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JP4650711B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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JP4650711B2
JP4650711B2 JP2001156305A JP2001156305A JP4650711B2 JP 4650711 B2 JP4650711 B2 JP 4650711B2 JP 2001156305 A JP2001156305 A JP 2001156305A JP 2001156305 A JP2001156305 A JP 2001156305A JP 4650711 B2 JP4650711 B2 JP 4650711B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタには、図12に示すように、記録ヘッド102側にインクを供給するインク供給用針103と、インクを収納するインク容器101とを備え、インク容器101にインク供給用針103を突き刺すことによりインク容器101からインク供給用針103、インク供給管104を介して記録ヘッド102側へインクを供給するものがある。
【0003】
このインク容器101は、インク収納部101aとインク供給部101bとを有し、インク供給用針103がインク供給部101bからインク収納部101aに突き刺されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インク容器のインク収納部は袋状に形成し、インク供給部はプレート状でインク供給用針を挿通可能な孔を有し、このインク収納部とインク供給部は別部材で、しかも別工程で成形して接着したものであり、製作コストが嵩む。また、インク供給用針は、インク供給部の所定位置の挿通可能な孔から挿通するため、インク容器からインクを供給可能にする装填の位置精度が要求される。
【0005】
さらに、インク容器を包装体に収納してインクカートリッジにし、このインクカートリッジのままインクジェットプリンタに装填してインク供給用針をインク容器に突き刺してインクを供給可能にするものがあるが、インクカートリッジは複数部材で形成されるため、製作コストが嵩み、しかも回収には多大なコストがかかるので、リサイクルあるいは再利用可能なものも排出している。
【0006】
そこで、この発明は、簡単にインク容器を装填してインクを供給可能にでき、しかも製作コストや回収コストを大幅に低減可能なインクジェットプリンタを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、『記録ヘッド側にインクをインク供給管を介して供給するインク供給用針と、インクを収納するインク容器とを備え、前記インク供給用針をインク容器に突き刺すことにより前記インク容器から前記記録ヘッド側へインクを供給するインクジェットプリンタであって、前記インク供給管に設けた中間バッファと、前記中間バッファに設けたインク圧力を検出するインク圧力検出手段と、前記インク供給用針を突き刺さした前記インク容器からのインクの吐出量を制御する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記インク容器は、軟包材で形成され、この軟包材の少なくとも一部に伸縮部材を有し、前記インク容器の内部に前記伸縮部材から前記インク供給用針を直接突き刺し、前記インク容器から前記記録ヘッド側へインクを供給可能とし、前記制御手段は、前記インク圧力検出手段によるインク圧力情報に基づき前記駆動手段により前記インク供給用針を直接突き刺さした前記インク容器を変形させてインクの吐出量を制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。』である。
【0009】
この請求項1に記載の発明によれば、軟包材で形成したインク容器の内部に伸縮部材からインク供給用針を直接突き刺すことにより、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給可能で、しかもインク容器の製作コストや回収コストを大幅に低減することが可能である。また、インク圧力検出手段によるインク圧力情報に基づき駆動手段によりインク供給用針を直接突き刺さしたインク容器を変形させてインクの吐出量を簡単に制御することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、『前記インク容器からのインク終了を検出するインク終了検出手段と、前記インク供給用針と前記インク容器とを相対移動する移動手段とを備え、前記インク供給用針を前記インク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0011】
