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JP4648922B2 - 新規なピリミジニル基含有イリジウム錯体、それよりなる発光材料およびそれを用いた有機el素子 - Google Patents

新規なピリミジニル基含有イリジウム錯体、それよりなる発光材料およびそれを用いた有機el素子 Download PDF

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Description

本発明は、新規なピリミジニル基含有イリジウム錯体、それよりなる発光材料およびそれを用いた有機EL素子に関する。
有機EL素子は、電極から注入されたホールと電子の再結合によって生成した励起エネルギーが発光過程を経て基底状態に緩和されることにより自発光する。しかしながら、ホールと電子の再結合によって生成する励起状態には一重項励起状態と三重項励起状態の2種類がそれぞれ1対3の割合で存在する。これまでの多くは一重項励起状態からの発光を利用した蛍光材料が発光材料に利用されていたため、内部量子効率が最大で25%であるので、この時取り出し効率を20%とすると、最大外部量子効率は5%が理論限界であった。
近年、イリジウムやプラチナなどの重原子効果を利用した錯体化合物を用い三重項励起状態からの発光、すなわちリン光発光を用いることにより発光効率の向上が報告されるようになった(例えば、非特許文献1)。一重項励起状態に加え、三重項励起状態からの発光を利用することで最大内部量子効率は理論上100%に到達することが可能で、リン光材料は発光材料として注目を浴びている。
例えば緑色材料として、下記式
Figure 0004648922
に示すトリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)[Ir(ppy)]が広く利用されている。
また安達らによる非特許文献2などにより青色発光材料である下記式
Figure 0004648922
で示すビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジル−N,C2′]イリジウム(III)ピコリレート(FIrpic)が注目を浴びるようになり、それ以降FIrpicを用いた有機EL素子の高効率化検討および新規な青色リン光錯体探索研究が盛んに行われるようになった。
その結果最近ではS.R.Forrestらによる非特許文献1では下記式
Figure 0004648922
で示すトリス{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾラート,N,C2′}イリジウム(III)[Ir(tfmppz3)]やM.E.Thompsonらによる非特許文献4では下記式
Figure 0004648922
で示すビス[2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2′]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(Fir6)が開発された。
青色リン光材料については、波長的に440nm〜450nm付近に発光ピークを持つものが一般的に好ましい。しかしながら上記非特許文献中にある化合物については、FIrpicで474nm、Ir(tfmppz3)で430nm、Fir6で457nmといずれもこの波長帯に発光ピークを持たず青色としては十分満足できるものではない。
青色に関しては3原色を基調とするディスプレーのみならず、照明で必要とされる白色に関しても重要なウェートを示しており、このような観点より新規な青色用リン光材料の開発が急務であった。
M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrows, M.E.Thompson, S.R.Forrest APPLIED PHYSICS LETTER 1999 75(1) 4−7 Appl.Phys.Lett.,79, 2082(2001) J.Appl.Phys.90 5048(2001) 4Polyhedron 23 (2004) 419−428
本発明の第1の目的は、新規なピリミジニル基含有イリジウム錯体を提供する点にある。
本発明の第2の目的は、新規なピリミジニル基含有イリジウム錯体よりなる発光材料を提供する点にある。
本発明の第3の目的は、それを用いた有機EL素子を提供する点にある。
本発明の第1は、下記一般式(I)
Figure 0004648922
{式中、Yは、
Figure 0004648922
よりなる群から選ばれた複素環基であり、〔A〕は、
Figure 0004648922
よりなる群から選ばれた配位子であり、R〜R34は、水素およびC1〜4のアルキル基よりなる群から選ばれた基である。}
で示されるピリミジニル基含有イリジウム錯体に関する。
本発明の第2は、請求項1記載のピリミジニル基含有イリジウム錯体よりなる発光材料に関する。
本発明の第3は、請求項1記載のピリミジニル基含有イリジウム錯体を用いた有機EL素子に関する。
前記本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体におけるR〜R34は、すべてのものが水素の場合、R〜R34のいずれか1つがメチル基の場合が、もっとも一般的であるが、これら置換基のうちのいずれか2つあるいはいずれか3つがメチル基であってもよい。また場合によっては、これら置換基のうち4つ以上のものがメチル基であってもかまわない。さらにメチル基の代わりにエチル基、プロピル基、ブチル基であってもよく、いろいろの置換基の位置にこれらの基が2種以上混在していてもよい。
本発明化合物の具体例としては、下記の化合物群などを挙げることができる。
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本発明化合物の合成方法としては、塩化イリジウムに、
Figure 0004648922
を反応させて、下記中間体を合成し、
Figure 0004648922
これに、前記〔A〕に対応する下記の化合物を反応させて製造することができる。
Figure 0004648922
次に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極間に機能をもたせた複数の層の有機化合物を積層した素子であり、該有機化合物層の少なくとも一層が本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体を含む層から成り立つ。本発明化合物を含む発光層は、陽極から注入した正孔(ホール)もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送するのが目的で、正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有していても良い。複数の層からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の構成例としては、例えば陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の複数の層構成からなるものがあげられる。また、必要に応じて陰極上に封止層を有していても良い。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は発光層と電子輸送層の間に正孔ブロック層を挿入することもできる。正孔ブロック層は、素子に注入される正孔と電子のバランスを整える重要な働きをする。通常有機エレクトロルミネッセンス素子では、正孔が電子に比べて多い状態をとっており、過剰に存在する正孔が発光層内で電子と再結合せず発光層から電子輸送層に向けて突抜をおこす。そのため電子輸送層での再結合が起こり素子の効率低下を引き起こしてしまう。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に使用する正孔ブロック層に使用するブロック化合物は、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料において正孔のブロック材料として慣用されているものや有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔ブロック層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
前記のブロック材料としては、たとえば4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)や2,5−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)が挙げられる。正孔(ホール)ブロック層としてはこれらの化合物を単独層で構成されたものが好ましい。
正孔(ホール)ブロック層としては、下記化合式に示すBPhenやBCPなどを挙げることができる。
Figure 0004648922
正孔輸送層、電子輸送層、および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても、多層構造であっても良い。また正孔輸送層、電子輸送層はそれぞれの層で注入機能を受け持つ層(正孔注入層及び電子注入層)と輸送機能を受け持つ層(正孔輸送層および電子輸送層)を別々に設けることもできる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記構成例に限らず、種々の構成とすることができる。必要に応じて、正孔輸送層成分と発光層成分、あるいは電子輸送層成分と発光層成分を混合した層を設けても良い。
