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JP4675519B2 - 2剤型液体漂白剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2剤型液体漂白剤に関する
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
過酸化水素を主基剤とする液体漂白剤は、色・柄物に使用でき、汚れに直接塗布できる等の利点から好まれて使用されている。また、貯蔵安定性や漂白効果を高めることを目的に2剤型液体漂白剤の研究が行われている。特開平3−140400号公報、特開平6−166892号公報、特開平9−157693号公報、特開平9−48997号公報には過酸化水素を含有するA剤と漂白活性化剤を含有するB剤からなる漂白剤組成物が開示されている。これらの技術は過酸化水素を主基剤とする液体酸素系漂白剤を単独で用いた場合より漂白効果に優れるものであるが、いまだ満足できるレベルではない。
【0003】
また、現在市販されている液体漂白剤は、所定量をキャップに取り分け衣類に塗布するか、もしくは洗濯機に投入する方法により、使用されるのが一般的である。しかし、A剤とB剤を別々の容器に収納した2剤型の漂白剤では、キャップで一方の計量を行った後、他方の計量を行うため、作業性に問題がある。また、作業性向上の観点から、2剤型漂白剤で2液を同時にキャップに計量する容器とするためには、2液の排出口を近い位置に設置する必要があるが、このような形態においては、排出時に一方の排出液が他方の排出口から容器内に混入する場合がある。また、計量した液を使用した後に、キャップを閉めると、キャップ内壁に微量残留した液が容器内に混入する場合がある。このように、A剤、B剤の一方が他方と混入した場合、上記した従来の2剤型液体漂白剤では、過酸化水素の分解反応が促進され貯蔵中に容器が著しく膨れるという問題が生じる。
【0004】
また、2剤型液体漂白剤は、家庭等で繰り返し使用していくうちに、A剤とB剤の混合比率が変動するという問題が生じる。これは、容器を持つ角度、計量する時の傾ける角度等が各操作毎に微妙に異なることが、2液の排出量に影響を及ぼすためと考えられ、特に、使用初期(最初の数回の操作)と使用後期(最後の数回の操作)では、A剤とB剤との混合比率が大きく変動する。そこで、混合比率が変動しても混合液が高いpHを維持し高漂白力を実現することが望まれる。
【0005】
従って本発明の課題は、混合比率が変動しても漂白効果に優れ、使い勝手が良好であり、且つ貯蔵安定性に問題のない2剤型液体漂白剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、過酸化水素0.1〜10質量%及び水を含有する組成物からなるA剤、並びに、アルカリ剤及び水を含有する組成物からなるB剤とを、A剤とB剤とを分離して保持する容器に充填してなる2剤型液体漂白剤であって、下記の(I)及び(II)を満足する2剤型液体漂白剤に関する。
(I)A剤のpHが20℃において1〜6.5であり、20℃においてA剤1000mlのpHを7にするために必要な0.1規定水酸化ナトリウム水溶液の量が50〜1000mlである。
(II)B剤のpHが20℃において9〜12であり、20℃においてB剤1000mlのpHを7にするために必要な1規定硫酸水溶液の量が450〜2000mlである。
【0007】
本発明の2剤型液体漂白剤は、更に下記(III)を満足することが好ましい。(III)A剤とB剤を質量比で、1/3〜3/1の範囲で混合した混合液のpHが、前記質量比の範囲の何れにおいても、20℃において8.5以上である。
【0008】
また、本発明は、上記のA剤とB剤を、1/3〜3/1の質量比で混合後、対象物と接触させる漂白方法に関する。
【0009】
なお、本発明でいう漂白剤とは、洗剤の補助剤としての漂白剤のみならず、独立した洗浄剤としての使用も含む。
【0010】
【発明の実施の形態】
<A剤>
本発明のA剤は、過酸化水素0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜6質量%、特に好ましくは1〜6質量%と、水とを含有する。過酸化水素がこの範囲内であれば満足できる漂白効果を得ることができる。
【0011】
また、A剤の20℃におけるpHは、漂白効果及び貯蔵安定性の点から1〜6.5、好ましくは1.5〜5、更に好ましくは2〜5であり、且つ20℃においてA剤1000mlのpHを7にするために必要な0.1規定水酸化ナトリウム水溶液の量が50〜1000ml、好ましくは100〜1000ml、更に好ましくは150〜600mlである。この範囲内であれば貯蔵安定性において優れており、漂白効果も高い。
【0012】
本発明では、A剤に前記性質(I)を付与する目的から、下記酸剤を配合することが好ましい。
【0013】
ここで、本発明でいう酸剤とは、20℃の1Lイオン交換水に1g以上溶解し、且つ1g/1Lの濃度の20℃におけるpHが5以下の物質が好ましい。また、本発明で好ましい酸剤は、水中における酸解離定数pKaが1〜8の範囲内で2段以上有する化合物である。ここで本発明でいう酸解離定数は「化学便覧基礎編II」(改訂3版、日本化学会編)のII−338頁〜II−342頁に記載の通りである。
