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JP4645692B2 - 撮像装置 - Google Patents

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JP4645692B2
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Description

本発明は、ビデオカメラとして構成される撮像装置に関し、特に機械的なシャッタと電子シャッタとを組み合わせて撮像を行う撮像装置に関する。
FT(Frame-Transfer Charge Coupled Devices)方式のCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサを撮像素子として採用した撮像装置においては、信号電荷の読み出し中にイメージエリア(受光部)を遮光することが行われている。また、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いた撮像装置では、信号電荷の蓄積の同時性を得る目的で、電荷の読み出し時にイメージエリアを遮光することが行われている。
イメージエリアを遮光する手法としては、ロータリシャッタを用いる手法が知られている。ロータリシャッタは、モータにより回転駆動されるシャッタ羽根を設け、そのシャッタ羽根を、撮像レンズと撮像素子との間の光路に配置するものである。シャッタ羽根の回転角度位置に応じて、光路を遮光する状態と、光路を遮光しない状態とが設定できる構成としてある。
そして、シャッタ羽根が光路を遮光して、撮像素子の受光部に光が入射しない状態のタイミングに、その受光部に蓄積した信号を読出すようにして、FT方式のCCDイメージセンサで、受光信号の転送途中での余計な露光を防ぐ構成としてある。シャッタ羽根の回転と、撮像素子の駆動タイミングとの連動状態の詳細については、後述する実施の形態で説明する。
特許文献1には、固体撮像素子の撮像面への光の入射期間および遮光期間を制御するシャッタ装置についての例の記載がある。
特許文献2には、シャッタ羽根を3枚にして、遮光範囲の可変範囲を広くした例についての記載がある。
特開2006−308841号公報 特開昭54−108631号公報
ところで、1枚のシャッタ羽根を回転させて、撮像素子への遮光と露光を交互に行うようにすると、遮光するタイミングがある程度固定的に定まり、1フレームの画像信号を得るための電荷の蓄積期間であるシャッタ速度の自由度が制限される問題がある。
即ち、例えばシャッタ羽根として、その羽根の180°の角度範囲で遮光を行い、残りの180°の角度範囲で遮光しない構成として、シャッタ羽根を1フレームに1回転させた場合を想定する。このとき、1フレームで撮像素子が受光できる最大の期間は、1フレーム期間の約半分の期間となり、それよりも長い期間露光させることは不可能である。
シャッタ羽根が遮光する角度範囲を180°よりも狭くすることで、1フレーム期間内の露光期間を長くすることは可能である。しかしながら、シャッタ羽根で遮光する角度範囲を狭くすることで、1フレーム期間中で遮光される期間も対応して短くなり、撮像素子で得られた信号を読出すのに不十分な時間となってしまう可能性がある。
特に近年、この種のビデオカメラにおいては、可変速撮影(Variable speed ramping)と称される撮影手法で撮影が行われることが増えている。可変速撮影とは、テレビジョン放送用の映像であれば毎秒30コマ、映画用の映像であれば毎秒24コマ、のように毎秒一定のコマ数で撮るのではなく、滑らかにフレームレート(Frame Per Second;以下FPSと称する)を変化させながら撮影するやり方である。
例えば、歩く人物を可変速撮影で撮影し、再生時には一定のコマ数で再生すると、遠くを歩いているときはゆっくり歩いていた人物が、目の前で急にすばやく通り過ぎたりする等の、メリハリの利いた映像表現が可能になる。FPSの変更は、ユーザがジョグダイヤル等のUI(User Interface)を操作してリアルタイムで行えるようにしてあったり、予めFPSの変化曲線をプログラムしておき、それを実行する手法等も採られている。
