JP4517996B2 - 下引き層形成用塗布液、該塗布液の製造方法、該塗布液を塗布してなる下引き層を有する感光体、該感光体を用いる画像形成装置、および該感光体を用いる電子写真カートリッジ - Google Patents
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Description
有機感光体の有する層は、通常その生産性の高さから、各種溶媒中に材料を溶解または分散した塗布液を、塗布、乾燥することにより形成されるが、酸化チタン粒子とバインダー樹脂を含有する下引き層では、酸化チタン粒子とバインダー樹脂は下引き層中において相溶しない状態で存在しているため、下引き層形成用塗布液は、酸化チタン粒子を分散した塗布液により塗布形成される。
本発明は、電子写真感光体の下引き層形成用塗布液、該塗布液の製造方法、該塗布液を塗布形成してなる下引き層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を用いる画像形成装置、および該電子写真感光体を用いた電子写真カートリッジに係るものである。本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体上に下引き層と感光層を有するものである。本発明に係る下引き層は、導電性支持体と感光層の間に設けられ、導電性支持体と感光層との接着性の改善、導電性支持体の汚れや傷のなどの隠蔽、不純物や表面物性の不均質化によるキャリヤ注入の防止、電気特性の不均一性の改良、繰り返し使用による表面電位低下の防止、画質欠陥の原因となる局所的な表面電位変動の防止等の機能を有し、光電特性の発現に必須ではない層である。
<下引き層形成用塗布液>
本発明の下引き層形成用塗布液は、下引き層を形成するために用いられ、体積平均粒子径が0.1μm以下であって、且つ、累積90%粒子径が0.3μm以下である金属酸化物凝集体二次粒子を含有する。
本発明に係る金属酸化物粒子としては、通常電子写真感光体に使用可能な如何なる金属酸化物粒子も使用することができる。金属酸化物粒子として、より具体的には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。これらの中でもバンドギャップが2〜4eVの金属酸化物粒子が好ましい。金属酸化物粒子は、一種類の粒子のみを用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、および酸化亜鉛が好ましく、より好ましくは酸化チタンおよび酸化アルミニウムである、特には酸化チタンが好ましい。
金属酸化物粒子は、その表面に種々の表面処理を行ってもよい。例えば、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、有機珪素化合物等の有機物による処理を施していてもよい。特に、酸化チタン粒子を用いる場合には、有機珪素化合物により表面処理されていることが好ましい。有機珪素化合物としては、ジメチルポリシロキサンまたは、メチル水素ポリシロキサン等のシリコーンオイル及びメチルジメトキシシラン、ジフェニルジジメトキシシラン等オルガノシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等が一般的であるが下記一般式(1)の構造で表されるシラン処理剤が金属酸化物粒子との反応性も良く最も良好な処理剤である。
また、酸化珪素粒子の具体的な商品名としては、「200CF」、「R972」(日本アエロジル社製)、「KEP−30」(日本触媒株式会社製)等が挙げられる。
また、酸化スズ粒子の具体的な商品名としては、「SN−100P」(石原産業株式会社製)等が挙げられる。
本発明に係る電子写真感光体の下引き層形成用塗布液において、バインダー樹脂1重量部に対して、金属酸化物粒子は、0.5重量部〜4重量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明に係る電子写真感光体の下引き層形成用塗布液において使用されるバインダー樹脂としては、電子写真感光体の下引き層形成用塗布液に通常用いられる、有機溶剤に可溶であって、且つ形成後の下引き層が、感光層形成用の塗布液に用いられる有機溶剤に不溶であるか、溶解性の低く、実質上混合しないものであれば、特に限定されるものではない。
これらポリアミド樹脂の中でも、下記一般式(2)で表されるジアミンを構成成分として含む共重合ポリアミド樹脂が特に好ましく用いられる。
本発明の下引き層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、本発明に係る下引き層用のバインダー樹脂を溶解することができる有機溶媒であれば、どのようなものでも使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはノルマルプロピルアルコール等の炭素数5以下のアルコール類;クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド等の含窒素有機溶媒類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類があげられるが、これらの中から任意の組み合わせ及び任意の割合の混合溶媒で用いることができる。また、単独では本発明に係る下引き層用のバインダー樹脂を溶解しない有機溶媒であっても、例えば上記の有機溶媒との混合溶媒とすることで該バインダー樹脂を溶解可能で有れば、使用することができる。一般に、混合溶媒を用いた方が塗布ムラを少なくすることができる。
本発明の下引き層形成用塗布液に用いる有機溶媒と、バインダー樹脂、酸化チタン粒子などの固形分の量比は、下引き層形成用塗布液の塗布方法により異なり、適用する塗布方法において均一な塗膜が形成されるように適宜変更して用いればよい。
本発明の下引き層形成用塗布液は、金属酸化物粒子を含有するものであるが、該金属酸化物粒子は塗布液中に分散されて存在する。塗布液中に金属酸化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミルなどの公知の機械的な粉砕装置で有機溶媒中にて湿式分散することにより製造することができるが、分散メディアを利用して分散することが好ましい。
分散メディアを利用して分散する分散装置としては、公知のどのような分散装置を用いて分散しても構わないが、ペブルミル、ボールミル、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミル、振動ミル、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。これらの中でも塗布液を循環させて分散できるものが好ましく、分散効率、到達粒径の細かさ、連続運転の容易さ等の点から、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミルが用いられる。サンドミルは、縦型、横型いずれのものでもよい。サンドミルのディスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。
