図1は本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2はハイブリッド自動車20に搭載される昇圧回路45の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するインバータ41,42と昇圧回路45を介して電力をやりとりするバッテリ50と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42および昇圧回路45を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42および昇圧回路45を接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線54aおよび負極母線54bとして構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。また、電力ライン54には、平滑用のコンデンサ46が接続されている。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流,コンデンサ46の端子間に設置された電圧センサ47からのコンデンサ電圧Vcなどが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号や昇圧回路45への駆動信号などが出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
昇圧回路45は、図2に示すように、2個のトランジスタTA,TBと2個のダイオードDA,DBとリアクトルLとにより構成されている。2個のトランジスタTA,TBは、それぞれ正極母線54aと負極母線54bとに接続され、その接続点にリアクトルLが接続されている。リアクトルLと負極母線54bとにはバッテリ50の正極端子と負極端子とが接続されており、このバッテリ50の端子間には平滑用のコンデンサ48が接続されている。また、2個のトランジスタTA,TBは、それぞれ2個のダイオードDA,DBが並列接続されている。したがって、トランジスタTAのオンオフの割合やトランジスタTBのオンオフの割合を制御することにより、バッテリ50の直流電圧を昇圧してインバータ41,42に出力したり、インバータ41,42の正極母線54aと負極母線54bとに作用している直流電圧を降圧してバッテリ50を充電したりすることができる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車両の前後方向の車速を検出可能な車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例では、シフトポジションSPとしては、駐車ポジション、前進方向に走行する通常のポジションとしての走行ポジション(Dポジション)、アクセルオフ時の制動力が大きな前進方向の走行するためのブレーキポジション(Bポジション)、走行を行なわない中立ポジション(Nポジション)、後進方向に走行する後進ポジション(Rポジション)などが用意されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に停車しているハイブリッド自動車20が走行を開始する際の動作について説明する。図3はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPがDポジションやBポジション,Rポジションにあるときであってブレーキペダル85が踏み込まれて車速Vが値0となったとき、即ち車両が停車したときに実行される。
停車時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、ゲート遮断判定フラグFの値を入力すると共に(ステップS100)、入力したゲート遮断判定フラグFの値を調べる(ステップS110)。ここで、ゲート遮断判定フラグFは、初期として値0が設定されると共に昇圧回路45の異常などにより昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されたときに値1が設定されるフラグである。いま、トランジスタTA,TBが共にゲート遮断されたときを考える。このときには、バッテリ50からの電力を昇圧回路45により昇圧してインバータ41,42に供給することができないと共にモータMG1,MG2により発電された電力を昇圧回路45を介してバッテリ50に充電することができないため、昇圧回路45は、バッテリ50からの電力を昇圧することなくインバータ41,42に供給することのみできる状態となる。ゲート遮断判定フラグFは、昇圧回路45がこの状態であるか否かを判定するために用いられるフラグである。
ゲート遮断判定フラグFが値0のときには、ブレーキペダルポジションセンサ86からブレーキペダルポジションBPを入力すると共に(ステップS160)、入力したブレーキペダルポジションBPに基づいてブレーキオフされたか否かを判定し(ステップS170)、ブレーキオフされていないと判定されたときにはステップS100に戻り、ブレーキオフされたと判定されたときには停車時制御ルーチンを終了する。
ゲート遮断判定フラグFが値1のときには、コンデンサ電圧Vcを入力すると共に(ステップS120)、入力したコンデンサ電圧Vcを閾値Vrefと比較する(ステップS130)。ここで、コンデンサ電圧Vcは、電圧センサ47により検出されるコンデンサ46の電圧をモータECU40から通信により入力するものとした。また、閾値Vrefは、コンデンサ電圧Vcがコンデンサ46の耐圧Vmaxを上限とする所定範囲内であるか否かを判定するために用いられるものであり、コンデンサ46の耐圧Vmaxより若干低い電圧に設定される。コンデンサ電圧Vcが閾値Vref未満のときにはコンデンサ46が充電されるようエンジン22とモータMG1とを制御し(ステップS140)、前述したステップS160以降の処理を実行する。コンデンサ46の充電は、具体的には、エンジン22が停止されているときにはエンジン22を始動し、エンジン22からの動力を用いてモータMG1により電力を発電することにより行なうことができる。一方、ステップS130でコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上のときには、エンジン22をアイドル運転すると共にモータMG1による電力の発電を終了することにより、コンデンサ46の充電を終了し(ステップS150)、ステップS160以降の処理を実行する。このように、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときに車両が停車しているときには、ブレーキオフされるまで又はコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上となるまでコンデンサ45を充電することにより、コンデンサ46にエネルギを蓄えておくのである。この理由については後述する。
こうして車両が停車している状態からブレーキオフされると、図4に例示する走行開始時制御ルーチンが実行される。このルーチンは、図3の停車時制御ルーチンが終了したときから所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。
