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JP4688071B2 - アンテナ装置及び無線通信機 - Google Patents

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Description

この発明は、周波数調整回路を備えたアンテナ装置及び無線通信機に関するものである。
携帯電話等の小型化に伴い、アンテナ装置も、放射電極を誘電体基体上に配することにより、アンテナの電気長を実質的に長くして、その小型化を図っている。しかし、アンテナ装置を物理的に小さくすると、周波数の帯域幅が狭くなるおそれがある。このため、周波数可変回路を設けて、広帯域化を図ったアンテナ装置が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2等)。
図12は、周波数可変回路を備えた従来のアンテナ装置の一例を示す斜視図である。
図12に示すように、このアンテナ装置200は、モノポールアンテナ動作を行うループ状の放射電極210を、誘電体基体220上に形成し、この放射電極210のループ経路上に周波数可変回路230を介設した構成を採っている。周波数可変回路230は、バラクダ等の可変容量素子231やインダクタ232等の部品を放射電極210上に半田付けすることにより構成され、可変容量素子231の容量を変化させることで、放射電極210の電気長を変えることができる。これにより、周波数可変回路230を用いて、アンテナ装置の共振周波数を変化させることができ、この結果、周波数の帯域幅を広げることができるようになっている。
国際公開第2004/109850号 特開2006−060384号公報
しかし、上記した従来のアンテナ装置では、可変容量素子231やインダクタ232等の小さな部品を誘電体基体220上に精度良く実装することは困難であった。
つまり、これらの部品を、誘電体基体220の上に機械を用いて実装する場合には、誘電体基体220表面に位置決めマーカを設け、搬送してきた部品を位置決めマーカを基準として誘電体基体220の上に実装していた。しかし、可変容量素子231やインダクタ232等のような小さな部品を、精度良く位置決めマーカの位置に実装させることは難しい。しかも、搬送されてきた小さな部品と位置決めマーカとの距離が離れれば離れる程、実装精度は低下してしまう。
また、部品を、誘電体基体220上の放射電極210に表面実装する場合には、誘電体基体220の表面が平面である必要がある。そして、小さな部品では、大きな部品よりも誘電体基体220における高い平面度が要求される。このため、可変容量素子231やインダクタ232等の小さな部品を、通常の平面度を有した誘電体基体220に対して実装すると、部品の一部の外部電極が放射電極210から浮いてしまい接触不良状態になるおそれがある。
また、上記した従来のアンテナ装置では、周波数可変回路230の可変容量素子231やインダクタ232等の部品を誘電体基体220の表面に突出させた状態で実装するので、外部の衝撃が、これらの部品に直接加わって、部品が外れたり、破損するおそれがある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、基体に対する部品の位置精度を考慮することなく、周波数調整回路を実装することができ、しかも、形状設計の自由度が高く且つ外部衝撃に強いアンテナ装置及び無線通信機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、給電部に接続され且つ基体上に形成された放射電極と、この放射電極の途中に介設され、その第1の入出力端子が放射電極の給電部側開放端部に接続され且つ第2の入出力端子が放射電極の先端部側開放端部に接続された周波数調整回路とを備えるアンテナ装置であって、周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、基板表面に配設された第1及び第2の入出力端子とで構成し、基体の周波数調整回路を配する部位に、周波数調整回路の複数の部品を収納可能で且つ当該周波数調整回路の基板よりも小口径で有底の凹部を設け、表面を凹部側に向けた状態で周波数調整回路の基板を凹部上に載置すると共に、複数の部品を当該凹部内に収納し、且つ、互いに向き合う放射電極の給電部側開放端部と第1の入出力端子、及び互いに向き合う先端部側開放端部と第2の入出力端子を、それぞれ半田付け接続した構成とする。
かかる構成により、給電部から所定周波数の電力を放射電極の給電部側開放端部に供給すると、放射電極の給電部側開放端部と先端部側開放端部が、周波数調整回路の第1の入出力端子と第2の入出力端子に接続されているので、電力が、この周波数調整回路を介して、先端部側開放端部にも供給され、放射電極全体に給電される。そして、放射電極が、周波数調整回路のリアクタンス値に対応した周波数で共振する。
