JP4645692B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
そして、シャッタ羽根が光路を遮光して、撮像素子の受光部に光が入射しない状態のタイミングに、その受光部に蓄積した信号を読出すようにして、FT方式のCCDイメージセンサで、受光信号の転送途中での余計な露光を防ぐ構成としてある。シャッタ羽根の回転と、撮像素子の駆動タイミングとの連動状態の詳細については、後述する実施の形態で説明する。
特許文献2には、シャッタ羽根を3枚にして、遮光範囲の可変範囲を広くした例についての記載がある。
即ち、例えばシャッタ羽根として、その羽根の180°の角度範囲で遮光を行い、残りの180°の角度範囲で遮光しない構成として、シャッタ羽根を1フレームに1回転させた場合を想定する。このとき、1フレームで撮像素子が受光できる最大の期間は、1フレーム期間の約半分の期間となり、それよりも長い期間露光させることは不可能である。
そして、レンズを通して入射される像光の光路に配置されて、それぞれが撮像素子への入射光を遮光する状態と遮光しない状態とを設定可能な、それぞれが約90°の回転角度範囲遮光する部材で構成された第1及び第2のシャッタ部材と、第1のシャッタ部材を所定の回転軸を中心として回転させるモータと、第1のシャッタ部材に取り付けられ、その第1のシャッタ部材の回転軸と同軸状に第2のシャッタ部材を回転させ、その回転角が指示された角度に設定されるステッピングモータとを用意する。
その第1及び第2のシャッタ部材の制御を行うシャッタ制御部で、撮像制御部で設定された撮像タイミングに基づいて、第1のシャッタ部材で光路を遮光するタイミングと、第2のシャッタ部材で光路を遮光するタイミングを設定する構成とし、ステッピングモータによる回転角度の設定で、第1のシャッタ部材と第2のシャッタ部材との重なり状態を調整できるようにした。
このように構成を簡単にすることが可能になることで、その分、撮像装置の低コスト化、軽量化、高信頼性化が行える。さらに、回転部分の構成を簡単にして軽量化することで、回転駆動に必要な電力を低くでき、撮像装置の低消費電力化を図ることができる。さらに、フレーム周期の急激な可変にも容易に対処でき、映像表現の幅を広げることができる。
1.撮像装置の全体構成例:図1
2.前提となるシャッタ機構の説明:図7〜図10
3.本実施の形態のシャッタ機構の説明:図2〜図4
4.本実施の形態での撮像状態の例:図5,図6
5.実施の形態の変形例の説明
図1は、本実施の形態による撮像装置の構成例を示した図である。本実施の形態の撮像装置は、カメラコントロールユニット10(以下、CCU10と称する)と接続してあり、撮像装置とCCU10との間では、例えばHD−SDI(High Definition-Serial Digital Interface)の規格に基づいて映像信号や制御信号がやりとりされる。
フレーム同期周波数をP_Fとすると、フレーム同期周波数P_FとFPSは、下記に示す関係で使用される。
P_F≧FPS
例えば、240P(240frames/s progressive)で駆動可能な撮像装置であれば、フレーム同期周波数は240Pに設定されるが、この場合、FPSの値は、ユーザによって1〜240Pまでの範囲内の任意の値に設定される。フレーム同期周波数P_Fと映像信号との位相関係は、P_F=FPSである場合のみ一定の位相関係に固定することもできるが、それ以外の場合はロックすることができない。つまり一般に不定と考えてよく、FPSの値は、フレーム同期周波数P_Fに縛られることなく、P_Fを超えない範囲内で自由に設定することができる。
第1のシャッタ羽根31は、第1モータ21により回転駆動される構成としてある。第2のシャッタ羽根32は、第2モータ22により、第1のシャッタ羽根31との成す角度が設定される構成としてある。各シャッタ羽根31,32とその周辺構成の詳細については後述する。
第1モータ21及び第2モータ22の駆動は、シャッタ制御部5により制御される構成としてある。シャッタ位置検出部6で検出したシャッタ羽根31,32の回転角度情報は、シャッタ制御部5に供給する。
次に、図1に示したシャッタ羽根31,32の構成について説明する前に、2つのシャッタ羽根を使ってこの種の撮像装置の撮像を制御する場合の前提構成について、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、この種のシャッタ羽根を2枚で構成させた場合の一般的な構成例である。
即ち、それぞれ半円形状(つまり遮光角度180°)の第1のシャッタ羽根110と第2のシャッタ羽根120とを用意して、それぞれのシャッタ羽根110,120の中心部111,121を回転軸に挿通させて、図示しないモータにより回転駆動させる。2枚の羽根110,120での成す角度は調整可能とする。
