JP4649759B2 - 枠材付き窓用板材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に車両の窓開口部に取り付けられる、窓用板材の周縁部に樹脂製枠材が設けられた枠材付き窓用板材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の窓開口部には、枠材付きガラス板(枠材付き窓用板材)が取り付けられている。
図7は、枠材付きガラス板の一例を示す部分断面図である。枠材付きガラス板110は、自動車のボディパネル95に設けられた窓開口部96に取り付けられている。枠材付きガラス板110は、ガラス板90の周縁部に樹脂製のモールディング(枠材)111を設けてなる。
【0003】
モールディング111は、ガラス板90に固着された枠材基部112と、枠材基部112から突出したリップ部113とを備えている。リップ部113は、窓開口部96を区画する開口部側壁(ボディパネル95の一部)95aに当接して、車外側から水や埃が窓開口部96を介して車室内に入ることを防いでいる(シールしている)。
モールディング111の材質としては、軟質ポリ塩化ビニル等が一般的に採用される。
【0004】
近年自動車には、走行時の高度な静粛性が求めらている。軟質ポリ塩化ビニルを用いて、枠材基部112とリップ部113とを一体成形したモールディング111では、リップ部113の開口部側壁95aに対する当接角度等の兼ね合いによって、自動車走行時にリップ部113と開口部側壁95aとの接触箇所から異音が生じることがある。最近、この異音が問題視されるようになった。
【0005】
こうした異音の発生は、枠材付き窓用板材の全周が窓開口部で囲まれている場合に限らない。例えば、枠材付き窓用板材を自動車のドアよりも前側の小窓(フロントベンチ(FVと略称する)窓)に使用する場合には、枠材付き窓用板材の後辺が自動車ドアの前辺に当接する。自動車ドアは可動であるため、枠材付き窓用板材の後辺と自動車ドアの前辺とのクリアランスにはゆとりがある。このゆとりをリップ部の弾性を利用して、シールしている。しかし、リップ部の弾性によりゆとりをもってシールする構造では、自動車の走行時の振動や空気の流れにより、リップ部の振動が顕著になり、結果として異音の発生が顕著になる。
この異音を低減するために、図8に示すような枠材付き窓用板材120が提案されている。この枠材付き窓用板材120のモールディング121は、ガラス板90に固着された軟質ポリ塩化ビニル等からなる枠材基部122に、枠材基部122とは別体のリップ部123を両面粘着テープ等の接着手段124により貼り付けてなる。リップ部123は、表面摩擦抵抗の低い材質からなる。
一方、特開平7−62183号公報には、2種以上の材質を共押出ししてモールディングを製造する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図8に示したものでは、接着手段124により枠材基部122とリップ部123とを貼り付ける作業が必要とされる。また、外観性や耐久性が不充分だった。
特開平7−62183号公報に開示されたものでは、共押出しにより製造したモールディングを、窓用板材に取り付ける作業が別途必要とされる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、外観性および耐久性を損なうことなく異音の発生を防止できる枠材付き窓用板材を、高い生産性で容易に製造可能な枠材付き窓用板材の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、窓用板材の周縁部が成形型のキャビティに露呈するように窓用板材を前記成形型に装着し、前記キャビティに樹脂材料を射出して前記周縁部に樹脂製の枠材を一体化する枠材付き窓用板材の製造方法であって、スライドコアを有する成形型を型開き状態にして該成形型内に窓用板材を装着するとともに前記スライドコアに1次成形品を装着し、前記成形型を型閉めして前記1次成形品の一部がキャビティに露呈するように前記スライドコアを移動させて、前記キャビティに樹脂材料を射出して前記窓用板材および前記1次成形品に一体化した枠材基部を形成し、前記成形型を型開きして前記1次成形品と前記枠材基部とからなる枠材が周縁部に一体化された窓用板材を取り出し、前記1次成形品が、前記枠材基部に一体化された接合部と、該接合部から突出したリップ部とを有し、前記接合部は、前記枠材基部と相溶性のある材質からなり、前記リップ部は、前記接合部と異なる物性値となる材質であり、且つ、表面摩擦抵抗の低い材質であることを特徴とする枠材付き窓用板材の製造方法を提供する。