このような可変速撮影を行う上では、撮像を行う周期の設定によってはシャッタ羽根が邪魔になることがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、フレーム周期やシャッタ速度,露光時間の自由度を保ちつつ、機械的なシャッタで撮像素子を遮光することが良好にできるようにすることを目的とする。
本発明は、レンズを通して入射される被写体の像光を光電変換して撮像信号を生成する撮像素子と、撮像素子からの撮像信号の読み出しを制御し、撮像素子で撮像するフレーム周期を可変設定する制御を行う撮像制御部とを備えた撮像装置である。
そして、レンズを通して入射される像光の光路に配置されて、それぞれが撮像素子への入射光を遮光する状態と遮光しない状態とを設定可能な、それぞれが約90°の回転角度範囲遮光する部材で構成された第1及び第2のシャッタ部材と、第1のシャッタ部材を所定の回転軸を中心として回転させるモータと、第1のシャッタ部材に取り付けられ、その第1のシャッタ部材の回転軸と同軸状に第2のシャッタ部材を回転させ、その回転角が指示された角度に設定されるステッピングモータとを用意する。
その第1及び第2のシャッタ部材の制御を行うシャッタ制御部で、撮像制御部で設定された撮像タイミングに基づいて、第1のシャッタ部材で光路を遮光するタイミングと、第2のシャッタ部材で光路を遮光するタイミングを設定する構成とし、ステッピングモータによる回転角度の設定で、第1のシャッタ部材と第2のシャッタ部材との重なり状態を調整できるようにした。
このようにしたことで、シャッタ制御部での2つのシャッタ部材で光路を遮光する状態の設定により、シャッタ部材で光路を遮光する期間やタイミングを設定する場合の自由度が向上する。例えば2つのシャッタ部材でなす角度を調整して、遮光する角度を狭めることで、1フレームの撮像期間中にシャッタ部材で遮光されない期間が増え、いわゆるシャッタ速度を遅くすることが可能となる。逆に、2つのシャッタ部材でなす角度を調整して、遮光する角度を広くすることで、1フレームの撮像期間中にシャッタ部材で遮光される期間が増え、高速のシャッタ速度に対応した遮光が行えるようになる。従って、撮像素子で撮像するフレームレートや露光時間が可変設定できる撮像装置に好適である。
本発明によると、2つのシャッタ部材で撮像素子への光路を遮光する状態を調整できる構成としたことで、遮光時間と露光時間との比率の調整が可能となり、そのときのフレームレートやシャッタ速度などに適した状態に自在に設定することが可能となる。特に電子シャッタを併用すると、メカシャッタによる露光の同時性の恩恵を受け持つ2つのシャッタ部材の構成でも、露光開口角の調整範囲が0°〜270°まで広く可変できる。従来は、0°〜180°以上の露光開口角の調整範囲を得るためには、3つ以上のシャッタ部材が必要であったものに比べて、構成を簡単にすることができる。
このように構成を簡単にすることが可能になることで、その分、撮像装置の低コスト化、軽量化、高信頼性化が行える。さらに、回転部分の構成を簡単にして軽量化することで、回転駆動に必要な電力を低くでき、撮像装置の低消費電力化を図ることができる。さらに、フレーム周期の急激な可変にも容易に対処でき、映像表現の幅を広げることができる。
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して以下の順序で説明する。
1.撮像装置の全体構成例:図1
2.前提となるシャッタ機構の説明:図7〜図10
3.本実施の形態のシャッタ機構の説明:図2〜図4
4.本実施の形態での撮像状態の例:図5,図6
5.実施の形態の変形例の説明
[撮像装置の全体構成例]
図1は、本実施の形態による撮像装置の構成例を示した図である。本実施の形態の撮像装置は、カメラコントロールユニット10(以下、CCU10と称する)と接続してあり、撮像装置とCCU10との間では、例えばHD−SDI(High Definition-Serial Digital Interface)の規格に基づいて映像信号や制御信号がやりとりされる。
そして、撮像装置で撮像を行うフレーム周期に対応したフレーム同期周波数は、CCU10から送信される信号によって決められる。そしてこのフレーム同期周波数は、撮像装置だけでなく、撮像装置に接続された記録再生装置や表示装置(いずれも図示略)においても統一的に使用される。
また、撮像素子2で撮像するフレームレート(FPS)の情報も、CCU10から送信される。
フレーム同期周波数をP_Fとすると、フレーム同期周波数P_FとFPSは、下記に示す関係で使用される。
P_F≧FPS
