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JP4751586B2 - ケラチン物質特にケラチン繊維、たとえば睫のためのメイクアップ組成物 - Google Patents

ケラチン物質特にケラチン繊維、たとえば睫のためのメイクアップ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ケラチン物質特にケラチン繊維、たとえば睫、眉毛、及び毛髪をメイクアップすること、より特に睫をメイクアップすることに関する。
本発明の組成物は、マスカラ、眉毛製品、アイライナー又は毛髪メイクアップ製品の形であり得る。本発明はより特にマスカラに関する。それは特に、メイクアップの上、又は下に施与されるべき組成物、それぞれ“トップコート”又は“ベースコート”としてもまた知られる、あるいは睫をトリートメントするための組成物である。
一般的に、ケラチン繊維及び特に睫をメイクするための組成物は、液相に分散された少なくとも1のワックス又はワックスの混合物からなる。その組成物のための望まれる施与の特異性、例えば流動性、カバー力、及び/又はカーリング力、また濃くするパワー(チャージング力又はメイクアップ力としてもまた知られる)が調節されるのは、主に組成物の固形分により反映されるワックス及び他の比揮発性の成分の量によってである。
実際には、基本的に2のタイプのマスカラ配合物があり、即ち第1に、“クリームマスカラ”として知られる水性ベースのマスカラであり、それは水中ワックス型エマルジョンの形をとる。第2に、“ウォータープルーフマスカラ”として知られる無水のマスカラ又は水及び/又は水溶性溶媒の含有量の少ないマスカラであり、それは非水性溶媒中のワックスの分散物の形で配合される。しかし、水中ワックス型エマルジョンの形のマスカラのあるものもまた“ウォータープルーフ”であると呼ばれることに留意されたい。それらの耐水性は基本的にそれらの組成物中の大量のラテックスの存在から生じる。それらは低い固形分を特徴とし、その結果非常に低いメイクアップ力を有する。
本発明は、“ウォータープルーフマスカラ”として知られる、低い水及び/又は水溶性溶媒の含有量を有するケラチン繊維メイクアップ組成物の分野により特に関し、該組成物は非水性溶媒中のワックスの分散物の形をとる。
従来、これらの組成物は、組成物の合計重量に対しておよそ15〜45重量%の固形分を有する。前に述べられたように、この固形分の範囲は、メイクアップの結果に関して一般的に不満足である。しかし、もしこの値を超えて固形分を増加させることが望まれるならば、流動性の欠如の問題が急速に降りかかる。メイクアップ組成物は施与するには濃くなりすぎ、もはや睫全体の表面への均一な施与のために必要とされる変形性を有しない。さらに、微視的な観察は、このタイプの組成物において、ワックス粒子は一般的に集合体形をとることを示す。
本発明の目的は特に、高い固形分を有するケラチン繊維のためのメイクアップ組成物又はケア組成物を提案することであり、該組成物は特に、従来の“ウォータープルーフ”組成物で得られた結果より濃いメイクアップの結果を得ることを可能にすると同時に、意図されたメイクアップ用途と両立する粘凋性を維持する。
本発明者らは、意外にもそのような組成物が、該組成物中において特定のポリマー、すなわち該組成物の非水性溶媒媒体中に可溶であり、かつ結晶化可能な部分を与えられているポリマーを使用することにより得られることができることを発見した。そのようなポリマーは、驚いたことに液相中におけるワックス粒子の分散をかなり改善することを可能にする。
本発明の課題は、より特定的には、ケラチン繊維をメイクアップする化粧料組成物であり、
(i)非水性溶媒媒体、
(ii)組成物の合計重量に対して25〜55重量%の含有量の少なくとも1のワックス、ただし、上記ワックスは0.5〜30μmの大きさを有する小さな粒子の形である、
(iii)上記溶媒媒体中に可溶であり、かつ少なくとも1の結晶化可能なポリマー構造部分(以下、「結晶化可能な部分」という)を有する少なくとも1のポリマー、及び
(iv)水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒、ただし該水及び/又は水溶性溶媒は該組成物の合計重量に対して20重量%以下の合計含有量で存在する、を含み、該組成物の合計重量に対して48〜70重量%の固形分を有する組成物である。
そのもう1つの特徴に従って本発明の課題は上で定義された組成物を製造する方法でもまたあり、該方法はワックスの融点より上の温度から室温まで連続冷却しながら通すことにより、少なくとも1のワックス及び非水性溶媒に可溶であり結晶性部分を有する少なくとも1のポリマーの連続混合を少なくとも含む。
本発明の課題は、上で定義された組成物を製造する方法でもあり、0.5μm〜30μm、特に大きさが1〜20μmの範囲の大きさの粒子の形である少なくとも1のワックスを少なくとも1の非水性溶媒と該溶媒に可溶であって少なくとも1の結晶化可能な部分を有する少なくとも1のポリマーとを含む混合物、ただし該混合物は粒子の形の該ワックスの融点より下の温度である、中で分散させる少なくとも1の工程を含む。
本発明の課題は、ケラチン繊維のためのメイクアップ組成物、特に本発明の組成物を製造するための、非水性溶媒に可溶であって少なくとも1の結晶化可能な部分を有し、かつ大きさが0.5〜30μm、特に1〜20μmの範囲の粒子の形における少なくとも1のワックスを有する、少なくとも1のポリマーの使用でもまたある。
本発明はケラチン繊維をメイクアップするための方法にもまた関し、該方法において上で定義された、又は上で定義された方法の1により得られる組成物が該ケラチン繊維、特に睫に施与される。
有利に、本発明の組成物は標準のウォータープルーフ組成物より速い乾燥速度をもまた有し、そのことはメイクアッププロセスを実行するために要求される時間及びメイクアップを睫から隣の瞼に移転させるリスクを減らすことを明らかに可能にする。これは適切な場合には、該組成物のいくつかの層を満足できる時間内に施与することを可能にし、その結果これらの組成物により得られるメイクアップを濃くする効果をさらに強化することを可能にする。
固体の同定
本発明の目的のために、“固形分”とは非揮発性物質の含有量を意味する。
一般的に“乾燥抽出物”又はその短縮系、DEと呼ばれる、本発明の組成物のこの固体の量は、2μm〜3.5μmの波長の赤外線で試料を加熱することにより測定される。高い蒸気圧を有する該組成物中に含まれる物質は放射の影響下、蒸発する。試料の重量の損失の測定は組成物の“乾燥抽出物”を決定することを可能にする。これらの測定はMettler社により供給される市販の赤外デシケーター、“LP16”を使用して行われる。この技術はMettler社により供給される機械の書類に完全に記載されている。
測定プロトコルは以下のようである:
約1gの組成物が金属ルツボの上に広げられる。該ルツボをデシケーター中に入れた後に、それは1時間120℃の公称温度に付される。試料の初期の質量に対応する試料の湿潤質量、及び乾燥質量に対応する放射に暴露した後の質量が精密天秤を用いて測定される。
固形分は以下の方法で計算される:
乾燥抽出物=100×(乾燥質量/湿潤質量)。
上に記載されたプロトコルを用いて測定された値は、対応する理論値からプラス又はマイナス1%違う可能性がある。
本発明の組成物は、該組成物の合計重量に対して45重量%より上、特に46〜80重量%、とりわけ48〜70重量%、より特に50〜65重量%の範囲の固形分を特に特徴とする。
非水性溶媒媒体中に可溶であって少なくとも1の結晶化可能な部分を有するポリマー
本発明の組成物は、非水性溶媒媒体中に可溶であって少なくとも1の結晶化可能な部分を有する少なくとも1のポリマーを含む。
表現“該非水性溶媒媒体中に可溶であるポリマー”とは、少なくとも0.01重量%より上の固形分で、そして所望された最終組成物に想定される含有量に対応する量に対して単独で導入されたとき、室温一般的に約25℃においてかつ大気圧(750mmHg、即ち105Pa)の下、該非水性溶媒媒体中に可溶であるポリマーを意味する。
本発明の目的のために、用語“ポリマー”は少なくとも2の繰り返し単位、特に少なくとも3の繰り返し単位、特に少なくとも10の繰り返し単位、あるいは少なくとも15の繰り返し単位さえ含む化合物を意味する。本発明のポリマーは異なる性質の少なくとも2の繰り返し単位から一般的になる(コポリマー)。本発明において使用されるポリマーは一般的に合成起源であり、200〜1,000,000g/mol、特に500〜500,000g/mol、より特に1000〜300,000g/molの範囲のモル質量を特徴とする。
より具体的には、本発明において使用されるポリマーは室温において媒体中に溶解されかつ非結晶性であって、Aと表示される少なくとも1の結晶化可能な部分及びBと表示される少なくとも1の“非晶質”の結晶化可能でない部分を必ず含む。
この特異的な構造の結果それらは、部分Aによるワックスに対する親和性及び部分Bによる溶媒に対する親和性の両方を有利に有し、その結果この点に関してワックスを非水性溶媒媒体に効率的に分散することに参加する。
本発明において使用されるポリマーの結晶化可能な部分は、各ポリマーの合計重量に対して少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%、そして50重量%まで、より特に30〜50重量%に相当する。
本発明のコポリマーの結晶化可能な部分Aは、該ポリマーの骨格に結合されたペンダント状鎖、及び/又はこの骨格及び/又は少なくとも1の末端鎖に直接取り込まれたブロックを特徴とする。これらのコポリマーは任意の化学的構造、すなわちランダム、ブロック又はグラフトコポリマー及び/又はデンドリマーであり得る。
同様に、本発明のコポリマーの非晶質部分は、該コポリマーの骨格に結合されたペンダント状鎖、及び/又はこの骨格及び/又は少なくとも1の末端鎖に直接取り込まれたブロックを特徴とする。
本発明の目的のために、以下の用語又は表現は以下に与えられる意味を有する。
“結晶化可能な部分A”とは、少なくとも5の繰り返し単位の列であって、この繰り返し単位に対応するホモポリマーが考慮されるならば、30%より高い結晶度を特徴とするであろう配列を意味する。
“非晶質部分B”とは、少なくとも5の繰り返し単位の列であって、この繰り返し単位に対応するホモポリマーが考慮されるならば、5%未満、又は0でさえある結晶度を特徴とするであろう配列を意味する。
“骨格に取り込まれたブロック”とは、モノマー単位の繰り返しからなり、ポリマーの主鎖の部分を形成する原子の群を意味する。
“ペンダント状の鎖又は側鎖”とは、ポリマー骨格上の枝分かれを形成する原子の群を意味する。
“末端鎖”とは、骨格の末端少なくとも1の上にある原子の群を意味する。
a) ランダムコポリマー
ランダムコポリマーは好ましくは、結晶化可能なペンダント状の鎖を有するポリマーであり、少なくとも2のモノマーの重合化から生じる単位を含み、該少なくとも2のモノマーの少なくとも1は式Iにより表され得るXとして知られる結晶化可能な疎水性の側鎖を有する:
Figure 0004751586

ここでMはポリマー骨格の原子を表し、Sはスペーサーを表し、Cは結晶化可能な基を表す。