走行開始時制御ルーチンが実行されると、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPやアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,コンデンサ電圧Vc,ゲート遮断判定フラグFなど制御に必要なデータを入力し(ステップS200)、入力したシフトポジションSPとアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*を設定する(ステップS210)。ここで、コンデンサ電圧Vcおよびゲート遮断判定フラグFは、図3の停車時制御ルーチンと同様に入力するものとした。要求トルクTr*の設定は、実施例では、シフトポジションSP毎にアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとの関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、シフトポジションSPとアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。
続いて、ゲート遮断判定フラグFの値を調べ(ステップS220)、ゲート遮断判定フラグFが値0のときには、要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御して(ステップS270)、走行開始時制御ルーチンを終了する。エンジン22およびモータMG1,MG2の制御は、具体的には、以下のように行なうことができる。まず、車速Vに換算計数kを乗じて得られるリングギヤ軸32aの回転数Nrを要求トルクTr*に乗じることにより駆動軸に要求されるパワー(Tr*・Nr)を計算すると共にこのパワー(Tr*・Nr)とバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*との和として車両に要求される車両要求パワーPe*を計算し、計算した車両要求パワーPe*をエンジン22を効率よく運転可能なパワーの下限値などに設定される閾値Prefと比較する。そして、車両要求パワーPe*が閾値Pref以上のときには、車両要求パワーPe*に基づいてエンジン22を効率よく運転できる運転ポイント(目標回転数Ne*および目標トルクTe*)を設定し、設定した目標回転数Ne*でエンジン22が運転されるようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し、要求トルクTr*とエンジン22から動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルク(以下、このトルクをエンジン22からの直達トルクTerという)との偏差を減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべき仮モータトルクTm2tmp(=(Tr*−Ter)/Gr)を設定し、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1の消費電力とモータMG2の回転数Nm2とに基づいてモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを設定し、仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tmin,Tmaxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、エンジン22を運転制御すると共にモータMG1,MG2を制御することにより行なうことができる。ここで、エンジン22の運転制御は、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とをエンジンECU24に送信し、これを受信したエンジンECU24が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントでエンジン22が運転されるよう燃料噴射制御や点火制御などを行なうことによって行なわれる。また、モータMG1,MG2の駆動制御は、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU34に送信し、これを受信したモータECU34がトルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なうことによって行なわれる。なお、モータMG2の回転数Nm2は、回転位置検出センサ44により検出されたモータMG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力して用いることができる。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、図示しない温度センサにより検出されるバッテリ50の電池温度とバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力して用いることができる。一方、要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除して得られるモータMG2の仮モータトルクTm2tmp(=Tr*/Gr)をバッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG2の回転数Nm2とに基づくトルク制限Tmin,Tmaxで制限したトルクをモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し、モータMG2を制御することにより行なうことができる。なお、これらのように昇圧回路45のトランジスタTA,TBがゲート遮断されていないときには、モータMG1,MG2の消費電力(発電電力)に応じてバッテリ50は充放電され、コンデンサ46の電圧が耐圧Vmaxを超えない範囲でエンジン22およびモータMG1,MG2は制御される。
ステップS220でゲート遮断判定フラグFが値1のときには、シフトポジションSPと車速Vとに基づいて車両がずり下がりを生じているか否かを判定すると共に(ステップS230,240)、車両がずり下がりを生じていると判定されたときには、コンデンサ電圧Vcを前述した閾値Vrefと比較する(ステップS250)。いま、シフトポジションSPがDポジションにあるときに登坂路で車両が停車している状態を考える。この状態では、車重Mと路面勾配θと重力加速度gとに基づいて、車両には、車重Mに対する車両後進方向の分力である車重分力FM(=M・g・sinθ)が作用している。この状態からブレーキオフされたときに、車重分力FMより大きい車両前進方向の駆動力を駆動輪63a,63bに作用させた場合には車両がずり下がることなく前進方向に走行することができるが、駆動輪63a,63bに作用させる車両前進方向の駆動力が車重分力FMより小さい場合には車両はずり下がりを生じる。ステップS240では、こうした車両のずり下がりを生じたか否かをシフトポジションSPと車速Vとに基づいて判定するのである。