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JP4697719B2 - 汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置 - Google Patents

汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置 Download PDF

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JP4697719B2
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄効率を向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができるようにした汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種製造工場やその跡地の土壌が、油分・重金属をはじめとする汚染物質で汚染されていること明らかとなり、社会問題となっている。
また、タンカー等の海難事故によって流出した原油や燃料油、船舶から不法投棄された廃油により汚染された海浜の土壌や、原油採掘地の原油が付着した土壌(掘削土を含む。)についても、コスト等との関係で適当な浄化方法がなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景から、汚染土壌から汚染物質を除去することにより、土地の再利用を可能にしたり、自然環境を保護するとともに、汚染物質を除去した土砂を再利用する技術の確立が望まれている。
【0004】
ところで、油分・重金属を含む汚染土壌の浄化方法の一つとして土壌洗浄方法があるが、従来提案されている土壌洗浄方法は、汚染物質の濃度が高く、また、油分・重金属が重質油やタールの場合には、土砂の表面に付着した汚染物質を取り除くために、水を大量に使用したり、複数回の洗浄工程を経たり、界面活性剤等の洗浄助剤を使用する必要があった。
したがって、このような土壌洗浄方法では、設備費のほか、水処理費、界面活性剤等の洗浄助剤費のコストが大きくなって、処理単価が高くなってしまい、実用性に乏しいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の汚染土壌の浄化方法、特に、土壌洗浄方法の有する問題点に鑑み、洗浄効率を向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができるようにした汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置を提供することを第1の目的とする。
【0006】
また、本発明は、コンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含有する物質を容易に分離でき、洗浄効率を一層向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができるようにした汚染土壌の浄化方法を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の汚染土壌の浄化方法は、油分を含む汚染物質が付着した土砂を予め20〜50mmの範囲で設定した所定の粒径で選別機により分級し、分級した土砂毎に加水して、洗浄機に導入し、洗浄機において土砂同士の摩擦により土砂の表面に付着した汚染物質を離脱させ、土砂及び汚染物質を含む水を、水を張った分離槽並びに加振スクリーン及び空気供給手段を備えた分離装置に導入し、該分離装置の分離槽内において、土砂に振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂と汚染物質とを分離することを特徴とする。
【0008】
この汚染土壌の浄化方法は、まず、油分を含む汚染物質が付着した土砂から予め汚染物質の分離しやすい所定の粒径で土砂を選別機により分級し、前記分級した土砂を、分級した土砂毎に加水して、洗浄機に導入するようにすることにより、選別機により分級した所定の粒径以上の土砂は、汚染物質が分離されやすく簡単に洗浄することができるため、洗浄工程以降の工程の負荷を小さくすることができる。
