JP4746176B2 - Sliding door repulsion prevention device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き戸の反発を防止する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
居住設備において引き戸は広範に設置されている。ところが引き戸を勢いよく閉じた時、引き戸の端面が戸枠と衝突し、引き戸が反発して戸枠との間に隙間が生じる。
【0003】
そこで引き戸が閉じる直前に引き戸が減速するように、軌道側に障害物を設ける方策が取られている。すなわち軌道(鴨居や敷居)の末端部分に板バネを設け、引き戸が閉塞間際となった時に引き戸の一部に板バネを接触させて引き戸を減速させる。すなわち引き戸が閉塞間際となった時、板バネによって引き戸にブレーキをかける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した様に、引き戸を閉じる時の反発対策として、軌道に板バネを取り付ける方策が知られているが、従来技術の方策は、引き戸に適正強度のブレーキをかけることが困難であった。そのため引き戸が完全に閉じずに途中で停止してしまったり、逆にブレーキが不十分で引き戸が反発するといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、引き戸を適正な速度に減速し、且つ調整が可能な引き戸用反発防止装置の開発を課題するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そして上記した課題を解決するための発明は、以下のようである。
請求項1に記載の引き戸用反発防止装置は、軌道側に取り付けられる突起部と、本体部を有し、前記本体部は二以上の解放面を有する本体ケースと、弾性を有する帯金によって構成された摺動路と、調整手段を有し、前記摺動路は本体ケースの内部にあってテーパ部を有し、摺動路の末端に前記突起部が嵌合する嵌合部が設けられ、調整手段は、ネジによって直線移動するスライダーを持ち、当該スライダーは本体部内にあって摺動路を構成する帯金の一部と当接しスライダーの移動に応じて摺動路の幅が増減し、さらに前記ネジの工具との係合部が本体部の端部に位置することを特徴とする引き戸用反発防止装置である。
【0007】
本発明の引き戸用反発防止装置は、軌道側に突起部が取り付けられ、引き戸側に摺動路が取り付けられる。本発明の引き戸用反発防止装置では、引き戸を閉じる際に突起部が摺動路の中に入るが、摺動路が弾性体によって狭窄方向に付勢されているので、突起部が摺動路を通過する際に突起部と摺動部との間で摩擦が生じる。そのため摺動路が取り付けられた引き戸にブレーキがかかる。また本発明の引き戸用反発防止装置では、摺動部の幅を変更する調整手段を持つので、ブレーキの強度を調整することができる。
【0008】
さらに本発明の引き戸用反発防止装置では、摺動路の末端に嵌合部が設けられているので、引き戸が閉じた状態の時、突起部が嵌合部と嵌合し、反発力に抗して閉じた状態を維持する。また本発明の引き戸用反発防止装置は、摺動路は弾性を有する帯金によって構成され、摺動路は前記帯金自身の持つ弾性によって狭窄方向に付勢されている。そのため本発明の引き戸用反発防止装置は、部品点数が少なく、作りやすい。また本発明の引き戸用反発防止装置では、摺動路にはテーパ部が設けられている。そのため引き戸にかかるブレーキを徐徐に強めることができる。
【0009】
さらに本発明の引き戸用反発防止装置では、ネジを回動することにより、摺動路の幅を調整することができる、さらにネジの工具との係合部が引き戸の端部に位置するので、引き戸を軌道から外すことなくブレーキ力の調整を行うことができる。
【0010】
さらに請求項2に記載の引き戸用反発防止装置は、スライダーには側面にスリットが設けられ、帯金の一部がスリットを通過しており、スライダーの移動に応じて帯金のスリットと当接する部分が絞られることにより摺動路の幅が増減されることを特徴とする請求項1に記載の引き戸反発防止装置である。
【0011】
本発明の引き戸用反発防止装置では、ネジによってスライダーが直線移動すると、スライダーの側面に設けたスリットに当接する帯金の部分がスリットにより絞られるか又は拡げられることにより摺動路の幅が調整でき、簡単な構造で操作が容易である。
【0012】
さらに請求項3に記載の引き戸用反発防止装置は、帯金は当接部が設けられ、スライダーは該当接部において帯金と当接し、スライダーの移動によって帯金が長手方向に圧押され、幅方向へ撓むことにより摺動路の幅が増減されることを特徴とする請求項1に記載の引き戸反発防止装置である。
【0013】
本発明の引き戸用反発防止装置では、スライダーが移動するとスライダーに当接した帯金が長手方向に加わる圧押力により幅方向に撓み、その撓みの増減により摺動路の幅が調整出来る。スライダーがテーパー部から最遠の位置にある時は帯金には圧押力が加わらず、従って帯金は変形前の状態で摺動路の幅は最大になる。本方式は簡単な構造で操作が容易であり、前記の請求項2の方式の様に帯金がスリットと摩擦することがなく耐久性がより優れている。
【0014】
さらに請求項4に記載の引き戸用反発防止装置は、摺動路を軌道の幅方向に平行移動させる移動調節手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の引き戸反発防止装置である。
【0015】
本発明の引き戸用反発防止装置では、当初の製作誤差および、使用継続による変形により軌道と引き戸の間の幅方向のずれが大きすぎるため摺動路の幅を調整するのみでは対応出来ない場合に、移動調節手段により、摺動路を軌道の幅方向に平行移動させて上記のずれを調整することにより、引き戸にかかるブレーキ強度を適正に調整出来る。
【0016】
また請求項5に記載の引き戸用反発防止装置は、摺動路は軌道の幅方向へスライド可能であり、かつ長さ方向への移動が規制されており、移動調節手段は軸方向へ動く可動部と、ランナーと、前記摺動路に対して傾きを持つと共にランナーと係合する移動用軌道を有し、移動用軌道又はランナーのいずれか一方は摺動路と共に移動し、他方は前記可動部と共に移動し、前記摺動路と可動部は移動用軌道とランナーを介して互いに係合されており、可動部の軸方向への移動に応じて摺動路が軌道の幅方向に移動することを特徴とする請求項4に記載の引き戸反発防止装置である。
【0017】
本発明の引き戸用反発防止装置では、移動調節手段は軸方向へ動く可動部と、ランナーと、当該ランナーと係合する移動用軌道を備える。そして摺動路は、移動用軌道およびランナーを介して可動部と係合する。ここで本発明の引き戸用反発防止装置では、移動用軌道が摺動路に対して傾きを持つので、摺動路は可動部の軸方向移動によって軸方向に対して斜め方向に移動する力が働く。しかし摺動路は、幅方向へはスライド可能であるが長さ方向への移動は規制されているため、幅方向へのみスライドする。従って本発明の引き戸用反発防止装置は摺動路の幅方向への移動調整を簡単な構造で達成出来る。
