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JP4653639B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP4653639B2 JP2005332015A JP2005332015A JP4653639B2 JP 4653639 B2 JP4653639 B2 JP 4653639B2 JP 2005332015 A JP2005332015 A JP 2005332015A JP 2005332015 A JP2005332015 A JP 2005332015A JP 4653639 B2 JP4653639 B2 JP 4653639B2
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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ等又はそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ等又はそれら複数の機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より周知である。
この形式の画像形成装置、特に複数の像担持体を有する多色の画像形成装置において、例えばドラム状の感光体(以下、「感光体ドラム」という)からなる像担持体等を備え画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された複数の像担持体ユニット(プロセスカートリッジ)を、画像形成装置本体に装着される際に正確に位置決めすることは、色ズレを始めとする画像の位置ズレを防止する上で重要な課題となっていて、さまざまな方式が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1ないし6参照)。
特開平4−229889号公報 特開2004−177443号公報 特開平10−7260号公報 特開2004−233902号公報 特開2001−242671号公報 特開2001−222207号公報
しかしながら、上記各技術では、位置決め部材の着脱などの操作方法が複雑であったり、困難であったりするなど、その操作性に劣ると共にコスト高になっていたという問題点を有していた。
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を解消して、簡単な位置決め構成によって像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して正しく位置決めすることができると共に、その操作性を向上してコストダウンを図れる画像形成装置を提供することを主な目的とする。
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、像担持体及び該像担持体を支持する担持体支持部材を備えた複数の像担持体ユニットと、該像担持体ユニットを前記担持体支持部材を介して、画像形成装置本体に対して着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニットとを有し、前記像担持体上の像は中間転写体上に順次重ねて転写された後、シート状記録媒体に一括転写される画像形成装置であって、前記位置決めユニットは、前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記像担持体ユニットの自重によって前記担持体支持部材が保持される複数の開口した保持部を備えた単一の保持部材と、前記各保持部上の前記担持体支持部材を押圧し位置決めする押圧手段とを具備し、前記押圧手段は、前記各担持体支持部材に対応して設けられ前記各保持部上の前記各担持体支持部材と非接触である非押圧位置と該各保持部上の該各担持体支持部材を押圧し位置決めする押圧位置との間で移動可能な複数の押圧部材と、該各押圧部材を前記押圧位置に移動する向きに付勢する付勢手段と、該各押圧部材を移動可能に支持すると共に、前記非押圧位置に対応した第1の位置と前記押圧位置に対応した第2の位置との間で移動可能に前記保持部材に支持された単一のスライド部材とを有し、前記スライド部材は、前記各押圧部材を前記非押圧位置と前記押圧位置との間に案内するガイド部と、第1の位置を占めているときに前記各押圧部材を前記非押圧位置に規制保持するストッパ部とを備えており、前記各押圧部材は、前記ガイド部と前記各保持部上の前記各担持体支持部材との間に圧入されて前記各担持体支持部材を押圧する楔形部を有しており、前記スライド部材が第1の位置にあるとき、前記各付勢手段により付勢された前記各押圧部材は、前記スライド部材の前記ストッパ部により規制されて前記各保持部上の前記各担持体支持部材に接触することが禁止され、前記スライド部材が第1の位置から第2の位置に向けて移動したとき、前記各付勢手段により付勢され、かつ、前記ストッパ部により規制された前記各押圧部材が前記スライド部材と共に移動し、前記スライド部材が第1の位置と第2の位置の間の位置に至ったとき、前記各付勢手段により付勢された前記各押圧部材は、その楔形部が、前記ガイド部と前記各保持部上の前記各担持体支持部材との間に圧入されて停止し、前記スライド部材がさらに第2の位置へ向けて移動することにより、前記各押圧部材が前記ストッパ部による規制から解除されるように、前記スライド部材と、前記各押圧部材と、前記各付勢手段と、前記ストッパ部との位置が設定されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、前記スライド部材は、第1の係止部を備えており、前記各押圧部材は、第1の係止部と対応する位置であって前記非押圧位置と前記押圧位置との間の移動範囲に設けられた移動用孔と、第1の係止部と対向して設けられた第2の係止部とを備えており、第1の係止部と第2の係止部との間に前記付勢手段を装着したことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、前記付勢手段は、ほぼU字状をなすばねであることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、第1の係止部は前記スライド部材に対して、第2の係止部は前記各押圧部材に対して、それぞれ前記ばねを係止するための係止角度をなして設けられており、第1の係止部の前記係止角度は、前記スライド部材に対して45°以上であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項又は記載の画像形成装置において、前記ばねは、該U字部の開口側曲げ内の幅が、該U字部の最大幅よりも小さいことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置において、第1の係止部と第2の係止部との上下方向の位置関係は、第2の係止部の方が第1の係止部よりも上に位置することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置において、前記押圧部材の前記ガイド部との接触が、前記押圧部材の両端部で接触していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、前記接触状態が、点接触を除くほぼ線接触であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置において、前記押圧部材と前記スライド部材との摺接面の何れか一方に、3個以上の点接触用の突起を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置において、前記スライド部材には、丸孔と長孔をつなげた形状の孔が設けられ、前記保持部材には、前記スライド部材が第1の位置を占めているときに前記丸孔に対応する位置に孔が設けられ、前記画像形成装置本体には、前記両孔と合致する位置に位置決め軸が設けられており、前記スライド部材を第2の位置に移動したとき、前記両孔と前記位置決め軸とが嵌合することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の画像形成装置において、前記位置決め軸の先端部が、面取り形状を備えていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項10又は11記載の画像形成装置において、前記位置決め軸の前記スライド部材の前記孔と嵌合する側の部分が、面取り形状を備えていることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項10ないし12の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記スライド部材の前記長孔部分の周囲の一部が、凸部形状を備えていることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項10ないし13の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材は、前記画像形成装置本体に対して支点を中心として揺動可能に構成されており、前記支点の位置は、前記位置決め軸の前記スライド部材の前記孔と嵌合する側の内面よりも外側にあることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項10ないし14の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材が前記画像形成装置本体に対して閉じられて、前記位置決め軸がセットされるとき、前記保持部材をその位置に仮に固定する仮固定手段を有することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項10ないし15の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材と前記スライド部材とは、前記位置決め軸との嵌合部近傍にて該位置決め軸方向のガタがない形状を備えていることを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項ないし16の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記スライド部材が、第1の位置から移動して第2の位置を占めるとき、嵌合感を持たせる嵌合感手段を有することを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の画像形成装置において、前記スライド部材が、前記嵌合感手段を介して第2の位置を占めるとき、その移動方向のガタは2mm以下であることを特徴とする。
請求項19記載の発明は、請求項ないし18の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記スライド部材を挟んで前記保持部材に対向してその外側に設けられたカバー部材と、前記スライド部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動手段とを有し、前記移動手段は、所定の方向に往復運動可能に前記カバー部材に設けられた操作部材と、該操作部材による前記所定の方向の往復運動を前記スライド部材の移動運動に変換する往復運動変換手段とからなることを特徴とする。
請求項20記載の発明は、請求項19記載の画像形成装置において、前記カバー部材と前記保持部材との固定位置は、前記各保持部上に保持される前記各担持体支持部材よりも外側に設けたことを特徴とする。
請求項21記載の発明は、請求項ないし20の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材の少なくとも長辺方向の一辺とその両端の短辺には、フランジが全周にわたって形成されていることを特徴とする。
請求項22記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置において、前記保持部材の各保持部の部分から前記支点までにわたる形状を一体的に形成したことを特徴とする。
請求項23記載の発明は、請求項22記載の画像形成装置において、前記各保持部の部分から前記支点までにわたる形状にかけて、フランジが全周にわたって形成されていることを特徴とする。