次に、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときに、シフトポジションSPがDポジションにあるときに車両が停車している状態から運転者によりブレーキオフされたときを考える。ブレーキオフされて車両が移動し始めたときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5および図6に示す。図5は車両がずり下がりを生じていないとき、即ち車両が前進方向に移動し始めたときの共線図を示し、図6は車両がずり下がりを生じているとき、即ち車両が後進方向に移動し始めたときの共線図を示す。図5および図6中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22からの直達トルクTerと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。平坦路でブレーキオフされたときのように車両がずり下がりを生じていない図5の状態では、エンジン22から出力される動力の一部をモータMG1により電力に変換すると共に変換した電力およびコンデンサ46に蓄えられているエネルギを用いてモータMG2から動力を出力して走行することができる。一方、登坂路でブレーキオフされたときのように車両がずり下がりを生じる図6の状態では、モータMG2の回転数Nm2が負の値となるため、車両が前進する方向にモータMG2からトルクを出力しようとすると、モータMG2は発電機として機能することになる。いま、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときを考えているから、モータMG1,MG2により発電された電力をバッテリ50に充電することはできない。したがって、この電力はコンデンサ46に充電されることになるが、このときには、コンデンサ46が耐圧Vmaxを超えて過電圧となってしまうおそれがある。ステップS250では、こうしたおそれがあるか否かをコンデンサ電圧Vcを閾値Vrefと比較することにより判定するのである。
車両がずり下がりを生じていないと判定されたとき、例えば、ブレーキオフされた直後で車速Vが値0のときや平坦路でブレーキオフされたときなどには、要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御して(ステップS270)、走行開始時制御ルーチンを終了する。いま、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときを考えているから、バッテリ50からの電力を昇圧回路45により昇圧してインバータ41,42に供給することができないと共にモータMG1,MG2により発電された電力を昇圧回路45を介してバッテリ50に充電することができない。したがって、コンデンサ電圧Vcがバッテリ50の電圧より高いときには、バッテリ50から昇圧回路45を介してインバータ41,42に電力は供給されない。この場合、エンジン22およびモータMG1,MG2の制御は、例えば、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じて得られる駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求されるパワー(Tr*・Nr)に基づいてエンジン22の運転ポイント(目標回転数Ne*および目標トルクTe*)を設定すると共にモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し、モータMG2の仮モータトルクTm2tmpを設定し、車両の停車中にコンデンサ45に蓄えられたエネルギとモータMG1により発電された電力とモータMG2の回転数Nm2とに基づいてモータMG2のトルク制限Tmin,Tmaxを設定し、仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tmin,Tmaxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、エンジン22およびモータMG1,MG2を制御することにより行なうことができる。ここで、トルク制限Tminは、コンデンサ電圧Vcが耐圧Vmaxを超えないような値に設定される。このようにエンジン22およびモータMG1,MG2を制御することにより、コンデンサ電圧Vcが耐圧Vmax以上となるのを抑制しつつ、エンジン22からの直達トルクTerとモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力される動力とにより走行することができる。しかも、車両の停車中にコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上となるようコンデンサ46の充電を行なっておくことにより、充電を行なわないものに比して車両が走行を開始する際にモータMG2から大きな動力を出力することができる。さらに、車両の停車中にコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上になってもエンジン22を停止しないことにより、車両が走行を開始する際には、エンジン22を停止しているものに比してエンジン22からの直達トルクTerを速やかに出力することができると共にモータMG1により発電された電力を用いてモータMG2からより大きな動力を速やかに出力することができる。
ステップS230〜S250で車両がずり下がりを生じているもののコンデンサ電圧Vcが閾値Vref未満のとき、例えば、シフトポジションSPがDポジションにあるときであって登坂路でブレーキオフされたときに駆動輪63a,63bに作用させる車両前進方向の駆動力が車重分力FMよりも小さいもののコンデンサ46にはまだ充電してもよいときなどには、モータMG2により電力が多少発電されても未だ車両前進方向に走行できる可能性があると判断し、要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御して(ステップS270)、走行開始時制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS230〜S250で車両がずり下がりを生じていてコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上のときには、モータMG1,MG2により電力を発電するとコンデンサ46が耐圧Vmaxを超えて過電圧になってしまうおそれがあると判断し、エンジン22を停止すると共に値0のトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2を制御して(ステップS260)、走行開始時制御ルーチンを終了する。これにより、モータMG1,MG2の発電を伴う駆動は制限されるから、コンデンサ46が耐圧Vmaxを超えて過電圧となるのを抑制することができ、コンデンサ46を保護することができる。なお、この場合、駆動輪63a,63bには動力が出力されないため、運転者によりブレーキオンされるまで車両はずり下がりを生じる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときであって車両がずり下がりを生じるときにコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上のときには、モータMG2の発電を伴う駆動を制限するから、コンデンサ46が耐圧Vmaxを超えて過電圧となるのを抑制することができる。