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JP4693293B2 - 椅子座席の支持機構 - Google Patents

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JP4693293B2 JP2001213878A JP2001213878A JP4693293B2 JP 4693293 B2 JP4693293 B2 JP 4693293B2 JP 2001213878 A JP2001213878 A JP 2001213878A JP 2001213878 A JP2001213878 A JP 2001213878A JP 4693293 B2 JP4693293 B2 JP 4693293B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、事務用回転椅子などにおいて、着座者の主として垂直荷重を支える座席を、椅子の座席支持部材の上で必要十分な自由度を保持させて支持する、具体的には、着座時に加わることがある衝撃的荷重、或は、着座姿勢の変更により生じる荷重の変化や変位に柔軟に対応できる機能を付与した椅子座席の支持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な事務用回転椅子では、脚支柱の上部に剛体製の座席取付部を形成しこの座席取付部にアウターシェルなどによる座席基体を取付け、この座席基体上に発泡ウレタン等によるクッション材を置き、このクッション材を上張り地で被覆することにより、椅子の座席に形成したものが多い。
【0003】
しかし、このような座席の支持構造の椅子では、着座後、ほぼ一定の着座姿勢を保持している間は良好なクッション性が得られるが、着座姿勢が変化したり、着座の際、座席に衝撃的な荷重が加わった場合などには、クッション材の弾性変形が限度に達する場合があって剛体である座席基体の剛性がそのまま着座者の身体に伝わり、不快感を覚えることがある。また、この点を改善する目的で発泡ウレタンなどによるクッション材を厚くすると、一定の着座姿勢のとき、姿勢が安定しにくくなって却って疲れたり、或は、椅子の廃棄処分に際して、焼却すると発泡ウレタンなどから有害ガスなどが発生して、環境問題となることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術に鑑み、脚支柱の上に取付けた座席取付部に支持させる座席の支持構造を、着座時に加わる大き目の荷重や衝撃的荷重、或は、着座姿勢の変更により生じる荷重の変化や変位に柔軟に対応できる機能を持たせた座席の支持機構を提供することを、その課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決することを目的としてなされた本発明座席支持機構の構成は、前側部材と後側部材とを両部材の間に弾性体を介在させ前側部材を座席の左右方向で水平な軸により前傾可能に枢着した座席取付部材を、その後側部材において脚支柱の上端部に取付けると共に、前記前側部材の前端部において座席裏面の前端側を枢着支持させ、かつ、当該座席裏面の後端側と前記後側部材の後部上面の間に弾性体を挟持させることにより、前記座席取付部材に座席を支持させたことを特徴とするものである。
【0006】
上記構成において、座席裏面は、上面に当該座席を固定載置した座席支持枠体、又は、座席のアウターシェルであり、また、前記座席は、アウターシェルと、インナーシェルとクッション材を具備し、前記両シェルには、交差したスリットが形成された構成である。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明椅子座席の支持機構の実施の形態例について、図に拠り説明する。図1は、本発明椅子座席の支持機構の概要を説明するため、構成部材を分離して示した斜視図、図2は、座席の構造例を説明するため座席の構成部材を分離して示した斜視図、図3は本発明座席支持機構の一例を一部を断面にして示した側面図、図4は弾性体の一例の断面図、図5は本発明支持機構を具備させた椅子の一例の側面図である。
【0008】
