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JP4662179B2 - ゴルフボール - Google Patents

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JP4662179B2 JP2007065948A JP2007065948A JP4662179B2 JP 4662179 B2 JP4662179 B2 JP 4662179B2 JP 2007065948 A JP2007065948 A JP 2007065948A JP 2007065948 A JP2007065948 A JP 2007065948A JP 4662179 B2 JP4662179 B2 JP 4662179B2
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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、ゴルフボールのディンプルの改良に関する。
ゴルフクラブで打撃されることにより、ゴルフボールはバックスピンを伴って飛行する。バックスピンにより、ゴルフボールに揚力が作用する。揚力により、ゴルフボールの十分な弾道高さと滞空時間が得られ、大きな飛距離が達成される。
過剰なバックスピンにより、ゴルフボールに大きな抗力が作用する。抗力は、飛距離を減じる。抗力抑制の観点からは、スピン速度は小さい方が好ましい。しかし、小さなスピン速度では、十分な揚力は得られない。
近年のゴルフボールでは、小さなスピン速度と大きな打ち出し角度とが達成されている。大きな打ち出し角度により、大きな弾道高さと滞空時間が得られる。大きな打ち出し角度は、揚力の不足を補う。しかし、この補いは、十分ではない。
特開2002−186684公報には、サイズの大きなディンプルを備えたゴルフボールが開示されている。サイズの大きなディンプルにより、スピン速度が小さい場合でも、大きな揚力が得られる。しかし、このゴルフボールでは、抗力は十分には抑制されない。
特開平9−70449号公報、特開2000−279553公報及び特開2004−321529公報には、断面形状に工夫がなされたディンプルを備えたゴルフボールが開示されている。しかし、これらゴルフボールでも、スピン速度が小さい場合の揚力は不十分である。
特開2002−186684公報 特開平9−70449号公報 特開2000−279553公報 特開2004−321529公報
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の関心事は、飛距離である。ゴルフボールの飛行性能には、改良の余地がある。本発明の目的は、飛行性能に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、その表面にランドと多数のディンプルとを備える。仮想球の表面積に対する全てのディンプルの合計面積の比率は、75%以上である。これらのディンプルの平均直径は、4.0mm以上である。その直径が4.3mm以上であるディンプルの数の、ディンプル総数に対する比率は、30%以上である。これらのディンプルは、特殊形状ディンプルを含む。特殊形状ディンプルは、下記(1)から(3)を具備する。
(1)環状であり、ディンプルのエッジにおいてランドと連続しており、上向きに凸である第一曲面を有する。
(2)碗状であり、上記第一曲面に連続しており、下向きに凸であり、曲率半径が10mm以上である第二曲面を有する。
(3)上記第一曲面と第二曲面との境界の深さが、ディンプルの深さの1%以上10%以下である。
好ましくは、特殊形状ディンプルの数の、ディンプルの総数に対する比率は、50%以上である。好ましくは、ディンプルの直径の標準偏差は、0.2mm以下である。
このゴルフボールでは、エッジの近傍に第一曲面が存在する。このエッジの近傍の形状は、従来のゴルフボールのそれとは異なる。第一曲面は、抗力の抑制に寄与する。さらに第一曲面により、適度な揚力が達成される。このゴルフボールは、飛行性能に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された模式的断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、カバー6とを備えている。カバー6の表面には、多数のディンプル8が形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル8以外の部分は、ランド10である。このゴルフボール2は、カバー6の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下である。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上がより好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下がより好ましい。
コア4は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。反発性能の観点からポリブタジエンが好ましく、特にハイシスポリブタジエンが好ましい。
コア4の架橋には、共架橋剤が好適に用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムである。ゴム組成物には、共架橋剤と共に有機過酸化物が配合されるのが好ましい。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
コア4のゴム組成物には、硫黄化合物、充填剤、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。ゴム組成物に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