結晶化可能な鎖“−S−C−”は、脂肪族又は芳香族であり得、任意的にフッ素化又はパーフルオロ化されていてもよい。“S”は特に基、(CH2)n、又は(CH2CH2O)n又は(CH2O)を表し、それらは直鎖又は分岐状又は環状であり得、nは0〜22の整数である。好ましくは、“S”は直鎖の基である。好ましくは、“S”及び“C”は異なる。
結晶化可能な鎖“−S−C−”が炭化水素をベースとする脂肪鎖であるとき、それらは少なくとも11であってかつ40以下、より一層には24以下の炭素原子を含む炭化水素をベースとするアルキル鎖を含む。それらは特に少なくとも12の炭素原子を含む脂肪鎖又はアルキル鎖であり、特にC14〜C24のアルキル鎖である。それらがフルオロアルキル又はパーフルオロアルキル鎖であるとき、それらは少なくとも6のフッ素化された炭素を含み、特に少なくとも11の炭素原子を含み、そのうちの少なくとも6の炭素原子がフッ素化されている。
結晶化可能なペンダント状鎖を含むポリマーの例として、1以上の以下に示すモノマーの重合化から生じる単位を含むものが挙げられ得る:アルキル基がC14〜C24である飽和アルキルの(メタ)アクリレート、C12〜C15のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート、アルキル基がフッ素原子を有する又は有しないC12〜C24であるN−アルキル(メタ)アクリアミド、アルキル基がC12〜C24(ただしパーフルオロアルキル鎖ごとに少なくとも6のフッ素原子を有する)であるアルキル又はパーフルオロ(アルキル)鎖を含むビニル又はアリルエステル、アルキル基がC12〜C24であり、パーフルオロアルキル鎖ごとに少なくとも6のフッ素原子を有するアルキル鎖又はパーフルオロ(アルキル)鎖を含むビニルエーテル、C12〜C24のアルファ−オレフィン例えば、オクタデセン、12〜24の炭素原子を含むアルキル基を有するパラ−アルキルスチレン、及びそれらの混合物。
本発明において使用され得るこれらのポリマーの例として、結晶可能化部分Aを形成する、飽和でありかつ直鎖のC12〜C30のアルキル(メタ)アクリレートと非晶質部分Bを構成する直鎖のC4〜C10又は分岐状又は環状及び/又は不飽和のC4〜C30アルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーが挙げられ得る。
結晶化可能な部分Aを構成する直鎖かつ飽和のC12〜C30のアルキル基及び非晶質の部分Bを構成する直鎖のC4〜C10又は分岐状又は環状であって及び/又は不飽和のC4〜C30のアルキル基を含むビニルエステルコポリマーの中で、ビニルアセテートとビニルステアレート又はアリルステアレートとのコポリマー、例えばChimex社により“Mexomere PQ(商標)媒の名前で販売されているアリルステアレートとビニルアセテートとのコポリマーが特に挙げられ得る。
ポリマーが重縮合から生成するとき、又は上で定義されたとおりの炭化水素をベースとする、及び/フッ素の結晶化可能な鎖がジカルボン酸、ジオール、ジアミン又はジイソシアネートであり得るモノマーにより保たれうる。
b)ブロックコポリマー
これらのコポリマーは異なる化学的性質を有する少なくとも2のタイプのブロックからなり、そのうちの1は結晶化可能であり、部分Aを構成する。ブロックコポリマーの場合、非晶質のブロックBの少なくとも1は媒体中に可溶でなければならない。
挙げられ得る例は、
結晶化可能な鎖を含むオレフィン又はシクロオレフィンのブロックコポリマーを含み、例えば
− シクロブテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、ノルボルネン(すなわちビシクロ-[2,2,1]ヘプタ-2-エン)、5-メチルノルボルネン、5-エチルノルボルネン、5,6-ジメチルノルボルネン、5,5,6-トリメチルノルボルネン、5-エチリデンノルボルネン、5-フェニルノルボルネン、5-ベンジルノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8a-オクタヒドロナフタレン又はジシクロペンタジエン、又はそれらの混合物と、
−エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、又は1-エイコセン、又はそれらの混合物とのブロック重合化から誘導されるもの、
− B.Boutevinらによる論文“PP/PBTの形態学的及び機械的性質の研究”Polymer Bulletin,第34巻、117〜123ページ(1995年)に記載された、水素化ブロック又はマルチブロックのポリ(ブチレンテレフタレート)-b-ポリ(イソプレン)ブロックコポリマー、
− P. Rangarajanらによる論文、“エチレン−(エチレン−alt−プロピレン)の半結晶性ブロック共重合体の形態学”、Macromolecules、第26巻、4640〜4645ページ(1993年)及びP. Richterらによる“結晶コアを有するポリマー集合体: ポリ(エチレン)−ポリ(エチレン−プロピレン)の系”、Macromolecules、第30巻、1053〜1068ページ(1997年)に記載されているポリ(エチレン)-b-コポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー、及び
− I. W. Hamleyによる一般論文“ブロックコポリマーにおける結晶化”、Advances in Polymer Science第148巻、113〜137ページ(1999年)に記載されているポリ(エチレン)-b-ポリ(エチルエチレン)ブロックコポリマー
を含む。
これらのポリマーは単一の結晶化可能なブロック又は結晶化可能なブロックの繰り返しを有しうる。後者の場合、これらの結晶化可能なブロックは同一又は異なる化学的性質であり得る。
c)結晶化可能な末端ブロックを含むコポリマー
このカテゴリーに挙げられ得る例は以下を含む;
(α)少なくとも32の炭素原子を含むジカルボン酸から選択される少なくとも1の酸、例えば二量体脂肪酸と(β)アルキレンジアミン、特にエチレンジアミンとの間の縮合から生じるポリアミドタイプの重縮合体、該縮合体においてポリアミドポリマーは、12〜30の直鎖で飽和の炭素原子を含む少なくとも1のモノアルコール又はモノアミンでエステル化又はアミド化された少なくとも1のカルボン酸の末端基を含み、特にエチレンジアミン/ステアリルジリノレートのコポリマー、例えばArizona Chemical社により“Uniclear 100VG(商標)”の名前で販売されている製品、及び
親油性ポリエステル重縮合体、その末端は、飽和の直鎖のC12〜C30の炭素をベースとする鎖からなる結晶化可能な酸又はアルコールでエステル化されており、特に、その末端の少なくとも1はステアリン酸でエステル化されているところの12−ポリヒドロキシステアリン酸、例えばAvecia社により販売されている“Solsperse 21000(商標)”。
本発明のコポリマーの更なる例として、特にエチレン/ビニルアセテートコポリマー、エチレン/マレイン酸無水物コポリマー、水素化ブタジエン/イソプレンブロックコポリマー及びエチレン/マレイン酸無水物/ビニルアセテートターポリマーが挙げられ得る。
非水性溶媒媒体中に可溶であって少なくとも1の結晶化可能な部分を有するポリマー、又はそのようなコポリマーの混合物は該組成物の合計重量に対して、0.01〜30重量%、特に0.1〜20重量%、とりわけ1〜10重量%の範囲の割合で本発明の組成物中に存在し得る。
非水性溶媒媒体
本発明の組成物は非水性溶媒媒体を含む。
この媒体は連続相を形成することができ、その名前が示すように、一般的に揮発性化合物であり、水に可溶ではなく、室温及び大気圧において液状であるところの少なくとも1の非水性溶媒を含む。
本発明の目的のために、用語“揮発性化合物”とは、室温及び大気圧において皮膚又はケラチン繊維と接触したとき1時間未満内に蒸発することのできる任意の化合物(又は非水性媒体)を意味する。揮発性化合物は揮発性の化粧料化合物であり、それは室温において液状であり、室温及び大気圧において、特にゼロではない蒸気圧を有し、特に0.13Pa〜40,000Pa (10-3〜300mmHg)の範囲、特に1.3 Pa〜13,000Pa (0.01〜100mmHg)の範囲、より特に1.3 Pa〜1,300Pa (0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する。
これに対して、用語“非揮発性化合物”とは、室温及び大気圧において皮膚又はケラチン性繊維の上に少なくとも数時間残り、特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する化合物を意味する。
室温において液状である、水に不溶性の揮発性化合物の量は一般的に、該組成物の合計重量に対して5〜55重量%、特に10〜50重量%、特に20〜45重量%である。
室温において液状である、水に不溶性の揮発性化合物は、特に化粧料的に許容される有機溶媒又はオイルである。用語“化粧料的に許容される”とは、その使用がケラチン性繊維及び皮膚への塗布と両立する化合物を意味する。
言うまでもなく、本発明の組成物の非水性溶媒媒体はそのような化合部の混合物を含み得る。
揮発性オイルは、炭化水素をベースとするオイル、シリコーンオイル、フルオロオイル、又はそれらの混合物であり得る。
用語“炭化水素をベースとするオイル”とは、主に水素原子及び炭素原子を含み場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及びリン原子を含んでいてもよいオイルを意味する。揮発性の炭化水素のオイルは、8〜16の炭素原子を含む炭化水素をベースとするオイル、特に分岐状のC8〜C16アルカン、例えば石油起源のC8〜C16のイソアルカン(イソパラフィンとしてもまた公知である)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしてもまた公知である)、イソデカン、イソヘキサデカン、例えば商標名Isopar(商標)又はPermetyls(商標)で販売されているオイル、分岐状のC8〜C16エステル及びネオペンタン酸イソヘキシル、及びそれらの混合物から選択され得る。他の揮発性の炭化水素をベースとするオイル、例えば石油の留出物、特にShell社によりShell Solt(商標)の名前の下に販売されているものもまた使用され得る。
揮発性シリコーンもまた揮発性オイルとして使用され得、例えば揮発性の直鎖又は環状のシリコーンオイル特に≦6センチストークス(6×10-62/s)の粘度を有するもの、及び特に2〜10の珪素原子を含むものが使用され得、これらのシリコーンは任意的に1〜22の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含んでいてもよい。本発明において使用され得る揮発性シリコーンオイルとして、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン及びそれらの混合物が挙げられ得る。
揮発性有機溶媒、特にフッ素化された揮発性有機溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン、又はパーフルオロメチルシクロペンタンもまた使用され得る。
本発明の組成物の特定の実施態様に従って、室温において液状である水に不溶性の揮発性化合物は8〜16の炭素原子を含む揮発性の炭化水素をベースとするオイル、及びそれらの混合物から選択される。