図1及び図3において、1は下部にキャスタ付の足aを設けた脚支柱Aの上部に支持させた座席取付部材で、ここでは前側部材11と脚支柱Aに支持させた後側部材12の2ピース構造のものであり、前側部材11の後部が後側部材12の先端側に適宜角度下向きに回動できるように連結軸13を介して連結されていると共に、前側部材11の下向き回動を弾撥的に支えるゴム系弾性体2が、連結軸13の近傍において両部材11,12の間に介挿されている。
【0009】
前側部材11における前部の左右外側面には、後述する座席支持枠4を取付けるための取付軸14が設けられていると共に、後側部材12において後部上面の左右側に形成した取付部16に、後述する適宜高さのゴム系弾性体3,3が取付けられている。なお、15は前側部材11と後側部材12間に介挿した弾性体2を支持するための縦向きのピンで、該ピン15の上,下端部は、抜止めフランジ15aと押え板15b並びにナット15cを具備している。
【0010】
図1及び図3において、4は、合成樹脂製で後述する座席Sの平面形状に見合う環状に形成された弾性を有する座席支持枠で、その前方側の左右両側に、前記の座席取付部材1における前側部材11の左右の取付軸14が嵌合される取付穴41を形成した連結部42を設け、左右の取付穴41,41に、前側部材11における左右の取付軸14,14が嵌合されることにより、この支持枠4の前方が座席取付部材1に枢着支持されることになる。なお、上記における左,右の連結部42,42は、その穴41,41が軸14に遊嵌された状態において、その下面から取付ボルト43,43によって前記支持枠4に固定され、これにより座席支持枠4の前方側が座席取付部材1における前側部材11に、その軸14において連結されるように形成されているが、当該支持枠4と前側部材11との連結構造は、これに限られるものではない。
【0011】
一方、座席支持枠4の後側下面の左右は、前記の弾性体3,3に接合されるため、下面に向けて突出形成した接合部44,44を設け、この接合部44,44において前記弾性体3,3に接合されている。ここで、弾性体3は、図4に示す断面形態のものを用いる。即ち、ゴム系材料により略短柱状乃至は鼓状に形成された弾性体3は、その上,下部に、座金32を具備させたナット部材31を埋設し、上,下のナット部材31に、支持枠4における接合部44の上面側から、及び、後側部材12に設けた取付部16の下面側から図示しない取付ボルトを螺合させることにより、当該支持枠4と後側部材12の間に、この弾性体3の中間部分が変形自在に設けられることとなる。
【0012】
上記のように、座席支持枠4が、その前方において取付部材1の前側部材11に軸14を介して位置固定に枢着される一方、当該支持枠4の後方の左右が変形自在の弾性体3,3を介して後側部材12に支持されていることにより、座板支持枠4はその前方が軸14により位置決めされた状態でその位置より後方が弾性体3の変形作用、当該支持枠自体の弾性変形作用により、座席を、前記軸14を基準にしてそれより後方並びに下方側へ変位可能に支持することになる。従って、座席の前,後がすべて弾性体を介して支持された従来の座席のように、着座による座席の変位が不拘束的に挙動して、動作が不安定になることはない。
【0013】
なお、上記座席支持枠4を、中央に大きな穴45を有する環状に形成したのは、当該支持枠4に左右方向などへのしなり性或は易変形性を付与すると共に、後述するシェルの撓み変形をこの穴45に受入れるためである。
【0014】
本発明における座席Sは、一例として次のように形成されたものである。図1において、5は上記の座席支持枠4の上面に載架される座席Sの下面側を形成するアウターシェルで、前後方向に平行なスリット51を適宜数設けた弾性を有する合成樹脂製である。一方、図2において、6は前記アウターシェル5のスリット51に交差するスリット61を設けた合成樹脂製のインナーシェルで、その上に、一例としてPET再生繊維をニードリング加工したクッション材7を介在させ、適宜の上張り地8によってクッション材7をインナーシェル6に張り包むことにより、座席Sの一例に形成されている。
【0015】