以下本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素に関して、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる素子構成を例として取り上げて詳細に説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板に支持されていることが好ましい。
基板の素材については特に制限はなく、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子に慣用されているものであれば良く、例えばガラス、石英ガラス、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極としては、仕事関数の大きな金属単体(4eV以上)、仕事関数の大きな金属同士の合金(4eV以上)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、金、銀、銅等の金属、ITO(インジウム−スズオキサイド)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性透明材料、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料が挙げられる。陽極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリング、塗布などの方法により基板上に形成することができる。陽極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
陰極としては、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さな金属同士の合金(4eV以下)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金などが挙げられる。陰極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作製することができる。陰極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陰極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を効率良く取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極は、透明もしくは半透明であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層は、正孔伝達化合物からなるもので、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極間に正孔伝達化合物が配置されて陽極から正孔が注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上の正孔移動度を有する正孔伝達化合物が好ましい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に使用する正孔輸送層に使用する正孔伝達化合物は、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料において正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものや有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
前記の正孔伝達化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(m−トリル)−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(TPD)、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(α−NPD)、1,1−ビス〔4−(N,N′−ジ(p−トリル)アミノフェニル)〕シクロヘキサン(TAPC)等のトリアリールアミン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、および水溶性のPEDOT−PSS(ポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)が挙げられる。正孔輸送層は、これらの他の正孔伝達化合物一種または二種以上からなる一層で構成されたもので良く、前記の正孔伝達物質とは別の化合物からなる正孔輸送層を積層したものでもよい。
正孔注入材料としては、下記化学式に示すPEDOT:PSS(ポリマー混合物)、TPDPESのような高分子化合物やDNTPDを挙げることができる。
Figure 0004648922
正孔輸送材料としては、下記化学式に示すTPD、α−NPD、TAPC、3DTAPBPなどを挙げることができる。なお、前記nは固体状を形成するに充分な数を示す。
Figure 0004648922
発光層は、ホスト材料と本発明化合物のようなゲスト材料(ドーパント)から形成することもできる[Appl.Phys.Lett.,65 3610(1989)]。特に本発明のようなリン光材料を発光層に使用する場合、ホスト材料の使用が必要でありこの時使用されるホスト材料としては4,4′−ジ(N−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル(CBP)、1,4−ジ(N−カルバゾリル)ベンゼン(mCB)、2,2′−ジ〔4″−(N−カルバゾリル)フェニル〕−1,1′−ビフェニル(4CzPBP)等があげられる。
ゲスト材料は、ホスト材料に対して、好ましくは0.01〜40重量%であり、より好ましくは0.1〜20重量%である。ゲスト材料としては、本発明化合物を挙げることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送層は、電子伝達化合物(電子輸送材料)からなるもので、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極間に電子伝達化合物が配置されて陰極から電子が注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上の電子移動度を有する電子伝達化合物が望ましい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に使用する電子輸送層に使用する電子伝達化合物は、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料において電子の電荷注入材料として慣用されているものや有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
前記の電子伝達化合物としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、3−[1,1′−ビフェニル]−4−イル−5−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、1,3,5−トリス[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(TmPyPhB)が挙げられる。電子輸送層は、これらの他電子伝達化合物一種または二種以上からなる一層で構成されたもので良く、前記の正孔伝達物質とは別の化合物からなる電子輸送層を積層させたものでも良い。
電子輸送材料としては、下記化学式に示すAlq、TAZ、TmPyPhBなどを挙げることができる。
Figure 0004648922
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、電子注入性をさらに向上させる目的で、陰極と有機層の間に絶縁体で構成される電子注入層をさらに設けても良い。ここで使用される絶縁体としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用することが好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム等が挙げられる。
本発明化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の形成方法については特に限定されるものではない。乾式成膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法など)、湿式成膜法〔溶液塗布法(例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法など)〕を使用することができる。望ましくは乾式成膜法を用いるのが良い。また素子の作製については上記の成膜方法を併用しても構わない。
正孔輸送層、発光層を溶媒塗布法で形成する場合、各層を構成する成分を溶媒に溶解または分散させて塗布液とする。溶媒としては、炭化水素系溶媒(例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エーテル系溶媒(例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、非プロトン性溶媒(例えばN,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。溶媒は単独で使用しても良く、複数の溶媒を併用しても良い。