請求項24記載の発明は、請求項ないし23の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材の前記各保持部近傍における長辺方向に、絞り形状が形成されていることを特徴とする。
請求項25記載の発明は、請求項24記載の画像形成装置において、前記保持部材には、前記各保持部の両端部分よりも外側まで絞り形状が形成されていることを特徴とする。
請求項26記載の発明は、請求項24記載の画像形成装置において、前記保持部材の前記絞り形状に、前記スライド部材との係合部分を設けたことを特徴とする。
請求項27記載の発明は、請求項ないし26の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材と前記スライド部材との係合部分は、前記スライド部材の両端部と中央部であることを特徴とする。
請求項28記載の発明は、請求項1ないし27の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部は、ほぼ鉛直線を中心としてその両側にほぼ等しい角度をもって互いにほぼ直交する2つの面を備えていることを特徴とする。
請求項29記載の発明は、請求項ないし28の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記保持部材、前記スライド部材及び前記押圧部材のうちの少なくとも1つの部材は、板材で一体的に形成されていることを特徴とする。
請求項30記載の発明は、請求項1ないし28の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記担持体支持部材が前記保持部上に保持されるとき、前記保持部材または前記スライド部材に、前記担持体支持部材を前記保持部に押し付ける押し付け手段を配設したことを特徴とする。
請求項31記載の発明は、請求項30記載の画像形成装置において、前記押し付け手段は、前記保持部材側に配設された線形状の弾性部材を備えていることを特徴とする請求項37記載の画像形成装置。
請求項32記載の発明は、請求項30記載の画像形成装置において、前記担持体支持部材は、前記像担持体の回転軸とこれを回転可能に支持する軸受とを有し、前記押し付け手段は、前記回転軸の位置より上方の前記スライド部材にその一端が固定された板形状の弾性部材を備えていることを特徴とする。
請求項33記載の発明は、請求項30記載の画像形成装置において、前記担持体支持部材は、前記像担持体の回転軸とこれを回転可能に支持する軸受とを有し、前記押し付け手段は、前記回転軸の位置より下方の前記スライド部材にその一端が固定され、かつ、前記回転軸の中心位置よりも下側に曲げを形成された板形状の弾性部材を備えていることを特徴とする。
請求項34記載の発明は、請求項32または33記載の画像形成装置において、前記スライド部材には、前記回転軸との干渉を避けるための逃げ穴が形成されており、前記弾性部材は、少なくとも前記逃げ穴を覆う大きさの形状を持つことを特徴とする。
本発明によれば、位置決めユニットが画像形成装置本体に対して閉じられるとき、開口した保持部上に像担持体ユニットの自重によって担持体支持部材が保持された後、押圧手段によって保持部上の担持体支持部材が押圧されて位置決めされるので、簡単な位置決め構成によって像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して正しく位置決めすることができると共に、その操作性を向上してコストダウンを図れる画像形成装置を提供できる。
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態及び実施例を含む実施形態を説明する。後述する比較例、実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明をできるだけ省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。
図1は、本発明を適用する画像形成装置の一例を示している。まず、図1を参照して、画像形成装置の全体構成及び動作を説明する。
同図に示す画像形成装置は、フルカラー画像を形成するタンデム式の画像形成装置構成である。この画像形成装置は、画像形成装置本体7内に装着・配置された第1ないし第4のプロセスカートリッジ1Y,1C,1M,1BKと、これらのプロセスカートリッジに対向して配置された中間転写体としての中間転写ベルト2とを有する。中間転写ベルト2は、無端ベルトであり、駆動ローラ及び従動ローラを備えた複数のローラ3,4,5に巻き掛けられている。各プロセスカートリッジ1Yないし1BKは、像担持体としてのドラム状の感光体(以下、「感光体ドラム」という)6Y,6C,6M,6BKを有し、その各感光体ドラム上にそれぞれ異なった色のトナー像が形成され、その各トナー像が中間転写ベルト2に順次転写される。
各プロセスカートリッジ1Yないし1BKは、後述する位置決めユニットの開閉方向とほぼみなせる各感光体ドラム6Yないし6BKの回転軸(図示せず)の長手方向に画像形成装置本体7に対して着脱自在に構成されている。
第1ないし第4のプロセスカートリッジ1Yないし1BKの構成と、その各感光体ドラム6Yないし6BK上に形成されたトナー像を中間転写ベルト2に転写する構成は、各トナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一であるため、第1のプロセスカートリッジ1Yの構成と、その感光体ドラム6Y上のトナー像を中間転写ベルト2に転写する構成を代表して説明し、その他は説明を省略する。また、図2以下の各図において、同一の構成部分については色を表す欧文文字をプロセスカートリッジ、感光体ドラム及びカートリッジケースのみに付すことで図の簡明化を図り、他の構成部分へのそれを省略することとする。
第1のプロセスカートリッジ1Yは、感光体ドラム6Yの周りに配置された帯電ローラ8Y等を有する帯電装置11Yと、現像ローラ12Y等を有する現像装置9Yと、クリーニングブレード13Y等を有するクリーニング装置10Yとを具備している。これらの装置11Y,9Y,10Yの各ケースは、共通のユニットケースであるカートリッジケース14Yによって構成されている。
図2は、プロセスカートリッジ1Yの感光体ドラム6Yと、その感光体ドラム6Yを支持する担持体支持部材15を示す部分断面図であり、この図にはプロセスカートリッジ1Yの他の構成要素の図示は省略してある。ここに示した担持体支持部材15は、図3にも示すように、回転軸である支持軸16と、その支持軸16に取り付けられた例えば玉軸受より成る軸受17とを有し、感光体ドラム6Yは、その両端部に固定されたフランジ18,19を介して、支持軸16に固定支持されている。また、支持軸16は、図示していない軸受を介して、図1に示したカートリッジケース14Yに回転自在に組み付けられている。
画像形成動作が開始されると、感光体ドラム6Yは図1における時計方向に回転駆動され、中間転写ベルト2は矢印A方向に回転駆動される。このとき、帯電装置11Yの帯電ローラ8Yが感光体ドラム6Yの表面に接触しながら回転し、その帯電ローラ8Yの作用によって、感光体ドラム6Yが所定の極性に帯電される。帯電後の感光体ドラム6Yには、プロセスカートリッジ1Yとは別体の図1に示した露光装置20から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって感光体ドラム6Yに静電潜像が形成される。
現像装置9Yの現像ローラ12Yは図1における反時計方向に回転駆動され、その現像ローラ12Y上に乾式の現像剤が担持されて搬送され、その現像剤中のイエロートナーが感光体ドラム6Yに形成された静電潜像に静電的に移行・付着して、該静電潜像がイエロートナー像として可視像化される。また、中間転写ベルト2を挟んでプロセスカートリッジ1Yと反対側には1次転写手段としての1次転写ローラ21Yが配置され、この1次転写ローラ21Yの作用によって感光体ドラム6Y上に形成されたトナー像が中間転写ベルト2上に転写される。トナー像転写後の感光体ドラム6Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置10Yのクリーニングブレード13Yによって、感光体ドラム6Y表面から掻き取り除去される。
上述した内容と全く同様にして、図1に示した第2ないし第4のプロセスカートリッジ1C,1M,1BKの各感光体ドラム6C,6M,6BK上にシアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト2上に順次重ねて転写される。
一方、図1に示すように、画像形成装置本体7内の下部には、シート状記録媒体の一例としての転写紙Pを収容した給紙カセット22が配置され、その最上位の転写紙Pが給紙ローラ23の回転によって矢印B方向に送り出される。送り出された転写紙Pは、中間転写ベルト2と、これに対向配置された2次転写手段としての2次転写ローラ24との間に給送され、このとき2次転写ローラ24の作用によって、中間転写ベルト2上のトナー像が転写紙Pに転写される。トナー像の転写された記録媒体はさらに上方に搬送されて定着ユニット25を通り、このとき熱と圧力の作用によって記録媒体上のトナー像が定着される。定着ユニット25を通過した記録媒体は、画像形成装置本体7の上部の排紙部26上に排出される。またトナー像転写後の中間転写ベルト2上に付着する転写残トナーは、中間転写ベルト2用のクリーニングユニット27によって除去される。
次に、プロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体7に装着する際の位置決め構成及び動作について説明するが、後述するように本発明の実施形態は図2ないし図7に示す位置決め構成(以下、「比較例」という)に対して改良を加えたものであるため、細部にわたって詳しく説明する。
図2における符号Fは、画像形成装置の手前側を示し、符号Rは画像形成装置の奥側、すなわち後側を示している。プロセスカートリッジ1Yと他のプロセスカートリッジ1C,1M,1BKとは、後述するように、その前後方向、換言すれば支持軸16の長手方向に着脱可能に画像形成装置本体7に装着されている。画像形成装置本体7を構成するフレーム33は、その手前側に配置された前側板28と、図3にも示すように、奥側に配置された後側板29と、これらの側板28,29が固着された底板30(図3)とを有する。
画像形成装置本体7側の前側板28に形成された開口31は、通常、図2及び図4等に示すように、各プロセスカートリッジ1Yないし1BKを各担持体支持部材15を介して、着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニット65によって覆われている。位置決めユニット65は、図2及び図4ないし図7に示すように、前側板28の開口31に対して閉じられるとき、各担持体支持部材15が保持される開口した取付穴37に形成された保持部としての2つの面45,46を備えた単一の位置決め保持部材32と、2つの面45,46に保持された各担持体支持部材15を押圧し位置決めする後述する押圧手段とから主に構成されている。
フレーム33と位置決め保持部材32の周りには、図示していない外装カバーと、これに支持された前カバー(図示せず)とが位置するようになっている。
図2及び図3に示すように、位置決め保持部材32は、一対のヒンジピン34を介して、前側板28に矢印C,Dで示す方向に所定角度の範囲で回動可能、すなわち揺動・開閉自在に枢着され、通常は、図2に示した閉位置を占めている。位置決め保持部材32が閉位置を占めるとき、位置決め保持部材32に形成された位置決め孔35aが前側板28に突設された位置決めピン36aに嵌合すると共に、位置決め保持部材32に形成された他の位置決め孔35bが前側板28に突設された位置決めピン36bに嵌合して、位置決め保持部材32が画像形成装置本体のフレーム33に対して位置決めされる。このときの位置決め保持部材32の位置が、フレーム33に対して位置決めされた所定の取付位置である。このように、位置決め保持部材32は、画像形成装置本体7のフレーム33に対して所定の取付位置に位置決めされて開閉自在に取り付けられる。
図3に示すように、位置決め保持部材32には、各担持体支持部材15に対応して取付穴37が形成され、位置決め保持部材32が図2に示した閉位置、すなわち所定の取付位置にあるとき、その各取付穴37に、各担持体支持部材15の手前側の部分、この例では各軸受17が嵌入・保持されて、後述するように各担持体支持部材15の手前側の部分が、位置決め保持部材32に対して位置決めされる。このように、位置決め保持部材32には、その位置決め保持部材32が取付位置に取り付けられた状態で、各担持体支持部材15が嵌入・保持される取付穴37が形成されている。