例えば、240P(240frames/s progressive)で駆動可能な撮像装置であれば、フレーム同期周波数は240Pに設定されるが、この場合、FPSの値は、ユーザによって1〜240Pまでの範囲内の任意の値に設定される。フレーム同期周波数P_Fと映像信号との位相関係は、P_F=FPSである場合のみ一定の位相関係に固定することもできるが、それ以外の場合はロックすることができない。つまり一般に不定と考えてよく、FPSの値は、フレーム同期周波数P_Fに縛られることなく、P_Fを超えない範囲内で自由に設定することができる。
図1に示す撮像装置は、レンズ1と、レンズ1を通して入射した被写体の像光を光電変換して映像信号を生成する撮像素子2と、撮像素子2のイメージエリアを所定の間隔で開口と遮光を行うシャッタ羽根31,32とを備える。シャッタ羽根31,32としては、第1のシャッタ羽根31と第2のシャッタ羽根32とを備え、その2つのシャッタ羽根31,32で成す角度を調整できる構成としてある。
第1のシャッタ羽根31は、第1モータ21により回転駆動される構成としてある。第2のシャッタ羽根32は、第2モータ22により、第1のシャッタ羽根31との成す角度が設定される構成としてある。各シャッタ羽根31,32とその周辺構成の詳細については後述する。
各シャッタ羽根31,32の回転角度位置は、シャッタ位置検出部6で検出する構成としてある。シャッタ位置検出部6は、例えば各シャッタ羽根31,32の周辺部に反射膜を所定のパターンで設け、その反射膜に光を照射し、照射した光の戻り光の検出で、回転角度位置を検出する。2枚のシャッタ羽根31,32の内で、第1のシャッタ羽根31の回転角度位置だけを検出して、第2のシャッタ羽根32の回転角度位置は、別のセンサや機構で検出する構成としてもよい。
第1モータ21及び第2モータ22の駆動は、シャッタ制御部5により制御される構成としてある。シャッタ位置検出部6で検出したシャッタ羽根31,32の回転角度情報は、シャッタ制御部5に供給する。
撮像装置はさらに、撮像素子2の動作を制御する撮像素子制御部7と、信号処理部8と、送受信部9と、シリアルI/O(Input/Output)エンコーダ11と、位相比較部12と、電圧制御発振部13と、タイミング制御部14を備える。撮像素子制御部7は、シャッタ制御部5から指示されたフレーム周期及びタイミングで、撮像素子2での撮像を行う。撮像素子2で得られた撮像信号は、信号処理部8に供給する。
信号処理部8は、撮像素子2から読み出された撮像信号に対して、各画素の信号の黒レベルを一定の基準値に固定するためのクランプ処理や、輪郭を強調する輪郭強調処理、表示デバイスのガンマ特性に合わせてガンマ値を調整するガンマ補正等の信号処理を施す。また、信号処理が施された信号は、送受信部9から所定のフォーマットの映像信号として外部に送信される。
信号処理部8は、これらの処理を行うモジュールの他に、撮像素子2から出力された映像信号から同期信号を分離する同期信号分離部81と、1画面分の映像信号を蓄積するフレームメモリ82と、CCU10から伝送されたリターン映像に重畳されている同期信号を分離する同期信号分離部83とを有する。
同期信号分離部81は、入力された映像信号に重畳されているSAV(Start Of Active Video)やEAV(End Of Active Video)等の同期コードを分離して同期信号を生成し、映像信号及び同期信号をフレームメモリ82に供給する。フレームメモリ82は、例えばアシンクロナスFIFO(First In First Out)メモリ等で構成され、同期信号分離部81から供給される同期信号によってフレーム同期をとりながら、映像信号の書き込みを行う。
一方、フレームメモリ82からの映像信号の読み出しは、CCU10から供給されるフレーム同期信号に同期して行われる。映像信号読み出し時の処理の詳細については後述する。
送受信部9は、信号処理部8のフレームメモリ82から出力される映像信号をHD−SDI信号等の周波数多重化信号に変換してCCU10に伝送するとともに、CCU10から伝送された周波数多重化信号をエンコードする処理を行う。エンコードして得た映像信号は同期信号分離部83に出力し、FPS情報等が記載されたシリアルデータはシリアルI/Oエンコーダ11に出力する。シリアルI/Oエンコーダ11は、入力されたシリアルデータをその情報を必要とするモジュールに書き込む。シリアルデータとしてFPS情報が伝送された場合には、FPS情報をシャッタ制御部5に供給する。
