JP4658357B2 - 渋滞情報提供装置、プログラム及びシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、渋滞情報提供装置、プログラム及びシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路交通を円滑にする目的で、自動車等の車両に配設される車両用ナビゲーション装置に道路の渋滞情報を送信するシステムが提供されている。
【0003】
例えば、VICSと称される道路交通情報通信システムにおいては、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して、道路の渋滞に関する道路交通情報を作成し、これを電波ビーコン、FM多重放送等の通信手段によって、車両用ナビゲーション装置に送信するようになっている。そして、前記道路交通情報を受信した車両用ナビゲーション装置は、道路の渋滞状況を表示手段に表示したり、渋滞区間を避けたルートを作成して表示手段に表示したりするようになっている。
【0004】
これにより、車両の運転者は、道路の渋滞状況を的確に察知して、渋滞区間を避けることができるので、走行に要する時間を節約することができる。また、渋滞区間への車両の流入が抑制されるので、道路交通が円滑になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のシステムにおいては、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して、道路の渋滞に関する道路交通情報を作成するようになっているので、道路の渋滞に関する詳細かつ高精度の情報を車両用ナビゲーション装置に送信することができなかった。
【0006】
前記警察、日本道路公団等の交通管制システムにおいては、道路脇等に配設されたセンサーやテレビカメラによって情報を収集しているので、渋滞中の車両の平均的な走行速度、渋滞区間通過のための所要時間等に関する高精度の情報を得ることが不可能である。そのため、車両用ナビゲーション装置に送信される道路の渋滞に関する道路交通情報の精度が低くなり、車両の運転者のニーズを満足させることができなかった。
【0007】
そのため、前記従来のシステムを改良し、渋滞の原因となる路線バスや配送トラックの運行状況を考慮して、道路の渋滞に関する道路交通情報を作成するシステムが提案されている(特開平10−134293号公報参照)。
【0008】
しかし、該システムの場合、路線バスや配送トラックの運行スケジュールというあらかじめ設定された、いわば静的な情報に基づいて、道路の渋滞を予測しているため、実際の渋滞状況を高精度で把握することが不可能である。
【0009】
本発明は、前記従来の渋滞情報提供システムの問題点を解決して、路線バスのような定期運行車両の実際の運行状況をリアルタイムに把握することによって、道路の渋滞に関する詳細かつ高精度の情報をリアルタイムで車両用ナビゲーション装置に送信することができる渋滞情報提供システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の渋滞情報提供装置においては、各停留所の予定通過時刻を含む定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段と、前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有する。
【0011】
本発明の他の渋滞情報提供装置においては、さらに、前記渋滞情報作成手段は、前記実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れていない場合に、停留所間に渋滞がないことを表す道路渋滞情報を作成する。
【0018】
本発明の渋滞情報提供プログラムにおいては、渋滞情報を提供するためにコンピュータを、各停留所の予定通過時刻を含む定期運行車両の運行情報を取得する取得手段、前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段、前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段、及び、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段として機能させる。
【0019】
本発明の渋滞情報提供システムにおいては、定期運行車両及び渋滞情報提供装置からなる渋滞情報提供システムにおいて、前記定期運行車両は、現在位置情報を前記渋滞情報提供装置に送信する送信手段を有し、前記渋滞情報提供装置は、各停留所の予定通過時刻を含む前記定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、前記定期運行車両の現在位置情報を受信する受信手段と、前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段と、前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有する。