一方、図2に示すように、プロセスカートリッジ1Yの感光体ドラム6Yを支持する支持軸16の奥側の端部には担持体ギア38が固定されている。後側板29には、担持体ギア38と着脱可能なカップ状ギア39の軸40が回転自在に支持され、同図の状態ではカップ状ギア39に担持体ギア38が係合している。これにより、支持軸16の奥側の端部が後側板29に対して支持軸16の長手方向に関して位置決めされる。カートリッジケース14Yの手前側と奥側には、図示していない回り止め用のピンが突設され、これらのピンが位置決め保持部材32と後側板29に形成された孔(図示せず)に嵌合し、これによってプロセスカートリッジ1Yが支持軸16の周りに回ってしまうことが阻止される。
軸40が図示していないモータによって回転駆動され、その回転がギア39,38を介して支持軸16に伝えられ、これによって感光体ドラム6Yが前述のように回転駆動される。このとき、支持軸16の手前側の部分は、軸受17を介して位置決め保持部材32の取付穴37に保持されているので、支持軸16は支障なく回転することができる。
他のプロセスカートリッジ1C,1M,1BKの各支持軸16の奥側の端部も、上述した内容と全く同様にして後側板29に位置決めされ、かつその各支持軸16と感光体ドラム6C,6M,6BKが上述した内容と同様にして回転駆動される。
モータの作動を停止させた状態で、図示していない前ドアを開くと共に、位置決め保持部材32を図3に示した開位置に回動させると、開口31が開放される。この状態でプロセスカートリッジ1Yを矢印Eで示した手前方向に引くと、そのプロセスカートリッジ1Yは図示していない着脱手段を構成するガイドレールに案内されながら手前方向に引き出される。逆に、各プロセスカートリッジ1Yを矢印Gで示した奥方向に押すと、そのプロセスカートリッジ1Yは前記ガイドレールに案内されながら奥方向に押し込まれ、図2に示したように担持体ギア38がカップ状ギア39に係合して、支持軸16の奥側端がフレーム33に対して位置決めされる。次いで位置決め保持部材32を図2に示した閉位置に揺動して前側板28に対して位置決めする。この状態で後述するように、支持軸16の手前側の部分をフレーム33に対して位置決めすることができる。次いで前記前ドアを閉じることにより、画像形成動作を開始することが可能となる。他のプロセスカートリッジ1C,1M,1BKも全く同様にして画像形成装置本体7に対して着脱することができる。
次に、各担持体支持部材15の手前側の部分を画像形成装置本体7のフレーム33に対して位置決めするための具体的構成を説明する。
図4は前述のように各プロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体の奥側に押し込んで、位置決め保持部材32を閉位置に回動し、その位置決め保持部材32に形成された位置決め孔35a,35bを前側板28に突設された位置決めピン36a,36bに嵌合して、位置決め保持部材32を所定の取付位置に位置決めしたときの様子を示す図であって、図2の矢印IV方向に見た図である。この図4と図2及び図6から判るように、位置決め保持部材32には、スライド部材41が配置されている。
スライド部材41には、水平方向に長い複数の長孔42が形成され、その各長孔42に段付ねじ43が相対的に摺動可能に挿入され、その各段付ねじ43は位置決め保持部材32に螺着されている。これにより、スライド部材41は、図4に示した第1の位置と図5に示した第2の位置との間を水平方向に移動可能に位置決め保持部材32に支持される。
位置決め保持部材32を図3に示した開位置から図4に示した閉位置に揺動すると、その位置決め保持部材32に形成された各取付穴37に、各軸受17が嵌入するが、このとき図4から判るように、各取付穴37のサイズは、各支持軸16と、これに嵌合した各軸受17の横断面積よりも大きく設定されていて、各軸受17は各取付穴37に大きな遊びをもって嵌入する。このため、各軸受17を各取付穴37に楽に嵌入することができる。図4に示すように、各取付穴37には、軸受17が保持される保持部としての鉛直な面45と水平な面46との2つの面、他の湾曲した面47によって区画され、鉛直な面45と水平な面46とは互いにほぼ直交している。
一方、図2、図4、図5及び図6に示すように、各軸受17に対応して、各押圧部材44がそれぞれ設けられ、その各押圧部材44は、図7にも示すように、先細状に形成された楔形をなす楔形部53を有している。さらに、各押圧部材44には、ほぼ水平に延びる長孔48が形成され、その各長孔48には、スライド部材41に螺着された段付ねじより成るストッパ49がそれぞれ相対的に摺動可能に嵌合している。これにより、各押圧部材44は、スライド部材41に対して、所定のストロークを水平方向に移動することができる。
また、スライド部材41の上部のフランジ部の下側面は各押圧部材44が水平方向に移動するとき、その押圧部材44を案内するガイド面50として機能する。このように、スライド部材41には、各押圧部材44用のガイド面50が形成されている。
図4に示すように、各押圧部材44と、スライド部材41に突設された各係留ピン51には、付勢手段としての引張ばね52の各端部がそれぞれ係止されている。これにより、各押圧部材44は、図4における右方に付勢されているが、スライド部材41が図4に示した第1の位置を占めているときは、前述の各長孔48の一方の端部61が各ストッパ49に当接し、各押圧部材44は図4に示した位置に停止している。このとき、各押圧部材44は、各担持体支持部材15の各軸受17に接触することはない。
このように、各押圧部材44は、ばね52により付勢された状態で、スライド部材41に移動可能に支持され、スライド部材41が第1の位置にあるとき、ばね付勢された押圧部材44は、スライド部材41に設けられたストッパ49により規制されて、担持体支持部材15に接触することが禁止されるのである。このため、操作者が手操作にて、位置決め保持部材32を図2に示した開位置から図4に示した閉位置に揺動したとき、各軸受17は、各押圧部材44に干渉することなく、各取付穴37に嵌入することができる。
次に、操作者は、図4に示したスライド部材41を手操作によって右方にスライドさせて図5に示した第2の位置を占めさせると、各押圧部材44の楔形部53が、ガイド面50と各担持体支持部材15の各軸受17との間に圧入され、その各軸受17を、各取付穴37を区画する2つの面45,46に対して押圧する。このときの作用を、以下、より詳細に説明する。
スライド部材41を図4に示した第1の位置から図5に示した第2の位置へ向けて移動させ始めると、各ばね52によって付勢され、かつ、各ストッパ49によって規制された各押圧部材44は、スライド部材41と共に、図4における右方へ移動し始める。次いで、スライド部材41が第1の位置と第2の位置の間の所定の位置に至ると、各ばね52によって付勢された各押圧部材44の楔形部53は、ガイド面50と各担持体支持部材15の各軸受17との間に圧入され、その各軸受17の外周面に圧接して停止する。これにより、各押圧部材44は、各軸受17を各取付穴37の2つの面45,46に対して強力に押し付ける。
各押圧部材44が停止した後も、各ばね52の付勢力に抗してスライド部材41を第2の位置へ向けて移動させると、各押圧部材44に形成された長孔48の各端部61が各ストッパ49から離れ、各押圧部材44は各ストッパ49による規制から解除される。
上述のように、各ばね52により付勢された各押圧部材44の楔形部53による押圧力によって、各軸受17が各取付穴37の2つの面45,46に圧接するので、各担持体支持部材15と、これらに支持された各感光体ドラム6Yないし6BKの手前側の部分が、位置決め保持部材32に対して正しく位置決めされる。このとき、その位置決め保持部材32はフレーム33に対して正しく位置決めされているので、結局、各感光体ドラム6Yないし6BKが画像形成装置本体7のフレーム33に対して正しく位置決めされる。操作者が位置決め保持部材32をフレーム33に対して所定の位置に取り付けて、スライド部材41を移動させるだけで、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めすることができるのである。しかも、位置決め保持部材32に形成された取付穴37のサイズを担持体支持部材15の手前側の端部の横断面積よりもずっと大きく設定できるので、各担持体支持部材15を楽に各取付穴37に嵌入させることができる。
当然のことながら、フレーム33に対する位置決め保持部材32の寸法精度や、位置決め保持部材32の各取付穴37の2つの面45,46のピッチや各部の寸法精度は、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めするために所定の精度範囲(公差)内に設定されていることは言うまでもない。
上述のとおり、押圧手段は、各担持体支持部材15に対応して設けられ各保持部上の各担持体支持部材15と非接触である非押圧位置と各保持部(2つの面45,46)上の各担持体支持部材15を押圧し位置決めする押圧位置との間で移動可能な複数の押圧部材44と、各押圧部材44を押圧位置に移動する向きに付勢する付勢手段としての引張ばね52と、各押圧部材44を移動可能に支持すると共に、非押圧位置に対応した第1の位置と押圧位置に対応した第2の位置との間で移動可能に位置決め保持部材32に支持された単一のスライド部材41と、スライド部材41を第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動手段(図示せず)とから主に構成されている。
ここで、例えば特開2001−222207号公報(特許文献6)記載の像担持体ユニットの位置決め方式と対比する形でその問題点を整理しておく。同公報の段落「0067」には、「…(中略)…プロセスカートリッジ10の感光体ドラム12の軸12aは、駆動ユニット90のカップリング95と、開閉蓋ユニット500のCRG受け200の軸受部201と、作動プレート110の穴111と、各補助部材115,116によって位置決めされ、カラー画像形成装置に正確に位置決め保持される。…」という技術事項が記載されている。このように同公報記載の技術では、横方向の位置決めを行うCRG受け200の軸受部201の位置決め部分の寸法精度が確保されている分、各感光体ドラム12の軸12aとの嵌合時の摩擦抵抗が大きくなってしまい、たとえ各感光体ドラム12の軸12aに対する各補助部材115,116の当接タイミングを徐々にズラして縦方向の位置決めを行っても上述した本願発明の従来例程の楽な操作性は望めないという問題点がある。また、位置決め・嵌合部の摺擦による摩耗などの虞もある。
以上のように、図1ないし図7に示した画像形成装置は、各取付穴37に緩く嵌合、すなわち嵌入した担持体支持部材15を、その各取付穴37を区画する2つの面45,46に対して押圧する押圧部材44を具備し、該押圧部材44は、ガイド面50と担持体支持部材15との間に圧入されて、担持体支持部材15を押圧する楔形部53を有している。しかも、スライド部材41が第1の位置にあるとき、ばね52で付勢された押圧部材44は、スライド部材41に設けられたストッパ49により規制されて、担持体支持部材15に接触することが禁止され、スライド部材41が第1の位置から第2の位置に向けて移動したとき、ばね付勢され、かつ、ストッパ49により規制された押圧部材44がスライド部材41と共に移動し、該スライド部材41が第1の位置と第2の位置の間の位置に至ったとき、ばね52で付勢された押圧部材44は、その楔形部53が、ガイド面50と担持体支持部材15との間に圧入されて停止し、スライド部材41がさらに第2の位置へ向けて移動することにより、押圧部材44がストッパ49による規制から解除されるように、スライド部材41と、押圧部材44と、ばね52と、ストッパ49の位置が設定されているのである。
スライド部材41をして図5に示した第2の位置を占めさせたとき、各押圧部材44の楔形部53がガイド面50と、各軸受17の外周面との間に圧入するので、その摩擦力とばね52の付勢力とによって各担持体支持部材15は正規の位置に保持され、各感光体ドラム6Yないし6BKを正しく位置決めし続けることができる。また、スライド部材41を手操作によって、再び図4に示した第1の位置に戻せば、各押圧部材44は、各軸受17の外周面から離れるので、位置決め保持部材32を支障なく、図3に示した開位置に揺動させることができる。