同期信号分離部83は、映像信号に重畳されたSAVやEAV等の同期コードを分離して水平同期信号Hとフレーム同期信号Fを抽出し、抽出した水平同期信号Hはタイミング制御部14と位相比較部12に、フレーム同期信号Fはタイミング制御部14に出力する。タイミング制御部14は、同期信号分離部83から供給された水平同期信号Hと同じ周期の自走水平同期信号PHを生成して位相比較部12に出力する。
位相比較部12は、同期信号分離部83から入力された水平同期信号Hと、タイミング制御部14から入力された自走水平同期信号PHとの位相差を検出して、検出した位相差に応じた電圧を生成して電圧制御発振部13に供給する。電圧制御発振部13は、供給された電圧に応じて発振周波数を変化させることにより、同期信号分離部83から入力された水平同期信号Hと自走水平同期信号PHとの位相差がなくなるように調整する。そして、水平同期信号Hに位相がロックした発振周波数を有するシステムクロックCKを、タイミング制御部14やフレームメモリ82、シャッタ制御部5に出力する。
タイミング制御部14には、同期信号分離部83で分離されたフレーム同期信号Fも入力される。つまりタイミング制御部14は、CCU10から伝送された水平同期信号Hに同期しているとともに、フレーム同期信号Fにも同期して動作する。そして、位相を調整した水平同期信号PLHとフレーム同期信号PLFを、フレームメモリ82やシャッタ制御部5に供給する。
[前提となるシャッタ機構の説明]
次に、図1に示したシャッタ羽根31,32の構成について説明する前に、2つのシャッタ羽根を使ってこの種の撮像装置の撮像を制御する場合の前提構成について、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、この種のシャッタ羽根を2枚で構成させた場合の一般的な構成例である。
即ち、それぞれ半円形状(つまり遮光角度180°)の第1のシャッタ羽根110と第2のシャッタ羽根120とを用意して、それぞれのシャッタ羽根110,120の中心部111,121を回転軸に挿通させて、図示しないモータにより回転駆動させる。2枚の羽根110,120での成す角度は調整可能とする。
このように構成したシャッタ羽根110,120で遮光角度と開口角度を可変した例を図8に示す。なお、図8では説明のために2枚のシャッタ羽根110,120を若干ずらして示してあるが、実際には同軸上に配置される。
図8(a)は、2枚のシャッタ羽根110,120を同じ角度範囲となるように重ねた例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根110,120を回転駆動させることで、開口角度θOP=180°で回転する。開口角度θOP=180°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、半分の期間が開口し、残りの半分の期間が遮光されることになる。この図8(a)に示す状態が、最も開口率が高い状態である。
図8(b)は、2枚のシャッタ羽根110,120を90°だけ重ねた例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根110,120を回転駆動させることで、開口角度θOP=90°で回転する。開口角度θOP=90°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、1/4の期間が開口し、残りの3/4の期間が遮光されることになる。
図8(c)は、2枚のシャッタ羽根110,120を完全に開いた状態とした例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根110,120を回転駆動させることで、開口角度θOP=0°で回転する。開口角度θOP=0°であるので、シャッタ羽根で完全に遮光されることになる。
図9は、この図7及び図8に示した2枚のシャッタ羽根110,120を、撮像素子2の手前の光路に配置して撮像する際のタイミングを示した図である。この図9の例は、フレームレート(FPS)を60としてある。
図9(a)では、2枚のシャッタ羽根110,120を図8(a)に示すように同じ角度範囲となるように重ねて、開口角度θOP=180°として、撮像素子で1フレーム撮像するごとにシャッタ羽根110,120を1回転させた例である。この図9(a)の例では、1フレーム期間(1/60秒)の内の半分の1/120秒が遮光期間であり、残りの半分の1/120秒が撮像素子への露光期間となる。