【0014】
具体的に好ましい酸剤としては、
(1)リン酸、トリポリリン酸、フィチン酸(イノシン酸)等のリン酸系化合物
(2)ホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸系化合物
(3)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノポリカルボン酸系化合物
(4)エチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジェンコール酸等のアミノポリカルボン酸系化合物
(5)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸
(6)クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、リンゴ酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などの有機酸
が挙げられる。
【0015】
本発明では前記酸剤をA剤中に好ましくは0.2〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5質量%、特に好ましくは0.2〜3質量%の比率で用いる。
【0016】
本発明のA剤に使用する水は、蒸留水又はイオン交換水が好ましい。水の含有量は、A剤中に50〜99質量%、更に60〜95質量%が好適である。
【0017】
本発明では、前記の(I)の性質を逸脱しない限りにおいて、A剤に更にアルカリ剤を配合してもよい。アルカリ剤は後述のB剤で挙げたものを使用することができる。
【0018】
<B剤>
本発明のB剤はアルカリ剤及び水を含有し、20℃におけるpHは、9〜12、好ましくは9.5〜11.5、特に好ましくは10〜11である。この範囲であれば、満足できる漂白効果と貯蔵安定性が得られる。また、20℃においてB剤1000mlのpHを7にするために必要な1規定硫酸水溶液の量が450〜2000ml、好ましくは450〜1500ml、更に好ましくは500〜1000mlである。この範囲内であれば、貯蔵安定性において優れており、漂白効果も高い。
【0019】
このような性質をB剤に付与するためのアルカリ剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、四ホウ酸ナトリウムから選ばれる1種以上が挙げられ、特にB剤では好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びモノエタノールアミンから選ばれる1種以上を使用することが好適である。これらのアルカリ剤は、B剤中、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは3.5〜15質量%、特に好ましくは4〜10質量%含有される。
【0020】
本発明のB剤に使用する水は、蒸留水又はイオン交換水が好ましい。水の含有量はB剤中に30〜99質量%、更に50〜95質量%が好適である。
【0021】
また、B剤には、前記の(II)の性質を達成するために、前記アルカリ剤以外に必要に応じて酸剤を配合してもよい。酸剤は前述のA剤で挙げたものを使用することができる。
【0022】
<その他の成分>
本発明では、A剤及び/又はB剤に、漂白洗浄効果を高める目的から、界面活性剤を配合することが好ましい。界面活性剤としては非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤又は両性界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
【0023】
非イオン界面活性剤としては、一般式(1)の化合物が好ましい。
1−T−[(R2O)a−H]b (1)
〔式中、R1は、炭素数10〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。aは2〜20、好ましくは4〜15、特に好ましくは5〜10の数を示す。Tは−O−、−CON−又は−N−であり、Tが−O−の場合はbは1であり、Tが−CON−又は−N−の場合はbは2である。〕
一般式(1)の化合物の具体例として以下の化合物を挙げることができる。
1−O−(C24O)r−H (1−a)
〔式中、R1は前記の意味を示す。rは4〜15、好ましくは5〜10の数である。〕
1−O−(C24O)s−(C36O)t−H (1−b)
〔式中、R1は前記の意味を示す。s及びtはそれぞれ独立に2〜15、好ましくは2〜10の数であり、エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダムあるいはブロック付加体であってもよい。〕
【0024】
【化1】
Figure 0004675519
【0025】
〔式中、R1は前記の意味を示す。u及びvの合計は3〜20、好ましくは3〜15、特に好ましくは2〜10の数である。〕。
【0026】
本発明ではこれらの中でも特に(1−a)又は(1−b)から選ばれる非イオン界面活性剤が好ましい。
