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JP4513387B2 - ハイブリッド車の発電電力制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車の発電電力制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンにより駆動されるジェネレータでの発電エネルギーにより充電されるバッテリの充電電力を用いて駆動するモータジェネレータを駆動源とするシリーズハイブリッド車やパラレルにシリーズを組み合わせたハイブリッド車の発電電力制御装置に関する。
従来、共線図上に4つの入出力要素が配列される4要素2自由度の遊星歯車機構を構成し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結したハイブリッド駆動装置が知られてい(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−32808号公報
しかしながら、上記従来のハイブリッド駆動装置において、エンジンにより第1モータジェネレータを発電し、該第1モータジェネレータによる発電電力によりバッテリを充電し、該バッテリの充電電力により第2モータジェネレータを駆動するシリーズ走行モードにより登坂発進する場合、車両停止状態から車両が後退すると、第2モータジェネレータが逆方向に回転する。この登坂路発進時に車両が後退するロールバックにより、第1モータジェネレータの発電出力と第2モータジェネレータの発電出力が合わさり、バッテリ瞬時受け入れ電力を大きくする必要があるため、バッテリ自体を大型化しなくてはならず、スペース効率が悪化するし、コストアップになってしまう、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況となった場合、バッテリ瞬時受け入れ電力に制限を加えることで、バッテリの小型化およびコストダウンを図ることができるハイブリッド車の発電電力制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンにより発電するジェネレータと、該ジェネレータによる発電電力を受け入れて充電するバッテリと、該バッテリの充電電力を用いて駆動するモータジェネレータと、該モータジェネレータが連結された出力部材と、を備えたハイブリッド車において、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況を検出するロールバック検出手段と、前記ロールバック検出手段によるロールバック検出時、前記ジェネレータによる発電電力に制限を加える発電電力制御手段と、を設けた。

よって、本発明のハイブリッド車の発電電力制御装置にあっては、発電電力制御手段において、ロールバック検出手段によるロールバック検出時、ジェネレータによる発電電力に制限が加えられる。すなわち、登坂路発進時に車両が後退するロールバックにより駆動輪によりモータジェネレータが回され、モータ機能による放電状態ではなくジェネレータ機能による発電状態となった場合、モータジェネレータの発電出力がジェネレータの発電出力と合わされる。これに対し、ロールバック検出時、エンジンにより駆動されるジェネレータによる発電電力に制限を加えることで、バッテリ瞬時受け入れ電力にも制限が加えられることになる。この結果、登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況となった場合、バッテリ瞬時受け入れ電力に制限を加えることで、バッテリの小型化およびコストダウンを図ることができる。
以下、本発明のハイブリッド車の発電電力制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系の構成を説明する。
図1は実施例1の発電電力制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1のハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(ジェネレータ)と、第2モータジェネレータMG2(モータジェネレータ)と、出力軸OUT(出力部材)と、これらの入出力要素E,MG1,MG2,OUTが連結される差動装置(第1遊星歯車PG1、第2遊星歯車PG2、第3遊星歯車PG3)と、選択された走行モードに応じて後述する油圧制御装置5からの制御油圧により締結・解放が制御される摩擦締結要素(ローブレーキLB、ハイクラッチHC、ハイローブレーキHLB)と、エンジンクラッチEC(第1クラッチ)と、モータジェネレータクラッチMGC(第2クラッチ)と、シリーズクラッチSC(第3クラッチ)と、を備えている。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度などが制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、永久磁石を埋設したロータと、ステータコイルが巻き付けられたステータと、を有する同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流をそれぞれのステータコイルに印加することにより独立に制御される。
前記差動装置としての第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3は、何れも2自由度3要素のシングルピニオン型遊星歯車である。前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤS1と、第1ピニオンP1を支持する第1ピニオンキャリアPC1と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、によって構成されている。前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2を支持する第2ピニオンキャリアPC2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、によって構成されている。前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤS3と、第3ピニオンP3を支持する第3ピニオンキャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う第3リングギヤR3と、によって構成されている。
