JP4657573B2 - 流動円盤式攪拌装置とこの攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および連続合成方法 - Google Patents
流動円盤式攪拌装置とこの攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および連続合成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動円盤式攪拌装置とこの攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および流動円盤式化合物連続合成方法に関し、更に詳しくは、反応条件により多種類の化合物が生成され易い反応系において、特定の種類の化合物を主として合成することができる流動円盤式攪拌装置とこの攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および連続合成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化合物の合成装置としては、回分式反応器、半回分式反応器、タンク型反応器、管状反応器等が知られている。こうした各形式の反応器は、目的や規模などにより選択されて適用されている。
【0003】
一般に、薬品や染料などの高価な製品の小規模生産には、回分式反応器が使用されている。回分式反応器は、単位重量単価で比較すれば他の反応器に比べて安価であるが、反応時間が長くなればそれに伴って反応器の容量を大きくしなければならず、その結果、反応器およびその反応器を含む反応装置全体の建設費が高くなるという問題がある。さらに、この回分式反応器は、一般に生産性が低いとされている。
【0004】
また、半回分式反応器は、反応に関与する一成分の供給速度を制御することによる反応制御が可能であるという利点があり、タンク型反応器や管状反応器は、安価な製品を大規模に生産することができるという利点があるが、こうした半回分式反応器、タンク型反応器、管状反応器および上述した回分式反応器では、反応条件により複数の種類の化合物が合成される反応系に対して、目的とする化合物を合成するための反応条件を厳密に制御することができないという問題がある。
【0005】
ところで、反応条件により複数の種類の化合物が合成される反応系としては、ゼオライトのように反応条件により種々の結晶形態のもが合成されるもの等を例示できる。例えば、ゼオライトの合成においては、原料形態(固体、液体)、原料の成分組成、添加物質、反応速度、反応温度、反応時間等により、結晶構造の格子間隔が異なる多種類のゼオライトが合成される。そして、現在までに百数十種類のゼオライトが確認されている。しかしながら、上述した従来の回分式反応器、半回分式反応器、タンク型反応器、管状反応器等の合成装置では、それらの多種類のゼオライトから目的とする特定の種類のゼオライトを合成することが難しいという実状があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、反応条件により多種類の化合物が生成され易い反応系において、特定の種類の化合物を主として連続的に合成することができる流動円盤式攪拌装置とこの攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および連続合成方法を提供することを、その課題とするものである。
【0007】
上記課題を解決できる流動円盤式攪拌装置は、上部に原料の投入口を、下部に生成物の排出口をそれぞれ有する密閉した筒状容器の内部に、回転駆動装置により駆動される回転軸を設け、該回転軸にその中心部が支持される複数の回転円盤を上下適宜間隔を開けて多段に設けると共に、前記容器の内側面に、前記回転円板の外径より大きな内径を有する複数のリング状固定円板を、当該回転円盤と高さを違えて複数のリング状の固定円板を多段に設けたことを主な特徴とする。
【0008】
上記の流動円盤式攪拌装置において、a) 筒状容器の外側面又は内部に、加熱又は冷却用の温度調節装置を設けることが好ましく、b)前記回転円盤反応器の内壁に接合する前記固定円板の外周部分には、所定の曲率半径Rを有する板が設けられていることが好ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の流動円盤式化合物連続合成装置は、一又は二以上の種類の原料をそれぞれ加熱する加熱手段と、加熱された一又は二以上の種類の原料を化合物に反応させるために、上部に原料の投入口を、下部に生成物の排出口をそれぞれ有する密閉した筒状容器の内部に、回転駆動装置により駆動される回転軸を設け、該回転軸にその中心部が支持される複数の回転円盤を上下適宜間隔を開けて多段に設けると共に、前記容器の内側面に、前記回転円板の外径より大きな内径を有する複数のリング状固定円板を、当該回転円盤と高さを違えて複数のリング状の固定円板を多段に設けてなる流動円盤式攪拌装置を用いた回転円盤反応器とを有する流動円盤式化合物連続合成装置であって、
前記回転円盤反応器は、多段の回転円盤と固定円板により作られる多段の小空間に回転円盤を回転させることにより原料の流動に均一性を与えると共に、原料が上段より下段に移行するとき他の段の原料が混入しないように流動状態を制御する回転円盤回転速度可変装置と、回転円盤の反応に供する段数を複数の原料投入口の中からいずれかの原料投入口を選択することにより反応時間を制御する段数選択手段と、反応温度を制御する加熱又は冷却装置と、反応圧力を制御する圧力調節手段と、を備えていることにより最適な反応状態に制御することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の流動円盤式化合物連続合成装置において、a)前記加熱手段は、原料が通過する加熱管と、当該加熱管を加熱して当該原料を所定の温度にする加熱器とを備えることが好ましく、b)加熱手段と回転円盤反応器との間には、混合手段が設けられていることが好ましく、c)前記加熱手段と前記回転円盤反応器との間には、加熱器で加熱された後の原料の温度を加熱または冷却する熱交換器が設けられていることが好ましく、d)前記回転円盤反応器で合成された化合物を冷却する冷却器を備えることが好ましい。