【0008】
以上のような枠材付き窓用板材の製造方法によれば、型開き状態で1次成形品をスライドコアに装着するので、1次成形品を容易かつ正確にスライドコアに装着できる。そして型閉め後に、キャビティに樹脂材料を射出して枠材基部を成形するのと同時に、その枠材基部が窓用板材に固着されるとともに1次成形品が枠材基部に固着される。すなわち、1次成形品と枠材基部とからなる枠材が窓用板材に一体化される。1次成形品と枠材基部とを一体化するのに、別工程での貼着作業が不要である。
したがって、1次成形品に表面摩擦抵抗の低い材質からなる部分を設けておくことで、外観性および耐久性が良好で、異音の発生を防止できる枠材付き窓用板材を簡便な工程により得ることができる。
【0009】
ここで、窓用板材としては、透明ないし半透明なガラス板や樹脂板を例示できる。充分な透視性を有していれば、有彩色のガラス板や樹脂板でもよい。ガラス板としては、単板のガラス板や合わせガラスを例示できる。さらにガラス板としては、強化処理や熱線反射膜等の機能コートが設けられたものでもよい。
枠材基部の材質としては、射出成形時の流動性が良好である点、成形後の外観や耐候性に優れている点、を考慮して選択されるものであり、軟質ポリ塩化ビニルや、オレフィン系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、のエラストマー等を例示できる。
【0010】
本発明において、型開き状態でスライドコアに装着した1次成形品を、成形型を型閉めした際に成形型の固定型および/または可動型に当接させて、1次成形品を位置決めすることが好ましい。
例えば、型閉め時に固定型および/または可動型とスライドコアとによって1次成形品を挟持固定する方法を採用できる。
こうして、枠材基部を形成する樹脂材料の射出時に1次成形品がずれることを防止でき、1次成形品が正確に固着された枠材付き窓用板材を得ることができる。また、万一スライドコアへの1次成形品の装着が不充分だったときも、固定型および可動型の少なくとも一方に1次成形品を当接させることで1次成形品を所定の位置に位置決めできる。
【0011】
また、本発明において、1次成形品が、枠材基部に一体化された接合部と、その接合部から突出したリップ部とを有し、リップ部が接合部とは異なる物性値(例えば硬度や表面摩擦抵抗)となる材質からなることが好ましい。
リップ部の材質としては、塩素化ポリエチレン、発泡EPDM等の、表面摩擦抵抗の低い低摩擦材を採用できる。ここで低摩擦材とは、軟質ポリ塩化ビニルより表面摩擦抵抗の低い材質をいう。
こうして、異音の発生をより顕著に防止できる。
また、本発明において、1次成形品の接合部が、枠材の枠材基部と同じ材質からなることが好ましい。
ここでいう「同じ材質」とは、枠材基部の材料と相溶性が良好な材料であれば多少異なる材質も、その意味に含む。例えば、軟質ポリ塩化ビニルと硬質ポリ塩化ビニルのように、組成比のみが異なるものは「同じ材質」とみなすものとする。
こうして、枠材の耐久性をより向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した部材等と同様の構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号または相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0013】
図1は、本発明の枠材付き窓用板材の製造方法によって製造された枠材付き窓用板材を示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II断面図である。
図1に示すように、窓用板材としてのガラス板90の周縁部には、枠材(モールディング)が設けられている。ここではガラス板90が、斜辺、長辺および短辺を有する平面視略直角三角形状であり、長辺に本発明における1次成形品が設けられている。
【0014】
図2に示すように、枠材11は、ガラス板90の周縁部に固着された枠材基部12と、1次成形品としてのインサート部材15とを備えている。インサート部材15は、枠材基部12が成形される前に、予め成形されたものである。