上記座席Sは、上記インナーシェル6をアウターシェル5に重合し、ピンナップファスナーなどにより両シェル5,6を積層状態で係着して前記座席支持枠4の上に固定載置することにより、取付部材1に載架支持される。図示した例では、前記アウターシェル5の周辺が座席支持枠4に通しボルト52などにより固定されることによって、この座席支持枠4に載置されたアウターシェル5,インナーシェル6,クッション材7,上張り地8を含む座席Sが座席取付部材1に載架状態で支持されることになる。なお、上記例においては、座席支持枠4とアウターシェル5は、別体構造であるが、本発明では、アウターシェル5の外周部を、座席支持枠4の機能を果す一体構造に形成し、当該支持枠4を用いない構造にすることもできる。また、本発明支持機構が適用できる座席Sの構造も、上記例の座席Sに限られるものではない。
【0016】
上記のように構成される本発明の椅子座席の支持機構は、座席取付部材1を、前側部材11と後側部材12とを軸13による連結構造に形成すると共に、前側部材11を後側部材12の連結部位に弾性体2を介して適宜角度回動可能に形成する一方、後側部材12の後部左右側と座席支持枠4の後側との間に弾性体3を介在させた構造としたので、この座席取付部1に支持枠4を介して支持されたインナーシェル6,アウターシェル5などを含む座席Sは、これに人が着座したとき、その瞬間に加わる衝撃的な荷重を、前記両シェル5,6と座席支持枠4を介して、又は、前記両シェル5,6を介して弾性体2,3に伝えるので、前記衝撃が効果的に吸収される。
【0017】
また、荷重が座席の前方に偏って働くとその偏荷重は主として弾性体2がこれを受け、荷重が後方に偏って働くとその偏荷重は主として弾性体3がこれを受けるので、着座時にかかる荷重が座席Sの上で偏在しても、座席Sはこれに対応した動作をすることができ、また、座席Sの左右に偏ってかかる荷重に対しても、当該座席Sを支持した左,右の弾性体3と弾性を有する環状の座席支持枠4やインナー,アウターシェルの両シェル5,6のしなりが作用して、これらの偏荷重に対応した動作をする。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上述のとおりであって、椅子座席の支持機構を、前側部材と後側部材とを両部材の間に弾性体を介在させ前側部材を前傾可能に連結した座席取付部材を、その後側部材において脚支柱の上端部に取付けると共に、前記前側部材の前端部において座席裏面の前端側を枢着支持させ、かつ、当該座席裏面の後端側と前記後側部材の後部上面の間に弾性体を挟持させることにより、前記座席取付部材に座席を支持させる構造に形成したから、その構造は簡潔で容易かつ低廉にこの支持機構を備えた椅子を作製提供することができることは勿論、着座時や着座姿勢の変更などによる荷重の変化や変位に柔軟に対応できて着座心地が良好な椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明椅子座席の支持機構の概要を説明するため構成部材を分離して示した斜視図。
【図2】座席の構造例を説明するため座席の構成部材を分離して示した斜視図。
【図3】本発明座席支持機構の一例を一部を断面にして示した側面図。
【図4】弾性体の一例の断面図。
【図5】本発明支持機構を具備させた椅子の一例の側面図。
【符号の説明】
A 脚支柱
1 座席取付部材
11 前側部材
12 後側部材
2,3 弾性体
4 座席支持枠
5 アウターシェル
51 スリット
6 インナーシェル
61 スリット
7 クッション材
8 上張り地

Claims (4)

  1. 前側部材と後側部材とを両部材の間に弾性体を介在させ前側部材を座席の左右方向で水平な軸により前傾可能に枢着した座席取付部材を、その後側部材において脚支柱の上端部に取付けると共に、前記前側部材の前端部において座席裏面の前端側を枢着支持させ、かつ、当該座席裏面の後端側と前記後側部材の後部上面の間に弾性体を挟持させることにより、前記座席取付部材に座席を支持させたことを特徴とする椅子座席の支持機構。
  2. 座席裏面は、上面に当該座席を固定載置した座席支持枠、又は、座席のアウターシェルである請求項1の椅子座席の支持機構。
  3. 座席裏面は、座席支持枠を兼用するように形成された、座席のアウターシェルである請求項1の椅子座席の支持機構。
  4. 座席は、アウターシェルと、インナーシェルとクッション材を具備し、かつ、前記アウターシェルとインナーシェルには、交差するスリットが形成された請求項2又は3の椅子座席の支持機構。
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