前記第1サンギヤS1と前記第2サンギヤS2とは第1回転メンバM1により直結され、前記第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とは第2回転メンバM2により直結され、前記第2ピニオンキャリアPC2と前記第3リングギヤR3とは第3回転メンバM3により直結される。したがって、3組の遊星歯車PG1,PG2,PG3は、第1回転メンバM1と第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギヤR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有する。
前記差動装置の6つの回転要素に対する動力源E,MG1,MG2と出力軸OUTと各係合要素LB,HC,HLB,EC,SC,MGCの連結関係について説明する。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。
前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。
前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECと第1オイルポンプOP1を介してエンジンEが連結されている。
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第2リングギヤR2には、モータジェネレータクラッチMGCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第3ピニオンキャリアPC3には、出力軸OUTが連結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
なお、前記第1モータジェネレータMG1とは、シリーズクラッチSCを介して連結されている。
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(R2)、エンジンE(PC2,R3)、出力軸OUT(PC3)、第2モータジェネレータMG2(S1,S2)の順に配列され、遊星歯車列の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデル(第1遊星歯車PG1のレバー(1)、第2遊星歯車PG2のレバー(2)、第3遊星歯車PG3のレバー(3))を導入することができる。ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギヤ、キャリア、サンギヤ等の各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤとリングギヤの歯数比に基づく共線図レバー比(α、β、δ)になるように配置したものである。
前記ローブレーキLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図6の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸より外側位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、締結によりロー側変速比を分担する「ローギヤ固定モード」と「ロー側無段変速モード」を実現する。
前記ハイクラッチHCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸と一致する位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、締結によりハイ側変速比を分担する「2速固定モード」と「ハイ側無段変速モード」と「ハイギヤ固定モード」を実現する。
前記ハイローブレーキHLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図6の共線図上において、第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、ローブレーキLBと共に締結することにより変速比をアンダードライブ側の「ローギヤ固定モード」とし、ハイクラッチHCと共に締結することにより変速比をオーバードライブ側の「ハイギヤ固定モード」とする。
前記エンジンクラッチECは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、エンジンEとの回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりエンジンEの回転とトルクを、エンジン入力回転要素である第3回転メンバM3(PC2,R3)に入力する。
前記シリーズクラッチSCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とを連結する位置に配置され、締結によりエンジンEと第1モータジェネレータMG1とを連結する。
前記モータジェネレータクラッチMGCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、第1モータジェネレータMG1と第2リングギヤR2を連結する位置に配置され、第1モータジェネレータMG1と第2リングギヤR2との締結解除を行う。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、を有して構成されている。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10、11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との各ステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により独立した3相交流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