【0011】
上記課題を解決する本発明の流動円盤式化合物連続合成方法は、一又は二以上の種類の原料をそれぞれ加熱し、加熱された一又は二以上の種類の原料を混合原料とし、当該混合原料を、上部に原料の投入口を、下部に生成物の排出口をそれぞれ有する密閉した筒状容器の内部に、回転駆動装置により駆動される回転軸を設け、該回転軸にその中心部が支持される複数の回転円盤を上下適宜間隔を開けて多段に設けると共に、前記容器の内側面に、前記回転円板の外径より大きな内径を有する複数のリング状固定円板を、当該回転円盤と高さを違えて複数のリング状の固定円板を多段に設けてなる流動円盤式攪拌装置を用いた回転円盤反応器内で所定の化合物に反応させる流動円盤式化合物連続合成方法であって、
前記回転円盤反応器内の上下方向に多段に設けられ回転円盤の回転速度、回転円盤と固定円板の段数および/または形状を選択することにより、前記混合原料の均一な流動状態、及び前記混合原料が上段より下段に移行するとき、各段において反応の進捗度合いが異なる他の段の混合原料が混入するバックミキシングが起こらない状態に制御し、
前記回転円盤反応器内を圧力調節手段により所定の反応圧力に制御し、
前記回転円盤反応器内を加熱又は冷却手段により所定の反応温度に制御することにより最適な反応状態に制御することを特徴とするものである。
【0012】
こうした本発明の流動円盤式化合物連続合成装置および流動円盤式化合物連続合成方法によれば、回転円盤反応器内での反応条件を本発明を構成する各手段で厳格に制御することができ、しかも、原料を連続的に回転円盤反応器に投入し、その回転円盤反応器内で連続的に反応させて化合物を合成するので、反応条件により多種類の化合物が生成され易い反応系であっても、特定種類の化合物を選択的に合成することができる。また、回転円盤反応器内で化合物が段階的に生産されるので、段階ごとの合成率が異なる生成物をそれぞれ取り出すことができる。
また、反応条件を個別に変化させることができるので、経時的に異なる種類の化合物を生産することができる。また、本発明の連続合成装置および連続合成方法は、連続的に化合物を合成できるので、各種の制御手段の自動化を図ることができ、化合物を極めて効率的に生産することができる。
【0013】
本発明の流動円盤式攪拌装置とこの攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および流動円盤式化合物連続合成方法は、例えば、工業原料および/または工業2次副生物からのゼオライトの合成、工業原料からのメソ多孔体の合成、工業原料からの液相反応によるアルコール,フェノール等の合成、工業原料から液相重合反応による熱可塑性樹脂,合成ゴム等の合成などに適用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流動円盤式攪拌装置について説明した上で、この流動円盤式攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および流動円盤式化合物連続合成方法について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
本発明の流動円盤式攪拌装置は、後述する流動円盤式化合物連続合成装置において回転円盤反応器30として用いるものであり、その細部構成については回転円盤反応器30のところで説明するが、ここではこの攪拌装置の用途・機能について説明する。この攪拌装置の基本構成は次の通りである。即ち、上部に原料の投入口19を、下部に生成物の排出口26をそれぞれ有する密閉した筒状容器の内部に、回転駆動装置21により駆動される回転軸25を設け、該回転軸25にその中心部が支持される複数の回転円盤20を上下適宜間隔を開けて多段に設けると共に、前記容器の内側面に、前記回転円盤20と高さを違えて複数のリング状の固定円板22を多段に設けたものである。なお、回転円盤20は水平乃至略水平に設けることが好ましい。また、各固定円板22は、各回転円盤20とそれぞれ対をなし高さを違えて設けるのが好ましい。
【0016】
上記の流動円盤式攪拌装置は、2成分以上の原料(液体,スラリー,ゲル,ゾルなど)の混合装置として使用でき、また、原料の攪拌反応装置として使用することができる。更に、原料の混合と反応の両方を併せて行うための装置としても使用することができる。流動円盤式攪拌装置を混合装置や反応装置として使用する場合の温度の調節は、この攪拌装置における筒状容器の外側面又は内部に、加熱又は冷却用の温度調節装置を設けて行うことができる。なお、内部の温度調節装置はコイル状のものにすることができる。また、筒状容器内部の圧力は、この攪拌装置の筒状容器に圧力調節手段を設けて行うことができ、また、この攪拌装置に接続する他の装置との間に圧力調節手段を設けて行うこともできる。更に、筒状容器内における反応速度,反応時間は、回転駆動装置21により駆動される回転軸25の回転速度を調節し回転円盤20の回転速度を調節することにより、適宜変更,設定することができる。なお、この攪拌装置の前工程に原料の混合装置を設けた場合はこの攪拌装置は主に反応装置として用いられることとなる。
以下、この流動円盤式攪拌装置を用いた流動円盤式化合物連続合成装置および流動円盤式化合物連続合成方法(以下、「連続合成装置および連続合成方法」という。)について説明する。
【0017】
図1は、本発明の連続合成装置の一例を示す概略図である。本発明の連続合成装置1は、一又は二以上の種類の原料をそれぞれ加熱する加熱手段2と、加熱された一又は二以上の種類の原料を混合原料とする混合手段3と、当該混合原料を所定の化合物に反応させる回転円盤反応器30とを少なくとも有する構成からなるものである。
【0018】
(1)加熱手段
加熱手段2は、図1〜図3に示すように、一又は二以上の種類の原料それぞれを通過させる加熱管11と、その加熱管内を通過する各原料を所定の温度に高める加熱器12とを少なくとも備えるものである。
【0019】