そして、分級した土砂は、分級した土砂毎に、加水して、洗浄機に導入し、洗浄機において土砂同士の摩擦により土砂の表面に付着した汚染物質を離脱させ、土砂及び汚染物質を含む水を、水を張った分離槽並びに加振スクリーン及び空気供給手段を備えた分離装置に導入し、分離装置の分離槽内において、土砂に振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂と汚染物質とを分離するようにしているので、界面活性剤等の洗浄助剤を使用することなく、少量の水のみで土砂の表面に付着している汚染物質を確実に離脱、分離し、土砂を再利用することができる。
【0009】
この場合において、洗浄後の前記所定の粒径以上の土砂に含まれる前記汚染物質を含有する塊状の物質を手作業により分離するようにしたり、洗浄後の土砂に含まれる前記汚染物質を含有する物質を比重差を利用して分離するようにすることができる。
【0010】
これにより、汚染物質を含み、かつ汚染物質を分離しにくいコンクリート殻、石炭殻等の物質を他の土砂と容易に分離することができ、洗浄効率を一層向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができる。
【0011】
また、洗浄後の微細な土砂を含む洗浄水を、比重安定装置に導入して、微細な土砂のうち比較的大きな粒径の土砂を分離した後、水処理工程を行うようにすることができる。
【0012】
これにより、水処理工程の負荷を著しく低減することができ、洗浄水の再使用率を向上することができる。
【0013】
また、上記本発明の汚染土壌の浄化方法に用いる本発明の分離装置は、土砂及び汚染物質を含む水が導入される水を張った分離槽と、該分離槽の底部付近に加振手段により振動するように配設され、導入された土砂に振動を付与しながら通過させる加振スクリーンと、該加振スクリーンの下に配設され、加振スクリーン上の土砂に向けて気泡を吹き付ける空気供給手段と、沈降した土砂を搬出する搬送手段とからなる汚染土壌の浄化に用いる分離装置において、分離槽の土砂及び汚染物質を含む水の導入部に外周部を筒体で囲った攪拌ブレードを配設するとともに、筒体の外周部に環状の越流トラフを形成したことを特徴とする。
【0014】
この汚染土壌の浄化に用いる分離装置は、加振スクリーン及び空気供給手段によって、土砂に振動を付与しながら、気泡を吹き付けるようにしているため、洗浄機において土砂同士の摩擦により土砂の表面から離脱した汚染物質を、土砂から確実に分離させ、搬送手段によって沈降した土砂を搬出することができる。
そして、分離槽の土砂及び汚染物質を含む水の導入部に外周部を筒体で囲った攪拌ブレードを配設し、筒体の外周部に環状の越流トラフを形成するようにしているので、気泡との相乗作用により、汚染物質を土砂から確実に分離させるとともに、筒体内を浮上する油分を含む汚染物質を、筒体の外周部に形成した環状の越流トラフに越流させて、効率よく排出することができる。
【0015】
この場合において、汚染土壌の浄化に用いる分離装置に、回転により水面の泡沫を分離槽から越流させて排出する泡沫排除ブレードと、水面に浮上した油分を含む汚染物質を吸い上げるバキューム装置とを備えることができる。
【0016】
これにより、土砂の表面から離脱、分離した汚染物質を、土砂から確実に分離させ、少量の水と共に回収することができ、後工程のオイルセパレータ等での汚染物質の分離、回収を効率よく行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1及び図2〜図3に、本発明の汚染土壌の浄化方法の一実施例を示す。
【0019】
この土砂の処理方法では、油分・重金属等の汚染物質が付着した土砂を、選別機28にかけて、汚染物質の分離しやすい所定の粒径(Nmm)以上の土砂を選別機28により分級する。
この場合、分級は、浄化対象の汚染土壌に応じて決定することができるが、粒径(Nmm)を、20〜50mmの範囲の粒径(本実施例においては、40mm)に設定する
【0020】
なお、特に限定されるものではないが、本実施例においては、粒径100mm以上のものは、後述の洗浄機3,7にそのまま導入することが困難なため、選別機28により別途分級し、すすぎ水により簡単に洗浄することにより再利用するようにしたり、洗浄機3,7に導入することができる程度に破砕し、再度、選別機28にかけるようにすることができる。
【0021】
