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JP4750083B2 - ホログラム記録装置およびホログラム記録方法 - Google Patents

ホログラム記録装置およびホログラム記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、記録光と参照光をホログラム記録媒体において干渉させることによりホログラムを記録するホログラム記録装置およびその記録方法に関する。
ホログラム記録において、記録すべき情報は二次元符号化されて、たとえば明暗の画素パターンに対応する光変調データに変換される。この光変調データに基づいて記録光は光変調される。ホログラム記録では、このように光変調された記録光と、この記録光と同一の光源から発せられた参照光とを用いてホログラム記録媒体上に干渉縞を発生させ、その干渉縞を記録する。この干渉縞に記録時と同じ参照光を照射すると、再生光を得ることができる。ホログラム記録媒体に記録するときの記録光と参照光の強度が大きく異なっていると、再生光における信号対雑音比(SN比)が低くなりもとの情報を再生しにくくなることがあった。このため、ホログラム記録では記録時における記録光と参照光の強度をある程度揃える必要がある。参照光の強度は比較的容易に制御可能であるが、記録光の強度は、記録すべき情報に応じて変化することがあり、その制御が困難であった。そこで、上記記録すべき情報を明暗の画素の比率が常に1:1となるような光変調データに変換するバランス変調法が行われることがあった(特許文献1参照)。
このようなバランス変調法においては、たとえば、光変調データは4個の画素からなる画素ブロックごとに区画されており、この区画された各画素ブロックでの明暗の画素の比率が常に1:1となっている。このような光変調データによって記録光の強度は一定となり、容易に記録光と参照光の強度比を等しくし、再生光のSN比が高くなる記録を行うことができる。
しかしながら、このようなバランス変調法では、明暗の画素の比率が一定の画素パターンしか用いないため、1つの画素ブロックで表すことができる情報量が少なくなっていた。たとえば、画素ブロックが4つの画素からなる場合、この画素ブロックがとり得る画素パターンは図9に示すように6通りしかない。このような画素ブロックは8パターンとなる3ビットの情報を表すことができない。このため、4つの画素で2ビットの情報しか表せていなかった。1つの画素ブロックによって表現できるビット数の比を符号化率とすると、この場合の符号化率は0.5しかないことになる。これに対しバランス変調法を用いない場合は、1つの画素が画素ブロックに相当すると考えると、1画素で2ビット表すことができるので符号化率は1になっている。このようにバランス変調法を用いると、符号化率が低くなり、ホログラム記録媒体全体の情報量が少なくなってしまうという問題があった。
特開2000−228089号公報
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、符号化率を改善し、なおかつ、良好なSN比の再生光が得られる記録を行うことができるホログラム記録装置およびホログラム記録方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の側面により提供されるホログラム記録装置は、記録すべき情報に基づいて光変調された記録光と参照光とをホログラム記録媒体において干渉させることによりホログラムを記録するホログラム記録装置であって、複数の検査符号を用いて上記記録すべき情報の畳み込み演算を行うことにより、複数の畳み込みデータを生成する畳み込みデータ生成手段と、上記複数の畳み込みデータを複数の光変調データに変換するデータ変換手段と、上記複数の光変調データごとに光利用効率を試算し、この光利用効率が所定範囲内に収まる光変調データを選択する光変調データ選択手段と、選択された上記光変調データに基づいて光変調を行うことにより、上記記録光を生成する空間光変調手段と、を備えていることを特徴とする。
好ましい実施の形態においては、上記データ変換手段は、上記畳み込みデータを二次元符号化することにより上記光変調データに変換する。
より好ましい実施の形態においては、上記データ変換手段は、上記畳み込みデータを所定数ずつに分割し、分割したデータごとに光利用効率の異なる複数の画素パターンを用いて二次元符号化を行うことにより、これらの画素パターンからなる光変調データを生成する。
他の好ましい実施の形態においては、上記データ変換手段は、上記畳み込みデータを生成する際に用いた上記検査符号も上記光変調データの一部として変換する。