【0027】
陽イオン界面活性剤としては、下記一般式(2)のモノ長鎖アルキル(もしくはアルケニル)トリ短鎖アルキル型陽イオン界面活性剤が好ましい。
【0028】
【化2】
Figure 0004675519
【0029】
〔式中、R3は炭素数8〜18、好ましくは10〜18、特に好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R4、R5、R6は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。X-は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3の置換基を1〜3個有していてもよいアリールスルホン酸イオンである。〕。
【0030】
陰イオン界面活性剤としては、分子中に炭素数10〜18、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜15のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基〔M:対イオン〕を有する陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的には上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩から選ばれる一種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が貯蔵安定性の点から良好である。
【0031】
両性界面活性剤としては、下記一般式(3)の化合物又は一般式(4)の化合物から選ばれる化合物が好ましい。
【0032】
【化3】
Figure 0004675519
【0033】
〔式中、R7は炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14の直鎖アルキル基又はアルケニル基であり、R8、R9は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。R10は炭素数1〜5、好ましくは2又は3のアルキレン基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、cは0又は1、好ましくは1の数である。〕
【0034】
【化4】
Figure 0004675519
【0035】
〔式中、R11は炭素数9〜23、好ましくは9〜17、特に好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R12は炭素数1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは2又は3のアルキレン基である。Bは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−O−から選ばれる基であり、dは0又は1の数、好ましくは0である。R13、R14は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、R15はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。Dは、−SO3 -、−OSO3 -、から選ばれる基であり、特に−SO3 -が漂白洗浄効果の点から良好である。〕。
【0036】
本発明のA剤は、漂白洗浄効果の点から、非イオン界面活性剤を0.5〜15質量%、更に1〜10質量%含有することが好適であり、陽イオン界面活性剤を0.1〜2質量%、更に0.1〜1質量%含有することが好適であり、両性界面活性剤を0〜10質量%、更に0.1〜5質量%含有することが好適である。
【0037】
また、本発明のB剤は、洗浄効果の点から、非イオン界面活性剤を0〜40質量%、更に1〜35質量%含有することが好適であり、陰イオン界面活性剤を0〜30質量%、更に0.1〜10質量%含有することが好適である。また、両性界面活性剤を0〜15質量%、更に0.5〜5質量%含有することが好適であり、陽イオン界面活性剤を0〜10質量%、更に0.1〜5質量%含有することが好適である。
【0038】
本発明では、A剤及び/又はB剤に、洗浄性を向上させる目的から、アクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸を重合して得られるホモポリマー若しくはこれらのモノマーからなるコポリマー、又はこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーとのコポリマー等のカルボン酸系ポリマーを配合することが好ましい。
【0039】
これらのカルボン酸系ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000、更に好ましくは5,000〜80,000である。重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで求めることが出来る。
【0040】