図9(b)では、2枚のシャッタ羽根110,120を図8(b)に示すように設定して、開口角度θOP=90°として、撮像素子で1フレーム撮像するごとにシャッタ羽根110,120を1回転させた例である。この図9(b)の例では、1フレーム期間(1/60秒)の内の3/4の1/80秒が遮光期間であり、残りの1/4が撮像素子への露光期間となる。
図9(c)では、2枚のシャッタ羽根110,120を図8(c)に示すように設定して、開口角度θOP≒0°(ここでは0°に近い状態を示す)として、撮像素子で1フレーム撮像するごとにシャッタ羽根110,120を1回転させた例である。この図9(c)の例では、1フレーム期間の末尾で少しだけ露光させて、残りを遮光させてあり、非常に高速な電子シャッタとした例である。
撮像素子からの撮像信号の読出しについては、図9(d)に示すように、いずれの遮光期間を設定した場合でも、1フレーム期間の前半の1/120秒の間に行って、遮光期間に読出すようにする。
図10は、この図7及び図8に示した2枚のシャッタ羽根110,120を、撮像素子2の手前の光路に配置して撮像する際のタイミングを、フレームレート(FPS)30で示した図である。
図10(a)は開口角度θOP=180°とした例である。この図10(a)の例では、1フレーム期間(1/30秒)の内の半分の1/60秒が遮光期間であり、残りの半分の1/60秒が撮像素子への露光期間となる。
図10(b)は開口角度θOP=90°とした例である。この図10(b)の例では、1フレーム期間(1/30秒)の内の3/4の1/40秒が遮光期間であり、残りの1/4が撮像素子への露光期間となる。
図10(c)は開口角度θOP≒0°とした例である。この図10(c)の例では、1フレーム期間の末尾で少しだけ露光させて、残りを遮光させてあり、非常に高速な電子シャッタとした例である。
撮像素子からの撮像信号の読出しについては、図10(d)に示すように、いずれの遮光期間を設定した場合でも、1フレーム期間の前半の1/120秒の間に行って、遮光期間に読出すようにする。
このように、それぞれが180°の遮光角のシャッタ羽根110,120を用意して、その2枚のシャッタ羽根110,120で成す角度を調整して撮像を行った場合には、最も開口率を高くした図9(a)及び図10(a)の状態でも、開口率が50%である。従って、FPS60のときで、1フレームの露光時間が1/120秒が最も低速のシャッタ速度であり、FPS30のときで、1フレームの露光時間が1/60秒が最も低速のシャッタ速度であり、十分な露光時間であるとは言えない。
このような問題を解決するためには、例えば、特許文献2に記載のように、シャッタ羽根をさらに増やして3枚にして、その3枚のシャッタ羽根の回転周期を制御して、遮光期間を調整するようにすることが考えられる。しかしながら、シャッタ羽根の枚数を増やすと、機構が複雑化して好ましくない。
本実施の形態では、この点を解決したシャッタ羽根を備えた撮像装置を提案するものである。
[本実施の形態のシャッタ機構の説明]
次に、図1に示した撮像装置に組み込んだ本実施の形態のシャッタ機構の詳細について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、本実施の形態の構成のシャッタ羽根31,32を、光路に配置した状態を示した図である。本例の2枚のシャッタ羽根31,32は、それぞれの遮光角度を90°としてある。
図2に示すように、第1のシャッタ羽根31は、第1モータ21と回転軸23を介して回転中心31aが接続してあり、この第1モータ21により回転駆動される。第1のシャッタ羽根31には、第2モータ22が取付けてある。この第2モータ22には、回転軸24を介して第2のシャッタ羽根32の回転中心32aが接続してある。回転軸23と回転軸24とは、同軸状に配置してある。
第1モータ21については、例えば電圧の印加で回転するモータとしてあり、第1のシャッタ羽根31及びその第1のシャッタ羽根31に取付けられた第2のシャッタ羽根32を回転駆動させる。第2モータ22は、例えばステッピングモータとして、印加された信号に対応した角度だけ回転して、第1のシャッタ羽根31に対する第2のシャッタ羽根32の角度位置を調整する。