枠材基部12は、ガラス板90の車外側面(表面)90aに接合される表面部12aと、ガラス板90の車内側面(裏面)90bに接合される裏面部12bと、ガラス板90の端面90cに沿って延びて表面部12aおよび裏面部12bを接続する接続部12cとを有している。裏面部12bには、車内側に向かって突出した延長部12dが連設されている。延長部12dは、裏面部12bの接続部12c側から車内側に向かって突出し、ガラス板90の端面90cに沿う方向に、換言すればガラス板90の厚さ方向に沿って延びている。
ここでは、枠材基部12の材質として軟質ポリ塩化ビニルが採用されている。
【0015】
インサート部材15は、接合部16とリップ部13とを備えている。ここでは、接合部16の材質として硬質ポリ塩化ビニルが採用され、リップ部13の材質として低摩擦材(塩素化ポリエチレン)が採用されている。接合部16とリップ部13とは2色押出し成形されたものであるため、接合部16とリップ部13とは強固に接合されている。
接合部16は枠材基部12に一体化されている。接合部16は、枠材基部12の接続部12cの外周側面(ガラス板端面90cに相対する側とは反対側の面;図中右側面)と、延長部12dの外周側面(図中右側面)とに、接着手段を用いずに一体化されている。ここでは、接続部12cの外周側面と延長部12dの外周側面とが面一になっており、それら面に平板状の接合部16が固着されている。
枠材基部12の接続部12cおよび延長部12dの肉厚(図中左右方向寸法)は、後述する樹脂材料の射出時にインサート部材15を確実に一体化するために、適度に厚くされている。接続部12cの肉厚W1は0.5〜5mmが好ましく、延長部12dの肉厚W2は0.5〜3mmが好ましい。
【0016】
インサート部材15の接合部16は、車内側端部に厚肉部16aを備えている。厚肉部16aの内周側面(図中左側面)は、延長部12dの内周側面(図中左側面)側に露呈している。ここでは、厚肉部16aの内周側面と、延長部12dの内周側面とが面一になっている。
さらに接合部16は、車外側端部にリップ延長部16bを備えている。リップ延長部16bは、平板状の接合部16の延在方向と交差する方向に延びて、平板状の接合部16から外周側に突出している。リップ延長部16bの肉厚(図中上下方向寸法)は、リップ部13の肉厚に等しくなっている。リップ延長部16の突出先端に、リップ部13が連設されている。リップ部13は、リップ延長部16に接続されたその基端部が、リップ延長部16と同方向に延びるが、先端部に向かうにつれて車内側へと湾曲されている。リップ延長部16bおよびリップ部13は、図2に示す断面視において鉤形状(フック形状)になっている。
【0017】
リップ延長部16bの車外側面(図中上面)の、リップ部13が連設された側とは反対側の箇所は、枠材基部12の被覆部12eによって覆われている。被覆部12eは、枠材基部12の表面部12aの接続部12c側から外周側(図中右側)に向かって突出している。ここでは被覆部12eが、ガラス板90の面方向に沿って延びている。
被覆部12eは、インサート部材15を枠材基部12に、より確実に固着するために、リップ延長部16bを被覆する幅(被覆幅)W3および肉厚(図中上下方向寸法)Hが適度に厚くされている。被覆幅W3は0.5〜5mmが好ましく、被覆部12eの肉厚Hは0.5〜5mmが好ましい。
被覆部12eの外周側面(図中右側面;端面)12fは、リップ延長部16bの車外側面にほぼ直交している。これらの交差角度は90〜150°が好ましい。
【0018】
次に、枠材付き窓用板材10の製造方法の第1例を、図3および図4に基づいて説明する。
図3に示すように、前述した枠材11を成形するための金型20は、下型(固定型;第一の型)21、上型(可動型;第二の型)22およびスライドコア23を備えている。図3には、金型20を開いた状態(型開き状態)が示されている。この状態で、ガラス板90を下型21の所定位置に設置するとともに、インサート部材15をスライドコア23に備えられた係止部24に装着し、インサート部材15の外周側面をスライドコア23に当接させる。なお、インサート部材15の外周側面が本発明における1次成形品の外周側面の一例に該当する。本発明における1次成形品の外周側面とは、枠材基部との接合部から見て、枠材付き窓用板材における外周側に配される面を意味する。