他の好ましい実施の形態においては、上記ホログラム記録媒体に記録時と同じ参照光を照射することで再生光を取得し、この再生光から元の上記光変調データを再生する光変調データ再生手段と、再生された上記光変調データを復号化することにより元の上記畳み込みデータとこれに対応する上記検査符号を取得する復号化手段と、復号化により得られた上記畳み込みデータを上記検査符号で畳み込み復調することにより上記ホログラムとして記録された元の情報を得る畳み込み復調手段とを備えている。
本発明の第2の側面により提供されるホログラム記録方法は、記録すべき情報に基づいて光変調された記録光と参照光とをホログラム記録媒体において干渉させることによりホログラムを記録するホログラム記録方法であって、複数の検査符号を用いて上記記録すべき情報の畳み込み演算を行うことにより、複数の畳み込みデータを生成し、上記複数の畳み込みデータを複数の光変調データに変換し、上記複数の光変調データごとに光利用効率を試算し、この光利用効率が所定範囲内に収まる光変調データを選択し、選択された上記光変調データに基づき、上記畳み込みデータを二次元符号化したうえで、上記畳み込みデータを所定数ずつに分割し、分割したデータごとに光利用効率の異なる複数の画素パターンを用いて二次元符号化を行うことにより、これらの画素パターンからなる光変調データを生成し、生成した光変調データに基づいて光変調を行うことにより、上記記録光を生成することを特徴とする。
このようなホログラム記録装置によれば、上記データ変換手段において得られる光変調データの光利用効率が様々な値をとるような変換を行う場合でも、光利用効率が所定範囲内に収まる光変調データを選択することにより記録光の強度を所定範囲内に収めることができる。光変調データの光利用効率が様々な値をとるような変換を行うと、画素パターンのパターン数が増加するため符号化率を改善しやすくなる。さらに、記録光の強度を所定範囲内に収めることによって、記録時における記録光と参照光との強度比を最適な値に近づけやすくなり、良好なSN比の再生光を得ることが可能な記録を行うことができる。なお、上記光変調データの光利用効率は、上記光変調データを上記空間光変調手段における明暗の画素で表現した場合の明の画素の比率として表される。
本発明のその他の利点および特徴については、以下に行う発明の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図8には、本発明に係るホログラム記録装置の実施形態の一例を示している。図1に示すように、ホログラム記録装置Aは、ホログラム記録媒体Bに対して記録光および参照光を照射してホログラムを記録することができ、さらに記録した情報を再生することができる。図2は、ホログラム記録装置Aの要部構成図であり、記録すべき情報から記録光を生成するための構成を示している。このホログラム記録装置Aは、光源1、コリメータレンズ2、ビームエキスパンダ3、ビームスプリッタ4、空間光変調手段5、ハーフミラー6、記録光用の対物レンズ7、反射板8、プリズム9、参照光用の対物レンズ10、畳み込みデータ生成手段11、データ変換手段12、光変調データ選択手段13、光変調データ再生手段14、復号化手段15、および畳み込み復調手段16と、を備えて構成されている。図示しないその他の構成要素としては、ホログラム記録媒体Bを回転ディスクとして回転させるための回転機構や、ホログラム記録媒体Bの径方向へ対物レンズ7,10などの光学系を移動させるための移動機構を備えている。さらに、対物レンズ7,10を図1中の上下方向へ移動させるための移動機構も備えている。
ホログラム記録媒体Bは、基板90、反射膜91、記録層92、および保護層93の積層構造からなる。記録層92には、記録光および参照光を重なるように照射することで、干渉縞としてのホログラムが記録される。
光源1は、たとえば半導体レーザ素子からなり、比較的帯域が狭く干渉性の高いレーザ光を出射する。コリメータレンズ2は、光源1から出たレーザ光を平行光に変換する。コリメータレンズ2から出射した平行光は、ビームエキスパンダ3へ進入する。ビームエキスパンダ3は、組み合わせレンズからなり、上記平行光の径を拡大しつつビームスプリッタ4へ導く。
ビームスプリッタ4は、たとえばハーフミラーなどであり、ビームエキスパンダ3から入射した平行光を空間光変調手段5に向かう光と、反射板8へ向かう光とに分離する。