このような湿式攪拌ボールミルは、横向きでもよいが、メディアの充填率を多くするために好ましくは縦向きで、排出口がミル上端に設けられる。またセパレータもメディア充填レベルより上方に設けるのが望ましい。排出口をミル上端に設ける場合、供給口はミル底部に設けられる。好ましい態様において、供給口は弁座と、弁座に昇降可能に嵌合し、弁座のエッジと線接触が可能なV形、台形或いはコーン状の弁体とより構成され、弁座のエッジとV形、台形或いはコーン状の弁体との間にメディアが通過し得ないような環状のスリットを形成することにより、原料スラリーは供給されるが、メディアの落ち込みは防止できるようにされる。また弁体を上昇させることによりスリットを広げてメディアを排出させたり、或いは弁体を降下させることによりスリットを閉じてミルを密閉させることが可能である。更にスリットは弁体と弁座のエッジで形成されるため、原料スラリー中の租粒子が噛み込み難く、噛み込んでも上下に抜け出し易く詰まりを生じにくい。
円筒形の縦型のステータと、ステータの底部に設けられる製品スラリーの供給口と、ステータの上端に設けられるスラリーの排出口と、ステータの上端に軸支され、モータ等の駆動手段によって回転駆動されるシャフトと、シャフトに固定され、ステータ内に充填されるメディアと供給口より供給されたスラリーを攪拌混合するピン、ディスク或いはアニューラタイプのロータと、排出口近くに設けられ、スラリーよりメディアを分離するセパレータと、ステータ上端のシャフトを支承する軸承部に設けられるメカニカルシールとからなる縦型の湿式攪拌ボールミルにおいて、メカニカルシールのメイティングリングと接触するOリングが嵌合する環状溝の下側部に下方に向かって拡開するテーパ状の切込みを形成したものである。
が運動エネルギーを殆ど有しない軸心部で、しかもそれらの液面レベルより上方のステータ上端に設けることによりメカニカルシールのメイティングリングとOリング嵌合溝下側部との間にメディアやスラリーが入り込むのを大幅に減らすことができる。
その上、Oリングが嵌合する環状溝の下側部は、切込みにより下方に向かって拡開し、クリアランスが広がっているため、スラリーやメディアが入り込んで噛み込んだり、固化することによる詰まりを生じ難く、メイティングリングのシールリングへの追随が円滑に行われてメカニカルシールの機能維持が行われる。なお、Oリングが嵌合する嵌合溝の下側部は断面V形をなし、全体が薄肉となる訳ではないから、強度が損なわれることはないし、Oリングの保持機能が損なわれることもない。
縦型湿式攪拌ボールミルは、図3に詳細に示されるように、縦向きの円筒形で、かつミル冷却のための冷却水が通されるジャケット16を備えたステータ17と、ステータ17の軸心に位置してステータ上部において回転可能に軸承されると共に、軸承部にメカニカルシールを備え、かつ上側部の軸心を中空な排出路19としたシャフト15と、シャフト下端部に径方向に突設されるピンないしディスク状のロータ21と、シャフト上部に固着され、駆動力を伝達するプーリ24と、シャフト上端の開口端に装着されるロータリージョイント25と、ステータ内の上部近くにおいてシャフト15に固着されるメディア分離のためのセパレータ14と、ステータ底部にシャフト15の軸端に対向して設けられる原料スラリーの供給口26と、ステータ底部の偏心位置に設けられる製品スラリー取出し口29に設置される格子状のスクリーンサポート27上に取着され、メディアを分離するスクリーン28とからなっている。セパレータ14は、シャフト15に一定の間隔を存して固着される一対のディスク31と、両ディスク31を連結するブレード32とよりなってインペラを構成し、シャフト15と共に回転してディスク間に入り込んだメディアとスラリーに遠心力を付与し、その比重差によりメディアを径方向外方に飛ばす一方、スラリーをシャフト15の軸心の排出路19を通って排出させるようにしている。原料スラリーの供給口26は、ステータ底部に形成される弁座に昇降可能に嵌合する逆台形状の弁体35と、ステータ底部より下向きに突出する有底の円筒体36よりなり、原料スラリーの供給により弁体35が押し上げられると、弁座との間に環状のスリットが形成され、これより原料スラリーがミル内に供給されるようになる。
スリットでの詰まりを解消するため、弁体35が短い周期で上限位置まで上昇する上下動を繰返して噛み込みを解消できるようにしてある。この弁体35の振動は、常時行っておいてもよいし、原料スラリー中に粗粒子が多量に含まれる場合に行ってもよく、また詰まりによって原料スラリーの供給圧が上昇したとき、これに連動して行われるようにしてもよい。
次に、原料スラリーの粉砕方法について説明する。ボールミルのステータ17内にメディアを充填し、外部動力により駆動されてロータ21及びセパレータ14が回転駆動される一方、原料スラリーが一定量、供給口26に送られ、これにより弁座のエッジと弁体35との間に形成されるスリットを通してミル内に供給される。
本発明に係る下引き層形成用塗布液を分散するのに適用される湿式攪拌ボールミルは、セパレータがスクリーンやスリット機構であってもよいが、インペラタイプのものが望ましく、縦型であることが好ましい。湿式攪拌ボールミルは縦向きにし、セパレータをミル上部に設けることが望まれるが、特にメディアの充填率を80〜90%に設定すると、粉砕が最も効率的に行われるうえ、セパレータをメディア充填レベルより上方に位置させることが可能となり、メディアがセパレータに乗って排出されるのを防止することができる効果もある。
分散メディアは、通常、下引き層形成用塗布液に対し容積比で0.5〜5倍用いる。分散メディア以外に、分散後に容易に除去することのできる分散助剤を併用して実施することも可能である。分散助剤の例としては、食塩、ぼう硝等が挙げられる。
超音波発振機の出力に特に制限はないが、通常100W〜5kWのものが用いられる。通常、多量の塗布液を大出力の超音波発振機による超音波で処理するよりも、少量の塗布液を抄出力の超音波発振機による超音波で処理する方が分散効率が良いため、一度に処理する下引き層形成用塗布液の量は、1〜50Lが好ましく、より好ましくは5〜30Lであって、特には10〜20Lが好ましい。また、この場合の超音波発振機の出力は、200W〜3kWが好ましく、より好ましくは300W〜2kWであって、特には500W〜1.5kWが好ましい。
このようにして製造された下引き層形成用塗布液は、所望により更に結着剤や種々の助剤などを添加して、下引き層の形成に用いる。
本発明において、酸化チタン粒子を下引き層用塗布液に分散させるには、平均粒子径5μm〜200μmの分散メディアを用いる。
分散メディアは通常、真球に近い形状をしているため、例えばJIS Z 8801:2000等に記載のふるいによりふるい分けする方法や、画像解析により測定することにより平均粒子径を求めることができ、アルキメデス法により密度を測定することができる。具体的には例えば、(株)ニレコ製のLUZEX50等に代表される画像解析装置により、平均粒子径と真球度を測定することが可能である。分散メディアの平均粒子径としては、通常5μm〜200μmのものが用いられ、特に10μm〜100μmであるのが好ましい。一般に小さな粒径の分散メディアの方が、短時間で均一な分散液を与える傾向があるが、過度に粒径が小さくなると分散メディアの質量が小さくなりすぎて効率よい分散ができなくなる。