2枚のシャッタ羽根31,32は、図2に示すように、レンズ鏡筒1の後端部と撮像素子2の受光面との間の光路を、それぞれの羽根31,32が回転で通過することで遮光し、羽根31,32が光路に位置しないとき、開口状態となって撮像素子2が露光される。
図3は、2枚のシャッタ羽根31,32を分解して示した図であり、それぞれのシャッタ羽根31,32の回転中心31a,32aを離して示してある。
第1のシャッタ羽根31は、遮光角度θ1を90°とした1/4の円形状である。第2のシャッタ羽根32についても、遮光角度θ2を90°とした1/4の円形状である。
このように構成した本例のシャッタ羽根31,32で遮光角度と開口角度を可変した例を図4に示す。この遮光角度と開口角度を可変させる処理は、図1に示したシャッタ制御部5が、第2モータ22の駆動を制御することで行われる。なお、図4では説明のために2枚のシャッタ羽根31,32を若干ずらして示してあるが、実際には同軸上に重ねて配置される。
図4(a)は、2枚のシャッタ羽根31,32を同じ角度範囲となるように重ねた例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根31,32を回転駆動させることで、開口角度θOP=270°で回転する。開口角度θOP=270°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、3/4の期間が開口し、残りの1/4の期間が遮光されることになる。この図4(a)に示す状態が、最も開口率が高い状態である。
図4(b)は、2枚のシャッタ羽根31,32の一部を重ねて、開口角度θOP=225°とした例である。開口角度θOP=225°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、5/8の期間が開口し、残りの3/8の期間が遮光されることになる。
図4(c)は、2枚のシャッタ羽根31,32を完全に開いた状態とした例である。この状態で、2枚のシャッタ羽根31,32を回転駆動させることで、開口角度θOP=180°で回転する。開口角度θOP=180°であるので、シャッタ羽根が1回転する間に、1/2の期間が開口し、残りの1/2の期間が遮光されることになる。
[本実施の形態での撮像状態の例]
次に、この図2〜図4に示した構成のシャッタ羽根31,32が組み込まれた、図1の構成の撮像装置での撮像動作例を、図5及び図6を参照して説明する。
図5及び図6は、シャッタ羽根31,32を1フレームに1回転の周期で回転させた場合の例である。
図5は、フレーム周波数であるFPSを30として、シャッタ羽根31,32の開口角度θOP=270°とした場合の例である。図5(a)に示すように、各フレーム期間の最初の1/120秒間が、シャッタ羽根31,32による遮光期間となり、残りの1/40秒間が、光路を塞がない露光期間となる。
図5(b)〜(e)は、このシャッタ羽根31,32の回転で設定可能な、撮像素子での電子シャッタ制御状態の例を示したものである。即ち、図1に示した撮像素子2は、各フレームでの露光を開始するタイミングを撮像素子制御部7から指令することで、受光信号を蓄積する期間を制御可能としてある。このような制御による処理は電子シャッタと呼ばれている。
図5(b)〜(e)に示したパルスは、いずれも露光の開始を指示するパルスであり、それ以前に撮像素子2に蓄積された信号は捨てられ、この露光の開始を指示するパルスが供給されたタイミングから、各フレーム期間の末尾までが露光期間となる。各フレーム期間に蓄積した信号は、図5(f)に示す次のフレーム期間の先頭部分のイメージャ読み出し期間内に、各水平ラインごとに順に読み出す処理が行われる。このイメージャ読み出し期間は、図5(a)に示したシャッタ羽根31,32で撮像素子が遮光される期間内に設定してある。
各電子シャッタのタイミング設定状態について説明すると、図5(b)に示すように、1フレーム期間の撮像素子での露光率を3/4とすると、露光開始パルスは、シャッタ羽根31,32による遮光が終了したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/40秒となり、1/40秒の電子シャッタが設定された状態である。
図5(c)は、1フレーム期間の露光率を1/2に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から1/60秒経過したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/60秒となり、1/60秒の電子シャッタが設定された状態である。
