合物を含む層上に第2の電極を形成して前記表示素子を形成し、
    前記層間絶縁膜、前記第1の電極及び前記絶縁物は、透光性を有し、酸化珪素を含み、
    前記層間絶縁膜は、少なくとも窒化珪素又は酸化珪素を含む膜と、塗布法により形成されるアルキル基を含む酸化珪素膜を積層して形成され、
    前記絶縁物は、塗布法により形成されるアルキル基を含む酸化珪素膜であり、
    前記有機化合物を含む層を形成する前に、水分又はガスを除去するための加熱処理を行うことを特徴とする表示装置の作製方法。
  3. 請求項1又は2において、前記塗布法により形成されるアルキル基を含む酸化珪素膜は、シロキサン系ポリマーを溶媒に溶解させた塗布材料液を塗布した塗布膜を焼成して形成されることを特徴とする表示装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか一において、前記塗布法は、スピンコート法又はインクジェット法であることを特徴とする表示装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか一において、前記第1の電極は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物からなるターゲットを用いたスパッタ法で形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
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