加熱管11は、その中を流れる液の性状に適合する外形状または内形状を有するものが選定される。例えば、直線形状またはスパイラル形状の加熱管11'が使用される。特に、原料がスラリー状の液である場合は、スパイラル形状の加熱管が好ましく用いられ、液の滞留を防ぎ、管の内壁の摩耗を防止することができる。
【0020】
加熱管11の内径は、その中を流す流体の種類や速度を考慮して選択され、例えば、内径8〜75mmのものが使用される。
【0021】
加熱器12は、加熱管11を加熱して加熱管内を通過する原料を所定の温度に高める装置であり、直火による加熱器や、熱媒体15による加熱器等が使用される。こうした加熱器12は、加熱管内の原料を60〜500℃の範囲内の所定の温度に昇温することができる加温能力を有することが好ましい。加熱形態が変わった場合には加熱管11には上記8〜75mmよりも大径の管を用いる。
【0022】
直火による加熱器は、火炎から発せられる熱が、加熱管に直接あたるように構成されたものであり、火炎を調節して加熱管内の原料温度を制御する。また、熱媒体15による加熱器12は、図1に示すように、熱媒体加熱装置13で加熱された熱媒体15がその加熱器内を循環するように構成されたものであり、熱媒体15の温度を調節して加熱管内の原料温度を制御する。熱媒体15としては、加熱管内を流れる原料の性状、流量、加熱する温度等によって各種の熱媒体を選択して使用できるが、通常、市販のオイルまたは蒸気を使用するのが便利である。熱媒体15は、配管された熱媒体循環ライン14を循環する。
【0023】
こうした加熱手段2による原料の温度調節は、火炎に曝されまたは熱媒体に接触する加熱管11の長さ、火炎の温度または熱媒体15の温度により調節される加熱器12の温度設定、または、加熱管内を通過する原料の流速の制御、等により行われる。このうち、原料の流速の制御については、加熱管11の出口側に設けられた圧力調節弁(図示しない。)により制御される。
【0024】
図1中には、熱媒体を利用した加熱手段2の一例を示している。この加熱手段2は、熱媒体15を循環させ、その熱媒体により加熱器内の加熱管11を加熱し、加熱管内を通過する原料を所定の温度に加温するシステムである。この場合において、加熱器12の数を、混合する原料の数に対応して設けることが好ましい。例えば、図1に示すように、第1原料と第2原料で化合物を合成する場合には、第1原料の加熱器12と第2原料の加熱器12'を設け、さらに副原料が使用される場合には、副原料の加熱器12"が設けられる。このように、原料の種類に対応した加熱器を設けることにより、その原料に応じた加熱条件に設定することができる。
例えば、液体からなる第1原料と、液体および粉体からなる第2原料とをそれぞれ加熱する場合には、粉体が溶解しやすいように第2原料の加熱器12’の設定温度を上げておくことができる。
【0025】
図1に示す直線形状の加熱管の代わりに、図2に示すように、スパイラル形状の加熱管11’を用いてもよく、加熱管の長さを長くして加熱時間や加熱温度を調節することができる。また、スパイラル形状の加熱管に幾つかのバルブ開閉装置(図示しない。)を設け、加熱管の長さを変化させて加熱時間や加熱温度を調節することもできる。このとき、加熱管内の原料を熱媒体により適切に加熱するためには、加熱管11と熱媒体15との接触する機会を多くしてやること、すなわち加熱器内を循環する熱媒体の流速を上げることが好ましく、そのための手段としては、スパイラル形状に巻き回された加熱管11'の内方に円筒16を設置し、熱媒体15が循環する体積が小さくなるように加熱器12を設計することが好ましい。このときの熱媒体が移動する速度(相対移動速度)は、任意に設定されるが、好ましくは0.2〜1m/秒程度であることが好ましく、熱交換効率を向上させることができる。
【0026】
なお、化合物の合成反応に必要であれば、加熱管内を流れる原料が初期反応を起こす程度にまでその加熱管を加熱することもできる。
【0027】
(2)混合手段
一又は二以上の種類の原料を混合する混合手段3については、回転円盤反応器30に原料を投入する前に設けられた混合器で混合する方法A、回転円盤反応器内での攪拌により混合する方法B、前記混合器による混合と回転円盤反応器内での攪拌による混合との両者により混合する方法C、の三通りがある。
【0028】
ここでいう混合手段3は、上述した加熱手段2で加熱された一又は二以上の種類の原料を、前記の混合方法Aにより混合するものであり、後述の回転円盤反応器30での原料の反応を促進させることを目的に設けられる。
【0029】
混合手段3としては、図1に示すように、それぞれの加熱手段2から延びた移送管17を連結したライン混合管、ジャバラや羽根を内部に備える静的攪拌器、一般的なミキサー混合槽、等が使用される。こうした混合手段3は、主混合器として、または、副混合器として使用され、後述する回転円板反応器30の入口前に設置される。
【0030】
なお、化合物の合成反応に必要な初期反応を起こさせる目的で、こうした混合手段3を設けてもよい。また、前記の混合方法Bの場合には、ここで説明した混合手段を適用する必要はないが、前記の混合方法Cの場合には、ここで説明した混合手段を適用することができる。
【0031】
(3)熱交換器
熱交換器18は、加熱手段2によって加温された原料が未だ十分な温度に達しない場合または適切な温度に下げるために、加熱手段2と回転円盤反応器30との間に設けられ、加熱手段2で加熱された後の原料の温度を加熱または冷却させるように作用する。
【0032】
この熱交換器18は、図1中の「ルート2」のように、回転円盤反応器30の排出口26から流出した所定温度の化合物が熱源または冷却源として熱交換器18内に導入され、その化合物と、上述した加熱手段2の加熱器12を出た混合原料との間で熱交換が行われる。この場合の熱交換は、混合原料を加温するために行われるのが一般的であるが、混合原料の温度を下げるために行うものであってもよい。
【0033】
なお、加熱手段2によって加温された原料が適切な温度に加温されている場合には、この熱交換器18は使用されず、混合原料は、図1中の「ルート1」により回転円盤反応器内に直接供給される。
【0034】
(4)回転円盤反応器
回転円盤反応器30は、上述した流動円盤式攪拌装置を用いたもので、所定の温度に調節され投入された混合原料(以下においては、「反応液」ともいう。)を所定の化合物に反応させるための反応器であり、通常、上下方向に延びる円筒形態からなる装置である。