この請求項2に記載の発明によれば、インク供給用針とインク容器とを相対移動して、インク供給用針をインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺してインク容器を交換することで、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0012】
請求項3に記載の発明は、『前記インク供給用針に突き刺された装填位置の前記インク容器を移動して引き抜き排出し、他のインク容器を装填位置にセットし移動し、前記インク供給用針を前記他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0013】
この請求項3に記載の発明によれば、インク供給用針に突き刺された装填位置のインク容器を移動して引き抜き排出し、他のインク容器を装填位置にセットし移動し、インク供給用針を他のインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺してインク容器を交換することで、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0014】
請求項4に記載の発明は、『前記装填位置のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺した前記インク供給用針を移動して引き抜き、前記インク容器を移動して排出し、他のインク容器を装填位置にセットし、前記インク供給用針を移動し、他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0015】
この請求項4に記載の発明によれば、インク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺したインク供給用針を移動して引き抜き、インク容器を移動して排出し、他のインク容器を装填位置にセットし、インク供給用針を移動し、他のインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺してインク容器を交換することで、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0016】
請求項5に記載の発明は、『前記装填位置に複数のインク容器をセットし、前記装填位置のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺した前記インク供給用針を移動して引き抜き、このインク供給用針を移動し、他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0017】
この請求項5に記載の発明によれば、装填位置のインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺したインク供給用針を移動して引き抜き、このインク供給用針を移動し、他のインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺してインク容器を交換することで、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0018】
請求項6に記載の発明は、『前記複数のインク容器を上下方向に重ねて保持させ、下方に位置する前記インク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺された前記インク供給用針を移動して引き抜き、前記インク供給用針を移動して順次上方に位置する他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0019】
この請求項6に記載の発明によれば、下方に位置するインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺されたインク供給用針を移動して引き抜き、インク供給用針を移動し、順次上方に位置する他のインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺し、インク容器を交換することで、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0020】
請求項7に記載の発明は、『前記インク容器をストック位置、装填位置、排出位置へ順に一方向に移動させるインク容器移動手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0021】
この請求項7に記載の発明によれば、インク容器をストック位置、装填位置、排出位置へ順に一方向に移動させることで、移動させる構造が簡単で、コストが安く、スペースを取らないで無人で連続運転が可能である。
【0022】
請求項8に記載の発明は、『前記インク供給用針を複数備え、このそれぞれのインク供給用針前記インク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺し、前記インク容器から前記記録ヘッド側へインクを切り替えて供給可能としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0023】