本発明に係る下引き層は、下引き層形成用塗布液を支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、スパイラル塗布、リング塗布、バーコート塗布、ロールコート塗布、ブレード塗布等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥することにより形成される。
スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送することにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
浸漬塗布法の場合、通常、下引き層形成用塗布液の全固形分濃度は、通常1重量%以上、好ましくは10重量%以上であって、通常50重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とし、粘度を好ましくは0.1cps以上、また、好ましくは100cps以下の範囲とする。
本発明に係る電子写真感光体の有する感光層は、導電性支持体上に下引き層と感光層を有し、下引き層は導電性支持体と感光層の間に設けられる。感光層の構成は、公知の電子写真感光体に適用可能な如何なる構成も採用することが可能であって、具体的には例えば、光導電性材料をバインダー樹脂中に溶解または分散させた単層の感光層を有する、いわゆる単層型感光体;電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層してなる複数の層からなる感光層を有する、いわゆる積層型感光体などがあげられる。一般に光導電性材料は、単層型でも積層型でも、機能としては同等の性能を示すことが知られている。
本発明に係る電子写真感光体の有する感光層は、公知のいずれの形態であっても構わないが、感光体の機械的物性、電気特性、製造安定性など総合的に勘案して、積層型の感光体が好ましく、より好ましくは導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層した順積層型感光体が好ましい。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/L、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/L、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、通常40℃以下、好ましくは35℃以下の範囲で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、通常4.5以上、好ましくは5.5以上、また、通常6.5以下、好ましくは6.0以下の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/Lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは98℃以下の範囲で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは15分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。更に、実質上塩類を含有しない高温水または高温水蒸気により処理しても構わない。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。陽極酸化被膜の平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
下引き層の膜厚は任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。また、下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加してもよい。
本発明に係る下引き層を分散して分散液とする際には、下引き層を結着するバインダー樹脂については実質上溶解せず、下引き層の上に形成されている感光層などを溶解することができる溶媒により下引き層上の層を溶解除去した後、下引き層を結着するバインダー樹脂を溶媒に溶解することによって分散液とすることが可能であって、この際の溶媒としては、400nm〜1000nmの波長領域において大きな光吸収を持たない溶媒を使用すればよい。
本発明に係る下引き層をメタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した溶媒で分散した液の、波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差は、金属酸化物粒子の屈折率が2.0以上の場合には0.3(Abs)以下であり、金属酸化物粒子の屈折率が2.0以下の場合には0.02(Abs)以下である。より好ましくは、金属酸化物粒子の屈折率が2.0以上の場合には0.2(Abs)以下であり、金属酸化物粒子の屈折率が2.0以下の場合には0.01(Abs)以下である。吸光度の値は、測定する液の固形分濃度に依存するため、本発明においては、液中の金属酸化物濃度が、0.003wt%〜0.0075wt%の範囲となるように分散することが好ましい。
本発明に係る電子写真感光体の下引き層は、該下引き層が含有する金属酸化物粒子の屈折率が2.0以上場合には、該下引き層が2μmである場合に換算した、該導電性支持体の波長480nmの光に対する正反射に対する、該下引き層の波長480nmの光に対する正反射の比が、50%以上であり、金属酸化物粒子の屈折率が2.0以下の場合には、該下引き層が2μmである場合に換算した、該導電性支持体の波長400nmの光に対する正反射に対する、該下引き層の波長400nmの光に対する正反射の比が、50%以上である。ここで、該下引き層が、複数種の屈折率2.0以上の金属酸化物粒子を含有する場合でも、複数種の屈折率2.0以下の金属酸化物粒子を含有する場合でも、上記と同様の正反射であるものが好ましい。また、該下引き層が、屈折率2.0以上の金属酸化物粒子、および屈折率2.0以下の金属酸化物粒子を同時に含んでいる場合では、屈折率2.0以上の金属酸化物粒子を含有する場合と同様に、該下引き層が2μmである場合に換算した、該導電性支持体の波長480nmの光に対する正反射に対する、該下引き層の波長480nmの光に対する正反射の比が、50%以上であることが好ましい。
本発明に特定の単色光が下引き層を通過し、導電性支持体上で正反射し、ふたたび下引き層を通過して検出される場合に、光に対して垂直な厚さdLの薄い層を仮定する。
dLを通過後の光の強度の減少量−dIは層を通過する前の光の強度IとdLに比例すると考えられ、式で表現すると次のように書くことができる(kは定数)。
式(1)を変形すると次の様になる。
−dI/I=kdL・・・・・・・・・・・・(2)
式(2)の両辺をそれぞれ、I0からIまで、0からLまでの区間で積分すると次の様な式が得られる。
これは、溶液系に於いてLambertの法則と呼ばれるものと同じであり、本発明に於ける反射率の測定にも適用することができる。
式(3)を変形すると、
I=I0exp(−kL)・・・・・・・・・(4)
となり、入射光が導電性基体表面に到達するまでの挙動が式(4)で表される。
すると、式(4)に従って導電性基体表面に到達した光は、反射率Rを乗じられた上で正反射し、ふたたび光路長Lを通って下引き層表面に出ていく。すなわち、