また、周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、基板表面に配設された第1及び第2の入出力端子とで構成したので、これら複数の小さな部品を直接基体上に実装する必要がない。
また、小さな部品が既に実装された大きな基板を基体に実装すれば済むので、基体の表面の平坦度に拘わらず、部品の接触不良の問題は生じない。
また、基体の形状を自由に変形及び設計することができるので、アンテナ装置自体を小型化し、狭いアンテナ実装領域に対応させることができる。
また、請求項2の発明は、給電部に接続され且つ基体上に形成された放射電極と、この放射電極の途中に介設され、その第1の入出力端子が放射電極の給電部側開放端部に接続され且つ第2の入出力端子が放射電極の先端部側開放端部に接続された周波数調整回路とを備えるアンテナ装置であって、周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、基板表面に配設された第1及び第2の入出力端子とで構成し、基体の周波数調整回路を配する部位に、周波数調整回路の基板を収納可能な有底の凹部を設けると共に、当該凹部内に周波数調整回路の複数の部品を収納可能な有底の第2の凹部を形成し、周波数調整回路の基板に、第1の入出力端子と接続した状態で基板の裏面に露出した第1のビアホールと、第2の入出力端子と接続した状態で基板の裏面に露出した第2のビアホールとを形成し、複数の部品が搭載された表面を下側にして、複数の部品を第2の凹部に収納した状態で、基板を凹部内に収納し、放射電極の給電部側開放端部と先端部側開放端部とを当該凹部内に突出させて、これらの端部にそれぞれバネ部を形成し、これらバネ部を第1のビアホールと第2のビアホールにそれぞれ圧接した構成とする。
かかる構成により、周波数調整回路を構成する部品を誘電体基体上の放射電極に半田付けすることなく、周波数調整回路を所定箇所に取り付けることができる。したがって、基体に半田付けに対する耐熱性を必要としないので、基体の耐熱性を考慮することなく、変形可能な各種の材料で基体を形成することができる。
また、外部の衝撃は、外部に露出された基板の裏面側に直接加わり、部品に直接加わることはない。
請求項3の発明は、給電部に接続され且つ基体上に形成された放射電極と、この放射電極の途中に介設され、その第1の入出力端子が放射電極の給電部側開放端部に接続され且つ第2の入出力端子が放射電極の先端部側開放端部に接続された周波数調整回路とを備えるアンテナ装置であって、周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、基板表面に配設された第1及び第2の入出力端子とで構成し、基体の周波数調整回路を配する部位に、周波数調整回路の複数の部品を収納可能で且つ当該周波数調整回路の基板よりも小口径で有底の凹部を設け、表面を凹部側に向けた状態で周波数調整回路の基板を凹部上に載置すると共に、複数の部品を当該凹部内に収納し、基体の周波数調整回路を配する部位に、基板の縁部に上から係合可能な複数のフック部を立設し、基板の縁部をフック部で上から押圧して、第1の入出力端子と第2の入出力端子を給電部側開放端部と先端部側開放端部に電気的に接続した構成とする。
かかる構成により、基体に立設されたフック部が、基板の縁部に上から係合して押圧するので、第1及び第2の入出力端子と給電部側開放端部及び先端部側開放端部との電気的接続がより強固になる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置において、上記周波数調整回路に、上記第1及び第2の入出力端子とは別の1つ以上の入出力端子を設け、上記放射電極とは別の1つ以上の追加放射電極を、基端部を上記周波数調整回路の近傍に位置させた状態で、基体上又は基体外に形成し、上記各追加放射電極の基端部を、上記各入出力端子に接続した構成とする。
かかる構成により、放射電極の給電部側開放端部と周波数調整回路と先端部側開放端部とで構成されるアンテナ部分が、所定周波数で共振し、放射電極の給電部側開放端部と周波数調整回路と追加放射電極とで構成されるアンテナ部分が、他の所定周波数で共振する。
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置において、基体は、合成樹脂を成型して形成したものである構成とした。
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置において、基体は、合成樹脂に誘電体を添加した材料を成型して形成したものである構成とした。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置において、基体は、誘電体を成型して形成したものである構成とした。
請求項8の発明は、請求項2ないし請求項7のいずれかに記載のアンテナ装置において、周波数調整回路の基板は、フレキシブル基板である構成とした。