この請求項8に記載の発明によれば、インク供給用針を複数備え、このそれぞれのインク供給用針をインク容器の内部に伸縮部材から直接突き刺し、インク容器から記録ヘッド側へインクを切り替えて供給可能とすることで、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能である。
【0024】
請求項9に記載の発明は、『前記インク容器は、パウチ形態であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
』である。
【0025】
この請求項9に記載の発明によれば、インク容器がパウチ形態であり、容易に変形し円滑にインクを供給することができ、しかも比較的小形の袋状のもので取扱が容易である。
【0026】
請求項10に記載の発明は、『前記インク容器は、スタンディングパウチ形態であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0027】
この請求項10に記載の発明によれば、インク容器がスタンディングパウチ形態であり、比較的小形の自立することができる袋状のもので保管や装填等の取扱が容易である。
【0028】
請求項11に記載の発明は、『前記インク容器は、ガゼット形態であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0029】
この請求項11に記載の発明によれば、インク容器がガゼット形態であり、比較的小形でサイドの折り込みにより容易に変形し、円滑にインクを供給することができる。
【0032】
請求項12に記載の発明は、『前記スタンディングパウチ形態の少なくとも底部材が伸縮部材であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0033】
この請求項12に記載の発明によれば、スタンディングパウチ形態の少なくとも底部材が伸縮部材であり、インク供給用針は伸縮部材を通してインク容器の内部に簡単かつ容易に突き刺すことができ、しかもインク漏れも生じない。
【0034】
請求項13に記載の発明は、『前記ガゼット形態の少なくともマチ部材の片方が伸縮部材であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0035】
この請求項13に記載の発明によれば、ガゼット形態の少なくともマチ部材の片方が伸縮部材であり、インク供給用針は伸縮部材を通してインク容器の内部に簡単かつ容易に突き刺すことができ、しかもインク漏れも生じない。
【0036】
請求項14に記載の発明は、『前記伸縮部材が伸縮性を有するプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0037】
この請求項14に記載の発明によれば、インク供給用針は、伸縮性を有するプラスチックフィルムを通してインク容器の内部に簡単かつ容易に突き刺すことができ、しかもインク漏れも生じない。
【0040】
請求項15に記載の発明は、『前記伸縮部材は、窓状にヒートシールで固定されていることを特徴とする請求項乃至請求項14のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0041】
この請求項15に記載の発明によれば、伸縮部材は、窓状にヒートシールで簡単かつ確実に固定され、また窓状にして比較的小さくすることにより、伸縮部材から空気が透過する面積を小さくすることができる。
【0046】
請求項16に記載の発明は、『前記インク容器は、ID情報を設けたことを特徴とする請求項乃至請求項15のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。』である。
【0047】
この請求項16に記載の発明によれば、ID情報を読み取り、インク容器の誤装填を防止することができる。
【0048】
尚、本明細書において、インク容器のインク終了とは、インク容器中のインクが完全に無くなった状態のみを指すものではないことは勿論であり、実質的にインク切れであることを意味し、インク切れのインク容器として取り扱っても差し支えない程度に、多少インクが残った状態でインク終了とするような場合も含むものである。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のインクジェットプリンタの実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0050】
図1はインクジェットプリンタの第1の実施の形態の概略図である。この実施の形態のインクジェットプリンタは、記録ヘッド2側にインクを供給するインク供給用針3と、軟包材で形成されたインクを収納するインク容器1とが備えられている。インク供給用針3をインク容器1に直接突き刺すことによりインク容器1からインク供給管4を介して記録ヘッド2側へインクを供給する。
【0051】
このインクジェットプリンタでは、インク供給用針3とインク容器1とを、移動手段により相対移動して、インク供給用針3をインク容器1に直接突き刺さし、インク容器1を交換可能とする。