【0035】
この回転円盤反応器30は、図1および図4に示すように、上下方向に多段に設けられた回転円盤20および固定円板22と、その回転円盤20を所定の速度で回転させて混合原料が回転円盤反応器内を移動する時、合成に最適な流動状態を制御する回転速度可変装置21と、反応に供する回転円盤20と固定円板22の段数を調節して反応時間を制御する段数選択手段と、反応温度を制御する加熱又は冷却手段と、反応圧力を制御する圧力調節手段と、を備えている。例えば、図4に示すように、多段の回転円盤20と、回転円盤20を回転させる回転速度可変装置21と、各回転円盤20の間に設けられ且つ回転円盤反応器30の内側面にリング状(ドーナツ状)に設けられた固定円板22と、回転円盤反応器30の外側に設けられたジャケット加熱管23と、それらの制御装置やセンサー等とから構成されている。回転円盤20は、複数の円盤が一定の間隔を有しつつ回転速度可変装置21に連結された回転軸25に結合し、全体として多段構造となっている。
【0036】
こうした回転円盤反応器30は、回転円盤20の回転により、各段毎に最適流動状態をつくることができ、反応が制御される。そして、原料である反応液が上段より下段に移行する過程で、順次反応の進捗度が異なる化合物を合成することができる。
【0037】
(回転円盤および固定板の機能)
回転円盤20および固定円板22は、反応制御機能、攪拌・混合制御機能、および、液の移送機能を有している。
【0038】
こうした回転円盤20および固定円板22の段数は、反応器30の容量、合成する化合物の種類およびその条件(反応時間等)、生産目的(例えば、小量多品種生産を目的にするのか、大量小品種生産を目的にするのか、等々。)に応じて任意に設計される。回転円盤20および回転円板22の大きさ(D1、D2)および回転円盤20と固定円板22との間隔(H1)は、反応時間の制御、攪拌制御、混合制御、および、投入された原料が順次下方に降下する液の移送制御についての制御因子となる。
【0039】
なお、図7に示すように、回転円盤反応器30の内壁に接合する固定円板22の外周部分には、所定の曲率半径Rを有する板24が設けられていることが好ましい。この板24は、回転円盤反応器30の内壁と、固定円板22の外周部分との間の反応液の滞留を防ぐという作用を有する。
【0040】
反応制御機能;回転する回転円盤20は、混合原料である反応液に慣性を与え、その結果、流動性を与える作用を有する。この回転円盤20の作用により流動性を得た液は、回転円盤20と固定円板22とにより各段毎分離され、そして、それらの隙間から下段に降下する。こうしたことにより、反応が各段毎に制御されるので、反応の進捗度合いが異なる各段ごとの反応液は、反応の進捗度合いの異なる他の段の反応液が混入されない状態下で、各段毎の反応を確実に行うことができる。
【0041】
攪拌・混合制御;回転円盤20は、その回転速度を選定することにより、その反応液の種類・性状・目的に応じて、原料である反応液の攪拌・混合の制御を行うことができる。このとき、回転円盤20の直径を上部と下部とで変え、上部と下部の回転速度を変化させることができる。例えば、回転円盤20の直径を大きくすれば、回転速度可変装置21により回転軸25を同じ速度で回転させても、その回転円盤20の周縁部の反応液は速く流動するので、攪拌を速やかに行うことができる。一方、回転円盤20の直径を小さくすれば、回転速度可変装置21により回転軸25を同じ速度で回転させても、その回転円盤20の周縁部の反応液は遅く流動するので、攪拌を緩やかに行うことができる。さらに具体例を挙げれば、最大径と最小径を20%以内の割合で変化させることができる。このように、回転円盤20の直径を設定することにより、高攪拌・高混合、またはその逆の攪拌・混合に設定することも可能となる。また、図6に示すように、回転円盤20の直径D1、固定円板22の内径D2、反応器30の内径D3について、それらの比率を選定することにより、攪拌効率および混合効率を変化させることができる。例えば、固定円板22の内径D2を、回転円盤20の外径D1よりも大きくしてその隙間を調節することが好ましく、図4および図5に示すように、反応液の攪拌と混合の程度、さらには、下段への液の移送速度を調節することができる。
【0042】
液の移送;回転円盤反応器内での攪拌・混合を嫌う反応液の場合には、図4および図5に示すように、回転円盤20の回転速度を小さくし、回転円盤20と固定円板22との間隙を適切に選定することにより、液の移送を主体とした反応を時間制御により行うことが可能となる。
【0043】
本発明の連続合成装置1は、こうした機能を有する回転円盤反応器30で反応させることができるので、反応条件を厳密に制御でき、反応条件により多種類の化合物が生成され易い反応系であっても特定の種類の化合物を主として連続的に合成することが可能となる。
【0044】
以下に、回転円盤反応器30により反応条件を制御する手段について、図4〜図6を参照しつつ説明する。
【0045】
(反応時間の制御)
反応時間は、回転円盤反応器内の原料である反応液の通過時間により制御される。例えば、a)回転円盤反応器の容量、b)回転円盤反応器が有する回転円盤の回転速度、大きさ及び段数、固定円板の大きさ及び段数、c)反応に供する回転円盤の段数を調節して反応時間を制御する段数選択手段、および、d)回転円盤反応器からの排出流量、等により制御される。
【0046】
回転円盤反応器30の容量は、その反応器内で反応する反応液の反応時間の制御因子となる。
【0047】
回転円盤20の回転速度は、回転速度可変装置21である回転制御電動機の回転数を制御することにより容易に変化させることができる。例えば、回転を速めると、回転円盤20上に供給された反応液が回転円盤20の周縁からこぼれ易くなり、その反応液は多段の回転円盤20で順次攪拌されながらを速く降下する。そのため、回転円盤反応器内で反応に供する時間を短くすることができる。一方、回転を遅くすると、反応液が回転円盤20の周縁からゆっくりこぼれるので、反応液は多段の回転円盤20で順次攪拌されながらをゆっくり降下する。そのため、回転円盤反応器内で反応に供する時間を長くすることができる。なお、回転円盤20の大きさや段数を変化させた場合についても同様のことが言える。