かかる構成により、基板を曲げることで、周波数調整回路を基体の曲面にも設けることができる。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のアンテナ装置において、周波数調整回路は、可変容量素子の容量を制御することで、回路のリアクタンス値を変化させることができる周波数可変回路である構成とした。
かかる構成により、周波数可変回路を基体に取り付けた後も、可変容量素子の容量を制御することで、共振周波数を変化させることができる。
また、請求項10の発明に係る無線通信機は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のアンテナ装置を具備する構成とした。
以上詳しく説明したように、この発明のアンテナ装置によれば、周波数調整回路を構成する複数の小さな部品を直接基体上に実装する必要がないので、部品の位置精度を考慮することなく、周波数調整回路を高精度で実装することができるという優れた効果がある。 また、基体の表面の平坦度に拘わらず、部品の接触不良の問題が生じないので、歩留まりの良い生産が可能となる。
また、アンテナ形状設計の自由度が非常に高く、アンテナ実装領域に合わせて小型化することができる。
さらに、外部の衝撃が部品に直接加わることはないので、外部衝撃に対する耐久性が高い。
特に、請求項2の発明によれば、基体の耐熱性を考慮することなく、基体を変形可能な各種の材料で形成することができるので、基体の形状を特殊な形状の狭いアンテナ実装空間に対応させることにより、かかるアンテナ実装空間にも実装することができ、この結果、アンテナ装置の更なる小型化を図ることができる。
さらに、外部の衝撃が部品に直接加わることはないので、外部衝撃に強いアンテナ装置を実現することができる。
また、請求項3の発明によれば、基体に立設されたフック部が、第1及び第2の入出力端子と給電部側開放端部及び先端部側開放端部との電気的接続をより強固にするので、アンテナ特性をさらに高めることができる。
さらに、請求項4の発明によれば、小型でしかも多共振化が可能なアンテナ装置を実現することができる。
また、請求項5及び請求項6の発明によれば、基体を合成樹脂や合成樹脂に誘電体を添加した材料で形成するので、基体の形状を自由に変形させることができる。
また、請求項8の発明によれば、周波数調整回路を曲面にも設けることができるので、基体設計の自由度をさらに高めることができる。
また、請求項9の発明によれば、周波数可変回路を基体に取り付けた後も、可変容量素子の容量を制御することで、共振周波数を変化させることができるので、共振周波数の調整を高精度で行うことができる。
請求項10の発明によれば、小型で外部衝撃に強く、しかも高特性の通信が可能な無線通信機を実現することができる。
この発明の第1実施例に係るアンテナ装置について周波数調整回路を分離して示す分解斜視図である。 周波数調整回路の等価回路図である。 周波数調整回路を基体から分離した状態を示す断面図である。 周波数調整回路の基体への取り付け状態を示す断面図である。 周波数調整回路の基体への取り付け状態を示す平面図である。 共振周波数の調整を説明するための線図である。 この発明の第2実施例における周波数調整回路の基体への取り付け状態を示す断面図である。 周波数調整回路の基体への取り付け状態を示す平面図である。 この発明の第3実施例における周波数調整回路の基体への取り付け状態を示す断面図である。 周波数調整回路の基体への取り付け状態を示す平面図である。 この発明の第4実施例に係るアンテナ装置の要部である周波数可変回路の等価回路図である。 従来のアンテナ装置の一例を示す斜視図である。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は、この発明の第1実施例に係るアンテナ装置について周波数調整回路4を分離して示す分解斜視図である。
この実施例のアンテナ装置1は、携帯電話等の無線通信機に設けられている。
図1に示すように、アンテナ装置1は、無線通信機の回路基板100の非グランド領域101に形成されており、送受信部等の給電部110との間で高周波信号のやり取りを行う。
このアンテナ装置1は、基体2と、放射電極3と、放射電極3の途中に介設された周波数調整回路4とを備えている。
基体2は、セラミックで形成したものであり、直方体状を成す。
放射電極3は、全体としてループ状を成す導体であり、基体2上に形成されている。
具体的には、放射電極3は、後述する周波数調整回路4の実装部である有底の凹部5を境に 給電部側電極31と先端部側電極32とに分離されている。給電部側電極31は、非グランド領域101上に形成された導体パターン111を通じて給電部110に接続されている。この給電部側電極31は、基体2の正面21の左側部を登り、上面22上を所定距離直進した後、右側に折れ曲がって、周波数調整回路4用の凹部5の左縁に至る。一方、先端部側電極32は、上面22上を凹部5の右縁から右に進み、上面22の右縁部に沿って、背面23側に進む。しかる後、上面22の右角部で左側に折れた後、上面22上を左側に進み、上面22の左角部で、正面21側に折れ曲がり、その先端が給電部側電極31に対向する。