I=I0exp(−kL)・R・exp(−kL)・・(5)
となり、R=I1/I0を代入し、さらに変形することで、
I/I1=exp(−2kL)・・・・・・・・(6)
という関係式を得ることができる。これが、導電性基体に対する反射率に対する、下引き層に対する反射率の値であり、これを正反射率と定義する。
T(L)=I/I1=exp(−2kL)・・・(7)
一方、知りたい値はT(2)であるため、式(4)にL=2を代入して、
T(2)=I/I1=exp(−4k)・・・(8)
となり、式(4)と式(5)を連立させてkを消去すると、
T(2)=T(L)2/L・・・・・・・・・・(9)
となる。
本発明で電子写真感光体に用いる電荷発生物質としては、従来から本用途に用いることが提案されている任意の物質を用いることができる。このような物質としては例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料、ピリリウム系顔料、チアピリリウム系顔料、インジゴ系顔料、多環キノン系顔料、スクエアリック酸系顔料などが挙げられる。特にフタロシアニン顔料、またはアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質は、感光層形成用塗布液中に分散されるが、該塗布液中に分散される前に、予め前粉砕されていても構わない。前粉砕は、種々の装置を用いて行うことができるが、通常はボールミル、サンドグラインドミルなどを用いて行う。これらの粉砕装置に投入する粉砕媒体としては、粉砕処理に際して、粉砕媒体が粉化することがなく、かつ分散処理後は容易に分離できるものであればどのようなものでも使用することが可能で、ガラス、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、セラミックス等の、ビーズやボールが挙げられる。前粉砕では、体積平均粒子径で500μm以下となるよう粉砕することが好ましく、より好ましくは250μm以下まで粉砕する。体積平均粒子径は、当業者が通常用いるどのような方法で測定しても構わないが、通常沈降法や遠心沈降法で測定される。
電荷輸送物質としては、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリグリシジルカルバゾール、ポリアセナフチレン等の高分子化合物;ピレン,アントラセン等の多環芳香族化合物;インドール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン,N−メチルカルバゾール−3−カルバルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物;5−(4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン)−5H−ジベンゾ(a,d)シクロヘプテン等のスチリル系化合物;p−トリトリルアミン等のトリアリールアミン系化合物;N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン等のベンジジン系化合物;ブタジエン系化合物;ジ−(p−ジトリルアミノフェニル)メタン等のトリフェニルメタン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、もしくはこれらが複数結合されたものが好適に用いられる。これらの電荷輸送物質は単独でも、いくつかを混合して用いてもよい。
本発明の電子写真感光体に係る感光層は、光導電性材料を各種バインダー樹脂で結着した形で形成する。バインダー樹脂としては、電子写真感光体に用いることができる公知の如何なるバインダー樹脂も使用可能であるが、具体的には例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリアクル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステルポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、及びその共重合体等が用いられる。またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。
・積層型感光体
感光体がいわゆる積層型感光体である場合、電荷発生物質を含有する層は、通常電荷発生層であるが、電荷輸送層中に含まれていても構わない。電荷発生物質を含有する層が電荷発生層である場合、電荷発生物質の使用比率は、電荷発生層に含まれるバインダー樹脂に100重量部に対して、通常30〜500重量部の範囲で使用され、より好ましくは50〜300重量部である。使用量が少なすぎると電子写真感光体としての電気特性が十分ではなくなり、少なすぎると塗布液の安定性を損なう。電荷発生物質を含有する層中の電荷発生物質の体積平均粒子径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。電荷発生層の膜厚は、通常0.1μm〜2μm 、好ましくは0.15μm〜0.8μmが好適である。電荷発生層には、成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、シリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤を含有していてもよい。
感光体がいわゆる単層型感光体である場合には、後に記載する電荷輸送層と同様の配合割合のバインダー樹脂と電荷輸送物質を主成分とするマトリックス中に、前記電荷発生物質が分散される。この場合の電荷発生物質の粒子径は十分小さいことが必要であり、体積平均粒子径で好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少なすぎると十分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があるため、例えば好ましくは0.5〜50重量% 、より好ましくは10〜45重量%で使用される。感光層の膜厚は、通常5〜5
0μm 、より好ましくは10〜45μmで使用される。また単層型感光体の感光層も、
成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、シリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤を含有していてもよい。
いわゆる積層型感光体の場合、電荷輸送層は電荷輸送機能を持った樹脂単独で形成されても良いが、前記電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散または溶解された構成がより好ましい。いわゆる単層型感光体の場合、電荷発生物質の分散されるマトリックスとして前記電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散または溶解された構成が用いられる。
電荷輸送物質を含有する層に使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂などが挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。