非水性溶媒媒体は、室温において液状である、少なくとも1の水に不溶性の非揮発性化合物、特に少なくとも1の非揮発性オイルをもまた含み得、それは特に非揮発性の炭化水素をベースとするオイル及び/又はシリコーンオイル及び/又はフルオロオイルから選択され得る。
特に挙げられ得る非揮発性の炭化水素をベースとするオイルは以下を含む:
― 植物起源の炭化水素をベースとするオイル、例えばグリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、その脂肪酸はC4〜C24の範囲の鎖の長さを有し得、これらの差は直鎖又は分岐状であり、そして飽和又は不飽和であってもよい;これらのオイルは特に小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ種油、トウモロコシ油、アプリコット油、ひまし油、シア油、アボガド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシの実油、かぼちゃ油、ゴマ種油、骨髄油、菜種油、黒スグリ油、月見草油、キビ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油、及びジャコウバラ油;又はカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されるもの、またはDynamit Nobel社により“Miglyol810(商標)”、“812(商標)”、及び“818(商標)”の名前の下に販売されるもの、
− 10〜40の炭素原子を含む合成エーテル、
− 鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐状の炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水素化ポリイソブテン例えばパーレアム、及びスクワラン、及びそれらの混合物、
− 合成エステル、例えば式R1COOR2のオイル、ここでR1は1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐の脂肪酸残基を表し、R2は炭化水素をベースとする鎖、特に1〜40の炭素原子を含む分岐状を表し、ただしR1+R2≧10であり、例えばプルセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸のC12〜C15のアルキルエステル、ラウリル酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、2−エチルヘキシルパルミテート、イソステアリン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸、又はリシノール酸のアルコール又はポリアルコールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール;水素化されたエステル、例えば乳酸イソステアリル又はリンゴ酸ジイソステアリル及びペンタエリスリトールエステル、
− 12〜26の炭素原子を含む分岐状及び/又は不飽和の炭素鎖を有する、室温において液状であるところの脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール又は2−ウンデシルペンタデカノール、
− 高級脂肪酸例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸;
及びそれらの混合物。
本発明の組成物において使用され得るところの非揮発性シリコーンオイルは、非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)であり得、ポリジメチルシロキサンはアルキル又はアルコキシ基(該基はペンダント状であるか、又はシリコーン鎖の末端にあり、これらの基はそれぞれ2〜24の炭素原子を含む)を含み、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートである。
本発明の組成物において使用され得るフルオロオイルは特に、欧州特許出願公開第847752号に記載されているフルオロシリコーンオイル、フルオロポリエーテル、及びフルオロシリコーンである。
室温において液状である水に不溶性の非揮発性化合物の含有量は一般的に、該組成物の合計重量に対して0.01〜30重量%、特に0.1〜25重量%である。
水及び/又は水溶性溶媒
本発明の組成物は水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒を含む。
本発明において、用語“水溶性溶媒”とは、室温において液状であり、水と混和性のある化合物(25℃及び大気圧において50重量%より高い水との混和性)を意味する。
本発明の組成物において使用され得る水溶性溶媒もまた一般的に揮発性である。
本発明の組成物において使用され得る水溶性溶媒の中で特に、1〜5の炭素原子を含む低級アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、2〜8の炭素原子を含むグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及びジプロピレングリコール、C3及びC4ケトン及びC2〜C4のアルデヒドが挙げられ得る。
水及び/又は水溶性溶媒はそのまま本発明の配合物中に導入され得るか又は該組成物を構成する1以上の成分によりそこに取り込まれうる。このようにして水は特に、ラテックス又は擬ラテックス、すなわちポリマー粒子の水性分散物により組成物中に導入され得る。
該組成物中における水及び/又は水溶性溶媒の存在は、該組成物の睫への接着性を上げることができる。具体的には、主に該組成物の“オイリー”な性質により、非水性溶媒の量が多いほど、睫のへの塗布がより滑りやすくなる。非水性溶媒の水性溶媒による部分的な置換は、この効果を減じることができ、その結果、睫への接着性を上げることができる。得られるメイクアップの結果は従ってより濃くなる。
しかしながらウォータープルーフマスカラに関しては、該組成物中の水及び/又は水溶性溶媒の量は20%以下であって、かつ一般的には組成物の合計重量に対して0.5重量%以上である
本発明の組成物中の水及び/又は水溶性溶媒の含有量は、組成物の合計重量に対して1〜18重量%、より特に2〜15重量%の範囲であり得る。
ワックス
本発明の組成物は、組成物の合計重量に対して3重量%より高い含有量のワックス又はワックスの混合物を含む。
本発明の文脈において考慮されているワックスは一般的に新油性であり、一般的に室温(25℃)において固体であり、固体/液体の可逆的な変化の状態を有し、30℃以上の融点を有し、該融点は200℃、特に120℃までであり得る。
ワックスを液状の形態(融解)に至らせることにより、オイルと混和性にし、微視的に均一な混合物を形成することを可能にすることができるが、該混合物を室温に冷却すると混合物のオイル中のワックスの再結晶化が得られる。
特に本発明に適するワックスは、45℃以上、特に55℃以上の融点を有し得る。
本発明の目的のために、融点は、ISO標準11357-3;1999に記載される熱分析(DSC)により観察される最も発熱的なピークの温度に対応する。ワックスの融点は示差走査熱量計(DSC)、例えばTA Instruments社により“MDSC 2920(商標)”の名前で販売されている熱量計を用いて測定されうる。
測定プロトコルは以下のようである:
ルツボに入れられた5mgの生成物の試料は、加熱速度10℃/分において−20℃から100℃の範囲の第一昇温に付され、次に10℃/分の冷却速度で10℃〜−20℃に冷却され、最終的に5℃/分の加熱速度において−20℃〜100℃の範囲の第2昇温に付される。第2昇温の間に、空のルツボ及び試料のワックスを含むルツボにより吸収されるエネルギーの差のばらつきが温度の関数として測定される。化合物の融点は、温度の関数としての吸収されたエネルギーの差のばらつきを表す曲線のピークの頂上に対応する温度値である。
本発明の組成物において使用され得るワックスは、動物、植物、鉱物、又は合成起源の室温において固体であるワックス、及びそれらの混合物から選択される。
本発明の組成物において使用され得るワックスは、一般的に0.01MPa〜15MPaの範囲の、特に0.05MPaより高い、特に0.1MPaより高い硬度を有する。
硬度は、Rheo社によりTA−XT2i(商標)の商品名の下に販売されるテクスチュロメーター(直径2mmのステンレススチールのシリンダースピンドルが装備されている)を用いて、以下の操作の間に、時間の関数としての力(圧縮力又は延伸力)(F)の変化を測定することにより、20℃において測定された圧縮力を測定することにより決定される。
スピンドルは0.1mm/分の速度で移動され、次にワックスに0.3mmの浸透深さまで浸透する。スピンドルが0.3mmの深さまで浸透したとき、スピンドルは1秒間(緩和時間に相当する)静かに保たれ、次に0.1mm/秒の速度で引き抜かれる。緩和時間の間、力(圧縮力)はそれがゼロになるまで大きく減少し、そして次にスピンドルの引き抜きの間に力(延伸力)が負になり、次に0の値に向かって再び上昇する。硬度はスピンドルの表面とワックスが接触するようになる瞬間におけるスピンドルの表面とワックスとの間で測定される最大圧縮力に対応する。この力の値はMPaで表される。
硬度を測定するために、ワックスはワックスの融点+20℃の温度において溶融される。溶融されたワックスは直径30mm、深さ20mmの容器に注がれる。ワックスは室温(25℃)において24時間再結晶化され、次に、硬度の測定の前に20℃において少なくとも1時間貯蔵される。
本発明に適するワックスの例として、特に炭化水素をベースとするワックス、例えば蜜蝋、ラノリンワックス、イボタ蝋、ハゼ蝋、パラフィン、ある種のポリエチレンワックス及びワックス状のコポリマー、及びそれらのエステルが挙げられ得る。
直鎖又は分岐のC8〜C32の脂肪鎖を含む動物又は植物オイルの触媒的水素化により得られたワックスもまた挙げられ得る。これらの中で特に挙げられ得るワックスは、異性化されたホホバオイル、例えばDesert Whale社により“Iso-Jojoba-50(商標)”の商品番号で製造又は販売されているtrans異性化された部分的に水素化ホホバオイル、水素化ヒマワリ油、水素化ひまし油、水素化ココナッツ油、水素化ラノリン、及びHeterene社により“Hest 2T-4S(商標)”の名前で販売されているビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアレートである。
シリコーンワックス及びフルオロワックスもまた挙げられ得る。
Sophim社により“Phytowax ricin 16L64(商標)”及び“22L73(商標)”の名前で販売されているセチルアルコールでエステル化されたひまし油の水素化により得られるワックスもまた使用され得る。そのようなワックスは、フランス国特許出願公開第2792190号に記載されている。
1つの特定な実施態様に従って、本発明の組成物は少なくとも1の“粘着性のある”ワックス、すなわち0.7N.s以上の粘着性及び3.5Mpa以下の硬度を有するワックスを含み得る。
粘着性のあるワックスを使用することは特にケラチン繊維に容易に塗布し、ケラチン繊維によくつき、滑らかで均一で濃くするメイクアップの結果の生成をもたらす化粧料組成物を得ることを可能にする。