【0052】
このインクジェットプリンタには、インク容器1の近傍にインク終了検出手段5が配置され、このインク終了検出手段5は、例えばインク容器1の形状変化を検出するセンサ、あるいはインク容器1のインク圧力を検出するセンサ、あるいはインク供給用針3から記録ヘッド2へのインク供給管4のインク圧力を検出するセンサ、インク重量検知センサ等で構成される。このインク終了検出手段5からのインク終了情報は、制御手段6へ送られ、このインク終了情報に基づき制御手段6は、インク容器移動手段7を制御する。
【0053】
この実施の形態では、インク容器移動手段7がインク供給用針3とインク容器1とを相対移動する移動手段を構成し、インク終了情報に基づきインク供給用針3に直接突き刺された装填位置Bのインク容器1を移動して引き抜く。そしてインク容器1を排出位置Cへ移動して排出する。さらに、ストック位置Aの他の新たなインク容器1を装填位置Bにセットして移動し、インク供給用針3に直接突き刺し、インク容器1を交換することで、簡単にインク容器1を装填してインクを記録ヘッド2側へ供給でき、無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0054】
しかもインク容器1は、軟包材で形成され、従来のようにインク収納部とインク供給部のような多部材で形成されないから製作コストを削減でき、またインク供給用針の突き刺す位置は、高精度に設定しなくてもよく、さらにインク容器1を包装体も不要であり、回収コストも大幅に低減することが可能である。
【0055】
また、インク容器1をストック位置A、装填位置B、排出位置Cへ順に一方向に移動させることで、移動させる構造が簡単で、コストが安く、スペースを取らないで無人で連続運転が可能である。
【0056】
図2はインクジェットプリンタの第2の実施の形態の概略図である。この実施の形態のインクジェットプリンタは、図1の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0057】
この実施の形態では、インク供給用針3が針軸方向に進退可能に備えられている。このインク供給用針3を進退可能にする構成は、例えばインク供給管4の一部を蛇腹4aで構成し、インク供給用針移動手段8でインク供給用針3を針軸方向に進退するように移動する。インク供給用針移動手段8がインク供給用針3とインク容器1とを相対移動する移動手段を構成する。インク供給用針移動手段8は、例えばシリンダ機構等で構成され、インク供給用針3を進退する。
【0058】
制御手段6は、インク終了検出手段5からのインク終了情報に基づきインク供給用針移動手段8を制御し、インク容器1からインク供給用針3を初期位置へ後退させ、インク供給が終了したインク容器1を排出する。そして、他の新たなインク容器1をセットし、その後に、インク供給用針移動手段8により初期位置からインク供給用針3を前進させて装填位置のインク容器1に直接突き刺し、インク容器1から記録ヘッド2側へのインク供給を可能にする。
【0059】
このように、装填位置Bのインク容器1に突き刺したインク供給用針3を移動して引き抜き、インク容器1を排出位置Cへ移動して排出し、ストック位置Aの新たなインク容器1を装填位置Bにセットし、インク供給用針3を移動して新たなインク容器1に直接突き刺し、インク容器1を交換することで、無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0060】
図3はインクジェットプリンタの第3の実施の形態の概略図である。この実施の形態のインクジェットプリンタは、図1及び図2の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
この実施の形態では、装填位置Bに複数の2個のインク容器1がセットされ、またそれぞれのインク容器1からのインク終了を検出するインク終了検出手段5が備えられている。
【0062】
一方のインク容器1にインク供給用針3を直接突き刺し、インク容器1から記録ヘッド2側へインク供給が行なわれる。このインク容器1からのインク供給が終了すると、インク終了検出手段5からインク終了情報が、制御手段6へ送られる。
【0063】
制御手段6は、インク終了検出手段5からのインク終了情報に基づきインク供給用針移動手段8を制御し、インク容器1からインク供給用針3を初期位置へ後退させ、その後、他方のインク容器1の方向へ移動して、装填位置Bにセットされた他の新たなインク容器1に直接突き刺し、この新たなインク容器1から記録ヘッド2側へインク供給が行なわれる。
【0064】
このように、装填位置Bに複数のインク容器1をセットし、装填位置Bのインク容器1に突き刺したインク供給用針3を移動して引き抜き、このインク供給用針3を移動して他の新たなインク容器1に突き刺し、インク容器1を交換することで、無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0065】