そして、所定の粒径(Nmm)以上の土砂を分級して取り除いた、汚染物質を多く含有する粒径の小さな土砂Aは、ホッパ1に投入され、ベルトコンベア2によって、図4に示す洗浄機3に搬送された後、この洗浄機3内で加水され、土砂同士の摩擦による相互研磨を行うことによって、図4(c)に示すように、土砂A表面の汚染物質Dが離脱される。
なお、このとき、必要に応じて、磁選機29によって、磁性物質を除去することができる。
【0022】
洗浄機3は、特にこの形式のものに限定されるものではないが、回転可能に設けられたドラム31と、このドラム31内に偏心して設けられ、ドラム31と逆方向に回転するロータ32とを備え、ドラム31とロータ32とを、土砂に圧力を加えながら相互に逆回転させることにより、すりつぶし及びもみすりを行う。
これにより、汚染物質を含有する土砂Aに、土砂相互間の擦り合わせの力を作用させ、土砂同士の摩擦による相互研磨を行い、図4(c)に示すように、土砂Aに付着している汚染物質Dを離脱させるとともに、図4(d)に示すように、土砂Aを細かく整粒することができる。
【0023】
次に、表面に付着した汚染物質が離脱した土砂A及び汚染物質Dを含む水を、図5〜図8に示す水を張った分離槽41並びに加振スクリーン42及び空気供給手段としてのエアブロー管43を備えた分離装置4に導入し、この分離装置4の分離槽41内において、土砂に振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂Aと汚染物質Dとを分離する。
このとき、汚染物質Dのうち、油分等は水面に浮上し、一方、重金属等は水中に浮遊することとなる。
【0024】
分離装置4は、図5〜図8に示すように、土砂A及び汚染物質Dを含む水が導入される水を張った分離槽41と、分離槽41の底部付近に振動可能に配設され、導入された土砂Aに振動を付与しながら通過させる加振スクリーン42と、この加振スクリーン42の下に配設され、分離槽41内に気泡を供給する空気供給手段としてのエアブロー管43と、このエアブロー管43の下に配設され、沈降した土砂Aを搬出する搬送手段としてのベルトコンベア44とを備えている。
【0025】
そして、投入口に続く分離槽41の土砂A及び汚染物質Dを含む水の導入部には、外周部を筒体48aで囲った攪拌ブレード48を配設し、この筒体48a内に上昇流又は下降流、さらには、上昇流と下降流を交互に生じさせるようにするとともに、筒体48aの外周部に、越流トラフ49に接続される環状の越流トラフ49aを形成するようにする。
【0026】
また、分離槽41には、回転により水面の泡沫を越流トラフ49に越流させて排出する泡沫排除ブレード45を、特に限定されるものではないが、筒体48aを挟んで2台配設するとともに、水面に浮上した油分等の汚染物質Dを吸い上げるバキューム装置46と、バキューム装置46の下流側に配設され、浮遊する汚染物質Dをベルトコンベア44から隔離する隔壁47とが設けられている。
バキューム装置46に吸い上げられた汚染物質Dは、気水分離器46aを通過した後、油水分離器16に送られ、油水分離器16において、油分と汚水(少量の水を含む油分等の汚染物質)が分離され、産業廃棄物として処理される。
また、分離槽41でベルトコンベア44より下に沈殿した微細な砂は、ポンプPによって吸い上げられ、新しい土砂Aと共に分離槽41に再投入される。
【0027】
加振スクリーン42は、特に限定されるものではないが、例えば、約5mm程度のメッシュのものからなり、加振手段42aに支持された状態で、斜めに形成された分離槽41の底部とほぼ平行に配設されている。
【0028】
エアブロー管43は、ブロア装置から送られた空気を細かい気泡にして、加振スクリーン42を通過させる。
このエアブロー管43からの気泡は、加振スクリーン42上の土砂Aを攪拌して洗浄効果を高めるとともに、油分等の汚染物質を水面に引き連れて浮上させる役割を果たす。
【0029】
ベルトコンベア44は、分離槽41の底部に沿い配設され、水上部に脱水用の加振手段44aが設けられている。
加振手段44aの下流側には、加圧水を水面や水中に噴射することにより、搬出される土砂Aに汚染物質が引き連れられることを防止する圧力水配管44bが設けられている。
さらに、必要に応じて、加振手段44aの上流側及びバキューム装置46の上流側には、搬出された土砂Aを洗浄するための洗浄水配管44c及び浮遊する汚染物質Dが隔壁47を潜って流出することを防止するための洗浄水配管44dを設けることができる。
なお、圧力水配管44b及び洗浄水配管44dは、加圧水を噴射するように構成するほか、加圧空気を噴射するように構成することもできる。
