JP4632519B2 - 反射体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドライトやフォグライト等の車両用灯具、或いは屋外、屋内照明機器類等に、そして、レーザー機器を含む光学機器の平面鏡や曲面鏡等に使用される反射体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の反射体(通称、リフレクターと称されている)には主にMg、Ca、Sr、Li等のアルカリ土類金属を添加して、そのアルカリ土類金属の酸素吸着効果を用いて浮動体膜を形成した比較的に安定なAl若しくはAl合金が使用されていたが、低電力コストで高照度が得られるAlや、Alよりも反射率が低下するAl合金よりも高い反射率を有するAgの使用が近年検討及び実施されている。
しかし、Alの場合では浮動体膜の安定性や再現性、若しくは浮動体膜自体がAlの酸化性の向上を目的とするために、例えば塩素を始めとするハロゲン系元素等の大気に添加される非金属成分に対しては、必ずしも安定ではないために、実際にリフレクターに採用する場合ではアクリル系の樹脂系保護膜でAl膜若しくはAl合金膜を被覆することで、リフレクターの形成を行うことが広く知られている。
【0003】
ところで、AgはAlに比べて可視光域、特には光学波長域で400〜800nmの範囲での高い反射率を有する材料として高反射率のリフレクターを形成する場合においては高い評価が得られているが、大気中に多く添加される硫黄、塩素により硫化、塩化、あるいは酸化等と非金属元素に対して大変活性であるために、反射膜として汎用的に用いることが困難であると言われている。つまりは、Agは大気中に長時間暴露されると、硫化銀(Ag2S)となり黒く変色したり、又、塩化銀(AgCl)となり白濁化して光学特性が劣化する。
従って、大気中に長時間曝されると、Agの光学特性が劣化して反射率が低下する問題があることから、低電力コストで高照度を求めている近年の照明機器類や車両用灯具等には適用され難いとされている。
【0004】
そこで、この問題の解決策として、硫黄や塩素と反応し難く耐薬品性等の耐候性に優れたPdかAuの内のどちらか、或いは両方を30wt%以下にて添加させたAgを主成分とするAg合金反射膜、又は、Ptを30wt%以下にて添加させたAgを主成分とするAgPt合金反射膜を、支持体となる基板上に形成することにより、高い反射率を維持しながら硫黄、塩素に対する耐候性をも向上させた反射体が提案され、知られている(例えば、特開平6−186407号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、この従来の反射体においては、高い反射性が得られることは評価試験等の結果から明らかにされているが、塩素、硫黄との反応による変色や白濁化等の耐候性においては必ずしも十分とは言えず、実用化上未だに不十分であると言った問題が残されている。
即ち、Pd及びAuは高温高湿の雰囲気中に長時間暴露されない限りでは塩素や硫黄と反応し難い耐候性に優れた材料ではあるが、オゾンと呼称される特定環境下で高温高湿の雰囲気中に暴露されると、非金属元素と反応しその非金属元素の化合物を形成する虞れがあると言われている。
従って、例えば時間の経過とともに温度が徐々に上昇し、雨の日等には温度に加えて湿度も上昇すると言った厳しい環境下で使用されるヘッドライトやフォグライト等の車両用灯具等に適用された場合、高温高湿の雰囲気中に長時間暴露されることとなり、耐候性が急激に低下する可能性が高いことから、更になる改善が望まれているのが現状である。
【0006】
又、従来の反射体では前述したように、塩素、硫黄と反応して塩化、硫化、酸化されることが懸念されることから、当該反応により反射膜が基板から部分的に浮いてしまう膜剥がれ現象が発生すると言った、接合性(密着力)においても劣る課題があった。
【0007】
更には、前記特開平6−186407号に関して、Pd若しくはPtが30wt%添加された場合にはPd、Pt共に大変市場価格が不安定であることと、コスト的に高いために、コスト的にAl若しくはAl合金と比した場合においては、少なくとも適切な材料であるとは検討し難いため、現実的とは考えられなかった。
【0008】
本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、Agの優れた高反射率の低下を抑制し、且つ高温高湿の厳しい環境下に暴露されても安定した耐候性が継続的に得られ、更には接合性が効果的に強化された実用化上の効果が大きく、高い信頼性の反射体を提供することにある。
【0009】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、反射体として、主成分となるAgに、固溶助材としてのPdを0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu、Tiのいずれか一種の元素を0.1〜3.0wt%の範囲内で添加して、固溶したAg合金からなる3元合金反射膜を、基板上に形成してなることである。