周波数調整回路4は、そのリアクタンス値によって、放射電極3全体のリアクタンス値を変化させ、放射電極3と周波数調整回路4とを含むアンテナ装置1の共振周波数を調整することができる回路である。
図2は、周波数調整回路4の等価回路図である。
周波数調整回路4としては、多種の回路を適用することができる。例えば、単品のインダクタや単品のコンデンサ、インダクタとコンデンサとの直列共振回路や並列共振回路、又はこれらの共振回路にインダクタやコンデンサを直列に接続した回路等を適用することができる。
この実施例では、図2に示すように、コンデンサ41とインダクタ42との直列回路にコンデンサ43を並列に接続して、周波数調整回路4を構成し、端子4aをこの並列回路の第1の入出力端子とし、端子4bを第2の入出力端子とした。
具体的には、図1に示すように、導体パターン4cをセラミック製の基板40の表面に形成し、コンデンサ41,インダクタ42及びコンデンサ43を導体パターン4cの上に搭載した。そして、導体パターン4cの両端に、端子4a,4bを形成した。
かかる周波数調整回路4は、基体2や放射電極3とは別体に作成され、半田付けによって、基体2に取り付けられる。
図3は、周波数調整回路4を基体2から分離した状態を示す断面図であり、図4は、周波数調整回路4の基体2への取り付け状態を示す断面図であり、図5は、周波数調整回路4の基体2への取り付け状態を示す平面図である。
すなわち、図3に示すように、凹部5を基体2の上面22に設け、この凹部5の口径を、基板40の外径よりも小さく設定した。さらに、凹部5の口径をコンデンサ41等の部品を収納可能な大きさに設定すると共に、底5a迄の深さをこれらの部品の高さよりも深く設定した。
そして、周波数調整回路4の端子4a,4bに半田45,46を付着させた状態で、基板40の表面を下側に向け、端子4a,4bを放射電極3の給電部側電極31,先端部側電極32の真上に位置させた状態で、基板40全体を凹部5に向けて下降させた。これにより、端子4a,4bが、開放端部31a,32a上に接触した状態になる。
かかる状態で、リフロー半田を実行することにより、図4に示すように、コンデンサ41等の部品を凹部5内に収納した状態で、導体パターン4cの端子4aを給電部側電極31の開放端部31aに半田付けすると共に、端子4bを先端部側電極32の開放端部32aに半田付けした。
このようにして、図5に示すように、基板40が、凹部5内に収納されたコンデンサ41等の部品を凹部5の上から覆って保護する状態にした。
次に、この実施例のアンテナ装置が示す作用及び効果について説明する。
図6は、共振周波数の調整を説明するための線図である。
図1及び図4において、所定周波数の電力を給電部110から放射電極3の給電部側電極31に供給すると、給電部側電極31の開放端部31aが半田45を通じて周波数調整回路4の端子4aに接続しているので、電力は、周波数調整回路4内に入る。そして、先端部側電極32の開放端部32aが半田46を通じて端子4bに接続しているので、電力は、周波数調整回路4から先端部側電極32に供給されることとなる。この結果、電力が周波数調整回路4を通じて放射電極3全体に給電されることとなり、放射電極3と周波数調整回路4とを含む部分が、周波数調整回路4のリアクタンス値に対応した周波数で共振する。
したがって、周波数調整回路4を含まない放射電極3の共振周波数が、図6の実線のリターン曲線Sで示すように、周波数f1であるとした場合において、共振周波数を、この周波数f1よりも低い共振周波数f1′に設定したい場合には、リアクタンス値の大きな周波数調整回路4を放射電極3に介設する。これにより、放射電極3全体の電気長が長くなり、図6の破線のリターン曲線Sで示すように、共振周波数が周波数f1′に下がる。
このように、この実施例によれば、周波数調整回路4のコンデンサ41,43やインダクタ42等の部品を変更するだけで、周波数を変えることができるので、基体2等の共通化によって、コストダウンを図ることが可能となる。
また、周波数調整回路4を基体2や放射電極3とは別体に作成したので、周波数調整回路4を構成するコンデンサ41等の小さな部品を直接基体2の放射電極3上に実装する必要がない。したがって、この実施例のアンテナ装置1を用いることで、コンデンサ41等の部品の位置精度を考慮することなく、周波数調整回路4を高精度で放射電極3上に実装することができる。さらに、周波数調整回路4の基板40を基体2に実装すれば済むので、基体2の上面22等の表面の平坦度が低い場合であっても、部品の接触不良の問題は生じない。この結果、歩留まりの良い、アンテナ装置1の生産が可能となる。