空間光変調手段5は、たとえば液晶画面装置が用いられ、明暗の状態を切り替え可能な所定数の画素を有している。明の画素は、ビームスプリッタ4から入射した光をハーフミラー6へ向けて出射する。一方、暗の画素はビームスプリッタ4から入射した光を遮断する。なお、図2、図4および図5では明の画素は白で表示しており、暗の画素にはハッチングを施している。空間光変調手段5は、このような明暗の画素パターンによってビームスプリッタ4から入射した光を変調して記録光を生成する。空間光変調手段5で生成された記録光は、ハーフミラー6へ向けて照射される。
なお、空間光変調手段5には、多数の光反射素子を配列して成るデフォーマブルミラー装置を用いてもよい。
ハーフミラー6は、記録時には、空間光変調器5から入射してきた記録光を透過させ対物レンズ7へ向けて出射する。一方、再生時には、対物レンズ7から入射してきた再生光を光変調データ再生手段14へ向けて反射させる。
対物レンズ7は、記録時には入射した記録光を記録位置92aに収束させる一方、再生時には再生光をハーフミラー6へ向けて出射する。
反射板8は、ビームスプリッタ4から出射された参照光をプリズム9へ向けて反射させる。プリズム9に入射した参照光は屈折されて対物レンズ10へ入射する。対物レンズ10へ入射した参照光は、記録光と重なるように、記録位置92aに向けて照射される。この参照光は記録光のように変調されないので参照光の強度は、一定の値となる。本実施形態では、空間光変調手段5の全画素の37.5%が明のときに記録位置92aに照射される記録光と、記録位置92aに照射される参照光との強度比が1となるように設定されている。
畳み込みデータ生成手段11は、図2に示すように並列する4つの畳み込み演算器11a,11b,11c,11dから成り、記録すべき情報から4つの畳み込みデータを生成する。記録すべき情報から畳み込みデータを生成する際に、記録すべき情報に作用させる情報列を検査符号「C」とする。検査符号「C」は、たとえば2ビットからなる。畳み込み演算器11aでは「00」が、畳み込み演算器11bでは「01」が、畳み込み演算器11cでは「10」が、畳み込み演算器11dでは「11」が、検査符号「C」として用いられている。図3には、畳み込み演算器11a,11b,11c,11dにおける畳み込み演算を説明するための説明図を示している。畳み込み演算器11a,11b,11c,11dでは、まず、記録すべき情報を2ビットごとに分割する。図3では、分割された2ビットごとの情報列をM1,M2,M3,M4,M5,M6で示している。次に、M1と検査符号「C」とのビットごとの排他的論理和を演算し、その演算で得られた2ビットの情報列がN1となる。次に、N1とM2とのビットごとの排他的論理和を演算し、その演算で得られた2ビットの情報列がN2となる。さらに、N2とM3とのビットごとの排他的論理和を演算し、その演算で得られた2ビットの情報列がN3となる。この繰り返しにより、N1,N2,N3,N4,N5,N6を作成し、これらを合わせて畳み込みデータを生成する。
データ変換手段12は、図2に示すように並列する4つの二次元符号化器12a,12b,12c,12dから成り、畳み込みデータおよび検査符号「C」を空間光変調手段5に表示可能な光変調データに変換する。二次元符号化器12a,12b,12c,12dは、図4に示すような3ビットの情報列と8種類の画素パターンとを対応させる変換テーブルを備えている。二次元符号化器12a,12b,12c,12dは、図4の変換テーブルに従って畳み込みデータを3ビットごとに画素パターンに変換する二次元符号化を行う。二次元符号化器12aは、検査符号「00」および畳み込み演算器11aで生成された畳み込みデータを二次元符号化する。二次元符号化器12bは、検査符号「01」および畳み込み演算器11bで生成された畳み込みデータを二次元符号化する。二次元符号化器12cは、検査符号「10」および畳み込み演算器11cで生成された畳み込みデータを二次元符号化する。二次元符号化器12dは、検査符号「11」および畳み込み演算器11dで生成された畳み込みデータを二次元符号化する。検査符号「C」の二次元符号化は、たとえば各検査符号の先頭に0を付加して3ビットとし、図4の変換テーブルに従って変換することで行われる。
光変調データ選択手段13は、二次元符号化器12a,12b,12c,12dで得られた4つの光変調データの光利用効率を試算し、試算した光利用効率が所望の範囲内に収まっている光変調データを選択する。光変調データの光利用効率は、光変調データの全画素における明の画素の比率とする。上記の所望の範囲は、たとえば33.75%〜41.25%である。この範囲内に入る光変調データが複数ある場合は、光利用効率が37.5%により近いほうを最適な光変調データとして選択する。最適な光変調データが複数ある場合は、より小さい検査符号「C」に対応する最適な光変調データを選択する。