【0013】
而して、斯かる技術的手段によれば、Agに固溶助材としてのPdを0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu、Tiのいずれか一種の元素を0.1〜3.0%の範囲内で添加して、固溶したAg合金からなる3元合金反射膜を、スパッタリング法又は蒸着法等の成膜プロセスにより基板上に形成することで、高い反射率を維持しながら、高温高湿の雰囲気においても塩化、硫化、酸化による黒いシミの発生や白濁化を防止し、又、反射膜が基板から部分的に浮くことを防止するために、このAgを主成分として3元素からなる合金では、耐候性が大幅に改善され、且つ基板との接合性が効果的に強化されることがわかった。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る反射体1の実施形態の一例を示した断面図で、車両用灯具4用として使用した例を示し、この実施形態においては、主成分となるAgに、耐食性向上を目的としてPdを添加し、更にCu、Tiのいずれか一種を添加してなる3元素で構成されるAg合金反射膜を、周知の断面形状を呈し、灯体5内に収容保持される支持体となる基板2上に、スパッタリング法、蒸着法による成膜プロセスにより所定膜厚(nm)にて成膜する。図において、6は光源、7は灯体5に着脱可能に装着されるレンズである。ここで、AgにPdを所定の添加量で添加して溶融することにより、Ag結晶に均質にPdを固溶させることができ、Ag全体の耐候性を向上させることは従来から知られている。しかし、単にAgにPdを添加するだけでは高温高湿の雰囲気中では塩素、硫黄に対する十分な耐候性が得られない。又、前記雰囲気中においても十分な耐候性が得られる程度までPdかAuの内のいずれかを添加するとAgの反射率が低下する。換言すれば、Agの光学特性の低下を招く。そこで、Pdの添加量を0.5〜3.0wt%の範囲内に抑え、更に、第3元素としてCu、Tiのいずれか一種の添加量を0.1〜3.0wt%の範囲内に抑えることで、Agの高反射率の低下を抑制し、耐候性を効果的に改善することが可能となる。
【0015】
従って、本発明においてはAgを主成分とし、耐候性向上を目的としたPdの添加量を0.5〜3.0wt%の範囲内に、更にCu、Tiのいずれか一種の元素の添加量を0.1〜3.0wt%の範囲内に抑えることが本発明を成立させる上で重要である。その理由は、Pdの添加量が0.5wt%以下だと、高温高湿環境下では黄色に変色してしまい、反射率を低下させる傾向や塩素に対して安定性が必ずしも高くはないために、リフレクターとして長時間大気放置した場合での経時変化を検討した場合に安定性に欠けるからであり、3.0wt%を越えると、Agの反射率の低下が著しくなってしまうために実用的ではなくなるからである。
【0016】
又、Agを主成分として第2の添加元素としてPdを添加する場合にはPdの水素融解能力に対しての材料本質的な安定性に欠けてしまうために、更に添加するCu、Tiのいずれか一種の元素の添加量が0.1wt%以下の場合には、例えば高温高湿下で放置した場合では、AgにPdのみを添加した2元合金で生じていた黒色の励起物の発生が確認されてしまい、材料としての耐候性が不安定になってしまうからであり、3.0wt%を越えると、添加物の影響を大きく受けてしまうために、例えばCuでは酸素と結合し易くなって、Agの酸素に対しての安定性を損なってしまったり、更にはTiについては反射率が大きく低下する等の本発明によって得ようとする効果が損なわれてしまうからである。この様に、Pdを0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu、Tiを0.1〜3.0wt%の範囲内で添加して溶融することで、金属元素の中で最も優れた高反射率を有するAgの特性が維持され、尚且つ、耐候性が効果的に改善されたAg合金を得ることができる。ここで、Pdの好ましい添加量は0.7〜2.3wt%であり、特に好ましくは0.9wt%である。又、更に添加する元素の好ましい添加量は0.5〜2.5wt%であり、特に好ましくは1.0wt%である。この様にして得られたAg合金は前述した反射膜3の成膜に使用するスパッタリングターゲット材料又は蒸着材料として適用されるものである。
【0017】
実施例
純Agに対し、第二元素のPdかAuの内のいずれか、或いは両方を0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu又はTiを0.1〜3.0wt%の範囲内で添加してなるAgPdX、AgAuX(X=Cu、Ti)合金からなる所定膜厚(nm)の反射膜3を、支持体となる基板2の表面にスパッタリング法又は蒸着法による成膜プロセスにより成膜し、車両用灯具4に適用される反射体1を得る(図1参照)。