【0048】
固定円板22は、回転円盤反応器30の内側面から、回転円盤付近にまでリング状に突出するように、各回転円盤20間に設けられるものである。この固定円板22は、a)回転円盤の回転により徐々にその外周からこぼれた反応液を、その下の回転円盤に供給する役割、または、b)回転円盤との間で所定の隙間を構成し、その隙間により反応液をその下の回転円盤に供給する役割、を有している。従って、この固定円板22の作用により、下段の回転円盤20に供給された反応液は、その固定円板22の大きさや段数により、回転円盤反応器内での反応時間が変化することになる。
【0049】
本発明においては、固定円板22の内径D2と回転円盤20の外径D1との差を2〜100mmとし、固定円板22と回転円盤20の上下方向の間隔H1を5〜300mmとすることが好ましい。ここでいう間隔H1とは、固定円板22と回転円盤20の上下の垂直方向における間隔のことである。なお、回転円盤反応器30の内径D1はその処理能力により任意に設計されるが、およそ250〜3000mmであることが好ましい。
【0050】
段数選択手段は、反応に供する回転円盤20の段数を調節して反応時間を制御する手段である。例えば、図4に示すように、回転円盤反応器30の側面又は底面に複数の排出口26を設けた場合には、その排出口26の開閉操作を行うことにより反応時間を制御できる。また、図1に示すように、回転円盤反応器30の側面に複数の投入口19を設けた場合には、その投入口19の開閉操作を行うことにより反応時間を制御できる。
【0051】
この排出口26や投入口19の作用により、回転円盤反応器内で生成された化合物のうち、反応の進行に応じて生成される場合における複数種類の化合物を種類別に排出して次工程に移送することができる。その結果、要求に応じた化合物を、他の反応条件を変更することなく合成することができる。
【0052】
なお、排出口26は、各段の固定円板22に溜まった化合物をそれぞれ排出できるように、固定円板22の取付部位に設けることが好ましい。なお、当然、回転円盤反応器30の底面にも設けられる。そして、複数の排出口26のうち、使用されない排出口はバルブ開閉操作等により閉じられる。
【0053】
反応の進行により一種類の化合物しか生成しない場合においては、回転円盤反応器30の側面に設けられた所定の投入口19または排出口26を用いることができる。こうしたことは、使用する投入口19または排出口26をバルブ開閉操作により選択するだけで、反応時間を制御することができるという利点がある。
【0054】
回転円盤反応器30から排出された化合物は、必要に応じて設けられる熱交換器や冷却器4を経て固液分離工程に移送される。
【0055】
(反応圧力の制御)
反応圧力は、回転円盤反応器内において制御することができ、化合物の反応において極めて重要な因子である。
【0056】
反応圧力の制御は、図1に示すシステム制御弁5の制御等、各種の圧力調節手段により所定の圧力に調節され、下記の加熱装置により所定の温度に調節される。この圧力と温度の関係は、反応物の生成条件により異なるが、例えば、ゼオライトの場合は、飽和蒸気圧曲線に基づいて設定されることが好ましい。なお、具体的な圧力と温度の範囲は合成する化合物の反応条件により任意に設定されるが、例えば、圧力約1〜500kg/cm2(約0.1〜50MPa)、温度約60〜500℃程度は、合成条件により設定される。
【0057】
(反応温度の制御)
反応温度は、回転円盤反応器内において制御することができ、化合物の反応において極めて重要な因子である。
【0058】
反応温度の制御は、各種の加熱装置を適用できるが、一例としては、図4に示すように、ジャケット加熱管23により回転円盤反応器30を加熱し、その回転円盤反応器内の原料の温度を所定の温度とすることによって行われる。図4に示すジャケット加熱管23は、回転円盤反応器30の外側に巻き回されて設けられる。こうしたジャケット加熱管内には、熱媒体としてのオイルまたは蒸気を通すことが好ましい。
【0059】
こうした加熱装置の作用により、回転円盤反応器内を所定の温度に保持できるので、反応液が回転円盤反応器内に供給された時点から反応を速やかに開始させることができる。その結果、化合物を生成させる反応時間の短縮とそれに基づく合成効率の向上を達成することができる。
【0060】
(反応速度の制御)
反応速度は、回転円盤反応器内において制御することができ、化合物の反応において極めて重要な因子である。反応速度の制御は、温度、圧力、原料混合比、攪拌作用の程度、を変化させることにより行われる。
【0061】
例えば、攪拌作用の制御に関しては、図6に示すように、回転円盤20に邪魔板27や突起物28を必要に応じて任意の個所に複数個設けることが好ましい。邪魔板27や突起物28は、回転円盤20上での反応液の攪拌作用をさらに向上させることができるので、反応を促進させて化合物の反応時間をさらに短縮させることができると共に、高粘度の反応液であっても容易に攪拌することができるという利点がある。こうした邪魔板27や突起物28の形状、数、形成位置は特に限定されるものではなく、上記の目的を達成できる如何なる形状でも採用できる。
【0062】
さらに、回転円盤反応器30には、超音波発振装置やマイクロ波発振装置を設けることが好ましい。超音波発振装置やマイクロ波発振装置を設けることにより、回転円盤反応器30内の反応液に微視的な強攪拌作用からなる超音波振動やマイクロ波振動を与え、反応を促進させることができる。
【0063】
(4)化合物
本発明において、合成される化合物の種類は特に限定されない。従って、本発明の連続合成装置1は、反応条件の制御が不十分であることにより数種類の化合物が生成しやすい反応系に対して好ましく適用できる。そうした化合物を合成するための原料を本発明に係る連続合成装置1に投入することにより、反応が所定の条件下で行われることになり、所望の化合物を合成することができる。
【0064】
原料形態としては、液体原料、粉体原料、スラリー状原料等の流体状原料であることが好ましく、そうした流体状原料は管内を容易に通過する。