使用される粘着性のあるワックスは、0.7N.s〜30N.sの範囲、特に1N.s以上、とりわけ1N.s〜20N.sの範囲、特に2N.s以上、とりわけ2N.s〜10N.sの範囲、特に2N.s〜5N.sの範囲の粘着性を有する。
ワックスの粘着性は、Rheo社によりTA−XT2i(商標)の商品名の下に販売されるテクスチュロメーター(45度の角度を形成する円錐形のアクリルポリマーのスピンドルが装備されている)を用いて、時間の関数としての力(圧縮力又は延伸力)の変化を20℃において測定することにより決定される。
測定プロトコルは以下のとおりである:
ワックスはワックスの融点+10℃に等しい温度において溶融される。溶融されたワックスは直径25mm、深さ20mmの容器に注がれる。ワックスの表面が平らでかつ滑らかになるように、ワックスは室温(25℃)において24時間再結晶化され、粘着度の測定の前に20℃において少なくとも1時間貯蔵される。
テクスチュロメーターのスピンドルは0.5mm/秒の速度で移動され、次にワックスに2mmの浸透深さまで浸透する。スピンドルが2mmの深さまで浸透したとき、スピンドルは1秒間(緩和時間に相当する)静かに保たれ、次に0.5mm/秒の速度で引き抜かれる。
緩和時間の間、力(圧縮力)はそれがゼロになるまで大きく減少し、そして次にスピンドルの引き抜きの間に力(延伸力)が負になり、次に0の値に向かって再び上昇する。粘着度は、負の値の力(延伸力)に対応する曲線の部分に対する時間の関数としての力の曲線の積分に相当する。粘着度の値はN.sで表される。
使用され得る粘着性ワックスは、一般的に3.5MPa以下、特に0.01MPa〜3.5MPaの範囲、とりわけ0.05MPa〜3Mpa、あるいは0.1MPa〜2.5MPa の範囲さえ、の硬度を有する。
硬度は前に記載されたプロトコルに従って測定される。
使用され得る粘着性ワックスは、C20〜C40のアルキル(ヒドロキシステアリロキシ)−ステアレート(アルキル基は20〜40の炭素原子を含む) を単独で又は混合物として含み、特に式(II)のC20〜C40のアルキル12(12−ヒドロキシステアリロキシ)ステアレート
Figure 0004751586

ここで、mは18〜38の範囲の整数である、又は式(II)の化合物の混合物を含む。
そのようなワックスは特にKoster Keunen社により “Kester Wax K 82 P(商標)”及び“Kester Wax K 80P(商標)”の名前で特に販売されている。
上に記載されたワックスは、一般的に45℃未満の溶融開始温度を有する。
本発明の組成物の1の特定の実施態様に従って、該組成物は高い溶融開始温度、すなわち一般的に45℃以上、特に50℃以上、あるいは非常に高い溶融開始温度さえ、すなわち一般的に55℃以上、特に60℃以上の溶融開始温度さえ有する少なくとも1のワックスを含み得る。ワックスの溶融開始温度は、示差走査熱量計(DSC)、例えばTA Instruments社により“MDSC 2920(商標)”の名前で販売されている熱量計を用いて測定されうる。
測定プロトコルは融点を測定するために記載されたのと同じである。
以下短縮形“mp開始”と表示される化合物の溶融開始温度は、融解熱の5%が消費されたとき、測定される温度に対応する。
高いけれども50℃未満である溶融開始温度を有するワックスとして、特にモンタン蝋(mp開始=47.9℃)、オゾケライト(mp開始=46.3℃)、及びSophim社により“Phytowax Olive 18L57(商標)”の名前で販売されているステアリルアルコールでエステル化されたオリーブオイルの触媒的水素化により得られるワックスが挙げられ得る。
50℃以上であってかつ55℃未満の融点を有するワックスとして、米ぬかワックス(mp開始=51.4℃)、キャンデリラワックス(mp開始=50℃)、及びオウリキュリワックス(mp開始=51.4℃)が特に挙げられ得る。
本発明の組成物において使用され得る非常に高い溶融開始温度を有するワックスとして、特にカルナウバ蝋(mp開始=63.5℃)、Fisher−Tropsch合成により得られるワックス(mp開始=60.5℃)、ある種のポリエチレンワックス、例えば特にNew Phase Technologies社により“Performalen 655(商標)”の名前で販売されるもの、又はHoneywell社による“Polyethylene AC 540(商標)”、Petrolite社による“Polywax 2000 T-6”(mp開始=125℃)、又はEastman Kodak社による“PED 191(商標)”及び“Epolene N-14(商標)”(それぞれmp開始=120℃及び106℃)、及びある種の単結晶ワックス例えばTisco社による“Tisco Wax 88(商標)”又はParamelt社による“Microwax HW(商標)”が挙げられ得る。
非常に高い溶融開始温度を有するワックスとして、直鎖又は分岐のC8〜C32の脂肪鎖を含む動物又は植物オイルの触媒的水素化により得られるワックス、例えば水素化ホホバオイル(mp開始=63.2℃)及びHeterene社により“Hest 2T−4B”の名前で販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラベヘネート(mp開始=61.8℃)もまた挙げられる。
高い、あるいは非常に高い溶融開始温度すらを有するワックスの該組成物中の含有量は特に高くてもよく、特に20重量%以上であってもよい。
本発明において、約0.5〜30ミクロメートル、特に1〜20ミクロメートル、より特に5〜10ミクロメートルの大きさの小さい粒子の形で供給されるワックスを使用することもまた可能であり、以降“ミクロワックス”と表示される。区別のため、より大きいフラグメントの形で本発明に従って使用されるワックスは以降“慣用のワックスと表示される。
本発明の組成物において使用され得るミクロワックスとして、カルナウバミクロワックス、例えばMicro Powders社により“MicroCare 350(商標)”の名前で販売される製品、合成ミクロワックス、例えばMicro Powders社により“MicroEase 114S”の名前で販売される製品、カルナウバ蝋及びポリエチレンワックスの混合物からなるミクロワックス、例えばMicro Powders社により“Micro Care 300(商標)”及び“310(商標)”の名前で販売される製品、カルナウバ蝋及び合成ワックスの混合物からなるミクロワックス例えばMicro Powders社により“Micro Care 325(商標)”の名前で販売される製品、ポリエチレンワックス、例えばMicro Powders社により“Micropoly 200(商標)”及び“220(商標)”、“220L(商標)”及び“250S(商標)”の名前で販売される製品、及びポリテトラフルオロエチレンミクロパウダー例えばMicro Powders社により“Microslip 519(商標)”及び“519L(商標)”の名前で販売される製品が挙げられ得る。
上で述べられたミクロワックスの中で、それらのうちのあるもの、例えばカルナウバミクロワックス、合成ミクロワックス“MicroEase 114S(商標)”又はカルナウバ蝋及び合成ワックス“MicroCare 325(商標)”の混合物からなるミクロワックスは45℃以上の溶融開始温度を有する。
本発明の組成物において、ワックスの混合物を使用すること、特に1以上の慣用のワックス、例えば特に粘着性ワックス及び/又は45℃以上の溶融開始温度を有するワックス、及び1以上のミクロワックスを使用することが明らかに可能である。
本発明の組成物は該組成物の合計重量に対して25〜55重量%ワックスを含み得る。
ワックス又はワックスの混合物は、非水性溶媒媒体中の粒子の分散物の形で本発明の組成物中に存在する。
ワックス粒子は多様な形を有する。ワックス粒子は特に実質的に球形であり得る。
組成物の試料の微視的観察は、室温において、該媒体中のワックス粒子の良好な分散を示し、これらの粒子の凝集はほとんど、又は全くなく、又はすべての方向において実質的に同一である粒子の分布さえ示す。
フィルム形成性ポリマー
1つの特定の実施態様に従って、本発明の組成物は少なくとも1のフィルム形成性ポリマーを含み得る。
本発明において、用語“フィルム形成性ポリマー”とはそれ自身であるいは補助のフィルム形成剤の存在下、土台、特にケラチン物質に接着する連続フィルムを形成することができるポリマーを意味する。
本発明において、本発明の条件下、30重量%未満の結晶化可能な部分を含むポリマー(一般的に脂溶性ポリマー)、特に全く含まないポリマー(一般的に脂溶性ポリマー)はこのカテゴリーに分類される。
本発明の組成物において使用され得るフィルム形成性ポリマーの中で、フリーラジカルタイプ又は重縮合タイプの合成ポリマー、及び天然起源のポリマー、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
挙げられ得る脂溶性ポリマーの例は、ビニルエステル(該ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合されており、該ビニルエステルは1〜24の炭素原子の飽和の、直鎖又は分岐の炭化水素をベースとする基を含み、エステル基のカルボニルに直接結合している)と、少なくとも1の他のモノマー、該モノマーはビニルエステル(すでに存在するビニルエステルとは異なる)、アルキルビニルエーテル(そのアルキルは2〜24の炭素原子を含む)、又はアリル又はメタリルエステル(1〜24の炭素原子の飽和の、直鎖又は分岐の炭化水素をベースとする基であって、エステル基のカルボニルに結合している)とのコポリマーを含む。これらのコポリマーは、ビニルタイプ又はアリル又はメタリルタイプのいずれかであり得る架橋剤、例えばテトラアリロキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート、及びジビニルオクタデカンジオエートを使用して架橋され得る。
挙げられ得るこれらのコポリマーの例は、以下のコポリマーを含む:ビニルアセテート/ビニルラウレート、ビニルプロピオネート/アリルラウレート、ビニルプロピオネート/ビニルラウレート、及びアリル2,2−ジメチルペンタノエート/ビニルラウレート。
挙げられ得る脂溶性のフィルム形成性ポリマーは、9〜22の炭素原子を含むビニルエステル又はアルキルアクリレート又はメタクリレート、ただし該アルキル基は2〜24の炭素原子を含む、のホモ重合化から生じるものを含む。
特に挙げられ得る脂溶性ホモポリマーの例は、ポリビニルラウレート及びポリラウリル(メタ)アクリレートを含み、これらのポリ(メタ)アクリレートはおそらくエチレングリコールジメタクリレート又はテトラエチレングリコールジメタクリレートを用いて架橋される。
上で定義された脂溶性ホモポリマー及びコポリマーは公知であり、特にフランス国特許出願公開第2232303号に記載されている;それらは2000〜500000、特に4000〜200000の範囲の平均分子量を有し得る。