【0018】
さらに請求項6に記載の引き戸用反発防止装置は、移動調節手段の可動部は移動調節スライダーを有すると共に該移動調節スライダーを軸方向に直線移動させる移動調節ネジを有し、前記移動調節スライダーと移動調節ネジは移動調節ケースに内蔵され、摺動路は本体ケースに収容され、さらに本体ケースは移動調節接合部を有し、該移動調節接合部は幅方向へスライド可能で、長さ方向への移動が規制されて移動調節ケースに収納され、移動調節接合部の底面と移動調節スライダーのいずれか一方にランナーとなる突起が設けられ、他方に移動用軌道となるスリットが設けられ、移動調節ネジによる移動調節スライダーの直線移動により摺動路を幅方向に平行移動させることを特徴とする請求項5記載の引き戸反発防止装置である。
【0019】
本発明の引き戸用反発防止装置では、移動調節ネジによって移動調節スライダーを直線移動させると、移動調節接合部の底面に設けた突起またはスリットと移動調節スライダーに設けたスリットまたは突起が係合して、本体ケースには移動調節接合部を介して長手方向に対して斜め方向に移動する力が働くが、本体ケースは移動調節接合部と一体なので、幅方向へはスライド可能であるが長さ方向への移動は規制されているため、幅方向へのみスライドする。従って本発明の引き戸用反発防止装置では、摺動路の幅方向への移動調整機構は少ない部品で製作出来、引き戸を軌道から外すことなく移動調整を行える。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の引き戸の構造を図面を用いて具体的に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の引き戸用反発防止装置を上部側から見た斜視図である。図2は、本発明の引き戸用反発防止装置を下部側から見た斜視図である。図3は、図1の引き戸用反発防止装置の帯金及びスライダーの斜視図である。図4は、図1のA−A断面図(a)及びB−B断面図(b)である。図5は、本発明の引き戸用反発防止装置を軌道及び引き戸に設置した状態における図1のC−C断面図であり、(a)は引き戸の閉止の初期の状況を示し、(b)は引き戸の閉止の中間段階の状況を示し、(c)は引き戸の閉止完了時を示す。図6は、スライダーを移動した時の動作を説明する図1のC−C断面図である。
【0022】
図1,5において、1は鴨居(軌道)、2は引き戸を示す。また30は、本発明の実施形態の引き戸用反発防止装置を示す。本実施形態の引き戸用反発防止装置30は、大きく分けて鴨居側部材31と本体部4によって構成されている。
【0023】
鴨居側部材31は、図2の様に板状部材32を有し、その一方の面に突起部3が設けられたものである。突起部3の形状は略五角形の柱状である。すなわち、突起部3の平面断面は略五角形であり、一方の端部3aが尖っており、他方の端部3bは平坦面である。また突起部3の高さは後記する本体部4の箱体10の内側の高さより小さい。突起部3は、板状部材32の端部近傍に設けられ、前記した尖った側3aは、板状部材32の外側を向いている。図1,2を参照して説明すると、板状部材32の左の端部に突起部3が設けられ、尖った側3aは左の外側を向き、平坦な端部3bは内側を向いている。鴨居側部材31は、図1の様に引き戸2が取り付けられる上部の鴨居1の溝の内部に取り付けられ、突起部3は下側に位置する。また鴨居側部材31は鴨居1の溝の端部に位置し、板状部材32の端部は、鴨居溝の端部と一致する。
【0024】
突起部3の尖った側3aは、図1、図5の様に鴨居1の内側に向いて取り付けられる。また前記した様に板状部材32の端部を鴨居溝の端部と一致させて取り付けられるため、突起部3の鴨居溝の端部からの距離は一定となる。すなわち鴨居側部材31の板状部材32は、突起部3の鴨居1への取付けを容易且つ確実に行わしめる機能と、突起部3の位置決めを行う機能を発揮する。
【0025】
一方、本体部4は、箱体10、帯金5およびスライド調節部14によって構成される。またスライド調節部14はさらに調節ネジ16とスライダー11によって構成されている。以下順次説明する。
【0026】
箱体10は、大小二つの箱35,36が結合したものであり、その全長は前記した鴨居側部材31と等しい。幅は後記する移動調接ケース70より短い。上記した二つの箱35,36の内、大きい方の箱35は、帯金配置箱であり、上面10aと一方の側面10bが開放された直方体をしている。帯金配置箱35の開放側の側面10bの近傍は、他の部位に比べて内幅が広くスライド調節部14となっている。帯金配置箱35の閉鎖側の側面10cの近傍には、底板に突起10dが設けられている。一方、小さい箱36は、調整用ネジ配置箱であり、前記した帯金配置箱35の底面側に設けられている。調整用ネジ配置箱36は帯金配置箱35の開放側の端部にあり、二つの箱35,36の側面は同一平面内にある。
【0027】
帯金配置箱35と調整用ネジ配置箱36は、図4の様に連通している。調整用ネジ配置箱36の両端部には図4の様に支持孔18a、18bが設けられている。そして当該支持孔18a、18bには調節ネジ16が挿通されている。調節ネジ16は、図示しない係合部によって軸方向に移動しないように調整用ネジ配置箱36に取り付けられている。したがって調節ネジ16は、その場で回転し、自身は軸方向に移動しない。またネジの工具との係合部37は、図1,2,4の様に調整用ネジ配置箱36の端面に露出している。
【0028】
帯金5は薄板で帯状をなす弾力性を有する鋼であり、一枚の鋼板を折り曲げて作られたものである。帯金5の形状は、図1、3の通りであり、ヘアピン状に中央から折り返されていてそれぞれの内面によって摺動路38が形成されている。すなわち帯金5は、鋼板が中央部から折り返されて一対の鋼板5a,5bが対向している。そして一対の鋼板5a,5bは、一端側が開放されており、他端側は閉塞している。鋼板5a,5bの間には隙間があり、この隙間が摺動路38として機能する。図1,図2を参照しつつ説明すると、図面左端は閉じており、右部分は開放し、右端の開放側から左端の閉塞部に至る一連の通路が形成されている。
【0029】
前記した摺動路38の形状は、図6の様に大きく4つの部分に分割される。すなわち。帯金5によって形成される摺動路38は機能上、嵌合口部6、弾力調節部7、ガイド部(テーパ部)8、嵌合部9の4つの部分に分かれている。ここで嵌合口部6は、対向する二枚の鋼板5a,5bが略平行に位置する。嵌合口部6における帯金5の開きの間隔は前記突起部3の幅より大である。
【0030】
弾力調節部7では、対向する二枚の鋼板5a,5bに約30°程度のテーパが設けられている。また帯金5は弾力調節部7において後述するスライダー11のスリット12を通過している。
【0031】