前記バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、通常バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質が20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部の範囲で、より好ましくは40〜120重量部の範囲で使用される。
最表面層として従来公知の、例えば熱可塑性あるいは熱硬化性ポリマーを主体とする表面保護層やオーバーコート層を設けてもよい。
<層形成法>
感光体の各層は、本発明の下引き層形成用塗布液のように、層に含有させる物質を溶媒に溶解または分散させて得られた塗布液を、例えば浸漬塗布方法、スプレー塗布方法、リング塗布方法等の公知の方法を用いて順次塗布、形成される。この場合、必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
塗布液に用いる有機溶媒としては、前記の湿式機械的分散に用いることのできる溶媒が使用できる。好ましい例としては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、シクロヘキサノン,1−ヘキサノール,1,3−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のエーテルケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の(ハロ)芳香族炭化水素類;酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類があげられる。またこれらの溶媒の中でも特に、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテルケトン類が、好適に用いられる。また、より好適なものとしては、トルエン,キシレン,1−ヘキサノール,1,3−ブタンジオール,4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等があげられる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
<実施例1>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合してなる原料スラリー1kgを、直径約100μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量10kg/時間の液循環状態で1時間分散処理し、酸化チタン分散液を作製した。
ウルトラアペックスミルで分散する際の分散メディアとして、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用いた以外は、実施例1と同様にして下引き層形成用塗布液Bを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。また、この下引き層形成用塗布液Bを、固形分濃度が0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.011重量%)となるように、メタノール/1−プロパノール=7/3(重量比)混合溶媒分散液に希釈し、該希釈液の波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を、紫外可視分光光度計(島津製作所製 UV−1650PC)により測定した。結果を、表3に示す。
ウルトラアペックスミルで分散する際のロータ周速を、12m/秒とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Cを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
ウルトラアペックスミルで分散する際の分散メディアとして、直径約30μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用いた以外は、実施例3と同様にして下引き層形成用塗布液Dを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例2で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を2/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Eを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.01重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を4/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Fを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.012重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において使用した表面処理酸化チタンの代わりに、平均一次粒子径13nmの、酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を用い、含有する固形分の濃度が8.0重量%、該酸化アルミニウム粒子/共重合ポリアミドの重量比を1/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Gを作製し、その固形分の濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.0075重量%)となるよう希釈した以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合し、直径約5mmのアルミナボール(株式会社ニッカトー製 HD)を用いてボールミルで5時間分散して得た分散スラリー液をそのまま用いて、ウルトラアペックスミルを用いて分散しなかった以外は、実施例1と同様にして下引き層形成用塗布液Hを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.011重量%)とした以外は、実施例2と同様にして物性を測定した。結果を表2および表3に示す。
比較例1でボールミル分散に用いたボールを、直径約5mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用いた以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Iを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例1で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を2/1とした以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Jを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.01重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