本発明において使用され得る脂溶性フィルム形成性ポリマーとして、ポリアルキレン、及び特にC2〜C20のアルケンコポリマー、例えばポリブテン、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC1〜C8アルキル基を有するアルキルセルロース、例えばエチルセルロース、及びプロピルセルロース、ビニルピロリドン(VP)コポリマー、特にビニルピロリドンとC2〜C40、特にC3〜C20のアルケンとのコポリマーもまた挙げられ得る。本発明において使用され得るVPコポリマーの例として、VP/ビニルアセテート、VP/エチルメタクリレート、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/ エチルメタクリレート/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン及びVP/アクリル酸/ラウリルメタクリレートコポリマーが挙げられ得る。
フィルム形成性ポリマーは、水性相中に、又は非水性溶媒相中に分散された粒子の形で組成物中に存在し得、一般的にラテックス又は擬似ラテックスとして公知である。これらの分散物を製造する技術は当業者に周知である。
使用され得るフィルム形成性ポリマーの水性分散物は、Avecia-Neoresins社により“Neocryl XK-90(商標)”、”Neocryl A-1070(商標)”,“Neocryl A-1090(商標)”,“Neocryl BT-62(商標)”,“Neocryl A-1079(商標)”,及び“Neocryl A-523(商標)”の名前で販売されるアクリル分散物、Dow Chemical社による“Dow Latex 432(商標)”、Daito Kasey Kogyo社による“Daitosol 5000 AD(商標)”;あるいはAvecia-Neoresins社により“Neorez R-981 (商標)”、及び“Neorez R-974 (商標)”、Goodrich社により“Avalure UR-405(商標)”、“Avalure UR-410(商標)”、“Avalure UR-425(商標)”、“Avalure UR-450(商標)”、“Sancure 875(商標)”、“Sancure 861(商標)”、“Sancure 878(商標)”、及び“Sancure 2060(商標)”、Bayer社により“Impranil 85(商標)”、Hydromer社により“Aquamere H-1511(商標)”の名前で販売される ポリウレタンの水性分散物、;Eastman Chemical Products社による商品名“EastmanAQ(商標)”で販売されているスルホポリエステル、ビニル性の分散物、例えば“Mexomere PAM”、及びイソドデカン中のアクリル分散物、例えばCHIMEX社による“Mexomere PAP”をもまた含む。
フィルム形成性ポリマーは、該組成物の合計重量に対して0.1〜30重量%、特に0.5〜25重量%、より特に1〜20重量%の範囲の固形分で本発明の組成物中に存在し得る。
本発明の組成物はフィルム形成性ポリマーとともに、フィルムの形成を促進する可塑剤を含み得る。そのような可塑剤は、所望される機能を満足することができるとして当業者に公知である任意の物質から選択され得る。
染料
本発明の組成物は、少なくとも1の染料、例えば粉状染料、脂溶性染料及び水溶性染料、をもまた含み得る。
粉状染料は、顔料及び真珠光沢剤から選ぶことができる。
顔料は、白色または着色され、鉱物及び/又は有機物、被覆された又は被覆されていない。挙げられ得る鉱物性顔料の中に、二酸化チタン(随意的に表面処理されていてもよい)、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛又は酸化セリウム、及び、酸化鉄又は酸化クロム、マンガン紫、群青色、クロム水和物、及び第二鉄青がある。挙げられ得る有機顔料の中に、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカーミンまたはバリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムベースのレーキがある。
真珠光沢剤は、白色真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化チタン又はビスマスで被覆されたマイカ、着色真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特に第二鉄青又は酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上述の有機顔料で被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料からも選ばれることができる。
脂溶性の染料は、例えばスーダンレッド、D&Cレッド17、D&Cグリーン6、β-カロチン、大豆油、スーダンブラウン、D&Cイエロー11、D&Cバイオレット2、D&Cオレンジ5及びキノリンイエロー、及びアナートである。
これらの染料は、組成物の総重量に対して、0.01〜30重量%の量で存在することができる。
フィラー
本発明の組成物は少なくとも1のフィラーをもまた含み得る。
フィラーは、当業者に周知であり、化粧料組成物において一般的に使用されるものから選択されることができる。フィラーは鉱物性又は有機性、ラメラ状又は球状であることができる。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド粉末、例えばOrgasol(商標)の名前でAtochem社により販売されているナイロン(商標)、ポリ−β−アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマーの粉末、例えばTeflon(商標)、ラウロイルリジン、澱粉、窒化ホウ素、膨張されたポリマー状の中空微小球例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルの微小球、例えばNobel Industries社によりExpancel(商標)の名前で販売されている製品、アクリル粉末、例えばDow Corning社によりPolytrap(商標)の名前で販売されているもの、ポリメチルメタクリレート粒子及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば東芝製のTospearls(商標))、沈殿した炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸水素マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、中空シリカ微小球(Maprecos製シリカビーズ(商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8〜22の炭素原子、特に12〜18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛及びミリスチン酸マグネシウムが挙げられうる。
フィラーは本発明組成物の合計重量の0.1〜25重量%、特に1〜20重量%に相当し得る。
本発明の組成物は、化粧料に使用し得る添加物、特に、通常化粧料に使用されているものから選ばれる物、例えば酸化防止剤、保存剤、芳香剤、中和剤、可塑剤、増粘剤またはゲル化剤、ファイバー、化粧活性剤、及びこれらの混合物をもまた含んでよい。
本発明に従う組成物において使用できるゲル化剤は、広く、親油性で、有機または鉱物質の、ポリマー状または分子である。
挙げられ得る鉱物親油性ゲル化剤は、所望により変性された粘土、例えばC10〜C22の脂肪酸塩化アンモニウムで変性されたヘクトライト、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロライドで変性されたヘクトライトであって、例えばBentone 38V(商標)の商品名でElementis社より販売されているものを含む。
所望により疎水性表面処理に付されたフュームドシリカであって、1μm未満の粒子サイズのものも挙げられる。具体的には、シリカ表面に存在するシラノール基の数を減じる化学反応により、シリカの表面を化学的に変性することは可能である。シラノール基を疎水性基に置換することにより、疎水性シリカを得ることが、特に可能である。
疎水基としては下記が挙げられる:
トリメチルシロキシ基、該基はヘキサメチルジシラザンの存在下においてフュームドシリカを処理することにより得られる。このように処理されたシリカはCTFA(第6版、1995年)によると「シリル化シリカ」(silica silylate)として知られる。それらは例えばDegussa社により「アエロジルR812(商標)」の製品番号で、 及びCabot社により「CAB−O−Sil TS-530(商標)」の製品番号で販売されている;
ジメチルシリルオキシル又はポリジメチルシロキサン基、それはポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下フュームドシリカを処理することにより特に得られる。このように処理されたシリカはCTFA(第6版、1995年)によると「ジメチルシリル化シリカ」と呼ばれる。それらは例えば「アエロジルR972(商標)」 及び「アエロジルR974(商標)」の名でDegussa社により、及び「CAB−O−Sil TS−610(商標)」及び「CAB−O−Sil TS−720(商標)」の表示の下でCabot社により販売されている。
疎水性フュームドシリカは好ましくはナノメートル〜ミクロメートル、例えば5〜200nmの範囲の粒子サイズを有し得る。
ポリマー状、有機親油性ゲル化剤は、例えば部分的又は全体的に架橋されたエラストマー状オルガノポリシロキサンであって、3次元構造を有するもの、例えば「KSG6(商標)」、「KSG16(商標)」、及び、「KSG18(商標)」の名称で信越化学工業社より販売されているもの、「Trefil E-505C(商標)」及び「Trefil E-506C(商標)」の各名称でダウコーニング社より販売されているもの、「Gransil SR-CYC(商標)」、「SR DMF10(商標)」、「SR-DC556(商標)」、「SR 5CYCgel(商標)」、「SR DMF 10 gel(商標)」、及び「SR DC 556 gel(商標)」の各名称でグラントインダストリーズより販売されているもの、ジェネラルエレクトリック社製の「SF 1204(商標)」及び「JK 113(商標)」;エチルセルロース、例えば「Ethocel(商標)」の名称でダウケミカル社から販売されているもの、及び単糖当たり1〜6個、特に2〜4個の水酸基を含み、飽和または不飽和アルキル鎖で置換されているガラクトマンナン、例えばC1〜C6、特にC1〜C3のアルキル鎖又はこれらの混合物で、アルキル化されたグアーガムである。ポリスチレン/ポリイソプレン又はポリスチレン/ポリブタジエン型のジブロック又はトリブロック型のブロックコポリマー、例えば「Luvitol HSB(商標)」の名称でBASF社より販売されているもの、ポリスチレン/エチレン‐プロピレンコポリマー型、例えば「Kraton(商標)」の名称でシェルケミカル社より販売されているもの、又はポリスチレン/エチレン‐ブチレンコポリマー型のもの。
本発明に従う組成物において使用することができるゲル化剤の中で、デキストリンの脂肪酸エステル、例えばパルミチン酸デキストリン、特に「Rheopearl TL(商標)」又は「Rheopearl KL(商標)」の名称でチバフラワー社から販売されているものも挙げられる。
本発明に従う組成物は、伸び効果を向上することを可能とするファイバーをも含むことができる。
