JP4608762B2 - 幅プレス用金型およびそれを使用した熱間圧延方法 - Google Patents
幅プレス用金型およびそれを使用した熱間圧延方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間圧延ラインにおけるスラブの幅プレス用金型およびそれを使用した熱間圧延方法に関し、特に、ステンレス鋼板の幅エッジに沿った表面欠陥(以下エッジシーム疵と呼ぶ)を抑制可能な熱間圧延ラインにおけるスラブの幅プレス用金型およびそれを使用したステンレス鋼板の熱間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延において、例えばステンレスなどに代表される表面酸化しにくい鋼の鋼板は、所定の成分に調整された溶鋼を例えば連続鋳造などの鋳造法により鋳造してスラブとし、加熱炉で加熱した後、熱間圧延において竪ロールによる幅圧下と水平ロールによる厚み圧下とを複数パス施して、製造されている。
【0003】
得られた熱間圧延後の鋼板、例えばステンレスなどの熱延鋼板は、多くの場合、さらに焼鈍、酸洗、冷間圧延などを施して表面性状の優れた冷延鋼板として用いられる。
ところで、近年、熱間圧延ラインの中には、加熱炉から抽出したスラブに熱間で幅プレスを施した上、粗圧延、仕上圧延に供する方法をとるものも現れ、鋳造方式が連続鋳造であれば、鋳込幅寸法集約による生産能率の向上に寄与しているほか、熱延鋼板の歩留りの向上にも寄与している。
【0004】
スラブに熱間で幅プレスを施すには、図9(a)に示すように、熱間圧延ラインに上方から見てスラブ搬送パスラインを挟んで配置した一対の幅プレス用金型200 を用い、スラブ搬送方向と直角なスラブ幅方向に往復移動させつつ、離隔時に金型に対し相対的に熱間スラブ100 を一定のピッチで搬送して送る動作を繰り返し、スラブ全長を所望の幅寸法にするのが一般的である。あるいはさらに、金型によりスラブをプレス中に、プレスしながら搬送方向にスラブを搬送して送る動作を併用する、フライングサイジングプレス方式のものもある。
【0005】
従来の幅プレス用金型としては、図9(a)、図9(b)に示すように、入側の傾斜部300 および平行部400 に押圧面500 を有し、入側の傾斜部300 および平行部400 の両方の押圧面500 をフラット面とした幅プレス用金型(以下、平金型200 という)或いは、入側の傾斜部および平行部のフラットな押圧面500Aの上下方向(スラブ厚方向と一致)の中央部に熱間スラブ100 の搬送方向に沿った凸状部を形成した図10に示すような幅プレス用金型(以下、凸金型200Aという)が用いられる場合もある。
【0006】
このような平金型200 または凸金型200Aを用い、幅プレスを施した後、熱間圧延を施して得た熱延鋼板には、特にステンレス鋼に代表される表面酸化しにくい鋼板の場合、図11に示すような幅エッジ近傍の表面に沿ったエッジシーム疵112 が発生することが多い。図11はエッジシーム疵の発生位置を示すステンレス熱延鋼板の表面の模式図である。
【0007】
このエッジシーム疵112 としては、熱間圧延の初期の段階において、図12(a)、図12(b)に示す竪ロール230 での幅圧下によって、スラブ表面の幅エッジにしわが出来た結果発生するものもあるが、図13(a)、図13(b)に示す水平ロール220 での厚み圧下と竪ロール230 での幅圧下とを何パスか繰り返すうちに、スラブ側面に発生したしわ111 が解消せずにそれら圧延パスが進む結果、そのしわがスラブの上下表面に回り込んできて、しかもそれがさらに以降の水平圧延により倒れ込んで疵となったものもある。この疵は、その後の焼鈍、酸洗、冷間圧延後も製品表面に残って表面品質不良になるため、そのままでは需要家に納入できない。
【0008】
そこで、例えば、ステンレス熱延鋼板の表面にエッジシーム疵が発生すると、その疵の生じている幅エッジの耳切りを行うのに耳切り代を大きくしたり、コイルグラインダーによる表面研削や再酸洗といった追加処置が必要になったりして、熱延鋼板製品の単位重量当たり製造コストが上昇してしまう不利があるほか、納期上、支障をきたす場合もある。
【0009】
このほか、耳切り代を大きくすれば、製品歩留りが大きく低下することにもなり、やはり製品の単位重量当たり製造コストが上昇してしまう不利がある。竪ロールによりスラブ表面にできるしわ、水平ロールによりスラブ側面にできるしわは、普通鋼の場合は、スケールとして表面から容易に剥離するが、ステンレスに代表される表面酸化しにくい鋼の場合は、スケールが生成しにくく、圧延パスが進んでもいつまでも鋼表面から剥離せず、残存する傾向がある。このような鋼はステンレスのほかには、Siが1%以上の高Si鋼やMnが10%以上の高Mn鋼などがある。(いずれも%はmass%を意味する。)
