JP4670473B2 - 静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法 - Google Patents
静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
ここでは、テトラブチルチタネートなどの従来型の重縮合触媒を用い、また単量体としては、多価カルボン酸として無水トリメリット酸(TMA)、2価カルボン酸としてテレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、芳香族ジオールとしてポリオキシプロピレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA−PO)、ポリオキシエチレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA−EO)、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール(EG)などを用い、常圧窒素気流下にて220℃で15時間反応し後、順次減圧し、10mmHgで反応を行い、重量平均分子量約5,000から90,000のポリエステルを作製し、さらにその後、着色剤、ワックスなどと溶融混練した後、溶融混練物MB1を190℃まで加熱して分散乳化機であるキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック)に投入し、0.5重量%の希アンモニア水を加え熱交換機で160℃に加熱しながら毎分1Lの速度でキャビトロンに送り込み、分散後の分散液スラリーを60℃まで冷却して取り出すという方法を用いている。
トナー化のためには、さらにこの分散液を用いて、凝集、融着し、洗浄、乾燥を行っているが、このような方法では、樹脂製造時、樹脂乳化時のエネルギーが莫大なものとなることは明らかであり、実用に供し得ないと考えられる。
また、このような高エネルギー条件下における乳化分散は、樹脂の分解などを招きやすく、組成の偏在の発生や、分散液中で樹脂粒子の粒径分布の均一性を実現することが難しいなどの問題が生じ、これらの材料を用いたトナーにおいては、初期の画質は勿論、連続プリント時の画質安定性などに問題を生じやすい。
<1> 重縮合触媒として界面活性効果を有する酸を用い重縮合性単量体を重縮合して重縮合樹脂を得る工程、及び、塩基を加えた水系媒体中に前記重縮合樹脂を分散し、樹脂粒子のメジアン径が0.05μm以上2.0μm以下である樹脂粒子分散液を得る工程を含むことを特徴とする静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法、
<2> 少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、上記<1>に記載の製造方法により得られた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液であることを特徴とする静電荷像現像トナーの製造方法、
<3> 上記<2>に記載の静電荷像現像トナーの製造方法により得られた静電荷像現像トナー、
<4> 上記<3>に記載の静電荷像現像トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<5> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして上記<3>に記載の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として上記<4>に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液は、界面活性効果を有する酸の塩を含有する水系媒体中に、メジアン径0.05μm以上2.0μm以下の重縮合樹脂粒子が分散していることを特徴とする。
これによって、初期画質は、勿論のこと、連続プリント時においても安定した高画質を維持できるようになる。
なお、重縮合樹脂粒子のメジアン径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
本発明の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液(以下、単に本発明の樹脂粒子分散液ともいう。)の製造方法は、重縮合触媒として界面活性効果を有する酸を用い重縮合性単量体を重縮合して重縮合樹脂を得る工程、及び、塩基を加えた水系媒体中に前記重縮合樹脂を分散し、樹脂粒子のメジアン径が0.05μm以上2.0μm以下である樹脂粒子分散液を得る工程を含むことを特徴とする。
本発明の樹脂粒子分散液を得るには、例えば、まず、目的とする樹脂原料として重縮合性単量体と界面活性効果を有する酸を溶融混合した後、加熱、撹拌、常圧または減圧下で保持し、重合体を得た後、加熱状態で、触媒である酸を中和するための塩基を含んだ熱水と混合し、ホモジナイザーなどにより分散乳化することにより得られる。重縮合時の加熱は、150℃以下であることが好ましく、70〜150℃がより好ましく、70〜140℃がさらに好ましい。上記範囲であると、重縮合樹脂の分解やその組成の偏在が発生せず、また、樹脂粒子分散液とした場合、樹脂粒子の粒径分布が均一となり好ましい。
この際、必要に応じて、他の重縮合触媒、界面活性剤なども併用することができる。
上記塩基を水系媒体中に添加すると、界面活性効果を有する酸の一部又は全てが中和され、界面活性効果を有する酸の塩が生じる。界面活性効果を有する酸の塩は水系媒体に溶解していても、水系媒体中で析出していてもよい。
添加する塩基の量としては、水系媒体への溶解性や塩基のpKa等にも依存するが、分散液が弱酸性から中性(pH=4〜8)に保たれる量であることが好ましく、界面活性効果を有する酸1当量に対し、0.01〜2当量であることが好ましく、0.05〜1当量がより好ましく、0.1〜0.8当量がさらに好ましい。
本発明に用いることのできる水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水やアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、蒸留水及びイオン交換水等の水が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂粒子分散液のpHとしては、4.0〜8.0であることが好ましく、5.0〜8.0であることがより好ましく、6.0〜8.0であることがさらに好ましい。