図8(a)は、2枚のシャッタ羽根110,120を同じ角度範囲となるように重ねた例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根110,120を回転駆動させることで、開口角度θOP=180°で回転する。開口角度θOP=180°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、半分の期間が開口し、残りの半分の期間が遮光されることになる。この図8(a)に示す状態が、最も開口率が高い状態である。
図9(a)では、2枚のシャッタ羽根110,120を図8(a)に示すように同じ角度範囲となるように重ねて、開口角度θOP=180°として、撮像素子で1フレーム撮像するごとにシャッタ羽根110,120を1回転させた例である。この図9(a)の例では、1フレーム期間(1/60秒)の内の半分の1/120秒が遮光期間であり、残りの半分の1/120秒が撮像素子への露光期間となる。
図10(a)は開口角度θOP=180°とした例である。この図10(a)の例では、1フレーム期間(1/30秒)の内の半分の1/60秒が遮光期間であり、残りの半分の1/60秒が撮像素子への露光期間となる。
このような問題を解決するためには、例えば、特許文献2に記載のように、シャッタ羽根をさらに増やして3枚にして、その3枚のシャッタ羽根の回転周期を制御して、遮光期間を調整するようにすることが考えられる。しかしながら、シャッタ羽根の枚数を増やすと、機構が複雑化して好ましくない。
本実施の形態では、この点を解決したシャッタ羽根を備えた撮像装置を提案するものである。
次に、図1に示した撮像装置に組み込んだ本実施の形態のシャッタ機構の詳細について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、本実施の形態の構成のシャッタ羽根31,32を、光路に配置した状態を示した図である。本例の2枚のシャッタ羽根31,32は、それぞれの遮光角度を90°としてある。
図2に示すように、第1のシャッタ羽根31は、第1モータ21と回転軸23を介して回転中心31aが接続してあり、この第1モータ21により回転駆動される。第1のシャッタ羽根31には、第2モータ22が取付けてある。この第2モータ22には、回転軸24を介して第2のシャッタ羽根32の回転中心32aが接続してある。回転軸23と回転軸24とは、同軸状に配置してある。
第1モータ21については、例えば電圧の印加で回転するモータとしてあり、第1のシャッタ羽根31及びその第1のシャッタ羽根31に取付けられた第2のシャッタ羽根32を回転駆動させる。第2モータ22は、例えばステッピングモータとして、印加された信号に対応した角度だけ回転して、第1のシャッタ羽根31に対する第2のシャッタ羽根32の角度位置を調整する。
第1のシャッタ羽根31は、遮光角度θ1を90°とした1/4の円形状である。第2のシャッタ羽根32についても、遮光角度θ2を90°とした1/4の円形状である。
図4(a)は、2枚のシャッタ羽根31,32を同じ角度範囲となるように重ねた例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根31,32を回転駆動させることで、開口角度θOP=270°で回転する。開口角度θOP=270°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、3/4の期間が開口し、残りの1/4の期間が遮光されることになる。この図4(a)に示す状態が、最も開口率が高い状態である。
次に、この図2〜図4に示した構成のシャッタ羽根31,32が組み込まれた、図1の構成の撮像装置での撮像動作例を、図5及び図6を参照して説明する。
図5及び図6は、シャッタ羽根31,32を1フレームに1回転の周期で回転させた場合の例である。
図5は、フレーム周波数であるFPSを30として、シャッタ羽根31,32の開口角度θOP=270°とした場合の例である。図5(a)に示すように、各フレーム期間の最初の1/120秒間が、シャッタ羽根31,32による遮光期間となり、残りの1/40秒間が、光路を塞がない露光期間となる。
図5(b)〜(e)に示したパルスは、いずれも露光の開始を指示するパルスであり、それ以前に撮像素子2に蓄積された信号は捨てられ、この露光の開始を指示するパルスが供給されたタイミングから、各フレーム期間の末尾までが露光期間となる。各フレーム期間に蓄積した信号は、図5(f)に示す次のフレーム期間の先頭部分のイメージャ読み出し期間内に、各水平ラインごとに順に読み出す処理が行われる。このイメージャ読み出し期間は、図5(a)に示したシャッタ羽根31,32で撮像素子が遮光される期間内に設定してある。
図5(c)は、1フレーム期間の露光率を1/2に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から1/60秒経過したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/60秒となり、1/60秒の電子シャッタが設定された状態である。