このため、特にこれらの鋼種について、エッジシーム疵を減少したいという強い技術的要求がある。
【0010】
そこで、例えば、実開平5−53703 号公報には、図14(a)に示すように、熱間スラブの側面に当接する押圧面510 が搬送パスラインと平行な平行部410 と、押圧面510 がスラブ搬送方向の入側に向けて広がる入側の傾斜部310 とを有する金型において、入側の傾斜部310 の押圧面510 に図14(b)に示す凹状のカリバー部を形成するとともに、平行部410 の押圧面510 に図14(c)に示す凸状部を形成して、エッジシーム状疵を抑制し得るようにした幅プレス用金型210 が開示されている。
【0011】
しかしながら、実開平5−53703 号公報に記載されている幅プレス用金型210 を用いた幅プレスでは、入側の傾斜部310 の押圧面510 に形成した略凹状のカリバー部により幅プレスを施すため、一旦は、熱間スラブ100 の上下コーナー部100A、100Bを図15(a)に示すように成形できるが、幅プレス量ΔW(=W0 −W1 、幅プレス前の熱間スラブの幅W0 から幅プレス後の熱間スラブの幅W1 を引いた値)が増大すると、熱間スラブ100 コーナー部の変形量が局所的に増大するために、側壁面と非接触となっている熱間スラブ100 表面の幅エッジ相当部に凹凸状のしわ113 が発生し、その後、圧延パスが進むと鋼中に倒れ込んで封入されて上述したエッジシーム疵112 となり、熱延鋼板のエッジシーム疵が大きくなるという問題があった。
【0012】
また、実開平5−53703 号公報に記載されている幅プレス用金型210 を用いた幅プレスでは、はじめに、入側の傾斜部310 の押圧面510 に設けた略凹状のカリバー部により熱間スラブ100 のコーナー部を100A、100Bのように成形し、その後に、平行部410 の押圧面510 に形成した凸状部により幅プレスが施されるので、スラブコーナー部の形状が図15(b)に示すように変化してしまい、幅プレスで生じるしわ113 も、図13(a)に示すようなその後の熱間圧延で生じるしわ111 も含めたしわが圧延のパス数が進むと図15(c)に示すように鋼中に倒れ込んでエッジシーム疵112 となり、熱延鋼板のエッジシーム疵が大きくなるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の幅プレスにおける上記のような問題を解消することにあり、エッジシーム疵が発生し難い形状にスラブの幅エッジ部を成形可能で、かつ幅プレス量を大きくした場合でもエッジシーム疵を抑制可能な幅プレス用金型およびそれを使用した熱間圧延方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、熱間スラブと接触する押圧面の上下方向中央部には凸状部を形成するとともに、平行部のうち、搬送方向出側の平行部の押圧面にのみ凹状のカリバー部を設けることにより、幅プレス量を大きくした場合でもエッジシーム疵を減少できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0015】
すなわち本発明は、熱間圧延ラインの上方から見てスラブ搬送方向に対して押圧面を傾斜させた入側の傾斜部と該傾斜部に引き続き、前記スラブ搬送方向に対して押圧面を平行とした平行部とを有する幅プレス用金型であって、前記平行部に押圧面のスラブ搬送方向長さ寸法をそれぞれ前記熱間スラブの搬送ピッチ以上とした入側平行部および出側平行部をスラブ搬送方向入側から順に設け、前記傾斜部、入側平行部および出側平行部の押圧面の上下方向中央部に凸状部を形成するとともに、前記出側平行部の押圧面にのみ前記熱間スラブの上下コーナー部に係合する凹状のカリバー部を形成したうえ、前記凸状部の形状を押圧底面に対する垂直方向の突出長が幅プレス前のスラブ厚の1/20以上1/5 以下、上下方向の稜部長さが該スラブ厚の1/3 以上1/2 以下、上下方向の底辺長さが該スラブ厚の60〜90%となるようにし、前記カリバー部の形状を上側壁面、下側壁面の押圧底面に対する傾斜角度がそれぞれ上、下方向に対して15〜45°で、かつ上部溝底の上端から下部溝底の下端までの上下方向の長さが幅プレス前のスラブ厚の70〜90%となるようにしたことを特徴とする幅プレス用金型である。
【0016】
また、請求項1に記載の幅プレス用金型を用い、前記熱間スラブの搬送ピッチを前記入側平行部の押圧面の長さ寸法および前記出側平行部の押圧面の長さ寸法のそれぞれの長さ寸法以下としてステンレス鋼の熱間スラブに幅プレスを施し、その後、圧延を施してステンレス鋼板を得ることを特徴とするステンレス鋼板の熱間圧延方法である。
【0017】