前記油圧制御装置5は、両オイルポンプOP1,OP2の少なくとも一方からの油圧供給を受け、統合コントローラ6からの油圧指令に基づいて、ローブレーキLBと、ハイクラッチHCと、ハイローブレーキHLBと、エンジンクラッチECと、シリーズクラッチSCと、モータジェネレータクラッチMGCの締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第3リングギヤ回転数センサ12からのエンジン入力回転速度ωin等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
次に、ハイブリッド車の走行モードについて説明する。
走行モードとしては、ローギヤ固定モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイギヤ固定モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
前記5つの走行モードについては、エンジンEを用いないで両モータージェネレータMG1,MG2のみで走行する電気自動車モード(以下、「EVモード」という。)と、エンジンEと両モータージェネレータMG1,MG2を用いて走行するハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)とに分けられる。
よって、図2(EVモード関連の5つの走行モード)及び図3(HEVモード関連の5つの走行モード)に示すように、「EVモード」と「HEVモード」とを合わせると「10の走行モード」が実現されることになる。
ここで、図2(a)は「EV-Lowモード」の共線図、図2(b)は「EV-Low-iVTモード」の共線図、図2(c)は「EV-2ndモード」の共線図、図2(d)は「EV-High-iVTモード」の共線図、図2(e)は「EV-Highモード」の共線図である。また、図3(a)は「HEV-Lowモード」の共線図、図3(b)は「HEV-Low-iVTモード」の共線図、図3(c)は「HEV-2ndモード」の共線図、図3(d)は「HEV-High-iVTモード」の共線図、図3(e)は「HEV-Highモード」の共線図である。
前記「Lowモード」は、図2(a)及び図3(a)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを締結し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるローギヤ固定モードである。
前記「Low-iVTモード」は、図2(b)及び図3(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるロー側無段変速モードである。
前記「2ndモード」は、図2(c)及び図3(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られる2速固定モードである。
前記「High-iVTモード」は、図2(d)及び図3(d)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるハイ側無段変速モードである。
前記「Highモード」は、図2(e)及び図3(e)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるハイギヤ固定モードである。
そして、前記「10の走行モード」のモード遷移制御は、統合コントローラ6により行われる。すなわち、統合コントローラ6には、要求駆動力Fdrv(アクセル開度APにより求められる。)と車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、例えば、図4に示すような前記「10の走行モード」を割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両走行時等においては、要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cの各検出値により走行モードマップが検索され、要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じた最適な走行モードが選択される。なお、図4は三次元走行モードマップをバッテリS.O.Cが充分な容量域のある値で切り取ることにより、要求駆動力Fdrvと車速VSPとの二次元によりあらわした走行モードマップの一例である。
さらに、シリーズクラッチSCとモータジェネレータクラッチMGCを採用したことに伴い、上記「10の走行モード」に加え、図5に示すように、発進時等で選択されるシリーズローギヤ固定モード(以下、「S-Lowモード」という。)が追加される。この「S-Lowモード」は、ローブレーキLBとハイローブレーキHLBを締結し、エンジンクラッチECとハイクラッチHCとモータジェネレータクラッチMGCを解放し、シリーズクラッチSCを締結することで得られる。
つまり、上記「10の走行モード」はパラレル型ハイブリッド車としての走行モードであるが、シリーズローギヤ固定モードである「S-Lowモード」については、図8に示すように、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とを共線図から切り離し、エンジンEにより第1モータジェネレータMG1を駆動して発電し、該第1モータジェネレータMG1による発電電力を受け入れて充電するバッテリ4と、該バッテリ4の充電電力を用いて第2モータジェネレータMG2を駆動するというシリーズ型ハイブリッド車としての走行モードということができる。つまり、実施例1は、パラレルにシリーズを組み合わせたハイブリッド車ということができる。
