JP4602709B2 - スライドバルブ装置及びその耐火物交換方法 - Google Patents
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Description
すなわち、前述の従来構成においては、スライドケースはヒンジを介して縦開きであり、その重量も30Kg以上あり、開く時には作業者にとっては重筋作業となり、取鍋及びタンディッシュ熱間再使用の場合は、高温の熱間作業となっていた。
また、このスライドケースは、重量があるため自重で下がるため、作業者の手が滑って手がスライドケースから離れたような場合には、急速に落下し、安全上、重大な問題となる可能性もあった。
一方、特許文献1のスライドケースの駆動装置を利用してスライドケースを開閉するスライドバルブ装置は、作動の安定性と鋳造中の安全性に問題がある。
特許文献1の開閉機構では、スライドケースのフレームに設けたコの字型の凹部にローラーを係合させてスライドケースの開閉を行うことになっている。この方式では確実に開閉させるために高い寸法精度が要求されるのに対し、スライドバルブ装置はその用法上、長期間溶鋼による加熱と冷却とを繰り返し受け続ける。そのため、膨張収縮による寸法変化を多数回繰り返すこととなり、その結果スライドバルブ装置の使用を続けるうちにアライメントが多少なりともずれる恐れがある。したがって特許文献1のスライドバルブ装置の使用初期には確実に開閉機構が作動したとしても、スライドバルブ装置の使用を続けるうちにアライメントのずれにより正常な作動が阻害される恐れがある。
また特許文献1の開閉機構では、スライドバルブ装置を溶鋼収納容器に取り付けて鋳造している最中に誤ってスライドケースを開放してしまう恐れがある。溶鋼収納容器に溶鋼を入れた状態でスライドバルブ装置のスライドケースを開放してしまうと収納容器の溶鋼が一気に流れ出し、事故になる恐れがある。特許文献1の詳細な説明の中には、駆動装置がスライドケースを開放する位置に動かなくする目的のストッパーについての記述もあるが、このストッパーの故障または操作ミスによる鋳造中の開放の恐れがある以上、上記の点は特許文献1の安全性に関する本質的な問題点といわざるを得ない。
すなわち、スライドバルブ装置の本体に設けられたローラ等の支持部材がロッドが駆動装置に引き込まれた位置では、ヒンジ部よりも駆動装置に対して離れた位置にあるので、駆動装置を作動させてロッドを押し出しヒンジ部を支持部材よりも駆動装置から離れるように移動させた場合(開放位置)には、スライドケースがこの支持部材に支持されながらその自重等によって回動して開放位置にくるため、従来のように、作業者が熱間重筋作業をする必要がなくなる。
また、スライドケースの回動を遠隔操作することも可能となり、耐火物交換作業時の安全性を大幅に向上させることが可能となった。
さらに、本発明の開閉機構では厳密な寸法精度を必要としないので、膨張収縮の繰り返しによるずれが生じたとしてもその作動に支障はない。
加えてシールケースを開放した後でないとスライドケースを開放できないので、スライドバルブ装置の使用中に誤ってスライドケースを開放してしまう恐れがない。
図1において、符号1で示されるものは取鍋又はタンディッシュ等の溶融金属を収容するための溶融金属容器であり、この溶融金属容器の出鋼口2の上ノズル3の下部には、開閉自在なスライドケース4がヒンジ部5を介して実線及び点線で示されるようにロッド8が駆動装置9に引き込まれた位置P1から開放位置P2まで往復回動できるように構成されたスライドバルブ装置6が取付けられている。
前記ロッド8は、本体7のガイド孔10内に摺動可能に設けられ前記スライドケース4にヒンジ部5を介して接続された連結体11に接続されている。
なお、前記支持部材15は、スライドケースが適切な開放位置に回動するようにスライドケースを支持できれば十分にその機能を果たせるので、膨張収縮の繰り返しによるずれが多少生じたとしても、開閉機構の作動に支障はない。
まず、駆動装置9の作動によって、前記位置P1に位置するスライドケース4を所定量稼動させることにより、スライドケース4に取付けられているスライドプレート耐火物17を移動させ、図3の上プレート16の開口の開閉を行うことにより溶鋼の流量制御を行う。尚、図4は流量制御状態(使用状態)を示している。