正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常5〜5,000nmになるようにする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、酸素や水分等との接触を遮断する目的で保護層(封止層)を設けたり、不活性物質中に素子を封入して保護することができる。不活性物質としては、パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン等が挙げられる。保護層に使用する材料としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、光硬化性樹脂等が挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、通常直流駆動の素子として使用できる。直流電圧を印加する場合、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として電圧を通常1.5〜20V程度印加すると発光が観測される。また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は交流駆動の素子としても使用できる。交流電圧を印加する場合には、陽極がプラス、陰極がマイナスの状態になった時に発光する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、例えば電子写真感光体、フラットパネルディスプレイなどの平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、計器等の光源、各種発光素子、各種表示素子、各種標識、各種センサー、各種アクセサリーなどに使用することができる。
図36〜50に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい例を示す。
図36は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。図36は、基板1上に陽極2、発光層3および陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子は、それ自体が正孔輸送性、電子輸送性及び発光性の機能を単一で有している場合や、それぞれの機能を有する化合物を混合して使用する場合に有用である。
図37は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図37は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層5、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光層が電子輸送性の機能を有している場合に有用である。
図38は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図38は、基板1上に、陽極2、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これは、発光層が正孔輸送性の機能を有している場合に有用である。
図39は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図39は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これは、キャリア輸送と発光の機能を分離したものであり、材料選択の自由度が増すために、発光の高効率化や発光色の自由度が増すことになる。図40は図39の電子輸送層6の代りに電子注入層8を設けたケースである。これは、発光層が電子輸送性の機能を有している場合に有用である。
図41は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図41は、基板1上に、陽極2、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、正孔注入層7を設けることにより、陽極2とその上製膜した層との密着性を高めたり、陽極から正孔の注入を良くし、発光素子の低電圧駆動に効果がある。
図42は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図42は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陰極4から電子の注入を良くし、発光素子の低電圧駆動に効果がある。
図43は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図43は、基板1上に、陽極2、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陽極2から正孔の注入を良くし、陰極4からは電子の注入を良くし、最も低電圧駆動に効果がある構成である。
図44〜50は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図44〜50は、発光層3と陰極4あるいは電子輸送層6の間に正孔ブロック層9を挿入した構成のものである。陽極から注入された正孔、あるいは発光層3で再結合により生成した励起子が、陰極4側に抜けることを防止する効果があり、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率の向上に効果がある。
図44〜50で、正孔輸送層5、正孔注入層7、電子輸送層6、電子注入層8、発光層3、正孔ブロック層9のそれぞれの層は、一層構造であっても、多層構造であってもよい。
図44〜50は、あくまで基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の構成は、これに限定されるものではない。
本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体は、これまで知られている代表的な青色リン光材料FIrpicに比べて短波長であり、従来にはない色よい青色発光が得られるものである。このことは素子のフルカラー化だけでなく白色化においても大きなプラス要素を提供する。従って本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体は工業的に極めて重要なものである。
本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体は、実施例に示されるようにこれまでに知られている代表的な青色リン光材料FIrpicよりも発光波長において青色に近い材料である。このため青色有機エレクトロルミネッセンス素子のみならず白色有機エレクトロルミネッセンス素子に適した材料を提供することが可能になった。また本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体を使用することで、従来の青色材料よりも色純度の良い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することが可能になった。従って本発明のピリミジニル基含有イリジウム錯体は、工業的に極めて重要なものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1
(その1)〔2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン〕〔2−(tert−butyl)−5−(pyridine−2−yl)pyrimidine{Bppm}の合成
(1)経路A
Figure 0004648922
(イ)ZnCl:テトラヒドロフラン(THF)溶液の調製
ZnClを乳ばちですり潰し、撹拌子・三方コックを取り付けたナスフラスコに入れロータリーポンプ真空下で乾燥(約170℃、2〜3時間)する。
室温まで冷却した後Nでリークし、三方コックをセプタムに変える。ZnCl粉末を撹拌しながら脱水テトラヒドロフラン(THF)を加え、撹拌して溶解させる。
(ロ)ネギシカップリング[Negishi coupling]
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコで脱水THFを蒸留し、得られた蒸留THFに5−ブロモ−2−t−ブチルピリミジン(5−bromo−2−tert−butylpyrimidine)(BrBuPm)を加え撹拌して溶解させる。ついで、系を−80℃に冷却し、シリンジでn−BuLiを加える。溶液は速やかに暗赤色になる。この系を−80℃で20min保つ。系を−80℃に保った状態でZnCl溶液をキャヌラで加える。四口フラスコを室温雰囲気に曝し撹拌して緩やかに昇温する。0℃の時点で2−ブロモピリジン(2−bromopyridine)(2−BrPy)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体{Pd[PPh}の順に加え、その後2時間還流させる。反応終了後エバポレータでTHFを除去する。CHCl、水で共洗いして試料を分液ロートに移し、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)水溶液と振り、NaOH水溶液で中和して、pH8〜9に調整する。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥、濾過、エバポレータで濃縮する。カラム(CHCl:acetone=9:1)で精製後、エバポレータで極力濃縮(100mmHg、40℃)し、真空乾燥(室温、1時間)して白色の固体を得る。収率 85%