なお、記録すべき情報および畳み込みデータのビット数が多くなればなるほど、光変調データにおける検査符号「C」に相当する画素パターンの比率は低下する。このため、検査符号「C」に相当する画素パターンの明暗は、光変調データの光利用効率にあまり影響を与えない。このことから、検査符号「C」に相当する画素パターンを無視して光変調データの光利用効率の試算を行っても構わない。
図5には、ホログラム記録装置Aにおける再生機構の構成図を示している。ホログラム記録媒体Bの記録層92に形成された干渉縞に記録時と同じ波長、入射角で参照光を照射すると再生光が生じる。この再生光を光変調データ再生手段14で取得し、さらに復号化手段15および畳み込み復調手段16によりもとの情報に戻すことでホログラム記録媒体Bに記録された情報を得ることができる。この再生光のSN比を高い値にするためには、記録時における記録光と参照光との強度比が一定の関係である必要がある。一般的には、記録光と参照光との強度比が1であるのが好ましい。図6には、記録時における記録光と参照光との強度比と再生光のSN比との間の関係を簡略な説明図で示している。図6によると、十分正確な再生を行うのに必要なSN比を得るには、記録光と参照光との強度比を、1−α〜1+α内に収める必要がある。αの値はホログラム記録媒体Bの特性や、エラーチェックの精度などによって決定され、ここでは、たとえば0.1とする。ただし、図6は例であり、最適SN比が1であるとは限らない。最適値がA(≠1)の場合は、強度比をA−α〜A+α内とする。
光変調データ再生手段14は、たとえばCCDであり、ハーフミラー6で反射してきた再生光を受光し、この再生光からホログラムとして記録された明暗の画素パターンを読み取ることができる。ここで読み取られた明暗の画素パターンは、光変調データ選択手段13で選択された光変調データに相当する。
復号化手段15は、光変調データ再生手段14で得られた光変調データを畳み込みデータおよびそれに対応する検査符号「C」に戻すための二次元復号化器である。復号化手段15は、図4の変換テーブルとは逆向きに画素パターンを3ビットの情報列に対応させる変換テーブルを有しており、この変換テーブルを用いて二次元復号化を行う。
畳み込み復調手段16は、復号化手段15で得られた畳み込みデータとそれに対応する検査符号「C」から記録されたもとの情報を求めるための演算器である。この畳み込み復調手段16は、図7に示すように、まず、畳み込みデータをN1,N2,N3,N4,N5,N6・・・に分割する。続いて、N1と検査符号「C」とのビットごとの排他的論理和を演算することでM1を復元する。次に、N1とN2とのビットごとの排他的論理和を演算することでM2を復元する。次に、N2とN3とのビットごとの排他的論理和を演算することでM3を復元する。このような演算を繰り返し、M1,M2,M3,M4,M5,M6・・・を合わせる事によりもとの情報を復元する。
次に、このようなホログラム記録装置Aによるホログラム記録方法について図8を用いて説明を行う。
まず、畳み込みデータ生成手段11は、たとえばホストコンピュータから入力された記録すべき情報に対して畳み込み演算を行い、得られた畳み込みデータをデータ変換手段12に送信する。(ステップS1)。
次に、データ変換手段12は、受信した畳み込みデータを二次元符号化して光変調データを生成し、得られた光変調データを光変調データ選択手段13へ送信する(ステップS2)。
さらに次に、光変調データ選択手段13は、受信した光変調データの中から最適な光変調データを選択し、空間光変調手段5へ送信する(ステップS3)。
さらに次に、空間光変調手段5は、受信した光変調データに基づいて記録光を生成し、記録光をホログラム記録媒体Bの記録位置92aに照射すし、同時に、ホログラム記録媒体Bの記録位置92aに参照光を照射する(ステップS4)。
以上のステップS1〜S4により、ホログラム記録装置Aは、記録すべき情報に基づく記録光を生成し、この記録光と参照光とを記録位置92aにおいて干渉させてホログラム記録を行うことができる。
次に、ホログラム記録装置Aの動作を、図2に示す具体例を参照に説明する。
ここでは、たとえば「100010100111」を、ホログラム記録装置Aを用いてホログラム記録媒体Bに記録する。まず、畳み込みデータ生成手段11に「100010100111」を入力する。このとき、畳み込み演算器11aでは、検査符号「00」を用いて「101000101100」が畳み込みデータとして得られる。畳み込み演算器11bでは、検査符号「01」を用いて「111101111001」が畳み込みデータとして得られる。畳み込み演算器11cでは、検査符号「10」を用いて「000010000110」が畳み込みデータとして得られる。畳み込み演算器11dでは、検査符号「11」を用いて「010111010011」が畳み込みデータとして得られる。
