JP4665841B2 - 車両用警告装置 - Google Patents
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Description
ところが、こうした車両用警告装置では、単に自車両と前方車両との接近状態に基づいて警報するものであるため、運転者がその状態に気づいているか否かに関わらず警報を発する。従って、運転者がそうした接近状態に気がついていない場合には有効ではあるものの、運転者が接近状況を認識して許容している場合には、自車両が前方車両に接近するたびに警報が発せられて逆にわずらわしさに繋がってしまう。
従って、脇見運転をしている運転者には注意喚起を与えるため、脇見運転に対する安全性が向上する。また、正面を向いて障害発生の可能性を認知できる運転者に対しては注意喚起を与えないため、警告が運転者にとって煩わしいものとはならない。
運転者が正面を向いている場合であっても、自車両の走行上における障害の発生の可能性が高い場合には、運転者に対して警告する必要がある。そこで、本発明では、障害の発生の可能性が第2レベルよりも高い第1レベル以上あると判断された場合には障害警告手段が作動して運転者に対して警告する。この場合、運転者にとって煩わしいものとはならない。
従って、正面を向いている運転者にとっては必要以上に早いタイミングでの警告を行わず、脇見運転者に対しては早めに警告することで、運転者の状況に応じた適正なタイミングの注意喚起を行うことができる。しかも、運転者の運転状態を監視するシステムが必要なく低コストにより実施できる。
従って、運転者は、脇見をしていたときに、この光により注意喚起を受ける。
この場合、上記光警告手段は、車両のインストルメントパネルの下方に発光部を備え、その発光部から運転席あるいは助手席の足元位置に光を照射するとよい。
この場合、上記光警告手段は、上記中央操作パネル部の下方に発光部を備え、その発光部から後方のコンソール部に向けて光を照射するとよい。
尚、発光部が設けられる前方ピラーの近傍とは、前方ピラーそのものも含むものであり、また、発光部は、前方ピラーの左右いずれか、あるいは両方に設けたものであってもよい。
例えば、走行上における障害発生の可能性があると判断される代表的なケースとして、先行車両のブレーキ操作により先行車両との車間距離が短くなった場合がある。こうしたケースでは、先行車両のストップランプが赤く点灯するため、運転者はその点灯により注意喚起されるが、脇見をしているとストップランプの点灯に気がつかない。
そこで本発明では、脇見時にこの赤色光を運転者に視認させることで、運転者に注意喚起するだけでなく、先行車両のブレーキ操作と光警告手段の赤色発光との関係を容易に理解させることができる。例えば、先行車両がブレーキ操作して車間距離が短くなると、そのストップランプの赤い光が自車両内に漏れてくるといったイメージを運転者に与えて、光警告手段の発光により前方車両に接近していることを認知させることができる。
本実施形態の車両用警告装置は、自車両の走行上における障害が発生する可能性があるときに、その旨を運転者に警告するもので、CPU,RAM,ROM,タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要部として備える電子制御ユニット20(以下、ECU20と呼ぶ)と、自車両の前方に存在する障害物(先行車両)を検知するレーダセンサ30と、車両の走行速度を検出する車速センサ40と、走行上における障害が発生する可能性があるとき運転者に警報を発する障害警告装置50と、運転者が正面視しているときには運転者には見えない位置に光を照射、あるいはその位置で点灯する脇見警告装置60とを備える。
これにより、レーダセンサ30は、レーダアンテナがミリ波や赤外線を送信し、反射されたミリ波や赤外線を受信するまでの時間差を、所定の角度範囲内に存在する先行車両からの距離に応じた信号としてECU20に出力する。ECU20は、レーダセンサ30から検出信号を取得すると、その取得した信号に基づいて自車両と先行車両との間の距離Lを検出する。
障害警告装置50は、電源ラインにスイッチング素子53を備え、ECU20からの警告報知信号によりスイッチング素子53をオンして、警告表示ランプ51と警告ブザー52とを同時に作動させるように構成される。
本実施形態においては、光照射器61の各ランプとして、指向性を有し赤色光を発するLEDが用いられる。
また、電源ラインには、ユーザーが任意に脇見警告ランプを追加接続するための2組の接続端子t1,t2を備えている。
図3において、領域A、領域Bは、どちらも運転者が正面(中心位置O)と同時に視認できる範囲であり、領域Aは、運転者が目を動かすだけで見える範囲、領域Bは、頭を動かせば見える範囲を表す。
一般に、運転者が目を動かすだけで見える領域Aは、正面中心位置Oに対して上下14°、左右27°程度である。また、運転者が頭を動かせば見える領域Bは、正面中心位置Oに対して上下45°、左右75°程度である。
正面を見ることができない状態となる脇見とは、この範囲から外の範囲を見ることをいう。
従って、上述した脇見警告装置60の光照射器61は、この領域の外に設けられることとなる。
この走行障害警告制御ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチの投入により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
続いて、ステップS12において、入力した車速Vxが所定速度V0(例えば、時速5Km/時)以上であるか否かを判断し、Vx<V0である場合には(S12:NO)、自車両が走行中ではないと判断して、本制御ルーチンを一旦終了する。
続いて、ステップS14において、先行車両と自車両との相対速度VRを算出する。
レーダセンサ30は、自車両から先行車両までの車間距離Lを表す信号を所定の周期で出力する。従って、ECU20は、レーダセンサ30から得た車間距離データを直近の所定時間分だけ記憶しておき、所定時間前の前回車間距離Loldと、最新の今回車間距離Lnewとの差分を所定時間Δtで除算することにより相対速度VRを算出する。