この結果、車両を保護することができる。また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときでも、車両がずり下がりを生じていないときや車両がずり下がりを生じていてもコンデンサ電圧Vcが閾値Vref未満のときには、要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するから、コンデンサ46に蓄えられているエネルギとモータMG1により発電された電力とを用いて可能な範囲内でモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力を出力することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、昇圧回路TA,TBが共にゲート遮断されているときであって車両が停車しているときには、コンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上となるようコンデンサ46を充電するから、コンデンサ46を充電しないものに比して車両が走行を開始する際にモータMG2から大きな動力を出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、車両が走行を開始する際の動作について説明したが、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときであって前進方向に走行している最中に運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときなどのようにモータMG2に対して発電を伴う駆動が要求されるときには、モータMG2により電力を発電する代わりに駆動輪63a,63bに取り付けられた図示しないブレーキにより駆動輪63a,63bに制動力を作用させることにより、コンデンサ46が耐圧Vmaxを超えて過電圧となるのを抑制することができる。この結果、車両の保護を図ることができる。なお、モータMG2に対して発電を伴う駆動が要求されたか否かの判定は、例えば、車速VまたはモータMG2の回転数Nm2とモータMG2のトルク指令Tm2*とに基づいて行なうことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときには、車両の停車中に、ブレーキオフされるまで又はコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上となるまでコンデンサ46を充電するものとしたが、充電しないものとしてもよい。この場合、車両の走行を開始する際には、バッテリ50からの電力やコンデンサ46のエネルギを用いてモータMG2から動力を出力して車両の走行を開始することになる。また、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されたときであって車両が停車しているときには、路面勾配θとシフトポジションSPとに基づいて、シフトポジションSPがDポジションまたはBポジションであって登坂路であるとき及びシフトポジションSPがRポジションであって降坂路であるときにだけブレーキオフされるまで又はコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上となるまでコンデンサ46を充電するものとしてもよい。この場合、車両がずり下がりを生じるおそれがあるときに、車両の停車中にコンデンサ46に充電することになる。したがって、車両がずり下がりを生じるおそれがないときには、車両の停車中にコンデンサ46を充電しないから、コンデンサ46の充電が行なわれる機会を制限することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときであって車両の停車中にコンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上となるまでコンデンサ46を充電した後にはエンジン22をアイドル運転するものとしたが、エンジン22を停止するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときであって車両がずり下がりを生じているときには、コンデンサ電圧Vcが閾値Vref以上のときにはエンジン22を停止すると共に値0のトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2を制御し、コンデンサ電圧Vcが閾値Vref未満のときには要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしたが、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときであって車両がずり下がりを生じているときには、コンデンサ電圧Vcに拘わらずエンジン22を停止すると共に値0のトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2を制御するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、主としてエンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2とバッテリ50と昇圧回路45とを備える動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20について説明したが、こうした動力出力装置を自動車以外の車両に搭載するものとしてもよいし、動力出力装置の形態や動力出力装置の制御方法の形態として用いるものとしてもよい。
図9は、第2実施例の電気自動車320の構成の概略を示す構成図である。第2実施例の電気自動車320は、主として、駆動輪63a,63bに連結された駆動軸132aに動力を入出力可能なモータMG2と、モータMG2を駆動するインバータ42と、バッテリ50と、バッテリ50からの電力を昇圧してインバータ42に供給すると共にモータMG2により発電された電力をバッテリ50に充電する昇圧回路45と、車両全体を制御する電子制御ユニット70Bとを備える。なお、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成について同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、電子制御ユニット70Bは、第1実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70に相当する。