ここで、前記AgPd合金、AgAu合金、或いはAgPdAu合金に、更に追加元素としてAl、Pt、Cu、Ta、Cr、Ti、Ni、Co、Siこれらの各金属元素中からCu又はTiを選んだ理由としては、大気中の塩素や硫黄に対するAgの耐候性が得られるまでPd又はAuのみを添加させた場合に比べて、Agの高反射率の低下を効果的に抑制し、しかも、例えば温度600℃で湿度が100%の高温高湿の厳しき環境下において長期に亘り高い信頼性が得られる耐候性を効果的に改善する上で、Cu又はTiが添加する元素として本発明に対して特に有効な金属元素であることが確認できるからである。
因みに、基板2は、主に金属、合成樹脂等から形成されている。
【0018】
次に、スパッタリングターゲット材料又は蒸着材料について説明する。
スパッタリングターゲット材料又は蒸着材料としてはCuやTiをAgに添加する場合には、CuやTiをAgに完全に固溶させることが困難である。従って、部分的にCu或いはTiの組成が変動するため、そのスパッタリングターゲットを用いて形成されたAgCu合金、或いはAgTi合金においても、Cu或いはTiの組成が変動し、安定した光学特性を得ることができない。
【0019】
そこで、Agを主成分として、PdかAuの内のいずれか、或いは両方を添加してなる合金に対してCu或いはTiを添加すると、Cu或いはTiは比較的容易に固溶することが分かった。これは、Pd及びAuがAg、Cu、Tiの夫々の原子と固溶することが確認されている。
従って、Pd及びAuが、固溶助剤としての作用を起して、固溶し難いAgとCu或いはTiに対して夫々の元素と1次固溶反応を起しその後の残りの1元素と2次固溶反応を起して結合させることで、これらのAgを主成分として更に添加する元素間で完全固溶体を作ることが可能になったものと考えられる。
【0020】
次に、本実施例詳述にて得られた例えばAgPdX、AgAuX(X=Cu、Ti)合金からなる反射膜3を基板2上に成膜してなる本発明の反射体1(以後、本発明品)と、AgPd合金反射膜を成膜してなる従来の反射体(以後、従来品)について行った反射率、耐候性の評価測定の実験結果を以下に説明する。
【0021】
まず、反射率の評価測定について説明すると、ここでは平滑な表面を有するガラス基板上に、各組成の合金反射膜をスパッタリング法又は蒸着法により成膜して作製した試料を用いた。膜厚はいずれも12nmであり、用いた波長域は400〜800nmである。
ここで、これらの波長域を選んだ理由は、照明機器類や車両用灯具等、特にヘッドライトやフォグライト等の車両用灯具4に適用される光源6から照射される波長が一般的に400〜800nmの範囲とされているからである。試験結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から明らかなように、本発明品は従来品と同じく高い反射率を示していることが分かる。
即ち、PdかAuの内のいずれか、或いは両方を0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu又はTiを0.1〜3.0wt%の範囲内で添加してなるAgを主成分とするAgPdX、AgAuX(X=Cu、Ti)合金からなる反射膜3を基板2上に成膜して形成した本発明品であっても純Agの優れた高反射率を維持し、低電力コストで高照度の反射体1が得られることが分かる。
【0024】
次に、耐薬品性から見た耐候性の評価測定について説明すると、ここでは石英ガラス基板上に、各組成の合金反射膜をスパッタリング法又は蒸着法により成膜して作製した試料を用いた。膜厚はいずれも12nmである。この評価試験では、1%H2SO4、3%NaCl、1%KOHこれらの溶液を各試料に滴らして10分経過後、又は30分経過後に、目視により観察したものである。その試験結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
従来品ではPdの添加量によらず、薬液を滴らしてから10分経過した時点でAgPd合金反射膜及びAgAu合金反射膜の衰失、白濁化が観察され、これにより各薬液と反応していることが確認された。
対照的に、本発明品では薬液を滴らしてから10分後、30分後においても全く反応による変色が認められなかった。これにより、Agを主成分としてPdかAuの内のいずれか、或いは両方を添加し、更にCu又はTiを添加するにより、耐候性が大幅に改善されていることが分かる。
【0027】
更に、長期信頼性の評価試験として、高温高湿の厳しい環境下で行った耐候性の評価測定について説明すると、ここでは前述した石英ガラス基板上に、各組成の合金反射膜をスパッタリング法又は蒸着法により成膜して作製した試料を用い、温度600℃で湿度100%の高温高湿の空気雰囲気中に24時間暴露した後、目視により観察したものである。試験結果は表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