また、前記圧延において、竪ロールでの複数の幅圧下パスのうち、前記竪ロールにより幅圧下を施すスラブ厚が前記幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 以上のパスでは、前記竪ロールによる幅圧下を施さず、前記竪ロールにより幅圧下を施すスラブ厚が前記幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 未満のパスでは前記竪ロールにより幅圧下を施すことことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の幅プレス用金型について、図1、図2、図3を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る幅プレス用金型の配置図であり、熱間圧延ラインの上方から見た平面図である。
【0020】
また、図2は本発明に係る幅プレス用金型の押圧面の形状を示す図1のX−X断面図であり、図3は、本発明に係る幅プレス用金型の押圧面形状を示す図1のY−Y断面図である。
1は熱間スラブ、2は幅プレス用金型、3、9は傾斜部で、3は入側の傾斜部9は出側の傾斜部であり、4は平行部で、4Aは入側平行部、4Bは出側平行部、5は押圧面である。また、6A、6Bは上下の側壁、7A、7Bは上下の溝底、8は凸状部である。Lはスラブ搬送ピッチ、Aは入側平行部の長さ、Bは出側平行部の長さであり、W0 は幅プレス前のスラブ幅、W1 は幅プレス後のスラブ幅である。
【0021】
本発明に係る幅プレス用金型は、熱間圧延ラインの上方から見て、図1に示すように、スラブ搬送方向に対して押圧面5を傾斜させた入側の傾斜部3とこの傾斜部3に引き続きスラブ搬送方向に対して押圧面5を平行とした平行部4を有する。図1では出側の傾斜部9を設けてあるが、この傾斜部9については設けないからといって別段不都合が生ずるわけではない。
【0022】
本発明では、平行部4には、スラブ搬送方向の入側から順に入側平行部4Aおよび出側平行部4Bが設けてあり、それぞれの押圧面5において、スラブ搬送方向に測った場合の入側平行部4Aの長さ寸法Aおよび出側平行部4Bの長さ寸法Bを熱間スラブ1の搬送ピッチL以上としてある。
この理由は、熱間スラブ1の長さ方向部分に、はじめに入側平行部4Aの押圧面で1回以上幅プレスを施し、その後に出側平行部4Bの押圧面で1回以上幅プレスを施すことにより、出側平行部4Bにおける幅プレス量ΔW(=W0 −W1 )を0にすることができ、出側平行部4Bの押圧面に形成したカリバー部による幅プレスによって幅を減ずる量を少なくし、かつスラブコーナー部の成形を適切に行えるようにするためである。
【0023】
そして、上記した入側の傾斜部3、入側平行部4Aおよび出側平行部4Bには、図2、図3に示すように、熱間スラブ1の側面のスラブ厚方向中央部に凹部を形成するための金型側の凸状部8が押圧面5の上下方向の中央部に形成してある。
図2には、入側平行部4Aの縦断面を示しているが、入側の傾斜部3においても、入側の傾斜部3の押圧面5に垂直な断面で見た場合、図2と同じ形状の凸状部8が形成してある。すなわち、この凸状部8は、熱間スラブ1の搬送方向に沿って入側の傾斜部3から入側平行部4Aを経て出側平行部4Bにまで連続して設けてある。
【0024】
ここで、本発明においては、図3に示すように、出側平行部4Bの押圧面5にのみ熱間スラブ1の上下コーナー部に係合するカリバー部が形成してある。このカリバー部は、出側平行部4Bの押圧面5の上下に設けた側壁面6A、6B、溝底7A、7B、金型上下方向中央部に設けられた凸状部8とからなり、凹状に形成されている。
【0025】
ところで、上部溝底7Aおよび下部溝底7Bは、入側平行部4Aのフラット面な押圧底面7にスムーズにつながっている。なお、図2、図3では、上部溝底7Aおよび下部溝底7Bの面と入側平行部4Aの押圧底面7は同じ平面としてある。
さらに、本発明の幅プレス用金型2においては、上述した凸状部8の形状およびカリバー部の形状を限定するが、これらの限定理由を説明する前に、本発明の幅プレス用金型2を用い、熱間スラブに幅プレスを施した場合の作用について説明しておく。
【0026】
幅プレス用金型2を用いた幅プレスでは、図1に示すように、スラブ搬送パスラインを挟んで配置した一対の幅プレス用金型2を用い、スラブ搬送方向と直角なスラブ幅方向に往復移動させつつ、離隔時に金型に対し相対的に熱間スラブ1を一定の搬送ピッチLで搬送して送る動作を繰り返し、熱間スラブ1の幅を全長にわたって所望の幅寸法W1 にしている。
【0027】
なお、W0 は幅プレス前のスラブ幅である。