Figure 0004648922
(2)経路B
Figure 0004648922
(イ)ZnCl:THF溶液の調製
経路Aと同一。
(ロ)ネギシカップリング[Negishi coupling]
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコで脱水THFを蒸留し、得られた蒸留THFに2−ブロモピリジン(2−BrPy)を加え、撹拌して均一にする。これを−60℃に冷却し、シリンジでn−BuLiを加え、−60℃で1時間保つ。すると溶液は暗赤色になる。ついで系を−60℃に保ち、ZnCl溶液をキャヌラで加える。つぎに、四口フラスコを室温雰囲気に曝し撹拌して緩やかに昇温する。0℃の時点で5−ブロモ−2−t−ブチルピリミジン(5−bromo−2−tert−butylpyrimidine)(BrBuPm)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体{Pd[PPh}の順に加え、4時間還流させる。反応終了後エバポレータでTHFを除去する。系をCHCl、水で共洗いして試料を分液ロートに移す。
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)水溶液と振り、NaOH水溶液で中和してpH8〜9に調整する。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥、濾過、エバポレータで濃縮する。カラム(CHCl:acetone=9:1)で精製後、エバポレータで極力濃縮(50mmHg、45℃)し、真空乾燥(室温、1時間)して白色の固体を得る。 収率 83%
Figure 0004648922
(その2)ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](ジピバロイルメタン)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[dpm]}の合成
Figure 0004648922
気流下で下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン(Bppm)、KHCO、エトキシエタノール(EtOEtOH)を入れ、6〜12時間還流させる。その後dpm、KHCOを加え、再度還流させる(4時間)。反応終了後エバポレータでエトキシエタノール(EtOEtOH)を除去・乾固する。ついで、生成物をカラム(CHCl:AcOEt=1:1)で精製する。精製物をCHCl溶液にして小過剰のNaOH水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(60℃、10時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 36%
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](ジピバロイルメタン)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[dpm]}のPLスペクトルを図1に示す。
Figure 0004648922
得られた化合物の光学特性は下記の方法で測定した。なお、この方法は下記のすべての実施例における場合と同様である。
(1)UV−Vis吸収スペクトル測定
特に記載の無い限りUV−Vis吸収スペクトル測定は10−5[mol/L]のCHCl溶液を用いて室温にて行った。
(2)PLスペクトル測定
特に記載の無い限りPLスペクトル測定は溶液においては10−5[mol/L]のCHCl溶液を用いて室温にて行った。脱気等は行っていない。
PMMA分散膜でのPLスペクトル測定は特に記載の無い限り1wt%ドープ(試料:PMMA=1:100[重量比])のPMMA分散膜を用いて室温にて行った。PMMA分散膜は100mg/mlCHCl溶液を用いて石英基板上にドロップキャスト法で成膜した{真空オーブンのステージに石英基板を置き、その基板上にパスツールで任意の量の溶液を乗せる。真空度を段階的(0.01MPa、20min→0.02MPa、10min→0.04MPa、10min→0.06MPa、10min)に高めていき、最後は50℃で1時間ベークする。}。
膜厚制御は行っていない(数百μmのオーダである)。
(3)PL量子収率測定
試料は「(2)PLスペクトル測定」で作製したポリメチルメタクリル酸(PMMA)分散膜を用いて行った。積分球システム(OPTEL社製)を用い、FIrpic:PMMA(1:100[重量比])分散膜をリファレンス(FIrpicのΦ=1.00)として用いて測定試料の相対PL量子収率を算出した。前記FIrpicは、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル−2−イル)ピリジル−N,C2′]イリジウム(III)ピコリレート(化5参照)を指す。
測定は各試料について5回行い評価した。
励起光源はXeランプ分光光源150Wを用い、リファレンス・測定試料共に345nmの単色光を励起光として用いた。
UV−Vis吸収スペクトル、PLスペクトル(溶液・PMMA分散膜)、PL量子収率を図1〜12に示す。図中、Φで示されている数値は、前記量子収率であり、FIrpicのPMMAの分散膜中での量子収率を1.00としたときの、各化合物の相対的な量子収率を示している。
発光スペクトルの実線は溶液(10−5[mol/L] CHCl溶液)、破線はPMMA分散膜(1wt%ドープ)を示す。
実施例2
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pic]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン(Bppm)、KHCO、EtOEtOHを入れ6〜12時間還流させる(表4参照)。
その後ピコリン酸(picolinic acid)、KHCOを入れ1時間還流させる(表4参照)。
反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去・乾固する。ついで、生成物をカラム(CHCl:MeOH=95:5)で精製する。
エバポレータで乾固した後、真空乾燥(60℃、12時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 64%、下記表中、picはピコリン酸(picolinic acid)を意味する。
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pic]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図2に示す。
Figure 0004648922
実施例3
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′]〔2−(ピリジン−2−イル)イミダゾール−N1,N′〕イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pyim]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、Bppm、KHCO、酢酸(AcOH)を入れ6〜12時間還流させる。その後エバポレータでEtOEtOHを除去した後、1,2−ジクロロエタン(1,2−dichloroethane)、2−(2−ピリジル)イミダゾール(pyim)を入れ6〜12時間還流させる。
反応終了後、エバポレータで1,2−ジクロロエタン(1,2−dichloroethane)を除去・乾固する。ついで、生成物をカラム(CHCl:MeOH=85:15)で精製する。試料をCHCl溶液にして小過剰のNaOH水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(60℃、12時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 55%
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][2−(ピリジン−2−イル)イミダゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pyim]}のPLスペクトルを図3に示す。
Figure 0004648922
実施例4
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の合成
Figure 0004648922
気流下で下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、Bppm、KHCO、EtOEtOHを入れ、6〜12時間還流させる。その後Bpypzを入れ1時間還流させる。反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去・乾固する。試料をCHCl溶液にして小過剰のNaOH水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固する。ついで、生成物をカラム(CHCl:MeOH=8:2)で精製する。
エバポレータで乾固した後、真空乾燥(60℃、12時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 34%