ガイド部(テーパ部)8は、前記した弾力調節部7よりも角度の小さいテーパが形成された部位である。そして本実施形態では、ガイド部8の末端までの間において、開き間隔が前記突起部3の幅より小となるように僅かずつ狭められている。ガイド部(テーパ部)8の全長は、前記した嵌合口部6、弾力調節部7、ガイド部(テーパ部)8、嵌合部9の4部分の中で最も長く、40mm〜80mm程度である。
【0032】
嵌合部9は、ガイド部8の末端にあり、二枚の鋼板5a,5bの幅が急激に広げられた部位である。嵌合部9において、開きの間隔が前記突起部3の幅より大である様に広げられ、嵌合部9の左端において閉じられている。嵌合部9の内方の長さは前記突起部3の長さより長くなっており、従って嵌合部9の内部に前記突起部3が嵌合して納められる寸法に設計されている。スライド調節部14を構成するスライダー11は、図3の様に略「コ」の字状をした摺動部11aと、当該摺動部11aの背面に設けられた支持板13によって構成されている。すなわち摺動部11aは、二つの側面と底面を持ち、他の面は解放されている。そして二つの側面にはスリット12が設けられている。一方、支持板13は摺動部11aの底板に対して垂直に立設された壁体であり、中央にネジ孔15が設けられている。
【0033】
前記した帯金5は、嵌合部9が開口端面に対して奥側となる様に帯金配置箱35に配置されている。また帯金5の折り返し部分が帯金配置箱35の奥側の内壁と突起10dとの間に挟まれており、帯金5は帯金配置箱35から脱落することはない。特に帯金5の折り返し部分と突起10dとが係合するため、帯金5の長手方向の移動は阻止される。帯金5が帯金配置箱35に配置された状態の時、帯金配置箱35の開放側の側面10bから嵌合部9までの距離は、前記した鴨居側部材31の端部から突起部3までの距離と等しい。
【0034】
スライダー11は、略「コ」状の開放側を上に開いた「コ」状態で、摺動部11aが帯金配置箱35のスライド調節部14に配されている。そしてスライダー11の支持板13は箱体10の下外側に設けた調整用ネジ配置箱36の内部に突き出ている。すなわち調整用ネジ配置箱36の内部は直方体の小室となっており、当該小室内に支持板13が配置される。
【0035】
そして前記した様に調整用ネジ配置箱36の両端部には支持孔18a、18bが設けられ、内部に調節ネジ16があり、調節ネジ16はこの支持孔18a、18bに支持され、円周方向に回転可能になっている。調節ネジ16はスライダー11の支持板13のネジ孔15を貫通することにより、支持板13を保持している。調節ネジ16の中央部の外周にはネジ部17が設けられており、該ネジ部17は前記の支持板13のネジ孔15とネジ係合している。前記した様に、調節ネジ16は軸方向には移動しないから、端部に露出した工具との係合部37を回転させると、ネジ部17と係合する支持板13が軸方向に移動する。従って調節ネジ16を回動させることにより、スライダー11の摺動部11aが帯金配置箱35で軸方向に直線移動する。
【0036】
前記した様に、スライダー11の両側面にはスリット12が設けられ、帯金5の弾力調節部7がこのスリット12を通過し嵌合口部6は、スライダー11の外側から帯金配置箱35の開放端側に延びている状態で組み立てられている。
【0037】
以上説明した鴨居側部材31は、図1の様に引き戸2の上角部に取り付けられる。また鴨居側部材31の取付けに際しては、鴨居側部材31の端面が引き戸2の端面と同一平面となる様に配慮されている。
【0038】
以上の様な構造の引き戸2が閉止される時の状況を図5によって説明する。引き戸2が閉じられる時、本体部4は引き戸2と一体となって図5の右方向に移動し、本体部4が鴨居1側の突起部3に近づく。ここで本体部4の帯金配置箱35は、上面10aと側面10bが開放されているので、上部の鴨居1から垂下された突起部3は、本体部4の中に入り得る。そして引き戸2の移動により、最初に帯金5の嵌合口部6が突起部3に架かる(図5a参照)。
【0039】
さらに右方向への移動が続き、弾力調節部7を経てガイド部8が突起部3に架かる(図5b参照)。ガイド部8においては、帯金5が弾力性を有しているので、ガイド部8は突起部3に押し拡げられ、ガイド部8が突起部3を挟んだ状態で本体部4と引き戸2との一体の移動が続く。この時、ガイド部8の摺動路38は、帯金5自身の弾力性によって狭窄方向に付勢されているので、ガイド部8と突起部3の間に弾性圧力に因る摩擦力が生じ、引き戸2は強制的に減速されながらさらに図面右方向への移動が続く。またガイド部8は、テーパ状であって、奥へ行くほど摺動路38の幅が狭まり、引き戸2が鴨居1の終端に近づくに従ってより強いブレーキ力が働く。
【0040】
そして引き戸2がちょうど閉じた状態の時、嵌合部9が突起部3に架かり、最終的に突起部3が嵌合部9の内部に嵌合された状態になり、引き戸2の移動が停止される(図5c参照)。
【0041】
また嵌合部9とガイド部8との接続部分は、幅が狭いので、一旦嵌合部9に嵌まりこんだ突起部3は、嵌合部9から脱出しにくい。すなわち引き戸2の移動と共に突起部3が嵌合部9に達すると、突起部3はガイド部8には移動しにくい。従って引き戸2が勢いよく戸枠側に当たっても、突起部3が嵌合部9と嵌合しているので、引き戸は反発せず、閉じたままの状態を維持する。このように引き戸2の端面と柱・壁との衝撃の緩和程度が十分に安全な程度で、かつ、引き戸2の開閉が円滑であれば、そのままで当面は使用出来る。一方、引き戸2を閉じる時の引き戸2の端面と柱・壁との衝撃の緩和の程度が十分に安全な程度でないか、または引き戸2の開閉が円滑でない場合は以下の様な調節をおこなう。まず、スライド調節部14の調節ネジ16をネジ回しなどを用いて回転させる。ここで本実施形態の引き戸用反発防止装置30では、調節ネジ16のネジ回し等との係合部37が、引き戸2の端面に露出しているから、調節ネジ16の回動は容易である。すなわち引き戸2を取り外すことなく調節ネジ16を回転させることができる。
【0042】
調節ネジ16が回転すると調節ネジ16のネジ部17とネジ結合された支持板13が水平方向に移動し、支持板13と一体となってスライダー11が水平方向に直線移動する。スライダー11が軸方向に移動するとスライダー11の摺動部11aに設けられたスリット12と帯金5との接触位置が変化する。
【0043】
一方、帯金5のスリット12と接触する部位たる弾力調節部7にはテーパが設けられているから、スライダー11の移動に応じて帯金5の開放側が絞られ、あるいは緩められる。そのため調節ネジ16を回動してスライダー11を移動させることにより、帯金5の間隔が変化する。例えば図4(a)の状態から調節ネジ16が回転してスライダー11を開口側(図面右側)に移動させると、図4(b)に示す様に帯金5のガイド部8の開き間隔は狭められ、引き戸2を閉じる時の突起部3がガイド部8に挟まれる圧力に因る摩擦力が増加するので、引き戸2の端面と柱・壁との衝撃は弱められる。
【0044】