【0020】
本発明の他の渋滞情報提供システムにおいては、停留所及び渋滞情報提供装置からなる渋滞情報提供システムにおいて、前記停留所は、定期運行車両の停留所通過又は到着の情報を前記渋滞情報提供装置に送信する送信手段を有し、前記渋滞情報提供装置は、各停留所の予定通過時刻を含む前記定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、前記定期運行車両の停留所通過又は到着の情報を受信する受信手段と、前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、受信した前記定期運行車両の停留所通過又は到着の情報に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記受信した前記定期運行車両の停留所通過又は到着の情報に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態における渋滞情報提供システムの構成を示す概念図である。
【0023】
図1において、10は渋滞情報提供装置であり、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備えるコンピュータの中に構成される。なお、該コンピュータは単一のコンピュータではなく、複数のコンピュータが有機的に結合された、いわゆる分散型サーバであってもよい。さらに、前記コンピュータの中に他のシステムが構成されていてもよい。
【0024】
そして、20は、あらかじめ定められた路線を定期的に所定の運行時刻表にしたがって運行する定期運行車両としての路線バスである。なお、前記定期運行車両は、あらかじめ定められた路線を定期的に運行する車両であればいかなるものであってもよく、牛乳、新聞、宅配便等の荷物をあらかじめ定められた路線に沿って定期的に配送する配送トラック、学校の生徒、工場の従業員、福祉施設の利用者等をあらかじめ定められた路線に沿って定期的に送迎する送迎バス等であってもよいが、毎日運行され、かつ、便数の多い路線バスであることが望ましいので、本実施の形態においては、路線バスである場合について説明する。
【0025】
また、21は路線バス20に配設された位置情報通信手段であり、路線バス20の現在位置をリアルタイムで把握し、かつ、該現在位置に関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。前記位置情報通信手段21は、例えば、車両用ナビゲーション装置、携帯電話等であるが、GPS(Global Positioning System)受信手段、方位角センサ等によって、路線バス20の現在位置をリアルタイムで把握することができる手段を有し、かつ、渋滞情報提供装置10と通信する手段を有するものであれば、いかなるものであってもよい。
【0026】
さらに、22は定期運行車両が停止する場所としてあらかじめ定められた停留所、すなわち、バス停である。該バス停22は、路線バス20の運行される路線に沿って、複数箇所に設置される。また、23はバス停22に配設された通過情報通信手段であり、該バス停22に路線バス20が停止した時、又は、バス停22を路線バス20が通過した時に、該路線バス20が通過したことに関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。前記通過情報通信手段23は、路線バス20がバス停22に停止したこと又はバス停22の前を通過したことを検出するセンサを有し、かつ、渋滞情報提供装置10と通信する手段を有するものであれば、いかなるものであってもよい。ここで、前記センサは、光、磁気、電波等を利用した非接触式のセンサであってもよいし、機械的動作、電気的導通等を利用した接触式のセンサであってもよい。
【0027】
本実施の形態において、渋滞情報提供システムは、前記渋滞情報提供装置10、定期運行車両としての路線バス20及び/又は停留所としてのバス停22を含む全体的なシステムである。
【0028】
そして、渋滞情報提供装置10は、道路の渋滞に関する情報、すなわち、道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段11、道路渋滞情報を作成するために必要な情報を受信する情報受信手段12、及び、バス停22の位置やバス停22間の距離に関する情報、すなわち、停留所に関する情報、路線バス20の運行時刻表に関する情報、路線バス20の路線情報、路線バス20の運行情報等が格納されている記憶手段13を備える。なお、前記記憶手段13は、外部からあらゆる通信手段で更新することができる。そして、前記渋滞情報提供装置10は、さらに、路線バス20の運行情報を取得する取得手段14、路線バス20のバス停22通過又は到着を判断する判断手段16、及び、道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段15も備える。
【0029】