本発明の幅プレス用金型を用いた幅プレスによるスラブの変形のようすを、以下、図4(a)〜図4(c)に示す。幅プレス前のはじめのようすを図4(a)に示す。次に、スラブ幅がW0 であった熱間スラブ1に入側の傾斜部3および入側平行部4Aの押圧面で幅プレスを施して、図4(b)に示すようにスラブ幅を所望の幅寸法W1 にし、その後、図4(c)に示すように出側平行部4Bの押圧面にて、入側平行部4Aと同じ幅寸法W1 に幅プレスを行う。その際に、出側平行部4Bの押圧面による幅プレスでは、カリバー部により熱間スラブ1のコーナー部を図4(c)に示すようにチャンファー状に成形するだけである。
【0028】
すなわち、図4(c)に示す凹状のカリバー部により幅プレスを施す前に、すでに図4(a)、図4(b)に示すようにして入側の傾斜部3および入側平行部4Aの押圧面により幅プレスを施してスラブ幅を所望の幅寸法W1 にまで減じてしまっているために、出側平行部4Bの押圧面で幅プレスを施す際には、出側平行部4Bの押圧面においては熱間スラブ1の幅寸法W1 そのものは減じることなく、スラブのコーナー部をチャンファー状に成形することだけを行うことになる。
【0029】
このため、本発明の幅プレス用金型2の出側平行部4Bにより幅プレスが施される範囲は、図5に示すように、熱間スラブ1のコーナー部近傍に限られ、仮に幅プレス量ΔW(=W0 −W1 )を増大したような場合でも、出側平行部に設けたカリバー部による幅プレスによって幅を減ずる量を少なくできる。この結果、図15(a)に示したような熱間スラブ1のコーナー部のわずかに幅中央部寄りに発生する凹凸状のしわ113 を抑制できるとともに、熱間スラブ1のコーナー部を確実に成形できる。
【0030】
また、本発明の幅プレス用金型2を用いた幅プレスでは、実質的に幅寸法をW0 からW1 に減少させているのは、凸状部を形成した入側の傾斜部3および入側平行部4Aの押圧面であるので、上記の凹凸状のしわ113 は発生しない。
さらにまた、本発明の幅プレス用金型2を用いた幅プレスでは、入側の傾斜部3から入側平行部4Aを経て出側平行部4Bに至るまで連続して、凸状部8が押圧面5に設けてあるので、図5、図6に示すように、熱間スラブ1の全長にわたって側面のスラブ厚方向中央部に凹部1Cを形成できる。
【0031】
かくして、図5に示すような上下コーナー部にチャンファー部1A、1Bを形成し、かつ側面に凹状部1Cを形成した図6に示すような熱間スラブ1を次の圧延に送給することになるのである。
幅プレス後の熱間圧延においては、熱間スラブ1の上下コーナー部は、図8に示すような粗圧延機24の各スタンドに設けられた竪ロール27により、複数回の圧下を施されるが、その初期パスにおいて、幅プレスにより予めコーナー部がチャンファー状に成形されているため、図7に示すように、図6に示したようなスラブコーナー部に出来た出張った部分(カリバー部の係合した部分)が竪ロール27で容易に圧下されて幅中央側に移動するため、熱間スラブ1のコーナー部分への局所的な歪み集中が緩和でき、同部に凹凸状のしわが発生するのを抑制できる。また、幅プレスにより予め熱間スラブ1の側面のスラブ厚中央部が凹状に成形されているために、幅プレス後の熱間圧延中のバルジング変形により凹凸状のしわが幅方向に飛び出してくる影響を相殺でき、さらに表面に回り込んでくるのを抑制できる。このような作用により、エッジシーム疵を減少できるのである。
【0032】
ここで、本発明の幅プレス用金型2において、図2、図3に示した凸状部8の形状を押圧底面7に対する垂直方向の突出長M1が幅プレス前のスラブ厚H0 の1/20以上1/5 以下、上下方向の稜部長さM2が同じくスラブ厚H0 の1/3 以上1/2 以下、上下方向の底辺長さM3が同じくスラブ厚H0 の60〜90%となるようにし、カリバー部の形状を上側壁面6A、下側壁面6Bの押圧底面7に対する傾斜角度θ1 、θ2 がそれぞれ上、下方向に対して15〜45°となるような形状に、上部溝底7Aの上端から下部溝底7Bの下端までの上下方向の長さC1が幅プレス前のスラブ厚H0 の70〜90%となるように、限定した理由について説明する。
【0033】
ここで、図3に示す上部溝底7Aの上端から下部溝底7Bの下端までの上下方向の長さC1は、図2に示す凸状部底辺長さM3よりも長くして、カリバー部に上部溝底7Aおよび下部溝底7Bを形成するようにすることが肝要である。出側平行部4Bに設けた凸状部8の高さM1および底辺長さM3は、押圧底面7(溝底7Aおよび溝底7Bの面もこれに一致)を基準としている。
【0034】
凸状部8の高さM1を幅プレス前のスラブ厚H0 の1/20以上1/5 以下に限定する理由は、凸状部8の高さM1が幅プレス前のスラブ厚H0 の1/5 よりも大きい場合には、幅プレス量が150mm を超えるとスラブが捻れる場合があり、操業が中断してしまうおそれがあるからであり、一方、凸状部8の高さM1が幅プレス前のスラブ厚H0 の1/20よりも小さい場合には、幅プレス時にスラブコーナー部の受ける変形が大きくなり、スラブコーナー部に凹凸状のしわが発生するからである。
【0035】