従来から、樹脂の水中分散乳化時に、水側に分散剤を加える例は多々あるが、この場合、よほど樹脂が低粘度化するような高温を付与しない限り、乳化に作用させることは困難であり、低温での乳化を実現できない。
また、樹脂の乳化性を高めるために、特開2002−351140号公報にあるように、酸価を付与したりして、自己水分散性とすることは、最終的にトナーとして用いる場合、樹脂としての親水性が高いために、帯電性の低下や、高温高湿・低温低湿下におけるトナー帯電性の大きな変化をもたらすために実用的ではない。
ここで用いる界面活性効果を有する酸は、比較的低分子で、水溶解性も高いために、トナー化のための凝集・融合後の洗浄時においてほとんどが除去されるために、トナー帯電性への影響を最小限度に押さえることができる。
乳化分散時の温度としては、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましい。上記範囲であると、重縮合樹脂の加水分解が発生せず、また、トナーの帯電性や定着性なども良好であり好ましい。
本発明に用いることのできる界面活性効果を有する酸の使用量は、重縮合性単量体の総重量に対し、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。
ランタノイドトリフラートについては、例えば、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54に詳述されている。
また、重縮合反応を水系媒体分散液中で行う場合には、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等のジオールを用いることが好ましい。これらのポリオールは水に難溶あるいは不溶であるため、ポリオールが水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行する。
また、上記のような、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物を混合して用いたり、酸側にテレフタル酸やフマル酸を単独または混合して用いることができる。
また、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
また高分子分散剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、無機分散剤としては、炭酸カルシウムなどを例示することが出来るが、これらはなんら本発明を制限するものではない。
さらに通常水系媒体中での単量体エマルジョン粒子のOstwald Ripning現象を防ぐためにしばしば、ヘプタノールやオクタノールに代表される高級アルコール類、ヘキサデカンに代表される高級脂肪族炭化水素類を安定助剤として配合することも可能である。
本発明の静電荷像現像トナーの製造方法は、少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(凝集工程)、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程(融合工程)を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、本発明の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法により得られた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液であることを特徴とする。この製造方法は、以下、乳化重合凝集法ともいう。
また、例えば、樹脂の乳化重合、顔料の分散、樹脂粒子の分散、離型剤の分散、凝集、凝集粒子の安定化などに界面活性剤を用いることができる。具体的には硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものを使用できる。
まず、着色剤としては次のようなものを使用することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート等を挙げることができる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等を挙げることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等を挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量であることが好ましい。
キャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明の静電荷像現像用トナー、または、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用でき、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、例えば、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程等が好ましく挙げられる。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
・ドデシルベンゼンスルホン酸 3.6重量部
・1,9−ノナンジオール 80.0重量部
・1,10−デカンジカルボン酸 115.0重量部
を500mlフラスコ中にて混合し、マントルヒーターで120℃に加熱し、混合物を融解した後、スリーワンモーターにて撹拌及び脱気しながら90℃に8時間保持すると内容物が粘調な溶融体となった。
同じく90℃に加熱したイオン交換水790重量部に1N NaOH水溶液2.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子の中心径が220nm、融点が71℃、重量平均分子量が14,000、固形分量が20%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。
また、樹脂粒子分散液(1)の粒子は、メジアン径が0.03μm以下又は5.0μm以上の粒子の全体比率(以下、大小粒子全体比率と記載)が、2.0%、分散液のpHは、7.5であった。
・ドデシルベンゼンスルホン酸 3.6重量部
・1,6−ヘキサンジオール 59重量部
・セバシン酸 101重量部