逆にスライダー11が左に移動すると前記帯金5のガイド部8の開き間隔は拡げられ、引き戸2を閉じる時の突起部3が前記帯金5のガイド部8に挟まれる圧力に因る摩擦力が減少するので、引き戸2の開閉時は調節前より円滑になるが、閉止時の引き戸の端面と柱・壁との衝撃は調節前より強くなる。従って本発明の引き戸2の最初の使用前に、鴨居1に取り付けた後、引き戸2の開閉と前記の様な調節ネジ16の回転による調節を繰り返すことにより、引き戸2が閉じられる時の引き戸2の端面と柱・壁との衝撃の程度と引き戸2の開閉時の円滑さとを適切に調節するのが望ましい。以上説明した実施形態では、摺動路38を弾性を有する帯金で製作したが、例えば摺動路38を摺動性に優れた樹脂で製作し、当該樹脂をバネやゴム等の弾性体で狭窄方向に付勢してもよい。
【0045】
また上記した実施形態では、引き戸用反発防止装置を引き戸2の上部に取付けたが、これを下部、すなわち敷居側に取り付けてもよい。
【0046】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の実施の形態2の反発防止装置を上部側から見た斜視図である。図8は、本発明の上記の引き戸用反発防止装置(移動調節部を含まず)を下部側から見た斜視図である。図9は、図7の引き戸用反発防止装置の帯金及びスライダーの斜視図である。図10は、図7のA−A断面図(a)およびB−B断面図(b)である。図11は上記の引き戸用反発防止装置のスライダーを移動した時の動作を説明する図7のC−C断面図である。
【0047】
以下において前記した実施の形態1と共通する部材に対しては同じ番号を付して説明する。図7から11において、1は鴨居(軌道)、2は引き戸を示す。また50は本発明の実施形態の引き戸用反発防止装置を示す。本実施形態の引き戸用反発防止装置50は、大別して鴨居側部材31と本体部4によって構成されている。
【0048】
鴨居側部材31の構造と鴨居(軌道)1への取り付け方は実施の形態1と同様である一方、本体部4の主構成は、図7および図8の様に箱体10、帯金5、スライド調節部14を有する点で前記した実施の形態1と同様であるが、本実施の形態ではさらに、移動用接合部48が追加されている。以下順次説明する。
【0049】
箱体10は図8、10に示すように帯金配置箱35を有し、その本体部分は前記した実施の形態1と共通するが、調節ネジ箱に代わって箱体10と一体的に成型されたネジ台座45が、箱体10の引き戸端側の底面部に設けられている。ネジ台座45の底面には、溝46a、46bが設けられている。溝46aはネジ台座45の長さ方向の中心線上をネジ台座45の両端まで貫き、溝46bは引き戸端側の端部の近くにあり、溝46aと直交している。調節ネジ16は溝46aに回転可能に収容されている。調節ネジ16のネジ部とネジ頭16aの間にはCリング47が取り付けてあり、Cリング47が溝46bに強制的に嵌め込まれて取り付けられている。これにより、調節ネジ16はCリング47を介して溝46bに支持され、溝46a内で回転可能であるが、Cリング47に束縛されて軸方向への移動を阻止されている。
【0050】
帯金5も実施の形態1とほぼ同様であり、弾力性を有する帯状の鋼の薄板をヘアピン状に折り曲げて作られ、ヘアピンの内面が摺動路38を形成している。
【0051】
摺動路38は、実施の形態1と同様に機能する図11の様な4つの部分に分割される。すなわち、嵌合口部6、弾力調節部7、ガイド部(テーパ部)8、嵌合部9の4部分である。ただし弾力調節部7の構成は実施の形態1と異なり、帯金5は図11の様にガイド部8側の端部が外方向へL字型に折れた当接部7aとなり、当接部7aに後述するスライダー11の端部11bが当接して帯金の弾力調節が行われる。帯金5は当接部7aからL字型に折れ、スライダー11の端部11bの外側へ出た地点で弾力調節部7が終わり、嵌合口部6に至っている。従って本実施の形態2では弾力調節部7は上記の当接部7aを含む極く狭い範囲となっている。スライド調節部14を構成するスライダー11も外観形状は実施の形態1と類似しており、図9の様に略「コ」の字状をした摺動部11aと、摺動部11aの底面のガイド部8側の端部の下方向に設けたられた支持板13によって構成されている。すなわち、摺動部11aは底面と二つの側面とを持ち、他の面は解放されている。支持板13は摺動部11aの底板に対して垂直に立設された壁体であり、中央にネジ孔15が設けられている。ただし本実施の形態では摺動部11aはスリットがない単純な板である。
【0052】
スライダー11は、略「コ」状の開放側を上に開いた「コ」状態で、摺動部11aが箱体10内にある帯金5の弾力調節部7に配されている。そしてスライダー11の支持板13は下方向に突き出て、箱体10の下外側に設けたネジ台座45の引き戸端と反対側の端面に当接し、ネジ孔15と調節ネジ16が係合することにより調節ネジ16に支持されている。
【0053】
そして前記した様に調節ネジ16はネジ台座45の溝46aに収納され、Cリング47を介して溝46bに支持され、軸方向への移動を阻止された状態で回転可能である。従って調節ネジ16を回転させると、ネジ部17と係合するスライダー11の支持板13が軸方向に移動し、摺動部11aが箱体10内で軸方向に直線移動する。
【0054】
本実施の形態のスライダー11による帯金5の弾力調節方法を図11によって説明する。先ず、スライド調節部14の調節ネジ16をネジ回しなどを用いて回転させ、調節ネジ16が回転すると調節ネジ16のネジ部17とネジ結合された支持板13が軸方向に移動し、支持板13と一体となってスライダー11が軸方向に直線移動する。スライダー11が軸方向に移動すると、スライダー11の摺動部11aの端部11bに当接している帯金5の弾力調節部7の当接部7aに押圧応力が加わり、帯金5のガイド部8は内側に撓められる。そのため調節ネジ16を回動してスライダー11を移動させることにより、帯金5の間隔が変化する。例えば図11(a)の状態から調節ネジ16が回転してスライダー11を開口側(図面右側)に移動させると、図11(b)に示す様に帯金5のガイド部8の開き間隔は狭められ、引き戸2を閉じる時の突起部3とガイド部8の間の摩擦力が増加するので、引き戸2の端面と柱・壁との衝撃は弱められる。図11(b)の状態から調節ネジ16が回転してスライダー11を開口の反対側側(図面左側)に移動させると、図11(a)に示す様に帯金5のガイド部8の開き間隔は拡げられ、引き戸2を閉じる時の突起部3とガイド部8の間の摩擦力が減少するので、引き戸2の端面と柱・壁との衝撃は強められる。
【0055】
次に本実施の形態に新たに追加された摺動路38を移動させる部位を説明する。図12は図7のD−D断面図(a)およびE−E断面図(b)である。図13は上記の引き戸用反発防止装置の本体ケースが移動調節ケースに収納された状態の正断面図(a)およびそのA−A断面図(b)〜(d)であり、(b)は移動調節スライダーにより本体ケースが一方の端にスライドした時の状態を示し、(c)は本体ケースが中央にある時の状態を示し、(d)は本体ケースが他方の端へスライドした時の状態を示す。図14は図7の移動調節部60の要部を示す分解斜視図である。以下順次説明する。
【0056】