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「HEVモード」との間においてモード遷移を行う場合には、図5に示すように、エンジンEの始動・停止と、エンジンクラッチECを締結・解放する制御が実行される。また、「EVモード」の5つのモード間でのモード遷移や「HEVモード」の5つのモード間でのモード遷移を行う場合には、図5に示すON/OFF作動表にしたがって行われる。
これらのモード遷移制御のうち、例えば、エンジンEの始動・停止とクラッチやブレーキの締結・解放が同時に必要な場合や、複数のクラッチやブレーキの締結・解放が必要な場合や、エンジンEの始動・停止またはクラッチやブレーキの締結・解放に先行してモータジェネレータ回転数制御が必要な場合等においては、予め決められた手順にしたがったシーケンス制御により行われる。
次に、作用を説明する。
[発電電力制御処理]
図7は統合コントローラ6にて実行される発電電力制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(発電電力制御手段)。
ステップS1では、ローブレーキLBとハイローブレーキHLBが締結、エンジンクラッチECとハイクラッチHCとモータジェネレータクラッチMGCが解放、シリーズクラッチSCが締結、という係合要素の締結解放関係のチェックにより「S-Lowモード」の選択時か否かを判定し、YESの場合はステップS2へ移行し、NOの場合はリターンへ移行する。
ステップS2では、ステップS1にて「S-Lowモード」の選択時であるとの判定に基づき、登坂発進か否かを判断し、YESの場合はステップS3へ移行し、NOの場合はリターンへ移行する(ロールバック検出手段)。
ここで、登坂発進か否かの判断は、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退する場合の判断と、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退するような状況の判断と、を含むものである。
車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退する場合の判断としては、例えば、第2モータジェネレータMG2の回転数を監視し、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロ回転数からマイナス回転数に移行することで、ロールバックを伴う登坂発進と判断する。
車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退するような状況の判断としては、例えば、車速情報と路面傾斜センサからの路面傾斜情報により、車速VSPがゼロ領域で上り傾斜角が設定値以上である場合にロールバックが予測される登坂発進と判断したり、また、車速情報と前後加速度センサからの前後加速度情報により、車速VSPがゼロ領域で路面傾斜による加速方向の前後加速度が設定値以上である場合にロールバックが予測される登坂発進と判断する。
ステップS3では、ステップS2にて登坂発進であるとの判断に基づき、エンジンEにより駆動される第1モータジェネレータMG1による発電制御中か否かを判断し、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はリターンへ移行する。
ここで、発電制御中か否かの判断は、バッテリS.O.C情報により発電要求が出ていることで判断したり、モータコントローラ2からインバータ3に対し第1モータジェネレータMG1による発電制御指令が現に出ていることで判断する。
ステップS4では、ステップS3にて第1モータジェネレータMG1による発電制御中であるとの判断に基づき、バッテリ4の入力限界電力から第2モータジェネレータMG2の発電電力を差し引き、その差分値を発電電力許容値とし、第1モータジェネレータMG1による発電電力を発電電力許容値以下とする制限を加え、リターンへ移行する。
ここで、「バッテリ4の入力限界電力」は、定常走行での必要容量やレイアウト性等を考慮して採用したバッテリ4により既知の値である。また、「第2モータジェネレータMG2の発電電力」は、車両の後退量と路面勾配から推定する。この車両の後退量と路面勾配は、後退量が大きいほど、また、路面勾配が大きいほど、第2モータジェネレータMG2の回転数低下勾配が大きくなることで、第2モータジェネレータMG2の単位時間当たりの回転数低下量により推定する。
[登坂路発進時に関する課題]
従来のハイブリッド駆動装置は、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを連結している(特開2003−32808号公報参照)。
この構成を採用することにより、エンジン出力に対してモータジェネレータ側が負担するトルクをより小さくして小型化を図れると共に、モータジェネレータを通過するエネルギがより低減することから、駆動装置としての伝達効率が向上する。
上記差動装置において、エンジンと差動装置のエンジン入力要素との間に第1クラッチを設け、第1モータジェネレータと差動装置の第1モータジェネレータ入力要素との間に第2クラッチを設け、エンジンと第1モータジェネレータとの間に第3クラッチを設け、第1モータジェネレータ入力要素とケースとの間にブレーキを設ける。そして、第1クラッチと第2クラッチを解放し、第3クラッチとブレーキを締結し、エンジンにより第1モータジェネレータを発電し、該第1モータジェネレータによる発電電力によりバッテリを充電し、該バッテリの充電電力により第2モータジェネレータを駆動するシリーズ走行モードを設定することができる。