スライドコア23は、下型21に面する摺動面と、上型22側に設けられた係止部24とを備えている。ここでは係止部24が、上型22側に突出する係止凸部24aと、係止凸部24aの基端部に設けられた係止凹部24bとからなる。係止凸部24aは、インサート部材15の鉤形状の部分の凹面に対応した湾曲面を上面として有している。
インサート部材15のリップ延長部16bおよびリップ部13を、係止凸部24aの上面上に載せるとともにリップ部13の先端部を係止凹部24b内に嵌合することで、インサート部材15をスライドコア23に装着する。すなわち、インサート部材15の鉤形状の凹面を、係止凸部24aに引掛ける。
このときインサート部材15は、スライドコア23のみに当接する。つまり、型開き状態のスライドコア23は摺動面を除いて下型21から離れており、上型22からも離れているので、下型21や上型22による干渉を受けることなく、インサート部材15をスライドコア23に容易かつ正確に装着できる。
【0019】
インサート部材15をスライドコア23に装着した後に、型閉めを開始する。
先ず、図3中矢印▲1▼で示すように、スライドコア23を移動して、下型21に備えられた当接壁21aとスライドコア23とにより、インサート部材15の厚肉部16aを挟持固定する。次に、図3中矢印▲2▼で示すように、上型22を移動する。すると、図4に示す状態となる。
【0020】
図4に示すように、インサート部材15のリップ部13が、スライドコア23と上型22とによって挟持固定されている。つまり、インサート部材15は、その接合部16がスライドコア23と下型21とによって位置決め・固定されるとともに、リップ部13がスライドコア23と上型22とによって位置決め・固定されている。そしてこの状態で、ガラス板90の周縁部にキャビティ25が形成されている。キャビティ25には、インサート部材15の接合部16が露呈している。
このキャビティ25に、高温の溶融軟質ポリ塩化ビニル材料を射出する。すると、図2に示したような、ガラス板90およびインサート部材15に一体化した枠材基部12が形成される。
最後に、金型20を型開きしてスライドコア23を移動させ、枠材基部12とインサート部材15とからなる枠材が周縁部に一体化されたガラス板90を取り出す。こうして、図2に示したような枠材付き窓用板材10が製造される。なお、リップ部13は軟質材料から形成されており、容易に変形し得るので、スライドコア23の移動を妨げることはない。
【0021】
以上のような枠材付き窓用板材10の製造方法によれば、型開き状態でインサート部材15をスライドコア23に装着するので、インサート部材15を容易かつ正確にスライドコア23に装着できる。そして型閉め後に、枠材基部12の成形と同時にその枠材基部12がガラス板90に固着されるとともに、低摩擦材からなるリップ部13を備えたインサート部材15が枠材基部12に固着される。したがって、枠材11をガラス板90に取り付ける作業やリップ部13を枠材基部12に貼り付ける作業が不要となり、高い生産性で枠材付き窓用板材10を製造できる。
また、型閉め時に下型21および上型22とスライドコア23とによってインサート部材15を挟持固定するので、枠材基部12を形成する樹脂材料の射出時にインサート部材15がずれることを防止でき、インサート部材15が正確に固着された枠材付き窓用板材10を得ることができる。また、万一スライドコア23へのインサート部材15の装着が不充分だったときも、下型21および上型22にインサート部材15を当接させることでインサート部材15を所定の位置に位置決めできる。
【0022】
また、接合部16が接合される箇所である、枠材基部12の接続部12cおよび延長部12dの肉厚W1,W2が、それぞれ適度に厚くされている。これにより、樹脂材料の射出時に、キャビティ25内の接続部12c用空間および延長部12d用空間における樹脂流動性が良好になり、かつ、それら空間における樹脂材料の固化に要する時間が適度に長くなる。こうして、枠材基部12の接続部12cおよび延長部12dとインサート部材15の接合部16とが、堅牢に接合される。
さらに、枠材基部12の被覆部12eの被覆幅W3および肉厚Hは、適度に厚くされている。また、被覆部12eの外周側面12fは、リップ延長部16bの車外側面にほぼ直交している。こうして、枠材基部12の接続部12cおよび延長部12dとインサート部材15の接合部16とが、より堅牢に接合される。また、被覆部12eの外周側面12fとリップ延長部16bの車外側面との交差箇所にバリが生じることもない。