移動調節部60は移動調節スライダー61と、移動調節ネジ62およびそれらを収容する移動調節ケース70が主構成である。これとは別に、本体部4に後記する移動用接合部48が箱体10と一体的に成型されて設けられている。
【0057】
移動調節ケース70は上側が開放された矩形の箱で、その外径寸法は、長さが本体部4の箱体10と等しく、幅は引き戸の上角部に埋め込まれるために引き戸の幅より短くなっている。さらに、移動調節ケース70の引き戸の端側は下部の中央に円形の孔63と、上端の中央に略長方形の開放口64が設けられている。移動調節ケース70の内部の底は引き戸の端側の一部が厚くなって移動調節ネジ台座65になっており、残りの部分は平坦である。移動調節ネジ台座65の表面には溝67a、67bが設けられている。溝67aは移動調節ネジ台座65の表面の長さ方向の中央線上をネジ台座65の両端まで貫いており、溝67bは引き戸の端部の近くにあり、溝67aと直交している。溝67aの引き戸の端側は前記の孔63に開孔している。
【0058】
溝67aには移動調節ネジ62が収容されて、ネジ頭62aは孔63へ露出している。移動調節ネジ62のネジ部62bとネジ頭62aの間にCリング66が取り付けられており、Cリング66は溝67bに強制的に嵌め込まれて固定されていることにより、移動調節ネジ62はCリング66を介して溝67bに支持されている。これにより移動調節ネジ62は軸方向への移動を阻止され、工具を当ててネジ頭62aを回転させることにより、その場に留まる状態で回転可能である。
【0059】
移動調節スライダー61の主要部は金属製の長方形の平板71であり、その長さ方向の中心線上に2個のスリット75a、75bが設けられている。スリット75a、75bは略長方形で長さ方向は移動調節スライダー61の長さ方向に対して約30度の傾きを持って設けられている。
【0060】
移動調節スライダー61の図面右側の端部は平板71に対して垂直に延びる仕切板72となっており、仕切板72の下部の中央にはネジ孔73が設けられ、ネジ孔73に上記の移動調節ネジ62のネジ部62bが貫通して係合されている。これにより、移動調節スライダー61は移動調節ネジ62に支持され、移動調節ネジ62の回転に従って移動調節ケース70の内底を長さ方向に直線移動される構成となっている。
【0061】
移動用接合部48は図7の様に箱体10の下側のネジ台座45の反対側に設けられた略直方体であり、移動用接合部48の幅は箱体10と同一であるかまたはやや短い。全長は箱体10より短く、高さはネジ台座45側の一部が少し低くなっている。さらに移動用接合部48の下底部には長さ方向の中央線上に2個の円柱状の突起49a、49bが設けられている。
【0062】
本体部4と移動調節部60は、図13(a)の様に重ね合わされ、移動用接合部48が移動調節ケース70に納められることによって一体化される。この時、移動用接合部48は、移動用スライダー61の仕切板71と移動調節ケース70左端の間の空間に、長さ方向へ動ける隙間がない状態で納められる。同時に移動用接合部48の下底の突起49a、49bがそれぞれスリット75a、75bに嵌め込まれ互いに係合する。そして移動調節ケース70の両側壁に設けた接合孔76a、76bと移動用接合部48の両側壁に設けた接合孔51a、51bが重なり合った孔状部にピン52a、52bを通してネジ止めして本体部4と移動調節部60との結合を堅固にし、かつ本体部4の長さ方向および高さ方向への移動を阻止する。
【0063】
本体部4と移動調節部60は前記の様に一体化された状態で引き戸2の上角部に埋め込み式に取り付けられる。この時、本体部4のネジ台座45の右端の一部は移動調節ケース70の右端の開放口64へ露出している。従って本体部4と移動調節部60が一体化されて引き戸2に取り付けられた状態では、調節ネジ16のネジ頭16aと移動調節ネジ62のネジ頭62aは、引き戸2の上角部の端から露出しており、両者とも外から工具を当てて回すことが可能である。
【0064】
次に図13を参照して移動調節部60の作用を説明する。当初の製作誤差および、使用継続による変形により軌道と引き戸の間の幅方向のずれが大きすぎるため、前記の摺動路のガイド部8の開き幅を調整するのみでは対応出来ず、引き戸2の閉閉具合が満足でない場合に、以下の調整を行う。
【0065】
本体部4と移動調節部60が引き戸2に取り付けられた時の状態の正断面図は上記の図13(a)の様であり、平断面図は図13(c)の様である。
【0066】
本実施形態の引き戸用反発防止装置50では、ネジ頭62aに工具を当てて移動調節ネジ62を回転させると、ネジ部62bに係合された移動調節スライダー61が引き戸の上端において長さ方向へ直線移動する。ここで本実施形態の引き戸用反発防止装置50では、移動調節ネジ62のネジ頭62a(係合部)についても引き戸2の端面に露出しているから、移動調節ネジ62の回動も容易である。すなわち引き戸2を取り外すことなく移動調節ネジ62を回転させることができる。
【0067】
具体的に説明すると、本実施形態の引き戸用反発防止装置50では、移動調節ネジ62を正(右)回転させると移動調節スライダー61は引かれて図の右方向に移動する。この時、本体部4の移動用接合部48の下底部の突起49a、49bは移動調節スライダー61のスリット75a、75bにそれぞれ係合されているので、移動用接合部48を図の斜め手前へ移動させる力が働くが、移動用接合部48は長さ方向への移動を阻止されているので、本体部4の全体が手前の幅方向にスライドする。(図13(b)参照))
【0068】
移動調節ネジ62を反対(左)回転させると移動調節スライダー61は押されて図の左方向に移動する。この時、突起49a、49bはスリット75a、75bにそれぞれ係合されているので、移動用接合部48を図の斜め奥へ移動させる力が働くが、移動用接合部48は長さ方向への移動を阻止されているので、本体部4の全体が奥の幅方向にスライドする。(図13(d)参照))
【0069】
以上の様に、箱体10内に収容された摺動路38が移動調節部60により幅方向へ移動されることにより、鴨居1の突起3と摺動路38の幅方向のずれが修正され、引き戸2を閉じる時の引き2戸が柱・壁に当たる衝撃の程度、および引き戸の開閉の円滑さが適正に調整される。なお上記した実施形態の説明では、調節ネジ16,移動調節ネジ62は、いずれもCリング47,66を使用して軸方向の移動を阻止する構造を採用したが、Cリング47,66によらずに、つば付きネジを使用してもよい。
【0070】
【発明の効果】
本発明の引き戸用反発防止装置では引き戸を閉じる際に適度のブレーキをかけることができる効果があり、本発明の引き戸用反発防止装置を引き戸に装着すると、引き戸を適正な速度に減速し、引き戸が反発するといった不具合が生じない。
【0071】
また前記のブレーキの強度を調整する機構が設けられているので、引き戸の開閉の円滑の程度を適切に保つことができる。
【0072】