ここで、前記路線バス20の路線情報は、バス停22の位置座標やバス停22間の距離とは直接に関連しない情報であり、バス停22の並び方、すなわち、配列に関する情報、及び、バス停22間の区間情報である。なお、前記路線バス20の運行情報は、バス停20の予定通過時刻、バス停22間の所要時間、バス停20の位置座標やバス停22間の距離、路線バス20の路線情報等を含むものである。
【0030】
また、24は乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両であり、渋滞情報表示手段としてのナビゲーション装置25を備える。前記渋滞情報表示手段は、前記渋滞情報提供装置10から送信される道路渋滞情報を受信する手段、該道路渋滞情報を車両24の運転者等に伝達する手段を備えるものであれば、携帯電話、ラジオ、テレビ等いかなるものであってもよいが、地図を表示する画像表示手段とGPS受信手段を備えるナビゲーション装置であることが望ましいので、本実施の形態においては、ナビゲーション装置である場合について説明する。 ここで、前記位置情報通信手段21及び通過情報通信手段23と、情報受信手段12との間の通信は、有線又は無線の公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット、携帯電話ネットワーク、イントラネット等のいかなる通信回線網を経由するものであってもよく、また、これら通信回線網を組み合わせたものであってもよい。例えば、放送衛星によるCS放送やBS放送を利用して通信してもよく、地上波デジタルテレビ放送を利用して通信してもよく、FM多重放送を利用して通信してもよく、道路脇に設置されている光ビーコンや電波ビーコンを利用して通信してもよい。そして、前記ナビゲーション装置25と渋滞情報送信手段15との間の通信も同様である。なお、前記位置情報通信手段21及び通過情報通信手段23と情報受信手段12との間の通信、並びに、ナビゲーション装置25と渋滞情報送信手段15との間の通信は、双方向通信であってもよい。
【0031】
そして、前記渋滞情報提供装置10において、情報受信手段12は、位置情報通信手段21から路線バス20の現在位置に関する情報を受信し、通過情報通信手段23から路線バス20がバス停22を通過したことに関する情報を受信すると、これら情報を判断手段16に送信するようになっている。なお、位置情報通信手段21は路線バス20の現在位置に関する情報を常時発信するが、通過情報通信手段23は路線バス20がバス停22を通過したことに関する情報を路線バス20がバス停22を通過した時だけ発信する。
【0032】
また、前記判断手段16が、路線バス20がバス停22を通過したこと又は到着したことを判断すると、前記渋滞情報作成手段11は、取得手段14指令し記憶手段13にアクセスさせて、バス停22の位置座標、路線バス20の運行時刻表等の運行情報を取得させる。そして、前記運行時刻表に基づく情報と前記路線バス20の実際の運行状況とを比較して、道路渋滞情報を作成するようになっている。すなわち、前記路線バス20が運行時刻表通りにバス停22を通過したか否かを判断し、バス停22を通過した時刻が時刻表よりもある程度以上遅い場合、及び/又は、複数の路線バス20間の実際の所要時間が運行時刻表に基づく所要時間よりも長い場合は、渋滞が発生しているものと判断して、道路渋滞情報を作成する。
【0033】
この場合、路線バス20及びバス停22の位置から、どの道路のどの範囲に渋滞が発生しているかを判断することができ、また、バス停22を通過した時刻と時刻表との差、又は、路線バス20の移動速度から、渋滞の程度を判断することができる。
【0034】
なお、位置情報通信手段21が路線バス20の現在位置、速度、進行方向等の情報を正確に把握して情報受信手段12に送信できる場合には、路線バス20の現在位置とバス停22の位置とに基づいて、前記路線バス20がどのバス停22を何時通過したかを識別することができるので、通過情報通信手段23を省略することもできる。一方、通過情報通信手段23が路線バス20の行き先、便名等を識別して情報受信手段12に送信できる場合には、どの路線バス20がどこを走行しているか識別することができるので、位置情報通信手段21を省略することもできる。
【0035】
ここで、前記道路渋滞情報は、バス停22の区間に対応させて渋滞の有無や程度を表す情報を付与したものでもよいし、前記バス停22の区間に対応する道路データに対応するように加工されたものであってもよい。また、バス停22の位置座標に無関係に渋滞の有無や程度を表すように加工されたものであってもよい。例えば、バス停22の区間に対応させて渋滞の有無や程度を表す情報を付与したものである場合、バス停22の区間情報を道路情報に対応させて記憶させ、道路における前記バス停22の区間に対して、渋滞の有無、渋滞の程度等の情報をフラグ等により付与することができる。また、前記バス停22の区間を含むすべての道路のリンク(交差点と交差点との間の道路データの単位)を抽出して、該リンクに対して、渋滞の有無、渋滞の程度等の情報をフラグ等により付与することもできる。
【0036】