【0030】
この分離装置4は、加振スクリーン42及びエアブロー管43によって、土砂Aに振動を付与しながら、気泡を吹き付けるようにしているため、洗浄機3において土砂A同士の摩擦等により土砂Aの表面から離脱した汚染物質Dを、土砂から確実に分離させ、ベルトコンベア44によって沈降した土砂Aを搬出することができる。
そして、特に、分離槽41の土砂及び汚染物質を含む水の導入部に外周部を筒体48aで囲った攪拌ブレード48を配設し、筒体48aの外周部に環状の越流トラフ48aを形成するようにしているので、筒体48a内に上昇流又は下降流、さらには、上昇流と下降流を交互に生じさせ、気泡との相乗作用により、汚染物質Dを土砂Aから確実に分離させるとともに、筒体48a内を浮上する油分等の汚染物質Dを、筒体48aの外周部に形成した環状の越流トラフ49aに越流させて、効率よく排出することができる。
これにより、界面活性剤等の洗浄助剤を使用することなく、少量の水のみで土砂Aの表面に付着している汚染物質Dを、土砂Aから確実に離脱、分離し、気泡によって油分等の汚染物質Dを浮上させることができ、土砂Aから分離した汚染物質Dを、少量の水と共に回収して、後述の油水分離器16等で効率よく分離、回収することができるものとなる。
【0031】
そして、分離装置4の分離槽41に沈降した土砂Aは、ベルトコンベア44によって分離装置4から取り出され、スクリーン10に搬送される。
【0032】
また、分離槽41からの洗浄水は、水槽15に導入され、後述の水処理工程によって浄化処理される。
【0033】
一方、選別機28により分級した所定の粒径(Nmm)以上の土砂Bは、汚染物質が分離されやすいため、簡単に洗浄することにより、再利用することができるものとなる。
そして、本実施例においては、この所定の粒径(Nmm)以上の土砂Bは、ホッパ5に投入され、ベルトコンベア6によって、特にこの形式のものに限定されるものではないが、図4に示す洗浄機3と同種の洗浄機7に搬送された後、この洗浄機7内で加水され、土砂同士の摩擦による相互研磨を行うことによって、土砂A表面の汚染物質Dが離脱される。
なお、このとき、必要に応じて、磁選機29によって、磁性物質を除去することができる。
この所定の粒径(Nmm)以上の土砂Bは、汚染物質が分離されやすく簡単に洗浄することができるため、この所定の粒径(Nmm)以上の土砂Bを、汚染物質を多く含有する粒径の小さな土砂Aと分離して洗浄を行うようにすることにより、加水量を少なくすることができる等により、洗浄工程以降の工程の負荷を小さくすることができるものとなる。
【0034】
洗浄機7により表面に付着した汚染物質が離脱した土砂B及び汚染物質Dを含む水を、図5〜図8に示す分離装置4と同種の分離装置8に導入し、土砂Aと汚染物質Dとを分離する。
このとき、汚染物質Dのうち、油分等は水面に浮上し、一方、重金属等は水中に浮遊することとなる。
【0035】
そして、分離装置8の分離槽に沈降した土砂Bは、分離装置8から取り出され、スクリーン9において、所定の粒径(Nmm)以上の土砂Bと、スクリーン10に搬送される粒径がそれ未満の土砂Cとに分離される。
【0036】
ところで、この洗浄後の所定の粒径(Nmm)以上の土砂Bに、コンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含む塊状の物質が含まれる場合には、この塊状の物質を、例えば、ベルトコンベア30上を移送させながら、作業者が手作業により分離するようにすることができる。
なお、この塊状の物質の分離は、ゴミ取り機等の比重差分離装置によって行うようにすることもできる。
これにより、油分・重金属等の汚染物質を含み、かつ汚染物質を分離しにくいコンクリート殻、石炭殻等の塊状の物質を他の土砂と容易に分離することができ、洗浄効率を一層向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができるものとなる。
このようにして分離された土砂は、再利用することができるものとなる。
また、土砂から分離されたコンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含む塊状の物質は、産業廃棄物として処理される。
【0037】
そして、スクリーン10に搬送された土砂A及びスクリーン9において分離された土砂Cは、特に限定されるものではないが、スクリーン10において所定の粒径に一旦分類された後、ゴミ取り機等の比重差分離装置11,12,13にかけられる。