さらに加えて、本発明の引き戸用反発防止装置は、引き戸側の部分が軌道の幅方向へ移動出来る機構を備えているので、当初の製作誤差および、使用継続による変形により軌道と引き戸の間の幅方向のずれが過大であり、引き戸用反発防止装置の引き戸側部分と敷居側部分との位置関係が適当でないためブレーキの強度の調整作用が無効または不十分である場合にも、引き戸用反発防止装置の引き戸側部分と敷居側部分との位置関係を調整することにより、引き戸を閉じる時の引き戸が柱・壁に当たる衝撃の程度、および引き戸の開閉の円滑の程度を適切に保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の引き戸用反発防止装置を上部側から見た斜視図である。
【図2】 本発明の引き戸用反発防止装置を下部側から見た斜視図である。
【図3】 図1の引き戸用反発防止装置の帯金及びスライダーの斜視図である。
【図4】 図1のA−A断面図及びB−B断面図である。
【図5】 本発明の引き戸用反発防止装置を軌道及び引き戸に設置した状態における図1のC−C断面図であり、(a)は引き戸の閉止の初期の状況を示し、(b)は引き戸の閉止の中間段階の状況を示し、(c)は引き戸の閉止完了時を示す。
【図6】 スライダーを移動した時の動作を説明する図1のC−C断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2の反発防止装置を上部側から見た斜視図である。
【図8】 図1の戸用反発防止装置(移動調節部を含まず)を下部側から見た斜視図である。
【図9】 図7の引き戸用反発防止装置の帯金及びスライダーの斜視図である。
【図10】 図7のA−A断面図(a)およびB−B断面図(b)である。
【図11】 上記の引き戸用反発防止装置のスライダーを移動した時の動作を説明する図7のC−C断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態3の図7のD−D断面図(a)およびE−E断面図(b)である。
【図13】 上記の引き戸用反発防止装置の本体ケースが移動調節ケースに収納されたた状態の正断面図(a)およびそのA−A断面図(b)〜(d)であり、(b)は移動調節スライダーにより本体ケースが一方の端にスライドした時の状態を示し、(c)は中央にある時の状態を示し、(d)は他方の端へスライドした時の状態を示す。
【図14】 本発明の実施の形態2の反発防止装置の移動調節部60の要部を示す図7の分解斜視図である
【符号の説明】
1 鴨居
2 引き戸
3 突起部
4 本体部
5 帯金
6 嵌合口部
7 弾力調節部
8 ガイド部
9 嵌合部
10 箱体
11 スライダー
12 スリット
13 支持板
14 スライド調節部
15 ネジ孔
16 調節ネジ
17 ネジ部
18a、18b 支持孔
38 摺動路
45 ネジ台座
46a、46b 溝
47 Cリング
48 移動用接合部
49a、49b 突起
60 移動調節部
61 移動調節スライダー
62 移動調節ネジ
63 孔
64 開口
65 移動調節ネジ台座
66 Cリング
67a、67b 溝
70 移動調節ケース
71 平板
72 仕切板
73 ネジ孔
74a、74b スリット
75 接合孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a device for preventing repulsion of a sliding door.
[0002]
[Prior art]
Sliding doors are widely installed in residential facilities. However, when the sliding door is closed vigorously, the end surface of the sliding door collides with the door frame, the sliding door repels and a gap is formed between the door frame.
[0003]
Therefore, measures are taken to provide an obstacle on the track side so that the sliding door decelerates immediately before the sliding door closes. That is, a leaf spring is provided at the end portion of the track (the duck or the sill), and when the sliding door is about to close, the leaf spring is brought into contact with a part of the sliding door to decelerate the sliding door. That is, when the sliding door is close to closing, the sliding door is braked by the leaf spring.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, as a countermeasure against repulsion when the sliding door is closed, a measure for attaching a leaf spring to the track is known. However, it has been difficult for the prior art measure to brake the sliding door with an appropriate strength. For this reason, there is a problem that the sliding door stops halfway without being completely closed, and conversely, the sliding door is repelled due to insufficient braking.
[0005]
Accordingly, the present invention focuses on the above-mentioned problems of the prior art, and an object of the present invention is to develop a sliding door repulsion prevention device capable of reducing the sliding door to an appropriate speed and adjusting it.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
And to solve the above-mentioned problemsThe invention is as follows.