そして、前記渋滞情報作成手段11は道路渋滞情報を渋滞情報送信手段15に送信すると、該渋滞情報送信手段15は、道路の渋滞に関する情報を通信の伝送方式等に適応できるように変換した後、ナビゲーション装置25に送信するようになっている。なお、前記道路渋滞情報とともに、音楽、映画、ニュース、広告等の付加情報を送信するようにしてもよい。この場合、渋滞の程度に合わせて、前記付加情報の内容を変更することが望ましい。例えば、渋滞の程度がひどい場合には運転者が苛立つ傾向にあるので、クラシック音楽や風景映像のような精神鎮静作用のある付加情報を送信するようにする。
【0037】
また、前記ナビゲーション装置25は前記道路渋滞情報及び付加情報を受信すると、CRT、液晶ディスプレー等の表示手段又はスピーカ等の音声手段によって、これらの情報を車両の運転者に伝達することができるようになっている。前記道路渋滞情報を表示手段によって伝達する場合には、道路地図上の渋滞区間に色を付して識別可能にしてもよい。この場合、渋滞の程度に応じて、色を変化させることが望ましい。また、音声や文字によって伝達する場合には、渋滞区間の長さ、渋滞区間の通過所要時間等を伝達してもよい。さらに、付加情報を伝達する場合には、音声手段から音楽を流したり、表示手段を区分して映像を表示したり、表示されている地図上に文字を被せて表示したりすることができる。
【0038】
なお、渋滞情報送信手段15とナビゲーション装置25との間の通信が双方向通信である場合、車両24の位置情報を渋滞情報提供装置10に送信すると、それに対応して、前記車両24の近傍の区域の道路の渋滞に関する情報だけがナビゲーション装置25に送信されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置25が設定された行き先の情報を渋滞情報提供装置10に送信すると、それに対応して、前記車両24の現在地点から行き先までの経路上の道路渋滞情報又は経路周辺(例えば、経路から300[m]以内の道路)の道路渋滞情報だけがナビゲーション装置25に送信されるようにしてもよい。これにより、ナビゲーション装置25の受信する情報量を削減することができるので、ナビゲーション装置25の負荷を軽減することができる。
【0039】
また、ナビゲーション装置25が、車両24の現在位置や出発地から目的地に至る経路を設定し、車両24の現在位置に基づく案内情報を表示又は音声により出力することが可能な装置である場合、前記ナビゲーション装置25が、渋滞情報提供装置10から受信した道路渋滞情報に基づき、渋滞箇所を迂回するように経路を設定し直したり、又は、渋滞箇所の道路の探索コストを上げる等の処理を施して経路を設定し直したりするようにしてもよい。
【0040】
さらに、ナビゲーション装置25が車両24の位置情報、出発地、目的地等の情報を渋滞情報提供装置10に送信すると、それに対応して、該渋滞情報提供装置10が、前記道路渋滞情報に基づいて前記車両24の経路を設定し、該経路を前記道路渋滞情報とともに前記ナビゲーション装置25に返信するようにしてもよい。
【0041】
次に、前記構成の渋滞情報提供システムの動作について説明する。
【0042】
図2は本発明の実施の形態における路線バスの運行状況とバス停の関係を示す図、図3は本発明の実施の形態における渋滞情報提供システムの動作を示すフローチャートである。
【0043】
図2において、22−1〜22−4は、第1〜4のバス停であり、あらかじめ定められた路線に沿って道路脇に設置されている。そして、前記第1〜4のバス停22−1〜22−4には、図示されていないが、通過情報通信手段23がそれぞれ配設されている。なお、前記第1〜4のバス停22−1〜22−4の位置情報は、渋滞情報提供装置10のバス停データベース13に格納されている。また、前記第1〜4のバス停22−1〜22−4を所定の便の路線バス20が通過すべき時刻は運行時刻表データベース14に格納されている。
【0044】
ここで、路線バス20は、点線で示されるように、あらかじめ定められた路線に沿って運行される。そして、第1のバス停22−1を運行時刻表通りに通過したと仮定する。この場合、第1のバス停22−1に配設された通過情報通信手段23は、路線バス20が通過したことを検出して、該路線バス20が通過したことに関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。
【0045】
なお、前記路線バス20に配設された位置情報通信手段21は、前記路線バス20の現在位置に関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。
【0046】
すると、該渋滞情報提供装置10の情報受信手段12は前記情報を受信して、渋滞情報作成手段11に送信する。続いて、該渋滞情報作成手段11は、バス停データベース13及び運行時刻表データベース14にアクセスして、第1のバス停22−1の位置に関する情報及び路線バス20の運行時刻表を取得する。そして、前記路線バス20の現在位置及び第1のバス停22−1の位置に基づいて、前記路線バス20がどのバス便であるかを識別する。次に、運行時刻表に定められた前記路線バス20が第1のバス停22−1を通過すべき時刻と、受信した情報に含まれる前記路線バス20が実際に第1のバス停22−1を通過した時刻とを比較して、その時間差が全くないと判断する。この場合、渋滞は発生していないと判断し、道路渋滞情報を作成しない。