また、このようなカルボン酸系ポリマーは一部及び/又は全部がアルカリ剤で中和された塩の状態であっても差し支えない。アルカリ剤としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を含む化合物が好ましい。
【0041】
具体的には、好ましくは重量平均分子量3,000〜30,000のポリアクリル酸ナトリウム(若しくはカリウム)又はポリメタクリル酸ナトリウム(若しくはカリウム)、あるいは好ましくは重量平均分子量20,000〜100,000、更に好ましくは50,000〜80,000のアクリル酸−マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(もしくはカリウム塩)が良好である。アクリル酸−マレイン酸コポリマーの場合はアクリル酸/マレイン酸が質量比で5/5〜9/1、好ましくは6/4〜8/2が洗浄効果の点から好ましい。
【0042】
本発明において、上記カルボン酸系ポリマーの含有量は、A剤中、好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0.1〜7質量%であり、B剤中、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜8質量%である。
【0043】
本発明のA剤には、漂白効果を高める上で漂白活性化剤を含有することが好ましい。漂白活性化剤としては漂白効果及び貯蔵安定性の点からアルカノイルオキシベンゼン型漂白活性化剤が好ましく、特に炭素数6〜14、好ましくは7〜13のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸もしくは炭素数6〜14、好ましくは7〜13のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はこれらの塩が好ましい。具体的に好ましい例としてはオクタノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、ノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、オクタノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、ノナノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、デカノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシ−o−又は−p−ベンゼンカルボン酸、及びこれらの塩が挙げられる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましく、特にナトリウム塩が溶解性の点から好ましい。
【0044】
これらの中でも特にノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ−p−ベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸及びこれらの塩が親油性汚れ漂白効果の点から好ましい。本発明のA剤には漂白活性化剤を0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%配合することが漂白効果の点から好ましい。
【0045】
本発明のB剤には洗浄効果を高める目的で溶剤を配合することが好ましい。溶剤としては(1)炭素数1〜5の1価アルコール、(2)炭素数2〜12の多価アルコール、(3)下記の一般式(5)で表される化合物、(4)下記の一般式(6)で表される化合物、(5)下記の一般式(7)で表される化合物が好ましい。
【0046】
【化5】
Figure 0004675519
【0047】
〔式中、R16及びR17は、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すが、R16及びR17の双方が水素原子となる場合を除く。gは0〜10の数を、hは0〜10の数を示すが、g及びhの双方が0である場合を除く。R18及びR19は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。R20は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕。
【0048】
(1)の炭素数1〜5の1価アルコールとしては、一般的にエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。これらの低級アルコールを配合することにより低温における系の安定性を更に向上させることができる。
【0049】
(2)の炭素数2〜12の多価アルコールとしては、イソプレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0050】