Claim 1The sliding door repulsion prevention device according to claim 1 has a protrusion portion attached to the track side, a main body portion, the main body portion having a main body case having two or more release surfaces, and a slide made of elastic band. A moving path and adjusting means, wherein the sliding path is inside the main body case and has a tapered portion, and a fitting portion is provided at the end of the sliding path to which the protruding portion is fitted. Has a slider that moves linearly with a screw, the slider is in contact with a part of the band that forms the sliding path in the main body, and the width of the sliding path increases or decreases according to the movement of the slider. The sliding door repulsion prevention device is characterized in that the engaging portion of the screw with the tool is located at the end of the main body.
[0007]
In the sliding door repulsion prevention device of the present invention, the protrusion is attached to the track side, and the sliding path is attached to the sliding door side. In the sliding door repulsion prevention device of the present invention, when the sliding door is closed, the projection enters the sliding path, but the sliding path is urged in the narrowing direction by the elastic body, so the projection is the sliding path. Friction occurs between the protruding portion and the sliding portion when passing through. Therefore, the brake is applied to the sliding door to which the sliding path is attached. In addition, the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention has adjusting means for changing the width of the sliding portion, so that the strength of the brake can be adjusted.
[0008]
Furthermore, in the sliding door repulsion prevention device of the present invention, since the fitting portion is provided at the end of the sliding path, when the sliding door is in a closed state, the projection portion is fitted with the fitting portion to resist the repulsive force. And keep it closed. In the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention, the sliding path is constituted by an elastic band, and the sliding path is urged in the narrowing direction by the elasticity of the band itself. Therefore, the repulsion prevention apparatus for sliding doors of the present invention has a small number of parts and is easy to make. In the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention, the sliding path is provided with a tapered portion. Therefore, the brake applied to the sliding door can be gradually strengthened.
[0009]
Further, in the sliding door repulsion prevention device of the present invention, the width of the sliding path can be adjusted by rotating the screw, and the engaging portion of the screw with the tool is located at the end of the sliding door. The braking force can be adjusted without removing the sliding door from the track.
[0010]
Further claims2The sliding door repulsion prevention device described in 1 is provided with a slit on the side surface of the slider, and a part of the band passes through the slit, and a portion that contacts the slit of the band is narrowed according to the movement of the slider. Thus, the width of the sliding path is increased or decreased.1It is a sliding door repulsion prevention apparatus of description.
[0011]
In the sliding door repulsion prevention device of the present invention, when the slider moves linearly with a screw, the width of the sliding path is adjusted by narrowing or expanding the portion of the band that contacts the slit provided on the side surface of the slider. And easy operation with a simple structure.
[0012]
Further claims3In the sliding door repulsion prevention device described in 1), the strap is provided with a contact portion, the slider contacts the strap at the corresponding contact portion, and the strap is pressed in the longitudinal direction by the movement of the slider and bent in the width direction. The width of the sliding path is increased or decreased by1It is a sliding door repulsion prevention apparatus of description.
[0013]
In the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention, when the slider moves, the band abutted against the slider bends in the width direction by the pressing force applied in the longitudinal direction, and the width of the sliding path can be adjusted by increasing or decreasing the bending. When the slider is at the farthest position from the taper, no pressing force is applied to the band, and therefore the width of the sliding path is maximized before the band is deformed. The method is simple in structure and easy to operate.2Unlike the above method, the band does not rub against the slit, and the durability is better.
[0014]
Further claims42. The sliding door repulsion prevention apparatus according to claim 1, further comprising movement adjusting means for translating the sliding path in the width direction of the track.OrClaim2The sliding door repulsion prevention device described in 1.
[0015]
In the sliding door repulsion prevention device of the present invention, when the initial manufacturing error and the displacement due to the continued use are too large, the displacement in the width direction between the track and the sliding door is too large, so it is not possible to cope with only by adjusting the width of the sliding path. The brake strength applied to the sliding door can be appropriately adjusted by adjusting the displacement by moving the sliding path in the width direction of the track by the movement adjusting means.
[0016]
And claims5In the sliding door repulsion prevention device described in, the sliding path is slidable in the width direction of the track and the movement in the length direction is restricted, the movement adjusting means includes a movable part that moves in the axial direction, and a runner. And a moving track that is inclined with respect to the sliding path and engages with the runner, and either the moving track or the runner moves with the sliding path, and the other moves with the movable part. The sliding path and the movable part are engaged with each other via a moving track and a runner, and the sliding path moves in the width direction of the track according to the movement of the movable part in the axial direction. Claims4It is a sliding door repulsion prevention apparatus of description.
[0017]
In the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention, the movement adjusting means includes a movable portion that moves in the axial direction, a runner, and a movement track that engages with the runner. The sliding path is engaged with the movable portion via the moving track and the runner. Here, in the sliding door repulsion prevention apparatus according to the present invention, the moving track has an inclination with respect to the sliding path, so that the sliding path has a force that moves obliquely with respect to the axial direction due to the axial movement of the movable part. work. However, the sliding path can slide in the width direction but is restricted from moving in the length direction, and therefore slides only in the width direction. Therefore, the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention can achieve movement adjustment in the width direction of the sliding path with a simple structure.
[0018]
Further claims6In the sliding door repulsion prevention device according to the invention, the movable part of the movement adjusting means has a movement adjustment slider and a movement adjustment screw for linearly moving the movement adjustment slider in the axial direction. The movement adjustment slider and the movement adjustment screw are Built in the movement adjustment case, the sliding path is housed in the main body case, the main body case has a movement adjustment joint, the movement adjustment joint can slide in the width direction, and the movement in the length direction is restricted. It is housed in the movement adjustment case, and one of the bottom of the movement adjustment joint and the movement adjustment slider is provided with a protrusion as a runner, and the other is provided with a slit as a movement track. The sliding path is translated in the width direction by linear movement of the slider.5It is a sliding door repulsion prevention apparatus of description.
[0019]
In the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention, when the movement adjustment slider is linearly moved by the movement adjustment screw, the protrusion or slit provided on the bottom surface of the movement adjustment joint is engaged with the slit or protrusion provided on the movement adjustment slider. The body case has a force that moves in an oblique direction with respect to the longitudinal direction via the movement adjustment joint, but the body case is integrated with the movement adjustment joint, so it can slide in the width direction but the length direction. Since movement to is restricted, it slides only in the width direction. Therefore, in the sliding door repulsion prevention apparatus of the present invention, the movement adjustment mechanism in the width direction of the sliding path can be manufactured with few parts, and the movement adjustment can be performed without removing the sliding door from the track.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The structure of the sliding door of the present invention will be specifically described below with reference to the drawings.