同じく80℃に加熱したイオン交換水650重量部に1N NaOH水溶液2.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子の中心径が240nm、融点が69℃、重量平均分子量が11,000、固形分量が20%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を得た。
また、樹脂粒子分散液(2)の粒子は、大小粒子全体比率が4.7%、分散液のpHは、6.8であった。
・ドデシル硫酸 3.0重量部
・1,9−ノナンジオール 80重量部
・アゼライン酸 94重量部
同じく70℃に加熱したイオン交換水650重量部に1N NaOH水溶液2.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子のメジアン径が190nm、融点が54℃、重量平均分子量が9,000、固形分量が20%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)を得た。
また、樹脂粒子分散液(3)の粒子は、大小粒子全体比率が0.8%、分散液のpHは、7.1であった。
・パラトルエンスルホン酸 2.5重量部
・ドデシルベンゼンスルホン酸スカンジウム(希土類含有触媒) 3.6重量部
・テレフタル酸 46重量部
・ポリオキシエチレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
34重量部
・エチレングリコール 20重量部
同じく90℃に加熱したイオン交換水425重量部に1N NaOH水溶液3.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で10分間乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子のメジアン径が280nm、ガラス転移点が55℃、重量平均分子量が13,500、固形分量が20%の非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(4)を得た。
また、樹脂粒子分散液(4)の粒子は、大小粒子全体比率が3.5%、分散液のpHは、7.8であった。
・ドデシルベンゼンスルホン酸 2.4重量部
・リパーゼ(シュードモナス属由来:酵素触媒) 10重量部
・1,9−ノナンジオール 80重量部
・1,10−デカンジカルボン酸 115重量部
同じく80℃に加熱したイオン交換水820重量部に1N NaOH水溶液2.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中にて、10分乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子のメジアン径が180nm、融点が70℃、重量平均分子量が15,000、固形分量が20%の非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(5)を得た。
また、樹脂粒子分散液(5)の粒子は、大小粒子全体比率が4.2%、分散液のpHは、6.3であった。
・ドデシルベンゼンスルホン酸 1.8重量部
・1,9−ノナンジオール 80重量部
・1,10−デカンジカルボン酸 115重量部
同じく90℃に加熱したイオン交換水790重量部に中和用塩基を加えずにフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子のメジアン径が2,050nm、融点が70℃、重量平均分子量が9,500、固形分量が20%の結晶生ポリエステル樹脂粒子分散液(6)を得た。
また、樹脂粒子分散液(6)の粒子は、大小粒子全体比率が10.8%、分散液のpHは、2.5であった。
・ドデシルベンゼンスルホン酸 3.6重量部
・1,4−ブタンジオール 45重量部
・アゼライン酸 94重量部
同じく80℃に加熱したイオン交換水570重量部に1N NaOH水溶液2.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で10分間乳化した後、さらに超音波バス中にて、10分乳化した後、室温水にてフラスコを冷却した。
これにより樹脂粒子のメジアン径が40nm、融点が47℃、重量平均分子量が21,000、固形分量が20%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(7)を得た。
また、樹脂粒子分散液(7)の粒子は、大小粒子全体比率が10.8%、分散液のpHは、7.2であった。
なお、表中、樹脂粒子分散液の安定性の評価基準は、
「◎」をまったく凝集発生なしとし、
「○」をわずかに凝集発生するが問題なしとし、
「△」を若干の凝集発生とし、
「×」を多量の凝集発生とした。
これに対し、比較例のように、重縮合した樹脂を乳化分散した重縮合樹脂粒子であっても、そのメジアン径が所定の範囲から外れたり、別途、重縮合樹脂を得た後、水系媒体中に分散した重縮合樹脂粒子の場合、そのメジアン径が所定の範囲内であっても、樹脂粒子分散液の安定性に劣ることがわかる。
・スチレン 460重量部
・n−ブチルアクリレート 140重量部
・アクリル酸 12重量部
・ドデカンチオール 9重量部
また、樹脂粒子分散液(8)の粒子は、大小粒子全体比率が0.2%であった。
・黄色顔料(大日精化社製、Y74) 50重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR) 5重量部
・イオン交換水 200重量部
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにシアン顔料(大日精化社製、銅フタロシアニン B15:3)を用いた以外は着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径(メジアン径)190nm、固形分量21.5%のCyan着色剤粒子分散液(2)を得た。
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにマゼンタ顔料(大日インキ化学社製、PR122)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径(メジアン径)165nm、固形分量21.5%のMagenta着色剤粒子分散液(3)を得た。