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図4に示す。
Figure 0004648922
実施例5
(1)1−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール{1−methyl−2−[2−(tert−butyl)pyrimidine−5−yl]imidazole}{PmIm}の合成
Figure 0004648922
(イ)ZnCl:THF溶液の調製
実施例1(イ)と同一
(ロ)ネギシカップリング[Negishi coupling]
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコに脱水THF(Na、PhCO)を蒸留し、得られた蒸留THFにN−メチルイミダゾール(N−methylimidazole)を加え撹拌して均一にする。ついで、系を0℃に冷却しシリンジでtert−BuLiを加え、0℃で1時間保つ。溶液は淡黄色(半透明)になる。これに0℃でZnCl溶液をキャヌラで加え、0℃で30分保つ。つぎに0℃で5−ブロモ−2−t−ブチルピリミジン(5−bromo−2−tert−butylpyrimidine)(BrBuPm)、Pd[PPhの順に加え、その後12時間還流させる。反応終了後エバポレータでTHFを除去する。生成物をCHCl、水で共洗いして試料を分液ロートに移す。EDTA水溶液と振り、NaOH水溶液で中和してpH8〜9に調整する。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥、濾過、エバポレータで濃縮する。カラム(CHCl:acetone=8:2)で精製後、エバポレータで極力濃縮(60mmHg、50℃)し、真空乾燥(室温、2時間)して白色の固体を得る。 収率 66%
Figure 0004648922
(2)ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}(ジピバロイルメタン)イリジウム錯体{[PmIm]Ir[dpm]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール(PmIm)、KHCO、EtOEtOHを入れ6〜12時間還流させる。その後、ジピバロイルメタン(dipivaloylmethane)(dpm)、KHCOを入れ、12時間還流させる。
反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去・乾固する。生成物をカラム(AcOEt)で精製する。精製物をエバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(60℃、10時間)して淡黄色の固体を得る。 収率 20%
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}(ジピバロイルメタン)イリジウム錯体{[PmIm]Ir[dpm]}のPLスペクトルを図5に示す。
Figure 0004648922
実施例6
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}(2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[PmIm]Ir[pic]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、PmIm、KHCO、EtOEtOHを入れ6〜12時間還流させる。その後ピコリン酸(picolinic acid)(pic)、KHCOを入れ1時間還流させる。
反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去・乾固する。
生成物をカラム(CHCl:MeOH=92:8)で精製する。精製物をエバポレータで乾固した後、真空乾燥(60℃、4時間)して淡黄色の固体を得る。 収率 79%
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}(2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[PmIm]Ir[pic]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図6に示す。
Figure 0004648922
実施例7
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}[2−(ピリジン−2−イル)イミダゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[PmIm]Ir[pyim]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、PmIm、KHCO、EtOEtOHを入れ6〜12時間還流させる。その後pyimを入れ2時間還流させる。反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去・乾固する。
生成物をカラム(CHCl:MeOH=8:2)で精製する。精製物をCHCl溶液にして小過剰のNaOH水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(50℃、6時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 76%
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}[2−(ピリジン−2−イル)イミダゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[PmIm]Ir[pyim]}のPLスペクトルを図7に示す。
Figure 0004648922
実施例8
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}[3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン−N1,N′]イリジウム錯体{[PmIm]Ir[Bpypz]の合成}
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、PmIm、KHCO、EtOEtOHを入れ、6〜12時間還流させる。その後3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン(Bpypz)を入れ、2時間還流させる。
反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去・乾固する。
生成物をカラム(CHCl:MeOH=8:2)で精製する。エバポレータで乾固した後、真空乾燥(60℃、12時間)して淡黄色の固体を得る。 収率 53%
ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}[3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン−N1,N′]イリジウム錯体{[PmIm]Ir[Bpypz]の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図8に示す。
Figure 0004648922
実施例9
(1){N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリジン−5−イル)]イミダゾール−N,C2′}イリジウム・クロライド{[PmIm]Ir[μ−Cl]Ir[PmIm]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、PmIm、KHCO、EtOEtOHを入れ6〜12時間還流させる。
(2)fac−トリス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル)]イミダゾール−N,C2′}イリジウム錯体{fac−Ir[PmIm]}の合成
なお、facはfacialの略で、対称型を意味している。
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。
四口フラスコに[PmIm]Ir[μ−Cl]Ir[PmIm]、o−ジクロロベンゼン(o−DCB)、PmImを加え撹拌して分散させる。ここにo−キシレンに超音波で分散させたAgBFを加える。その後140℃に加熱し1時間保つ。反応終了後エバポレータとオイルバス(50mmHg、130℃)でo−ジクロロベンゼンを除去・乾固し、これをカラム(CHCl:MeOH=8:2)で精製する。精製物をCHCl溶液にして小過剰のNaOH水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(60℃、12時間)して淡黄色の固体を得る。これを昇華精製してほぼ白色の固体を得る。収率 4%
fac−トリス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル)]イミダゾール−N,C2′}イリジウム錯体{fac−Ir[PmIm]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図9に示す。
Figure 0004648922
実施例10