そして、こうして製造された枠材付き窓用板材10によれば、外観性および耐久性が良好で、異音の発生を顕著に防止できる。さらに、この枠材付き窓用板材10においては、枠材基部12と接合部16とに相溶性の良い同じ材質を用いることで、枠材基部12と接合部16とを強固に接合して、枠材11の耐久性をより向上している。
【0023】
図5は、本発明の枠材付き窓用板材の製造方法の第2例を説明する図である。
本例によって製造される枠材付き窓用板材30における枠材31も、枠材基部32とインサート部材35とを有している。枠材基部32は、表面部32a、裏面部32b、接続部32c、延長部32dおよび被覆部32eを備えている。インサート部材35は、接合部36とリップ部33とを備えている。
この枠材付き窓用板材30においては、インサート部材35の接合部36が平板状であって、接合部36の車内側端部(図中下端部)に厚肉部が設けられていない。そして、接合部36の車内側端部の内周側面(図中左側面)と、延長部32dの外周側面(図中右側面)との間に、隙間Sが形成されている。この隙間Sには、枠材31の成形時に、後述する下型41の当接壁41aが配置される。
【0024】
枠材付き窓用板材30の製造方法を説明する。先ず、金型40の下型41、上型42およびスライドコア43を型開き状態にして、スライドコア43に備えられた係止部44にインサート部材35を装着する。すなわち、インサート部材35の鉤形状の部分をスライドコアの係止凸部44aに引掛け、リップ部33の先端部をスライドコアの係止凹部44b内に嵌合する。
【0025】
次に型閉めを行う。下型41は、枠材基部32の延長部32d用の空間と、その空間の外周側(図中右側)に立設された当接壁41aとを備えている。当接壁41aの、スライドコア43が当接する面(図中右側面)には、インサート部材35の接合部36を受容する受容凹部41bが設けられている。型閉めをするとインサート部材35が、下型41、上型42およびスライドコア43によって挟持固定される。すなわちインサート部材35は、その接合部36の先端部がスライドコア43と当接壁41aの受容凹部41bとによって位置決め・固定されるとともに、そのリップ部33がスライドコア43と上型42とによって位置決め・固定される。そしてこの状態で、ガラス板90の周縁部にキャビティが形成される。キャビティには、インサート部材35の接合部36の一部が露呈している。
次に、キャビティに高温の溶融軟質ポリ塩化ビニル材料を射出することで、図5に示すような、ガラス板90およびインサート部材35に一体化した枠材基部32を形成する。
最後に、金型40を型開きしてスライドコア43を移動させ、枠材31が周縁部に一体化されたガラス板90を取り出す。
【0026】
本例によれば、インサート部材35の接合部36に厚肉部を設けていないにも拘わらず、型閉め時に、下型41の当接壁41aとスライドコア43とにより接合部36の先端部(車内側端部)を挟持固定でき、インサート部材35の位置決めを行える。
【0027】
図6は、本発明の枠材付き窓用板材の製造方法の第3例を説明する図である。
本例によって製造される枠材付き窓用板材50における枠材51も、枠材基部52とインサート部材55とを有している。インサート部材55は、接合部56とリップ部53とを備えている。
この枠材付き窓用板材50においては、インサート部材55の接合部56の車内側端部(図中下端部)に、外周側(図中右側)に突出した係止凸部56cが設けられている。
【0028】
本例においては、インサート部材55を金型60のスライドコア63に装着する際に、インサート部材55の鉤形状の部分をスライドコア63に備えられた係止凸部64aに引掛け、リップ部53の先端部を係止凸部64aの基端部に設けられた第一係止凹部64bに嵌合するとともに、接合部56の係止凸部56cをスライドコア63に備えられた第二係止凹部64cに嵌合する。こうして、インサート部材55の2箇所(一端および他端)をスライドコア63の凹部64b、64cに嵌合することで、インサート部材55をスライドコア63に確実に装着できる。すなわち、金型60の下型61にインサート部材55を当接させなくても、インサート部材55の正確な位置決めを容易に行える。
本例によれば、下型61にスライドコア63と協働してインサート部材55を挟持するための当接壁を設けなくて済むため、下型61の設計自由度が高い。