【0065】
本発明においては、合成される化合物として、ゼオライトを例示できる。ゼオライトは、反応条件の制御が不十分であることにより数種類のゼオライトが合成されるので、本発明を好ましく適用できる。この場合において、原料としてゼオライト原料が用いられる。ゼオライト原料を本発明に係る連続合成装置に投入することにより、反応が所定の条件下で行われることになり、所望の種類のゼオライトを合成することができる。また、本発明は、ゼオライトの合成以外に、工業原料からのメソ多孔体の合成、工業原料からの液相反応によるアルコール,フェノール等の合成、工業原料から液相重合反応による熱可塑性樹脂,合成ゴム等の合成などに適用することができる。
【0066】
以下に、ゼオライトを合成する場合における原料について説明する。
【0067】
ゼオライト原料としては、アルミニウム成分を含有するAl原料と、ケイ素成分を含有するSi原料とをアルカリ水溶液中に混合したものが使用される。
【0068】
Al原料としては、Al含有量が明らかになっているものを好ましく使用できる。こうしたAl含有量が明らかなAl原料の使用は、後の反応工程において、一定条件下で特定のゼオライトを容易に合成するのに好ましい。また、後述する誘導合成法に基づいてゼオライトを合成する場合には、Al含有量が明らかでないものであっても使用することができる。例えば、Alを含有する固体廃棄物や液体廃棄物が使用される。なお、そうした固体廃棄物と液体廃棄物の一方又は両方を有するものを用いたり、固体廃棄物と液体廃棄物をそれぞれ複数の種類配合したものを用いることもできる。なお、Al原料は、スラリー等のように液体や固体が混在した粘土状、流動状のものであってもよい。具体例としては、Al廃液、Alドロス、アルマイト加工廃液、アルミサッシ洗浄液等の廃液、廃Al缶、廃Alホイル、等々のAl含有物質を挙げることができる。
【0069】
Si原料としては、Si含有量が明らかになっているものを好ましく使用できる。こうしたSi含有量が明らかなSi原料の使用は、後の反応工程において、一定条件下で特定のゼオライトを容易に合成するのに好ましい。また、後述する誘導合成法に基づいてゼオライトを合成する場合には、Si含有量が明らかでないものであっても使用することができる。例えば、Siを含有する固体廃棄物や液体廃棄物が使用される。なお、そうした固体廃棄物と液体廃棄物の一方又は両方を有するものを用いたり、固体廃棄物と液体廃棄物をそれぞれ複数の種類配合したものを用いることもできる。なお、Si原料は、スラリー等のように液体や固体が混在した粘土状、流動状のものであってもよい。具体例としては、脱水ケーキ、廃ガラス、シリコンウエハー合成時の廃シリコン等の珪素含有物質、稲、麦等
の禾目科植物の焼却灰またはアルカリ抽出液を挙げることができる。
【0070】
なお、SiとAlとを同時に含有する原料であってもよい。例えば、石炭灰、都市ゴミ焼却灰、活性汚泥焼却灰、等々を例示できる。
【0071】
アルカリ水溶液は、ゼオライト原料中に存在してゼオライト生成反応には不可欠なものである。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ金属、アルカリ土類金属等を陽イオンとするアルカリ水溶液を挙げることができる。実際には、上述したAl原料およびSi原料の種類により、アルカリ水溶液の種類と濃度が適宜選択される。
【0072】
アルカリ水溶液の濃度は、0.01〜6N(規定。以下同じ。)することが好ましい。通常、2〜5N程度がより好ましい。Al原料およびSi原料と、アルカリ水溶液との比は、Al原料+Si原料:アルカリ水溶液=1:1〜1:8の割合で処理することが好ましいが、この範囲に限定されない。通常、1:4〜1:8程度のように、アルカリ水溶液の割合の高いものが適用される。なお、アルカリ水溶液の濃度とその配合比は、Al原料やSi原料の種類、ゼオライトの反応条件、反応時間、所望する合成量等を考慮して適宜設定される。
【0073】
Al原料およびSi原料とアルカリ水溶液は、図8に示すように、Al原料調整工程51およびSi原料調整工程52でそれぞれ所定時間攪拌され、その後ゼオライト原料混合器53に移送される。混合手段は特に限定されないが、例えば、プロペラタイプの一般的なミキサー混合槽により行われる。
【0074】
ゼオライト原料混合器53では、Al原料とSi原料とが混合されて所定の濃度に調整される。さらに、調整されたゼオラィト原料には、アルカリ水溶液や希釈水が添加され、最終的なアルカリ濃度が微調整される。また、誘導用のゼオライトをここで投入することもできる。
【0075】
こうして調整されたゼオライト原料は、その後、必要に応じて設けられる熱交換器18を経て、上述した回転円盤反応器30に供給される。
【0076】
回転円盤反応器30内で合成されるゼオライトとしては、上述したゼオライト原料や条件に応じたものが合成され、例えば、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト構造を有するゼオライトや、その他の構造からなる特定種類のゼオライトが合成される。その他のゼオライトとしては、MFI型のゼオライト、L型のゼオライト、モルデナイト、ヒドロキシソーダライト等を挙げることができる。
【0077】
(6)その他
本発明の流動円盤式化合物連続合成装置1には、化合物を反応させた後に、必要に応じ冷却工程・装置、固液分離工程・装置、脱水工程・装置が設けられる。化合物としてゼオライトを合成する場合には、必要に応じ型転換工程・装置も設けられる。なお、こうした各工程・装置の直後には、必要に応じて洗浄工程・装置を加えることができる。また、原料を調整する工程・装置と、反応工程・装置との間には熱交換工程・装置を加えることができ、反応工程・装置と冷却工程・装置との間にも熱交換工程・装置を加えることができる。
【0078】
本発明においては、そうした各工程・装置の具体的態様については特に限定されず、従来公知の手段や装置を任意に適用することができる。
【0079】