この比重差分離装置11,12,13に土砂A及び土砂Cをかけることにより、土砂A又は土砂Cに、コンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含む粒状の物質が含まれる場合には、この粒状の物質を比重差を利用して分離するようにすることができる。
これにより、油分・重金属等の汚染物質を含み、かつ汚染物質を分離しにくいコンクリート殻、石炭殻等の粒状の物質を他の土砂と容易に分離することができ、洗浄効率を一層向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができるものとなる。
このようにして分離されたコンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含む粒状の物質は、産業廃棄物として処理される。
【0038】
また、微細な土砂を含むスクリーン10及び比重差分離装置11,12,13からの洗浄水は、必要に応じて、図5〜図8に示す分離装置4と同種の分離装置14に導入し、土砂を分離するようにする。
このようにして分離された土砂は、再利用することができるものとなる。
なお、微細な土砂を含む分離装置14からの洗浄水は、分離装置4に導入するようにする。
【0039】
また、微細な土砂を含む分離装置4,8からの洗浄水は、水槽15に導入され、その上部水(浮遊分)は、油水分離器16に送られ、油水分離器16において、油分と汚水(少量の水を含む油分等の汚染物質)が分離され、産業廃棄物として処理される。
また、水槽15に導入された残りの洗浄水は、サイクロン等の比重安定装置17に導入され、微細な土砂のうち比較的大きな粒径の土砂を分離した後、水処理工程を行うようにされている。
これにより、水処理工程の負荷を著しく低減することができ、洗浄水の再使用率を向上することができるものとなる。
【0040】
水処理工程は、油水分離器16及び比重安定装置17から導入される洗浄水に含まれる汚染物質の種類等に応じて、従来公知の水処理設備の構成を適宜採用することができるが、本実施例においては、反応槽18、PH処理装置19、凝集槽20、沈殿槽21、PH処理装置22、スラリー槽23等で構成され、スラリーは、スラリー槽23に導入された後、フィルタプレス等の脱水装置24にて、重金属等の汚染物質を含む脱水ケーキとして分離され、産業廃棄物として処理される。
また、処理水は、ろ水槽25から反応槽18に導入され、水処理設備のPH処理装置22において無害化処理された後、放流槽26に送られ、放流又は貯水槽27に貯留されて再使用される。
【0041】
このように、本実施例の汚染土壌の浄化方法によれば、まず、油分・重金属等の汚染物質が付着した土砂から予め汚染物質の分離しやすい所定の粒径以上の土砂を選別機28により分級し、前記分級した土砂を、分級した土砂A,B毎に加水して、洗浄機3,7に導入するようにすることにより、選別機28により分級した所定の粒径以上の土砂Bは、汚染物質が分離されやすく簡単に洗浄することができるため、洗浄工程以降の工程の負荷を小さくすることができる。
そして、分級した土砂は、分級した土砂A,B毎に、加水して、洗浄機3,7に導入し、洗浄機3,7において土砂同士の摩擦等により土砂A,Bの表面に付着した汚染物質Dを離脱させ、土砂A,B及び汚染物質Dを含む水を、水を張った分離槽41並びに加振スクリーン42及び空気供給手段43を備えた分離装置4,8に導入し、この分離装置4,8の分離槽41内において、土砂A,Bに振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂A,Bと汚染物質Dとを分離するようにしているので、界面活性剤等の洗浄助剤を使用することなく、少量の水のみで土砂A,Bの表面に付着している汚染物質Dを確実に離脱、分離し、土砂A,Bを再利用することができるものとなる。
【0042】
また、洗浄後の所定の粒径以上の土砂Bに含まれるコンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含む塊状の物質を手作業により分離するようにしたり、洗浄後の土砂A,Bに含まれるコンクリート殻、石炭殻等の油分・重金属等の汚染物質を含む物質を比重差を利用して分離するようにすることにより、油分・重金属等の汚染物質を含み、かつ汚染物質を分離しにくいコンクリート殻、石炭殻等の物質を他の土砂と容易に分離することができ、洗浄効率を一層向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができる。