【0047】
なお、渋滞は発生していないと判断した場合、渋滞が無いことを示す情報を作成し、送信してもよい。例えば、ナビゲーション装置25が受信した場合、緑色のような渋滞が無いことを示す色を該当区間に表示して、渋滞が無いことを示す情報を作成し、送信してもよい。
【0048】
次に、前記路線バス20が交差点を左折して大通りに入り、第2のバス停22−2を通過すると、第2のバス停22−2に配設された通過情報通信手段23は、路線バス20が通過したことを検出して、該路線バス20が通過したことに関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。ここで、大通りは渋滞しているものと仮定する。そして、大通りに交差している道路の大通りに向かう方向は混雑しているため、前記路線バス20が第2のバス停22−2を通過した時刻は、運行時刻表に定められた第2のバス停22−2を通過すべき時刻よりも遅れることとなる。
【0049】
この場合、前記渋滞情報作成手段11は、バス停データベース13及び運行時刻表データベース14にアクセスして、第2のバス停22−2の位置に関する情報及び路線バス20の運行時刻表を取得する。そして、該運行時刻表に定められた第2のバス停22−2を通過すべき時刻と、受信した情報に含まれる路線バス20が実際に第2のバス停22−2を通過した時刻とを比較して、その時間差が許容範囲を超えていると判断する。
【0050】
次に、前記渋滞情報作成手段11は、第1及び第2のバス停22−1及び22−2間の距離と、第1及び第2のバス停22−1及び22−2間の所要時間とに基づいて、運行時刻表に基づく第1及び第2のバス停22−1及び22−2間の所要時間と実際の第1及び第2のバス停22−1及び22−2間の所要時間とを比較して渋滞の程度を判断する。ここでは、軽度の渋滞であると判断したとする。
【0051】
そして、前記渋滞情報作成手段11は、第1のバス停22−1と第2のバス停22−2との間の区間で渋滞が発生していること、及び、渋滞の程度は軽度であることを示す道路渋滞情報を作成して、渋滞情報送信手段15に送信する。該渋滞情報送信手段15は前記道路渋滞情報を発信する。
【0052】
次に、前記路線バス20は大通りを進行して、第3のバス停22−3を通過すると、第3のバス停22−3に配設された通過情報通信手段23が、路線バス20が通過したことを検出して、該路線バス20が通過したことに関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。ここで、前記路線バス20は渋滞している大通りを進行するので、前記路線バス20が第3のバス停22−3を通過した時刻は、運行時刻表に定められた第3のバス停22−3を通過すべき時刻よりも大幅に遅れることとなる。
【0053】
この場合、前記渋滞情報作成手段11は、バス停データベース13及び運行時刻表データベース14にアクセスして、第3のバス停22−3の位置に関する情報及び路線バス20の運行時刻表を取得し、該運行時刻表に定められた第3のバス停22−3を通過すべき時刻と、受信した情報に含まれる路線バス20が実際に第3のバス停22−3を通過した時刻とを比較して、その時間差が許容範囲を大きく超えていると判断する。
【0054】
また、前記渋滞情報作成手段11は、第2及び第3のバス停22−2及び22−3間の距離と、第2及び第3のバス停22−2及び22−3間の所要時間とに基づいて、運行時刻表に基づく第2及び第3のバス停22−2及び22−3間の所要時間と実際の第2及び第3のバス停22−2及び22−3間の所要時間とを比較して、重度の渋滞であると判断したとする。
【0055】
そして、前記渋滞情報作成手段11は、第2バス停22−2と第3のバス停22−3との間の区間で渋滞が発生していること、及び、渋滞の程度は重度であることを示す道路渋滞情報を作成して、渋滞情報送信手段15に送信する。該渋滞情報送信手段15は前記道路渋滞情報を発信する。
【0056】
次に、前記路線バス20は交差点を左折して大通りから外れて、第4のバス停22−4を通過すると、第4のバス停22−4に配設された通過情報通信手段23が、路線バス20が通過したことを検出して、該路線バス20が通過したことに関する情報を渋滞情報提供装置10に送信する。ここで、大通りに交差している道路の大通りから離れる方向は空いているので、前記路線バス20はスムーズに運行することができる。しかし、前記路線バス20は渋滞している大通りを進行していたので、前記路線バス20が第4のバス停22−4を通過した時刻は、運行時刻表に定められた第4のバス停22−4を通過すべき時刻よりも大幅に遅れることとなる。
【0057】