さらに、図5に示すように、基板40が、凹部5内に収納されたコンデンサ41等の部品を凹部5の上から覆って保護する構成であるので、外部の衝撃が加わった場合においても、その外部衝撃は、外部に露出された基板40の裏面側に直接加わり、凹部5内に収納されたコンデンサ41等の部品に直接加わることはない。
(実施例2)
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図7は、この発明の第2実施例における周波数調整回路4−3の基体2への取り付け状態を示す断面図であり、図8は、周波数調整回路4−3の基体2への取り付け状態を示す平面図である。
図7及び図8に示すように、この実施例のアンテナ装置は、周波数調整回路を凹部内に収納して、放射電極3の給電部側電極31,先端部側電極32と周波数調整回路の端子4a,4bとを、半田を用いずに接続させる構成である点が、上記第1実施例と異なる。
つまり、上記第1実施例では、給電部側電極31,先端部側電極32と端子4a,4bとを半田45,46で接続する構成としたため、基体2として、耐熱性の高いセラミックスを用いた。しかし、セラミックスでは、基体2の形状の設計自由度に限界があるので、形状の設計自由度が高い樹脂や樹脂に誘電体を添加した材料を用いて基体2を形成することが好ましい。ただし、この場合は、形状自由度を確保するためには、半田付けが可能な耐熱性樹脂を用いる必要がある。半田付けしない圧接する構造の場合は、この様な制約はない。
以下、詳細に説明する。
このアンテナ装置も、基体2と、放射電極3と、放射電極3の途中に介設された周波数調整回路4−3とを備えている。
基体2は、合成樹脂又は合成樹脂に誘電体を添加した材料を成型して形成したものである。かかる材料は、上記したように基体2の形状の設計自由度を高めるが、この実施例では、直方体状に形成した。
放射電極3の形状等は、上記第1実施例とほぼ同様である。しかし、給電部側開放端部である給電部側電極31の開放端部31aと先端部側開放端部である先端部側電極32の開放端部32aとが凹部5内に突出され、下方に湾曲したバネ部31b,32bが、これら開放端部31a,開放端部32aにそれぞれ形成されている。
周波数調整回路4−3は、上記第1実施例の周波数調整回路4と電気回路的には同じであるが、その大きさが異なる。
すなわち、周波数調整回路4−3の基板40の外径を凹部5の口径とほぼ同形に設定されている。そして、第1のビアホールとしてのビアホール4eと第2のビアホールとしてのビアホール4fとが、この周波数調整回路4−3の基板40に設けられている。具体的には、ビアホール4e,4fを端子4a,4bに接続した状態で、基板40の裏面に露出させた。
凹部5の形状等も、上記第1実施例とほぼ同様である。しかし、この凹部5内には、周波数調整回路4−3のコンデンサ41,43及びインダクタ42を収納可能な第2の凹部としての凹部51が形成されている。
上記した周波数調整回路4−3は、その表面を下に向け、ビアホール4e,4fを放射電極3のバネ部31b,32b側に向けた状態で、かかる凹部5内に収納され、その基板40に搭載されたコンデンサ41,43及びインダクタ42が凹部51に収納されている。
かかる状態で、給電部側電極31及び先端部側電極32のバネ部31b,32bが、基板40の裏面に露出しているビアホール4e,4fに圧接されている。
次に、この実施例のアンテナ装置が示す作用及び効果について説明する。
図7において、所定周波数の電力を給電部110(図1参照)から放射電極3の給電部側電極31に供給すると、給電部側電極31のバネ部31bが周波数調整回路4−3のビアホール4eに圧接しているので、電力は、端子4aを通じて周波数調整回路4−3内に入る。そして、先端部側電極32のバネ部32bがビアホール4fに圧接しているので、電力は、周波数調整回路4−3の端子4b及びビアホール4fを通じて先端部側電極32に供給されることとなる。この結果、電力が周波数調整回路4−3を通じて放射電極3全体に給電されることとなり、放射電極3と周波数調整回路4−3とを含む部分が、周波数調整回路4−3のリアクタンス値に対応した周波数で共振する。
また、この実施例のアンテナ装置は、基体2や放射電極3とは別に作成した周波数調整回路4−3を、凹部5内に収納し、放射電極3の給電部側電極31及び先端部側電極32のバネ部31b,32bと周波数調整回路4−3のビアホール4e,4fとの機械的接触によって、給電部側電極31,先端部側電極32と端子4a,4bとの電気的接続を図る構成であるので、周波数調整回路4−3を基体2上に実装する際に半田付け等を必要としない。このため、基体2に耐熱性を必要としないので、基体2を変形可能な各種の材料で形成することができる。
そこで、上記したように、基体2を合成樹脂又は合成樹脂に誘電体を添加した材料で形成した。したがって、この実施例では、基体2の形状を直方体状に形成したが、基体2の形状は、これに限らず、多様な形状に形成することができる。基体2の形状を自由に変形させることで、特殊な形状の狭いアンテナ実装空間にも実装することができ、アンテナ装置の小型化を可能にする。