また、各担持体支持部材15が押圧される各取付穴37の2つの面45,46は、互いにほぼ直交している面であるため、各担持体支持部材15を安定した状態で保持して、その位置を正しく定めることができる。
さらに、図7に示すように、各押圧部材44の楔形部53のなす角度をθとすると、この角度θが大き過ぎると、その楔形部53をガイド面50と軸受17の間に圧入させるのに大きな力が必要となり、操作性が低下する。逆にこの角度θが小さすぎると、押圧部材44の作動ストロークが徒らに大きくなり、やはり操作性が低下する。かかる観点から、この角度θを5°ないし45°、特に15°ないし20°に設定することが好ましい。
また、図2及び図7に示すように、位置決め保持部材32に形成された取付穴37の2つの面45、46が、プレス成形時の切り起こし加工によって成形された舌片55、56によって形成されていると、その舌片55、56の基部に丸み57が形成されるので、位置決め保持部材32を図2に示した閉位置に回動させるとき、丸み57の部分が軸受17に摺接することになり、その軸受17に傷が付けられる不具合を防止できる。
同様に、担持体支持部材15に接触する押圧部材44の面が、プレス成形時の切り起こし加工によって成形された舌片58により形成されていると、図2に示すように、その舌片58の基部に丸み60が形成されるので、押圧部材44が担持体支持部材15の軸受17に当接するときに、その軸受に傷をつける不具合を防止できる。
以上説明した画像形成装置は、複数の感光体ドラム6Yないし6BKを有し、その各感光体ドラムを支持する担持体支持部材15を押圧する複数の押圧部材44が、共通のスライド部材41にそれぞれ移動可能に支持されているので、単一のスライド部材41を移動させるだけで、全ての押圧部材44を作動させ、その各押圧部材44によって各担持体支持部材15を各取付穴37の2つの面45,46に押圧させることができる。
また、図示した画像形成装置においては、各担持体支持部材15の支持軸16に感光体ドラム6Yないし6BKが固定支持されていて、各担持体支持部材15の支持軸16を回転駆動して、各感光体ドラム6Yないし6BKを回転させるように構成されているので、各担持体支持部材15の支持軸16の前側の部分に軸受17を取り付け、その各軸受17を各取付穴37に緩く嵌合させるように構成されている。これに対し、各感光体ドラムを各支持軸に回転自在に支持すると共に、その支持軸を回転させず、感光体ドラムだけを回転駆動するように構成した場合には、支持軸を直に取付穴に嵌合させることができる。このため、この場合の担持体支持部材には、取付穴37に緩く嵌合する軸受17を設けなくともよい。
また、本例の画像形成装置においては、支持軸16が感光体ドラム6Yないし6BKに一体に組み付けられているが、各支持軸を画像形成装置本体のフレームの方に回転自在又は回転不能に組み付け、感光体ドラムを支持軸に対して、その軸線方向に着脱可能に組み付けることもできる。かかる画像形成装置にも上述した各構成を支障なく採用することができる。またこの場合も、支持軸がフレームに回転自在に支持されているときは、その支持軸と、その手前側の部分に取り付けられた軸受によって担持体支持部材が構成され、支持軸が回転不能にフレームに組み付けられているときは、その支持軸を直に位置決め保持部材の取付穴に嵌合することができる。
図1ないし図7に示した各構成は、感光体ドラムが1つだけ設けられた画像形成装置にも支障なく適用できるものである。
説明が前後するが、位置決め保持部材32、スライド部材41及び各押圧部材44等は、板材としての板金で前記各部が一体的に形成されているので、非常に安価に、かつ、所定の強度や耐摩耗性・耐久性を確保して形成することができるという利点・効果も奏するものである。
(第1の実施形態)
図8ないし図16に、第1の実施形態を示す。第1の実施形態は、図1ないし図7に示した比較例としての画像形成装置と比較して、位置決めユニット65に代えて、図8等に示す位置決めユニット70を用いる点が主に相違する。
位置決めユニット70は、位置決めユニット65と比較して、位置決め保持部材32に代えて、図8等に示す保持部材としての位置決め保持部材32Aを用いる点、スライド部材41に代えて、図15に示す押圧手段を構成するスライド部材41Aを用いる点、押圧部材44に代えて、図9ないし図11等に示す押圧手段を構成する押圧部材44Aを用いる点、段付ねじより成るストッパ49を除去した点、引張ばね52に代えて、図10ないし図13に示す押圧手段を構成するばね71を用いる点、スライド部材41Aを挟んで位置決め保持部材32Aに対向してその外側にカバー部材90を新たに設けた点、及びスライド部材41Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させる図14に示す移動手段92を有する点が主に相違する。上記相違点以外は、位置決めユニット65と同様である。
位置決めユニット70は、図8及び図14に示すように、図2に示した前側板28の開口31に対して閉じられるとき、各担持体支持部材15が保持される開口した取付穴77に形成された保持部としての2つの面78,79を備えた単一の位置決め保持部材32Aと、2つの面78,79に保持された各担持体支持部材15を押圧し位置決めする後述する押圧手段とから主に構成されている。
位置決め保持部材32A、スライド部材41A及び各押圧部材44Aは、比較例と同様に、板材としての板金で後述の各部等が一体的に形成されているので、非常に安価に、かつ、所定の強度や耐摩耗性・耐久性を確保して形成することができるという利点・効果も奏するものである。
位置決め保持部材32Aは、位置決め保持部材32と比較して、取付穴37に代えて、取付穴77を形成されている点、及び位置決め保持部材32ではその説明を省略したが、位置決め保持部材32Aの強度を向上した点が主に相違する。
図8に示すように、開口した取付穴77には、各プロセスカートリッジ1Yないし1BKの自重によって担持体支持部材15が保持される保持部としての2つの面78,79を備えた舌片80,81が一体的に形成されている。2つの面78,79を備えた舌片80,81は、ほぼ鉛直線を中心としてその両側にほぼ等しい角度(約45°)をもって互いにほぼ直交するように形成されている。これは、丸棒状の軸の芯出しに用いられるVブロックの2つの面と同様の機能を発揮するものである。
一方、図6及び図7に示した2つの鉛直な面45及び水平な面46を備えた取付穴37での担持体支持部材15の保持・位置決めでは、各プロセスカートリッジ1Yないし1BKの自重による担持体支持部材15の2つの面45,46への載置・保持状態が確実でない場合があり、押圧部材44による押圧が働いても、担持体支持部材15が特に鉛直な面45に対して接触せずに水平な面46上で引っ掛かり正規の位置に保持できない場合があった。本実施形態では、この点についても改良を図ったものである。
図7に示した比較例と同様に、2つの面78,79が、プレス成形時の切り起こし加工によって成形された舌片80,81によって形成されていると、その舌片80,81の基部に丸みが形成されるので、位置決め保持部材32Aを図2に示した閉位置に回動させるとき、丸みの部分が軸受17に摺接することになり、その軸受17に傷が付けられる不具合を防止できる。
なお、このような利点を望まなくてもよいのであれば、舌片80,81を形成しないで板厚に相当する取付穴77の切断面で保持してもよい。舌片80,81の図示は、図の簡明化のため図8のみに示すこととし、他の図では省略する。また、取付穴77の形状は、図8のみに正確に示し、他の図ではほぼ扇形状に簡略して示す。
当然のことながら、フレーム33に対する位置決め保持部材32Aの寸法精度や、位置決め保持部材32Aの各取付穴77の2つの面78,79のピッチや各部の寸法精度は、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めするために所定の精度範囲(公差)内に設定されていることは言うまでもない。
図14に示すように、カバー部材90は、例えば樹脂で一体的に形成されていて、その左右両端部にはねじ91締結用のボス90aが突出形成されている。一方、位置決め保持部材32Aの両端部には、ねじ91挿通用の孔が形成されていて、カバー部材90と位置決め保持部材32Aとは、ねじ91により締結固定される。カバー部材90と位置決め保持部材32Aとのねじ91による固定位置は、保持部を備えた4つの取付穴77よりも外側に設けられている。これにより、位置決め保持部材32Aの強度が確保され、特にねじれに対する強度向上に有効である。
位置決め保持部材32Aは、図14に示すように、少なくとも長辺方向の一辺とその両端の短辺を絞り形状32aとして成形されていて、フランジが全周にわたって形成されている。これにより、位置決め保持部材32Aの強度がより十分に確保される。
また、位置決め保持部材32Aの担持体支持部材保持部分32bから、位置決め保持部材32Aの揺動支点(図8に示すヒンジピン34参照)へ嵌合する形状32cまでを一体構造で形成している。そして、上記形状32c部分と担持体支持部材保持部分32bまでを絞り形状32dで成形したフランジでつないでいる。これにより、位置決め保持部材32Aの揺動支点から担持体支持部材保持部分32bにかけてより強度を確保することができる。
図15に示すように、位置決め保持部材32Aには、さらに担持体支持部材保持部分32bの長辺方向に絞り形状32eを形成されているので、位置決め保持部材32Aの強度をさらに確保することができる。
そして、絞り形状32eは、担持体支持部材保持部分32bにおける左右の取付穴77の最も左右両端部寄りの保持部よりも外側まで形成されているので、位置決め保持部材32Aの強度をより十分に確保することができる。
図17(a)、(b)に示すように、位置決め保持部材32Aの絞り形状32e部分に、スライド部材41Aとの摺動係合部分を設けている。これにより、段付ねじ43の頭又はねじの先が、位置決め保持部材32Aの表面より出っ張らないので、使用者がねじ43の頭又はねじの先に手を引っ掛けたりすることを防ぐことができる。
また、図15に示す例では、位置決め保持部材32Aとスライド部材41Aの摺動係合部分は、スライド部材41Aの両端部と中央部に設けているので、両端部での係合よりも多点で係合されることとなるので、位置決め保持部材32Aの強度をより十分に確保することができる。
上述したとおり、スライド部材41Aは、図6等に示したスライド部材41と比較して、移動手段92を構成するピン93が植設されている点、及び図15に示した例ではスライド用の摺動係合部分を中央部にも増設した点が主に相違する。
本実施形態の押圧手段は、図8ないし図13に示すように、各担持体支持部材15に対応して設けられ各2つの面78,79上の各担持体支持部材15と非接触である非押圧位置と各2つの面78,79上の各担持体支持部材15を押圧し位置決めする押圧位置との間で移動可能な複数の押圧部材44Aと、各押圧部材44Aを押圧位置に移動する向きに付勢する付勢手段としてのU字状をなすばね71と、各押圧部材44Aを移動可能に支持すると共に、非押圧位置に対応した第1の位置と押圧位置に対応した第2の位置との間で移動可能に位置決め保持部材32Aに支持された単一のスライド部材41Aとから主に構成されている。
スライド部材41Aは、各押圧部材44Aを非押圧位置と押圧位置との間に案内するガイド部としての前記ガイド面50と、第1の位置を占めているときに各押圧部材44Aを非押圧位置に規制保持するストッパ部としての複数の切り曲げ形状41aとを備えている。この切り曲げ形状41aは、各取付穴77の近傍に形成された第1の係止部としての機能も兼ね備えている。
各押圧部材44Aは、ガイド面50と各2つの面78,79上の各担持体支持部材15との間に圧入されて各担持体支持部材15を押圧する楔形部53を有している。図13のみに示すように、図7に示した比較例としての押圧部材44と同様に、担持体支持部材15の軸受17に接触する押圧部材44Aの面が、プレス成形時の切り起こし加工によって成形された舌片58により形成されていると、その舌片58の基部に丸みが形成されるので、押圧部材44Aが担持体支持部材15の軸受17に当接するときに、その軸受に傷をつける不具合を防止できる。
図9、図10、図13等において、スライド部材41Aのウエブ内面に二点鎖線で示す扇状ないし丸は、図の簡明化を図るために取付穴77及び担持体支持部材15の軸受17が仮想的に存在する状態を投影して示している。