用語「ファイバー」は、長さL及び直径Dの物体であって、ファイバーの断面が収まる円の直径をDとしたときにLがDよりかなり大きくなるような物体として理解されるべきである。特に、L/Dの比(または形状因子)は、3.5〜2500、好ましくは5〜500、及びより特に5〜150の範囲で選ばれる。
本発明の組成物に使用することができるファイバーは、合成または天然起源の、鉱物質または有機物のファイバーであり得る。それらは、短いか又は長く、単一または組織された、例えば編まれた、及び中空又は中実のものであり得る。それらは、予定されている特定の用途に応じて、いかなる形状を有していてもよく、特に、円形又は多角形(四角形、六角形又は八角形)の断面を有していてよい。特に、それらの端部は、怪我を防止するために、鈍角にされている、及び/又は研磨されている。
特に、1μm〜10mmの長さ、好ましくは0.1mm〜5mm、及びより好ましくは1mm〜3.5mmの長さを有する。それらの断面は、2nm〜500μm、好ましくは100nm〜100μm、及びより好ましくは1μm〜50μmの直径の円に入る。ファイバーの重量または番手は、しばしばデニールまたはデシテックスで与えられ、9kmヤーン当たりのグラムによる重さを示す。特に、本発明に従うファイバーは、0.15〜30デニール、及び好ましくは0.18〜18デニールの範囲で選択される番手を有する。
ファイバーは、織物の製造に使用されるものであり得、特に、絹ファイバー、綿ファイバー、ウールファイバー、アマファイバー、セルロースファイバー(特に木材、植物又は海草から抽出されたもの)、レーヨンファイバー、ポリアミド(ナイロン(商標))ファイバー、ビスコースファイバー、アセテートファイバー、特にレーヨンアセテートファイバー、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(即ちアラミド)ファイバー、特にケブラー(商標)ファイバー、アクリル性ポリマーファイバー、特にポリメチルメタクリレートファイバー又はポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)ファイバー、ポリオレフィンファイバー、及び特にポリエチレンまたはポリプロピレンファイバー、ガラスファイバー、シリカファイバー、カーボンファイバー、特に、グラファイトの形態のもの、ポリテトラフロロエチレン(例えばテフロン(商標))ファイバー、不溶性コラーゲンファイバー、ポリエステルファイバー、ポリ塩化ビニルファイバー又はポリ塩化ビニリデンファイバー、ポリビニルアルコールファイバー、ポリアクリロニトリルファイバー、キトサンファイバー、ポリウレタンファイバー、ポリエチレンフタレートファイバー、及び上述のポリマーの混合物からなるファイバー、例えばポリアミド/ポリエステルファイバーである。
外科手術に使用されるファイバーを使用してもよく、例えば、グリコール酸及びカプロラクトンから調製された吸収性合成ファイバー(ジョンソン アンド ジョンソン社からの「Monocryl(商標)」);乳酸及びグリコール酸のコポリマーであるタイプの吸収性合成ファイバー(ジョンソン アンド ジョンソン社からの「Vicryl(商標)」);ポリテレフタルエステルファイバー(ジョンソン アンド ジョンソン社からの「Echibond(商標)」)及びステンレス鋼スレッド(ジョンソン アンド ジョンソン社からの「Acier(商標)」)である。
さらに、ファイバーは表面処理されていてもされていなくてもよく、被覆されていてもいなくてもよい。本発明で使用できる被覆されたファイバーとして、静電気防止効果のために硫化銅で被覆されたポリアミドファイバー(例えばRhodia社からの「R-STAT(商標)」)、又はファイバーの特別な構成(特定の表面処理)又は色/ホログラム効果を含む表面処理を可能とする他のポリマー(例えばSildorex社からの「Lurex(商標)」)が挙げられる。
特に、合成由来及び特に有機ファイバー、例えば外科手術で使用されるファイバーが使用される。有利には、水不溶性のファイバーが使用され得る。
本発明に従う組成物中で使用できるファイバーは、特に、ポリアミドファイバー、セルロースファイバー、ポリ(p‐フェニレンテレフタルアミド)ファイバー又はポリエチレンファイバーである。それらの長さ(L)は、0.1mm〜5mm、特に0.25mm〜1.6mmであり、平均直径は1μm〜50μmである。特に、「Polyamide 0.9 Dtex 3 mm(商標)」の名称でP.Bonte商会より販売されているポリアミドファイバーであって、平均直径6μm、番手が約0.9 dtex及び長さ0.3〜5mmものを使用することができる。平均直径50μm及び長さ0.5mm〜6mmのセルロース(もしくはレーヨン)ファイバー、例えば「Natural rayon flock fiber RC1BE-N003-M04(商標)」の名称でClaremont Flock社より販売されているものも使用され得る。ポリエチレンファイバー、例えば「Shurt Stuff 13 099F」の名称でMini Fiber 社より販売されているものも使用できる。
本発明に従う組成物は、上述の硬くないファイバーとは反対に、「硬い(リジッド)」ファイバーも含むことができる。
硬いファイバーは、初期に実質的にまっすぐであり、分散媒体中に置かれたときには、実質的には形状の変化はなく、そのことは下記の角度条件に反映され、未だに実質的に真直ぐで直線状であると記述できる形態を反映する。この角度条件は、ファイバーの硬さを反映し、リジッドファイバーのような小さい物体について他のパラメータで表現することは困難である。
ファイバーの硬さは、以下の角度条件に反映される:有利には、0.8mm〜5mm、好ましくは1mm〜4mm、より好ましくは1mm〜3mmもしくは2mmでさえある、同じ長さのファイバーについて、数で表した場合、50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上のファイバーが、ファイバーの長さ方向の中心軸の接線と、該端とファイバーの長さの半分に対応するファイバーの長さ方向の中心軸上の点とを結びつける直線との為す角が15°未満であり、且つ、ファイバー上の半分の長さの点におけるファイバーの長さ方向の中心軸の接線と、末端の1つとファイバーの半分の長さに対応するファイバーの長さ方向の中心軸上の点とを結ぶ直線との為す角が15°以下である。
有利には、上記の角度は、ファイバーの2つの末端及びファイバーの半分の長さの点で測定される。言いかえれば、この場合3つの測定が行われ、測定された角度の平均が15°以下である。
接線は、ファイバーの任意の点において、15°未満の角度を形成する。
本特許出願において、ファイバーの一点における接線により形成される角は、該点におけるファイバーの長さ方向の中心軸の接線と、該点と最も近い端部とファイバーの半分の長さに対応するファイバーの長さ方向の中心軸上の点とを結ぶ直線との間に形成される角度である。
一般的に、本発明に従うに従う組成物で使用することができるリジッドファイバーは、同じ又は実質的に同じファイバー長を有する。
より詳細には、リジッドファイバーが1重量%の濃度で分散される媒体が顕微鏡下により、対物レンズの拡大倍率2.5倍で、全視野で観察されるとき、リジッドファイバーの多数、即ちリジッドファイバー数の50%以上、好ましくは75%以上、及びより好ましくは90%以上、が上記角度条件を満たさなければならない。角度値が得られる測定は、同一長さのファイバーについて行われ、この長さは0.8mm〜5mm、特に1〜4mm、より特に1mm〜3mmもしくは2mmでさえある。
その中における観察を行うところの媒体は、リジッドファイバーを確実に良く分散する分散媒体、例えば粘土もしくは付随したポリウレタンの、水もしくは水性ゲルである。リジッドファイバーを含む組成物の直接観察を行うことができる。調製された組成物または分散物試料は、拡大倍率2.5倍及び全視野観察を可能とする対物レンズを有する顕微鏡による観察のため、スライドとカバーガラスの間に置かれる。全視野観察は、ファイバーの全体を見ることを可能とする。
リジッドファイバーは、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル性ポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、特に非芳香族ポリアミド及び芳香族ポリイミドアミド、から選ばれる合成ポリマーのファイバーから選択することができる。
挙げられ得るリジッドファイバーは以下を含む;
ポリエステルファイバー、例えばデュポン・ド・ヌムール社により「Fiber 255-100-R11-242T(商標)長さ3mm(八葉型断面)」、「Fiber 265-34-R11-56T(商標)長さ3mm(円形断面)」及び「Fiber Coolmax 50-34-591(商標)長さ3mm(四葉型断面)」の名前で販売されている糸を切断して得られるもの;
ポリアミドファイバー、例えばCellusuede Products社により「Trilobal Nylon 0.120-1.8 DPF(商標)」、「Trilobal Nylon 0.120-18 DPF(商標)」、「Nylon 0.120-6 DPF(商標)」の名前で販売されているもの;又はデュポン・ド・ヌムール社により「Fiber Nomex Brand 430(商標)長さ3mm(四葉型断面)」の名前で販売されている糸を切断して得られるもの;
ポリイミドアミドファイバー、例えばRhodia社により「Kermel(商標)」及び「Kermel Tech(商標)」の名前で販売されているもの;
ポリ(p‐フェニレンテレフタルアミド(即ちアラミド)、特にデュポン・ド・ヌムール社により「Kevler(商標)」の名前で販売されているもの;
ポリエステル、アクリル性ポリマー、及びポリアミドから選ばれるポリマーが交互に層となっているものを含む多層構造のファイバー、例えばEP-A-6921217号、EP-A-686858号及びUS-A-5472798号明細書に記載されているもの。該ファイバーは、帝人(株)により「Morphotex(商標)」及び「帝人 テトロン Morphotex(商標)」の名前で販売されている。
特に好ましいリジッドファイバーは、芳香族ポリアミドイミドファイバーである。本発明の組成物に対して使用できるポリイミドアミドヤーン又はファイバーは、例えば、R. Pigeon及びP. Allard著、Applied macromolecular Chemistry、40/41(1974)、第139〜158頁(第600号)、他にはUS-A-3802841号明細書、FR-A-2079785号、EP-A1-0360728号、EP-A-0549494号に記載されており、それらを参照されたい。
好ましい芳香族ポリイミドアミドファイバーは、トリレンジイソシアネートと無水トリメリット酸との重縮合により得られる下記式の繰り返し単位を含むポリイミドアミドファイバーである。
Figure 0004751586
ファイバーは本発明に従う組成物中に、組成物の総重量に対して0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、より特に0.3〜3重量%の含有量で存在することができる。
本発明の組成物で使用することができる化粧活性成分としては、軟化剤、保湿剤、ビタミン、遮蔽剤、特にサンスクリーンが挙げられる。
いうまでも無く、当業者は、想定される添加により本発明の組成物の有利な性質が悪影響を受けない、又は実質的に悪影響を受けないように、これらの追加成分及び/又はそれらの量を選択するように気をつける。