(3)の化合物は、一般式(5)において、R16、R17がアルキル基である場合の炭素数は1〜4が特に好ましい。また、一般式(5)中、EO及びプロピレンオキシドの平均付加モル数のg及びhは、それぞれ0〜10の数である(g及びhの双方が0である場合を除く)が、これらの付加順序は特に限定されず、ランダム付加したものであってもよい。(3)の化合物の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=2〜3)ポリオキシプロピレン(p=2〜3)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このうち、洗浄力及び使用感の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
【0051】
また、(4)の化合物としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なものとして例示され、(5)の化合物としてはアルキルグリセリルエーテル化合物が好適なものとして例示され、好ましくはR20が炭素数3〜8のアルキル基の化合物である。
【0052】
これらのなかでも本発明の性質を満たすために(1)、(2)、(3)、(5)の水溶性溶剤が好ましく、特にエタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールモノフェニルエーテルから選ばれる溶剤が好ましい。
【0053】
本発明のB剤は、このような溶剤を0〜20質量%、更に5〜20質量%含有することが良好である。
【0054】
本発明では上記A剤及びB剤を混合して漂白洗浄を行うものであり、使用時の混合比率が変動した場合にも、高いpHとなることが漂白効果の点から好ましい。このため、本発明では、A剤とB剤として、A剤/B剤=1/3〜3/1、更に1/5〜5/1、特に1/10〜10/1の質量比で混合した混合液のpHが、前記質量比の範囲の何れにおいても、20℃において8.5以上となるものが用いられる。該pHは、好ましくは8.8以上、更に好ましくは9.5以上、特に好ましくは9.8以上であり、上限は11.5以下が好ましく、11以下が更に好ましい。該混合液のpHが、前記何れの混合比においても、前記の範囲内にある場合は、充分な漂白効果を有する。
【0055】
また、更に良好な漂白効果を得るために、A剤とB剤を質量比でA剤/B剤=1/3〜3/1、更に1/5〜5/1、特に1/10〜10/1の範囲で混合した混合液を0.1質量%となるように水で希釈した液の20℃におけるpHが、前記質量比の範囲の何れにおいても、8.5以上、更に8.8以上であることが好ましく、上限は、11.5以下が好ましく、11以下が更に好ましい。
【0056】
上記から、本発明の2剤型液体漂白剤は、使用の際のA剤とB剤の混合比率が、質量比でA剤/B剤=1/3〜3/1、更に1/5〜5/1、特に1/10〜10/1となるように、A剤、B剤の組成や容器を設計することが、漂白洗浄効果の点から好ましい。
【0057】
更に良好な安定性と漂白効果を得るためには、20℃においてA剤1000mlのpHを7にするために必要な0.1規定水酸化ナトリウム水溶液の量をX(ml)とし、20℃においてB剤1000mlのpHを7にするために必要な1規定硫酸水溶液の量をY(ml)とすると、XとYの関係は、(Y/10)<X<Y×(10/3)であることが好ましく、(Y/10)<X<Yであることがより好ましい。
【0058】
20℃における粘度はA剤及びB剤いずれも好ましくは3〜300mPa・s、更に好ましくは4〜200mPa・sの範囲に調整することが使い勝手の点から好適である。このような粘度に調整するために本発明ではA剤及び/又はB剤に粘度調整剤を配合することができる。粘度調整剤としては炭素数1〜3のアルキル基、もしくはヒドロキシ基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸、分子量3000〜100000のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを用いることができる。このような粘度調整剤の含有量は、A剤及び/又はB剤中、好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
【0059】
更に、本発明のB剤は金属イオン封鎖剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる金属イオン封鎖剤としては、下記(i)〜(viii)のものが挙げられ、なかでも(ii)、(v)、(vi)及び(vii)からなる選ばれる少なくとも1種が好ましく、(ii)から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
(i)フィチン酸等のリン酸系化合物のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(ii)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(iii)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(iv)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(v)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(vi)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩
(vii)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(viii)アミノポリ(メチレンホスホン酸)のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0060】
このような金属イオン封鎖剤の含有量は、B剤中に好ましくは0〜5質量%、更に好ましくは0.01〜1質量%である。
【0061】
本発明のA剤及び/又はB剤には、上記成分の他に通常漂白剤に添加される公知の成分を添加することができる。例えば、過酸化水素の安定化剤として公知の硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ケイフッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のマグネシウム塩及び珪酸ソーダのような珪酸塩類を用いることが好ましい。更に、必要に応じてカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールのような再汚染防止剤等を添加することが好ましい。
【0062】
また、本発明のA剤及び/又はB剤には、更に種々の化合物を含有させることができる。例えば、過酸化水素の安定化剤として知られているリン酸、バルビツール酸、尿酸、アセトアニリド、オキシキノリンやフェナセチン等に代表されるアミノポリカルボン酸類、及び、DL−α−トコフェロール、没食子酸誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等を添加することが好ましい。これらの安定化剤はA剤及び/又はB剤中に、好ましくは通常0〜5質量%程度、更に好ましくは0.01〜3質量%含有させるのが良い。
【0063】
また、本発明のA剤及び/又はB剤には、変退色防止剤として公知の物資を含むことが好ましい。このような物質としてはフェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、チロシン、メチオニン等のアミノ酸及びアミノ酸塩類、及びヒドロキシイミノジ酢酸等のアミノ又はイミド化合物、更にはアクリロニトリルと第四級アンモニウム基を有するアクリロニトリルと共重合可能なモノマーの一種又は二種以上とのコポリマー等である。なお、アミノ酸には光学異性体が存在するが、本発明の効果においては光学異性体は関与しない。従って、化学的に合成したアミノ酸を使用することも可能である。
【0064】
また、本発明のA剤及び/又はB剤には、漂白繊維に対する漂白効果を増すために蛍光増白剤として、チノパールCBS(チバ・ガイギー社製)、チノパールSWN(チバ・ガイギー社製)や、カラー・インデックス蛍光増白剤28、40、61、71等のような蛍光増白剤や、漂白性能を向上させるために従来公知の酵素(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ)を必要に応じて配合することが好ましい。
【0065】
また、本発明のA剤及び/又はB剤には、染料や顔料のような着色剤、香料、シリコーン類、殺菌剤、紫外線吸収剤等の種々の微量添加物を適量配合することが好ましい。
【0066】
また、上記成分の他に通常添加される公知の成分を添加することができる。低温での液の安定性及び凍結復元性を改善したり、高温での液分離を防止する目的でハイドロトロープ剤を配合することが好ましい。このようなハイドロトロープ剤としては、一般的には、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩等に代表される短鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等に代表されるアルコール及び多価アルコール等が好ましい。ハイドロトロープ剤はA剤及び/又はB剤中に0〜30質量%程度配合することが好ましい。
【0067】
本発明の2剤型液体漂白剤は、衣料用洗剤、衣料用漂白助剤、衣料用塗布洗浄剤、まな板、湯飲み茶碗、シンク等の台所用漂白剤、食器用洗剤、風呂用、壁用、絨毯用の漂白洗浄剤から選択される用途に使用されることが好ましい。また、衣料の漂白洗浄に使用することが更に好ましい。
【0068】
本発明の2剤型液体漂白剤は、水道水に予めA剤、B剤を溶解させた水溶液(好ましくは0.05〜30質量%)に衣料を浸漬させて漂白することができる。また、本発明の2剤型液体漂白剤は、従来公知の衣料用洗剤と混合して使用することもできる。漂白時に、A剤及び/又はB剤を30〜50℃に加温することも好ましい。
【0069】
更に、通常の洗濯機での洗濯において、本発明の2剤型液体漂白剤を従来公知の衣料用洗剤と混合して使用することもできる。
【0070】
また、本発明の2剤型液体漂白剤は、衣料に直接塗布して放置後、水洗する漂白方法に用いることができる。また、衣料に直接塗布して放置後、通常の洗濯機での洗濯で従来公知の衣料用洗剤と混合して使用することもできる。塗布した後の放置時間は、0〜180分が好ましく、更に1〜60分が更に好ましい。
【0071】