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりに黒顔料(キャボット製、カーボンブラック)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)と同様に調製して、中心径(メジアン径)170nm、固形分量21.5%のBlack着色剤粒子分散液(4)を得た。
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP9;融点70℃) 50重量部
・アニオン性界面活性剤(ローデイア製 ダウファクス) 5重量部
・イオン交換水 200重量部
(トナー粒子の調製)
・樹脂粒子分散液(1) 210重量部(樹脂42重量部)
・樹脂粒子分散液(8) 50重量部(樹脂21重量部)
・着色剤粒子分散液(1) 40重量部(着色剤8.6重量部)
・離型剤粒子分散液 40重量部(離型剤8.6重量部)
・ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部
・イオン交換水 300重量部
上記現像剤を使用し、富士ゼロックス社製のDocuCenterColor500の改造機において、転写用紙として富士ゼロックス社製Jコート紙を使用し、プロセススピードを180mm/secに調整してトナーの定着性を調べたところ、PFAチューブ定着ロールによるオイルレス定着性は良好であり、最低定着温度は115℃以上で、画像は充分な定着性を示すとともに転写用紙は何ら抵抗無く剥離されていることが確認された。 なお、最低定着温度は、定着温度を低温(通常、70℃前後)から徐々に昇温していった場合に、画像を定着した後、白色のガーゼを用いて摺擦し、画像の汚染やトナーのガーゼへの付着がみられなくなる定着温度とした。
上記改造機を用い上記と同様の条件で画像品質を調べたところ、定着温度140℃における画像の表面光沢は65%と良好であり、現像性、転写性とも良好であり、画像欠陥もなく高品質で良好な画像(○)を示した。
また、上記改造機を用い上記と同様の条件で定着温度を徐々に昇温し、ホットオフセットの発生を調べたところ、定着温度200℃においてもホットオフセットの発生は見られなかった。
また、上記改造機において、23℃55%RHで5万枚の連続プリント試験を行ったが、初期の良好な画質を最後まで維持した。(連続試験維持性:○)
実施例6において、樹脂粒子分散液(1)から樹脂粒子分散液(2)に変更し、着色剤粒子分散液(1)から着色剤粒子分散液(2)に変更し、95℃加熱時のpHを5.0に維持した以外は、実施例6と同様にしてトナー粒子を得た。
また、上記改造機において、23℃55%RHで5万枚の連続プリント試験を行ったが、初期の良好な画質を最後まで維持した。(連続試験維持性:○)
実施例6において、樹脂粒子分散液(1)から樹脂粒子分散液(3)に変更し、樹脂粒子分散液(8)から樹脂粒子分散液(4)に変更し、着色剤粒子分散液(2)から着色剤粒子分散液(3)に変更し、かつポリ塩化アルミ量を0.12重量部とした以外は、実施例6と同様にしてトナー粒子を得た。
また、上記改造機において、23℃55%RHで5万枚の連続プリント試験を行ったが、初期の良好な画質を最後まで維持した。(連続試験維持性:○)
実施例6において、樹脂粒子分散液(1)から樹脂粒子分散液(5)に変更し、着色剤分散液を(1)から(4)に変更した以外は、実施例6と同様にしてトナー粒子を得た。
また、上記改造機において、23℃55%RHで5万枚の連続プリント試験を行ったが、初期の良好な画質を最後まで維持した。(連続試験維持性:○)
実施例7において、樹脂粒子分散液(2)から樹脂粒子分散液(6)に変更し、実施例7と同様にしてトナー粒子を得た。
また、上記改造機において、23℃55%RHでの連続プリント試験を行ったが、初期の画質から、画像中の白抜けがさらに悪化し、5,000枚にて評価を打ち切った。(連続試験維持性:×)
実施例7において、樹脂粒子分散液(2)から樹脂粒子分散液(7)に変更し、実施例7と同様にしてトナー粒子を得た。
なお、画像品質の評価基準は、
「◎」を極めて良好とし、
「○」を良好とし、
「×」を画像欠陥発生とした。
また、連続試験維持性の評価は、各実施例及び比較例で上述した通りである。
これに対し、比較例のように、重縮合した樹脂を乳化分散した重縮合樹脂粒子であっても、そのメジアン径が所定の範囲から外れたり、別途、重縮合樹脂を得た後、水系媒体中に分散した重縮合樹脂粒子の場合、そのメジアン径が所定の範囲内であっても、トナー特性(ホットオフセット温度、画質品質、連続試験維持性)が実施例よりも悪化していることがわかる。
Claims (5)
- 重縮合触媒として界面活性効果を有する酸を用い重縮合性単量体を重縮合して重縮合樹脂を得る工程、及び、
塩基を加えた水系媒体中に前記重縮合樹脂を分散し、樹脂粒子のメジアン径が0.05μm以上2.0μm以下である樹脂粒子分散液を得る工程
を含み、
前記界面活性効果を有する酸が、アルキル基若しくはアラルキル基を有するスルホン酸、アルキル基若しくはアラルキル基を有する硫酸エステル、又は、これらの塩化合物であることを特徴とする
静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法。 - 少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、
該凝集粒子を加熱して融合させる工程
を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、
前記樹脂粒子分散液が、請求項1に記載の製造方法により得られた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液であることを特徴とする
静電荷像現像トナーの製造方法。 - 請求項2に記載の静電荷像現像トナーの製造方法により得られた静電荷像現像トナー。
- 請求項3に記載の静電荷像現像トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、
前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と
を含む画像形成方法であって、
前記トナーとして請求項3に記載の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として請求項4に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする
画像形成方法。
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