比較例1で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を4/1とした以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Kを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.012重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
実施例2において使用した分散装置、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)の代わりに、ミル容積約1Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−1型)を用いて、下引き層形成用塗布液の液流量を30kg/時間とした以外は、実施例2と同様にして引き層形成用塗布液Lを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例2において使用した分散装置、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)の代わりに、ミル容積約1Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−1型)を用いて、分散メディアとして直径約30μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用い、ロータ周速を12m/秒とし、下引き層形成用塗布液の液流量を30kg/時間とした以外は、実施例2と同様にして引き層形成用塗布液Mを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例1において使用した表面処理酸化チタンの代わりに、平均一次粒子径13nmの、日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C(酸化アルミニウム粒子)を用いて、含有する固形分の濃度が8.0重量%、該酸化アルミニウム粒子/共重合ポリアミドの重量比を1/1として、ボールミルで分散する代わりに出力600Wの超音波発振器により6時間分散した以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Nを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.0075重量%)とした以外は、、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
実施例2、5〜7、および比較例1、3〜5で作製した下引き層形成用塗布液を用いて導電性支持体上に形成した下引き層の、正反射の比を以下のようにして評価した。結果を表4に示す。
表4に示す外径30mm、長さ250mm、肉厚0.8mmのアルミニウム管(引抜鏡面管、および切削管)上に、乾燥後の膜厚が2μmになるように、表4に示す下引き層形
成用塗布液を塗布、乾燥して下引き層を形成した。
この下引き層の400nmの光、または480nmの光における反射率をマルチ分光光度計(大塚電子製 MCPD−3000)で測定した。光源にはハロゲンランプを用い、光源および検出器に装備された光ファイバーケーブルの先端を、下引き層表面から垂直方向に2mm離して設置し、下引き層表面に対して垂直方向の光を入射し、同軸逆方向に反射する光を検出した。下引き層を塗布していないアルミニウム切削管表面で当該反射光の測定を行ない、この値を100%として、下引き層表面での反射光を測定し、その割合を正反射率(%)とした。
下引き層形成用塗布液Aを、外径24mm、長さ236.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム切削管上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。下引き層の表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、凝集物は殆ど観察されなかった。
電荷発生物質として、図2に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン20重量部と、1,2−ジメトキシエタン280重量部を混合し、サンドグラインドミルで2時間分散処理を行い、分散液を作製した。続いてこの分散液と、10重量部のポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)、253重量部の1,2−ジメトキシエタン、85重量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2を混合し、更に234重量部の1,2−ジメトキシエタンを混合し、超音波分散機処理した後に、孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック社製 マイテックス LC)でろ過し、電荷発生層用塗布液を作製した。この電荷発生層用塗布液を、前記下引き層上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように、浸漬塗布により塗布、乾燥して電荷発生層を形成した。
塗布し、室温において25分間風乾した。さらに125℃において20分間乾燥して電荷輸送層を設けて電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体を感光体P1とする。
この感光体P1の絶縁破壊強度を、下記のようにして測定した。すなわち、温度25℃、相対湿度50%環境下に該感光体を固定し、体積抵抗率が約2MΩ・cmでドラム長より両端が約2cmずつ短い帯電ローラを押し当て、直流電圧−3kVを印加し、絶縁破壊するまでの時間を測定した。その結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例10と同様にして感光体P2を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして感光体P2を評価した結果を表5に示す。