この場合、前記渋滞情報作成手段11は、バス停データベース13及び運行時刻表データベース14にアクセスして、第4のバス停22−4の位置に関する情報及び路線バス20の運行時刻表を取得し、該運行時刻表に定められた第4のバス停22−4を通過すべき時刻と、受信した情報に含まれるバス20が実際に第4のバス停22−4を通過した時刻とを比較して、その時間差が許容範囲を大きく超えていると判断する。
【0058】
また、前記渋滞情報作成手段11は、第3及び第4のバス停22−3及び22−4間の距離と、前記時間差とに基づいて、運行時刻表に基づく第3及び第4のバス停22−3及び22−4間の所要時間と実際の第3及び第4のバス停22−3及び22−4間の所要時間とを比較して、どの程度の渋滞であるかを判断する。
【0059】
なお、前記渋滞情報作成手段11は、第3のバス停22−3を通過すべき時刻とバス20が実際に第3のバス停22−3を通過した時刻との差、及び、第4のバス停22−4を通過すべき時刻とバス20が実際に第4のバス停22−4を通過した時刻との差を比較して、すなわち、第3のバス停22−3における遅れ時間と第4のバス停22−4における遅れ時間とを比較して、どの程度の渋滞であるかを判断してもよい。
【0060】
この場合、大通りを外れた後、前記路線バス20はスムーズに運行することができたので、前記渋滞情報作成手段11は、運行時刻表に基づく第3及び第4のバス停22−3及び22−4間の所要時間と実際の第3及び第4のバス停22−3及び22−4間の所要時間とを比較して、第3及び第4のバス停22−3及び22−4間には渋滞が発生していないと判断する。または、第3のバス停22−3における遅れ時間と第4のバス停22−4における遅れ時間とを比較して、渋滞が発生していないと判断する。したがって、道路渋滞情報を作成しない。なお、前述されたように、渋滞が無いことを示す情報を作成し、送信してもよい。
【0061】
このように、本実施の形態においては、渋滞情報提供装置10は、位置情報通信手段21及び通過情報通信手段23からの情報を受信して、路線バス20が実施にバス停22を通過した時刻と運行時刻表に定められたバス停22を通過すべき時刻とに基づいて、道路渋滞情報を作成する。
【0062】
したがって、路線バス20の実際の運行状況に基づいて、道路の渋滞状況をリアルタイムに詳細に把握して、高精度の道路渋滞情報をリアルタイムで送信することができる。
【0063】
次に、渋滞情報提供装置10の動作を示すフローチャートについて説明する。
ステップS1 路線バス20がバス停22を通過した情報を受信する。
ステップS2 路線バス20の通過時刻が運行時刻表に定められたバス停22を通過すべき時刻より遅れているか否かを判断する。遅れている場合はステップS3に進み、遅れていない場合はステップS9に進む。
ステップS3 運行時刻表に基づくバス停22間の所要時間と実際のバス停22間の所要時間とを比較する。
ステップS4 渋滞の程度が重度か否か判断する。重度である場合はステップS5に進み、重度でない場合はステップS7に進む。
ステップS5 渋滞の程度は重度であることを示す道路渋滞情報を作成する。
ステップS6 道路渋滞情報を送信する。
ステップS7 渋滞の程度が軽度か否か判断する。軽度である場合はステップS8に進み、軽度でない場合はステップS9に進む。
渋滞はないと判断する。
ステップS8 渋滞の程度は軽度であることを示す道路渋滞情報を作成する。
ステップS9 渋滞なしと判断する。
ステップS10 道路渋滞情報を作成しない。
【0064】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0065】
例えば、本発明は、渋滞情報を提供するためにコンピュータを、定期運行車両の運行情報を取得する取得手段、前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段、前記判断手段による判断結果と前記定期運行車両の運行情報とを比較することにより、道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段、及び、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段として機能させるための渋滞情報提供プログラムを含むものである。
【0066】
さらに、本発明は、渋滞情報を提供するためにコンピュータを、定期運行車両の運行情報を取得する取得手段、前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段、前記判断手段による判断結果と前記定期運行車両の運行情報とを比較することにより、道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段、及び、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段として機能させるための渋滞情報提供プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むものであってもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、渋滞情報提供装置においては、定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果と前記定期運行車両の運行情報とを比較することにより、道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有する。