この状態で、前記シールケース32を閉じて面圧負荷部材30によって面圧を負荷し、その後溶融金属容器1を元の姿勢に戻すことによって再び使用可能状態となる。従って、前述のスライドプレート耐火物17の交換動作をまとめると、次の通りである。すなわち、溶融金属容器1の出鋼口2に設けられ溶融金属の流量制御を行い、耐火物交換時には前記溶融金属容器1を横転又は傾転させ、シールケース32を開放し、スライドプレート耐火物17を取付けたスライドケース4をロッド8を有する駆動装置9の連結体11に接続されたヒンジ部5を介して回動自在としたスライドバルブ装置6を用い、前記溶融金属容器の横転又は傾転時には、前記駆動装置が前記ヒンジ部よりも下方に位置し、前記連結体11が前記駆動装置9に最接近して前記ロッド8が引き込まれた位置P1で、前記ヒンジ部5よりも前記駆動装置9に対して離れた位置に支持部材15を配置し、前記駆動装置9により前記スライドケース4を移動させ、前記ヒンジ部5が前記駆動装置9に対して離れた位置に移動することにより前記スライドケース4が自重等により回動し、前記支持部材15に支持されながら開放位置P2となり、前記スライドプレート耐火物17の交換を行うことができる。
2 出鋼口
3 上ノズル
4 スライドケース
5 ヒンジ部
6 スライドバルブ装置
7 本体
8 ロッド
9 駆動装置
11 連結体
15 支持部材
16 上プレート
17 スライドプレート耐火物
18 下プレート
30 面圧負荷部材
32 シールケース
O1,O2 中心線
P1 位置
P2 開放位置
Claims (6)
- 溶融金属容器(1)の出鋼口(2)に設けられ溶融金属の流量制御を行い、耐火物交換時には前記溶融金属容器(1)を横転又は傾転させ、シールケース(32)を開放し、スライドプレート耐火物(17)を取付けたスライドケース(4)をロッド(8)を有する駆動装置(9)の連結体(11)に接続されたヒンジ部(5)を介して回動自在としたスライドバルブ装置において、前記溶融金属容器(1)の横転又は傾転時には、前記駆動装置(9)が前記ヒンジ部(5)よりも下方に位置し、
前記連結体(11)が前記駆動装置(9)に最接近して前記ロッド(8)が引き込まれた位置(P1)で、前記ヒンジ部(5)よりも前記駆動装置(9)に対して離れた位置に支持部材(15)が位置し、
前記駆動装置(9)により前記スライドケース(4)を移動させ、前記ヒンジ部(5)が前記駆動装置(9)に対して離れた位置に移動することにより前記スライドケース(4)が自重又はバネによって回動し、前記支持部材(15)に支持されながら開放位置(P2)となり、前記スライドプレート耐火物(17)の交換を行うことができるようにしたことを特徴とするスライドバルブ装置。 - 前記スライドケース(4)が開放位置(P2)に回動した場合、前記連結体(11)とスライドケース(4)の各中心線(01,02)間のなす角度(θ)が150°〜80°となるような位置に前記支持部材(15)が配設されていることを特徴とする請求項1記載のスライドバルブ装置。
- 前記支持部材(15)は、前記スライドケース(4)との接触部が回転自在な部材よりなることを特徴とする請求項1又は2記載のスライドバルブ装置。
- 溶融金属容器(1)の出鋼口(2)に設けられ溶融金属の流量制御を行い、耐火物交換時には前記溶融金属容器(1)を横転又は傾転させ、シールケース(32)を開放し、スライドプレート耐火物(17)を取付けたスライドケース(4)をロッド(8)を有する駆動装置(9)の連結体(11)に接続されたヒンジ部(5)を介して回動自在としたスライドバルブ装置を用い、前記溶融金属容器(1)の横転又は傾転時には、前記駆動装置(9)が前記ヒンジ部(5)よりも下方に位置し、
前記連結体(11)が前記駆動装置(9)に最接近して前記ロッド(8)が引き込まれた位置(P1)で、前記ヒンジ部(5)よりも前記駆動装置(9)に対して離れた位置に支持部材(15)が位置し、
前記駆動装置(9)により前記スライドケース(4)を移動させ、前記ヒンジ部(5)が前記駆動装置(9)に対して離れた位置に移動することにより前記スライドケース(4)が自重又はバネによって回動し前記支持部材(15)に支持されながら開放位置(P2)となり、前記スライドプレート耐火物(17)の交換を行うことを特徴とするスライドバルブ装置の耐火物交換方法。 - 前記スライドケース(4)が開放位置(P2)に回動した場合、前記連結体(11)とスライドケース(4)の各中心線(O1,O2)間のなす角度(θ)が150°〜80°となるような位置に前記支持部材(15)が配設して用いることを特徴とする請求項4記載のスライドバルブ装置の耐火物交換方法。
- 前記支持部材(15)は、前記スライドケース(4)との接触部が回転自在な部材を用いることを特徴とする請求項4又は5記載のスライドバルブ装置の耐火物交換方法。
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