VR=(Lold−Lnew)/Δt
尚、前回車間距離Loldは、本制御ルーチンの開始時には図示しない初期設定処理により「0」に設定されている。この場合、本制御ルーチンの初回に演算される相対速度VRは負の値となり、後述のステップS15にて「NO」と判定されるため実質的な処理が行われず問題とならない。
T=L/VR
この衝突の可能性の予測は、種々の変数に基づく予測式が採用され得るが、本実施形態においては、衝突予測時間Tの大きさに応じて、衝突の可能性のレベルを判断する。
ステップS17の判断が「NO」、つまり、衝突予測時間Tが第1基準時間T1より長い場合には、ステップS18に処理を進め、衝突予測時間Tが第2基準時間T2以下か否かを判断する。ステップS18において、衝突予測時間Tが第2基準時間T2よりも長いと判断した場合には、障害発生可能性が低い第3レベルにあるため本制御ルーチンを一旦終了する。
こうした判断を繰り返すうちに、自車両が先行車両に近づいて衝突予測時間Tが第2基準時間T2にまで低下すると、つまり、障害発生可能性が第2レベルに達すると、ステップS18の判断が「YES」となり、ECU20は、以下のステップS19の処理を行う。
この場合、赤色光が前方から後方に照射されることから、運転者は、あたかも先行車両のストップランプの光が、自車両の隙間(前方に形成された孔)から漏れてきているかのように感じる。従って、運転者は、この足元照射ランプ61a,61b,61cによる赤色光の照射から、先行車両がブレーキをかけていると直感的に判断し、正面に視線を移すようになる。
従って、運転者に対して確実に注意喚起することができる。
この結果、運転者は先行車両との衝突を回避することができる。そして、先行車両との車間距離が広がって衝突予測時間Tが第1基準時間T1より長くなれば(S17:NO)、警告表示ランプ51と警告ブザー52の作動が停止され、更に、衝突予測時間Tが第2基準時間T2より長くなれば(S18:NO)、脇見警告装置60の作動も停止される。
一方、障害の発生の可能性が高い場合には、運転者に対して確実に注意喚起する。
また、光照射器16の各ランプに指向性を設けて、後部座席の乗員には脇見警告を認識できないようにしているため、乗員に不安感を与えない。
例えば、図7に示す脇見警告装置100のように、光源101を収納した光源ボックス102に複数の光ファイバ103を接続し、この光ファイバ103の先端に設けた光照射ヘッド104を車両内の任意の脇見警告位置に配置するようにしてもよい。この場合、光源101の光が効率よく光ファイバ103に送られるように反射板105を設けるとよい。また、光源101の発光色を赤色、あるいは光照射ヘッド104のレンズを赤色にして赤色光を照射するようにするとよい。
この脇見警告装置100によれば、光源101の数に対して点灯箇所を増すことができる。また、光ファイバ103を用いているため、照射部における光の指向性をつけることも容易となる。
更に、障害発生の可能性判断の例として、例えば、ナビゲーションシステムの地図情報に危険路情報(急カーブ場所などの情報)を付加しておき、車両が危険区域に進入したときに、その進入度合いによって脇見警報、障害発生警告を分けて行うようにしてもよい。
Claims (9)
- 自車両の走行上における障害が発生する可能性を判断する障害発生予測手段と、
運転者が正面を見ているときに見ることができず、脇見をしたときに見える位置で運転者に対して警告を与える脇見警告手段と、
運転者が正面を見ているとき、あるいは運転者の視線方向に関わりなく運転者に対して認知可能に設けられ、運転者に対して警告する障害警告手段と、
上記障害発生予測手段により自車両の走行上における障害の発生の可能性が第2レベル以上あると判断された場合に、上記脇見警告手段を作動させる脇見警告制御手段と、
上記障害発生予測手段により自車両の走行上における障害の発生の可能性が上記第2レベルよりも高い第1レベル以上であると判断された場合に、上記障害警告手段を作動させる障害警告制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用警告装置。 - 上記脇見警告手段は、運転者が正面を見ているときに見ることができず、脇見をしたときに見える位置に光を照射する、あるいは脇見をしたときに見える位置で発光する光警告手段であることを特徴とする請求項1記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、運転席あるいは助手席の足元位置に光を照射することを特徴とする請求項2記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、車両のインストルメントパネルの下方に発光部を備え、その発光部から運転席あるいは助手席の足元位置に光を照射することを特徴とする請求項3記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、運転席と助手席との間の前方正面に設けられる中央操作パネル部に発光部を備えたことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、運転席と助手席との間のコンソール部に光を照射することを特徴する請求項2ないし請求項5の何れかに記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、上記中央操作パネル部の下方に発光部を備え、その発光部から後方のコンソール部に向けて光を照射することを特徴とする請求項6記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、前方ピラーの近傍に発光部を備えたことを特徴とする請求項2ないし請求項7の何れかに記載の車両用警告装置。
- 上記光警告手段は、赤色の光を発することを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の車両用警告装置。
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