酸化チタンと共重合ポリアミドの重量比を、酸化チタン/共重合ポリアミド=2/1とした以外は、実施例1と同様にして下引き層形成用塗布液A2を作製した。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液A2を用いた以外は、実施例10と同様にして感光体P3を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして感光体P3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例2に記載の下引き層形成用塗布液Bを用いた以外は、実施例10と同様にして感光体Q1を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。この下引き層の表面形状を、株式会社菱化システムのMicromapによりWaveモードで、測定波長552nm、対物レンズ倍率40倍、測定面190μm×148μm、背景の形状補正(Term)円柱で測定したところ、面内2乗平均平方根粗さ(RMS)の値が、43.2nmであり、面内算術平均粗さ(Ra)の値が、30.7nmであり、面内最大粗さ(P−V)の値が、744nmであった。実施例10と同様にして感光体Q1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例13と同様にして感光体Q2を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして、感光体Q2を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液Eを用いた以外は、実施例13と同様にして感光体Q3を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして感光体Q3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例3に記載の下引き層形成用塗布液Cを用いた以外は、実施例10と同様にして感光体R1を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして感光体R1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例16と同様にして感光体R2を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして、感光体R2を評価した結果を表5に示す。
酸化チタンと共重合ポリアミドの重量比を、酸化チタン/共重合ポリアミド=2/1とした以外は、実施例3と同様にして下引き層形成用塗布液C2を作製した。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液C2を用いた以外は、実施例16と同様にして感光体R3を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして感光体R3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例4に記載の下引き層形成用塗布液Dを用いた以外は、実施例10と同様にして感光体S1を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。また、実施例10と同様にして下引き層の表面形状を測定したところ、面内2乗平均平方根粗さ(RMS)の値が、25.5nmであり、面内算術平均粗さ(Ra)の値が、17.7nmであり、面内最大粗さ(P−V)の値が、510nmであった。実施例10と同様にして感光体S1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例19と同様にして感光体S2を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして、感光体S2を評価した結果を表5に示す。
酸化チタンと共重合ポリアミドの重量比を、酸化チタン/共重合ポリアミド=2/1とした以外は、実施例4と同様にして下引き層形成用塗布液D2を作製した。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液D2を用いた以外は、実施例19と同様にして感光体S3を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。実施例10と同様にして感光体S3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例1に記載の下引き層形成用塗布液Hを用いた以外は、実施例10と同様にして感光体T1を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、多数の酸化チタン凝集物が見られた。また、この際の下引き層の表面形状を実施例13と同様にして測定したところ、面内2乗平均平方根粗さ(RMS)の値が、148.4nmであり、面内算術平均粗さ(Ra)の値が、95.3nmであり、面内最大粗さ(P−V)の値が、2565nmであった。実施例10と同様にして感光体T1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、比較例6と同様にして感光体T2を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、多数の酸化チタン凝集物が見られた。実施例10と同様にして感光体T2を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液Jを用いた以外は、比較例6と同様にして感光体T3を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ多数の酸化チタン凝集物が見られた。実施例10と同様にして感
光体T3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例2に記載の下引き層形成用塗布液Iを用いた以外は、実施例10と同様にして感光体U1を作製した。この際の下引き層を、実施例10と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、多数の酸化チタン凝集物が見られた。感光体U1は、下引き層の成分および厚さのむらが激しく、電気特性を評価することはできなかった。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例2に記載の下引き層形成用塗布液Bを用い、外径30mm、長さ285mm、肉厚0.8mmのアルミニウム切削管上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が2.4μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。下引き層の表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、凝集物は殆ど観察されなかった。
この下引き層94.2cm2を、メタノール70cm3、1−プロパノール30cm3の混合用液に浸漬し、出力600Wの超音波発信器により5分間超音波処理して下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸化物凝集体二次粒子の粒度分布を実施例1と同様の方法で測定したところ、体積平均粒子径は0.078μmであって、累積90%粒子径が0.108μmであった。
次にこの電荷発生層の上に、電荷輸送物質として以下に示す構造を主体とする、特開2002−080432公報記載の組成物(A)を60部、