図5(d)は、1フレーム期間の露光率を3/4に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から1/40秒経過したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/120秒となり、1/120秒の電子シャッタが設定された状態である。
図5(e)は、1フレーム期間の露光率を0に近い状態に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から約1/30秒経過したタイミングで発生して、非常に短い露光期間を設定する。この場合には、非常に高速の電子シャッタが設定された状態である。
図6(b)〜(d)に示したパルスは、いずれも露光の開始を指示するパルスであり、この露光の開始を指示するパルスが供給されたタイミングから、各フレーム期間の末尾までが露光期間となる。各フレーム期間に蓄積した信号は、図6(e)に示す次のフレーム期間の先頭部分のイメージャ読み出し期間内に、各水平ラインごとに順に読み出す処理が行われる。このイメージャ読み出し期間は、図6(a)に示したシャッタ羽根31,32で撮像素子が遮光される期間内に設定してある。
図6(c)は、1フレーム期間の露光率を1/4に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から1/80秒経過したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/240秒となり、1/240秒の電子シャッタが設定された状態である。
図6(d)は、1フレーム期間の露光率を0に近い状態に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から約1/60秒経過したタイミングで発生して、非常に短い露光期間を設定する。この場合には、非常に高速の電子シャッタが設定された状態である。
本実施の形態の場合には、2枚のシャッタ羽根31,32による簡単な構成で、露光開口角の調整範囲が0°〜270°まで広く可変できる。従来は、0°〜180°以上の露光開口角の調整範囲を得るためには、特許文献2などに記載のように、3つ以上のシャッタ部材が必要であったが、より簡単な構成で露光開口角の調整範囲を広くすることができる効果を有する。このように構成を簡単にすることが可能になることで、その分、撮像装置の低コスト化、軽量化、高信頼性化が行える。さらに、回転部分の構成を簡単にして軽量化することで、回転駆動に必要な電力を低くでき、撮像装置の低消費電力化を図ることができる。さらに、フレーム周期の急激な可変にも容易に対処でき、映像表現の幅を広げることができる。
なお、上述した実施の形態では、2枚のシャッタ羽根として、それぞれが1/4(即ち90°)の円で構成されるようにしたが、その他の類似した角度や形状で構成してもよい。2枚のシャッタ羽根の形状が、図3のように完全に同一形状でなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、第1のシャッタ羽根上に、第2のシャッタ羽根の角度を決めるモータを配置した構成としたが、その他の構成で、2枚のシャッタ羽根の間の成す角度を調整できるようにしてもよい。
さらに、図5や図6に示した駆動例は、それぞれ好適な例を示したものであり、その他のフレームレートや電子シャッタ速度などを設定してもよい。
Claims (2)
- レンズを通して入射される被写体の像光を光電変換して撮像信号を生成する撮像素子と、
前記撮像素子からの前記撮像信号の読み出しを制御し、前記撮像素子で撮像するフレーム周期を可変設定する制御を行う撮像制御部と、
前記レンズを通して入射される像光の光路に配置されて、それぞれが前記撮像素子への入射光を遮光する状態と遮光しない状態とを設定可能な、それぞれが約90°の回転角度範囲遮光する部材で構成された第1及び第2のシャッタ部材と、
前記第1のシャッタ部材を所定の回転軸を中心として回転させるモータと、
前記第1のシャッタ部材に取り付けられ、前記回転軸と同軸状に前記第2のシャッタ部材を回転させ、その回転角が指示された角度に設定されるステッピングモータと、
前記撮像制御部で設定されたフレーム周期と露光期間とに基づいて、前記第1のシャッタ部材で前記光路を遮光するタイミングと、前記第2のシャッタ部材で前記光路を遮光するタイミングを設定するシャッタ制御部とを備え、
前記ステッピングモータによる回転角度の設定で、前記第1のシャッタ部材と前記第2のシャッタ部材との重なり状態を調整できる
撮像装置。 - 前記撮像制御部は、前記第1及び第2のシャッタ部材で遮光されている期間に、前記撮像素子の各画素に受光した信号を読み出す処理を行う
請求項1記載の撮像装置。
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