レオロジー的特性
本発明に従う組成物は、粘弾性挙動を特徴とする。
一般に物質は、剪断応力の効果の下、純粋に弾性な物質の性質、即ち、エネルギーを貯蔵できる性質、及び、純粋に粘性な物質の性質、即ちエネルギーを分散できる性質、の双方の性質を有するとき、粘弾性を示すといわれる。
より特に、本発明に従う組成物の粘弾性挙動は、その剪断弾性係数G、その弾性値(elasticity)δ、及びそのフロー閾値τcで特徴付けることができる。これらのパラメータは、Lavoisier‐Tec 1 Doc.により出版された、G.Couarranze及びJ.L.Grossiord著、レオロジー入門、第2版、1991年に定義されている。
これらのパラメータは、Thermorheo社から販売されている応力制御レオメータ「Haak RheoStress 600(商標)」であって、プレート/プレート構成を有するステンレススチール製ローターを装備され、該プレートは20mmの直径及び0.3mmのギャップ(上に試料を載せるステータープレートとして知られる下のプレートとロータープレートとして知られる上のプレートとの距離)を有するレオメーターを用いて、25℃±0.5℃で決定される。2つのプレートは、プレートの壁へのスライディング現象を制限するために細い溝が付けられている。
動的測定は、調和振動する応力を与えることによって行われる。これらの実験において、剪断応力、剪断速度及び応力の大きさは、物質の線型粘弾性域に留まるように小さくされる(静止状態の組成物のレオロジー的特性を評価する条件)。
線型粘弾性域は、任意の瞬間において、物質の応答(即ち歪み)が施与された力(即ち応力)と直線的に比例する事実により一般的に規定される。この領域内では、施与される応力は小さく、物質はその微視的構造を変えることなく歪む。これらの条件下では、物質が「静止状態」且つ「非破壊的」に調べられる。
組成物は、パルスω(ω=2Πν、ここでνは与えられる剪断応力の周波数)に従って正弦的に変化する応力τ(t)に従う調和的な剪断応力に付される。このように剪断変形された組成物は、応力τ(t)を受け、微視的歪みに相当する歪みγ(t)に従って応答し、剪断弾性係数は該負荷された応力の関数としてはほとんど変化しない。
応力τ(t)と歪みγ(t)は、夫々、以下の関係により定義される:
τ(t)=τ0 cos(ω・t) γ(t)=γ0 cos(ω・t‐δ)
上式において、τ0は、応力の最大値であり、γ0は歪みの最大値である。δは、応力と歪みとの位相のずれである。測定は、周波数1Hz(ν=1Hz)で行われる。
剪断弾性係数G(τ0のγ0に対する比)及び弾性値δ(与えられた応力の測定された歪みに対する位相のずれに対応する)の変化が、施与された応力τ(t)の関数としてこのようにして測定される。
組成物の歪みは、特に、弾性係数Gの変化及び弾性値δの変化が7%未満(微視的歪み範囲)である応力領域に対して測定され、このようにして「平衡」パラメータGp及びδが求められる。閾値応力τc(組成物を流動させるために負荷する必要最小力に対応する)は、曲線δ=f(τ)から得られ、δ(τc)=1.05δpとなるτの値に対応する。
本発明に従う組成物の粘弾性挙動は、35 000 Pa以下、特に30 000Pa以下、とりわけ28 000Pa以下、及び最も特に25 000Pa以下、又は20000Pa以下でさえある平衡剪断弾性係数Gpを特徴とする。
本発明に従う組成物は、さらに、10〜200Pa及び特に20〜100Paの範囲のフロー閾値τcを有する。
製造方法
本発明の組成物を製造する方法は、使用されるワックスの性質に特に依存する。それはワックスが慣用のタイプであるか、又は上で定義されたミクロワックスのタイプであるかどうかに特に依存する。慣用のワックスの場合、それは上記ワックスの溶融開始温度にさらに依存する。
第1の変形において、使用されるワックスは慣用のタイプであり、45℃未満の溶融開始温度を有する。
そのような場合、本発明の組成物はワックスが完全に融解されるまで加熱し、その後該ワックスを揮発性の非水性溶媒中に導入することによる標準的な方法で製造され得る。このようにして得られた混合物は室温まで冷却するまで機械的攪拌に付される。非水性溶媒媒体中に可溶であって本発明に従う結晶化可能な部分を有するポリマーは、一般的に揮発性の非水性溶媒と共に導入されるが、その後に導入されてもまたよい。
水及び/又は水溶性溶媒、及び任意的な追加の成分は出発物質に導入され得、あるいは任意的に冷却中にあるいは完成された組成物に導入されてもよい。
第2の変形において、使用されるワックスは慣用のタイプである。溶融開始温度は45℃未満、45℃、あるいは45℃より上であり得る。
そのような変形において、ケラチン繊維メイクアップ組成物は一般的にワックスあるいはいくつかのワックスの混合物を、完全に融解するまで、最も高い融点を有するワックスの融点より上の温度まで加熱し、続いて混合し、室温まで連続的に冷却することにより得られる。
1つの特定の実施態様に従うと、非水性溶媒に可溶であって結晶化可能な部分を有するポリマーは混合操作の前に添加される。
非水性溶媒は混合の間に又はこの操作の前に、別々に、あるいは非水性溶媒に可溶であって結晶化可能な部分を有する該ポリマーとともに、添加され得る
慣用の方法に従って組成物を攪拌する代わりに該組成物を混合することは、小さい粒子を形成する細かい結晶の形におけるワックスの結晶化を促進するようである。この混合は形成されるいかなる粒子の集合体をも破壊し、非水性溶媒に可溶であって結晶化可能な部分を有するポリマーの存在下、非水性溶媒媒体中の小さいワックス粒子の実質的に均一な分散物をもたらすようである。
混合操作は、例えば、間にペーストがフィードされるところの2つの逆回転ロールを含むロールミルにおいて、あるいはより有利に連続二軸スクリューブレンダー、それは非常に粘着質なペーストが再現性よく得られることを可能にする、において行われ得る。
混合操作が行われ得る条件は、フランス国特許出願公開第94/00756号に記載されており、その内容は参照することにより本特許出願に取り込まれる。
この特定の製造方法の実施態様において、水及び/又は水溶性溶媒及び任意的な追加成分は出発物質に導入され得、あるいは任意的に冷却の間の混合の途中で、あるいは完成された組成物中に導入されてもよい。
本発明の方法は、熱に敏感な化合物、例えばある種の活性剤の安定性と両立する温度において及びブレンダー中での短い滞留時間によりその導入を許すことを考えると、該組成物を製造するこの方法は熱に敏感な化合物、例えばある種の活性剤の取り込みを許すという利点を特に有する。
本発明の第3の変形において、使用されるワックスは上で定義されたミクロワックスである。
粒子の形におけるその配合の結果、そのようなワックスはその融点より下の温度において直接使用され得る。言い換えると、本発明の組成物の製造のこの特定の実施態様において、溶融/再結晶化工程により連続相中にミクロワックスの粒子を形成するよりむしろ、ミクロワックス粒子は連続相に直接分散される。
このワックスの分散工程は特に該ワックスの融点より下の温度において、特に室温において行われ得、そのことは、もちろん製造方法の実行の容易性の点で有利である。
非水性溶媒は、上で定義されたものから選択される。この特定の製造方法の実施態様において、水及び/又は水溶性溶媒及び/又は上で定義された追加の成分は、場合によって出発物質又は完成された組成物中のいずれかへ添加され得る。
本発明の第4の変形において、該組成物を製造する方法は、少なくとも1の慣用のワックス及び上で定義された少なくとも1のミクロワックスの両方を含む。そのような場合、慣用のワックス又は慣用のワックスの混合物は一般的に溶融の形でまず、少なくとも1の非水性溶媒、及び該溶媒に可溶であって結晶化可能な部分を有する少なくとも1のポリマーを含む混合物に導入され、そのようにして得られた混合物は冷却下、攪拌又は混合される。ミクロワックス又はミクロワックスの混合物は、慣用のワックスを含む混合物の温度が、該ミクロワックスの融点より下、あるいは最も低い融点を有するミクロワックス混合物のミクロワックスの融点より下であるときのみ、特に室温において導入される。
この場合においてもまた、水及び/又は水性溶媒及び追加の成分が場合によって出発物質中に、又は完成された組成物中のいずれかへ、あるいはそうでなければ、冷却操作の間に組成物が混合されるとき、添加され得る。
本発明の課題は、ケラチン繊維をメイクアップする方法でもあり、該方法において上で定義された組成物は該ケラチン繊維、特に睫に塗布される。
本発明の組成物は特にブラシ又は櫛を用いて睫に塗布され得る。
本発明の組成物を使用する、メイクアップを濃くする効果は、さらに該組成物を塗布するための装置を選択することにより、最も特に強化され得る。
本発明の場合、睫をメイクアップする場合、フランス国特許出願公開第2701198号、第2605505号、欧州特許出願公開第792603号、及び欧州特許出願公開第663161号に記載されるメイクアップブラシで該組成物を塗布することが特に有利である。
以下の例は本発明の非制限的な例として与えられる。
組成物製造プロトコル
a.微粒子の形のワックスのみを含む組成物の製造方法
染料及びゲル化剤は、少なくとも1の非水性溶媒媒体の成分、及び該媒体に可溶であり少なくとも1の結晶化可能な部分を有する少なくとも1のポリマーを含む混合物中に、攪拌しながら分散され、45℃の温度まで加熱され、その次に室温まで冷却される。微粒子の形のワックス、及び適切な場合には、組成物の残りの成分が次に攪拌しながら添加される。
水及び/又は水溶性溶媒は攪拌しながら特に徐々に分散される。
b.慣用のワックス及び微粒子の形のワックスの両方を含む組成物の製造
染料及びゲル化剤は、少なくとも1の非水性溶媒媒体の成分及び該媒体に可溶であり少なくとも1の結晶化可能な部分を有する少なくとも1のポリマーを含む混合物中に、攪拌しながら分散され、45℃の温度まで加熱され、その次に室温まで冷却される。得られる混合物は次に45℃まで加熱され、その後、完全に融解されるまで予備加熱された慣用のワックスの混合物が徐々に添加される。このようにして得られた混合物は攪拌しながら室温まで冷却することを許される。微粒子の形のワックス、及び適切である場合には、組成物の残りの成分が次に添加される。
水及び/又は水溶性溶媒は攪拌しながら特に徐々に分散される。
c.連続二軸スクリューブレンダーを用いる組成物の製造
製造は連続二軸スクリューブレンダー例えばClextral社製の“BC−21”型で行われ、以下の条件下行われる:
入口温度:100℃
出口温度: 20℃
フロー速度=3kg/時
スクリュー速度:600rpm。
予備融解されたワックスは非水性溶媒及び他の成分と同時にブレンダーの頂部に導入され、混合物は次に連続二軸スクリュー混合下、出口温度まで冷却される。
物理的性質の測定
固形分の測定は前に記載されたプロトコルに従って行われる。
レオロジー上の測定は前に記載されたプロトコルに従って、以下の条件下“Haake RheoStress 600(商標)”、応力制御レオメーターを用いて行われた。
測定温度:25℃
測定を開始する前の25℃における180秒の定常状態
1〜10,000Paの応力をかけられた掃引、
測定周波数:1Hz
実施例1〜3
b)に記載された方法に従って3つのウォータープルーフマスカラが製造された。
これらのマスカラの組成は下の表1に示される(この表において、示された量は重量百分率で表され、組成物の合計重量に対して表されている)。