【0068】
この場合、定期運行車両の実際の運行状況に基づいて、道路の渋滞状況をリアルタイムに詳細に把握して、高精度の道路渋滞情報をリアルタイムで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における渋滞情報提供システムの構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態における路線バスの運行状況とバス停の関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における渋滞情報提供システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 渋滞情報提供装置
11 渋滞情報作成手段
12 情報受信手段
15 渋滞情報送信手段
Claims (5)
- (a)各停留所の予定通過時刻を含む定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、
(b)前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段と、
(c)前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、
(d)前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有することを特徴とする渋滞情報提供装置。 - 前記渋滞情報作成手段は、前記実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れていない場合に、停留所間に渋滞がないことを表す道路渋滞情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の渋滞情報提供装置。
- (a)渋滞情報を提供するためにコンピュータを、
(b)各停留所の予定通過時刻を含む定期運行車両の運行情報を取得する取得手段、
(c)前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段、
(d)前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段、及び、
(e)前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段として機能させるための渋滞情報提供プログラム。 - (a)定期運行車両及び渋滞情報提供装置からなる渋滞情報提供システムにおいて、
(b)前記定期運行車両は、現在位置情報を前記渋滞情報提供装置に送信する送信手段を有し、
(c)前記渋滞情報提供装置は、
各停留所の予定通過時刻を含む前記定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、
前記定期運行車両の現在位置情報を受信する受信手段と、
前記定期運行車両の停留所通過又は到着を判断する判断手段と、
前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記判断手段による判断結果に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、
前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有することを特徴とする渋滞情報提供システム。 - (a)停留所及び渋滞情報提供装置からなる渋滞情報提供システムにおいて、
(b)前記停留所は、定期運行車両の停留所通過又は到着の情報を前記渋滞情報提供装置に送信する送信手段を有し、
(c)前記渋滞情報提供装置は、
各停留所の予定通過時刻を含む前記定期運行車両の運行情報を取得する取得手段と、
前記定期運行車両の停留所通過又は到着の情報を受信する受信手段と、
前記運行情報に基づく停留所の予定通過時刻と、受信した前記定期運行車両の停留所通過又は到着の情報に基づく実際の停留所の通過時刻とを比較し、該実際の停留所の通過時刻が前記停留所の予定通過時刻より遅れているか否かを判断し、遅れている場合に、前記運行情報に基づく停留所間の所要時間と、前記受信した前記定期運行車両の停留所通過又は到着の情報に基づく実際の停留所間の所要時間とを比較することにより、停留所間における渋滞の程度を表す道路渋滞情報を作成する渋滞情報作成手段と、
前記道路渋滞情報を送信する渋滞情報送信手段とを有することを特徴とする渋滞情報提供システム。
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