図5(d)は、1フレーム期間の露光率を3/4に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から1/40秒経過したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/120秒となり、1/120秒の電子シャッタが設定された状態である。
図5(e)は、1フレーム期間の露光率を0に近い状態に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から約1/30秒経過したタイミングで発生して、非常に短い露光期間を設定する。この場合には、非常に高速の電子シャッタが設定された状態である。
図6は、フレーム周波数であるFPSを60として、シャッタ羽根31,32の開口角度θOP=180°とした場合の例である。図6(a)に示すように、各フレーム期間の最初の1/120秒間が、シャッタ羽根31,32による遮光期間となり、残りの1/120秒間が、光路を塞がない露光期間となる。
図6(b)〜(d)は、このシャッタ羽根31,32の回転で設定可能な、撮像素子での電子シャッタ制御状態の例を示したものである。
図6(b)〜(d)に示したパルスは、いずれも露光の開始を指示するパルスであり、この露光の開始を指示するパルスが供給されたタイミングから、各フレーム期間の末尾までが露光期間となる。各フレーム期間に蓄積した信号は、図6(e)に示す次のフレーム期間の先頭部分のイメージャ読み出し期間内に、各水平ラインごとに順に読み出す処理が行われる。このイメージャ読み出し期間は、図6(a)に示したシャッタ羽根31,32で撮像素子が遮光される期間内に設定してある。
各電子シャッタのタイミング設定状態について説明すると、図6(b)に示すように、1フレーム期間の撮像素子での露光率を1/2とすると、露光開始パルスは、シャッタ羽根31,32による遮光が終了したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/120秒となり、1/120秒の電子シャッタが設定された状態である。
図6(c)は、1フレーム期間の露光率を1/4に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から1/80秒経過したタイミングで発生する。この場合の1フレームの露光時間は1/240秒となり、1/240秒の電子シャッタが設定された状態である。
図6(d)は、1フレーム期間の露光率を0に近い状態に設定した例である。この場合には、露光開始パルスは、各フレーム期間の開始から約1/60秒経過したタイミングで発生して、非常に短い露光期間を設定する。この場合には、非常に高速の電子シャッタが設定された状態である。
これらの図5及び図6から判るように、本例のシャッタ羽根31,32を用意して、その2枚のシャッタ羽根31,32で成す角度を調整することで、設定可能なフレームレートと電子シャッタ速度の自由度が向上する。即ち、比較的低速のフレームレートとしたときには、例えば図5に示したように2枚のシャッタ羽根31,32を重ねて開口角を広くする(例えば270°にする)ことで、最低のシャッタ速度を比較的低速に設定できるようになる。
一方、比較的高速のフレームレートを設定した場合には、2枚のシャッタ羽根31,32で成す角度を広くすることで、シャッタ羽根による遮光期間中に、撮像素子からの信号の読出しを行う期間を比較的長く確保することができ、高速のフレームレートにも対応可能となる。
このように本実施の形態によるそれぞれが角度90°の2枚のシャッタ羽根31,32を用意して、その2枚のシャッタ羽根31,32で成す角度を調整可能としたことで、電子シャッタ速度の自由度と、フレームレートの可変の双方に対処できる。従って、フレームレート可変機能を備えた撮像装置において、機械的な回転シャッタを設けることが、良好に行えるという効果を有する。図7に示した半円形の2枚のシャッタ羽根では不可能な電子シャッタ速度がそれぞれのフレームレートで可能になったことが、この図7の場合の動作例と比較することで判る。