Figure 0004751586

実施例1及び2の組成物は、該組成物の合計重量に対してそれぞれ6.5及び2.1重量%の含有量で水を含み、該水は使用されたラテックス、即ちChimex社製の“Mexomere PAM(商標)”及び大東化成工業社製“Daitosol 5000 AD(商標)”に由来する。
これらの組成物の様々なインビトロでの性質が前に記載されたプロトコルに従って調べられた。
結果は下の表IIに与えられる。
Figure 0004751586
このようにして得られた組成物は特に高い固形分を有すると同時に、該組成物が満足のいく条件下で使用されることを許すのに十分低い曲げ剛性率を維持する。
さらに、得られるマスカラは睫に容易に塗布でき、濃いメイクアップ結果が睫の上に得られることを許す。
実施例4
下の組成を有するウォータープルーフマスカラは、c)に記載された方法に従って製造される:
Figure 0004751586
この組成物の様々なインビトロでの性質が前に記載されたプロトコルに従って調べられた。
結果は下の表IIIに与えられる。
Figure 0004751586
このようにして得られた組成物もまた、満足のいく条件下でのその使用を許すのに十分に低い曲げ剛性率と関連される、特に高い固形分を有する。
該マスカラは睫に容易に塗布でき、濃く、べたつきのないメイクアップ結果が睫の上に得られることを許す:睫はよく分離される。
実施例5
下の組成を有するウォータープルーフマスカラは、c)に記載された方法に従って製造された。
Figure 0004751586
この組成物は、該組成物の合計重量に対して48.28重量%の固形分を有する。
実施例6及び7
これらは、c)に記載された方法に従って製造された。
Figure 0004751586

Claims (30)

  1. ケラチン繊維をメイクアップする化粧料組成物であって、該組成物が、
    (i)非水性溶媒媒体、
    (ii)組成物の合計重量に対して25〜55重量%の含有量の少なくとも1のワックス、ただし、上記ワックスは0.5〜30μmの大きさを有する小さな粒子の形である、
    (iii)上記溶媒媒体中に可溶であり、かつ少なくとも1の結晶化可能なポリマー構造部分を有する少なくとも1のポリマー、及び
    (iv)水及び/又は少なくとも1の水溶性溶媒、ただし該水及び/又は水溶性溶媒は該組成物の合計重量に対して20重量%以下の合計含有量で存在する、
    を含むこと、及び
    該組成物は、該組成物の合計重量に対して48〜70重量%の固形分を有することを特徴とする化粧料組成物。
  2. 固形分が組成物の合計重量に対して50重量%〜65重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 上記ポリマーが1,000〜300,000g/molの範囲の分子量を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の組成物。
  4. 上記結晶化可能なポリマー構造部分が、上記ポリマーの合計重量に対して30重量%〜50重量%に相当することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 上記ポリマーが、
    直鎖でありかつ飽和のC12〜C30のアルキル(メタ)アクリレートと、直鎖のC4〜C10、又は分岐状又は環状の及び/又は不飽和のC4〜C30アルキル(メタ)アクリレートとのコポリマー、
    直鎖でありかつ飽和のC12〜C30のアルキル基を含むビニルエステルと直鎖のC4〜C10、又は分岐状又は環状の及び/又は不飽和のC4〜C30アルキル基を含むビニルエステルとのコポリマー、
    (α)少なくとも32の炭素原子を含むジカルボン酸から選択される少なくとも1の酸と(β)アルキレンジアミンとの間の縮合から生じるポリアミドタイプの重縮合体、ただし上記縮合体は、12〜30の直鎖でありかつ飽和の炭素原子を含む少なくとも1のモノアルコール又はモノアミンでエステル化又はアミド化された少なくとも1のカルボン酸の末端基を含む、
    親油性ポリエステル重縮合体、ただしその末端は、飽和でありかつ直鎖のC12〜C30の炭素をベースとする鎖からなる結晶化可能な酸又はアルコールでエステル化されている、
    ビニルアセテート/ビニルステアレートのコポリマー、及び
    ビニルアセテート/アリルステアレートのコポリマー、
    から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 上記ポリマーが、ビニルアセテート/エチレン、エチレンジアミン/ステアリルジリノレエートコポリマー、水素化ブタジエン/イソプレンブロックコポリマー及びポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)、ただしそのうちの少なくとも1の末端はステアリン酸でエステル化されている、から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 上記ポリマーが、該組成物の合計重量に対して1重量%〜10重量%の範囲の含有量で存在することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 上記非水性溶媒媒体が、室温において液状であるところの、水に不溶性の少なくとも1の揮発性化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 上記水に不溶の揮発性化合物が、組成物の合計重量に対して20重量%〜45重量%の範囲の含有量で組成物中に存在することを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  10. 上記水溶性溶媒が、1〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、2〜8の炭素原子を含むグリコール、C3及びC4ケトン及びC2〜C4アルデヒドから選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 水及び/又は水溶性溶媒の含有量が、組成物の合計重量に対して2重量%〜15重量%であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. ワックスが、30℃以上の融点を有し、室温において固体でありかつ硬いところのワックスから選択されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. ワックスが、55℃以上の融点を有し、室温において固体でありかつ硬いところのワックスから選択されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. ワックスが、炭化水素をベースとするワックス、直鎖又は分岐状のC8〜C32の脂肪鎖を含む動物又は植物オイルの触媒的水素化により得られるワックス、及びセチルアルコールでエステル化されたひまし油の水素化による得られるワックスから選択されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. ワックスが、1N.s以上の粘着性、及び3.5MPa以下の硬度を有するワックスから選択されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 上記ワックスが、C20〜C40アルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレートから選択されることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
  17. 上記ワックスが、45℃以上の溶融開始温度を有するワックスから選択されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 上記ワックスが、60℃以上の溶融開始温度を有するワックスから選択されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 上記ワックスが、カルナウバ蝋、米ぬかワックス、キャンデリラワックス、オウリキュリワックス、モンタン蝋、オゾケライト、Fischer−Tropsch合成により得られるワックス、水素化ホホバ油、ビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラベヘネート、ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブオイルの触媒的水素化により得られるワックス、ミクロ結晶性ワックス及びポリエチレンワックスから選択されることを特徴とする、請求項17〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 少なくとも1のフィルム形成性ポリマーをもまた含むことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 25,000Pa以下の平衡剪断弾性係数Gpを有することを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 20,000Pa以下の平衡剪断弾性係数Gpを有することを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 大きさが0.5μm〜30μmの範囲の粒子の形における少なくとも1のワックスを、少なくとも1の非水性溶媒及び上記非水性溶媒に可溶であり、かつ少なくとも1の結晶化可能なポリマー構造部分を有する少なくとも1のポリマーを含む混合物、ただし上記混合物は上記ワックスの融点より下の温度において粒子の形をとる、に分散させる少なくとも1の工程を含むことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法。
  24. 分散が室温において行われることを特徴とする、請求項23に記載の製造方法。
  25. 上記大きさが1〜20μmであることを特徴とする、請求項23又は24に記載の製造方法。
  26. 請求項1〜22のいずれか1項記載の組成物の製造のために、非水性溶媒に可溶であり、かつ少なくとも1の結晶化可能なポリマー構造部分を有する少なくとも1のポリマー、及び大きさが0.5μm〜30μmの範囲の粒子の形における少なくとも1のワックスを使用する方法。
  27. 非水性溶媒に可溶であり、かつ少なくとも1の結晶化可能なポリマー構造部分を有する上記ポリマーが、1,000〜300,000g/molの範囲の分子量を有することを特徴とする、請求項26に記載の使用する方法。
  28. 上記組成物が、組成物の合計重量に対して50重量%以上の固形分を有することを特徴とする、請求項26又は27に記載の使用する方法。
  29. 上記組成物が、25,000Pa以下の平衡剪断弾性係数を有することを特徴とする、請求項2628のいずれか1項に記載の使用する方法。
  30. 請求項1〜22のいずれか1項において定義された組成物又は請求項23〜25のいずれか1項において定義された方法により得られた組成物が、上記ケラチン繊維に塗布されることを特徴とする、ケラチン繊維をメイクアップする方法。
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