図4はインクジェットプリンタの第4の実施の形態の概略図である。この実施の形態のインクジェットプリンタは、図1及び図2の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0066】
この実施の形態では、インク容器保持手段20に上下方向に重ねて載置される複数のインク容器1が保持される。インク容器保持手段20は、複数のインク容器1の間に配置される支持板21を有する。モータ22により駆動軸23,24が回転し、この駆動軸23,24の回転により支持板21が上下動し、これらでインク容器移動手段が構成される。
【0067】
インク供給用針3は、針軸方向に進退可能に備えられており、このインク供給用針3を進退可能にする構成は、例えばインク供給管4の一部を蛇腹4aで構成し、インク供給用針移動手段8でインク供給用針3が進退する。
【0068】
また、モータ25により駆動軸26が回転し、この駆動軸26の回転によりインク供給用針3が上下動する。インク供給管4には、インク流量を制御する流量制御弁4d及び中間バッファ4eが設けられ、記録ヘッド2へのインク供給量を制御するように構成されている。
【0069】
中間バッファ4eには、インク圧力検出手段27が設けられ、このインク圧力検出手段27はインク供給管4のインク圧力を検出するセンサ等で構成され、インク圧力情報を制御手段6へ送る。また、インク圧力検出手段27は、インク圧力からインク容器1からのインク終了を検出することができ、インク終了検出手段を構成する。
【0070】
制御手段6では、インク圧力情報に基づきモータ22を制御し、このモータ22により駆動軸23,24を回転させてインク容器1からのインクの吐出量に比例し、支持板21を下げる。
【0071】
また、インク圧力情報に基づきモータ25を制御し、駆動軸26が回転し、これにより支持板21の下がる距離の1/2だけインク供給用針3が下がる。そして、インク圧力検出手段27の検出によりインク容器1のインクが無くなったら、インク供給用針移動手段8でインク供給用針3が後退し、インク供給用針3が動いてインク容器1から抜ける。
【0072】
このように、インク供給が終了したインク容器1からインク供給用針3を初期位置へ後退させ、再度初期位置からインク供給用針3を前進させて、装填位置に移動した上段に載置される新たなインク容器1に直接突き刺し、新たなインク容器1からインク供給を可能にすることで、無人で連続運転可能で、インク詰まりも生じない。
【0073】
なお、中間バッファ4eは設けなくてもよいが、中間バッファ4eを介在させた場合、記録ヘッド2の負圧は制御できるので、支持板21は必要なくても良い。
【0074】
また、上段のインク容器1の重さで下段のインク容器1からインク供給が行なわれ、インク残量を軽減することができ、しかもインク容器1を装填位置に移動する簡単な構造であり、またインク供給用針3も進退可能な簡単な構造である。
【0075】
図5はインクジェットプリンタの第5の実施の形態の概略図である。この実施の形態のインクジェットプリンタは、図1及び図2の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0076】
この実施の形態では、記録ヘッド2側にインクを供給する複数のインク供給用針3を備え、この複数のインク供給用針3にはそれぞれインク容器1が直接突き刺されている。例えば、切替弁9の操作で、一方のインク容器1からインクがインク供給用針3、インク供給管41、4を介して記録ヘッド2に供給される。
【0077】
この一方のインク容器1に対応して配置されたインク終了検出手段5からインク終了情報が、制御手段6へ送られると、切替弁9の切替操作で他方のインク容器1からインクがインク供給用針3、インク供給管42、4を介して記録ヘッド2に供給される。
【0078】
このように、インク供給用針3を複数備え、このそれぞれのインク供給用針3にインク容器1を直接突き刺し、インク容器1から記録ヘッド2側へインクを切り替えて供給可能とすることで、簡単にインク容器1を装填してインクを記録ヘッド2側へ供給でき、かつ無人で連続運転可能である。
【0079】
インク容器1は、図6に示すように構成される。図6(a)はスタンディングパウチ袋、図6(b)はフラットボトムパウチ袋、図6(c)は四方シールガゼット袋、図6(d)はセンターピローガゼット袋、図6(e)は三方シール平袋、図6(f)はピロー平袋である。
【0080】
インク容器1としては、インク収納状態以外、例えば充填前の物流、保管あるいは使用済み後の排出時などは、軽量で容積が小さい方が良い。そこで、インク容器1は軟包材で形成したパウチ形態が望ましい。軟包材は、包装材料としてよく知られた軟包装資材であり、圧縮の硬さが極めて小さく、撓み性に富み、応力を除去するとすぐに元の形状に回復して、歪みがほとんど残らないものが用いられる。
【0081】
軟包材は、単一材料でも、複合材料でもよい。単一材料では、インフレーション法やTダイ法で成形された樹脂フィルムをヒートシールして作成した袋でも良い。複合材料では、複数のフィルムをラミネートして作成した複合材料をヒートシールして袋状にしたいわゆるパウチ形態またはパック形態が好ましい。
【0082】