しかし、発電要求によって、エンジンに直結された第1モータジェネレータで発電し、バッテリを充電している状態から登坂路発進を行った場合、車両が後退するロールバックが発生すると、本来放電であるはずの第2モータジェネレータが発電に移行し、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータの発電電力の合計がバッテリへ入力されることになる。
よって、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータの大きな発電出力をバッテリで瞬時に受け入れるためには、バッテリを大型化しなければならず、コストアップするという課題が生じる。
[発電電力制御作用]
これに対し、実施例1のハイブリッド車の発電電力制御装置では、エンジンEにより発電する第1モータジェネレータMG1と、該第1モータジェネレータMG1による発電電力を受け入れて充電するバッテリ4と、該バッテリ4の充電電力を用いて駆動する第2モータジェネレータMG2と、該第2モータジェネレータMG2と出力軸OUTが連結される差動装置と、を備えたハイブリッド車において、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況を検出するロールバック検出手段と、前記ロールバック検出手段によるロールバック検出時、前記第1モータジェネレータMG1による発電電力に制限を加える発電電力制御手段と、を設けることで、登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況となった場合、バッテリ瞬時受け入れ電力に制限を加えることで、バッテリの小型化およびコストダウンを図ることができるようにしたものである。
まず、「S-Lowモード」の選択時の共線図は、図8に示すようになり、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とは、エンジンクラッチECとモータジェネレータクラッチMGCの解放により3つの遊星歯車PG1,PG2,PG3による差動装置から切り離され、しかも、シリーズクラッチSCの締結により、第1モータジェネレータMG1は、エンジンEにより駆動されて発電する。この第1モータジェネレータMG1の発電電力は、インバータ3を介してバッテリ4に充電され、バッテリ4の充電電力を用いて第2モータジェネレータMG2は駆動する。3つの遊星歯車PG1,PG2,PG3による差動装置は、第2モータジェネレータMG2のみを駆動源とし、ローブレーキLB締結・ハイローブレーキHLB締結・ハイクラッチHC解放による固定ギヤ比モードでの走行となる。つまり、「S-Lowモード」は、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とバッテリ4と第2モータジェネレータMG2とが直列の接続関係となるシリーズ型ハイブリッド車としての走行モードということができる。
この「S-Lowモード」の選択しての登坂発進であって、車両が後退するロールバックを伴う時には、図7のフローチャートで、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、ステップS4において、バッテリ4の入力限界電力から第2モータジェネレータMG2の発電電力を差し引いた差分値を発電電力許容値とし、第1モータジェネレータMG1による発電電力を発電電力許容値以下とする制限が加えられることになる。
すなわち、「S-Lowモード」の選択しての登坂発進であって、車両が後退するロールバックを伴う時、第1モータジェネレータMG1による発電電力の制限制御無しである場合には、図9(1)に示すように、エンジンEによる第1モータジェネレータMG1からの発電出力に対し、t0の時点でロールバックにより第2モータジェネレータMG2からの発電出力が加わると、発電出力の合計は、太破線特性に示すように、t0の時点から大きな勾配にて立ち上がる。そして、t1の時点でバッテリ入力限界電力に達し、t1の時点から第2モータジェネレータMG2からの発電出力がピークとなるt2の時点までは発電出力の合計が上昇する。そして、t2の時点以降、発電出力の合計が低下する特性を示すが、t3の時点となるまでは、バッテリ入力限界電力を超えた値となる。よって、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2の大きな発電出力(特に、t2時点でのピーク発電出力)を、バッテリ4で瞬時に受け入れるためには、バッテリ4を大型化しなければならず、コストアップするという課題が生じる。
一方、「S-Lowモード」の選択しての登坂発進であって、車両が後退するロールバックを伴う時、第1モータジェネレータMG1による発電電力の制限制御有りである場合には、図9(2)に示すように、エンジンEによる第1モータジェネレータMG1からの発電出力に対し、t0の時点でロールバックにより第2モータジェネレータMG2からの発電出力が加わると、発電出力の合計は、太破線特性に示すように、t0の時点から大きな勾配にて立ち上がる。そして、t1の時点でバッテリ入力限界電力に達すると、t1の時点から第2モータジェネレータMG2からの発電出力が正の勾配特性であるt2の時点までは、第1モータジェネレータMG1からの発電出力を負の勾配特性とし、両発電出力の合計がほぼバッテリ入力限界電力となるように制限される。そして、t2の時点以降は、第2モータジェネレータMG2からの発電出力が負の勾配特性であるt3の時点までは、第1モータジェネレータMG1からの発電出力を正の勾配特性とし、両発電出力の合計がほぼバッテリ入力限界電力となるように制限される。つまり、制御無しでは発電出力の合計がバッテリ入力限界電力を超えた値となるt1の時点からt3の時点となるまでは、第2モータジェネレータMG2からの発電出力分を相殺するように、第1モータジェネレータMG1からの発電出力が制限される。よって、ロールバックを伴う登坂発進時、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2の合計発電出力は、バッテリ入力限界電力までに抑えられることになり、バッテリ4を大型化を要さないし、コストアップすることもない。