本実施の形態の場合には、2枚のシャッタ羽根31,32による簡単な構成で、露光開口角の調整範囲が0°〜270°まで広く可変できる。従来は、0°〜180°以上の露光開口角の調整範囲を得るためには、特許文献2などに記載のように、3つ以上のシャッタ部材が必要であったが、より簡単な構成で露光開口角の調整範囲を広くすることができる効果を有する。このように構成を簡単にすることが可能になることで、その分、撮像装置の低コスト化、軽量化、高信頼性化が行える。さらに、回転部分の構成を簡単にして軽量化することで、回転駆動に必要な電力を低くでき、撮像装置の低消費電力化を図ることができる。さらに、フレーム周期の急激な可変にも容易に対処でき、映像表現の幅を広げることができる。
[変形例の説明]
なお、上述した実施の形態では、2枚のシャッタ羽根として、それぞれが1/4(即ち90°)の円で構成されるようにしたが、その他の類似した角度や形状で構成してもよい。2枚のシャッタ羽根の形状が、図3のように完全に同一形状でなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、第1のシャッタ羽根上に、第2のシャッタ羽根の角度を決めるモータを配置した構成としたが、その他の構成で、2枚のシャッタ羽根の間の成す角度を調整できるようにしてもよい。
さらに、図5や図6に示した駆動例は、それぞれ好適な例を示したものであり、その他のフレームレートや電子シャッタ速度などを設定してもよい。
本発明の一実施の形態によるシステムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態によるシャッタ羽根の構成例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態によるシャッタ羽根を分解して示す説明図である。 本発明の一実施の形態による2枚のシャッタ羽根により成す角度の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態による撮像タイミングの例(FPS=30、θ=270°)を示すタイミング図である。 本発明の一実施の形態による撮像タイミングの例(FPS=60、θ=180°)を示すタイミング図である。 本発明の前提構成のシャッタ羽根の例を示す説明図である。 図7のシャッタ羽根により成す角度の例を示す説明図である。 図7の構成例による撮像タイミングの例(FPS=60、θ=180°)を示すタイミング図である。 図7の構成例による撮像タイミングの例(FPS=30、θ=180°)を示すタイミング図である。
符号の説明
1…レンズ、2…撮像素子、3…ロータリシャッタ、4…シャッタ駆動モータ、5…シャッタ制御部、6…シャッタ位置検出部、7…撮像素子制御部、8…信号処理部、9…送受信部、10…カメラコントロールユニット、11…シリアルI/Oエンコーダ、12…位相比較部、13…電圧制御発振部、14…タイミング制御部、21…第1モータ、22…第2モータ、23,24…回転軸、31…第1シャッタ羽根、32…第2シャッタ羽根、81…同期信号分離部、82…フレームメモリ、83…同期信号分離部

Claims (2)

  1. レンズを通して入射される被写体の像光を光電変換して撮像信号を生成する撮像素子と、
    前記撮像素子からの前記撮像信号の読み出しを制御し、前記撮像素子で撮像するフレーム周期を可変設定する制御を行う撮像制御部と、
    前記レンズを通して入射される像光の光路に配置されて、それぞれが前記撮像素子への入射光を遮光する状態と遮光しない状態とを設定可能な、それぞれが約90°の回転角度範囲遮光する部材で構成された第1及び第2のシャッタ部材と、
    前記第1のシャッタ部材を所定の回転軸を中心として回転させるモータと、
    前記第1のシャッタ部材に取り付けられ、前記回転軸と同軸状に前記第2のシャッタ部材を回転させ、その回転角が指示された角度に設定されるステッピングモータと、
    前記撮像制御部で設定されたフレーム周期と露光期間とに基づいて、前記第1のシャッタ部材で前記光路を遮光するタイミングと、前記第2のシャッタ部材で前記光路を遮光するタイミングを設定するシャッタ制御部とを備え、
    前記ステッピングモータによる回転角度の設定で、前記第1のシャッタ部材と前記第2のシャッタ部材との重なり状態を調整できる
    撮像装置。
  2. 前記撮像制御部は、前記第1及び第2のシャッタ部材で遮光されている期間に、前記撮像素子の各画素に受光した信号を読み出す処理を行う
    請求項1記載の撮像装置。
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