パウチ形態は、袋の比較的小形のものであり、図6(a)のスタンディングパウチ袋、図6(b)のフラットボトムパウチ袋が用いられるが、これに限定されない。インク容器1が軟包材のパウチ形態であることで、容易に変形し円滑にインクを供給することができ、しかも比較的小形の袋状のもので取扱が容易である。スタンディングパウチ形態は、比較的小形の自立することができる袋状のもので、インクを収納した状態で自立でき、保管や装填等の取扱が容易である。また、スタンディングパウチ形態は、底部材にインク供給用針を突き刺す場合に力がフィルムに対して大凡真っ直ぐ掛かり、刺し易く、孔の広がりが少なくなり、インク漏れの可能性を小さくすることができる。
【0083】
また、パウチ形態で、少なくとも底部材が伸縮部材であり、伸縮部材にインク供給用針を刺し込む時に、若干力が掛かり、このときパウチ形態が逃げると所定の位置に所望の孔が開かずにインク漏れ等が発生するため、パウチ形態にもこの力を受ける剛性が必要で、形態としてはスタンディングパウチ形態が適している。さらに、スタンディングパウチ形態の底部は構造上ある程度力を受けることができるので、インク供給用針を刺す位置としては適しており、スタンディングパウチ形態で、少なくとも底部材が伸縮部材であることが好ましい。
【0084】
また、パウチ形態が直方体に近いので容積効率が高く装置をコンパクトにできる。さらに好ましくは、スタンディングパウチ形態で底部分の形状が矩形になるフラットボトムパウチ袋であり、装填時と回収時の平面面積が同じで、インクの残りに良くないシワの発生がない。スタンディングパウチ袋の場合は、低コストで製作できるが、回収時に平面面積が広がり、装填するときの位置が一定にしづらい点があるが、フラットボトムパウチ袋で改良される。
【0085】
このように、インク容器1としては、インク収納状態以外、例えば充填前の物流、保管あるいは使用済み後の廃棄時などは軽量で容積が小さい方が良く、軟包材のパウチ形態が望ましい。
【0086】
パウチ形態の軟包材として好ましくは、図7に示すように、外面の保護性を有する表面基材層40aと、インクの特性より気体透過を極力防ぐ必要があるため、アルミニウム箔やアルム蒸着、または無機材料(酸化珪素化合物または酸化アルミニウム化合物)蒸着などの気体遮断層40bと、ヒートシールによる製袋が可能なシーラント層40cより構成されるラミネート材料40を用いる。表面基材層40aは、ナイロン、PET、OPPフィルムの一般フィルムで良く、印刷を施し商品のIDを表現することもできる。また、気体遮断層40bに無機蒸着フィルムを使用した場合、内部が見え残り量を目視できる。また、気体遮断層40bに印刷で模様を付けてもよく、模様としてはモアレ模様などが効果的である。また、シーラント層40cには、一般的に脂肪酸類が含まれるが、インクジェットプリンタの場合この脂肪酸とインク中のナトリウムイオンにより塩が析出してノズルを塞ぐ不具合が知られており、この問題を回避するためには特願2001−6247に開示したフィルムを用いると良い。
【0087】
また、ガゼット形態は、袋のサイドにV字状に折り込んだものであり、図6(c)は四方シールガゼット袋、図6(d)はセンターピローガゼット袋等が好ましく用いられる。さらに好ましくは、4本シールガゼット袋が好ましい。
【0088】
インク容器1が前述のパウチ形態やガゼット形態であることで、比較的小形でサイドの折り込みにより容易に変形し、円滑にインクを供給することができる。図6(c)に示したガゼット形態では、両側端部に相当する部分に位置させるべく溶着可能な素材からなるマチ部材1aを用いて溶着している。また、図6(d)に示したガゼット形態では、両側端部にマチ部1bを設けている。図6(a)〜(d)に示すインク容器において、少なくともマチ部材1a又はマチ部1bを1面に設けたので、容積効率が高くコンパクトである。また、マチ部材1a又はマチ部1bの片方の端部(少なく1面)に伸縮部材を用いることにより、或いは伸縮部材をその一部に設けることにより、インク供給用針を刺し易く、しかも漏れることなく簡単な動作でインク供給を可能にすることができる。
【0089】
また、インク容器1は、図6(e)の三方シール平袋あるいは図示しないが4方シール平袋、図6(f)のピロー平袋などなんでも良く特に制約はない。
【0090】
インク容器1は、インクを収納し、少なくとも一部に伸縮部材を有し、伸縮部材は、紳縮性を有するプラスチックフィルムで構成される。紳縮性を有するプラスチックフィルムとしては、インク供給用針を突き刺すことが可能で、突き刺した状態でインク供給用針に密着しインク漏れがない部材が用いられる。
【0091】
例えば、ポリエチレン系や塩化ビニル系など伸びの大きい樹脂がよい。特に、好ましくは、食品のラップ包装に使われているような、一般にストレッチフィルムと呼ばれているような材料がよい。また、エラストマーに分類されるような樹脂でも良い。但し、フィルムとしての強度やシール強度が弱いので、生産性や物流適性に配慮して選択することが好ましい。このような伸縮性を有する樹脂を使用することでインク供給用針3を突き刺しても、インクが漏れない。
【0092】