【0029】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、1次成形品を枠材基部に2個以上設けることもできる。また、1次成形品は、押出し成形に限らず、射出成形等によって予め成形してもよい。
本発明によって製造される枠材付き窓用板材は、異音防止に効果を発揮する観点から、自動車の嵌め殺し窓に好適である。さらに、この異音防止が特に有効であり、かつ車外から観察する機会の多いFV窓に適用することは、特に有効である。本発明による枠材付き窓用板材をFV窓に適用する場合、自動車ドアの前辺に当接する枠材付き窓用板材の後辺に、1次成形品を設けることが好ましい。
さらに、金属等の樹脂以外の材質からなる1次成形品や、金属等の樹脂以外の材質からなる部分を含む1次成形品を、本発明によって枠材基部に一体化することも考えられる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1次成形品を容易かつ正確に成形型内に配置できる。そして枠材の枠材基部の成形と同時にその枠材が窓用板材に固着されるとともに、1次成形品が枠材基部に固着される。したがって、1次成形品に表面摩擦抵抗の低い材質からなる部分を設けておくことで、外観性および耐久性が良好で、異音の発生を防止できる枠材付き窓用板材を、高い生産性で容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造される枠材付き窓用板材を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の第1例を説明する図である。
【図4】本発明の第1例を説明する図である。
【図5】本発明の第2例を説明する図である。
【図6】本発明の第3例を説明する図である。
【図7】従来の枠材付き窓用板材の第1例を示す図である。
【図8】従来の枠材付き窓用板材の第2例を示す図である。
【符号の説明】
10,30,50 枠材付きガラス板(枠材付き窓用板材)
11,31,51 枠材
12,32,52 枠材基部
13,33,53 リップ部
15,35,55 インサート部材(1次成形品)
16,36,56 接合部
20,40,60 金型(成形型)
21,41,61 下型(固定型)
22,42,62 上型(可動型)
23,43,63 スライドコア
90 ガラス板(窓用板材)
Claims (4)
- 窓用板材の周縁部が成形型のキャビティに露呈するように窓用板材を前記成形型に装着し、前記キャビティに樹脂材料を射出して前記周縁部に樹脂製の枠材を一体化する枠材付き窓用板材の製造方法であって、
スライドコアを有する成形型を型開き状態にして該成形型内に窓用板材を装着するとともに前記スライドコアに1次成形品を装着し、前記成形型を型閉めして前記1次成形品の一部がキャビティに露呈するように前記スライドコアを移動させて、前記キャビティに樹脂材料を射出して前記窓用板材および前記1次成形品に一体化した枠材基部を形成し、
前記成形型を型開きして前記1次成形品と前記枠材基部とからなる枠材が周縁部に一体化された窓用板材を取り出し、
前記1次成形品が、前記枠材基部に一体化された接合部と、該接合部から突出したリップ部とを有し、
前記接合部は、前記枠材基部と相溶性のある材質からなり、
前記リップ部は、前記接合部と異なる物性値となる材質であり、且つ、表面摩擦抵抗の低い材質であることを特徴とする枠材付き窓用板材の製造方法。 - 型開き状態で前記スライドコアに装着した前記1次成形品を、前記成形型を型閉めした際に成形型の固定型および/または可動型に当接させて、前記1次成形品を位置決めする請求項1に記載の枠材付き窓用板材の製造方法。
- 前記スライドコアに前記1次成形品の外周側面を当接させ、前記1次成形品を前記スライドコアに装着し、
前記リップ部が、前記スライドコアと前記可動型とによって挟持固定される請求項2に記載の枠材付き窓用板材の製造方法。 - 前記1次成形品を、前記外周側面に連なる凹面を有するように成形しておき、該凹面を前記スライドコアに設けられた係止凸部に係止し、
前記1次成形品の前記リップ部の先端部を、前記スライドコアに設けられた係止凹部に嵌合し、
前記1次成形品を前記スライドコアに装着する請求項3に記載の枠材付き窓用板材の製造方法。
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