これらのうち、本発明の流動円盤式化合物連続合成装置1においては、図1に示すように、回転円盤反応器30で合成された化合物を冷却する冷却器4を備えることが好ましい。この冷却器4は、回転円盤反応器30で合成され排出された化合物を、速やかに冷却するので、合成された化合物の性状を固定し、化合物の質を均一にするように作用する。なお、この冷却器4は、冷却水が冷却媒体として使用される。
【0080】
【実施例】
以下に、本発明の実施態様の例として、工業原料,工業2次副生成物,籾殻焼却灰からゼオライトを合成する場合について示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の趣旨は、以下の実施態様に限定されるものではない。
【0081】
(実施例1)
原料としてアルミン酸ソーダと水ガラスを使用し、これらをアルカリ水溶液,水と混合して得られたゼオライト原料を、加熱し、回転円盤反応器に投入してゼオライトを合成した。得られたゼオライトは、冷却、固液分離、洗浄、脱水等を行って製品化した。ゼオライトは、アルミン酸ソーダと水ガラスとの割合、及び、これらとアルカリ水溶液,水との割合を調合することにより、A型,X型,Y型のいずれかのゼオライトを選択的に合成することができる。これらA型,X型,Y型の各型に対応した原料とアルカリ水溶液及び水との調合割合は、下記の表1に例示した通りである。なお、以下において、「%」は、重量%を表す。
【0082】
【表1】
【0083】
先ず、珪酸ソーダ溶液およびアルミン酸ソーダ溶液を調合した。珪酸ソーダ溶液は、上述した水およびNaOH溶液の半分の量を採取し、上述した水ガラスを加えた後、約20℃で機械攪拌して完全に均一化した溶液を調合した。一方、アルミン酸ソーダ溶液についても、上述した水およびNaOH溶液の半分の量を採取し、上述したアルミン酸ソーダを加えた後、約20℃で機械攪拌して粉末状のアルミン酸ソーダを固体分がなくなるまで完全に溶解させて調合した。
【0084】
次に、アルミン酸ソーダ溶液に珪酸ソーダ溶液を加えて、溶液中に粒状の塊がなくなるまで機械的攪拌を行い、混合原料を調製した。
【0085】
この混合原料を、回転円盤反応器30に投入し、合成反応に供した。この回転円盤反応器において、反応時間は、回転円盤20の回転速度および回転円盤反応器に設けられた複数の排出口26の開閉操作により制御した。また、反応圧力の制御は、システム制御弁5で制御し、その圧力を0.5MPaとした。ゼオライト原料の流速,回転円盤の回転数,回転円盤反応器30における合成温度,合成時間は、下記の表2に例示した通りである。
【0086】
【表2】
【0087】
こうした反応条件下で、A型,X型,Y型のゼオライトを合成した。合成されたゼオライトは、排出口26から排出された後、速やかに冷却器4に投入され、その性状が固定された。その後、固液分離、洗浄、脱水等を行ってゼオライトを得た。図9は、得られたA型ゼオライトのX線回折チャートであり、図10は、同じくX型ゼオライトのX線回折チャートであり、図11は、同じくY型ゼオライトのX線回折チャートである。これらチャートの解析の結果、A型,X型,Y型の単結晶ゼオライトを、選択的に合成できることが確認できた。
【0088】
(実施例2)
原料として、籾殻焼却灰とアルミサッシ洗浄に使用したアルミナを含む苛性ソーダを使用し、これらをアルカリ水溶液と混合して得られたゼオライト原料を、加熱し、回転円盤反応器に投入してA型のゼオライトを合成した。得られたゼオライトは、冷却、固液分離、洗浄、脱水等を行って製品化した。原料とアルカリ水溶液との調合割合は、下記の表3に例示した通りである。また、ゼオライト原料の流速,回転円盤の回転数,回転円盤反応器30における合成温度,合成時間は、下記の表4に例示した通りである。なお、その他の操作及び反応圧力は、実施例1の場合と同様にして行った。
【0089】
(実施例3)
原料として、水ガラスとアルミサッシ表面処理スラッジを使用し、これらをアルカリ水溶液,水と混合して得られたゼオライト原料を、加熱し、回転円盤反応器に投入してA型のゼオライトを合成した。得られたゼオライトは、冷却、固液分離、洗浄、脱水等を行って製品化した。原料とアルカリ水溶液との調合割合は、下記の表3に例示した通りである。また、ゼオライト原料の流速,回転円盤の回転数,回転円盤反応器30における合成温度,合成時間は、下記の表4に例示した通りである。なお、その他の操作及び反応圧力は、実施例1の場合と同様にして行った。
【0090】
(実施例4)
原料として、アルミサッシ洗浄に使用したアルミナを含む苛性ソーダと水ガラスを使用し、これらをアルカリ水溶液と混合して得られたゼオライト原料を、加熱し、回転円盤反応器に投入してA型のゼオライトを合成した。得られたゼオライトは、冷却、固液分離、洗浄、脱水等を行って製品化した。原料とアルカリ水溶液との調合割合は、下記の表3に例示した通りである。また、ゼオライト原料の流速,回転円盤の回転数,回転円盤反応器30における合成温度,合成時間は、下記の表4に例示した通りである。なお、その他の操作及び反応圧力は、実施例1の場合と同様にして行った。
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
上記の実施例2〜実施例4において得られたA型ゼオライトのX線回折チャートを、図12〜図14に示す。本発明によれば、これらの籾殻焼却灰や工業2次副生物からでも、所望のゼオライトを合成することができることが判る。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流動円盤式化合物連続合成装置および連続合成方法によれば、回転円盤反応器内での反応条件を本発明を構成する各手段で厳格に制御することができ、しかも、原料を連続的に回転円盤反応器に投入し、その回転円盤反応器内で連続的に反応させて化合物を合成するので、反応条件により多種類の化合物が生成され易い反応系であっても、特定種類の化合物を選択的に合成することができる。また、回転円盤反応器内で化合物が段階的に生産されるので、段階ごとの合成率が異なる生成物をそれぞれ取り出すことができる。また、反応条件を個別に変化させることができるので、経時的に異なる種類の化合物を生産することができる。また、本発明の連続合成装置および連続合成方法は、連続的に化合物を合成できるので、各種の制御手段の自動化を図ることができ、化合物を極めて効率的に生産することができる。また、合成ロスを少なくして、多品種少量生産や一品種大量生産に対しても、自在に適用することができる。