また、図8及び図9に示すように、インク容器1の底部材にインク供給用針を刺す窓部50を設けてもよい。図9(a)の実施の形態では、ラミネート材料40に形成された孔40eを伸縮部材51で塞ぐようにヒートシール52でシーラント層40cに固定している。図9(b)の実施の形態では、ラミネート材料40に形成された孔40eを伸縮部材51で塞ぐようにヒートシール52で固定しているが、シーラント層40cを設けないで接着層53でシーラント層40cを兼用している。このように、伸縮部材51を、窓状にヒートシール52又は接着層53で固定することで、インク供給用針を伸縮部材51の位置で刺し込み、漏れることなく簡単な動作でインク供給を可能にすることができる。
【0093】
インク供給用針3の太さは、太過ぎると、インク漏れを起し易くなり、細過ぎるとインクの供給量が足りなくなり、1mm〜5mmが好ましい。また、インク供給用針3には、孔が先端でなく、先端近傍の側面に形成され、繰り返し使用して先端が磨耗しても孔が潰れないようになっている。
【0094】
また、インク容器1を抜いた後のインク垂れに対しても有効である。インク供給用針3の先端は円錐状に尖っており、これはフィルムを突き破るためであるがこのときフィルムが裂けるとインク漏れが発生する。裂けるのは、若干でも無理に力を掛けるからであり、その裂ける方向は制御できないため、インク供給用針3の先端を先の尖った十形状(プラスドライバーの先端形状)にし、筒部をそれより太めにすれば、裂の発生を抑制できフィルムの孔の形状を制御でき、インク漏れを意図して防ぐことが可能になる。
【0095】
また、図10に示すように、インク容器1は、インク供給用針を刺し込む針孔部近傍にインク漏れ防止手段55を有するようにしてもよい。図10(a)の実施の形態のインク漏れ防止手段55は、インクを吸収する吸収材55aで構成する。吸収材55aは、例えばスポンジや綿類等の多孔部材が用いられる。また、図10(b)の実施の形態のインク漏れ防止手段55は、インク容器1のマチ部材1aを挟むチャック部材55bで構成しており、簡単な構造でインク供給用針3を刺し込むときのインク漏れを防止することができる。チャック部材55bは、バネ等で構成される。
【0096】
また、図11に示すように、インク容器1はID情報56を有するようにしてもよい。ID情報56としては、例えばインク容器1の製造シリアル番号、特定の数字、特定の文字を含み、このID情報56を装填位置に設けた認識手段80で読み取り、記録ヘッド2側に送ることで誤装填を防止することができる。
【0097】
誤装填防止技術として、突起の嵌合等によるものがあるが、突起の形状を色毎に変える必要があるために、部品の種類が多くなりコスト上昇の1因であることから、インク容器1にID情報56を印刷等で表示し、認識手段80で読み取るようにしている。ID情報56は、知られた方法としてバーコードがある。このように、インク容器1のID情報56を受け、このID情報56とインクジェットプリンタ本体側の情報を照合することで、適・不適の判定が可能であり、簡単かつ確実にインク容器1の誤装填等を防止することができる。
【0098】
また、インク容器1に印刷等で施す情報として、製造情報(製造年月日といったロット管理用の情報)や品質情報(品質規格内での性能ばらつき情報)を挙げることができ、ID情報を含めて、それら情報のうち少なくとも1つの情報をインク容器1に設けるようにしても良い。
【0099】
【発明の効果】
前記したように、この発明のインクジェットプリンタでは、軟包材で形成したインク容器にインク供給用針を直接突き刺し、簡単にインク容器を装填してインクを記録ヘッド側へ供給可能で、しかもインク容器の製作コストや回収コストを大幅に低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの第1の実施の形態の概略図である。
【図2】インクジェットプリンタの第2の実施の形態の概略図である。
【図3】インクジェットプリンタの第3の実施の形態の概略図である。
【図4】インクジェットプリンタの第4の実施の形態の概略図である。
【図5】インクジェットプリンタの第5の実施の形態の概略図である。
【図6】インク容器の構成を示す図である。
【図7】ラミネート材料の層構成を示す図である。
【図8】インク容器の窓部の構成を示す斜視図である。
【図9】インク容器の窓部の構成を示す断面図である。
【図10】インク容器のインク漏れ防止手段を示す斜視図である。
【図11】インク容器のID情報の読み取りを示す斜視図である。
【図12】従来のインクジェットプリンタの概略図である。
【符号の説明】
1 インク容器
2 記録ヘッド
3 インク供給用針
4 インク供給管
5 インク終了検出手段
6 制御手段
7 インク容器移動手段
8 インク供給用針移動手段

Claims (16)

  1. 記録ヘッド側にインクをインク供給管を介して供給するインク供給用針と、インクを収納するインク容器とを備え、
    前記インク供給用針をインク容器に突き刺すことにより前記インク容器から前記記録ヘッド側へインクを供給するインクジェットプリンタであって、
    前記インク供給管に設けた中間バッファと、