[0021]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a perspective view of the sliding door repulsion prevention device of the present invention as seen from above. FIG. 2 is a perspective view of the sliding door repulsion prevention device of the present invention as seen from the lower side. FIG. 3 is a perspective view of a band and a slider of the sliding door repulsion prevention apparatus of FIG. 1. 4 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 1 (a) and a cross-sectional view taken along line BB (b). FIG. 5 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG. 1 in a state in which the sliding door repulsion prevention device of the present invention is installed on the track and the sliding door, (a) shows the initial state of closing of the sliding door, and (b) The situation of the intermediate stage of the closing of the sliding door is shown, and (c) shows the time when the closing of the sliding door is completed. 6 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG. 1 for explaining the operation when the slider is moved.
[0022]
1 and 5, 1 is a duck (track), and 2 is a sliding door.
[0023]
The
[0024]
The pointed side 3a of the
[0025]
On the other hand, the
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
The shape of the sliding
[0030]
In the
[0031]
The guide portion (taper portion) 8 is a portion where a taper having a smaller angle than the above-described
[0032]
The
[0033]
The above-described
[0034]
The
[0035]
As described above, the
[0036]
As described above, the
[0037]
The
[0038]
The situation when the sliding
[0039]
Further, the movement in the right direction continues, and the
[0040]
When the sliding
[0041]
Moreover, since the connection part of the
[0042]
When the
[0043]
On the other hand, since the
[0044]
On the contrary, when the
[0045]
In the embodiment described above, the sliding door repulsion prevention device is attached to the upper portion of the sliding
[0046]
(Embodiment 2)
Hereinafter, a second embodiment of the present invention will be described. FIG. 7 is a perspective view of the repulsion prevention device according to the second embodiment of the present invention as seen from above. FIG. 8 is a perspective view of the sliding door repulsion prevention device (not including the movement adjustment unit) of the present invention as seen from the lower side. FIG. 9 is a perspective view of a band and a slider of the sliding door repulsion prevention device of FIG. 10 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 7 (a) and a cross-sectional view taken along line BB (b). 11 is a cross-sectional view taken along the line CC in FIG. 7 for explaining the operation when the slider of the sliding door repulsion prevention apparatus is moved.
[0047]
In the following, the same members as those in the first embodiment will be described with the same reference numerals. 7 to 11, 1 is a duck (track), and 2 is a sliding door.
[0048]
While the structure of the
[0049]
As shown in FIGS. 8 and 10, the
[0050]
The
[0051]
The sliding
[0052]
The
[0053]
As described above, the adjusting
[0054]
A method for adjusting the elasticity of the
[0055]
Next, the site | part which moves the sliding
[0056]
The
[0057]
The
[0058]
A
[0059]
The main part of the
[0060]
The end of the
[0061]
The moving joint 48 is a substantially rectangular parallelepiped provided on the opposite side of the
[0062]
The
[0063]
The
[0064]
Next, the operation of the
[0065]
The front sectional view of the
[0066]
In the sliding door repelling
[0067]
More specifically, in the sliding door
[0068]
When the
[0069]
As described above, when the sliding
[0070]
【The invention's effect】
The sliding door repulsion prevention device of the present invention has an effect of applying an appropriate brake when closing the sliding door. When the sliding door repulsion prevention device of the present invention is mounted on the sliding door, the sliding door is decelerated to an appropriate speed, Does not cause a problem such as
[0071]
In addition, since a mechanism for adjusting the strength of the brake is provided, the smoothness of opening and closing the sliding door can be appropriately maintained.
[0072]
In addition, the sliding door repulsion prevention device of the present invention includes a mechanism that allows the sliding door side portion to move in the width direction of the track. Sliding door repulsion can be caused even if the displacement in the width direction is excessive and the positional relationship between the sliding door side portion and the sill side portion of the sliding door repulsion prevention device is inappropriate and the adjustment of the brake strength is invalid or insufficient. By adjusting the positional relationship between the sliding door side part and the sill side part of the prevention device, it is possible to appropriately maintain the degree of impact of the sliding door hitting the pillar / wall when closing the sliding door and the smoothness of opening and closing the sliding door. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a sliding door repulsion prevention device according to the present invention as viewed from above.
FIG. 2 is a perspective view of the sliding door repulsion prevention device of the present invention as seen from the lower side.
3 is a perspective view of a band and a slider of the sliding door repulsion prevention device of FIG. 1. FIG.
4 is a cross-sectional view taken along line AA and BB in FIG. 1;
5 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG. 1 in a state in which the sliding door repulsion prevention device of the present invention is installed on the track and the sliding door, (a) showing an initial state of closing of the sliding door, and (b). The situation of the intermediate stage of the closing of the sliding door is shown, and (c) shows the time when the closing of the sliding door is completed.
6 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG. 1 for explaining the operation when the slider is moved.
FIG. 7 is a perspective view of the repulsion prevention device according to the second embodiment of the present invention as viewed from above.
8 is a perspective view of the door repulsion prevention device (not including the movement adjustment unit) of FIG. 1 as viewed from the lower side.
9 is a perspective view of a band and a slider of the sliding door repulsion prevention device of FIG. 7. FIG.
10 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 7 (a) and a cross-sectional view taken along line BB (b).
11 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG. 7 for explaining the operation when the slider of the sliding door repulsion prevention apparatus is moved.
12 is a DD cross-sectional view (a) and an EE cross-sectional view (b) of FIG. 7 according to the third embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a front sectional view (a) in a state where the main body case of the sliding door repulsion prevention device is housed in the movement adjustment case, and AA sectional views (b) to (d) thereof; ) Shows a state when the main body case is slid to one end by the movement adjustment slider, (c) shows a state when it is in the center, and (d) shows a state when it is slid to the other end.
14 is an exploded perspective view of FIG. 7 showing a main part of a
[Explanation of symbols]
1 Kamoi
2 Sliding door
3 Protrusion
4 Body
5 Band
6 Mating port
7 Elasticity adjustment part
8 Guide section
9 Fitting part
10 box
11 Slider
12 Slit
13 Support plate
14 Slide adjustment part
15 Screw hole
16 Adjustment screw
17 Screw part
18a, 18b Support hole
38 slideway
45 Screw base
46a, 46b groove
47 C-ring
48 Moving joint
49a, 49b Protrusion
60 Movement adjustment unit
61 Movement adjustment slider
62 Movement adjustment screw
63 holes
64 openings
65 Movement adjustment screw base
66 C-ring
67a, 67b groove
70 Movement adjustment case
71 flat plate
72 divider
73 Screw hole
74a, 74b Slit
75 joint hole
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