コア4の直径は30.0mm以上、特には38.0mm以上である。コア4の直径は42.0mm以下、特には41.5mm以下である。コア4が2以上の層から構成されてもよい。コア4とカバー6との間に、中間層が設けられてもよい。
カバー6に好適なポリマーは、アイオノマー樹脂である。好ましいアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。この二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。この二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。
アイオノマー樹脂に代えて、又はアイオノマー樹脂と共に、他のポリマーが用いられてもよい。他のポリマーとしては、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性スチレンエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが例示される。
カバー6には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が適量配合される。比重調整の目的で、カバー6にタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末が配合されてもよい。
カバー6の厚みは0.3mm以上、特には0.4mm以上である。カバー6の厚みは2.5mm以下、特には2.2mm以下である。カバー6の比重は0.90以上、特には0.95以上である。カバー6の比重は1.10以下、特には1.05以下である。カバー6が2以上の層から構成されてもよい。
図2は図1のゴルフボール2が示された拡大正面図であり、図3はその平面図である。図2及び図3から明らかなように、全てのディンプル8の平面形状は円である。図3では、ゴルフボール2の表面が20個の等価なユニットに区画された場合の1個のユニットにおいて、符号AからDによってディンプル8の種類が示されている。このゴルフボール2は、直径が4.40mmであるディンプルAと、直径が4.00mであるディンプルBと、直径が3.85mmであるディンプルCと、直径が3.80mmであるディンプルDとを備えている。ディンプルAの個数は100個であり、ディンプルBの個数は112個であり、ディンプルCの個数は60個であり、ディンプルDの個数は60個である。ディンプル8の総数は、332個である。
図4は、図1のゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。この図4には、ディンプル8の面積重心及びゴルフボール2の中心を通過する平面に沿った断面が示されている。図4における上下方向は、ディンプル8の深さ方向である。図4において二点鎖線12で示されているのは、仮想球である。仮想球12の表面は、ディンプル8が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ディンプル8は、仮想球12から凹陥している。ランド10は、仮想球12と一致している。
図4において両矢印Diで示されているのは、ディンプル8の直径である。この直径Diは、ディンプル8の両側に共通の接線Tが画かれたときの、一方の接点Edと他方の接点Edとの距離である。接点Edは、ディンプル8のエッジでもある。エッジEdは、ディンプル8の輪郭を画定する。直径Diは、3.5mm以上5.0mm以下が好ましい。直径Diが3.5mm以上であるディンプル8により、優れた空力特性が達成される。この観点から、直径Diは3.8mm以上がより好ましい。直径Diが5.0mm以下であるディンプル8は、実質的に球であるというゴルフボール2の本来的特徴を阻害しない。この観点から、直径Diは4.7mm以下がより好ましい。
図4において両矢印deで示されているのは、ディンプル8の深さである。深さdeは、接線Tとディンプル8の最下点Pcとの距離である。ゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、深さdeは、0.10mm以上が好ましく、0.12mm以上がより好ましい。ゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、深さdeは0.20mm以下が好ましく、0.16mm以下がより好ましい。
図5は、図4のゴルフボール2の一部がさらに拡大された断面図である。このディンプル8は、第一曲面14及び第二曲面16を備えている。第一曲面14は、エッジEdにおいてランド10と連続している。第二曲面16は、境界点Pbにおいて第一曲面14と連続している。
第一曲面14は、環状である。第一曲面14は、上向きに凸である。好ましくは、第一曲面14の断面形状は、円弧である。図4において矢印R1で示されているのは、第一曲面14の曲率半径である。図5における点Pmは、エッジEdと境界点Pbとの中間点である。第一曲面14の断面形状が円弧でない場合、エッジEd、中間点Pm及び境界点Pbを通過する円が想定され、この円の半径が曲率半径R1と定義される。
第二曲面16は、碗状である。第二曲面16は、ディンプル8の中心に位置している。第二曲面16は、下向きに凸である。好ましくは、第二曲面16の断面形状は、円弧である。図4において矢印R2で示されているのは、第二曲面16の曲率半径である。第二曲面16の断面形状が円弧でない場合、一方の境界点Pb、最下点Pc及び他方の境界点Pbを通過する円が想定され、この円の半径が曲率半径R2と定義される。
理由の詳細は不明であるが、第一曲面14及び第二曲面16を備えたディンプル8により抗力が抑制され、かつ適度な揚力が達成される。このゴルフボール2は、飛行性能に優れる。