(1)1−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール[1−(2−tert−butylpyrimidine−5−yl)pyrazole]{PmPz}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコに5−ブロモ−2−t−ブチルピリミジン(5−bromo−2−tert−butylpyrimidine)(BrBuPm)、ピラゾール(pyrazole)、KCO、CuIを入れ、三方コックを付け、その他の口は平栓で閉じる。三方コックにロータリーポンプとNラインを接続して四口フラスコ内を2回Nパージする。空気が入らないようにNを吹き出しながら還流用のキットを組む。
空気を断ってブドウ酸のトランス−シクロヘキサジアミン(racemic trans−cyclohexanediamine)(CyHxdiamine)を四口フラスコに加え、ついでシリンジで四口フラスコに脱水1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を加え、48時間還流する。反応終了後室温まで冷却した後、酢酸エチルで溶液を2倍程度に希釈し、酢酸エチルで洗浄しながら吸引濾過で沈澱を除去する。ろ液をエバポレータで濃縮した後、カラム(CHCl:AcOEt=8:2)で精製し、真空乾燥(40℃、3時間)して白色の固体を得る。収率 66%
Figure 0004648922
(2)ビス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}[3−(ピリミジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン−N1,N′]イリジウム錯体{[PmPz]Ir[Bpypz]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、PmPz、KHCO、EtOEtOHを加え、10時間還流させ、テトラキス[N−{2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル}ピラゾール−N,C2′]ビス(μ−クロロ)イリジウム{[PmPz]Ir[μ−Cl]Ir[PmPz]}を得、その後3−(2−ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール(Bpypz)を加えて5時間還流させる。反応終了後エバポレータでEtOEtOHを除去し、得られた生成物をカラム(CHCl:MeOH=85:15)で精製する。精製物をCHCl溶液にして過剰のKHCO水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(50℃、4時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 42%
ビス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}[3−(ピリミジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン−N1,N′]イリジウム錯体{[PmPz]Ir[Bpypz]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図10に示す。
Figure 0004648922
実施例11
ビス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリミジン−N1′,N]イリジウム錯体{[PmPz]Ir[Bppm]}の合成
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコに[PmPz]Ir[μ−Cl]Ir[PmPz]、Bppm、KHCO、ブトキシエタノール(BuOEtOH)を加え24時間還流させる。
反応終了後エバポレータとオイルバス(50mmHg、150℃)でBuOEtOHを除去し、生成物をアルミナカラム(展開溶媒:酢酸エチル)で精製する。精製物をCHCl溶液にして過剰のKHCO水溶液と振る。
CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(50℃、4時間)して淡黄色の固体を得る。
収率 13%
ビス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリミジン−N1′,N]イリジウム錯体{[PmPz]Ir[Bppm]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図11に示す。
Figure 0004648922
実施例12
fac(facial)−トリス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}イリジウム錯体{fac−Ir[PmPz]}の合成
(1)経路A(Clブリッジダイマー経由)(Run No.1)
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコに[PmPz]Ir[μ−Cl]Ir[PmPz]0.25mmol、PmPz2mmol、KHCO1.28mmol、ブトキシエタノール(BuOEtOH)10mlを加え撹拌して分散させ、オイルバスで加熱して24時間還流させる。反応終了後エバポレータとオイルバス(50mmHg、150℃)でBuOEtOHを除去し、分取用TLCプレート(CHCl:MeOH=8:2)で精製する。削り取ったシリカをCHCl:MeOH=8:2の溶媒でカラムに充填して溶出させる。溶出物をエバポレータで乾固した後、生成物をCHCl溶液にして小過剰のKHCO水溶液と振る。CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(50℃、4時間)して灰白色の固体を得る。収率 37%
Run No.2、3はRun No.1においてBuOETOHの代りにEtOETOHを用い、下記使用量で同様に反応させたものである。
Figure 0004648922
(2)経路B(直接法)
Figure 0004648922
気流下に下記の反応を行う。四口フラスコにIrCl・3HO、PmPz、KHCO、BuOEtOHを加え撹拌して分散させ、オイルバスで加熱して24時間還流させる。反応終了後エバポレータとオイルバス(50mmHg、150℃)でBuOEtOHを除去し、生成物をカラム(CHCl:MeOH=8:2)で精製する。精製物をエバポレータで乾固した後、これをCHCl溶液にして小過剰のKHCO水溶液と振る。CHCl相を回収し、一方水相からは抽出を2回行い、MgSOで乾燥し、濾過、エバポレータで濃縮・乾固した後、真空乾燥(50℃、4時間)して灰白色の固体を得る。 収率 46%
fac(facial)−トリス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}イリジウム錯体{fac−Ir[PmPz]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収(UV−Vis absorption)とPLスペクトルを図12に示す。
実施例13および14
実施例2の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pic]}と実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の真空TGAの測定を行った。
真空TGAは、真空条件下で熱重量変化の具合を測定する装置で、本明細書中では素子作成時の蒸着温度を決定する際の参考温度として用いることができる。一般的には5%重量減少時の温度をもって蒸着温度とする。
この結果、実施例2の化合物は蒸着温度は254℃(実施例13)、実施例4の化合物の蒸着温度は198℃(実施例14)であることがわかった。
図13および図14に実施例2および実施例4のそれぞれの化合物の測定結果を示す。
実施例15
実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の紫外−可視吸収スペクトル、発光スペクトルおよびイオン化ポテンシャル(AC−3)を測定し、電気化学特性を評価した。その結果を表17に示す。
Figure 0004648922
Ip:イオン化ポテンシャル
Ea:エレクトロンアフィニティー(電子親和力)
Eg:エネルギーギャップ
エネルギーギャップ(Eg)については、蒸着機で作成した薄膜を紫外−可視吸光で薄膜の吸収曲線を測定する。その薄膜の短波長側の立ち上がりのところに接線を引き、求まった交点の波長W(nm)を次の式に代入し目的の値を求める。それによって得た値がEaになる。
Eg=1240÷W
例えば接線を引いて求めた値W(nm)が470nmだったとしたらこの時のEgの値は、
Eg=1240÷470=2.63(eV)
と言うことになる。
Ip(イオン化ポテンシャル)は、イオン化ポテンシャル測定装置(例えば理研計器AC−3)を使用して測定し、測定したサンプルがイオン化を開始したところの電圧(eV)の値を読む。
Ea(電子親和力)は、IpからEgを引いた値である。
実施例4の化合物のクロロホルム溶液(1.0×10−5M)での紫外−可視スペクトル、発光スペクトルの測定結果を図15に、薄膜状(50nm)での紫外−可視スペクトル、発光スペクトルの測定結果を図16にそれぞれ示す。図15および図16における点線は紫外線可視吸収スペクトルであり、実線は発光(フォトルミネッセンス)スペクトルである。また、図15と図16の縦軸は、規格化されたスペクトル強度である。
実施例16