畳み込み演算器11a,11b,11c,11dで得られた畳み込みデータはそれぞれに対応する検査符号「C」とともに、二次元符号化器12a,12b,12c,12dへ送信される。二次元符号化器12aは、「101」,「000」,「101」,「100」を図4の変換テーブルに従って画素パターンに変換し、同時に検査符号「00」を「000」として図4の変換テーブルに従って画素パターンに変換する。このように変換して得られた画素パターンを光変調データとし、光変調データ選択手段13へ送信する。二次元符号化器12b,12c,12dでも同様に畳み込みデータを3ビットごとに画素パターンに変換して光変調データを生成し、この光変調データを光変調データ選択手段13へ送信する。
光変調データ選択手段13では、受信した光変調データの光利用効率を試算する。二次元符号化器12a,12b,12c,12dで得られる光変調データの光利用効率は、それぞれたとえば25.0%、35.0%、40.0%、50.0%となっている。そのうち、光利用効率が33.75%〜41.25%の範囲内にあるのは、二次元符号化器12b,12cから送られてきた光変調データである。35.0%と40.0%とは、いずれも37.5%との差が2.5%であるので、対応する検査符号「C」がより小さい二次元符号化器12bから送られてきた光変調データが選択される。
空間光変調手段5では、このように選択された二次元符号化器12bから送られてきた光変調データを表示するように各画素の明暗を切り替える制御が行われる。空間光変調手段5の全画素が、選択された光変調データによってその明暗が切り替えられる場合、明の画素は全画素の33.75%〜41.25%となる。したがって、ホログラム記録装置Aでは、全画素の33.75%〜41.25%が明であるような空間光変調手段5によって記録光は変調されている。空間光変調手段5によって変調された記録光と、参照光とを記録位置92aに照射すると干渉縞がホログラムとして記録される。参照光の記録位置92aにおける強度は、空間光変調手段5の全画素の37.5%が明のときの記録光の強度との比が1になるように設定されているので、記録位置92aにおける記録光と参照光との強度比は0.9〜1.1になっている。
さらに、このようにして記録されたホログラムは図5に示すように再生することができる。記録位置92aに記録時と同じ波長、同じ入射角の参照光を照射すると再生光が生じる。この再生光は対物レンズ7およびハーフミラー6を経て光変調データ再生手段14によって受光される。光変調データ再生手段14では、選択された光変調データに相当する画素パターンを取得することができる。この画素パターンを復号化手段15によって変換すると、畳み込み演算器11bで得た「111101111001」と検査符号「01」とを復元することができる。さらに「111101111001」と検査符号「01」とを畳み込み復調手段16に入力すると、元の「100010100111」を復元することができる。
このようなホログラム記録装置Aでは、1つの画素ブロックで3ビットの情報列を表現しているので、符号化率が0.75となっている。さらに、記録位置92aにおける記録光と参照光との強度比が0.9〜1.1になるため、十分正確な再生を行うのに必要なSN比を得ることができる。このようにホログラム記録装置Aを用い上記のような記録方法を行えば、符号化率を改善しつつ、十分正確な再生を行うのに必要なSN比の再生光を得ることができる。
さらに、上記の方法では、検査符号「C」を2ビットとしたが、よりビット数を増やすことも可能である。検査符号「C」のビット数を増やすと、検査符号「C」の種類を増やし、より多くの畳み込みデータを生成することができるため、光利用効率が37.5%により近い光変調データを取得できる確率が高くなる。光利用効率が37.5%に近い光変調データが増加すると、選択された光変調データでも光利用効率が37.5%に近いものが増加し、記録位置92aにおける記録光と参照光との強度比がより1に近くなる。このように、ホログラム記録装置Aでは、検査符号「C」のビット数を増やすことで、さらに再生光のSN比を高めることが可能である。
本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は本発明の範囲に含まれる。たとえば、上記実施形態においては、データ変換手段でブロックごとの画素パターンを用いているが、単に1と0を各画素の明暗に置き換えることで光変調データに変換する場合でも、明暗の画素の一方が極端に増加するのを防止するなどの効果を得ることができる。