図5において矢印d1で示されているのは、エッジEdからの境界点Pbの深さである。深さd1の、ディンプル8の深さdeに対する比率P1は、1%以上10%以下である。この比率P1が1%以上である第一曲面14により、抗力が抑制され、かつ適度な揚力が達成される。この観点から、この比率P1は4.0%以上がより好ましく、4.5%以上が特に好ましい。この比率P1が10%以下である第一曲面14により、過大な揚力が抑制される。適度な揚力により、ゴルフボール2のホップが抑制される。この観点から、この比率P1は8%以下がより好ましい。
曲率半径R1は、0.2mm以上が好ましい。曲率半径R1が0.2mm以上である第一曲面14は、抗力の抑制に寄与する。この観点から、曲率半径R1は0.5mm以上がより好ましい。曲率半径R1は、2.0mm以下が好ましい。曲率半径R1が2.0mm以下である第一曲面14により、過大な揚力が抑制される。この観点から、曲率半径R1は1.0mm以下がより好ましい。
第二曲面16の曲率半径R2は、10mm以上である。この第二曲面16により、適度な揚力が達成される。この観点から、曲率半径R2は12mm以上がより好ましい。抗力の抑制及び過大な揚力の抑制の観点から、曲率半径R2は、25mm以下が好ましく、18mm以下がより好ましい。
図4において矢印D2で示されているのは、第二曲面16の直径である。図5において矢印Wで示されているのは、第一曲面14の幅である。幅Wは、下記の数式によって算出される。
W = (Di - D2) / 2
幅Wは、0.05mm以上0.15mm以下が好ましい。幅Wが0.05mm以上である第一曲面14により、抗力が抑制され、かつ適度な揚力が達成される。幅Wが0.15mm以下である第一曲面14により、過大な揚力が抑制される。適度な揚力により、ゴルフボール2のホップが抑制される。
本発明では、以下の(1)から(3)を具備するディンプル8は、「特殊形状ディンプル」と称される。
(1)環状であり、ディンプル8のエッジEdにおいてランド10と連続しており、上向きに凸である第一曲面14を有する。
(2)碗状であり、上記第一曲面14に連続しており、下向きに凸であり、曲率半径R2が10mm以上である第二曲面16を有する。
(3)上記第一曲面14と第二曲面16との境界の深さd1が、ディンプル8の深さdeの1%以上10%以下である。
飛行性能の観点から、特殊形状ディンプルの数の、ディンプル8の総数に対する比率P2は、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。理想的には、この比率P2は100%である。
ディンプル8の面積sは、無限遠からゴルフボール2の中心を見た場合の、輪郭線に囲まれた領域の面積である。円形ディンプル8の場合、面積sは下記数式によって算出される。
s = (Di / 2) ・ π
図2及び3に示されたゴルフボール2では、ディンプルAの面積は15.21mmであり、ディンプルBの面積は12.57mmであり、ディンプルCの面積は11.64mmであり、ディンプルDの面積は11.34mmである。
本発明では、全てのディンプル8の面積sの合計の、仮想球12の表面積に対する比率は、占有率と称される。適度な揚力が得られるとの観点から、占有率は75%以上が好ましく、79%以上がより好ましい。ディンプル8同士の干渉が抑制されるとの観点から、占有率は90%以下が好ましい。図2及び3に示されたゴルフボール2では、ディンプル8の合計面積は4308mmである。このゴルフボール2の仮想球12の表面積は5728mmなので、占有率は75.2%である。
ディンプル8の平均直径Daは、4.0mm以上が好ましい。平均直径Daが4.0mm以上であるゴルフボール2では、十分な揚力が得られる。この観点から、平均直径Daは4.2mm以上がより好ましい。抗力の抑制及び過大な揚力の抑制の観点から、平均直径Daは4.9mm以下が好ましい。図2及び3に示されたゴルフボール2の平均直径Daは、4.06mmである。
その直径が4.3mm以上であるディンプル8の数の、ディンプル8の総数に対する比率P3は、30%以上が好ましい。比率P3が30%以上であるゴルフボール2では、十分な揚力が得られる。この観点から、比率P3は60%以上がより好ましい。理想的には、比率P3は100%である。図2及び3に示されたゴルフボール2の比率P3は、30%である。
ディンプル8の直径の標準偏差Σは、0.2mm以下が好ましい。標準偏差Σが0.2mm以下であるゴルフボール2では、適度な揚力が得られる。この観点から、標準偏差Σは0.1mm以下がより好ましい。理想的には、全てのディンプル8において、その直径は同一である。従って、製造誤差がないと仮定されたときの理想的な標準偏差Σは、ゼロである。図2及び3に示されたゴルフボール2の平均直径Daは前述のように4.06mmなので、このゴルフボール2の標準偏差Σは下記数式によって算出される。
Σ = (((4.40 - 4.06) ・ 100 + (4.00 - 4.06) ・ 112 + (3.85 - 4.06) ・ 60 +
(3.80 - 4.06) ・ 60 ) / 332)1/2
このゴルフボール22の標準偏差Σは、0.24である。
本発明において「ディンプルの容積」とは、ディンプル8の輪郭を含む平面とディンプル8の表面とに囲まれた部分の容積を意味する。ゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、ディンプル8の総容積は280mm以上が好ましく、300mm以上がより好ましい。ゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、総容積は350mm以下が好ましく、330mm以下がより好ましい。