また、凸状部8の上下方向の稜部長さM2を幅プレス前のスラブ厚H0 の1/3 以上1/2 以下に限定する理由は、凸状部8の上下方向の稜部長さM2が幅プレス前のスラブ厚H0 の1/3 よりも短いと幅プレス時にスラブに捻れが生じて操業が継続できなくなる場合があるからであり、一方、凸状部8の上下方向の稜部長さM2が1/2 よりも長いと、凸形状がスラブ側面に十分に転写しないため、プレスに引き続く熱間圧延によりバルジング変形相殺の効果が十分でなく、スラブ側面に生じたしわがスラブ表裏面に回り込み易くなり、エッジシーム疵が大きくなるためである。
【0036】
またさらに、凸状部8の上下方向の底辺長さM3を幅プレス前のスラブ厚H0 の60〜90%に限定する理由は、凸状部8の上下方向の底辺長さM3が幅プレス前のスラブ厚H0 の60%未満の場合には、幅プレス時にスラブコーナー部に歪みが集中し、その部分に凹凸状のしわが発生し、これがエッジシーム疵になることがあり、一方、凸状部8の上下方向の底辺長さM3が幅プレス前のスラブ厚H0 の90%を超える場合には、幅プレス後の熱間圧延でのスラブ側面のバルジング変形相殺の効果が十分でないため、これがエッジシーム疵になることがあるためである。
【0037】
カリバー部の上側壁面6A、下側壁面6Bの傾斜角度θ1 、θ2 をそれぞれ上、下方向に対して15〜45°、上部溝底7Aの上端から下部溝底7Bの下端までの上下方向の長さC1が幅プレス前のスラブ厚H0 の70〜90%とする理由は、次のとおりである。
カリバー部の側壁面の傾斜角度が45゜を超えるか、あるいは上部溝底7Aの上端から下部溝底7Bの下端までの上下方向の長さC1が幅プレス前のスラブ厚H0 の70%未満の場合は、いずれの場合でもカリバー部での幅プレスの際、スラブコーナー部の成形量が大きくなりすぎて、スラブ表面に凹凸状のしわが発生し、これがエッジシーム疵になる。
【0038】
一方、カリバー部の上側壁面6A、下側壁面6Bの傾斜角度θ1 、θ2 をそれぞれ上、下方向に対して15゜未満とするか、もしくは上部溝底7Aの上端から下部溝底7Bの下端までの上下方向の長さC1が幅プレス前のスラブ厚H0 の90%を超える場合には、スラブコーナー部の形成が十分でなく、このために、幅プレス後の熱間圧延における竪ロールでの被圧延材コーナー部の歪み集中が緩和できず、被圧延材の表面に凹凸状のしわが発生し、これに引き続く熱間圧延により、倒れ込んでエッジシーム疵になる。
【0039】
このため、カリバー部の上側壁面6A、下側壁面6Bの押圧底面7に対する傾斜角度θ1 、θ2 をそれぞれ上、下方向に対して15〜45°、上部溝底7Aの上端から下部溝底7Bの下端までの上下方向の長さC1が幅プレス前のスラブ厚H0 の70〜90%とする。
次いで、本発明におけるステンレス鋼板の製造方法について説明する。
【0040】
図8は本発明に用いて好適な熱間圧延設備の配置の一例であり、側面図を示している。
21は加熱炉、22はデスケーリング装置、23は幅プレス装置(これのみ平面図)、24は粗圧延機列、25は仕上圧延機列、26はコイラ(巻取装置)である。
なお、図8で粗圧延機列は、竪ロール27(E1 E2 E3 E4)と水平ロール28(R1 R2 R3 R4)を有する4段圧延機を備え、仕上圧延機列25は7基の圧延機を備えている。
【0041】
本発明に用いるステンレス鋼に代表される鋼のスラブは、電気炉、転炉、VOD 、AOD などに代表される精錬法を用いて所定の成分に調整するのが好ましく、該成分調整後の溶鋼を造塊、分塊あるいは連続鋳造してスラブとするのが好ましいが、この他の方法によって得てもよい。このようにして得られたステンレス鋼スラブは、加熱炉21で加熱した後、デスケーリング装置22で脱スケールされ、幅プレス装置23に搬送されて幅プレスを施される。
【0042】
ここで、図1〜図3に示した本発明の幅プレス用金型は、図8に示す幅プレス装置23に設けてある。
本発明における製造方法では、幅プレス装置23を用いて、熱間スラブの搬送ピッチLを入側平行部の押圧面の長さ寸法Aおよび出側平行部の押圧面の長さ寸法Bのそれぞれの長さ寸法以下としてステンレス鋼の熱間スラブに幅プレスを施し、その後、粗圧延機列24で竪ロール27による幅圧下と水平ロール28による厚み圧下とを複数回施し、仕上圧延機列25で仕上圧延を施してステンレス鋼板を得る方法である。
【0043】
その際、粗圧延機列24での竪ロール27による複数の幅圧下パスのうち、竪ロール27により幅圧下を施すスラブ厚が幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 以上のパスでは、竪ロール27による幅圧下を施さず、竪ロール27により幅圧下を施すスラブ厚が幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 未満のパスでは竪ロールにより幅圧下を施すのが好ましい。