従来品では黒いシミの発生が確認された。この黒いシミの発生は、顕微鏡による観察の結果、各薬品と反応して塩化、硫化、酸化していることが確認された。又、AgPd合金反射膜及びAgAu合金反射膜が基板から部分的に浮いている膜剥がれが確認された。これは、AgPd合金反射膜及びAgAu合金反射膜と基板との密着力が弱いことと、当該反射膜が部分的に腐蝕されて白濁化する酸化現象に起因しているものと考察される。
【0030】
対照的に、本発明品ではこの様な厳しい高温高湿の環境下においても、何ら変化は観測されなかった。又、これらの試験に加えて温度750℃で、湿度が100%の更に厳しい酸素雰囲気中に24時間放置した試験を更に行ったところ、この厳しい条件下においても何ら変化がなく、耐候性が格段に改善されていることが分かった。又、基板からの膜剥がれも全く観察されなかった。
この様に、AgPd、或いはAgAu若しくはAgPdAuの内のいずれかの合金に、更にCu又はTiを添加することにより、耐候性が格段に改善され、且つ基盤との接合性が効果的に強化されることが分かった。
【0031】
以上の試験結果から明らかなように、Agを主成分として、PdかAuの内のいずれか、或いは両方を0.1〜3.0wt%の範囲で、更にCu又はTiを0.1〜3.0wt%の範囲で添加させたAgPdX、AgAuX(X=Cu、Ti)合金からなる反射膜3を基板2上に成膜してなることにより、高い反射率を維持しながら、尚且つ、温度600℃で湿度100%という高温高湿の厳しい環境下においても、塩素、硫黄と反応する虞れがない安定した耐候性が確認され、これにより、厳しい環境下で使用される車両用灯具4に適用しても長期に亘り高い信頼性が得られることが分かる。
【0032】
図2は、車両用灯具4用として使用した場合の本発明反射体1の他の実施例を示し、斯かる実施例では支持体となる基板2と、反射膜3との接合性を強化するために、基板2上に、前処理として有機下地膜8を形成し、その上に前述した実施例詳述の0.5〜3.0wt%のPdかAuの内のいずれか、或いは両方、及び0.1〜3.0wt%のCu又はTiを添加するAgを主成分とするAgPdX、AgAuX(X=Cu、Ti)合金からなる反射膜3を成膜して形成した反射体1の実施形態の一例を示す。
尚、斯かる実施例では基板2上に有機下地膜8を形成し、この上にAgPdX、AgAuX(X=Cu、Ti)合金からなる反射膜3を成膜した以外の構成、即ち、Agを主成分とし、Pd及び/又はAuを0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更に第3元素としてAl、Pt、Ta、Cr、Ni、Co、Siの内のいずれか一種以上を0.1〜3.0wt%の範囲内で添加してなる場合にも適用する。
【0033】
尚、前述した実施例詳述においては車両用灯具のリフレクターについて説明したが、本発明は屋外、屋内照明機器類、レーザー機器を含む光学機器の平面鏡や曲面鏡等に使用される反射体、そして多種多様の分野に使用されている各種の反射体をも対称としていることは言うまでもないであろう。
【0034】
本発明の反射体は叙上の如く構成してなることから下記の作用効果を奏する。
反射膜を、耐候性の向上を目的として、固溶助材としてのPdを0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu、Tiのいずれか一種の元素を0.1〜3.0%の範囲内で添加してなるAgを主成分とする3元素にて構成された固溶した合金を用いて、スパッタリング法又は蒸着法により基板上に形成してなることで、従来品と変わらぬ高い反射率を維持しながら、温度600℃で湿度100%の高温高湿と言う厳しい環境下において長時間暴露されても硫化、塩化、酸化する虞れがない耐候性が改善され、且つ基板との接合性がより一層効果的に強化された高い信頼性が得られる。
【0035】
従って、本発明によれば、低電力コストで高照度が望まれている屋外、屋内照明機器類や車両用灯具、特に、厳しい環境下で使用される車両用灯具として適用しても長期に亘り高い信頼性が得られ、実用化上の効果が大きい反射体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明反射体の実施形態の一例を示した断面図で、車両用灯具に使用した例を示す
【図2】 同反射体の他の実施形態を示した部分拡大図
【符号の説明】
1:反射体 2:基板
3:反射膜 4:車両用灯具
8:有機下地膜
Claims (1)
- 主成分となるAgに、固溶助材としてのPdを0.5〜3.0wt%の範囲内で添加し、更にCu、Tiのいずれか一種の元素を0.1〜3.0wt%の範囲内で添加して、固溶したAg合金からなる3元合金反射膜を、基板上に形成してなることを特徴とする反射体。
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