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車の発電電力制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンにより発電するジェネレータと、該ジェネレータによる発電電力を受け入れて充電するバッテリと、該バッテリの充電電力を用いて駆動するモータジェネレータと、該モータジェネレータと出力部材が連結される差動装置と、を備えたハイブリッド車において、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況を検出するロールバック検出手段と、前記ロールバック検出手段によるロールバック検出時、前記ジェネレータによる発電電力に制限を加える発電電力制御手段と、を設けたため、登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況となった場合、バッテリ瞬時受け入れ電力に制限を加えることで、バッテリの小型化およびコストダウンを図ることができる。
(2) 前記ロールバック検出手段は、発進時、前記モータジェネレータの回転数を監視し、モータジェネレータ回転数がマイナス回転数に移行することでロールバックを検出するため、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの回転数検出値の監視等により、登坂路発進時に車両が後退するロールバックを確実に応答良く、かつ、簡単に検出することができる。
(3) 前記発電電力制御手段は、車両の後退量と路面勾配から前記モータジェネレータでの発電電力を推定し、推定した発電電力に基づいて、前記ジェネレータによる発電電力に制限を加えるため、モータジェネレータでの発電電力を精度良く推定することで、ジェネレータによる発電電力に、モータジェネレータでの発電電力分の制限を確実に加えることができる。
(4) 前記発電電力制御手段は、車両の後退量と路面勾配を、前記モータジェネレータの単位時間当たりの回転数低下量により推定するため、車両の後退量と路面勾配をそれぞれをセンサ等により検出する場合に比べ、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの回転数検出値の微分値等により、簡単に車両の後退量と路面勾配を推定することができる。
(5) 前記発電電力制御手段は、前記バッテリの入力限界電力から前記モータジェネレータの発電電力を差し引き、その差分値を発電電力許容値とし、前記ジェネレータによる発電電力を発電電力許容値以下とする制限を加えるため、エンジン駆動のジェネレータによる発電電力とロールバックによるモータジェネレータの発電電力との合計発電電力を、バッテリの入力限界電力以下に抑えることができる。
(6) 差動装置は、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列され、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンEからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを連結したものであり、前記エンジンEと差動装置のエンジン入力要素との間にエンジンクラッチECを設け、前記第1モータジェネレータMG1と前記差動装置の第1モータジェネレータ入力要素との間にモータジェネレータクラッチMGCを設け、前記エンジンEと前記第1モータジェネレータMG1との間にシリーズクラッチSCを設け、前記第1モータジェネレータ入力要素と変速機ケースTCとの間にハイローブレーキHLBを設け、前記エンジンクラッチECとモータジェネレータクラッチMGCを解放し、前記シリーズクラッチSCとハイローブレーキHLBを締結し、前記エンジンEにより第1モータジェネレータMG1を発電し、該第1モータジェネレータMG1による発電電力によりバッテリ4を充電し、該バッテリ4の充電電力により第2モータジェネレータMG2を駆動するシリーズ走行モードを設定し、前記発電電力制御手段は、前記シリーズ走行モードによる登坂発進時であり、かつ、ロールバックにより第2モータジェネレータMG2が発電している時、第1モータジェネレータMG1による発電電力に制限を加えるため、パラレル型ハイブリッド車としての走行モードと、シリーズ型ハイブリッド車としての走行モードとが併せて実現されるハイブリッド車において、シリーズ走行モードを選択してのロールバック伴う登坂発進時、バッテリ瞬時受け入れ電力に制限を加えることができる。
以上、本発明のハイブリッド車の発電電力制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ロールバック検出手段として、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退する場合の判断と、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退するような状況の判断とを含む好ましい例を示したが、車両停止状態からの登坂路発進時に現実に車両が後退する場合の判断のみを検出し、モータジェネレータによる発電電力に制限を加える例としても良いし、また、車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退するような状況の判断(現実に車両が後退しているか否かを問わない)のみを検出し、モータジェネレータによる発電電力に制限を加える例としても良い。
実施例1のハイブリッド車の発電電力制御装置は、3つのシングルピニオン型遊星歯車により構成された差動装置を有し、パラレル走行モードとシリーズ走行モードとが選択可能なハイブリッド差動装置の例を示したが、例えば、特開2003−32808号公報等に記載されているようにラビニョウ型遊星歯車により構成された差動装置を有し、パラレル走行モードとシリーズ走行モードとが選択可能なハイブリッド差動装置に適用することもできる。さらに、シリーズ走行モードのみを持つシリーズ型ハイブリッド車にも適用することができる。