また、本発明の2剤型液体漂白剤を衣料用洗剤として使用する場合には、本発明の2剤型液体漂白剤を用いて通常の洗濯機での洗濯を行うこともでき、あるいは衣料に直接塗布して放置後に通常の洗濯機での洗濯を行うこともできる。
【0072】
本発明の2剤型液体漂白剤は、特に上記のような混合比率を容易に達成する目的で、A剤及びB剤を同時に吐出可能な吐出部を具備した容器を用いることが好ましい。また、容器は、A剤、B剤を分離して保持できるものであり、例えばA剤とB剤をそれぞれ異なる格納部に収納可能な一体型容器、A剤を収納可能な容器とB剤を収納可能な容器とを適当な部材で接合した連結型容器が挙げられる。特に、本発明に用いられる容器の吐出部の開口面積は、A剤吐出部とB剤吐出部が面積比で1/10〜10/1、更に1/5〜5/1、特に1/3〜3/1が吐出量を調整する上で好ましい。吐出量の調整は、A剤とB剤の粘度及び吐出部の開口面積や形状を調整することにより公知の方法で達成することができる。具体的な容器の模式図を図1、図2に示す。図1中(11)、(12)はA剤又はB剤の収容部であり、一方にA剤が、他方にB剤が収容される。各収容部は(13)の隔壁により分離され、該容器中ではA剤とB剤は分離して保持される。(14)はA剤及びB剤を同時に吐出する吐出部である。また、図2中(21)、(22)はA剤又はB剤の収容部であり、一方にA剤が、他方にB剤が収容される。これらは(23)の接合部で接合されている。(24)はA剤及びB剤を同時に吐出する吐出部である。
【0073】
また、本発明に用いられる容器は、図1、2のような、A剤及びB剤を計量できるキャップ(1−1)、(2−1)を使用することが好ましい。このようなキャップを用いることにより、A剤とB剤とを計量する工程において両者を混合した後に汚れに作用させることが可能になり、高い漂白性能を得ることができる。
【0074】
【実施例】
表1に示すA剤及び表2に示すB剤を、表3に示す組み合わせで図1又は図2の容器に充填して、2剤型液体漂白剤を調製し、貯蔵安定性及び漂白効果を以下の方法で評価した。結果を表3に示す。用いた容器は以下の通りである。
【0075】
なお、表1、2中のpHは20℃にて測定した値であり、10質量%硫酸水溶液又は30質量%NaOH水溶液を用いて調整した。
【0076】
また、表3中の混合液のpHは、A剤とB剤を、A剤/B剤=3/1の質量比となるように混合した混合液のpHを20℃にて測定した値である。なお、実施例1〜4は、A剤とB剤を質量比で、1/3〜3/1の範囲で混合した混合液のpHが、前記質量比の範囲の何れにおいても、20℃において8.5以上であった。
【0077】
また、表1、2に、20℃においてA剤1000mlのpHを7にするために必要な0.1規定水酸化ナトリウム水溶液の量(以下、A剤の0.1規定NaOH必要量という)、及び20℃においてB剤1000mlのpHを7にするために必要な1規定硫酸水溶液の量(以下、B剤の1規定H2SO4必要量という)を、以下の方法で測定した結果を併せて示した。
【0078】
<容器1>
図1の形状で、本体部は直径9cm、高さ22cm、首部の直径は3.5cm、キャップ部は直径3.5cm、高さ3cmであるポリエチレン製の容器。
【0079】
<容器2>
図2の形状で、本体外容器部は直径7cm、高さ26cm、首部の直径は3.5cm、本体内容器部は直径4cm、高さ25cm、首部の直径は0.9cm、キャップ部は直径3.5cm、高さ5cmであるポリエチレン製の容器。A剤は収容部(21)(外容器)に、B剤は収容部(22)(内容器)に充填した。
【0080】
<貯蔵安定性>
表3の2剤型液体漂白剤から、A剤とB剤の混合液をキャップに注ぎ、次にキャップの混合液を排出した。ここで、混合液のA剤、B剤の比率は表3の通りであり、合計の吐出量は、容器1では25ml、容器2では40mlとした。その後、直ちに容器をキャップで密封し、2時間室温(23℃)で放置した。この操作を5回繰り返した後、容器をキャップで密封した状態で、40℃の恒温室に貯蔵した。4週間貯蔵後、容器の外観を下記の基準で目視により判定した。
容器の膨れは見られない…5
やや容器の膨れが見られる…4
容器が膨れている…3
容器が著しく膨れている…2
容器が破損している…1
5本の平均を求め、平均点が4以上を○、3以上4未満を□、2以上3未満を△、2未満を×として判定し表3に示した。
【0081】
<漂白効果>
表3の2剤型液体漂白剤からA剤とB剤を、合計1ml(A剤とB剤の比率は表3の通り)となるように吐出させ、下記の通り調製したカレー汚染布(親油性汚れ)4枚に、1枚ずつ塗布し、5分間放置した。その後、濃度0.0667質量%の市販洗剤水溶液に投入し、ターゴトメーターにて普通洗浄した(80rpm×10分)後、水道水ですすぎ、乾燥させて、次式により漂白率を算出した。
【0082】
【数1】
Figure 0004675519
【0083】
反射率は日本電色工業(株)製ND−300Aで460nmフィルターを使用して測定した。
【0084】
<カレー汚染布の調製>
ハウス食品製レトルトカレー(カレーマルシェ)の固形分をメッシュで除去した後、得られた液を煮沸するまで加熱した。この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、約2時間程度放置後、布を取りだし、余分に付着しているカレー液をへらで除去し自然乾燥させた。その後プレスし、10cm×10cmの試験片として実験に供した。