前記比較例と同様のテーパ形状の楔形部53を持った押圧部材44Aは、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aと対応する位置であって非押圧位置と押圧位置との間の移動範囲に形成された移動用の長孔44bと、切り曲げ形状41aと対向してその反対向きの切り曲げ形状44aとが形成されている。そして、スライド部材41Aと押圧部材44Aとは、図9に矢印Hで示すように嵌合されている。前記スライド部材41Aと押圧部材44Aは、図10に示すようにそれぞれの切り曲げ形状41aと44aとが向かい合うように設定されている。
互いの切り曲げ形状41aと44aとの間には、U字型の付勢手段であり弾性部材でもあるばね71の両端部71a,71bが引っ掛けられて装着され、そのばね71の弾性力によって、スライド部材41Aに対して押圧部材44Aが保持され、押圧部材44Aとスライド部材41Aとの間に張力(テンション)がかけられている。
スライド部材41Aの切り曲げ形状41aの、ばね71を係止するための係止角度としての曲げ角度θ2は、図11に示すようにスライド部材41Aの摺接移動面に対して45°以上に設定されている。曲げ角度θ2が45°以下であると、ばね71の引っ掛け形状71bがスライド部材41Aの切り曲げ形状41aと押圧部材44Aとの間で挟まれやすくなり、押圧部材44Aの動きが悪くなってしまうので好ましくない。
図12を参照して、ばね71の詳細な形状を説明する。ばね71は、ほぼU字状をなす形状であり、その両端にはスライド部材41Aと押圧部材44Aとの各切り曲げ形状41aと44aとに引っ掛けられるような曲げ形状71aと71bとが設けられている。
ばね71のU字部の開口側両端間の幅である曲げ形状71a,71bの曲げ内同士の幅W1は、U字部の最大幅W2よりも小さくなっている。当然、引っ掛かるようにフック形状となっている。W1<W2とすることで、ばね71のテンションによって、ばね71が図13に矢印で示す上方に移動しないようにすることができる。
ばね71の荷重やばね定数は、本実施形態例では4本使用するのでそれらの合計の荷重と操作力との関係を考慮して、また共振などを避けるように設定されるものであることは言うまでもない。
本実施形態によれば、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aと押圧部材44Aのきり曲げ形状44aとの間に、ほぼU字状をなすばね71の両端部71a,71bが引っ掛けられて装着されることで、押圧部材44Aをスライド部材41Aに対して保持することができ、図7に示した比較例の段付ねじであるストッパ49を除去することができる。加えて、図7に示した比較例の引張ばね52よりも安価なばね71を採用したことで、さらにコストダウンを図れる。
本実施形態によれば、曲げ角度θ2を45°以上とすることで、ばね71の引っ掛け形状71bが、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aと押圧部材44Aとの間で挟まれることなく、押圧部材44Aの動きをスムーズにすることができる。
また、本実施形態によれば、ばね71のU字部の開口側曲げ内の幅W1を、U字部の最大幅W2よりも小さくする(W1<W2)ことで、ばね71のテンションによって、ばね71が図13に矢印で示す上方に移動しないようにすることができる。
図14及び図16に示すように、移動手段92は、スライド部材41Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させる機能を発揮するものであり、所定の方向である両図に矢印K方向に往復揺動運動可能にカバー部材90に設けられた操作部材としてのレバー94と、レバー94による矢印K方向の往復揺動運動をスライド部材41Aの移動運動であるほぼ水平直線運動に変換する往復運動変換手段とからなる。
この往復運動変換手段は、スライド部材41Aに植設されたピン93と、カバー部材90にほぼ水平方向に長く形成されピン93が挿通される長孔90bと、カバー部材90に形成された孔90cを挿通してねじ95で締結固定されるレバー基端部94aと、ピン93が嵌入されるレバー94の基部に形成された案内溝94bとから主に構成されている。
レバー94による矢印K方向の往復揺動運動は、ピン93が案内溝94bに沿って移動しつつ、かつ、レバー基端部94aのねじ95を中心としてピン93が長孔90b内のほぼ水平方向に沿って移動するように案内規制されることで、スライド部材41Aのほぼ水平直線運動に変換される。
図18ないし図22を参照して、画像形成装置本体側への位置決めユニット70の位置決め精度向上に関する構成について、詳述する。本実施形態では、図3に示した比較例の位置決めピン36a,36bと位置決め孔35a,35bとの嵌合による位置決め方式を改良したものである。
図18に示すように、位置決め保持部材32Aには、太い矢印で示す横方向(ほぼ水平方向)にスライドするスライド部材41Aが設けられているが、そのスライド部材41Aには丸孔と長孔を繋げた形状の孔72が形成されている。また、位置決め保持部材32Aには、スライド部材41Aが第1の位置を占めているときに、孔72の丸孔に対応する位置に孔73が形成されている。
図19に示すように、画像形成装置本体側には、上記各孔72,73に対応する位置に位置決め軸74が設けられている。位置決め保持部材32Aを画像形成装置本体側に揺動・開閉することによって、位置決め軸74が孔73と孔72に入る。このとき、スライド部材41Aは第1の位置を占めている。
スライド部材41Aを太い矢印で示す横方向にスライドさせ第2の位置に移動することで、位置決め軸74と孔73,72とが嵌合し位置決め保持部材32Aが画像形成装置本体側に固定される。これにより、位置決め保持部材32Aを画像形成装置本体側に固定することができる。
位置決め軸74の先端に、図19に示すような斜め面(テーパ面)の面取り形状74aを形成することによって、位置決め軸74が位置決め保持部材32Aとスライド部材41Aの各孔73,72へ入りやすくすることができる。
また、図20の断面図に示すように、位置決め軸74の細い部分の手前部分に、換言すれば位置決め軸74のスライド部材41Aの孔72と嵌合する側の部分に面取り形状74bを形成することによって、スライド部材41Aがスライド嵌合しやすくすることができる。
図21にスライド部材41Aの動きをさらに滑らかにするための構成を示す。スライド部材41Aの孔72の長孔形状部の周囲に凸部としての絞り形状75を形成した。その断面を図22に示す。これにより、スライド部材41Aの動きをさらに滑らかにすることができる。
図23に、位置決め保持部材32Aと画像形成装置本体側との位置関係を示す。位置決め保持部材32Aは揺動支点としてのヒンジピン34を中心に揺動・開閉可能である。その支点は、位置決め保持部材32Aの位置決め軸74と接する面よりも外側の位置に設けられている。すなわち、図23において、MよりもNの方が外側に位置していることが分かる。これにより、位置決め保持部材32Aが、図において左側の手前側に倒れてくることを防ぐことができる。
位置決め保持部材32Aは、位置決め軸74にセットし閉じられる際に、位置決め保持部材32Aをその位置に仮に固定する仮固定手段としてのマグネットキャッチ76により、仮に固定することができる。この仮固定手段は、マグネットキャッチ以外にも、ラッチや板ばね等でも良い。仮固定手段を設けたことにより、上述した構成よりも確実に位置決め保持部材32Aが図において左側の手前側に倒れてくることを防ぐことができる。
図24に示すように、スライド部材41Aには、位置決め軸近傍の位置決め軸方向において位置決め保持部材32Aとのウエブ内面と接する一致する高さの凸形状82が形成されている。これにより、スライド部材41Aを第2の位置に移動した場合に、位置決め軸74の方向のガタによるブレをなくすことができる。
つまり、位置決め保持部材32Aとスライド部材41Aとは、位置決め軸74との嵌合部近傍にて該位置決め軸方向のガタがない形状を備えていれば良い。
次に、スライド部材41Aの移動操作に伴う操作感を向上させた例を説明する。図25に示すように、位置決め保持部材32Aには弾性部材84を設け、スライド部材41Aには、弾性部材84に対向する位置に爪形状83を形成する。例えば板ばねからなる弾性部材84及びスライド部材41Aの爪形状83は、スライド部材41Aが第1の位置から移動して第2の位置を占めるとき、嵌合感を持たせる嵌合感手段を構成する。
スライド部材41Aが第1の位置から第2の位置に移動する際に、スライド部材41Aの爪形状83が弾性部材84を乗り越えることとなる。これにより、クリック感が得られ、操作感が向上する。
図26に示すように、スライド部材41Aが前記嵌合感手段を介して第2の位置を占めるとき、弾性部材84と爪形状83との隙間Lは、2mm以下となっている。これにより、スライド部材41Aの水平方向のガタをなくすことができる。
次に、図32および図33を併用して、主として第1の実施形態の位置決めユニット70の動作を説明すると共に、一部重複するが細部構成についても適宜補足する。
図32は、図3を借りて説明すると、各プロセスカートリッジ1Yないし1BKを画像形成装置本体の奥側に押し込んで、位置決め保持部材32Aを閉位置に回動し、その位置決め保持部材32Aに形成された位置決め孔35a,35bを前側板28(図2および図3参照)に突設された位置決めピン36a,36bに嵌合して、位置決め保持部材32Aを所定の取付位置に位置決めしたときの様子を示す図であって、比較例と同様に図2を借りて説明すると同図の矢印IV方向に見た図である。この図32及び図33等から判るように、位置決め保持部材32Aには、スライド部材41Aが配置されている。
スライド部材41Aには、水平方向に長い複数の長孔42が形成され、その各長孔42に段付ねじ43が相対的に摺動可能に挿入され、その各段付ねじ43は位置決め保持部材32Aに螺着されている。これにより、スライド部材41Aは、図32に示す第1の位置と図33に示した第2の位置との間を水平方向に移動可能に位置決め保持部材32Aに支持される。
位置決め保持部材32Aを前記開位置から図32に示した閉位置に揺動すると、その位置決め保持部材32Aに形成された各取付穴77に、各軸受17が嵌入するが、このとき図32から判るように、各取付穴77のサイズは、各支持軸16と、これに嵌合した各軸受17の横断面積よりも大きく設定されていて、各軸受17は各取付穴77に大きな遊びをもって嵌入する。このため、各軸受17を各取付穴77に楽に嵌入することができる。
一方、各軸受17に対応して、各押圧部材44Aがそれぞれ設けられ、スライド部材41Aに対して、ガイド面50摺接・案内されながら、また長孔44bに嵌入している切り曲げ形状41aに案内されつつ、所定のストロークを水平方向に移動することができる。
前述したように、各押圧部材44Aの切り曲げ形状44aと、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aとには、U字状のばね71の各端部がそれぞれ係止されている。これにより、各押圧部材44Aは、図32における右方に付勢されているが、スライド部材41Aが図32に示した第1の位置を占めているときは、図10に示したように、ばね71の付勢力によって、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aの切り起こし基部が押圧部材44Aの長孔44bの図において右端部に当接してストッパの役目をすることにより、各押圧部材44Aは図32に示した位置に停止している。このとき、各押圧部材44Aは、各担持体支持部材15の各軸受17に接触することはない。
このように、各押圧部材44Aは、ばね71により付勢された状態で、スライド部材41Aに移動可能に支持され、スライド部材41Aが第1の位置にあるとき、ばね付勢された押圧部材44Aは、スライド部材41Aに設けられた切り曲げ形状41aにより規制されて、担持体支持部材15に接触することが禁止されるのである。このため、操作者が手操作にて、位置決め保持部材32Aを前記開位置から図32に示した閉位置に揺動したとき、各軸受17は、各押圧部材44Aに干渉することなく、各取付穴77に嵌入することができる。
次に、操作者は、図32に示したスライド部材41Aを、4つのばね71の付勢力とスライド部材41Aに対する各押圧部材44Aのスライド摺接部の摩擦抵抗力等との合力に抗して、図14及び図16に示したレバー90を回す操作を行うことにより、右方にスライドさせて図33に示した第2の位置を占めさせると、各押圧部材44Aの楔形部53が、ガイド面50と各担持体支持部材15の各軸受17との間に圧入され、その各軸受17を、各取付穴77を区画する2つの面78,79に対して押圧する。このときの作用を、以下、より詳細に説明する。