【0044】
この理由は、スラブ側面に形成した凹部およびスラブコーナー部の形状を、幅プレス後の熱間圧延中も極力維持し、粗圧延機24での水平ロールによる圧延を何パスか施すうちにスラブの側面がバルジング変形して飛び出してくるのを相殺し、エッジシーム疵が熱延鋼板表面に回り込んでくるのを抑制するとともに、竪ロールにより幅制御を行うことで熱延鋼板の幅精度を良好にできるからである。
【0045】
なお、ステンレス鋼板にはSUS304を代表とするオーステナイト系ステンレス鋼板、SUS430を代表とするフェライト系ステンレス鋼板等があるが、通常フェライト系ステンレス鋼SUS430の方がオーステナイト系ステンレス鋼板SUS304よりエッジシーム疵が大きい。
また、圧延したままで、耳切りを施さない状態の鋼板の幅エッジのことを「圧延ままエッジ」と呼ぶことにすると、本発明により、熱延鋼板では圧延ままエッジの状態でエッジシーム疵の幅が7.5 mm/片側以下となる。この7.5 mm/片側という値は、熱延鋼板に焼鈍・酸洗および冷間圧延を施し、その後焼鈍、調質圧延を施して冷延鋼板としても、実質的に変わらない。
【0046】
以下に、フェライト系ステンレス鋼SUS430のスラブを用いて、熱延鋼板を製造した場合の実施例を示す。
【0047】
【実施例】
厚さ200mm 、板幅1300mmの連続鋳造されたフェライト系ステンレス鋼(C:0.07mass%、Si:0.3mass %、Mn:0.1mass %、Cr:16.5mass%、残部Feおよび不可避的不純物よりなる)スラブを加熱炉21に挿入し、1200℃×2時間均熱し、図8に示す熱間圧延設備のライン上に抽出した後、デスケーリング装置22で脱スケールし、幅プレス装置23に搬送して幅プレスを施した。次いで、粗圧延機列24に送給して、竪ロール27による幅圧下と水平ロール28による厚み圧下を施して30mmのシートバーとし、このシートバーを仕上圧延機列25に送給して、板厚4mmに仕上圧延し、コイラー26に巻き取って熱延鋼板を得た。
【0048】
得られた熱延鋼板に酸洗・焼鈍を施した後、エッジシーム疵の幅dES (前述のエッジシーム疵の幅/片側に相当)を測定した。エッジシーム疵の幅dES は、図11に示すように、幅エッジに発生したエッジシームシーム疵について、幅エッジ片側あたりの発生領域が幅方向にどれだけの長さに及んでいるのかを示す指標で、10mピッチに10箇所、両側幅エッジについてそれぞれ測定し、その平均値とした。
【0049】
粗圧延における厚み圧下スケジュールを表1に、幅圧下スケジュールを表2に示す。粗圧延では、表1に示すに示すように、第3パスにおいて幅圧下を施す前の被圧延材の厚みが幅プレス前のスラブ厚みの1/2 以上であり、第4パスで幅圧下を施す前の被圧延材の厚みが幅プレス前のスラブ厚みの1/2 未満となるようにしてある。
【0050】
粗圧延における幅圧下スケジュールは、表2に示す区分A、Bの2種類とし、幅圧下スケジュールAは、竪ロールで幅圧下を施す被圧延材の厚みが幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 以上のパス(第1〜第3パス)においても竪ロールで幅圧下を施すものであり、幅圧下スケジュールBは、竪ロールで幅圧下を施す被圧延材の厚みが幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 以上のパス(第1〜第3パス)では、竪ロールによる幅圧下を施さず、竪ロールで幅圧下を施す被圧延材厚みが幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 未満のパス(第4〜第6パス)では竪ロールで幅圧下を施すスケジュールである。
【0051】
なお、粗圧延では、R1をリバース圧延(第1〜第3パス)、R2、R3、R4を一方向圧延(第4〜第6パス)とし、粗圧延機列24の水平ロールのロール径は1300mm、バレル長2200mm、各水平ロールの上流側に設置された竪ロールの径は600mm とした。また、仕上圧延機列25の水平ロールの径は700mm 、バレル長2000mmで、仕上圧延機列25の出側速度は600m/minとした。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
発明例A1〜A25 では、表3-1 に示すように、平行部にスラブ搬送方向入側から順に押圧面のスラブ搬送方向長さ寸法をそれぞれ熱間スラブの搬送ピッチ以上とした入側平行部および出側平行部を設け、傾斜部、入側平行部および出側平行部の押圧面に凸状部を形成するとともに、出側平行部の押圧面にのみ熱間スラブの上下コーナー部に係合する凹状のカリバー部を形成したうえ、凸状部の形状および凹状のカリバー部の形状を本発明の範囲内とした幅プレス用金型を用い、幅プレスを施した。