次に、こうして構成された第2実施例の電気自動車320の動作について説明する。図10は、電子制御ユニット70Bにより実行される駆動制御ルーチンである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。この駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPやアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,モータMG2の回転数Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,ゲート遮断判定フラグFなど制御に必要なデータを入力し(ステップS300)、入力したシフトポジションSPとアクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて駆動軸132aに要求される要求トルクTd*を設定する(ステップS310)。ここで、モータMG2の回転数Nm2は、回転位置検出センサ44により検出されるモータMG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、図示しない温度センサにより検出されたバッテリ50の電池温度とバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。さらに、ゲート遮断判定フラグFは、図3の停車時制御ルーチンと同様に入力するものとした。また、
続いて、要求トルクTd*をモータMG2の仮モータトルクTm2tmpに設定すると共に(ステップS320)、ゲート遮断判定フラグFの値を調べ(ステップS330)、ゲート遮断判定フラグFが値0のとき、即ち昇圧回路45のトランジスタTA,TBがゲート遮断されていないときには、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2のトルク制限Tmin,Tmaxを計算し(ステップS340)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限してモータMG2のトルク指令Tm*を設定し(ステップS350)、設定したトルク指令Tm*でモータMG2を制御して(ステップS360)、駆動制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS330でゲート遮断判定フラグFが値1のとき、即ち昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときには、仮モータトルクTm2tmpにモータMG2の回転数Nm2を乗じたものが負の値となるか否かを調べることによりモータMG2により電力の発電が行なわれるか否かを判定する(ステップS370)。いま、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときに、シフトポジションSPがDポジションにあるときであって登坂路で運転者がアクセルペダル83を踏み込んでいるにも拘わらず車両がずり下がりを生じているときを考える。このときには、仮モータトルクTm2tmpに正の値が設定されると共にモータMG2の回転数Nm2は負の値となるため、仮モータトルクTm2tmpにモータMG2の回転数Nm2を乗じたものは負の値となる。したがって、仮モータトルクTm2tmpに基づいてモータMG2を駆動すると、モータMG2は電力を発電することになり、この発電電力によりコンデンサ46が耐圧Vcを超えて過電圧となってしまうおそれがある。ステップS370の処理は、こうしたおそれがあるか否かを判定するものである。仮モータトルクTm2tmpにモータMG2の回転数Nm2を乗じたものが負の値とならないとき、即ちモータMG2により発電が行なわれないと判定されたときには、バッテリ50の出力制限WoutをモータMG2の回転数Nm2で除して得られるトルク制限TmaxでモータMG2の仮モータトルクTm2tmpを制限してトルク指令Tm2*を設定し(ステップS380,S390)、設定したトルク指令Tm*でモータMG2を制御して(ステップS360)、駆動制御ルーチンを終了する。この場合、バッテリ50からの電力やコンデンサ46に蓄えられているエネルギを用いてモータMG2から駆動軸132aに動力を出力することができる。一方、ステップS370で仮モータトルクTm2tmpにモータMG2の回転数Nm2を乗じたものが負の値であると判定されたとき、即ちモータMG2により発電が行なわれると判定されたときには、モータMG2のトルク指令Tm*に値0を設定し(ステップS400)、設定したトルク指令Tm2*でモータMG2を制御して(ステップS360)、駆動制御ルーチンを終了する。これにより、モータMG2の発電を伴う駆動は制限されるから、コンデンサ46が耐圧Vmaxを超えて過電圧となるのを抑制することができる。
第2実施例の電気自動車320によれば、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されたときには、モータMG2の発電を伴う駆動を制限するから、コンデンサ電圧Vcが耐圧Vmaxを超えるのを抑制することができる。この結果、車両を保護することができる。また、第2実施例の電気自動車320によれば、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されているときでもモータMG2が発電を伴う駆動をしないときには、要求トルクTd*に基づいてモータMG2を制御するから、バッテリ50からの電力やコンデンサ46に蓄えられているエネルギを用いて可能な範囲内でモータMG2から駆動軸132aに動力を出力することができる。
第2実施例の電気自動車320では、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されたときには、モータMG2の回転数Nm2とモータMG2の仮モータトルクTm2tmpとに基づいてモータMG2により発電が行なわれるか否かを判定するものとしたが、モータMG2の回転数Nm2に代えて、モータMG2の回転方向や車速Vなどを用いるものとしてもよい。
第2実施例の電気自動車320では、昇圧回路45のトランジスタTA,TBが共にゲート遮断されたときに仮モータトルクTm2tmpにモータMG2の回転数Nm2を乗じたものが負の値であると判定されたとき、即ちモータMG2により発電が行なわれると判定されたときには、値0のトルク指令Tm2*でモータMG2を制御するものとしたが、コンデンサ電圧Vcが耐圧Vmaxを超えない範囲内でモータMG2により発電を行なうものとしてもよい。
第2実施例では、主としてモータMG2とバッテリ50と昇圧回路45とを備える駆動装置を搭載する電気自動車320について説明したが、こうした駆動装置を自動車以外の車両や船舶、航空機などに搭載するものとしてもよいし、駆動装置の形態や駆動装置の制御方法の形態として用いるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
20,120,220 ハイブリッド自動車、320 電気自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45 昇圧回路、46,48 コンデンサ、47 電圧センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、70B 電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、D1,D2 ダイオード、L リアクトル、MG1,MG2 モータ、TA,TB トランジスタ。