スライド部材41Aを図32に示した第1の位置から図33に示した第2の位置へ向けて移動させ始めると、各ばね71によって付勢され、かつ、長孔44bに嵌入している切り曲げ形状41aによって規制された各押圧部材44Aは、スライド部材41Aと共に、図32における右方へ移動し始める。次いで、スライド部材41Aが第1の位置と第2の位置の間の所定の位置に至ると、各ばね71によって付勢された各押圧部材44Aの楔形部53は、ガイド面50と各担持体支持部材15の各軸受17との間に圧入され、その各軸受17の外周面に圧接して停止する。これにより、各押圧部材44Aは、各軸受17を各取付穴77の2つの面78,79に対して強力に押し付ける。
各押圧部材44Aが停止した後も、各ばね71の付勢力等に抗してスライド部材41Aを第2の位置へ向けて移動させると、各押圧部材44Aに形成された長孔44bの各端部が各切り曲げ形状41aから離れ、各押圧部材44Aは各切り曲げ形状41aによる規制から解除される。
上述のように、各ばね71により付勢された各押圧部材44Aの楔形部53による押圧力によって、各軸受17が各取付穴77の2つの面78,79に圧接するので、各担持体支持部材15と、これらに支持された各感光体ドラム6Yないし6BKの手前側の部分が、位置決め保持部材32Aに対して正しく位置決めされる。このとき、図2及び図3を借りて説明すると、その位置決め保持部材32Aはフレーム33に対して正しく位置決めされているので、結局、各感光体ドラム6Yないし6BKが画像形成装置本体7のフレーム33に対して正しく位置決めされる。操作者が位置決め保持部材32Aをフレーム33に対して所定の位置に取り付けて、レバー90を操作してスライド部材41Aを移動させるだけで、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めすることができるのである。しかも、位置決め保持部材32Aに形成された取付穴77のサイズを担持体支持部材15の手前側の端部の横断面積よりも一層大きく設定できるので、各担持体支持部材15を楽に各取付穴77に嵌入させることができる。
当然のことながら、フレーム33に対する位置決め保持部材32Aの寸法精度や、位置決め保持部材32Aの各取付穴77の2つの面78,79のピッチや各部の寸法精度は、各感光体ドラム6Yないし6BKを画像形成装置本体7に対して位置決めするために所定の精度範囲(公差)内に設定されていることは言うまでもない。
上述のとおり、押圧手段は、各担持体支持部材15に対応して設けられ各保持部(2つの面78,79)上の各担持体支持部材15と非接触である非押圧位置と各保持部(2つの面78,79)上の各担持体支持部材15を押圧し位置決めする押圧位置との間で移動可能な複数の押圧部材44Aと、各押圧部材44Aを押圧位置に移動する向きに付勢する付勢手段としてのばね71と、各押圧部材44Aを移動可能に支持すると共に、非押圧位置に対応した第1の位置と押圧位置に対応した第2の位置との間で移動可能に位置決め保持部材32Aに支持された単一のスライド部材41Aと、スライド部材41Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動手段92とから主に構成されている。
第1の実施形態によれば、上述の各構成によって、比較例よりもさらに操作性に優れコストダウンを図れる。そして、第1の実施形態でも次の動作が行われるように各構成要素の位置等が設定される。すなわち、スライド部材41Aが第1の位置にあるとき、各U字状のばね71により付勢された各押圧部材44Aは、スライド部材41Aのストッパ部としての各切り曲げ形状41aにより規制されて各2つの面78,79上の各担持体支持部材15に接触することが禁止され、スライド部材41Aが第1の位置から第2の位置に向けて移動したとき、各U字状のばね71により付勢され、かつ、各切り曲げ形状41aにより規制された各押圧部材44Aがスライド部材41Aと共に移動し、スライド部材41Aが第1の位置と第2の位置の間の位置に至ったとき、各U字状のばね71により付勢された各押圧部材44Aは、その楔形部53が、ガイド面50と各2つの面78,79上の各担持体支持部材15との間に圧入されて停止し、スライド部材41Aがさらに第2の位置へ向けて移動することにより、各押圧部材44Aが各切り曲げ形状41aによる規制から解除されるように、スライド部材41Aと、各押圧部材44Aと、各U字状のばね71と、各切り曲げ形状41aとの位置が設定されるものである。
本実施形態によれば、前述の比較例と同様に、スライド部材41をして図33に示した第2の位置を占めさせたとき、各押圧部材44Aの楔形部53がガイド面50と、各軸受17の外周面との間に圧入するので、その摩擦力とばね71の付勢力とによって各担持体支持部材15は正規の位置に保持され、各感光体ドラム6Yないし6BKを正しく位置決めし続けることができる。また、スライド部材41Aを手操作によって、再び図32に示した第1の位置に戻せば、各押圧部材44Aは、各軸受17の外周面から離れるので、位置決め保持部材32Aを支障なく、図3に示した開位置に揺動させることができる。
本実施形態によれば、本実施形態の特徴的な前述した構成を除く前記比較例と同様の構成を有する部分については、前記比較例と同様の利点・効果を奏することは言うまでもない。
(変形例1)
図27ないし図29に、第1の実施形態の変形例1を示す。この変形例1は、第1の実施形態と比較して、楔形部53を備えた押圧部材の保持と摺動性を向上させた構成を有する点が主に相違する。すなわち、押圧手段を構成する押圧部材44Aに代えた押圧部材44Bを用いる点が主に相違し、その他は第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態と同様に、図27ないし図29に図示しない位置決め保持部材32Aに対して、横方向にスライドするスライド部材41Aが設けられているが、そのスライド部材41Aには第1の係止部としての切り曲げ形状41aが形成されている。テーパ形状の楔形部53を持った押圧部材44Bには、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aとは反対向きの第2の係止部としての切り曲げ形状44aと長孔44bとが形成されている。そして、スライド部材41Aと押圧部材44Bは、図27の矢印に示すように嵌合されている。スライド部材41Aと押圧部材44Bは、図28に示すようにそれぞれの切り曲げ形状41aと44aとが向かい合うように設定されている。
互いの切り曲げ形状41aと44aとの間には、U字型のばね71の両端部71a,71bが引っ掛けられて装着され、そのばね71の弾性力によって、スライド部材41Aに対して押圧部材44Bが保持され、押圧部材44Bとスライド部材41Aとの間に張力がかけられている。
そして、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aと押圧部材44Bの切り曲げ形状44aとの上下方向の位置関係は、押圧部材44Bの切り曲げ形状44aの方が楔面に対して、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aよりも上方向の位置にある。
図29に、スライド部材41Aと押圧部材44Bとばね71の組み付けられた状態を示す。ここで、押圧部材44Bの切り曲げ形状44aの方が楔面に対して、スライド部材41Aの切り曲げ形状41aよりも上方向の位置にあることで、同図の矢印Q方向の力が働き、押圧部材44Bはスライド部材41Aのガイド面50に接触し、押圧部材44Bを縦方向で安定した姿勢に保つことができる。
(変形例2)
図30及び図31に、変形例1の変形例2を示す。この変形例2は、変形例1と比較して、押圧部材44Bに代えた押圧部材44Cを用いる点が主に相違し、その他は変形例1と同様である。
押圧部材44Cのスライド部材41Aのガイド面50との接触部は、押圧部材44Cの上面両端部で接触している。これにより、押圧部材44Cとスライド部材41Aとの接触面積が小さくなるので、押圧部材44Cが横方向に移動するときの摩擦を少なくすることができる。
また図30に示すように、押圧部材44Cの上面両端部の形状は、円弧状ではなく直線形状44cのほぼ線接触となっている。従って、例えば図29を借りて示すように、スライド部材41Aが横方向にスライドし、押圧部材44Cが感光体ドラムの軸受17を押さえた際に矢印Uの方向の力が生じても、押圧部材44Cの接触部が直線形状となっていることにより、押圧部材44Cがスライド部材41Aのガイド面50に喰い込まないので、押圧部材44Cの動きがスムーズとなる。
また、図30及び図31に示すように、押圧部材44Cには3点以上の円弧状の突起44dが形成されている。これにより、突起44dはスライド部材41Aのウエブ面41cと点接触しているので、押圧部材44Cはスライド部材41Aに対して、よりスムーズな動きが実現できる。
上述した第1の実施形態、変形例1および2等では、図1ないし図7に示した比較例における各担持体支持部材15の取付穴37に対する位置決め・保持状態を改善した点を1つの特徴とするものであった。しかしながら、第1の実施形態、変形例1および2等において、極めて稀にではあるが、軸受17が位置決め保持部材32Aの各面78,79に完全に接触しない状態で、スライド部材41Aを第2の位置にしてしまうと、支持軸(回転軸)16の位置が正規の場所にいない状態で、固定されてしまうという不具合があった。
そこで、前記不具合を完全に解消した以下の変形例3ないし6について説明する。
(変形例3)
図34に、第1の実施形態の変形例3を示す。この変形例3は、図8ないし図26、図32および図33に示した第1の実施形態と比較して、プロセスカートリッジ1Yないし1BKにおける各担持体支持部材15の軸受17が各取付穴77の各面78,79上に保持されるとき、各軸受17を直接的に各面78,79に密着する下方(ほぼ鉛直下方)に押し付ける押し付け手段88を位置決め保持部材32A側に配設した点が主に相違し、その他は第1の実施形態と同様である。
ここで、各担持体支持部材15の軸受17が各取付穴77の各面78,79上に保持されるとき、換言すればこれを上位概念的に表現した「担持体支持部材が保持部材の開口した保持部上に保持されるとき」とは、スライド部材が第2の位置を占めるように操作する前の、スライド部材が第1の位置を占めている初期セット時を意味する(以下、同様)。
押し付け手段88は、4つの取付穴77に対応して4箇所設けられていて、各軸受17に当接可能な押し付け部材85と、この押し付け部材85を軸受17に圧接する鉛直下向きに付勢する弾性部材(付勢手段)としての圧縮ばね86とから主に構成される。
押し付け部材85の軸受17と当接する面には、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17が各取付穴77の各面78,79上にセット・保持される際に、軸受17と引っ掛かってそれらの機能を損傷することがないような傾斜や丸み(R面取り等)を形成することが望ましい。押し付け部材85は、適度な強度および耐摩耗性等を有する例えばポリアセタール樹脂(POM)等の樹脂や金属で形成することが望ましい。圧縮ばね86は、その一端が押し付け部材85の上端に、他端が位置決め保持部材32Aの上部フランジ壁の下面に係止・固定されている。位置決め保持部材32Aの上部には、圧縮ばね86の一端を係止させると共に、その胴曲がりを規制する凸部(図示せず)が押し付け部材85の上部に一体的に形成されている。
スライド部材41Aに二点鎖線で示す符号87は、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの各支持軸16との干渉を避けるために形成される逃げ穴を示す。逃げ穴87は、後述の変形例5および6においては必要な構成であるが、例えば担持体支持部材15における軸受17からの支持軸16の突出長さがスライド部材41Aに干渉しない程度に短ければ不要であることを二点鎖線で表しているものである。
図34において、符号70Aは、各押し付け手段88を配設された位置決め保持部材32Aとスライド部材41A等とから構成された位置決めユニットを示す。位置決めユニット70Aが画像形成装置本体7側の前側板28(図34では省略されているので、図2参照)に揺動してセットされる際、先ず、各圧縮ばね86によって付勢された押し付け部材85がプロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17に当接し、各軸受17をその弾性力によって押し下げるので、各軸受17が各取付穴77の各面78,79に均等に押し付けられる。