ところで、この実施例のアンテナ装置では、給電部側電極31及び先端部側電極32のバネ部31b,32bが周波数調整回路4−3の基板40のビアホール4e,4fに圧接して、放射電極3と周波数調整回路4−3との電気的接続を図っている。したがって、バネ部31b,32bを設けずに、開放端部31a,32aをビアホール4e,4fに単に接触させるだけで、電気的接続を図った場合に比べて、接触抵抗が少なくなる。また、基板40の厚みは、全面において平坦でなく、バラツキがあるのが通常である。このような場合でも、バネ部31b,32bがその弾性によって、バラツキを吸収するので、厚みのバラツキによる接触不良は生じない。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
(実施例3)
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図9は、この発明の第3実施例における周波数調整回路4の基体2への取り付け状態を示す断面図であり、図10は、周波数調整回路4の基体2への取り付け状態を示す平面図である。
この実施例のアンテナ装置は、周波数調整回路4の固定構造が、上記第1及び第2実施例と異なる。
すなわち、図9及び図10に示すように、凹部5側を向いた4本のフック部61,62を、互いに向き合うように凹部5の縁部に立設した。一方、放射電極3の給電部側電極31及び先端部側電極32の開放端部31a,32aは、凹部5内に突出させずに、凹部5の開口縁に位置させた。
そして、周波数調整回路4の基板40を、その裏面を上にした状態で、凹部5の周縁部に載せると共に、基板40の裏面縁部を、4本のフック部61,62に係合させて、端子4a,4bを給電部側電極31及び先端部側電極32の開放端部31a,32aに接触させた。
かかる構成により、4本のフック部61,62が、基板40の縁部に上から係合して押圧するので、端子4a,4bと給電部側電極31及び先端部側電極32の開放端部31a,32aとの電気的接続がより強固になる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
(実施例4)
図11は、この発明の第4実施例に係るアンテナ装置の要部である周波数可変回路の等価回路図である。
この実施例のアンテナ装置は、周波数調整回路として、周波数可変回路を用いた点が、上記第1ないし第3実施例と異なる。
すなわち、図11に示すように、周波数調整回路として、可変容量素子を制御することで回路のリアクタンス値を変化させることができる周波数可変回路4′を用いた。
周波数可変回路4′では、図2等に示した周波数調整回路4(4−3)を構成するコンデンサ43の代わりに、可変容量素子としてのバラクダ44を用いている。このバラクダ44は、その容量を直流制御電圧Vcの電圧値によって変化させるダイオードである。
かかる構成により、直流制御電圧Vcを図示しない直流電源からバラクダ44のカソード側に入力することで、直流制御電圧Vcの電圧値に対応してバラクダ44の容量が変化し、周波数可変回路4′のリアクタンス値が変化して、アンテナ装置の共振周波数が変化する。したがって、周波数可変回路4′を基体2に取り付けた後でも、自由に共振周波数を変化させることができるので、共振周波数の調整を高精度で行うことができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
1…アンテナ装置、 2…基体、 3…放射電極、 4,4−3…周波数調整回路、 4′…周波数可変回路、 4a,4b…端子、 4c…導体パターン、 4e,4f…ビアホール、 5,51…凹部、 5a…底、 21…正面、 22…上面、 23…背面、 31…給電部側電極、 31a,32a…開放端部、 31b,32b…バネ部、 32…先端部側電極、 40…基板、 41,43…コンデンサ、 42…インダクタ、 44…バラクダ、 45,46…半田、 61,62…フック部、 100…回路基板、 101…非グランド領域、 110…給電部、 111…導体パターン。

Claims (10)

  1. 給電部に接続され且つ基体上に形成された放射電極と、この放射電極の途中に介設され、その第1の入出力端子が放射電極の給電部側開放端部に接続され且つ第2の入出力端子が放射電極の先端部側開放端部に接続された周波数調整回路とを備えるアンテナ装置であって、
    上記周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、上記基板表面に配設された上記第1及び第2の入出力端子とで構成し、
    上記基体の上記周波数調整回路を配する部位に、上記周波数調整回路の複数の部品を収納可能で且つ当該周波数調整回路の基板よりも小口径で有底の凹部を設け、