【0085】
<A剤の0.1規定NaOH必要量の測定>
A剤1000mlをビーカーにとり、0.1規定NaOH水溶液を、ビュレットを用いて滴下し、攪拌し、pHメーター(堀場製作所製 pH METER F−14)にてpH値を測定した。なお、測定は20℃の恒温室にて、各溶液及び実験器具を20℃にして行った。
【0086】
<B剤の1規定H2SO4必要量の測定>
B剤1000mlをビーカーにとり、1規定H2SO4水溶液を、ビュレットを用いて滴下し、攪拌し、pHメーター(堀場製作所製 pH METER F−14)にてpH値を測定した。なお、測定は20℃の恒温室にて、各溶液及び実験器具を20℃にして行った。
【0087】
【表1】
Figure 0004675519
【0088】
1)1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
2)エチレンジアミン4酢酸
3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均付加モル数6)
4)RO(C24O)n(C36O)m−H(R:ラウリル、n:5、m:3)
5)アルキル(炭素数12〜15)ベンゼンスルホン酸ナトリウム
6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(EO平均付加モル数2)
7)α−オレフィン(炭素数16)スルホン酸ナトリウム
8)N−テトラデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド
9)N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン
10)ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
【0089】
【表2】
Figure 0004675519
【0090】
11)ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量10000)
12)p−トルエンスルホン酸ナトリウム
【0091】
【表3】
Figure 0004675519
【0092】
また、表1に示すA剤及び表2に示すB剤を、表4に示す組み合わせで調製した2剤型液体漂白剤について、A剤/B剤吐出量比を表4のように変更した場合の漂白効果を評価した。評価は、図2の容器を用い、A剤を400ml、B剤を200ml充填し、吐出部の開口面積を調整することで吐出量比を変更して行った。漂白効果は、前記した方法で測定した漂白率が65%以上を「○」、40%以上65%未満を「△」、40%未満を「×」として評価した。結果を表4に示す。
【0093】
【表4】
Figure 0004675519
【0094】
【発明の効果】
本発明の2剤型液体漂白剤は、A剤、B剤共、適度な緩衝能を有しているため、貯蔵安定性に優れており、混合比率が変動した場合でも漂白効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】A剤、B剤を収容する2剤型容器の一例を示す模式図
【図2】A剤、B剤を収容する2剤型容器の他の例を示す模式図
【符号の説明】
(11)、(12):A剤又はB剤の収容部
(13):隔壁
(14):吐出部
(1−1):キャップ

Claims (5)

  1. 過酸化水素0.1〜10質量%、アルカノイルオキシベンゼン型漂白活性化剤及び水を含有する組成物からなるA剤、並びに、アルカリ剤及び水を含有する組成物からなるB剤とを、A剤とB剤とを分離して保持する容器に充填してなる2剤型液体漂白剤であって、下記の(I)及び(II)を満足する2剤型液体漂白剤。
    (I)A剤のpHが20℃において1〜6.5であり、20℃においてA剤1000mlのpHを7にするために必要な0.1規定水酸化ナトリウム水溶液の量が50〜1000mlである。
    (II)B剤のpHが20℃において9〜12であり、20℃においてB剤1000mlのpHを7にするために必要な1規定硫酸水溶液の量が450〜2000mlである。
  2. 更に下記の(III)を満足する請求項1記載の2剤型液体漂白剤。
    (III)A剤とB剤を質量比で、1/3〜3/1の範囲で混合した混合液のpHが、前記質量比の範囲の何れにおいても、20℃において8.5以上である。
  3. 20℃においてA剤1000mlのpHを7にするために必要な0.1規定水酸化ナトリウム水溶液の量X(ml)と、20℃においてB剤1000mlのpHを7にするために必要な1規定硫酸水溶液の量Y(ml)とが、(Y/10)<X<Y×(10/3)を満たす請求項1又は2記載の2剤型液体漂白剤。
  4. B剤が、カルボン酸系ポリマーを0.5〜10質量%含有する請求項1〜3の何れか1項記載の2剤型液体漂白剤。
  5. 請求項1〜の何れか1項記載のA剤とB剤を、1/3〜3/1の質量比で混合後、対象物と接触させる漂白方法。
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