従って、変形例3によれば、位置決め保持部材32A側に配設された各押し付け手段88によって、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17が各取付穴77の各面78,79に確実かつ均等に押し付けられるので、各支持軸16の位置精度を確保できる。
(変形例4)
図35および図36に、変形例3の別の変形例4を示す。この変形例4は、図34に示した変形例3と比較して、プロセスカートリッジ1Yないし1BKにおける各担持体支持部材15の軸受17が各取付穴77の各面78,79上に保持されるとき、各軸受17を直接的に各面78,79に密着する下方(ほぼ鉛直下方)に押し付ける押し付け手段としての、線形状の弾性部材であるワイヤ89を位置決め保持部材32A側に配設した点が主に相違し、その他は変形例3と同様である。
ワイヤ89は、位置決め保持部材32A側の各取付穴77の上部寄りに配設されている。位置決め保持部材32Aの両端部および各取付穴77の間には、ワイヤ89を支持・係止するための切り曲げ形状96が5箇所に形成されている。ワイヤ89としては、例えばピアノ線や、ステンレススチールあるいはばね鋼線などの金属製の弾性材が用いられるが、弾性復元性かつ所望の耐久性を満足する線条ないし索条体であれば、例えば樹脂製のものでも良い。この変形例4では、切り曲げ形状96の配置箇所が4つのプロセスカートリッジ1Yないし1BK(図2に示す4つの感光体ドラム6Yないし6BK)に対応して5箇所に設けられているが、プロセスカートリッジ(感光体ドラム)の個数に応じて、切り曲げ形状96の個数も対応して設定される。また、図示しないが、位置決め保持部材32Aには、ワイヤ89が落下しないように係止する突起等が一体的に形成されている。
図35および図36において、符号70Bは、ワイヤ89を前記のように配設された位置決め保持部材32Aとスライド部材41A等とから構成された位置決めユニットを示す。図36に示すように、位置決めユニット70Bが画像形成装置本体7側の前側板28(図36では省略されているので、図2参照)に揺動してセットされる際、先ず、ワイヤ89がプロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17に当接し、各軸受17をその弾性力によって押し下げるので、各軸受17が各取付穴77の各面78,79に均等に押し付けられる。
従って、変形例4によれば、位置決め保持部材32A側に配設されたワイヤ89の弾性力によって、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17が各取付穴77の各面78,79に確実かつ均等に押し付けられるので、各支持軸16の位置精度を確保できる。
位置決め保持部材32A側に配設される押し付け手段は、前記の押し付け手段88に限らず、例えば図34を借りて示すと、各押し付け手段88を除去して、各担持体支持部材15の軸受17が各取付穴77の各面78,79上に保持されるとき、側面視でU字形状をなす板ばね状の弾性部材である押し付け部材を、位置決め保持部材32Aの上部フランジ壁の下面にその基端部を固定し、その弾性力によって自由端部側が各軸受17を直接的に各面78,79に密着する鉛直下方に押し付けられるようなものであっても良く、当業者であればその他様々な押し付け手段を想到し得ることは言うまでもない。要するに、本発明に係る押し付け手段としては、担持体支持部材が保持部上に保持されるとき、その保持動作時の支障(操作力も含む)となることがなく、かつ、担持体支持部材を保持部に確実かつ均等に押し付けることが可能な比較的簡素な手段であれば良い。
(変形例5)
図37および図38に、第1の実施形態の変形例5を示す。この変形例5は、図8ないし図26、図32および図33に示した第1の実施形態と比較して、プロセスカートリッジ1Yないし1BKにおける各担持体支持部材15の軸受17が各取付穴77の各面78,79上に保持されるとき、各軸受17を間接的に各面78,79に密着する下方(ほぼ鉛直下方)に押し付ける押し付け手段としての、板形状の弾性部材である板ばね97をスライド部材41A側に配設した点が主に相違し、その他は第1の実施形態と同様である。
板ばね97は、平板状かつ矩形状をなし、支持軸16の位置より上方のスライド部材41Aにその一端部が、例えばカシメやスタットボルトあるいは溶接等により固定され、他端部である自由端部は支持軸16の上部に圧接するように配置されている。スライド部材41Aには、各支持軸16との干渉を避けて貫通させるための4つの逃げ穴87が形成されている。逃げ穴87は、スライド部材41Aが第1の位置と第2の位置との間を往復スライドする際に、各支持軸16と干渉しない大きさで形成されている。板ばね97は、逃げ穴87を覆う大きさの形状を持って形成されている。
図38において、符号70Cは、板ばね97を配設されたスライド部材41Aと位置決め保持部材32A等とから構成された位置決めユニットを示す。図38に示すように、位置決めユニット70Cが画像形成装置本体7側の前側板28(図38では省略されているので、図2参照)に揺動してセットされる際、先ず、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの担持体支持部材15が位置決め保持部材32Aの各取付穴77を貫通した後、各支持軸16がスライド部材41Aの各逃げ穴87を貫通し、各板ばね97に接触することでその弾性力(付勢力)によって、各支持軸16と共に各軸受17が押し下げられ各取付穴77の各面78,79に均等に押し付けられる。
従って、変形例5によれば、押し付け手段としての板ばね97の弾性力によって、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17が各取付穴77の各面78,79に確実かつ均等に押し付けられるので、各支持軸16の位置精度を確保できる。また、板ばね97はスライド部材41Aの逃げ穴87よりも大きく、逃げ穴87をふさぐように取り付けられているので、位置決めユニット70Dが開放されている際に、位置決め保持部材32Aの各取付穴77にユーザが間違って指などを差し込んでしまっても、板ばね97の端面に触ることがないので、指を傷つけるようなことも未然に防ぐことができる。
(変形例6)
図39および図40に、変形例5の別の変形例5を示す。この変形例6は、図37および図38に示した変形例5と比較して、板ばね97に代えて、スライド部材41Aに対する取り付け位置および形状を変更した押し付け手段としての、板形状の弾性部材である板ばね98をスライド部材41A側に配設した点が主に相違し、その他は変形例5と同様である。
板ばね98は、各支持軸16の位置より下方のスライド部材41Aにその一端である基端部が変形例5と同様の方式で固定され、かつ、各支持軸16の中心位置よりも下側に曲げ形状98aを形成されていて、他端部である自由端部は支持軸16の上部に圧接するように配置されている。板ばね98は、変形例5と同様にスライド部材41Aの各逃げ穴87を覆う大きさの形状を持って形成されている。
図40において、符号70Dは、板ばね98を配設されたスライド部材41Aと位置決め保持部材32A等とから構成された位置決めユニットを示す。図40に示すように、位置決めユニット70Dが画像形成装置本体7側の前側板28(図40では省略されているので、図2参照)に揺動してセットされる際、先ず、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの担持体支持部材15が位置決め保持部材32Aの各取付穴77を貫通した後、各支持軸16がスライド部材41Aの逃げ穴87を貫通し、板ばね98に接触することでその弾性力(付勢力)によって、各支持軸16と共に各軸受17が押し下げられ各取付穴77の各面78,79に均等に押し付けられる。
従って、変形例6によれば、押し付け手段としての板ばね98の弾性力によって、プロセスカートリッジ1Yないし1BKの各軸受17が各取付穴77の各面78,79に確実かつ均等に押し付けられるので、各支持軸16の位置精度を確保できる。また、板ばね98はスライド部材41Aの逃げ穴87よりも大きく、逃げ穴87をふさぐように取り付けられているので、位置決めユニット70Dが開放されている際に、位置決め保持部材32Aの各取付穴77にユーザが間違って指などを差し込んでしまっても、板ばね98の端面に触ることがないので、指を傷つけるようなことも未然に防ぐことができる。
前記実施形態等では、中間転写体に転写した後、シート状記録媒体に一括転写するタンデム型の画像形成装置を例示して説明したが、記録媒体搬送手段としての無端ベルトでシート状記録媒体を搬送しながら順次転写して重ね合わせる直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置においても同様に適用し実施することができる。この一例としては、特開平11−95565号公報の図1に示されているものが挙げられる。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明を適用する画像形成装置の概略断面図である。 比較例における感光体ドラムとこれを支持する構成を示す断面図であって、一部の要素を省略して示した図である。 比較例における画像形成装置本体のフレームと、プロセスカートリッジと、位置決め保持部材の概略を示す斜視図である。 比較例における閉位置にある位置決め保持部材と、第1の位置を占めたスライド部材とを示す正面図である。 比較例における閉位置にある位置決め保持部材と、第2の位置を占めたスライド部材とを示す正面図である。 比較例におけるスライド部材と、位置決め保持部材と、プロセスカートリッジの分解斜視図である。 比較例における画像形成装置本体の内側から位置決め保持部材とスライド部材を見たときの斜視図である。 第1の実施形態における位置決めユニットの位置決め保持部材の取付穴周りの正面図である。 第1の実施形態における位置決め保持部材と、押圧部材との取り付け状態を示す分解斜視図である。 第1の実施形態における位置決め保持部材と、押圧部材と、ばねとの取り付け状態を示す分解斜視図である。 スライド部材の切り曲げ形状の曲げ角度とばねとの取り付け関係とを説明する要部の平断面図である。 ばねの詳細形状を説明する図である。 第1の実施形態における位置決め保持部材と、押圧部材と、ばねとを取り付けた状態を示す要部の斜視図である。 第1の実施形態の位置決めユニットを構成する位置決め保持部材、スライド部材、カバー部材周りの分解斜視図である。 第1の実施形態の位置決め保持部材、スライド部材の取り付け関係等を説明する分解斜視図である。 レバーの動作を示す図である。 位置決め保持部材とスライド部材との取り付け関係を説明する断面図である。 位置決め保持部材、スライド部材の位置決め関係を示す要部の正面図である。 位置決め保持部材、スライド部材との位置決め軸による位置決め状態を示す要部の分解斜視図である。 位置決め保持部材とスライド部材の各孔に位置決め軸を嵌合した状態を示す要部の拡大断面図である。 スライド部材の長孔周りを絞り形状とした状態を示す要部の拡大斜視図である。 図21のスライド部材と位置決め保持部材との各孔に位置決め軸を嵌合した状態を示す要部の拡大断面図である。 位置決め保持部材と画像形成装置本体側との位置関係を示す側面図である。 位置決め保持部材とスライド部材との位置決め軸近傍にガタを発生させないよう構成した部位の要部の斜視図である。 スライド部材の移動時にクリック感を得られるように構成した例を示す要部の拡大斜視図である。 図25の要部の平面図である。 変形例1のスライド部材と押圧部材との取り付け関係を説明する要部の分解斜視図である。 変形例1のスライド部材と、押圧部材と、ばねとの取り付け関係を説明する要部の分解斜視図である。 変形例1のスライド部材と、押圧部材と、ばねとを取り付けた状態を説明する要部の斜視図である。 変形例2のスライド部材と押圧部材との取り付け関係を説明する要部の正面図である。 図30のSA−SA断面図である。 第1の実施形態における閉位置にある位置決め保持部材と、第1の位置を占めたスライド部材とを示す正面図である。 第1の実施形態における閉位置にある位置決め保持部材と、第2の位置を占めたスライド部材とを示す正面図である。 変形例3を説明する図であって、押し付け手段が配設された位置決め保持部材と、スライド部材との取り付け関係を説明する要部の分解斜視図である。 変形例4を説明する図であって、ワイヤが配設された位置決め保持部材と、スライド部材との取り付け関係を説明する要部の分解斜視図である。 変形例4の位置決めユニットが画像形成装置本体にセットされた状態を示す要部の断面図である。 変形例5を説明する図であって、板ばねが配設されたスライド部材の要部の斜視図である。 変形例5の位置決めユニットが画像形成装置本体にセットされた状態を示す要部の断面図である。 変形例6を説明する図であって、板ばねが配設されたスライド部材の要部の斜視図である。 変形例6の位置決めユニットが画像形成装置本体にセットされた状態を示す要部の断面図である。