この電子写真感光体の感光層94.2cm2を、テトラヒドロフラン100cm3に浸漬し、出力600Wの超音波発信器により5分間超音波処理して溶解除去した後、同部分をメタノール70cm3、1−プロパノール30cm3の混合用液に浸漬し、出力600Wの超音波発信器により5分間超音波処理して下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸化物凝集体二次粒子の粒度分布を実施例1と同様の方法で測定したところ、体積平均粒子径は0.079μmであって、累積90%粒子径が0.124μmであった。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例3に記載の下引き層形成用塗布液Cを用いた以外は、実施例22と同様にしてフルカラー画像を形成したところ、良好な画像を得ることができた。得られた画像1.6cm四方中に観察される微小色点の数を表6に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例4に記載の下引き層形成用塗布液Dを用いた以外は、実施例22と同様にしてフルカラー画像を形成したところ、良好な画像を得ることができた。得られた画像1.6cm四方中に観察される微小色点の数を表6に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例1に記載の下引き層形成用塗布液Hを用いた以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製した。
該電子写真感光層の下引き層94.2cm2を、メタノール70cm3、1−プロパノール30cm3の混合用液に浸漬し、出力600Wの超音波発信器により5分間超音波処理して下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸化物凝集体二次粒子の粒度分布を実施例1と同様の方法で測定したところ、体積平均粒子径は0.113μmであって、累積90%粒子径が0.196μmであった。
同部分をメタノール70cm3、1−プロパノール30cm3の混合用液に浸漬し、出力600Wの超音波発信器により5分間超音波処理して下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸化物凝集体二次粒子の粒度分布を実施例1と同様の方法で測定したところ、体積平均粒子径は0.123μmであって、累積90%粒子径が0.193μmであった。
<実施例25>
実施例13で作製した感光体Q1を25℃50%環境下に該感光体を固定し、体積抵抗率が約2MΩ・cmでドラム長より両端が約2cmずつ短い帯電ローラを押し当て、直流電圧−1kVを1分間印加した後、直流電圧−1.5kVを1分間印加し、同様にして1分間印加する毎に−0.5kVずつ電圧を下げることを繰り返した場合、直流電圧−4.5kVを印加したところで、絶縁破壊が起こった。
実施例13で用いた下引き層形成用塗布液Bの代わりに、下引き層形成用塗布液Dを用いた以外は、実施例13と同様にして作製した感光体に、実施例25と同様の方法で直流電圧を印加したところ、直流電圧−4.5kVを印加したところで、絶縁破壊が起こった。
実施例13で作製した感光体Q1の代わりに、比較例6で作製した感光体T1を用いた以外は、実施例25と同様にして感光体に直流電圧を印加したところ、直流電圧−3.5kVを印加したところで、絶縁破壊が起こった。
実施例13で作製した感光体Q1を、Samsung社製のプリンターML1430に搭載して、印字濃度5%で絶縁破壊による画像欠陥が観察されるまで画像形成を繰り返したところ、50000枚の画像を形成してもなお、画像欠陥は観察されなかった。
比較例6で作製した感光体T1を、Samsung社製のプリンターML1430に搭載して、印字濃度5%で絶縁破壊による画像欠陥が観察されるまで画像形成を繰り返したところ、35000枚の画像を形成した時点で、画像欠陥が観察された。
下引き層形成用塗布液Bを、外径24mm、長さ236.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム切削管上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。
塗布し、室温において25分間風乾し、さらに125℃において20分間乾燥して電荷輸送層を設けて電子写真感光体を作製した。
以上で得られた電子写真感光体を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、以下の手順に従って、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例1に記載の下引き層形成用塗布液Hを用いた以外は、実施例28と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例28と同様にして電気特性を評価したところ、初期帯電電位は−696V、感度E1/2は3.304μJ/cm2であった。
実施例28と比較例13の結果から、本発明の電子写真感光体は特に、露光波長が350nm〜600nmの単色光で露光した場合に、感度に優れることが分かる。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
14 セパレータ
15 シャフト
16 ジャケット
17 ステータ
19 排出路
21 ロータ
24 プーリ
25 ロータリージョイント
26 原料スラリーの供給口
27 スクリーンサポート
28 スクリーン
29 製品スラリー取出し口
31 ディスク
32 ブレード
35 弁体
Claims (9)
- 金属酸化物粒子およびポリアミド樹脂を含有する電子写真感光体の下引き層形成用塗布液において、該塗布液中の金属酸化物凝集体二次粒子の体積平均粒子径が0.1μm以下であって、且つ、累積90%粒子径が0.3μm以下であることを特徴とする、電子写真感光体の下引き層形成用塗布液。
- 前記金属酸化物粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の下引き層形成用塗布液。
- 導電性支持体上に、ポリアミド樹脂と金属酸化物粒子を含有する下引き層、および該層上に形成される感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層をメタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した溶媒に分散した液中の金属酸化物凝集体二次粒子の体積平均粒子径が0.1μm以下であって、且つ、累積90%粒子径が0.3μm以下であることを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置において、該感光体が前記請求項3又は4に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記帯電手段が、前記電子写真感光体に接触配置することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記像露光手段に用いられる光の波長が、350nm〜600nmであることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする
電子写真カートリッジにおいて、該感光体が前記請求項3又は4に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真カートリッジ。 - 前記帯電手段が、前記電子写真感光体に接触配置することを特徴とする、請求項8に記載の電子写真カートリッジ。
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