実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}を下記式
Figure 0004648922
で示される4CzPBPに5wt%ドープした単層膜での蛍光量子収率を求めた。
真空蒸着法で石英基板に50nmの厚みで製膜した単層膜を、有機EL量子効率測定装置(浜松フォトニクス製C9920−01)を用い、励起波長325nmにて単層膜の絶対発光量子収率の測定を行った。
測定結果は、
(1)ブランクの石英基板の325nmの吸収ピーク(山)の面積を求める。
(2)石英基板上の単層膜の325nmの吸収ピーク(山)の面積を求める。
(3)石英基板上の単層膜測定結果で新たにできた山(発光ピーク)の面積を求める。
(4)(1)から(2)を引いた面積が(3)できた山(発光ピーク)の面積を作製するために費やされたものである。
(1)から(3)の値より、次の式で求めることができる。
蛍光量子収率(%)=[(3)の面積÷(1)の面積−(2)の面積]×100
この計算式で求めた実施例4の化合物の蛍光量子収率は0.65であった。
測定結果は図17に示す。図17の点線は対照の石英基板の蛍光量子収率であり、実線は前記4CzPBPに5wt%の{[Bppm]Ir[Bpypz]}をドープした単層膜の蛍光量子収率である。石英基板のみの場合は、そのものだけの励起光しかないので、励起光がそのまま通りフルスケールのスペクトルが現れる。しかし、[Bppm]Ir[Bpypz]を含有する4CzPBPの場合は、[Bppm]Ir[Bpypz]からの発光が生じるため325nmの励起エネルギーが減少する。このことが図17から読み取れる。減った励起光は450〜500nm付近の発光に費やされている。
実施例17および18
発光材料として、実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}を用い、ホスト材料の4CzPBPに2wt%ドープした素子と5wt%ドープした素子を作製し、その性能を評価した。
Figure 0004648922
素子の構成
実施例17の素子(◆):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(ホール注入材料)(20nm)/3DTAPBP(ホール輸送材料)(20nm)/4CzPBP(ホスト材料):5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(発光材料)(10nm)/BmPyPB(電子輸送材料)(50nm)/LiF(電子注入材料)(0.5nm)/Al(100nm)]
実施例18の素子(□):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(20nm)/3DTAPBP(20nm)/4CzPBP:2wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(10nm)/BmPyPB(50nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]
これらの素子の
エレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルは図18に
エネルギーダイヤグラムは図19に
電流密度−電圧特性は図20に
輝度−電圧特性は図21に
視感効率−電圧特性は図22に
電流効率−電圧特性は図23に
それぞれ示す。
図20をみると、高電圧領域においても[Bppm]Ir[Bpypz]を5wt%用いた素子の方が、2wt%用いた素子に較べてキャリアバランスが取れており、多くの電流が入っていることがわかる。
図21をみると、5wt%用いた素子の方が、2wt%用いた素子よりも輝度と電圧の関係が良好で、そのぶん、輝度が高電圧側でも高くでている。
図22をみると、5wt%用いた素子の方が、2wt%用いた素子よりも低電圧駆動しているため、そのぶん視感効率も高くなっている。
作製した素子の100cd/mと1000cd/mの視感効率(P.E.)、量子効率(Q.E.)の値を表18に示す。
Figure 0004648922
表18は実施例化合物4の発光材料のドープ濃度を5wt%と2wt%の2種類でテストした結果である。この時の発光についてはELスペクトルで差はあまりないが、100cd/mと1000cd/mの視感効率と量子効率については表18のような差異がある。
実施例19および20
発光材料として、実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}を用い、ホール輸送層、発光層、電子輸送層の膜厚を変化させた素子を作製しその性能を評価した。
素子の構成
実施例17の素子(●):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(ホール注入材料)(20nm)/3DTAPBP(ホール輸送材料)(20nm)/4CzPBP(ホスト材料):5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(発光材料)(10nm)/BmPyPB(電子輸送材料)(50nm)/LiF(電子注入材料)(0.5nm)/Al(100nm)]図中、デバイス(i)と表示
実施例19の素子(黒三角):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(20nm)/3DTAPBP(20nm)/4CzPBP:5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(10nm)/BmPyPB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]図中、デバイス(ii)と表示
実施例20の素子(□):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(20nm)/3DTAPBP(40nm)/4CzPBP:5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(10nm)/BmPyPB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]図中、デバイス(iii)と表示
これらの素子の
概略図を図24に
エレクトロルミネッセンス(EL)スペクトル図は25(点線は実施例17、破線は実施例19、実線は実施例20)に
エネルギーダイヤグラムは図26に
電流密度−電圧特性は図27に
輝度−電圧特性は図28に
視感効率−電圧特性は図29に
電流効率−電圧特性は図30に
それぞれ示す。
作製した素子の100cd/mと1000cd/mの視感効率(P.E.)、量子効率(Q.E.)と色度座標(CIE)の値を表19に示す。なお、色度座標は発光スペクトルの色純度を示しており、例えば、450nmにピークトップをもつ発光材料があるとすると、見かけ上はこのものの発光は青色ということになるが、このものが例えば470nmにセカンドピークをもつとすると、このものは色純度的には純水な青色とは言えず緑がかった青ということになる。
Figure 0004648922
表19は、実施例4の化合物を用いたホール輸送層、発光層、電子輸送層の膜厚を変化させ、その時の特性の変化を調べる結果を示す。この時、素子から出てくる発光に変化があったので、色度座標により、出てきた色の違いを明らかにしたのである。実施例17の素子では青色の光が見られるが、電子輸送層を分厚く蒸着しているための光の干渉が起こり長波長側にも発光が見られ純粋な青にはならなかった。実施例19の素子においては、発光層の膜厚を電子輸送層の膜厚と同じにすることにより、実施例20の素子でホール輸送層を分厚くすることにより、光の干渉効果が抑えられ、長波長側の発光が減少し、そのため色度座標に変化が現れている。
実施例21、22および23
発光材料として、実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}を用い、電子輸送層に下記式
Figure 0004648922
で示される電子輸送材料に変化させた素子を作製しその性能を評価した。
実施例21の素子(●):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(20nm)/3DTAPBP(40nm)/4CzPBP:5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(10nm)/BmPyPB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]
実施例22の素子(黒三角):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(20nm)/3DTAPBP(40nm)/4CzPBP:5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(10nm)/BmPyPMB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]
実施例23の素子(□):[ITO/TPDPES:10wt%TBPAH(20nm)/3DTAPBP(40nm)/4CzPBP:5wt%(Bppm)Ir(Bpypz)(10nm)/BpPyPMB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]
これらの素子の
エレクトロルミネッセンス(EL)スペクトル(図中、点線は実施例21、破線は実施例22、実線は実施例23)は図31に
電流密度−電圧特性は図32に