【0043】
以上、本発明の汚染土壌の浄化方法及びそれに用いる分離装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、洗浄機に異なる形式の洗浄機、例えば、回転可能に設けられた内周面に凹凸を有するドラムと、このドラム内に移動可能に投入された複数本の鋼棒とからなり、ドラムを回転させることにより、鋼棒によって土砂に圧力を加えながら、すりつぶし及びもみすりを行う洗浄機を用いるようにする等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明の汚染土壌の浄化方法によれば、まず、油分を含む汚染物質が付着した土砂から予め汚染物質の分離しやすい所定の粒径で土砂を選別機により分級し、前記分級した土砂を、分級した土砂毎に加水して、洗浄機に導入するようにすることにより、選別機により分級した所定の粒径以上の土砂は、汚染物質が分離されやすく簡単に洗浄することができるため、洗浄工程以降の工程の負荷を小さくすることができる。
そして、分級した土砂は、分級した土砂毎に、加水して、洗浄機に導入し、洗浄機において土砂同士の摩擦により土砂の表面に付着した汚染物質を離脱させ、土砂及び汚染物質を含む水を、水を張った分離槽並びに加振スクリーン及び空気供給手段を備えた分離装置に導入し、分離装置の分離槽内において、土砂に振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂と汚染物質とを分離するようにしているので、界面活性剤等の洗浄助剤を使用することなく、少量の水のみで土砂の表面に付着している汚染物質を確実に離脱、分離し、土砂を再利用することができる。
これにより、洗浄効率が向上するため、所定の粒径以上の土砂を洗浄工程の前工程において分級することにより洗浄工程以降の負荷が小さくなることと相俟って、汚染土壌の浄化費用を低減することができる。
また、洗浄工程以降においては、土砂を分級することなく、一連の処理を行うことができ、処理工程を簡略化して、設備費等のコストを低減することができる。
【0045】
また、洗浄後の土砂に含まれる前記汚染物質を含有する塊状の物質を手作業により分離するようにしたり、洗浄後の土砂に含まれる前記汚染物質を含有する物質を比重差を利用して分離するようにすることにより、汚染物質を含み、かつ汚染物質を分離しにくいコンクリート殻、石炭殻等の物質を他の土砂と容易に分離することができ、洗浄効率を一層向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができる。
【0046】
また、洗浄後の微細な土砂を含む洗浄水を、比重安定装置に導入して、微細な土砂のうち比較的大きな粒径の土砂を分離した後、水処理工程を行うようにすることにより、水処理工程の負荷を著しく低減することができ、洗浄水の再使用率を向上することができる。
【0047】
また、本発明の汚染土壌の浄化に用いる分離装置によれば、加振スクリーン及び空気供給手段によって、土砂に振動を付与しながら、気泡を吹き付けるようにしているため、洗浄機において土砂同士の摩擦により土砂の表面から離脱した汚染物質を、土砂から確実に分離させ、搬送手段によって沈降した土砂を搬出することができる。
そして、分離槽の土砂及び汚染物質を含む水の導入部に外周部を筒体で囲った攪拌ブレードを配設し、筒体の外周部に環状の越流トラフを形成するようにしているので、気泡との相乗作用により、汚染物質を土砂から確実に分離させるとともに、筒体内を浮上する油分を含む汚染物質を、筒体の外周部に形成した環状の越流トラフに越流させて、効率よく排出することができる。
これにより、界面活性剤等の洗浄助剤を使用することなく、少量の水のみで土砂の表面に付着している汚染物質を確実に離脱、分離し、土砂を再利用することができるものとなる。
【0048】