    前記中間バッファに設けたインク圧力を検出するインク圧力検出手段と、
    前記インク供給用針を突き刺さした前記インク容器からのインクの吐出量を制御する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、
    前記インク容器は、軟包材で形成され、この軟包材の少なくとも一部に伸縮部材を有し、
    前記インク容器の内部に前記伸縮部材から前記インク供給用針を直接突き刺し、
    前記インク容器から前記記録ヘッド側へインクを供給可能とし、
    前記制御手段は、前記インク圧力検出手段によるインク圧力情報に基づき前記駆動手段により前記インク供給用針を直接突き刺さした前記インク容器を変形させてインクの吐出量を制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記インク容器からのインク終了を検出するインク終了検出手段と、前記インク供給用針と前記インク容器とを相対移動する移動手段とを備え、
    前記インク供給用針を前記インク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記インク供給用針に突き刺された装填位置の前記インク容器を移動して引き抜き排出し、他のインク容器を装填位置にセットし移動し、前記インク供給用針を前記他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記装填位置のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺した前記インク供給用針を移動して引き抜き、前記インク容器を移動して排出し、他のインク容器を装填位置にセットし、前記インク供給用針を移動し、他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記装填位置に複数のインク容器をセットし、前記装填位置のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺した前記インク供給用針を移動して引き抜き、このインク供給用針を移動し、他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記複数のインク容器を上下方向に重ねて保持させ、下方に位置する前記インク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺された前記インク供給用針を移動して引き抜き、前記インク供給用針を移動して順次上方に位置する他のインク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺すことにより、インク容器を交換可能としたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記インク容器をストック位置、装填位置、排出位置へ順に一方向に移動させるインク容器移動手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記インク供給用針を複数備え、このそれぞれのインク供給用針前記インク容器の内部に前記伸縮部材から直接突き刺し、前記インク容器から前記記録ヘッド側へインクを切り替えて供給可能としたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記インク容器は、パウチ形態であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記インク容器は、スタンディングパウチ形態であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  11. 前記インク容器は、ガゼット形態であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  12. 前記スタンディングパウチ形態の少なくとも底部材が伸縮部材であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェットプリンタ。
  13. 前記ガゼット形態の少なくともマチ部材の片方が伸縮部材であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
  14. 前記伸縮部材が伸縮性を有するプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  15. 前記伸縮部材は、窓状にヒートシールで固定されていることを特徴とする請求項乃至請求項14のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  16. 前記インク容器は、ID情報を設けたことを特徴とする請求項乃至請求項15のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
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