輝度−電圧特性は図33に
視感効率−電圧特性は図34に
電流効率−電圧特性は図35に
それぞれ示す。
作製した素子の100cd/mと1000cd/mの視感効率(P.E.)、量子効率(Q.E.)と色度座標(CIE)の値を表20に示す。
Figure 0004648922
表20は、電子輸送材料をBmPyPBからBmPyPMB、BpPyPMBに変え、効率の変化を調べている。ここで電子輸送材料を変えることで、さらに光の干渉効果が抑えられており、実施例23では純青に近い発光が得られるようになった。発光色が青色に近づいたことで100cd/mと1000cd/mでの効率は下がっているが、発光色は向上している。
ELの発光スペクトルについて語る場合、発光ピークがどこにあるかは非常に重要であるが、それ以外にも色純度が大きな要因を占めることがあり、色純度について考察も大切である。
ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](ジピバロイルメタン)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[dpm]}のPLスペクトルを示す。図中Φ=0.78という表示は、FIrpicの量子収率を1.00と見積ったときの本化合物の量子収率を示している。 ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pic]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。図中Φ=0.76も図1と同様の相対的量子収率である。図3〜12のΦは以下同様である。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′]〔2−(ピリジン−2−イル)イミダゾール−N1,N′〕イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pyim]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾール−N1−N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}(ジピバロイルメタン)イリジウム錯体{[PmIm]Ir[dpm]}のPLスペクトルを示す。 ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}(2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[PmIm]Ir[pic]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}[2−(ピリジン−2−イル)イミダゾール−N1,N′]イリジウム錯体{[PmIm]Ir[pyim]}のPLスペクトルを示す。 ビス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]イミダゾール−N,C2′}[3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン−N1,N′]イリジウム錯体{[PmIm]Ir[Bpypz]の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) fac−トリス{N−メチル−2−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル)]イミダゾール−N,C2′}イリジウム錯体{fac−Ir[PmIm]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) ビス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}[3−(ピリミジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリダジン−N1,N′]イリジウム錯体{[PmPz]Ir[Bpypz]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) ビス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピリミジン−N1′,N]イリジウム錯体{[PmPz]Ir[Bppm]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) fac(facial)−トリス{N−[2−(t−ブチル)ピリミジン−5−イル]ピラゾール−N,C2′}イリジウム錯体{fac−Ir[PmPz]}の紫外(UV)−可視(Vis)領域吸収とPLスペクトルを示す。 実線:クロロホルム溶液(10−5mol/L) 破線:PMMA分散膜(Ir錯体1.0wt%をポリメチルメタクリレートにドープしたもの) 実施例2のビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′](2−ピコリン酸)イリジウム錯体{[Bppm]Ir[pic]}の真空TGAを示す。 実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾールN1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の真空TGAを示す。 実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾールN1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}のクロロホルム溶液(1.0×10−5M)での紫外−可視スペクトル、発光スペクトルを示す。 実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾールN1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の薄膜状(50nm)での紫外−可視スペクトル、発光スペクトルを示す。 実施例4の化合物ビス[2−(t−ブチル)−5−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−N,C2′][3−(ピリジン−2−イル)−5−(t−ブチル)ピラゾールN1,N′]イリジウム錯体{[Bppm]Ir[Bpypz]}の蛍光量子収率を示す。蛍光量子収率は、PL強度から求めることができる。 実施例17および18のエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルを示す。 実施例17および18のエネルギーダイヤグラムを示す。 実施例17および18の電流密度−電圧特性を示す。 実施例17および18の輝度−電圧特性を示す。 実施例17および18の視感効率−電圧特性を示す。 実施例17および18の電流効率−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の概略図を示す。 実施例17、19および20のエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルを示す。 実施例17、19および20のエネルギーダイヤグラムを示す。 実施例17、19および20の電流密度−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の輝度−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の視感効率−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の電流効率−電圧特性を示す。 実施例21、22および23のエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルを示す。 実施例17、19および20の電流密度−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の輝度−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の視感効率−電圧特性を示す。 実施例17、19および20の電流効率−電圧特性を示す。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の1例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 正孔輸送層
6 電子輸送層
7 正孔注入層
8 電子注入層
9 正孔ブロック層

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004648922
    {式中、Yは、
    Figure 0004648922
    よりなる群から選ばれた複素環基であり、〔A〕は、
    Figure 0004648922
    よりなる群から選ばれた配位子であり、R〜R34は、水素およびC1〜4のアルキル基よりなる群から選ばれた基である。}
    で示されるピリミジニル基含有イリジウム錯体。
  2. 請求項1記載のピリミジニル基含有イリジウム錯体よりなる発光材料。
  3. 請求項1記載のピリミジニル基含有イリジウム錯体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)。
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