【0055】
比較例D1〜D11 では、表3-2 に示すように、凸状部の形状もしくはカリバー部の形状が本発明の範囲を外れた幅プレス用金型を用いて幅プレスを施し、比較例D12 、D13 では、凸状部の形状および凹状のカリバー部の形状を本発明の範囲内とし、入側平行部もしくは出側平行部のいずれか一方の押圧面のスラブ搬送方向長さ寸法を熱間スラブの搬送ピッチL未満とした幅プレス用金型を用い、幅プレスを施した。
【0056】
また、従来例B1〜B6では表3-3 に示す形状の、図14(a)〜図14(c)に示した幅プレス用金型で幅プレスを施し、比較例C1、C2では表3-4 に示す押圧面がフラットな平金型を用いて幅プレスを施し、比較例C3、C4では表3-5 に示す形状の凸金型で幅プレスを施した。
発明例A1〜A25 のエッジシーム疵の幅dES の結果を表3-1 に、比較例D1〜D13 の結果を表3-2 に、従来例B1〜B6の結果を表3-3 に、比較例C1、C2の結果を表3-4 に、比較例C3、C4の結果を表3-5 にそれぞれ示した。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
表3-1 〜表3-5 に示したエッジシーム疵の幅dES の比較から、発明例A1〜A25 の条件では、比較例D1〜D13(D9、D11 、D12 、D13 を除く)、従来例B1〜B6および比較例C1、C2並びに比較例C3、C4に比べ、エッジシーム疵発生量dES が大幅に減少している。
また、発明例A1〜A25 のエッジシーム疵の幅dES は、比較例D1〜D13(D9、D11 、D12 、D13 を除く)よりエッジシーム疵の幅dES を減少させることができており、凸状部の形状およびカリバー部の形状を本発明の範囲内に限定した効果が明らかである。
【0063】
また、発明例の幅プレス用金型を用いた場合においては、幅プレス量を200mm と大きくした発明例A21 〜A25 と、幅プレス量を80mmと小さくした発明例A1〜A20 の場合とを比較してわかるように、幅プレス量を大きくした場合でも、幅プレスの際、しわの発生を防止できたので、エッジシーム疵の幅dES を小さくできている。
【0064】
なお、比較例D12 、D13 では、熱間圧延後の被圧延材を展開して長手方向に見ていくと、エッジシーム疵発生量dES が小さい箇所と、大きい箇所が混在する結果となった。
一方、従来例の幅プレス用金型を用いた場合には、幅プレス量が200mm の従来例B5、B6では、幅プレスの際、図15(a)、図15(b)に示すようなしわが発生したので、幅プレス量が80mmの従来例B1〜B4の場合よりもエッジシーム疵の幅dES が大きくなった。
【0065】
また、本発明例のA14 (幅圧下スケジュールA)とA15 (幅圧下スケジュールB)の場合とを比較でき、粗圧延での幅圧下スケジュールのエッジシーム疵の幅への影響がわかる。竪ロールでの複数の幅圧下パスのうち、竪ロールで幅圧下を施す被圧延材の厚みが幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 以上のパスでは、竪ロールによる幅圧下を施さず(竪ロールによるパスをフリーにする)、竪ロールで幅圧下を施す被圧延材厚みが幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 未満のパスでは竪ロールにより幅圧下を施すことにより、エッジシーム疵の幅dES を小さくできることがわかる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、幅プレス量を大きくした場合でもスラブ表面の幅エッジ近傍に発生する凹凸状のしわを抑制できるとともに、幅プレスによりスラブコーナー部およびスラブ側面を適切な形状に成形できる。このため、▲1▼熱間圧延の初期のパスにおいてスラブコーナー部に歪みが集中せず、熱間圧延で生じる凹凸状のしわが抑制できる。また、▲2▼スラブ側面が凹状に成形されているので、熱間圧延によってスラブ厚中央域がしわが寄った状態でバルジング変形により飛び出してきて、さらにそれがスラブの表裏面に回り込んできて、エッジシーム疵が大きくなるのを抑制できる。これらが相乗し、エッジシーム疵の幅dES を大幅に減少させることができる。
【0067】
この結果、ステンレス鋼板など、表裏面酸化のしにくい鋼板の歩留りを向上できるという産業上有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る幅プレス用金型の配置図である。
【図2】本発明に係る幅プレス用金型の押圧面形状を示す図1のX−X断面図である。
【図3】本発明に係る幅プレス用金型の押圧面形状を示す図1のY−Y断面図である。