    表面を上記凹部側に向けた状態で上記周波数調整回路の基板を凹部上に載置すると共に、複数の部品を当該凹部内に収納し、且つ、互いに向き合う上記放射電極の給電部側開放端部と上記第1の入出力端子、及び互いに向き合う上記先端部側開放端部と第2の入出力端子を、それぞれ半田付け接続した、
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 給電部に接続され且つ基体上に形成された放射電極と、この放射電極の途中に介設され、その第1の入出力端子が放射電極の給電部側開放端部に接続され且つ第2の入出力端子が放射電極の先端部側開放端部に接続された周波数調整回路とを備えるアンテナ装置であって、
    上記周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、上記基板表面に配設された上記第1及び第2の入出力端子とで構成し、
    上記基体の上記周波数調整回路を配する部位に、上記周波数調整回路の基板を収納可能な有底の凹部を設けると共に、当該凹部内に周波数調整回路の複数の部品を収納可能な有底の第2の凹部を形成し、
    上記周波数調整回路の基板に、上記第1の入出力端子と接続した状態で基板の裏面に露出した第1のビアホールと、上記第2の入出力端子と接続した状態で基板の裏面に露出した第2のビアホールとを形成し、
    上記複数の部品が搭載された表面を下側にして、複数の部品を上記第2の凹部に収納した状態で、上記基板を上記凹部内に収納し、
    上記放射電極の給電部側開放端部と先端部側開放端部とを当該凹部内に突出させて、これらの端部にそれぞれバネ部を形成し、これらバネ部を上記第1のビアホールと第2のビアホールにそれぞれ圧接した
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  3. 給電部に接続され且つ基体上に形成された放射電極と、この放射電極の途中に介設され、その第1の入出力端子が放射電極の給電部側開放端部に接続され且つ第2の入出力端子が放射電極の先端部側開放端部に接続された周波数調整回路とを備えるアンテナ装置であって、
    上記周波数調整回路を、基板と、この基板の表面に搭載されて回路を構成する複数の部品と、上記基板表面に配設された上記第1及び第2の入出力端子とで構成し、
    上記基体の上記周波数調整回路を配する部位に、上記周波数調整回路の複数の部品を収納可能で且つ当該周波数調整回路の基板よりも小口径で有底の凹部を設け、
    表面を上記凹部側に向けた状態で上記周波数調整回路の基板を凹部上に載置すると共に、複数の部品を当該凹部内に収納し、
    上記基体の上記周波数調整回路を配する部位に、上記基板の縁部に上から係合可能な複数のフック部を立設し、上記基板の縁部を上記フック部で上から押圧して、上記第1の入出力端子と第2の入出力端子を上記給電部側開放端部と先端部側開放端部に電気的に接続した、
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  4. 上記周波数調整回路に、上記第1及び第2の入出力端子とは別の1つ以上の入出力端子を設け、
    上記放射電極とは別の1つ以上の追加放射電極を、基端部を上記周波数調整回路の近傍に位置させた状態で、基体上又は基体外に形成し、
    上記各追加放射電極の基端部を、上記各入出力端子に接続した、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 上記基体は、合成樹脂を成型して形成したものである、
    ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 上記基体は、合成樹脂に誘電体を添加した材料を成型して形成したものである、
    ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 上記基体は、誘電体を成型して形成したものである、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  8. 上記周波数調整回路の基板は、フレキシブル基板である、
    ことを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載のアンテナ装置。
  9. 上記周波数調整回路は、可変容量素子の容量を制御することで、回路のリアクタンス値を変化させることができる周波数可変回路である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のアンテナ装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のアンテナ装置を具備する、
    ことを特徴とする無線通信機。
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