十分な占有率が達成されうるとの観点から、ディンプル8の総数は200個以上が好ましく、252個以上がより好ましく、272個以上が特に好ましい。個々のディンプル8が十分な直径を備えうるとの観点から、総数は362個以下が好ましく、350個以下がより好ましく、332個以下が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のポリブタジエン(ジェイエスアール社の商品名「BR−18」)、30質量部のアクリル酸亜鉛、6質量部の酸化亜鉛、10質量部の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド及び0.5質量部のジクミルパーオキサイドを混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃で18分間加熱して、直径が40.0mmのコアを得た。一方、50質量部のアイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)、50質量部の他のアイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1706」)及び3質量部の二酸化チタンを混練し、樹脂組成物を得た。上記コアを、内周面に多数の突起を備えた金型に投入し、球体の周囲に上記樹脂組成物を射出成形法により注入して、厚みが1.35mmであるカバーを成形した。カバーには、突起の形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。このカバーに、二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が42.7mmであり質量が約45.4gである実施例1のゴルフボールを得た。アッティエンジニアリング社のテスターによって測定されたゴルフボールのコンプレッションは、約85であった。このゴルフボールは、図2及び3に示されたディンプルパターンを有する。このゴルフボールのディンプルは、図4及び図5に示された断面形状を有する。ディンプルの仕様の詳細が、下記表1に示されている。
[実施例2から4及び比較例1から5]
ディンプルの仕様を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から4及び比較例1から5のゴルフボールを得た。比較例2に係るゴルフボールは、その断面がシングルラジアス形状であるディンプルを備えている。
[飛距離テスト]
ゴルフラボ社のスイングマシンに、チタンルヘッドを備えたドライバー(SRIスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフトフレックス:S、ロフト角:10°)を装着した。23℃に保温されたゴルフボールを、ヘッド速度が45m/secである条件で打撃して、発射地点から静止地点までの距離を測定した。20回の測定の平均値が、下記の表2に示されている。
Figure 0004662179
Figure 0004662179
表1及び表2に示されるように、実施例のゴルフボールは飛行性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、ツーピースゴルフボールのみならず、ワンピースゴルフボール、マルチピースゴルフボール及び糸巻きゴルフボールにも適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された模式的断面図である。 図2は、図1のゴルフボールが示された拡大正面図である。 図3は、図2のゴルフボールが示された平面図である。 図4は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図5は、図4のゴルフボールの一部がさらに拡大された断面図である。 図6は、実施例2に係るゴルフボールが示された正面図である。 図7は、図6のゴルフボールが示された平面図である。 図8は、実施例3及び比較例2に係るゴルフボールが示された正面図である。 図9は、図8のゴルフボールが示された平面図である。 図10は、実施例4並びに比較例3及び4に係るゴルフボールが示された正面図である。 図11は、図10のゴルフボールが示された平面図である。 図12は、比較例1に係るゴルフボールが示された正面図である。 図13は、図12のゴルフボールが示された平面図である。 図14は、比較例5に係るゴルフボールが示された正面図である。 図15は、図14のゴルフボールが示された平面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・カバー
8・・・ディンプル
10・・・ランド
12・・・仮想球
14・・・第一曲面
16・・・第二曲面

Claims (3)

  1. その表面にランドと多数のディンプルとを備えており、
    仮想球の表面積に対する全てのディンプルの合計面積の比率が75%以上であり、
    これらのディンプルの平均直径が4.0mm以上であり、
    その直径が4.3mm以上であるディンプルの数のディンプル総数に対する比率が30%以上であり、
    これらのディンプルが、
    (1)環状であり、ディンプルのエッジにおいてランドと連続しており、上向きに凸である第一曲面を有すること、
    (2)碗状であり、上記第一曲面に連続しており、下向きに凸であり、曲率半径が10mm以上である第二曲面を有すること
    (3)上記第一曲面と第二曲面との境界の深さが、ディンプルの深さの1%以上10%以
    下であること
    及び
    (4)上記第一曲面と第二曲面とが、両者の境界において接平面を共有しないこと
    を具備する特殊形状ディンプルを含んでおり、
    この第一曲面が、0.2mm以上である曲率半径R1と、0.05mm以上である幅Wとを有しているゴルフボール。
  2. 上記特殊形状ディンプルの数の、ディンプルの総数に対する比率が50%以上である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記ディンプルの直径の標準偏差が0.2mm以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
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