また、汚染土壌の浄化に用いる分離装置に、回転により水面の泡沫を分離槽から越流させて排出する泡沫排除ブレードと、水面に浮上した油分を含む汚染物質を吸い上げるバキューム装置とを備えることにより、土砂の表面から離脱、分離した汚染物質を、土砂から確実に分離させ、少量の水と共に回収することができ、後工程のオイルセパレータ等での汚染物質の分離、回収を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の汚染土壌の浄化方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の汚染土壌の浄化方法の一実施例を示す設備装置のフローチャート(その1)である。
【図3】 本発明の汚染土壌の浄化方法の一実施例を示す設備装置のフローチャート(その2)である。
【図4】 本発明の汚染土壌の浄化に用いる洗浄機を示し、(a)はその断面図、(b)はその動作を示す断面図、(c)は同洗浄機によるすりつぶし作用を示す説明図、(d)は同洗浄機によるもみすり作用を示す説明図である。
【図5】 本発明の汚染土壌の浄化に用いる分離装置を示す概略図である。
【図6】 同平面図である。
【図7】 同正面図である。
【図8】 同(a)は要部の平面図、(b)は要部の側面図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
2 ベルトコンベア
3 洗浄機
31 ドラム
32 ロータ
4 分離装置
41 分離槽
42 加振スクリーン
42a 加振手段
43 エアブロー管(空気供給手段)
44 ベルトコンベア
44a 加振手段
44b 圧力水配管
44c 洗浄水配管
45 泡沫排除ブレード
46 バキューム装置
47 隔壁
48 攪拌ブレード
48a 筒体
49 越流トラフ
49a 環状の越流トラフ
7 洗浄機
8 分離装置
9 スクリーン
10 スクリーン
11,12,13 比重差分離装置
12 二次反応槽
13 三次反応槽
14 分離装置
15 水槽
16 油水分離器
17 比重安定装置
18 反応槽
19 PH処理装置
20 凝集槽
21 沈殿槽
22 PH処理装置
23 スラリー槽
24 脱水装置
25 ろ水槽
26 放流槽
27 貯水槽
28 選別機
29 磁選機
30 ベルトコンベア

Claims (6)

  1. 油分を含む汚染物質が付着した土砂を予め20〜50mmの範囲で設定した所定の粒径で選別機により分級し、前記分級した土砂を、分級した土砂毎に加水して、洗浄機に導入し、洗浄機において土砂同士の摩擦により土砂の表面に付着した汚染物質を離脱させ、土砂及び汚染物質を含む水を、水を張った分離槽並びに加振スクリーン及び空気供給手段を備えた分離装置に導入し、該分離装置の分離槽内において、土砂に振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂と汚染物質とを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 洗浄後の前記所定の粒径以上の土砂に含まれる前記汚染物質を含有する塊状の物質を手作業により分離するようにしたことを特徴とする請求項1記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 洗浄後の土砂に含まれる前記汚染物質を含有する物質を比重差を利用して分離するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 洗浄後の微細な土砂を含む洗浄水を、比重安定装置に導入して、微細な土砂のうち比較的大きな粒径の土砂を分離した後、水処理工程を行うようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 土砂及び汚染物質を含む水が導入される水を張った分離槽と、該分離槽の底部付近に加振手段により振動するように配設され、導入された土砂に振動を付与しながら通過させる加振スクリーンと、該加振スクリーンの下に配設され、加振スクリーン上の土砂に向けて気泡を吹き付ける空気供給手段と、沈降した土砂を搬出する搬送手段とからなる汚染土壌の浄化に用いる分離装置において、分離槽の土砂及び汚染物質を含む水の導入部に外周部を筒体で囲った攪拌ブレードを配設するとともに、筒体の外周部に環状の越流トラフを形成したことを特徴とする汚染土壌の浄化に用いる分離装置。
  6. 回転により水面の泡沫を分離槽から越流させて排出する泡沫排除ブレードと、水面に浮上した油分を含む汚染物質を吸い上げるバキューム装置とを備えたことを特徴とする請求項5記載の汚染土壌の浄化に用いる分離装置。
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