【図4】本発明に係る幅プレス用金型を用いて幅プレスを施す際のスラブ側面形状を示す部分縦断面図で、図4(a)は、図1のX’−X’矢視図、図4(b)は図1のX−X矢視図、図4(c)は図1のY−Y矢視図である。
【図5】本発明に係る幅プレス用金型を用いて幅プレスを施した際の、カリバー溝で幅プレスが施される範囲を示す部分縦断面図である。
【図6】本発明に係る幅プレス用金型を用いて幅プレスを施した後のスラブ側面形状を示す斜視図である。
【図7】本発明における竪ロールでの幅圧下状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に用いて好適な一例の熱間圧延設備の配置図ある。
【図9】図9(a)、図9(b)は従来の平金型の配置図および平金型で幅プレスを行った場合のスラブ側面形状を示す縦断面図である。
【図10】図10は従来の凸状部を設けた幅プレス用金型で幅プレスを行った場合のスラブ側面形状を示す部分縦断面図である。
【図11】エッジシーム疵の位置を示す鋼板表面の模式図である。
【図12】図12(a)、図12(b)は竪ロールでエッジシーム疵が発生する様子を模式的に示す斜視図および平面図である。
【図13】図13(a)、図13(b)は水平ロールでエッジシーム疵が発生する様子を模式的に示す斜視図および平面図である。
【図14】図14(a)、図14(b)、図14(c)は従来の他の幅プレス用金型における押圧面形状を示す斜視図、A−A断面図、およびB−B断面図である。
【図15】図15(a)、図15(b)、図15(c)は幅プレスおよび熱間圧延でエッジシーム疵が発生する様子を示した図である。
【符号の説明】
1、100 熱間スラブ
2、200 、200A、210 幅プレス用金型
3、9、300 、310 傾斜部
4、400 、410 平行部
4A 入側平行部
4B 出側平行部
5、500 、500A、510 押圧面
6A、6B 上下の側壁面
7 押圧底面
7A、7B 上下部の溝底
8 凸状部
L スラブ搬送ピッチ
A 入側平行部の長さ
B 出側平行部の長さ
W0 幅プレス前のスラブ幅
W1 幅プレス後のスラブ幅
H0 幅プレス前のスラブ厚
M1 押圧底面に対する垂直方向の突出長
M2 上下方向の稜長さ
M3 上下方向の底辺長さ
C1 上部溝底の上端から下部溝底の下端までの上下方向の長さ
θ1 、θ2 上下側壁面の押圧底面に対する傾斜角度
1A、1B 上下のチャンファー部
1C 凹状部
21 加熱炉
22 デスケーリング装置
23 幅プレス装置
24 粗圧延機列
25 仕上圧延機列
26 コイラ
27 竪ロール
28 水平ロール
dES エッジシーム疵の幅
111 、113 しわ
112 エッジシーム疵
Claims (3)
- 熱間圧延ラインの上方から見てスラブ搬送方向に対して押圧面を傾斜させた入側の傾斜部と該傾斜部に引き続き、前記スラブ搬送方向に対して押圧面を平行とした平行部とを有する幅プレス用金型であって、
前記平行部に押圧面のスラブ搬送方向長さ寸法をそれぞれ前記熱間スラブの搬送ピッチ以上とした入側平行部および出側平行部をスラブ搬送方向入側から順に設け、
前記傾斜部、入側平行部および出側平行部の押圧面の上下方向中央部に凸状部を形成するとともに、前記出側平行部の押圧面にのみ前記熱間スラブの上下コーナー部に係合する凹状のカリバー部を形成したうえ、
前記凸状部の形状を押圧底面に対する垂直方向の突出長が幅プレス前のスラブ厚の1/20以上1/5 以下、上下方向の稜部長さが該スラブ厚の1/3 以上1/2 以下、上下方向の底辺長さが該スラブ厚の60〜90%となるようにし、
前記カリバー部の形状を上側壁面、下側壁面の押圧底面に対する傾斜角度がそれぞれ上、下方向に対して15〜45°で、かつ上部溝底の上端から下部溝底の下端までの上下方向の長さが幅プレス前のスラブ厚の70〜90%となるようにしたことを特徴とする幅プレス用金型。 - 請求項1に記載の幅プレス用金型を用い、前記熱間スラブの搬送ピッチを前記入側平行部の押圧面の長さ寸法および前記出側平行部の押圧面の長さ寸法のそれぞれの長さ寸法以下としてステンレス鋼の熱間スラブに幅プレスを施し、その後、圧延を施してステンレス鋼板を得ることを特徴とするステンレス鋼板の熱間圧延方法。
- 前記圧延において、竪ロールでの複数の幅圧下パスのうち、前記竪ロールにより幅圧下を施すスラブ厚が前記幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 以上のパスでは、前記竪ロールによる幅圧下を施さず、前記竪ロールにより幅圧下を施すスラブ厚が前記幅プレスを施す前のスラブ厚の1/2 未満のパスでは前記竪ロールにより幅圧下を施すことを特徴とする請求項2に記載のステンレス鋼板の熱間圧延方法。
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