【0095】
より具体的に説明すれば、本発明は、a)反応条件の設定を画一的および厳格に行うことができる、b)装置の自動化を達成できる、c)反応の連続性を維持できるので、回分式等に比較して著しく装置容量を節約でき、建設費を低減できる、d)加熱一冷却を連続的に行うことができるので、品質の均一化と維持を容易に行うことができる、e)少量生産、大量生産にも適している、等の顕著な効果がある。さらに、f)複数の化合物を同時に生産できる、g)反応時間を制御する段数選択手段により、一つの反応器から異なる種類の化合物を得ることができる、h)反応諸条件を連続的に制御できるので、異なる化合物を連続的に生産できる、i)原料の種類、混合させる割合等を連続的に変えることができる、j)装置全体の生産諸条件を、生産量、生産目的に合わせ、連続的に変更することができる、等の顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動円盤式化合物連続合成装置の一例を示す系統概念図である。
【図2】スパイラル形状の加熱管の一例を示す概念図である。
【図3】スパイラル形状の加熱管の一例を示す平面図である。
【図4】回転円盤反応器の一例を示す概念図である。
【図5】反応液の流れを説明する図4のA-A断面図である。
【図6】回転円盤反応器内に設けられている回転円盤の一例を示す概略説明図である。
【図7】曲率半径Rを有する板の設置位置を説明する拡大説明図である。
【図8】ゼオライトを合成する製造工程の一例を示す系統図である。
【図9】実施例1において得られたA型ゼオライトのX線回折チャートである。
【図10】実施例1において得られたX型ゼオライトのX線回折チャートである。
【図11】実施例1において得られたY型ゼオライトのX線回折チャートである。
【図12】実施例2において得られたA型ゼオライトのX線回折チャートである。
【図13】実施例3において得られたA型ゼオライトのX線回折チャートである。
【図14】実施例4において得られたA型ゼオライトのX線回折チャートである。
【符号の説明】
1…連続合成装置
2…加熱手段
3…混合手段
4…冷却器
5…システム制御弁
11、11'…加熱管
12、12'、12"…加熱器
13…熱媒体加熱装置
14…熱媒体循環ライン
15…熱媒体
16…円筒
17…移送管
18…熱交換器
19…投入口
20…回転円盤
21…回転速度可変装置
22…固定円板
23…ジャケット加熱管
24…曲率半径Rを有する板
25…回転軸
26…排出口
27…邪魔板
28…突起物
30…回転円盤反応器
51…Al原料調整工程
52…Si原料調整工程
53…ゼオライト原料混合器
Claims (6)
- 一又は二以上の種類の原料をそれぞれ加熱する加熱手段と、加熱された一又は二以上の種類の原料を化合物に反応させるために、上部に原料の投入口を、下部に生成物の排出口をそれぞれ有する密閉した筒状容器の内部に、回転駆動装置により駆動される回転軸を設け、該回転軸にその中心部が支持される複数の回転円盤を上下適宜間隔を開けて多段に設けると共に、前記容器の内側面に、前記回転円板の外径より大きな内径を有する複数のリング状固定円板を、当該回転円盤と高さを違えて複数のリング状の固定円板を多段に設けてなる流動円盤式攪拌装置を用いた回転円盤反応器とを有する流動円盤式化合物連続合成装置であって、
前記回転円盤反応器は、多段の回転円盤と固定円板により作られる多段の小空間に回転円盤を回転させることにより原料の流動に均一性を与えると共に、原料が上段より下段に移行するとき他の段の原料が混入しないように流動状態を制御する回転円盤回転速度可変装置と、回転円盤の反応に供する段数を複数の原料投入口の中からいずれかの原料投入口を選択することにより反応時間を制御する段数選択手段と、反応温度を制御する加熱又は冷却装置と、反応圧力を制御する圧力調節手段と、を備えていることにより最適な反応状態に制御することを特徴とする流動円盤式化合物連続合成装置。 - 加熱手段は、原料が通過する加熱管と、当該加熱管を加熱して当該原料を所定の温度にする加熱器とを備えた請求項1の流動円盤式化合物連続合成装置。
- 加熱手段と回転円盤反応器との間には、混合手段が設けられている請求項1又は2の流動円盤式化合物連続合成装置。
- 加熱手段と回転円盤反応器との間には、加熱された後の原料の温度を加熱または冷却するための熱交換器が設けられている請求項1〜3のいずれかの流動円盤式化合物連続合成装置。
- 回転円盤反応器で合成された化合物を冷却する冷却器を備えた請求項1〜4のいずれかの流動円盤式化合物連続合成装置。
- 一又は二以上の種類の原料をそれぞれ加熱し、加熱された一又は二以上の種類の原料を混合原料とし、当該混合原料を、上部に原料の投入口を、下部に生成物の排出口をそれぞれ有する密閉した筒状容器の内部に、回転駆動装置により駆動される回転軸を設け、該回転軸にその中心部が支持される複数の回転円盤を上下適宜間隔を開けて多段に設けると共に、前記容器の内側面に、前記回転円板の外径より大きな内径を有する複数のリング状固定円板を、当該回転円盤と高さを違えて複数のリング状の固定円板を多段に設けてなる流動円盤式攪拌装置を用いた回転円盤反応器内で所定の化合物に反応させる流動円盤式化合物連続合成方法であって、
前記回転円盤反応器内の上下方向に多段に設けられ回転円盤の回転速度、回転円盤と固定円板の段数および/または形状を選択することにより、前記混合原料の均一な流動状態、及び前記混合原料が上段より下段に移行するとき、各段において反応の進捗度合いが異なる他の段の混合原料が混入するバックミキシングが起こらない状態に制御し、
前記回転円盤反応器内を圧力調節手段により所定の反応圧力に制御し、
前記回転円盤反応器内を加熱又は冷却手段により所定の反応温度に制御することにより最適な反応状態に制御することを特徴とする流動円盤式化合物連続合成方法。
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