また、上記の実施形態では畳み込みデータ生成手段11において畳み込み演算器を4つ並列に並べてそれぞれで演算を行っているが、1つの畳み込み演算器で順次演算を行っても構わない。データ変換手段12における二次元符号化器の場合も同様に1つの二次元符号化器によって順次変換処理を行ってもよい。
さらにまた、上記の実施形態において、データ変換手段において用いられる画素パターンは4つの画素で構成されているが、より多くの画素で構成された画素パターンを用いてもよい。
本発明に係るホログラム記録装置の一例を示す構成図である。 図1のホログラム記録装置の要部構成図である。 畳み込み演算器における演算の説明図である。 二次元符号化器における変換テーブルの一例である。 図1のホログラム記録装置における再生機構の構成図である。 記録光と再生光との強度比と再生光のSN比との関係を示す説明図である。 畳み込み復調手段における演算の説明図である。 本発明に係るホログラム記録方法の一例を示すフローチャート図である。 従来のホログラム記録装置における画素パターンである。
符号の説明
A ホログラム記録装置
5 空間光変調手段
11 畳み込みデータ生成手段
12 データ変換手段
13 光変調データ選択手段
14 光変調データ再生手段
15 復号化手段
16 畳み込み復調手段

Claims (6)

  1. 記録すべき情報に基づいて光変調された記録光と参照光とをホログラム記録媒体において干渉させることによりホログラムを記録するホログラム記録装置であって、
    複数の検査符号を用いて上記記録すべき情報の畳み込み演算を行うことにより、複数の畳み込みデータを生成する畳み込みデータ生成手段と、
    上記複数の畳み込みデータを複数の光変調データに変換するデータ変換手段と、
    上記複数の光変調データごとに光利用効率を試算し、この光利用効率が所定範囲内に収まる光変調データを選択する光変調データ選択手段と、
    選択された上記光変調データに基づいて光変調を行うことにより、上記記録光を生成する空間光変調手段と、
    を備えていることを特徴とする、ホログラム記録装置。
  2. 上記データ変換手段は、上記畳み込みデータを二次元符号化することにより上記光変調データに変換する、請求項1に記載のホログラム記録装置。
  3. 上記データ変換手段は、上記畳み込みデータを所定数ずつに分割し、分割したデータごとに光利用効率の異なる複数の画素パターンを用いて二次元符号化を行うことにより、これらの画素パターンからなる光変調データを生成する、請求項2に記載のホログラム記録装置。
  4. 上記データ変換手段は、上記畳み込みデータを生成する際に用いた上記検査符号も上記光変調データの一部として変換する、請求項1ないし3に記載のホログラム記録装置。
  5. 上記ホログラム記録媒体に記録時と同じ参照光を照射することで再生光を取得し、この再生光から元の上記光変調データを再生する光変調データ再生手段と、再生された上記光変調データを復号化することにより元の上記畳み込みデータとこれに対応する上記検査符号を取得する復号化手段と、復号化により得られた上記畳み込みデータを上記検査符号で畳み込み復調することにより上記ホログラムとして記録された元の情報を得る畳み込み復調手段とを備えている、請求項4に記載のホログラム記録装置。
  6. 記録すべき情報に基づいて光変調された記録光と参照光とをホログラム記録媒体において干渉させることによりホログラムを記録するホログラム記録方法であって、
    複数の検査符号を用いて上記記録すべき情報の畳み込み演算を行うことにより、複数の畳み込みデータを生成し、上記複数の畳み込みデータを複数の光変調データに変換し、
    上記複数の光変調データごとに光利用効率を試算し、この光利用効率が所定範囲内に収まる光変調データを選択し、
    選択された上記光変調データに基づき、上記畳み込みデータを二次元符号化したうえで、上記畳み込みデータを所定数ずつに分割し、分割したデータごとに光利用効率の異なる複数の画素パターンを用いて二次元符号化を行うことにより、これらの画素パターンからなる光変調データを生成し、
    生成した光変調データに基づいて光変調を行うことにより、上記記録光を生成することを特徴とする、ホログラム記録方法。
JP2007195308A 2007-07-27 2007-07-27 ホログラム記録装置およびホログラム記録方法 Expired - Fee Related JP4750083B2 (ja)

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