実施例1の発電電力制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。 実施例1の発電電力制御装置を搭載したハイブリッド車において電気自動車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。 実施例1の発電電力制御装置を搭載したハイブリッド車においてハイブリッド車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。 実施例1の発電電力制御装置を搭載したハイブリッド車において走行モードの選択に用いられる走行モードマップの一例を示す図である。 実施例1の発電電力制御装置を搭載したハイブリッド車において「10の走行モード」でのエンジン・エンジンクラッチ・モータジェネレータ・ローブレーキ・ハイクラッチ・ハイローブレーキ・シリーズクラッチ・モータジェネレータクラッチの作動表である。 実施例1の発電電力制御装置を搭載したハイブリッド車において各係合要素との関係を示す共線図である。 実施例1の統合コントローラにて実行される発電電力制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のハイブリッド車で発電電力制御が実行されるシリーズローギヤ固定モードを示す共線図である。 両モータジェネレータでの発電出力とバッテリ入力限界電力との関係を発電電力制御無しと発電電力制御有りとで比較したタイムチャートである。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
OUT 出力軸(出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
LB ローブレーキ
HC ハイクラッチ
HLB ハイローブレーキ
EC エンジンクラッチ
MGC モータジェネレータクラッチ
SC シリーズクラッチ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ

Claims (6)

  1. エンジンにより発電するジェネレータと、該ジェネレータによる発電電力を受け入れて充電するバッテリと、該バッテリの充電電力を用いて駆動するモータジェネレータと、該モータジェネレータが連結された出力部材と、を備えたハイブリッド車において、
    車両停止状態からの登坂路発進時に車両が後退したり、あるいは、車両が後退するような状況を検出するロールバック検出手段と、
    前記ロールバック検出手段によるロールバック検出時、前記ジェネレータによる発電電力に制限を加える発電電力制御手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車の発電電力制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車の発電電力制御装置において、
    前記ロールバック検出手段は、発進時、前記モータジェネレータの回転数を監視し、モータジェネレータ回転数がマイナス回転数に移行することでロールバックを検出することを特徴とするハイブリッド車の発電電力制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたハイブリッド車の発電電力制御装置において、
    前記発電電力制御手段は、車両の後退量と路面勾配から前記モータジェネレータでの発電電力を推定し、推定した発電電力に基づいて、前記ジェネレータによる発電電力に制限を加えることを特徴とするハイブリッド車の発電電力制御装置。
  4. 請求項3に記載されたハイブリッド車の発電電力制御装置において、
    前記発電電力制御手段は、車両の後退量と路面勾配を、前記モータジェネレータの単位時間当たりの回転数低下量により推定することを特徴とするハイブリッド車の発電電力制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載されたハイブリッド車の発電電力制御装置において、
    前記発電電力制御手段は、前記バッテリの入力限界電力から前記モータジェネレータの発電電力を差し引き、その差分値を発電電力許容値とし、前記ジェネレータによる発電電力を発電電力許容値以下とする制限を加えることを特徴とするハイブリッド車の発電電力制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載されたハイブリッド車の発電電力制御装置において、
    前記モータジェネレータと前記出力部材は差動装置に連結され、
    差動装置は、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列され、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結したものであり、
    前記エンジンと差動装置のエンジン入力要素との間に第1クラッチを設け、前記第1モータジェネレータと前記差動装置の第1モータジェネレータ入力要素との間に第2クラッチを設け、前記エンジンと前記第1モータジェネレータとの間に第3クラッチを設け、前記第1モータジェネレータ入力要素とケースとの間にブレーキを設け、
    前記第1クラッチと第2クラッチを解放し、前記第3クラッチとブレーキを締結し、前記エンジンにより第1モータジェネレータを発電し、該第1モータジェネレータによる発電電力によりバッテリを充電し、該バッテリの充電電力により第2モータジェネレータを駆動するシリーズ走行モードを設定し、
    前記発電電力制御手段は、前記シリーズ走行モードによる登坂発進時であり、かつ、ロールバックにより第2モータジェネレータが発電している時、第1モータジェネレータによる発電電力に制限を加えることを特徴とするハイブリッド車の発電電力制御装置。
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