符号の説明
1Y,1C,1M,1BK プロセスカートリッジ(像担持体ユニット)
6Y,6C,6M,6BK 感光体ドラム(像担持体)
7 画像形成装置本体
15 担持体支持部材
16 支持軸(回転軸)
17 軸受
32A 位置決め保持部材(保持部材)
37,77 取付穴
41A スライド部材
41a 切り曲げ形状(第1の係止部)
44A,44B,44C 押圧部材
44a 切り曲げ形状(第2の係止部)
45,46,78,79 面(保持部)
49 ストッパ
50 ガイド面(ガイド部)
52 ばね
53 楔形部
70,70A,70B,70C,70D 位置決めユニット
71 U字状のばね
74 位置決め軸
87 逃げ穴
88 押し付け手段
89 ワイヤ(押し付け手段、弾性部材)
90 カバー部材
92 移動手段
94 レバー(操作部材)
97 板ばね(押し付け手段、弾性部材)
98 板ばね(押し付け手段、弾性部材)
98a 曲げ
θ2 係止角度

Claims (34)

  1. 像担持体及び該像担持体を支持する担持体支持部材を備えた複数の像担持体ユニットと、該像担持体ユニットを前記担持体支持部材を介して、画像形成装置本体に対して着脱し位置決めするための開閉自在な位置決めユニットとを有し、前記像担持体上の像は中間転写体順次重ねて転写された後、シート状記録媒体に一括転写される画像形成装置であって、
    前記位置決めユニットは、前記画像形成装置本体に対して閉じられるとき、前記像担持体ユニットの自重によって前記担持体支持部材が保持される複数の開口した保持部を備えた単一の保持部材と、前記各保持部上の前記担持体支持部材を押圧し位置決めする押圧手段とを具備し、
    前記押圧手段は、前記各担持体支持部材に対応して設けられ前記各保持部上の前記各担持体支持部材と非接触である非押圧位置と該各保持部上の該各担持体支持部材を押圧し位置決めする押圧位置との間で移動可能な複数の押圧部材と、該各押圧部材を前記押圧位置に移動する向きに付勢する付勢手段と、該各押圧部材を移動可能に支持すると共に、前記非押圧位置に対応した第1の位置と前記押圧位置に対応した第2の位置との間で移動可能に前記保持部材に支持された単一のスライド部材とを有し、
    前記スライド部材は、前記各押圧部材を前記非押圧位置と前記押圧位置との間に案内するガイド部と、第1の位置を占めているときに前記各押圧部材を前記非押圧位置に規制保持するストッパ部とを備えており、
    前記各押圧部材は、前記ガイド部と前記各保持部上の前記各担持体支持部材との間に圧入されて前記各担持体支持部材を押圧する楔形部を有しており、
    前記スライド部材が第1の位置にあるとき、前記各付勢手段により付勢された前記各押圧部材は、前記スライド部材の前記ストッパ部により規制されて前記各保持部上の前記各担持体支持部材に接触することが禁止され、前記スライド部材が第1の位置から第2の位置に向けて移動したとき、前記各付勢手段により付勢され、かつ、前記ストッパ部により規制された前記各押圧部材が前記スライド部材と共に移動し、前記スライド部材が第1の位置と第2の位置の間の位置に至ったとき、前記各付勢手段により付勢された前記各押圧部材は、その楔形部が、前記ガイド部と前記各保持部上の前記各担持体支持部材との間に圧入されて停止し、前記スライド部材がさらに第2の位置へ向けて移動することにより、前記各押圧部材が前記ストッパ部による規制から解除されるように、前記スライド部材と、前記各押圧部材と、前記各付勢手段と、前記ストッパ部との位置が設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記スライド部材は、第1の係止部を備えており、
    前記各押圧部材は、第1の係止部と対応する位置であって前記非押圧位置と前記押圧位置との間の移動範囲に設けられた移動用孔と、第1の係止部と対向して設けられた第2の係止部とを備えており、
    第1の係止部と第2の係止部との間に前記付勢手段を装着したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記付勢手段は、ほぼU字状をなすばねであることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  4. 第1の係止部は前記スライド部材に対して、第2の係止部は前記各押圧部材に対して、それぞれ前記ばねを係止するための係止角度をなして設けられており、
    第1の係止部の前記係止角度は、前記スライド部材に対して45°以上であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  5. 前記ばねは、該U字部の開口側曲げ内の幅が、該U字部の最大幅よりも小さいことを特徴とする請求項又は記載の画像形成装置。
  6. 第1の係止部と第2の係止部との上下方向の位置関係は、第2の係止部の方が第1の係止部よりも上に位置することを特徴とする請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置。
  7. 前記押圧部材の前記ガイド部との接触が、前記押圧部材の両端部で接触していることを特徴とする請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置。
  8. 前記接触状態が、点接触を除くほぼ線接触であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  9. 前記押圧部材と前記スライド部材との摺接面の何れか一方に、3個以上の点接触用の突起を有することを特徴とする請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置。
  10. 前記スライド部材には、丸孔と長孔をつなげた形状の孔が設けられ、前記保持部材には、前記スライド部材が第1の位置を占めているときに前記丸孔に対応する位置に孔が設けられ、前記画像形成装置本体には、前記両孔と合致する位置に位置決め軸が設けられており、前記スライド部材を第2の位置に移動したとき、前記両孔と前記位置決め軸とが嵌合することを特徴とする請求項ないしの何れか一つに記載の画像形成装置。
  11. 前記位置決め軸の先端部が、面取り形状を備えていることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記位置決め軸の前記スライド部材の前記孔と嵌合する側の部分が、面取り形状を備えていることを特徴とする請求項10又は11記載の画像形成装置。
  13. 前記スライド部材の前記長孔部分の周囲の一部が、凸部形状を備えていることを特徴とする請求項10ないし12の何れか一つに記載の画像形成装置。
  14. 前記保持部材は、前記画像形成装置本体に対して支点を中心として揺動可能に構成されており、前記支点の位置は、前記位置決め軸の前記スライド部材の前記孔と嵌合する側の内面よりも外側にあることを特徴とする請求項10ないし13の何れか一つに記載の画像形成装置。
  15. 前記保持部材が前記画像形成装置本体に対して閉じられて、前記位置決め軸がセットされるとき、前記保持部材をその位置に仮に固定する仮固定手段を有することを特徴とする請求項10ないし14の何れか一つに記載の画像形成装置。
  16. 前記保持部材と前記スライド部材とは、前記位置決め軸との嵌合部近傍にて該位置決め軸方向のガタがない形状を備えていることを特徴とする請求項10ないし15の何れか一つに記載の画像形成装置。
  17. 前記スライド部材が、第1の位置から移動して第2の位置を占めるとき、嵌合感を持たせる嵌合感手段を有することを特徴とする請求項ないし16の何れか一つに記載の画像形成装置。
  18. 前記スライド部材が、前記嵌合感手段を介して第2の位置を占めるとき、その移動方向のガタは2mm以下であることを特徴とする請求項17記載の画像形成装置。
  19. 前記スライド部材を挟んで前記保持部材に対向してその外側に設けられたカバー部材と、前記スライド部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動手段とを有し、
    前記移動手段は、所定の方向に往復運動可能に前記カバー部材に設けられた操作部材と、該操作部材による前記所定の方向の往復運動を前記スライド部材の移動運動に変換する往復運動変換手段とからなることを特徴とする請求項ないし18の何れか一つに記載の画像形成装置。
  20. 前記カバー部材と前記保持部材との固定位置は、前記各保持部上に保持される前記各担持体支持部材よりも外側に設けたことを特徴とする請求項19記載の画像形成装置。
  21. 前記保持部材の少なくとも長辺方向の一辺とその両端の短辺には、フランジが全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項ないし20の何れか一つに記載の画像形成装置。
  22. 前記保持部材の各保持部の部分から前記支点までにわたる形状を一体的に形成したことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
  23. 前記各保持部の部分から前記支点までにわたる形状にかけて、フランジが全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項22記載の画像形成装置。
  24. 前記保持部材の前記各保持部近傍における長辺方向に、絞り形状が形成されていることを特徴とする請求項ないし23の何れか一つに記載の画像形成装置。
  25. 前記保持部材には、前記各保持部の両端部分よりも外側まで絞り形状が形成されていることを特徴とする請求項24記載の画像形成装置。
  26. 前記保持部材の前記絞り形状に、前記スライド部材との係合部分を設けたことを特徴とする請求項24記載の画像形成装置。
  27. 前記保持部材と前記スライド部材との係合部分は、前記スライド部材の両端部と中央部であることを特徴とする請求項ないし26の何れか一つに記載の画像形成装置。
  28. 前記保持部は、ほぼ鉛直線を中心としてその両側にほぼ等しい角度をもって互いにほぼ直交する2つの面を備えていることを特徴とする請求項1ないし27の何れか一つに記載の画像形成装置。
  29. 前記保持部材、前記スライド部材及び前記押圧部材のうちの少なくとも1つの部材は、板材で一体的に形成されていることを特徴とする請求項ないし28の何れか一つに記載の画像形成装置。
  30. 前記各担持体支持部材が前記各保持部上に保持されるとき、前記保持部材または前記スライド部材に、前記各担持体支持部材を前記各保持部に押し付ける押し付け手段を配設したことを特徴とする請求項1ないし28の何れか一つに記載の画像形成装置。
  31. 前記押し付け手段は、前記保持部材側に配設された線形状の弾性部材を備えていることを特徴とする請求項30記載の画像形成装置。
  32. 前記各担持体支持部材は、前記各像担持体の回転軸とこれを回転可能に支持する軸受とを有し
    前記押し付け手段は、前記各回転軸の位置より上方の前記スライド部材にその一端が固定された板形状の弾性部材を備えていることを特徴とする請求項30記載の画像形成装置。
  33. 前記各担持体支持部材は、前記各像担持体の回転軸とこれを回転可能に支持する軸受とを有し、
    前記押し付け手段は、前記各回転軸の位置より下方の前記スライド部材にその一端が固定され、かつ、前記各回転軸の中心位置よりも下側に曲げを形成された板形状の弾性部材を備えていることを特徴とする請求項30記載の画像形成装置。
  34. 前記スライド部材には、前記各回転軸との干渉を避けるための逃げ穴が形成されており、
    前記弾性部材は、少なくとも前記逃げ穴を覆う大きさの形状を持つことを特徴とする請求項32または33記載の画像形成装置。
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